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(平成14年9月)資料編(PDF:1143KB)
Ⅴ 資料編 資料1 茨城県を中心とする企業の動き∼新しい物流ルートのポテンシャル∼......................44 資料2 北関東の主要事業所の分布 .........................................................................................47 資料3 茨城県の物流面における優位性等の検証 ....................................................................51 資料4 用語集..........................................................................................................................57 資料5 茨城県総合物流計画策定委員会設置要項 ....................................................................61 43 資料1 1 茨城県を中心とする企業の動き∼新しい物流ルートのポテンシャル∼ 北関東自動車道・常陸那珂港ルートに関する企業の動き ◆北米航路復活への期待(製紙メーカー)◆ 製紙メーカーA 社は、北米からの原料輸入に際し横浜港を利用していたが、北米航路 の開設により常陸那珂港の利用を決めた。利用のねらいは、物流コスト(陸送費)の 圧縮であり、この会社は年間 2,500 万円の物流コストの圧縮となった。現在、北米航 路が休止となり、その復活が待たれる。 北関東自動車道については、群馬県前橋市に立地する顧客への納品に利用する意向 を持つ。その理由は、同自動車道を利用することにより、顧客配送の 2 回転が可能と なり、高速道路のメリットを享受できるから。 ◆ ロシア航路への期待(自動車販売業)◆ 自動車販売業 B 社は、ロシア向けの中古自動車の輸出に際し、横浜港、新潟港を利 用していたが、2000 年 6 月から常陸那珂港のロシア航路を利用している。利用のねら いは物流コストの圧縮である。 ロシア国内での中古車価格は 25∼30 万円。この価格内に占める、日本国内の物流コ ストの削減効果は大きい。ただ、常陸那珂港の場合、航路の安定性に疑問があるので 納品を急ぐ場合は寄港頻度が高く、海上輸送日数の短い新潟港を利用している。 ◆中国航路への期待(家電量販店、精密機械メーカー)◆ 茨城県内に本社のある家電量販店 C 社は、茨城県南部に自社所有の物流拠点を設置 する構想を持つ。そのねらいは、家電製品の生産が中国にシフトしたことへの対応。 自社物流拠点の近隣の常陸那珂港の利用も想定しているが、その実現には中国航路の 充実が必要との認識を持つ。 また、中古家電製品の中国市場での需要が拡大すると考えており、輸入だけでなく 輸出にも対応した中国航路の充実を期待している。 精密機械メーカーD 社は、部品センターをつくばに集約し、京浜港を利用して輸出入 業務を実施している。部品センターの立地条件は、場所が工場(茨城県南部)と港(京 浜港)の間、低地価物件、陸上輸送費用の低減であった。 同社の輸出入貨物は、比較的定常的なので、常陸那珂港のコンテナ定期航路が充実 すれば、京浜港から常陸那珂港への転換も可能との認識を持つ。 44 ◆内航海運への期待(外資系自動車メーカー)◆ 日立市と愛知県豊橋市に新車整備センターを設置する外資系自動車メーカーE 社は、 ヨーロッパで生産した自動車を、日立港で陸上げしている。 同社は、日本国内の輸送コスト削減のため、内航海運の活用を積極的に実施する方針 で、現在北海道向けの海上輸送を仙台港から実施している。北関東自動車道の全線開通 時には、北関東の自動車メーカーの製品とともに、常陸那珂港から同社の製品を全国各 地に海上輸送を行う構想を持つ。 ◆北関東自動車道の利用(スーパーチェーン)◆ 首都圏及び北関東に店舗を展開するスーパーチェーン F 社は、茨城県内に 4 箇所、栃 木県内に 1 箇所あった物流拠点を茨城県岩瀬町に集約した。そのねらいは、北関東の各 店舗の配送拠点の構築だが、国道 50 号に面した立地を活かし、ほとんどの店舗に 1 時間 以内に配送が可能となった。 また、北関東自動車道が開通すれば、さらなる配送時間の短縮が見込め、物流の効率 化が図られるとの認識を持つ。 45 2 東関東自動車道・百里飛行場ルートに関する企業の動き ◆東関東自動車道について(壁材製造メーカー)◆ 鹿行地域に立地する壁材製造メーカーG 社は、北海道・関西向けの出荷に際し常陸 那珂港、大洗港の苫小牧・大阪航路を利用していた。最近、大阪航路が休止となりそ の復活が待たれる。 同社は、大阪岸和田、名古屋、新潟、小田原、越谷、仙台に国内配送拠点を持ち、 トラック輸送を実施。東関東自動車道は、首都圏方面への配送によく利用されており、 首都圏の配送圏域拡大に貢献している。将来、北関東自動車道は北陸向けの輸送に、 首都圏中央連絡自動車道は越谷への配送に利用意向を持つ。 