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三村知事さん、ようこそ三省小学校へおいでくださいました。私

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三村知事さん、ようこそ三省小学校へおいでくださいました。私
「こんにちは!知事です」(平成20年9月2日実施)の概要について
平成20年9月2日(火)、弘前市立三省小学校において、
「こんにちは!知事です」を実施
しました。
「こんにちは!知事です」は、知事が小・中学生の皆さんと交流し、将来への期待等につい
て意見交換するものです。
平成20年度は、弘前市立三省小学校が2校目の訪問校となり、当日は5∼6年児童27名
が、知事と意見交換を行いました。
【第一部】
児童あいさつ
三村知事さん、ようこそ三省小学校へおいでくださいました。私たちは知事さんにお会
いするのをとても楽しみにしていました。
今日は私たち 5~6 年生 27 名が全校の代表として知事さんとお話をします。知事さんと
お話をするのにあたって、私たちは改めて青森県のことについていろいろ調べてみました。
今まで知らなかったことがたくさんありました。青森県はいろいろなことに力を入れてが
んばっていることもわかりました。私たちは知事さんのことはあまり知らないので、5 年
生がいろいろと質問します。私たち 6 年生は調べたことを基に自分達の考えを発表したい
と思っています。三村知事さん、今日は最後までどうぞよろしくお願いします。
児童による学校紹介
弘前市立三省小学校は市街地の北部、岩木川の西沿いに位置し、りんごと米づくりの盛
んな田園地帯の小学校として地域の人々に愛され、支えられて伝統を引き継いできました。
平成 19 年 7 月 15 日には創立 120 周年を迎え、今年は 121 年目になります。
昨年、創立 120 年を記念して三省ねぷたが運行され、地域と一体となった行事として大
いに盛り上がりました。これまで 121 年の間に 4,116 名の卒業生が送り出されました。
よく考え、進んで学ぶ子、仲良くたすけあう子、健康でがんばる子、この 3 つを教育目
標に掲げ、今年は 76 名の児童が学んでいます。全校みんな仲がよくまとまりがあります。
ミニバスケット部、音楽部など部活動が盛んで、みんな一生懸命がんばっています。大会
ではいつも上位入賞しています。
それから、三省小学校から見える岩木山はとてもきれいです。私たちは岩木山に見守ら
れて楽しく毎日を送っています。地域の人々の協力のもと、全校でりんごの人工授粉や、
収穫などのりんご学習、田植えや稲刈りなどの体験学習も行っています。4 年生は、河川
パトロールにでかけたり、5 年生は収穫したりんごを実際にデパートで販売したりもして
います。それから 10 月には全校の炊事遠足、12 月には全校の餅つき大会もあり、楽しい
行事がいっぱいです。また、英語学習も盛んで、専門の講師を招いて、毎回楽しみながら
-1-
学習をしています。創立 121 年の今年、新たなスタートの年、76 名の児童が三省小学校
の伝統を引き継ぎ未来へ向けて大きな夢と希望を抱いて新たな歴史を築いていきたいと
思っています。
知事あいさつ
皆さん、こんにちは。今日は皆さんと、どうしたら青森県がもっとよくなるかとか、こ
ういう青森県に将来暮らしてみたいなというような、様々なアイディアや考え方を話して
くれたらうれしいと思います。緊張しないで話してください。よろしくお願いします。
【第二部】
知事に質問
児童 1
なぜ知事になったのですか。知事になったときの気持ちはどうでしたか。
知事
知事になった理由は、その時、青森県がいろいろなことで大変だったので、青森県を元
気にしたいと思ったからです。
でも実際になったときには大変なことがたくさんあって、自分だけではできないので、
県民の皆さんといろいろなことを考えて一緒に行動してもらって青森県を少しずつ確実
に元気にしていきたいと思いました。
児童 2
知事さんはいつもどんな仕事をしているのですか。それから、学級には副会長がいます
が、副知事はいるのですか。
知事
