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省令案に係る意見募集結果及び総務省の考え方
株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う 放送法施行規則の一部改正案について提出された意見及びそれに対する総務省の考え方 意見件数:5件 1 (50音順) 提出意見【提出者名】 意見に対する総務省の考え方 省令案では、放送法における外国人の保有する一般放送事業者の株式の名義書 今回の省令案においては、前期確定した株主名簿記載分と今 換・議決権制限解除の優先順位に関し、前期末保有分と通知における保有分のい 期通知分を比較して記載する等とだけ規定しており、ご意見に ずれか少ない方の権利が確保され、期中の株式の異動に関しては権利の確保が あるような「特定の日」を決めることはしていません。 考慮されない方式となっている(放送法施行規則第 17 条の 3 の 2)。 具体的な通知日(権利確定日)については、各発行会社が、 振替機関等との業務負担やコスト、株主利益等を勘案した上 一方、現行制度では、株式取得後直ちに株券の名義書換を行うことにより、特定 の日を待たずに外国人の保有する株式の権利確定が可能である。 海外グローバルカストディアンは、通常複数の機関投資家を顧客としており、日 本における常任代理人に開設した口座で、当該複数顧客の証券資産を混蔵保管す るのが一般的となっている。そのため、現行制度では、個別の顧客が取得した株式 について、名義書換を行うことによって当該顧客の取引ごとの権利確定の可否を判 断できるのに対し、省令案では、株式の取得ごとに権利の確定が出来ないため、権 利確定の日において外国人取得制限枠を超えた場合、どの顧客の、どの取引につ いて権利を割当てるべきかの判断が困難となる。 また、外国人取得制限枠に達する前に、特定の顧客が取得した株式について は、現行制度では名義書換によってその後の権利が担保されるのに対し、省令案 では、次回権利確定日に外国人取得制限枠を超えていた場合、制限枠に達する前 で定めるべきものと理解しております。 に取得した部分に関しても、按分または抽選によって権利株数が減少することとな り、当該株式を取得した顧客に対し不利な結果となる可能性がある。 以上のことから、省令案にあるような特定の日の保有株式数をもって権利確定を 行う方法ではなく、期中の個別の取得株式に対して、権利を確定する方法となるよ う、省令案の内容の変更をご検討いただきたい。 また、放送法等で外国人保有を制限する目的は、外国人株主に対する議決権制 ご指摘の点は、今回の株券電子化制度の導入や、今般意見 限を設けるためと理解しているが、今回の省令案では、配当金等、議決権以外のそ 募集を行った省令案によるものではありません。(従来の制度 の他の株主としての権利も失われることとなる。権利確定日において外国人取得制 と何ら変更等を行おうとするものではありません。) 限枠を越えたために株主名簿に記載・記録されなかった外国人株主が保有する株 なお、意見3についての考え方をご参照ください。 式分においては、議決権以外の株主の権利が確保される様な対応をご検討いただ きたい。 なお、海外の市場では、証券取引所が、外国人が取得制限枠に達した銘柄の取引 を行うのを制限したり、同一銘柄に対して、外国人用と、居住者用の 2 つの銘柄コー ドを付与すること等によって、外国人の取得比率の管理を行っているケースがあ る。また、取得制限枠を超えた場合には、議決権の制限は設けるものの、配当金等 については通常通り権利を認める国も存在する。 【スタンダードチャータード銀行】 2 新株予約権(新株予約権付社債に係る新株予約権を含む。以下同じ。)の行使また は取得請求権付株式の取得請求権の行使に伴い、議決権を有する振替株式が新 規発行または発行会社の保有する議決権を有する振替株式(議決権を有する自己 株式)が譲渡される場合の取扱い (1) 新株予約権の行使または取得請求権付株式の取得請求権の行使に伴い、規 制対象となる株式会社の議決権を有する振替株式が新規発行または発行会社の 保有する議決権を有する振替株式(議決権を有する自己株式)が譲渡される場合 の株主名簿への記載については下記(2)の通りとなると認識しているがこの認識に 相違ないか。 (2) 外国人等については前期末保有分と通知時における保有分のいずれか少ない 方が株主名簿に記載されるため、当期中に新株予約権の行使または取得請求権 の行使により議決権を有する株式を新規取得した外国人等あるいは外国人等が追 加取得した分については書換えが保障されず、外国人等保有制限の上限に達する 場合は施行規則案規定の方法により 1 単元単位での按分等により当該外国人等 保有分の株主名簿への記載が行われる。また、当初の新株予約権または取得請 求権付株式募集が国内外のどちらで行われたかに関わらず外国人等からの新株 予約権行使や取得請求権行使は想定されるが、募集地が国内外どちらであるかに 関わらず、同様の取扱いが行われる。 【日興シティグループ証券株式会社】 放送法令上においては、株式取得について、新株予約権の行 使等によるものであるかどうかの別はなく、ご指摘の見解のと おりと解します。 3 (1)名義書換が拒否された外国人株主は、配当請求権が制限されることになるの (1) 放送法上、外資規制比率を超える株式については、株主 の氏名及び住所を株主名簿に記載することを拒むことができ ですか。また、その他に制限される権利はありますか。 るとされています。 会社法上、株式の取得者の氏名及び住所を株主名簿に記 載し、又は記載しなければ第三者に対抗することができないと されており、株主名簿に記載又は記録されていない株式につ いては、会社に対して株主としての権利を行使することができ ません。 