3 首都圏中央連絡自動車道ルートに関する企業の動き ◆TICT(つくばインランドデポ)への期待(半導体製造メーカー)◆ 茨城県南部に立地する半導体製造メーカーH 社は、半導体の国内配送拠点を TICT(つ くばインランドデポ)内に設置。現在は、成田空港周辺に航空貨物用施設整備が進む 傾向だが、同社は成田空港自体の貨物取扱能力に疑問を持ち、TICT を利用する方が時 間的ロスが少ないと考えている。 同社は、通関業務の日祭日の実施や、首都圏中央連絡自動車道の早期開通が、TICT の有用性を高めると考えている。 ◆県南地域の工業団地について(大手運送業)◆ 大手運送業の I 社は、茨城県南部の貨物運送需要に対応するために、同地域の工業 団地に配送センターを設けた。同社は、この配送センターの貨物を都内の大規模配送 センターに集荷し、全国に幹線輸送を行う予定だが、東京までの配送時間を短縮する ために、常磐道とのアクセスが重要であった。また、整備された工業団地なので、地 元対策が必要ないことも立地の要因となった。 また、同社は地方港の利用にも関心を持っており、常陸那珂港の中国・東南アジア 航路が充実すれば利用を検討する意向を持つ。 46 資料2 北関東の主要事業所の分布 (1)茨城県内の主要事業所 地図番号 所在地 日立市 〃 〃 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ 〃 〃 〃 土浦市 〃 下館市 取手市 岩井市 ひたちなか市 〃 〃 〃 〃 鹿嶋市 稲敷郡美浦村 稲敷郡阿見町 猿島郡総和町 鹿島郡神栖町 事業所名 (株)日立製作所情報制御システム 事業部 〃 電機システム事業部 日立ホーム・アンド・ライフソリ ューション(株) (株)日立製作所原子力事業部、火 力水力事業部、産業プラント事業 部 日立電線(株)電線工場 〃 日高工場 日立建機(株)土浦工場 (株)日立インダストリイズ 日立化成工業(株)下館事業所 キヤノン(株)取手事業所 トステム(株)岩井加工工場 日立工機(株)本社工場 (株)日立製作所デジタルメディ ア事業部 (株)日立ハイテクノロジーズ (株)日立製作所自動車機器グルー プ 〃 ビルシステムグループ 住友金属工業(株)鹿島製鉄所 日本テキサス・インスツルメンツ (株)美浦工場 キヤノン(株)阿見事業所 山崎製パン(株)古河工場 三菱化学(株)鹿島事業所 生産品目 開閉装置・配電盤・電力制御装置 開閉装置・配電盤・電力制御装置 民生用電機機械器具 原動機 電気機械器具 電線・ケーブル 建設機械・鉱山機械 ポンプ・同装置 プラスチック板・棒 電子計算機・同附属装置 住宅用建材 機械工具 ビデオ機器 半導体素子 内燃機関電装品 エレベータ・エスカレータ 鋼帯 集積回路 電子計算機・同附属装置 パン 化学 ※従業員 1,000 人程度の企業の事業所(2002 年3月現在) ・上記事業所の内、条件が整えば、 常陸那珂港を利用する事業所は 半数を超える(利用企業を含む)。 ・業種も多岐に渡る。 47 (2)栃木県内の主要事業所 地図番号 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ 所在地 宇都宮市 〃 〃 〃 足利市 栃木市 佐野市 鹿沼市 日光市 小山市 〃 真岡市 大田原市 矢板市 黒磯市 河内郡上三川町 芳賀郡市貝町 下都賀郡大平町 〃 芳賀郡芳賀町 事業所名 キヤノン(株)宇都宮工場 キヤノン(株)宇都宮光学機器 事業所 富士重工業(株)宇都宮製作所 松下電器産業(株)AVC 社テレ ビネットワークシステム事業部 アキレス(株)足利第一工場 栃木富士産業(株) カルソニックカンセイ(株)佐 野工場 住友電気工業(株)関東製作所 古河電気工業(株)日光事業所 コマツ 小山工場 富士通(株)小山工場 本田技研工業(株)栃木製作所 真岡工場 (株)東芝 那須工場 シャープ(株)矢板工場 (株)ブリヂストン栃木工場 日産自動車(株)栃木工場 花王(株)栃木工場 いすゞ自動車(株)栃木工場 日立ホーム・アンド・ライフソ リューション(株) 本田技研工業(株)栃木製作所 芳賀工場 生産品目 光学機械用レンズ・プリズム 半導体製造装置 航空機部分品・補助装置 テレビジョン受信機 合成皮革 自動車部分品・附属品 自動車部分品・附属品 電線・ケーブル 自動車ワイヤー エンジン、建設機械 有線通信機械器具 自動車部分品・附属品 医療機器 ビデオ機器 自動車タイヤ 自動車 パルプ・紙・紙加工品 自動車部分品・附属品 民生用電気機械器具 自動車部分品 ※従業員 1,000 人程度の企業の事業所(2002 年3月現在) ・上記事業所の内、条件が整えば 常陸那珂港を利用する事業所は 半数程度(利用企業を含む)。 ・業種は、電気機械、輸送機械関 連が中心。 