いろいろな仕事をしていますが、今日は、朝から弘前市内の企業を訪問して、この三省
小学校に来ました。午後は別の学校にも行って意見交換会をした後、テレビ番組の撮影の
ために弘前市内の会社に行きます。その後、青森に戻って会議をします。
それから、9 月に県議会が始まるので、補正予算をどのように編成するか、福祉や商工
業や農業など各部のいろいろな問題を聞いてどうするか判断をします。
一番大きな仕事は青森県のいろいろな課題への対策をどう進めるかを判断することで
す。その他に年 4 回県議会があって、議員の皆さんに県の状況を説明して、知事としてど
うしたいかということを議員の皆さんに聞いてもらって、県議会の方々の意見を聞きなが
ら判断します。
一人ひとりの県民が青森県でよりよく安心して暮らすために必要と思われる課題を解
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決し、テーマを設定して未来に向けて働く場をつくっていくといったことをしています。
副知事は 2 人います。蝦名さんと青山さんです。
児童 3
知事さんの仕事の中で一番大変なことは何ですか。それから、いつもはどんな場所で仕
事をしているのですか。
知事
一番大変なのは財政です。県民の皆さんのご理解・ご協力を得ながら、県の借金を返し
つつ同時に青森県を元気にするための政策をやらなければいけないので、財政のバランス
をとっていくということをしています。
仕事をしている部屋は、今日の会場の図書室よりはせまいところに応接セット、会議用
テーブルがあって、そこで仕事をしています。
児童 4
知事は結婚していますか。知事の年齢は
何歳ですか。
知事
茨城県の水戸から奥さんが来ています。
1956 年生まれの 52 歳です。
児童 5
知事の仕事をしていて怒りたいときはありますか。それから、知事はどうやってなった
のですか。
知事
怒りたいときは時々あるけど、ぐっと我慢しながら話をしています。
知事選挙に立候補して、県民の皆さんが投票して、その得票の数が一番多かったので、
知事になりました。
児童 6
知事の年収はいくらですか。それから青森県をどのようにしたいですか。
知事
今の年収は約 1,700 万円です。
-3-
青森県をどうしたいかというと、青森に住んでよかった、仕事もあって健康でいられる、
ここで暮らして楽しい、未来の大人になる皆さんが青森に住んで、結婚して、子どももつ
くって、青森県にいてよかったと思ってくれたらいいと思います。そのためにいろいろな
政策を提案しています。働く場をつくることや、保健・医療・福祉のことや、攻めの農林
水産業でりんごをたくさん売ることなど、いろいろな仕組みづくりをしています。
道路をつくったり、橋をかけたり、皆さんが元気でここで暮らしていけるための仕組み
づくりが一番大事だと思ってやっています。
意見交換
A班
児童 7
A 班は農林水産業について質問します。
青森県の米やりんごについて、もっと全国的に宣伝してはどうでしょうか。
青森県は漁業が盛んですが、燃料代が高くなり、漁に出られなくなると思うのですが、
知事はどう思いますか。
児童 8
昨年「青森米が全国で売れるためには」という授業をしました。青森県では、どのよう
に全国に宣伝していますか。
甲子園球場のレストランなど、県産米を取り扱っている店が県外にもたくさんあるよう
です。他県の人とのつながり(友だち)ができれば、もっと売れるようになるのではない
でしょうか。
児童 9
県産品の PR に「決め手くん」や「お米大使」はとてもいいと思います。今度は「ほた
てマン」をつくってはどうでしょうか。また、宮崎県の東国原知事のように、キャラクタ
ーをつくって特産品を売り出すといいと思います。
三省小学校児童の保護者である米農家の方が、横浜などの大都市のデパートに出かけて、
試食させてお米を売っているそうです。もっと全国に出向いて宣伝してはどうでしょうか。
知事
私は知事になってから全国、世界のいろいろなところで、特に青森りんごについて一生
懸命販売してきました。全国の市場の皆さんに集まってもらって、りんごを高い値段で扱
ってもらうようにお願いしたり、イトーヨーカドーやイオングループなどに出かけていっ
てセールスをしています。
