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公開特許公報 特開2015

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公開特許公報 特開2015
(19)日本国特許庁(JP)
〔実 4 頁〕
公開特許公報(A)
(12)
(11)特許出願公開番号
特開2015-139448
(P2015−139448A)
(43)公開日 平成27年8月3日(2015.8.3)
(51)Int.Cl.
A23L
FI
1/16
(2006.01)
A23L
テーマコード(参考)
1/16
F
審査請求
(21)出願番号
特願2014-25878(P2014-25878)
(22)出願日
平成26年1月27日(2014.1.27)
4B046
未請求 請求項の数7 書面 (全5頁)
(71)出願人 597054828
曽根田
順一
山形県最上郡舟形町字富田673番
(72)発明者 曽根田
順一
山形県最上郡舟形町字富田673番
Fターム(参考) 4B046 LA04
LC06
LC09
LG49
LP01
LP75
LG29
LG48
(54)【発明の名称】そばを製造する方法と、およびそば
(57)【 要 約 】
【課題】そば、例えば、生そばの打ちたての風味や食感と美味しさを保ちながら保存期間
をこれまでより大幅に延長できると共に、生そばを冷凍すれば数ヶ月間保存でき、しかも
生そばが数間分で茹で上がり、直ぐに食することができ、乳酸菌生産物質の含有により、
ミネラル、ビタミ等の補助的な働きがさらに促進され健康増進にも役立つそばを製造する
方法と、そのそばを提供する。
【解決手段】そば粉と小麦粉と水を添加混合する際に、乳酸菌生産物質を添加混合して捏
ねながら混合しながらそばを製造することにより乳酸菌生産物質の働きのより多くの病源
細菌あるいは腐敗菌を抑制する抗菌作用により保存期間を延長させ、かつミネラル、ビタ
ミン、アミノ酸、乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の作用で風味、食感の良さと栄
養補助機能と耐熱温度が100°C以上のため死滅せず、しかも小腸で増殖して腸内環境
を整えて健康増進に寄与することである。
【選択図】なし
( 2 )
JP
1
2015-139448
A
2015.8.3
2
【特許請求の範囲】
【発明が解決しようとする課題】
【請求項1】
【0004】
そば粉と小麦粉と水を用いてそばを製造する方法におい
しかしながら、特許文献1に記載の加工食品の製造方法
て、前記構成物に乳酸菌生産物質を添加混合したことを
、および加工食品は、乳酸菌生産物質を製造する工程か
特徴とするそばを製造する方法。
ら、これを加工食品の原材料に乳酸菌生産物質を添加し
【請求項2】
、所定の加工を施して菓子類、栄養補助食品などの大概
乳酸菌生産物質は、少なくとも乳酸菌群3種類、酵母菌
念が記載されているだけであり、そばに乳酸菌生産物質
群3種類、放射菌群2種類などからなることを特徴とす
を添加した発想が全く存在しない。しかも、効果に保存
る請求項1記載のそばを製造する方法。
【請求項3】
の延長思想が記載されていない。
10
【0005】
ビフィッドバクテリュム(Bifidobacteri
また、特許文献2には、パン製造工程の中に小麦粉と水
um)属、ラクトバチルス(Lactobacillu
と塩と乳酸菌生産物質とを含む本捏ね材料を加えてミキ
s)属、あるいはストレプとコッカス(Strepto
シングし、本捏ね生地を調整する工程などが記載され、
cocus)属などの乳酸悍菌科、及び連鎖球菌科に代
乳酸菌生産物質を添加することによってイーストの働き
表される乳酸菌の菌体を含有し、かつ乳酸菌が作り出す
が活性化され、発酵によるパン生地の膨らみの向上とパ
乳酸(乳酸菌生産物質)、及び生菌自体も含有すること
ン生地のベタつきを低減して製パン作業の効率アップの
を特徴とする請求項1、または2項のいずれかに記載の
効果が記載されている。しかしながら、この場合も、そ
そばを製造する方法。
ば粉を添加混合したケースは一切記載されておらず、目
【請求項4】
的も乳酸菌生産物質がイーストを活性化させてパンの膨
そば粉と小麦粉の重量配合比率は、そば粉30%∼10 20
らみをよくすることを目的とした発想である。
0%位と、小麦粉が70%以下としたことを特徴とする
【0006】
請求項1、または2項記載のそばを製造する方法。
なお、スパー等の店頭売りのそば、例えば、生そばは、
【請求項5】
そば粉の全高精細料に占める比率が普通2∼3割5分位
そば粉と小麦粉と水の総重量に対して乳酸菌生産部質を