48 (3)群馬県内の主要事業所 地図番号 ④ 所在地 前橋市 〃 高崎市 〃 〃 〃 〃 桐生市 伊勢崎市 〃 ⑤ 太田市 〃 〃 ① ② ③ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ 〃 安中市 〃 新田郡新田町 邑楽郡大泉町 邑楽郡邑楽町 〃 富岡市 利根郡昭和村 事業所名 日本精工(株)前橋工場 プラス(株)前橋工場 エヌエスケー・トリントン(株) 沖電気工業(株) 太陽誘電(株)八幡原工場 (株)日立製作所半導体グループ マックス(株)高崎工場 (株)ミツバ サンデン(株) (株)ユニシアジェックス群馬工 場 (株)オギハラ 群馬日本電気(株) GE 東芝シリコーン(株)太田事業 所 富士重工業(株)群馬製作所 信越化学工業(株)群馬事業所 信越半導体(株)磯部工場 日野自動車(株)新田工場 三洋電機(株)東京製作所 (株)アドバンテスト群馬工場 東急車輌製造(株)群馬製作所 (株)アイ・エイチ・アイ・エア ロスペース富岡事業所 キヤノン電子(株)赤城工場 生産品目 自動車部分品・附属品 金属製家具 玉軸受・ころ軸受 電子計算機・同附属装置 集積回路 集積回路 事務用機械器具 自動車部分品・附属品 自動車部分品・附属品 自動車部分品・附属品 金型・同部分品・同附属品 電子計算機・同附属装置 プラスチック 自動車 プラスチック その他の非鉄金属第2次製錬・精製 自動車 集積回路 電気計測器 特別用途車 ロケット レーザービームプリンタ ※従業員 1,000 人程度の企業の事業所(2002 年3月現在) 上記事業所の内、条件が整えば 常陸那珂港を利用する事業所は 数箇所。 49 (参 考) 茨城県重要港湾の定期航路状況 1.日立港 航 路 H14.3.29現在 名 国内 航 路 日立−釧路 運航船社 川崎近海汽船㈱ 内 定期 RORO 航路 (H5.7 開設) 備 考 ほくれん丸:7,096G/T・134 台(9m シャーシ) 第二ほくれん丸:7,097G/T・100 台(12m シャーシ) [デイ リー運航/RORO サービス] 国内 貿 定期コンテナ航路 小名浜-日立-門司-松山-新居浜 川崎近海汽船㈱ 第 28 住幸丸:499 G/T 1,405 D/W (S59.2 開設/H14.2 航路変更) 三菱化学物流㈱ [週 1 便(金)/コンテナ] 共同配船センター 日立−松山 外 貿 (H4.8 開設) 国華産業㈱ さくら丸:454 G/T 1,000 D/W [週 1 便(火)/コンテナ] 日立-基隆-高雄-香港-蛇口-シンガポー Pacific International SHANGHAI EXPRESS:18,353G/T 1,174TEU 東南アジア ル-香港-高雄-基隆-伏木富山-新潟- Lines(PIL) KOTA HASIL,KOTA HARMUNI,KOTA HADIAH 13,272G/T 定期コンテナ航路 苫小牧-八戸-仙台-日立(S61.2 開設 1,088TEU /H13.7 航路変更) [週 1 便(火)/コンテナ] 2.常陸那珂港 航 内 路 名 航 路 常陸那珂-苫小牧 北海道 (H13.7 開設) 定期 RORO 航路 東北・京浜 貿 定期コンテナ航路 運航船社 備 考 近海郵船㈱ 勇王丸:9,500 G/T・105 台(12m シャーシ) 川崎近海汽船㈱ 新北王丸:5,873 G/T・80 台(12m シャーシ) [日曜を除くデイリー運航/RORO サービス] 東 京 - 横 浜 - 常 陸 那 珂 - 仙 台 近海郵船㈱ 恵比寿丸:499G/T 72TEU (開設時期は準備中) 海運丸:498G/T 64TEU 東京・横浜-常陸那珂・小名浜-仙台- 井本商運㈱ 鶴形:499G/T 124TEU [随時] [随時] 東京・横浜-仙台(開設時期は準備中) 韓国 中国 定期 コンテナ 航路 外 釜山・ 常陸那珂-釜山-上海-釜山-苫小牧- 南 星 海 運 ㈱ (NAMSUNG BOHAI STAR:7,409G/T 706TEU 上海 八戸-仙台-小名浜-常陸那珂 (H12.8 SHIPPING CO.,LTD) 航路 開設/H14.1 航路変更) 釜山・ 常陸那珂-釜山-光陽-寧波-釜山-新 PEGASUS PLENTY:4,393G/T 430TEU 寧波 潟-八戸-仙台-小名浜-常陸那珂 GLORY STAR:4,124G/T 342TEU [週 1 便(日)] 航路 (H12.8 開設/H14.1 航路変更) 常陸那珂-廈門-福州-東京-常陸那珂 福建省輪船総公司 中国 (H14.2 開設) (厦門・福州) (H12.11 開設) 貿 定期 RORO 航路 日本(常陸那珂)-地中海・欧州 欧州 Wallenius Wilhelmsen TAMPA:49,326G/T Lines TAPIOLA:39,535G/T HUAL AS HUAL TRAMPER:33,369G/T 他 [月 1 便] [月 1-2 便] Armacup Maritime TAKAYAMA:27,440G/T Services Ltd. ASIAN BREEZE:27,876G/T (H12.12 開設) 定期 RORO 航路 ニュージーランド SHIPPING COMPANY) 日本(常陸那珂)-北米東岸 北米 JI XIANG SHAN:3,072G/T 200TEU 福州集装箱海運分公司 KAI FU:2,867G/T 211TEU [週 1 便(木)] (FUJIAN 定期コンテナ航路 LIBERTY STAR:7,409G/T 706TEU [週 1 便(金)] 日本(常陸那珂)-ニュージーランド (開設時期は準備中) 定期 RORO 航路 極東ロシア ナホトカ-(門司/大阪/名古屋/横浜)-常 Japan Nakhodka Line(飯 MASASHIMA MARU:4,736G/T 6,243D/W 定期在来航路 陸那珂-ナホトカ (H12.4 開設) 野海運㈱・FESCO) GREAT BEAR:4,732G/T 6,277D/W 等 [月 2 便] 3.