このようなセールスの仕組みは青森県が最初に始めました。総合販売戦略課といって、
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なんでも青森のものを売りますという課を県庁につくって、りんごであればりんご対策協
議会などと一緒にどんどん全国を歩き回ってきました。
トップセールスは、平成 18 年には県内外あわせて 32 回、平成 19 年は 22 回とどんど
ん売りに行っています。県外のセールスが多く、他県のテレビなどにたくさん取り上げて
もらっています。
宮崎県の東国原知事が就任した後に、青森県ではどのようにして県外に売っているかと
いうことを宮崎県の人が聞きに来たらしいです。青森県の場合は、知事だけではなくて総
合販売戦略課や農協、りんご対策協議会などいろいろな人が手を携えて全国を売り歩いて
います。
そして甲子園の話がありました。やはり青森米を食べて阪神が強くなったと思います。
確かにいろいろな人と友だちになることは大事です。全国を回って仲間をつくって応援し
てもらって、青森県産品をどんどん PR しています。今年は九州や沖縄のイオン全店舗で
青森フェアをやってくれる予定で、九州イオンの基幹店舗がある鹿児島にチャーター便で
行って観光と県産品をセールスすることになっています。ここでもっと友だちを増やして、
通常取引を増やそうとしています。
それから台湾に行って、クリスマスに青森に来てくださいという大きな商談会をりんご
の会の人たちと一緒にやることになっています。年明けには中国でも青森フェアをやる予
定です。一度食べてもらうと青森のものはすごくいいと言ってもらえるので、これからも
皆さんのお父さんお母さんのためにもがんばっていきたいと思っています。
それから、漁業の燃油がすごく高くなりました。県では国にかけあって、油を使わない
でイカをとったり、電気を発光ダイオードにしたり、交代で漁を休んだりといったことを
して国から支援してもらう仕組みをつくりました。
キャラクターについては、青森県産品 PR キャラクター「決め手くん」がどこにいって
も大人気です。そしてこれは三内丸山遺跡マスコットキャラクター「さんまる」です。縄
文の世界遺産登録を目指しています。その他にロゴマークをつくって青森の縄文を世界遺
産にと売り込んでいます。それからホタテについては、青森県ほたて流通振興協会が「ホ
タちゃん」というキャラクターをつくっています。
宮崎県の東国原知事もがんばっていますが、青森県はチームでがんばっています。修学
旅行で東京に行ったときに、県のアンテナショップで県産品の販売をした学校もありまし
た。皆さんも中学生になって修学旅行に行くときに、実習として弘前の特産品を販売した
いと先生に提案すれば、県のアンテナショップを貸してあげることができるかもしれませ
ん。
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B班
児童 10
B 班は観光について質問します。
観光客に青森県をアピールするために、青森県の有名なものを「青い森のメッセージ」
のような歌にしたらどうでしょうか。
また、三内丸山遺跡の「さんまる」をテレビ CM に出したり、美しい岩木山をもっと宣
伝すると、もっと観光客をよべると思うのですが、どうでしょうか。
児童 11
弘前には、
「りんご娘.」という歌手がいて、りんごのことも宣伝しています。全国的に
売り出してはどうでしょうか。
青森県にはテーマパークがありません。青森市にディズニーランドみたいな遊園地をつ
くると、ねぶた祭りの時など、人が集まってよいと思います。
岩木山には、「弥生いこいの広場」があり、かわいい動物がたくさんいます。でも、も
っと大きな動物園をつくると、観光客もたくさん来るし、岩木山の自然も見てもらえるし、
働く場所もできるのでよいと思います。
児童 12
岩木山や白神山地の自然を生かして、親子で楽しめる「青森県おやこの国」をつくって
はどうでしょうか。
私たちは昨年、創立 120 周年関連の総合学習として、岩木川と生活の歴史について調べ
ました。三省地区は岩木川沿いに開けた地区で、昔から川とともに生きてきたことがわか