であり、そばの規定の比率(3割)ギリギリであるため
構成物総重量の約0、1∼2%の重量比率範囲内で添加
、実質は小麦粉主体の生そばの色をした麺類であり、こ
混合したことを特徴とする請求項1から3項のいずれか
れは冷蔵で数日間しか保存できが、本来の生そばには該
に記載のそばを製造する方法。
当すると思えない。
【請求項6】
【0007】
そば粉と小麦粉と水とからなるそばの構成物に対して乳
本発明は、生そば、特に、そば粉の比率が高い6:4そ
酸菌生産物質を含有することを特徴とするそば。
30
ば、または2:8そば、さらには10割そば、さらに1
【請求項7】
0割外1そば等のそば粉の添加割合が高ければ高い程、
そば粉と小麦粉と水の総重量に対して乳酸菌生産物質を
保存期間が数時間、例えば、手打ち等のそばは、打ち立
約0、1∼2%の重量比率の範囲内で含有することを特
てから5時間位が熟成の最高時期であり、食感、風味等
徴とする請求項5、6のいずれかに記載のそば。
も含めて一番美味し賞味時間帯である。この時間経過後
【発明の詳細な説明】
は時間の経過と連動してその鮮度、美味しさが直線的に
【技術分野】
劣化する生そばに着目し、生そばに対して商品化された
【0001】
乳酸菌生産物質を試行錯誤の末、発掘した量を添加混合
本発明は、生そば、即ち、そば粉(30∼100%)と
して、保存期間を従来に比べて大幅、例えば10日位、
小麦粉(70∼0%)と水と、乳酸菌生産物質を添加混
合してそばを製造する方法、およびそばに関する。
延長でき、かつそば本来の風味や食感を維持できると共
40
に、そばを冷凍すれば数ヶ月保存でききるとともに、こ
【背景技術】
のそばの冷凍したものを熱湯に数分間入れれば、本来の
【0002】
生そばに戻る利便性も兼備する利点がある。なお、、手
加工食品やパンに乳酸菌生産物質を含有させて腸内環境
打ちそば、である6割そば∼10割そばを冷凍してゆで
を整えるような提案が知られている。(特許文献1、2
る時に必ず麺が切れるような問題も排除できる特徴があ
)
る。。
【先行技術文献】
【0008】
【0003】
さらに、乳酸菌生産物質は腸内の乳酸菌の餌、即ち善玉
【特許文献1】特開2005−124502号
菌の餌になり、腸内環境を活性化し、その上、栄養補助
【特許文献2】特開2005−245338号
と健康増進にも役立つそばを製造する方法とそばを提供
【発明の概要】
50
することを目的とする。
( 3 )
JP
3
2015-139448
A
2015.8.3
4
【課題を解決するための手段】
乳酸菌生産部物質をこれら構成材料の総重量に対して約
【0009】
0、1∼2%の範囲内で添加、混合した構成としたもの
本発明に係るそばを製造する方法、及び、そばは、前記
であり、通常は10割そば、2:8割そば、6:4割そ
したような大概念の加工食品とか、パンに特定された範
ば、10割外1と呼ばれものも含む。勿論、そば粉の含
囲とは異なる日本独特のそば、例えば、生そばに特定な
有量が3割以下ではそばと呼称できない。
範囲での腸内の本来存在する乳酸菌の善玉菌の餌になる
【0015】
乳酸菌生産物質を添加混合することにより保存延長効果
そばにおいては、その製造方法により生そば、半生そば
、食感、風味等があることを発見したことに着目したこ
、乾燥そばがあるが、どのそばでもほぼ構成材料は同じ
とを特徴とする。
であり、その製造過程において、そば構成材料を混合し
さらに、生そばを冷凍すれば、海外へも生の日本そばを 10
捏ねってそばを製造した後に、茹でるか、茹でずに低温
輸出できる活路を発掘できる特徴がある。
乾燥するかの工程が異なるだけである。
【発明の効果】
【0016】
【0010】
また、乳酸菌が作り出す乳酸(所謂、乳酸菌生産物質)
本発明に係るそばを製造する方法、及び、そばは、主要
としては、乳酸菌の種類とし乳酸菌群12種類、酵母菌
構成材料の混合時に乳酸菌生産物質を特定な量を主要構
群3種類、放射菌群2種などかが含まれる。なお、この
成材料のいずれかに、あるいはこれら構成材料と同時に
種類は、通常2000種以上ある。特に、乳酸菌の菌体
添加して合わせ(混合作業)を行うような通常の製造工
としては
程をするだけであり、これまでの製造工程に全く支障を
cterium)属、ラクトバチルス(Lactoba
与えず、行うことができる。
cillus)属、あるいはストレプとコッカス(St
【0011】
20
ビフィッドバクテリュム(Bifidoba
reptococus)属などの乳酸悍菌科、及び連鎖
また、生そばのように製造直後から、そば本来の風味や
球菌科に代表される乳酸菌を含有し、かつ乳酸菌が作り