大洗港 航 路 名 北海道 航 路 大洗-室蘭 定期フェリー航路 運航船社 東日本フェリー㈱ (S60.3 開設) 大洗-苫小牧 備 ば る へすていあ: 13,539 G/T 商船三井フェリー㈱ (S60.3 開設) (H11.4、1 日 2 便) 考 な: 13,654 G/T さんふらわあ つくば [週6便] :12,300 G/T さんふらわあ みと :11,782 G/T さんふらわあ えりも :11,272 G/T さんふらわあ おおあらい:15,139 G/T [週 12 便] 50 資料3 1 茨城県の物流面における優位性等の検証 検証の考え方 茨城県の物流面における優位性を客観的に検証するため、近隣他県と次の項目につい て比較・検証を行った。 まず、産業の立地優位性を指標化し、茨城県と近隣他県との比較を行った。茨城県の 物流振興の条件として、まず貨物量の確保が課題であり、本県に産業が立地し、荷の確 保が容易であることが、物流業の発展には欠かすことのできない要件と考えられる。 次に、交通基盤の充実度を指標化し、同様に比較を行った。配送時間の短縮を図るこ とが、物流効率化の目的の1つであることから、この項目を採用した。 さらに、北関東自動車道沿線地域における常陸那珂港と東京港へのアクセス性の比較 を行った。本県の広域交通基盤の核となり、北関東自動車道との連携により、北関東地 域の物流効率化に資すると期待される同港の優位性を検証した。アクセスポイントは北 関東各県の主要都市とした。 最後に、常陸那珂港のポテンシャルを確認するため、北米までのアクセス性の比較を 行った。 なお、産業の立地優位性に関する指標と交通基盤の充実度に関する指標については、 旧通商産業省所管の産業構造審議会に係る地域経済部会で示された指標を参考にした。 また、全国平均を 100 としたレーダーチャートを作成した(優位性が高まるほど点数が 高くなるよう設定)。 2 産業の立地優位性に関する比較 (1)比較指標 平均賃金、15 歳未満人口、有効求人倍率、工業・商業用地価格 (2)意義 産業の立地する条件は、労働力確保及び初期投資が鍵となる。企業が製造・販売 拠点を整備するためには、現在から将来にわたる労働力の安定的な確保が必要であ る。また、初期投資を左右する地価も重要な要素である。 (3)結果 各指標とも全国平均より優位性が高く、他都県との比較においても、総じて指数 が高くバランスが取れており、茨城県の産業立地のポテンシャルは高い。平均賃金、 15 歳未満人口ともに全国平均よりも優位で、本県の労働力の確保は比較的容易であ る。また、茨城県の地価は他県に比し相対的に低い。 51 茨城県 福島県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 全国平均 平均賃金(円) 380,319 334,979 374,696 374,745 354,234 381,412 494,036 424,749 380,996 396,291 15 歳未満人口(千人) 462.8 345.5 308.9 306.6 1,027.7 848.3 1,427.3 1,180.3 138.5 394.8 有効求人倍率(倍) 工業用地価格(円/㎡) 0.62 31,200 0.63 18,400 0.78 37,600 0.88 45,200 0.47 74,900 0.46 41,400 0.63 228,600 0.46 127,900 1.06 29,000 0.57 45,200 商業用地価格(円/㎡) 119,600 98,300 173,600 129,200 310,300 253,000 1,218,700 481,500 104,300 189,300 資料:「平均賃金(1 ヶ月あたり) 」平成 11 年厚生労働省毎月勤労統計調査年報/「15 歳未満人 口」平成 12 年版総務省住民基本台帳/「有効求人倍率」平成 12 年厚生労働省一般職業紹 介状況/「工業・商業用地価格」平成 13 年度国土交通省都道府県別地価調査 3 交通基盤の充実に関する比較 (1)比較指標 トラックターミナルバース数、コンテナ取扱駅数、高速道路インタ ーチェンジ数、道路改良率、道路密度 (2)意義 企業が配送センター等を設置し稼動する場合に、交通基盤の充実は輸送時間を短 縮するために重視する要素である。近年の多頻度・小口配送に対応するためには、 交通基盤に近接した立地が不可欠である。また、輸送条件を左右する道路改良率、 道路密度も併せて掲載した。 (3)結果 茨城県は、交通基盤の充実度が相対的に低い。特にトラックターミナルバース数 は少なくなっている。また道路改良率が全国、近隣他県と比べて低い半面、道路密 度は相対的に高くなっている。 