したがって、放送法の規定に基づき株主名簿への名義書換 を拒否された株式については、会社法の規定に基づき配当請 求権を含めた各種の権利を行使することができないものと考 えられます。 なお、本件については、今回の株券電子化制度の導入に伴 って制度変更等が行われるものではありません。 (2)発行会社は、名義書換を拒否した外国人に対して、配当金を支払う義務はない (2) (1)を踏まえれば、発行会社は、名義書換を拒否した株 主からの配当請求を拒否することは可能と考えます。 と考えてよいですか。 【日本証券業協会】 4 省令案の内容に基本的に賛成する。株券電子化への移行に際しては、今後とも 関係機関との調整が必要であることから、円滑な移行が可能となるよう、引き続き 今般の意見募集に係る省令案に対する賛成意見として承りま す。 本件については、今後、行政としても関係機関等と協力して 貴省の協力を求める。 【社団法人 日本民間放送連盟】 いく予定です。 5 (1)平成 20 年 9 月末時点で放送会社又は認定放送持株会社の株式を保有する外 ご理解のとおりです。 国人株主について、その株式を平成 20 年 10 月以降にほふりに預託する場合、 株主名簿が当該外国人名義からほふり名義になることで外資比率が一時的に 下がることにより、他の新規外国人株主から株主名簿の名義書換請求があった 場合には名義書換を行わなければならず、ほふりに預託した既存の外国人株主 の権利が確保されなくなる可能性があるので、施行日前日まではほふり名義に 書き換えない必要があるという理解でいいでしょうか。 (2)平成 20 年 10 月以降も株主名簿の名義書換は可能であり、外国人制限比率を ご理解のとおりです。 超過する場合は、書換拒否となるという理解でいいでしょうか。 (3)平成 20 年 10 月以降に取得した株式については、以下の取扱いになるとの理解 でいいでしょうか。 ①ほふりに預託をせず、株主名簿の書換を行おうとする場合 株主名簿の書換を申し込んだ時点において、外資制限比率を超過する場合には 株主名簿の名義書換が拒否されるが、超過しない場合は名義書換が行われ、 権利が確保されることになる。 ②ほふりに預託を行った場合 施行日前日まで待った上で外資制限比率を超過しているか否かの判断が行われ、 超過していない場合には名義書換が行われるが、超過する場合は平成 20 年 9 月 末時点に株主名簿に記載のあった株式以外については按分・抽選の対象となる。 ご理解のとおりです。 (4)このケースの既得権は、以下の理解でいいでしょうか。 (ケース1) 議決権総数 100 株 A,B,C は直接外国人 ご理解のとおりです。 なお、このような状況が発生しないよう、外国人が保管振替 株主 A 株主 B 株主 C 機関に預託した場合においても、保管振替機関名義に書換え 2008/9/30 10 9 - を行わないよう、処理されることが必要と考えます。 2008/10/15 10 (9) 9 (ほふり預 (ほふり預 名義に即書換えしたため、 託) 託) 株主名簿に空枠が生じ、株 →書換なし →書換実施 主 C 分について書換を実 株主 B が単純預託(ほふり 施 施行日前日 10 9 9 株主 A,B については、ほふり名義へ。株主 C は特別口座へ。 (説明) 株主 C 9 株および株主 A 10 株は、株主名簿に記載し、株主 B の 9 株は、名義 書換拒否(議決権総数が上記の例によらず、外資比率上限に満たない場合は按 分・抽選の対象)となります。 理由としては、平成 20 年 10 月以降も株主名簿の更新は行われますので、株主名 簿に C を記載することができます。従って、株主 B の氏名が株主名簿から消えた場 合は株主 B の既得権は消滅します。 なお、株主 C は、施行日前日までにほふりに預託(書換のあるなしにかかわらず) した場合には、既得権はなく、株主 B と同様に名義書換拒否((議決権総数が上記 の例によらず、外資比率上限に満たない場合は按分・抽選の対象)となります。 (意見5(1)に対する考え方をご参照ください。) (5)このケースの既得権は、以下の理解でいいでしょうか。 (ケース2) 議決権総数 100 株 A,B,C は直接外国人 ご理解のとおりです。 なお、規定の明確化を図るため、省令案の附則第2条第2号 株主 A 株主 B 株主 C 及び第3条第2号中、「通知に係る株式の数」を、 2008/9/30 10 9 - 「通知に係る株式(当該通知の直近の通知を受けた時点の株 2008/10/15 10 7 2 株主 B が株主 C に 2 株譲渡 に修正いたします。 (ほふり預 託) →書換なし 2008/11/17 10 7+(2) 2 (ほふり預 託) →書換なし ほふり内で 2 株買い増 し 施行日前日 10 主名簿に記載され、又は記録されている株式に限る。)の数」 9 2 株主 A、B については、ほふり名義へ。株主 C は特別口座へ。 (説明) 株主 C 2 株、株主 A 10 株および株主 B の 9 株のうち 7 株は、株主名簿に記 載し、株主 B の 2 株は、名義書換拒否(議決権総数が上記の例によらず、外資比率 上限に満たない場合は按分・抽選の対象)となります。 理由としては、平成 20 年 10 月以降も株主名簿の更新は行われますので、株主 名簿に株主 C を記載したことで、株主 B は、株主名簿上 9 株から 7 株になります。 従って、株主 B がほふり制度内で買い付けした 2 株は、9 月末に保有していない株 に該当します。 なお、株主 C は、施行日前日までにほふりに預託(書換のあるなしにかかわらず)し た場合には、既得権はなく、株主 B と同様に名義書換拒否(議決権総数が上記の 例によらず、外資比率上限に満たない場合は按分・抽選の対象)となります。 【匿名】