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指導の手引き

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指導の手引き
平成28年度男女共同参画社会づくり副読本 ②
指導の手引き
自分らしく輝いて
滋 賀 県
目 次
1.自分らしさを大切に
・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2.大切な命と性
・・・・・・・・・
3.学校生活の中で
・・・・・・・・・
4.あなたが住んでいる地域の中で
・・・・・・・・・
5.家族の協力
・・・・・・・・・
6.夢に向かって
・・・・・・・・・
7.知っておきたい法律その他
・・・・・・・・・
8.知っておきたい用語
・・・・・・・・・
9.各種相談機関
・・・・・・・・・
10.意識調査結果
・・・・・・・・・
3
6
8
10
12
16
17
24
25
本書の意図
男女共同参画社会づくり副読本は、21世紀に生きる子どもたちが、性別にとらわれず、の
びやかに、多様な生き方ができるよう、また根拠のない性別による役割分担意識を払拭し、
真に男女共同参画社会を築いてくれることを期待し、平成10年度に作成しました。
その後、「男女共同参画社会基本法」の制定、「滋賀県男女共同参画推進条例」の施行、
「滋賀県男女共同参画計画」の策定、少子高齢化のさらなる進行や情報化の進展など社会
情勢の変化等を踏まえ、平成21年度に2度目の改訂を行いました。
男女共同参画社会の基本は、お互いを思いやる心であり、個人の多様性を認め合う気持ち
です。性別に関わらず、ひとりの人間として尊重され、自分らしく生きることができる社会、そし
て男女が互いに対等なパートナーとして、その絆を深めていくことを支援できる社会、そのよう
な社会の実現を目指しています。
今なお大人の社会には、性別によって生き方、役割などを決めてしまう意識や慣行が存在
しています。そして、それらは知らず知らずのうちに子どもたちの生活習慣や考え方に大きく
影響しているのが現状です。
そういった意味から、まず教職員自らが、性別による「偏見・思い込み」のない心情で生徒
に接し、そしてそのことを生徒にも伝えていただきたいのです。
【副読本の表紙について】
中学生用副読本の表紙は、イラストを担当していただいたイラストレーター タカノ
キョウコさんの子どもたちへの想いがたくさん詰まったやさしい表紙になっています。
・音符の色
56個ある音符の色は一つずつ違う色になっています。「一人ひとり違っていい。
たくさんの色(個性)があっていいんだよ」という想いが込められています。
・鉛筆
長さ、太さ、柄が違う鉛筆は、「それぞれ違っていい。違うのがいい」、外にはみ出た
鉛筆は「枠にとらわず自由に生きてほしい」、片方が赤で片方が青の鉛筆は「一本の
鉛筆でも色は一色と決まっているのではない」という想いが込められいます。
1.自分らしさを大切に
【テーマ】 ・自分らしさを大切に
【ねらい】 ・「自分らしさ」とは何かを振り返り、「自分らしく」「その人らしく」生きていくことの大切さや意義に気づく。
・日常生活には性別によって役割や言動を期待される意識があり、自らも性別による固定的な役割意識にとらわれ
ていないか考える。
・「男女共同参画」の基本は、お互いを認め合い思いやる心であり、男女がお互いに対等なパートナーとして関わ
り、責任をもって社会を築いていくことの大切さを考えさせる。
【指導のポイント】
・「女だから」「男だから」と、固定観念にこだわって行動していないか、日々の具体的な場面から振り返らせる。
・一人ひとりが夢をもち、自分の中にある可能性を十分に発揮できることが大切であることに気づかせる。
・ワークとデータをとおして、男女共同参画社会を目指していく意義を考えさせる。
【参 考】(展開にあたって)
1. 「わたしってどんな人?自分らしさをみつけてみましょう」について
・友達から自分の良いところなどを聞き、気づいていない「自分らしさ」に気づく。
・『「自分らしさ」「個性」を大切に生きていくこと』の大切さに気づかせるため、良いところに目を向けるよう
にし、後ろ向きな内容は避ける。
2.「あなたはどう思いますか?」掲載グラフについて
(1)グラフ①で男子と女子を比べると、どんなことが言えるか話し合わせる。
・「よくある」「時々ある」の割合が女子の方が多いのは、男子に比べ女子の方が制約、規制、まわりからの要望
が多い傾向にあることを読み取らせる。また、そういった傾向が見られるのはなぜか考えさせる。