茨城県 福島県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 全国平均 トラックターミナルバース数 279 328 386 244 932 463 2361 452 155 441 コンテナ貨物取扱駅数 6 5 3 3 3 3 8 7 1 3 高速道路インターチェンジ数 18 24 10 18 25 38 8 6 11 16 道路改良率(%) 35 51 60 45 47 54 70 60 53 54 道路密度(km/平方 km) 9.0 2.7 3.6 5.3 12.0 6.8 10.6 6.0 2.3 3.0 資料:「トラックターミナルバース数」平成 8 年運輸省資料/「コンテナ貨物取扱駅数」平成 9 年 度運輸省資料/「高速道路インターチェンジ数」平成 13 年度道路時刻表/「道路改良率(= 車道幅員 5.5m 以上の道路延長/道路実延長)」平成 10 年度道路統計年報/「道路密度(= 道路実延長/県面積)」平成 10 年度道路統計年報 52 また、トラックターミナルバース数、コンテナ取扱駅数、高速道路インターチェ ンジ数については、各県の可住地面積で割ることにより、面積あたりの立地密度を 比較・検証し、レーダーチャートに示した。 4 常陸那珂港と東京港へのアクセス性の比較 (1)指標 北関東各県の主要都市から常陸那珂港及び東京港までの距離・時間 (2)意義 北関東各県の主要都市が常陸那珂港の主要な後背圏になると想定されることから、 各都市からのアクセス優位性を詳細に検証する。 (3)結果 ① 一般道路での比較 物流業者の使用頻度の高い一般道での距離・時間の比較を行った。北関東 3 県で は概ね常陸那珂港の方がアクセス性が良いことがわかる。 県名 茨城県 栃木県 群馬県 都市名 日立市 水戸市 土浦市 鹿嶋市 古河市 真岡市 小山市 宇都宮市 太田市 前橋市 高崎市 常陸那珂港 距離(km) 時間(分) 27.1 54 15.1 24 59.9 85 49.4 59 100.7 157 87.2 134 86.2 133 85.1 118 130.4 187 159.6 243 162.8 248 東京港 距離(km) 時間(分) 140.6 240 119.0 207 77.3 150 108.0 190 85.6 152 121.8 209 82.0 145 130.4 221 108.4 201 144.0 271 134.1 250 資料:「距離、時間」平成 13 年度道路時刻表 ② 高速道路での比較(北関東自動車道完成後) 常陸那珂港は北関東自動車道の全線供用により北関東各県へのアクセス性が飛躍的 に向上する。 53 県名 都市名 日立市 水戸市 土浦市 鹿嶋市 古河市 真岡市 小山市 宇都宮市 太田市 前橋市 高崎市 茨城県 栃木県 群馬県 常陸那珂港 距離(km) 時間(分) 27.1 54 15.1 24 62.8 59 49.4 59 103.7 114 67.4 49 89.2 90 83.6 69 130.3 91 170.0 119 164.9 116 東京港 距離(km) 時間(分) 140.0 150 124.8 148 78.5 106 103.0 100 90.3 132 152.1 162 113.8 129 155.9 170 123.6 143 150.6 153 145.5 150 資料:「距離、時間」平成 13 年度道路時刻表 5 トータル輸送時間の比較 北関東の各県の県庁所在地を起点として、北米シアトルと香港を終点とするトータル 輸送時間を算出した。その際、常陸那珂港と東京港を利用した 2 ケースを算出し比較を 行った。 (1)終点:北米シアトル 起点 利用港湾 輸送時間 計 輸送時間 計 常陸那珂港利用が京浜港利用に比べ 15∼16 時間速い。 水戸市 常陸那珂港 東京港 陸上輸送 1 時間 3 時間 ゲート待ち 0 時間 7 時間 荷役 α時間 α時間 海上輸送 7 日 22 時間 8 日 5 時間 7 日 23 時間 8 日 15 時間 +α +α (2)終点:香港 起点 利用港湾 ⇒ ⇒ 宇都宮市 常陸那珂港 東京港 陸上輸送 1 時間 3 時間 ゲート待ち 0 時間 7 時間 荷役 α時間 α時間 海上輸送 7 日 22 時間 8 日 5 時間 7 日 23 時間 8 日 15 時間 +α +α 前橋市 常陸那珂港 東京港 陸上輸送 2 時間 3 時間 ゲート待ち 0 時間 7 時間 荷役 α時間 α時間 海上輸送 7 日 22 時間 8 日 5 時間 8 日 8 日 15 時間 +α +α 常陸那珂港利用が京浜港利用に比べ 14∼15 時間速い。 水戸市 常陸那珂港 東京港 陸上輸送 1 時間 3 時間 ゲート待ち 0 時間 7 時間 荷役 α時間 α時間 海上輸送 2 日 18 時間 3日 2 日 19 時間 3 日 10 時間 +α +α 宇都宮市 常陸那珂港 東京港 陸上輸送 1 時間 3 時間 ゲート待ち 0 時間 7 時間 荷役 α時間 α時間 海上輸送 2 日 18 時間 3日 2 日 19 時間 3 日 10 時間 +α +α 54 前橋市 常陸那珂港 東京港 陸上輸送 2 時間 3 時間 ゲート待ち 0 時間 7 時間 荷役 α時間 α時間 海上輸送 2 日 18 時間 3日 2 日 20 時間 3 日 10 時間 +α +α 6 レーダーチャート 産業の立地優位性に関する比較 茨城県 平均賃金 150 100 50 商業用地価格 15歳未満人口 0 工業用地価格 有効求人倍率 栃木県 福島県 平均賃金 平均賃金 150 150 100 100 50 商業用地価格 商業用地価格 15歳未満人口 50 0 