りました。今は、危ないので川で遊ぶこともできません。インターネットで調べたら、埼
玉県などには、川の博物館があることがわかりました。みんなが楽しく学べて、そして楽
しく遊べるような岩木川の博物館もあったらいいと思います。
知事
今日は、皆さんに青森県の特産品がたくさん歌詞に出てくるりんご娘.の曲「どすこい
金星」を聞いてもらいたいと思います。
りんご娘.は 8 月末に、中国の大連で行われたのど自慢大会に出演者として行っていま
した。一緒にりんごを売ったりもしてくれています。それから 10 月に公開される映画「三
本木農業高校、馬術部」にりんご娘.のジョナゴールドさんが出ます。りんご娘.には、
海外でも積極的に青森県の宣伝をしてもらっています。
そして岩木山は見てもきれいだけれど、文化的、伝統的なものもあっていいところだし、
嶽きみやりんごなど食べ物もおいしい。我々は岩木山をいろいろな形で、おいしい食べ物
やお山参詣などの大事な地域の行事もあるということなど、
いろいろな PR をしています。
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スキー場としてもいいと思います。
青森県には岩木山、白神山地、十和田湖、下北など美しいところがたくさんあります。
青森にたくさんの人が観光に来てくれるようにすることが大事だと思っています。「あお
もりツーリズム」という名前をつけて、青森の豊かな自然や食べ物、おもしろい人との出
会いなど、青森はいいところですよというキャンペーンをしています。
ものづくりの産業、仕事をつくることも
いろいろやっているけれども、得意分野を
伸ばすことは大事です。青森県は農林水産
業が得意で、そして美しくておいしいもの
がたくさんあるので、観光分野を伸ばすべ
きだということで、JTB や JR など旅行関
係の方と一緒に県に来てもらうようがん
ばっています。
1 番増えたのは韓国や台湾からの観光客
です。韓国のソウルと青森の直行便が週 4 便飛んでいるのを知っていますか。約 5 万人の
観光客が直行便によって増えました。
台湾の観光客もチャーター便で雪を見にきたりしています。私たちは雪もいいけれど青
森のりんごはおいしいよというキャンペーンをやっています。青森県の人はバナナをたく
さん食べています。だから台湾の人に、バナナを買っているのだから青森のりんごを買っ
てくださいと売り込んでいます。そういうことで海外のお客様も含めて青森に来てもらう
観光戦略を立てて一生懸命やっています。
そして、テーマパークの話がありました。テーマパークは都市型のつくった観光という
感じがします。青森県でテーマパークとなると、なかなか難しいかと思います。
青森県には水族館や美術館がありますが、青森の子どもたちはぜひ水族館で楽しんでほ
しいと思います。美術館も子どもたちのための創作活動を企画して、楽しんでもらえるよ
うにしています。それから少し遠いかもしれないけれど、三沢の航空科学館や県内にいろ
いろある施設に家族で行ってくれるとうれしいです。
そして「おやこの国」という話もありました。青森県には自然がいっぱいあります。こ
れがテーマパークだと思っています。自然がいっぱいある青森県、自然の中を家族と散歩
して、これは何の木だとか、あの動物は何だとか、自然をテーマパークとして、青森の自
然を楽しんでくれたらと思います。
川の話がありました。弘前だと水辺プラザや河川公園があって、地域の人たちが川と親
しめるところがあります。
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C班
児童 13
青森県では水質汚濁を防止するために、旅館、ホテル、飲食店などから廃食油を回収な
どして、エコ活動に取り組んでいる人たちがいることを知りました。前に、岩木川の下水
処理場や浄水場に行ったら、岩木川は東北地方でも有名な汚い川にランク付けされている
と聞きました。家庭排水の油が一番の原因だと思いますが、今後、どのように環境問題に
取り組んでいきますか。
CO2 を削減するためには、やはりガソリン以外の燃料を使う必要があると思います。ま
た、石油などの火力発電に頼らない発電も必要だと思います。青森県には風力発電の場所