・自分自身がどんなことを、どんなときに言われたことがあるか、言われたことに対してどう思ったか振り返らせ
る。
(2)グラフ②で「何とも思わない・気にしてない」の割合が男女とも5割以上であることについて
・「女(男)らしくしなさい」と言われた時にどう思ったかを、どんな時にそう言われたかについて併せて発表さ
せる。本指導の手引きP2のキーワードにもあるように、「勇気」や「やさしさ」など、子どもたちが将来生き
ていく上で、男女とも「人として」大切にするべき資質が多くあることに気づかせる。
・「女(男)のくせに」と言われたとき、「くせに」という言葉には否定の意が強く込められていることを気づか
せる。どんなときにそう言われたかを併せて発表させ、性別のみを理由として言動を否定されることに対し、特
に自分の前向きな行動を否定されたことに対して「何とも思わない」場合、それでよいのか問題提起したい。ま
た「そのとおりだと思った」との回答に対しては、自分に自信をもつことも大切であることに気づかせる。
・一方、「女(男)のくせに」と言われるときには、例えば「行儀が悪い」とか「根性がない」など、自分がとっ
た言動や自分がもっている資質に原因がある場合がある。そのような場合は、「行儀が悪い」等の指摘された言
動を、それ自体が良いことなのか良くないことなのか考えさせ、性別にかかわりなく、人としての言動の善し悪
しが判断されるべきであることに気づかせる。また、いずれに回答した場合でも、指摘された言動・資質等が、
自分の将来の選択や行動を自ら制限することにつながらないかについても考えさせる。
1
キーワード
男女共同参画社会
男女共同参画社会は、「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意志によって社会のあらゆる分野における活動に
参加する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的および文化的利益を享受することができ、かつ、
共に責任を担うべき社会」をいいます。
これまでは、男女が社会の中で別々の役割を担い、その上でお互いに足りないところを補い合って協力するかたちが多
くありましたが、21世紀のこれから、男女があらゆる場で共に協力し、共に責任を担って、よりよい社会を目指していく
ことが求められています。
社会的性別(ジェンダー)
人間には生まれついての生物学的性別(セックス/sex)があります。一方、社会通念や慣習の中には、社会によっ
て作り上げられた「男性像」、「女性像」があり、このような男性、女性の別を「社会的性別」(ジェンダー/gender)と
いいます。「社会的性別」は、それ自体に良い、悪いの価値を含むものではなく、国際的にも使われています。「社会的
性別」が性差別、性別による固定的役割分担、偏見等につながっている場合もあり、これらが社会的に作られたものであ
ることを意識していくことが必要です(「社会的性別」の視点)。
男女を問わず大切にすること
「男らしさ」、「女らしさ」は、社会や歴史的状況に応じて、多様な意味をもっています。例えば、「女らしさ」のイ
メージとつながりやすいと考えられる「思いやり」や「優しさ」は男性の多くがもっています。また、「決断力がある」、
「責任感がある」など「男らしさ」のイメージにつながりやすい資質は、社会活動の中では男女共に備えておくべきもの
です。
男女共同参画の目指すところは、例えば勇気や優しさなど人間にとって必要な価値を「男らしさ」、「女らしさ」の二
つに分類するのではなく、男女を問わず大切にしていこうということです。その人らしさを尊重し、多様な選択を認めあ
い、個人の能力を十分に発揮できるようにすることが重要です。
ちょっと一息。男女共同参画クイズ♪
(問題)
お父さんが息子さんとドライブに出かけました。とても楽しいドライブでしたが、家路に急ぐ途中、運悪く交通事
故に遭遇してしまいました。幸いお父さんは軽傷でしたが、息子さんは重体。救急車で病院に担ぎ込まれ、手術を受
けることになりました。
ところが、手術をする主治医が「自分の子どもに対して冷静にオペができない。」と言い出しました。さて、この
3人の関係は?
(答え)主治医は子どものお母さん
お医者さん(特に外科医など)は男性という固定観念が働きませんでしたか。
今では、あらゆる分野に女性の進出が目立ってきていますが、まだまだ女性が個性と能力を十分に発揮しえないの
が現状です。このような中で、女性の新しい発想や多様な能力を活かせるよう、男女共同参画社会の実現に向けた取
組がいっそう求められています。
2
2.大切な命と性
【テーマ】 ・許さない! こころとからだを傷つけること!
・私たちのこころとからだ、大切にしたい!