工業用地価格 15歳未満人口 0 有効求人倍率 工業用地価格 有効求人倍率 群馬県 平均賃金 150 100 商業用地価格 50 100 15歳未満人口 商業用地価格 0 工業用地価格 埼玉県 平均賃金 150 50 0 工業用地価格 有効求人倍率 15歳未満人口 260 有効求人倍率 東京都 千葉県 平均賃金 平均賃金 150 150 100 商業用地価格 50 0 工業用地価格 100 15歳未満人口 商業用地価格 214 50 0 有効求人倍率 工業用地価格 15歳未満人口 361 有効求人倍率 神奈川県 山梨県 平均賃金 平均賃金 150 150 100 商業用地価格 50 0 工業用地価格 100 15歳未満人口 商業用地価格 50 15歳未満人口 0 298 有効求人倍率 工業用地価格 55 有効求人倍率 ・全国平均を 100 とし、指数化した。 ・各指標の優位性が高いほど、指数が高い。 交通基盤の充実に関する比較 茨城県 トラックターミナルへのアク セス性 150 100 292 コンテナ取扱駅へのアクセス 性 50 道路密度 0 道路改良率 トラックターミナルへのアク 高速道路へのアクセス性 栃木県 福島県 トラックターミナルへのアクセス性 セス性 150 150 100 100 コンテナ取扱駅へのアクセス 50 道路密度 50 道路密度 コンテナ取扱駅へのアクセス性 性 0 0 道路改良率 道路改良率 トラックターミナルへのアクセ ス性 トラックターミナルへのアクセ 群馬県 150 100 174 コンテナ取扱駅へのアクセス性 221 100 392 50 埼玉県 ス性 150 道路密度 高速道路へのアクセス性 高速道路へのアクセス性 50 道路密度 0 コンテナ取扱駅へのアクセス性 0 道路改良率 道路改良率 高速道路へのアクセス性 高速道路へのアクセス性 221 トラックターミナルへのアクセ ス性 千葉県 150 東京都 トラックターミナルへのアクセス性 150 1031 100 222 100 50 道路密度 コンテナ取扱駅へのアクセス性 50 道路密度 0 346 道路改良率 高速道路へのアクセス性 トラックターミナルへのアク セス性 150 188 道路改良率 神奈川県 195 50 0 道路改良率 461 高速道路へのアクセス性 山梨県 トラックターミナルへのアクセス性 150 100 100 道路密度 コンテナ取扱駅へのアクセス性 0 コンテナ取扱駅へのアクセス 道路密度 50 コンテナ取扱駅へのアクセス性 性 385 0 道路改良率 高速道路へのアクセス性 高速道路へのアクセス性 256 ・全国平均を 100 とし、指数化した。 ・各指標の優位性が高いほど、指数が高い。 56 資料4 用語集 ■アウトソーシング 外部経営資源の活用。企業では、専門的な外部の経営資源を有効活用することで、自社の本業(コ ア・コンピタンス)に経営資源を集中することができる。経営資源の限られた中小企業のみならず、 大企業でも積極的なアウトソーシングが進んでいる。アウトソーシングでは、単に業務の一部を外注 して低コスト化するという発想ではなく、自社の経営方針と理念を固め、その上で外部資源であるア ウトソーサーを有効に活用する点に戦略性を持つ。アウトソーシングの効果としては ①自社戦力の 投入を小さくできる、②資金の流動性が確保される、③自己資本利益率が上昇する、④短期間で高い 技術や専門性を活用できる、⑤経営環境の変化に柔軟に対応できる、⑥コスト削減が図られる等があ る。 ■インランドデポ(Inland Depot) 港湾、空港以外の内陸部にある貿易貨物輸送基地で、貨物の集配、通関業務、保管などが行われる。 コンテナの集配、コンテナヘの荷詰め、取出しなどを行うフレートステーション機能を有し、貨物流 動(荷送人→コンテナ船寄港地、コンテナ船寄港地→荷受人)の効率化とコンテナ貨物輸送の営業の 拡大を目的とする。 ■カテゴリーキラー ディスカウントストアーのうち、紳士服、酒、ドラッグ、家電など、特定の専門商品系列(カテゴ リー)に特化して、低価格販売を行っている小売業者のこと。 ■ガントリークレーン 橋桁の両端に一定の間隔を置いて2本の走行脚を設け、車輪により地上のレール上を走行する構造 のクレーン。橋桁の上をトロリー又はジブクレーンが往復して、貨物の積み卸しを行う。橋桁を走行 脚の外側に張り出すことで、貨物の積み卸し範囲を広くできる特徴を持つ。コンテナ埠頭に設置され るものが代表的。 ■求車求貨システム パソコンネットワークで車両や荷物の相互融通を図るシステム。全日本トラック協会と日本貨物運 送協同組合連合会が共同開発した求車求貨システム「ネットワークKIT」には全国の運送事業協同 組合が参加しており、業界最大規模のネットワークとなっている。 ■共同配送 各企業がそれぞれ独自に行っていた配送業務を、配送エリアが共通する複数の企業が集まって共同 化すること。共配、共同輸配送とも呼ばれている。個別の配送ではトラックの積載効率が悪いが、複 数の企業の貨物を集めればトラックの積載効率が改善され、結果的に必要なトラック台数を削減でき る。共同配送に参加している企業の配送コストの削減につながるほか、走行トラック台数の削減や走 行距離の削減は、交通渋滞の緩和、大気汚染や地球温暖化などの環境問題の軽減に貢献する。 ■コンテナ もともと「容器」を意味するが、一般には貨物とくに雑貨輪送の合理化のために開発された一定の 容積をもつ輸送容器をいう。各種の輸送機関に適合性を持ちかつ反復使用に耐える強度を有する。国 57 際大型コンテナと国内コンテナに大別され、それぞれ国際標準化機構(ISO)ならびに日本工業規格 (JIS)による定義があり、また構造強度に関する規定が設けられている。材質は鋼などがあるが、近年 はアルミ製の生産が主流。サイズは通常、長さで表示され、10,20,40ft のものが主流。ただし、最近 の船舶によるコンテナ輸送においては、40ft を超えるものも用いられている。また、コンテナの幅と 高さはそれぞれ 8ft が標準であったが、最近では高さが 8ft を超える背高コンテナが使用されるよう になってきている。実入コンテナとは、貨物輸送のために反復して使用し、荷物が詰め込まれている コンテナ。 空コンテナとは貨物輸送のために反復して使用するコンテナのうち、荷物が詰め込まれて いないコンテナ。 ■コンテナ船 コンテナのみを輸送する目的の船舶。 ■コンテナ埠頭(コンテナターミナル) コンテナの海上輸送と陸上輸送を結ぶ接点となる港湾施設の総称。岸壁、エプロン、マーシャリン グヤード、コンテナヤード、フレートステーション、メンテナンスショップ、コントロールタワー、 ゲートなどの固定施設と、本船荷役、コンテナ貨物の授受、保管などのための一連の荷役用可動施設 が配備されて、一般にコンテナターミナルと呼ばれる。その規模は、接岸するコンテナ船の大きさや 接岸頻度、荷役方式によって異なる。 ■サードパーティロジスティクス(Third Party Logistics;3PL) 3PLは、荷主の物流全体を請け負うことで効率化の推進、顧客サービスの向上を図る一方、物流 コストの削減を実現しようとするものである。物流拠点、輸配送、作業等の最適性を検討し、必要な 物流戦力を手配し、業務を遂行する中で、達成されたコスト削減効果を3PL業者の利益源とする仕 組みである(双方で利益を分かち合うゲインシェアリング) 。サードパーティ(第三者)であるため、 受託ではコンペ形式が取り入れられることがあり、競争力として物流・情報システムのノウハウが必 要である。 ■サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management;SCM) 原材料・部品の調達から在庫、消費者までの製品供給を総合的に管理する手法。流通過程を商品の 流れとしてとらえ、流通にかかわるすべての企業連鎖の中で、トータルとしての合理化を目指す。自 社だけでなく、取引先を巻き込んで最も効率的な物流・情報システムを構築する点に特徴がある。 ■自動車専用船 自動車航送を行う専用船舶。通称、フェリー(フェリー・ボート)と呼ばれる。 ■商物分離 商流と物流を分離して行うこと。 商物分離以前では、 販売を担当する営業所で商品を保管しており、 営業所の営業マンが注文を受けると、そこにある商品を品揃えして営業マン自らが配達していた。こ れを商物一致と呼ぶ。 これに対して、商物分離とは、営業所と別の物流センターに商品が集中管理され、営業マンが受け た注文は物流センターに送られて、商品が物流センターから直接顧客に配送される。商物分離で物流 機能が一カ所に集約され、全体の在庫量の削減、品揃えの拡大、効率的配送が可能になる。また、営 業所も販売活動に専念できるようになる。 58 ■静脈物流 廃棄物の処理やそのリサイクルに関わる物流のこと。生産された製品が企業や消費者まで届く物の 流れを、人体になぞらえて動脈物流と呼ぶのに対して、企業や消費者から発生する廃棄物などの物の 流れを静脈物流と呼ぶ。 静脈物流が注目されてきた背景には、有限な資源を有効活用する必要性が高まり、リサイクルの重 要性が認識されるようになったこと、廃棄物の処理の過程で有害物質が排出されて環境問題を引き起 こすため、廃棄物の適正な処理が必要なことなどがある。最近では、容器包装や家電のリサイクル法 が成立しており、廃棄された製品をメーカーや地方自治体が回収することが義務付けられるように なった。このため、これらの製品を生産している企業は、単に従来のように動脈物流を効率化す るだけでなく、自社の静脈物流を新たにシステム化する必要性に迫られている。 物流業者にとっては、廃棄物の回収やリサイクルの処理過程において、新しい静脈物流市場が 形成されているため、この市場をいかに取り込むかが新たな課題となっている。 ■トン 総トン数(Gross Tonnage;GT) 船舶の内部の総容積を 100ft^3=1GT とする換算で表す。 重量トン数(Dead Weight Tonnage;DW) 貨物を満載した状態での重量と船舶のみの重量の差で表す。燃料や飲料水等も重量トンに含まれる が、ほぼ船舶が積載できる貨物の重量を示す。 純トン数(Net Tonnage;NT) 船舶の大きさを表す単位の一つ。総トン数から機関室、船員常用室、パラストタンクなどの船舶の 運航に直接供せられる区画を除いたトン数で、わが国ではトン税、係船料などの税金や手数料の算出 に用いられる。 ■フィーダー コンテナ船はその輸送効率を高めるために、特定の主要港湾のみに寄港し、主要港湾以外で発生す る貨物については、主要港湾で積替輸送を行う。