がけっこうあるので、もっと増やしてはどうでしょうか。
児童 14
地球温暖化防止のために、青森県は二酸化炭素の排出をどうやって減らそうと考えてい
ますか。
児童 15
6 月に北海道に修学旅行に行ったら、「洞爺湖サミット」の準備をしていました。今回
のサミットのテーマは「地球温暖化防止」だと聞きました。また、青森市では、事前にエ
ネルギー大臣の会議が開かれました。青森県では地球温暖化対策を考えていますか。また、
実際にやっていることはありますか。
名古屋市や神奈川県などでは、燃料電池自動車をPRのために導入しているみたいです
が、青森県ではあるのですか。
知事
3 人とも、これからの時代に大事な環境について聞いてくれました。
岩木川のことですが、確かに岩木川のきれいさは東北の一級河川 24 の中では 21 番目
です。BOD(生物化学的酸素要求量)という指標があって、きれいな川ほどこの BOD の
値が小さいというものです。過去には岩木川に生活排水を流していたこともあったとは思
います。でも、それぞれの流域の市町村で下水道を整備したり、県でも水循環システムの
取り組みをしたり、生活排水の問題、下水道整備や合成洗剤を流さないようにするなど川
をきれいにしていく取り組みを全力でやっています。
皆さんにお願いしたいのは、岩木川にごみなどを捨てないようにしてほしいということ
です。増水があるとびっくりするくらいごみが出てきたりしますが、一人ひとりが川を守
るような工夫をしてくれればいいなと思います。
さて、風力発電の話がありました。青森県では風力発電が多く、風力で発電した電気を
NAS電池(電力貯蔵用電池)というものにためて、それを供給する、世界で初めての仕組み
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もやっています。風力発電は風がないと止まります。そうすると、周波数や電圧が乱れて安定
した電力がつくれません。蓄電池に蓄えて、周波数や電圧も一定のものを出せるような仕組み
の開発が行われています。日本だけでなく、アジアやアフリカで動力がなくて水が汲めない
という国にこういう仕組みを持っていけば、世界に貢献できると思っています。
それから温暖化対策についてですが、温暖化というと暖かくなっていいなと思うけれど、
一番怖いのは気象変動です。竜巻が急に起きたり、突然に激しい雨が降って洪水がおきた
り流される人がいたり、天気が今までと違って変なことが起こってきます。北極の氷が解
けると、海の塩分濃度が変わって潮の流れが変わります。海流の流れが変わると気象変動
(気候変動)が起こって、温暖化のせいで南太平洋の島が沈みかけたりしています。
だから世界中の総理大臣や大統領が集まって温暖化対策をしようということで、洞爺湖
でサミットが開かれました。青森県で開かれたエネルギー大臣の会議でも、気象変動とエ
ネルギーは関わってくるので、その対策について話し合いました。
その他に、アースレンジャーという人たちが県内各地をまわっていたり、アイドリング
ストップといって、エンジンをかけっぱなしにしないで停車するときはエンジンを止めた
り、エコスクールといって一人ひとりがどうやったら CO2 を減らせるかを考えてもらっ
たりしています。
それから青森県ではかなり早い時期からプラグインハイブリッドカーなどについて研
究開発をしています。私の車もハイブリッドカーです。そういう仕組みを他県に先駆けて
やっています。そして、寒いところで電気自動車がちゃんと走るかどうかの実証試験を青
森県でやることになっています。
これからも我々は地球環境を守る取り組みを皆さんと一緒にやりたいと思いますが、小
学生の皆さんには、こまめに電気を消したり、ごみの分別をしたり、ごみをたくさん出さ
ないためにはどうすればいいかを考えたり、身近なところから始めてほしいと思います。
D班
児童 16
D 班は健康と医療について質問します。
青森県には、お医者さんや病院が少ないと聞きましたが、もっと増やしてはもらえない
ですか。
児童 17
青森県民のがん死亡率は、日本で一番高いことに驚きました。このことについて、知事
はどのような対策をお考えですか。
青森県は総合病院が少ないことや、これからはドクターヘリが必要なことを、前にテレ