食感が美味さが上昇し、それから直線的に、かつ急速に
出す乳酸(乳酸菌生産物質)、及び生菌自体も含有した
劣化するたような特性のため蕎麦屋での製造販売に限定
ものである。
されていた8割∼10割の生そばを100°以上の耐熱
【0017】
性や耐酸性ph3の乳酸菌生産物質の抗菌作用や腐敗菌
さらに、この乳酸菌生産物質の添加量は、そば粉と小麦
抑止性の効果で製造時のまま保存期間を従来に比べ2倍
粉と水の構成材料の総重量に対して重量比で約0、1∼
以上延長、例えば10日以上位保存できるため遠隔地や
2%の範囲内での添加がそばの特徴をさらにアップさせ
家庭でも保存でき、かつ風味や食感も維持したまま食す
ると共に、そば粉と乳酸菌生産物質の反応により風味や
ることができる。さらに、そば本来の特性のままで冷凍
食感、及び捏ねや蕎麦打ちが容易であり、保存期間も従
保存も可能になる、冷蔵では10日間位、及び冷凍では 30
来に比べ大幅に延長できることを発見した。勿論、それ
数ヶ月間保存でき、しかも生そばを、ゆでる時間は従来
より乳酸菌生産物質を多く添加混合すると、保存期間の
生そばと同じにできる。
長さと共に弾力が増し、ゴムのようになり美味さも風味
【0012】
も、食感も悪くなり、少なくともそばに対しての効果は
さらに、そば構成材料の総重量に対して選択された範囲
逆効果となることが確認できた。しかも、茹で方などで
の重量比の乳酸菌生産物質を添加混合して含有させたた
そばの状態を維持できないなどの不都合がある。なお、
め、乳酸菌生産物質本来の特性である腸内の本来の乳酸
そばの種類にかかわらず上記したような範囲内である。
菌の善玉菌の餌になるため腸内環境の調整や抗菌作用、
【0018】
腐敗抑制、酸化防止などの働きにより保存期間を延長で
また、乳酸菌生産物質の添加量は、前記したような範囲
き、かつ食しながらミネラル、ビタミン、アミノ酸など
以外では、そばとしての形状を維持できず、短尺のボロ
の栄養補助食品となるとともに、食感、風味、食味のア 40
ボロ状態のそば、あるいはこれら構成材料の繋がりがで
ップと健康増進にも役立つ。
きずにパサパサの状態となり、生そばにならないか、ゴ
【発明を実施するための形態】
ム状の性質のそばになる。
【0013】
【0019】
以下に、本発明に係るそばを製造する方法、及びそばの
小麦粉は通常品であり、添加量は上記したそばの種類に
一実施例を説明する。
よって、そば全体の総重量比で0%∼70%までであり
【0014】
、水はそばを混合する際に添加して構成材を捏ねやすく
本発明に使用するそばの構成材としての原材料は、そば
混ざりやすく繋がりがうまくできるもの(所謂、商品)
粉を重量比で100%∼30%位以上の範囲内とし、小
としての適量である。
麦粉は重量比で0∼70%位の比率である。水はこれら
【0020】
構成材料を捏ねりやすくするための適量とし、さらに、 50
本発明にかかるそばを製造する具体的な方法を説明する
( 4 )
JP
2015-139448
A
2015.8.3
5
6
。まず、2:8割の生そばを人が製造するとし、容器に
質が製造時も製造後も添加量のままで含有したそばを得
そば粉と小麦粉と水と乳酸菌生産物質を目的の割合の重
ることができる。しかも、乳酸菌生産物質が100℃以
量比で添加混合し、捏ねながらそばを打ち、構成材料が
上の耐熱性があるため茹でても、乾燥しても減少するこ
繋がり、そばらしく製造できたら、所定幅に裁断し、所
とがなく、かつそのままそばの中に存在し、食後も耐酸
定の量ごとに分割、あるいは包装してそばとして完成す
性ph3のため胃による破壊もなく腸まで届き、乳酸菌
る。なお、そばを機械により製造するには、構成材料を
生産物質の特性を発揮できるそばを得ることができる。
図示しないホッパー等に供給し、ミキサー等で混合しな
【0022】
がら捏ねながら出口の型からそばとして所定のサイズで
上述したように本発明の一実施例を詳細に説明してきた
吐出し、裁断して梱包するシステムも可能である。
が、これにとらわれることなく、そば以外の麺類や汁に
なお、最近は10割そばも機械で製造可能になり、構成 10
も乳酸菌生産物質を添加、混合することもできる。汁で
材料の比率は生産性能を左右することが極めて少なくな
は汁自体の保存期間を抗菌作用屋腐敗菌抑制作用で延長
った。
できることができる。また、ラーメンやその他の麺では
【0021】
小麦粉が主体のため、そば粉と同じような範囲でマッチ
本発明に係るそばの一実施例を説明すると、上記したよ
する。
うな方法で製造した生そばは、そばの中に乳酸菌生産物
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