この場合の主要港湾と寄港しない港湾との間の内航 船、自動車、鉄道などによるコンテナ貨物の支線輸送をフィーダーという。 ■物流拠点 物流に関連する施設のことであるが、明確な定義はない。広義には、港湾、空港、鉄道貨物駅など のターミナル機能をもつ施設、トラック運送業者のトラックターミナル、営業倉庫等のほか、一般に 企業の倉庫、流通センター、物流センター、配送センター、デポ、さらには公共ターミナル、流通業 務団地なども含まれる。 ■物流の共同化 企業1社で物流機能を充足するのではなく、異なる複数の企業間で特定の決まりを設けて、同一の 物流サービスを提供する仕組み。物流の共同化に参加する企業のタイプによって、荷主企業間の同業 種共同化やメーカーと卸といった異業種共同化、さらには荷主企業と運送業者との共同化など、様々 なタイプがある。また、共同化の範囲も、単なる配送の共同化から、共同物流センターを建設して、 保管・荷役・流通加工なども共同化するもの、さらに情報を共同化するパターンもある。 59 ■ベリー貨物 航空機の胴体下部に設けられた貨物室に積載して輸送される貨物のこと。 ■マルチモーダル トラック中心の貨物輸送を、海運、鉄道等の大量輸送機関と複合的に組み合わせて行う物流政策。 交通渋滞、環境対策に効果が期待されている。 ■リードタイム 発注してから納入までに要する期間をいう。 ■リサイクル物流 廃棄物の処理やそのリサイクルに関わる物流のこと。静脈物流ともいう。 ■ロジスティクス もともと兵站術を意味する。企業経営ではビジネスロジスティクスともいう。 企業における物流活動には、①販売物流(顧客までの物流) 、②生産物流(企業内での原材料から製 品の出荷に至るまでの物流) 、③調達物流(原材料を調達する物流)等がある。これらの物流の諸活動 を、戦略的な観点から調達・生産・販売までのトータルな活動として最適になるように管理し、実行 を指揮する活動をロジスティクスという。 ■EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換) ある企業がコンピュータ入力した情報を、取引先のコンピュータに直接電子的に送信すること。流 通では、各流通段階でEDIを活用することによって、作業の自動化、迅速化、正確性の向上が可能 となる。 ■FAZ(Foreign Access Zone) 輸入促進地域で、港湾、空港及びその周辺に輸入促進地域を設け、荷捌き、保管、展示、加工、卸 売・小売等の輸入関連施設を集中させ、 輸入貨物のスムーズな流通による輸入促進を目的としている。 ■ITS(高度道路交通システム) 高度通信技術を利用することによって、インフラである道路と走行する車両との間で情報交換を行 い、道路における自動車走行の円滑化を図ろうとするもの。 ■RORO船(Roll On Roll Off ship) 貨物をトラックやフォ一クリフトで積み卸す(水平荷役方式)ために、船尾や船側にゲートを有す る船舶。 ■W/R比率(Wholesaler Retailer sales ratio) 卸売業の販売額と小売業の販売額との比率。流通経路の長さを示す指標。 60 資料5 茨城県総合物流計画策定委員会設置要項 (設置) 第 1 条 茨城県における物流施策に関する総合的な計画となる「茨城県総合物流計画」の検討を行う ため、 「総合物流計画策定委員会」 (以下「委員会」という。 )を設置する。 (検討事項) 第 2 条 委員会は以下に掲げる事項を検討する。 (1) 本県の物流を取り巻く環境と課題 (2) 本県の物流施策の体系と方向性 (3) その他物流計画策定に関し必要なこと (組織) 第 3 条 委員会は別表 1 に掲げる者をもって構成する。 (委員長) 第 4 条 委員会に委員長を置く。 2 委員長は委員の互選によって定める。 3 委員長は、委員会を代表し会務を総理する。 4 委員長に事故があるときまたは委員長が欠けたときは、 あらかじめ委員長の指名した委員が委員長 の職務を代理する。 (会議) 第 5 条 委員会は、委員長が召集する。 2 委員長は、会議の議長となる。 3 会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。 (委員以外の者からの意見の聴取) 第 6 条 委員会は、必要があると認める時は委員以外の者からの意見を聞くことができる。 (ワーキンググループ) 第 7 条 委員会の運営を円滑に進めるため、ワーキンググループを設置する。 2 ワーキンググループは、別表 2 に掲げる課等の職員をもって構成する。 (庶務) 第 8 条 委員会の庶務は、茨城県企画部企画課において処理する。 (委任) 第 9 条 この要綱に定めるものの他、委員会の運営に関し必要な事項は、別に定める。 付則 この要綱は、平成 13 年 9 月 12 日から施行する。 別表1 (社)茨城県トラック協会 会長 日本通運㈱ 理事 e-ロジスティックス部長 一橋大学 商学部教授 (委員長) コマツ 生産本部グローバル生産企画部 主幹 神奈川大学 経済学部教授 茨城県海上コンテナ運送事業協同組合 専務理事 いすゞライネックス㈱ 事業推進部シニアスタッフ 茨城県 企画部長 別表 2 略 61 飯泉 金田 杉山 田村 中田 中村 山縣 花岡 博 倢彦 武彦 耕司 信哉 光男 敏憲 洋文