ビで見ました。ぼくはドクターヘリの導入はとてもよいことだと思いますが、もう少し台
数を増やして、青森、八戸、弘前の三つの市にヘリポートを設置するとよいと思います。
-9-
知事はどう思いますか。
児童 18
青森県には、大学病院がありますが、がん専門の病院がないと聞きました。高齢化社会
でがんの死亡率も高いので、他の県のように「青森県立がんセンター」をつくっては、ど
うでしょうか。
それから新聞で見たのですが、47 都道府県の中で、がん対策基本計画をつくっていな
い都道府県の中に青森県も入っているのですが、今後、作る予定はありますか。
知事
まず、お医者さんの問題について、医師の方々が青森県で育ってくれることが大事です
が、他の都道府県から入学してきた学生が県内にとどまってくれないということもありま
す。我々はやはり青森県から、まずは医学部に入ってもらえるようがんばっています。今
年は県内から弘前大学医学部に 44 人合格しました。予備校の先生たちに夏休みなどに来
てもらって、高校生を集めて特訓して、まず青森県の高校生が医学部に受かってくれるよ
うにがんばっています。ぜひこの三省小学校からも医学部を目指す人が増えればと思いま
す。
知事になって以来「良医を育むグランドデザイン」をつくって、青森県でお医者さんと
して育ってみてくれませんか、他県から来た人でも青森県で一緒に暮らしましょうという
仕組みをつくりました。今は、医学部の 4 年生までの 64 人の人たちが、これから青森県の
お医者さんとして頑張ってくれるという約束をしています。あと 2 年経って、その人たちが 6
年生になると卒業して国家試験を受けて、じわじわとお医者さんが増えると思います。
我々はそういう人たちと一緒に青森県の医療全体の作戦を立てていきたいと思っていま
す。お医者さんはすぐになれるのではなくて、高校生が医学部に受かってから 6 年間勉強
して、国家試験を通ってから 2 年間初期臨床研修をして、やっとお医者さんとして一人前
に仕事ができるようになるので時間がかかります。でも知事になって以来ずっと取り組ん
でいて、今 4 年生になっているから、もう少しだとがんばっています。
がんの話がありました。がんという病気と我々青森県は闘っていかなければならないと
思っています。県立中央病院に国立がんセンター東病院の院長を呼んでくることができま
した。この先生は日本でがんとの闘いの最先端にいた先生です。この先生を中心として、
県立病院の仕組みを変えて、がんと闘う体制をつくっています。今年度の補正予算でもが
んと闘う新しい機械を買うことにしていて、じわじわと仕組みができてきています。県立
中央病院など5か所が国からがん診療連携拠点病院として指定されています。
それから青森、弘前、八戸の 3 市にヘリポートが必要ではないかという意見がありまし
た。高度救命救急センターにはヘリポートは必要なものになるので、我々としても備えて
いくための予算を確保しなければと思っています。ドクターヘリは知事として必要だと思
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うし、ただヘリだけあっても診察できなければ意味がないので、高度な救急病院のネット
ワークをきちんとつくるなど仕組みを整えて、取り組んでいかなければならないと思って
います。一人ひとりの県民の命は一番大事なものなので、しっかり対応し、がんばってい
きたいと思います。
知事(終わりのあいさつ)
今日は、5∼6 年生の皆さんが思っていることを、一生懸命話してくれました。
皆さんが家族や先生や地域の方々から愛されて、すくすくと気持ちが暖かく育ってくれ
ているのだということを感じました。
今日は医療問題、環境問題、産業問題、観光問題といろいろなことで質問を受けました
が、皆さんから提案されたこと、皆さんがこういう青森ならいいなという気持ちで話して
くれたことを県政の中でいろいろな形で生かしていきたいと思っています。今日は逆に皆
さんから教わったような気がします。本当にありがとうございました。
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