・輝かせたい すべての人の命と性
【ねらい】 ・SNS やゲームサイトの危険性や、ドメスティックバイオレンスの現状を知る中で、性を大切にする意識や、暴力は
犯罪であり人権侵害であることに気づかせる。
・男女がお互いの身体的な特性や性がかかえるさまざまな問題を理解し合い、男女の対等なパートナーシップの
あり方を考える。
・毎日の生活を振り返り、性をおびやかす情報について考えたり、自分の性を見つめたりすることによって、心と
体を大切にして生きることの大切さに気づく。
・かけがえのない命を大切に、お互いの性を尊重するとともに、自分と同じように相手を大切に思い、「その人ら
しさ」を精一杯いかして生きる意義について考える。
【指導のポイント】
・SNS やゲームサイトの危険性を認識させると共に性を軽んじる問題が発生していることについて考えさせ、被害に
遭わないためにはどうしたらよいのか考えさせる。
・具体的な事例からDVの現状を知り、暴力を受けた者の心と体の傷について考えさせる。暴力は人権侵害であり
命に関わる犯罪行為であることに気づかせる。また、法律や相談機関が整備されていることを知る。
※
現実にDV等で悩んでいる生徒もいることに十分配慮する必要がある。
・受け継がれてきた命の大切さを再確認し、その命を大切にしていくことの意義について考えさせる。
・自分の性を意識する中で、「女」「男」のどちらであっても、一人の人間として支え合い、尊敬しあっていくこ
とが幸せに生きることにつながることに気づかせる。
【資 料】
~トラブルに巻き込まれた事例~
中学生のY子はインターネットの掲示板で知り合った自称高校生だというB夫とメールのやりとりをするように
なりました。B夫のメールは最初とても優しく、Y子はB夫を気の許せるボーイフレンドと思うようになりました。
「B夫に嫌われたくない」という思いから、Y子はB夫の要求には何でも応えるようになり、そこにつけ込んだB夫
は段々と性的な要求をするようになりました。
ある日、B夫は「下着姿の写真を送ってほしい」と要求してきましたが、B夫とつきあっているつもりでいたY子
は別れたくない一心で要求どおり送ってしまいました。その後、B夫の要求はさらにエスカレートし、裸の写真まで
要求してきたのです。さすがにY子は断りましたが、「送らなければ、下着姿の写真をばらまくぞ」とB夫は脅して
きたのです。不安になったY子が担任の先生に相談し、驚いた先生が家庭に連絡し、その後家族が警察に相談して事
案が発覚しました。
この事例からもわかるように、インターネットの掲示板を見ている人は善意の人ばかりではないのです。
警視庁「ハイテク・キッズ」より
3
■配偶者による殺人、傷害および暴行事件の検挙件数の推移(全国)
2500
件
2,154
2000
2,135 (注)配偶者による暴力
傷害
1500
暴行
1000
295
500
0
殺人
155
189
35
H10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20
事件には、いわゆ
る配偶者からの暴
力事件だけでな
く、例えば、殺人
では嘱託殺人、保
険金目的殺人等、
多様なものが含ま
れる。(配偶者に
は内縁関係にある
者を含む。)
21 22 23 24 25
資料:平成25年の犯罪情勢(警察庁)
■10歳代から20歳代のときの交際相手からの被害経験
交際相手から暴
女性
13.7
0.9
85.3
あった
力を受けたこと
なかった
のある女性は 1 割
を超えています。
5.8
男性
0%
0.8
93.4
20%
40%
60%
80%
無回答
100%
資料:内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成23年度)
デートDV
DVとは、夫婦や恋人など親しい男女の間でふるわれる暴力のことですが、交際中の 10 代、20 代の若い世
代でも起こっており、特に「デートDV」と呼ばれています。
相手を思い通りに動かしたり、相手の人格や意見を尊重しないで、自分の考えや価値観を一方的に押しつけ
たりする「力と支配の関係」が根底にあります。
■デートDVチェック表
デートDV危険度チェック ~こんなことありませんか?~
□ 殴る、蹴るなどの暴力をふるう。
□ 傷つく言葉をわざと言って、ばかにしたり、軽蔑したりする。
□ 大きな声を出したり、物に当たったり、投げたりして怖がらせる。
□ 何でもあなたのせいにする。
□ 携帯電話などであなたの居場所を常に確認したり、誰と会っているか行動をチェックする。
□ 携帯電話のメールや通話履歴を勝手にチェックする。
□ 携帯電話に登録している異性の友達のメモリーを消すように命令したり、消してしまったりする。
□ 自分との時間を優先させないと機嫌が悪くなったり怒ったりする。
□ 友達とのつきあいを制限する。
□「好きならしてくれるはず」とあなたの気の進まないことを無理やりさせる。
□ 性的な行為を強要する。
※これらの行為の背景には、相手を力で支配し、自分の思いどおりにしようとする意識が働いています。また、被害を受けて
いても相手を好きという気持ちから、暴力的なことも愛情表現のひとつだと思い、本人が自覚しにくいことがあります。
4
■法律解説
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(DV防止法)
平成 13 年(2001 年)4 月、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護することを目的に制定されまし
た。この法律では、配偶者からの暴力は犯罪となることが明記され、加害者に対する法的措置(保護命令
:接近禁止命令と退去命令)が可能となりました。
※この法律の対象となる「配偶者」には、婚姻の届出をしていないいわゆる「事実婚」を含みます。男性
からの暴力だけでなく、女性からの暴力も対象になります。また、離婚後(事実上離婚したと同様の事
情に入ることを含みます)も引き続き暴力を受ける場合を含みます。
※交際中の男女間における暴力は、広義のDVには含まれますが、この法律の対象とはなっていません。
「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(ストーカー規制法)
平成 12 年(2000 年)11 月、ストーカー行為等を処罰するなど必要な規制と、被害者に対する援助等が
定められました。
この法律により規制の対象となるのは、特定の者に対する恋愛感情、その他の好意感情又はそれが満た
されなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の者又はその家族などに対して行う
「つきまとい行為等」、同一の者に対し「つきまとい等」を繰り返して行う「ストーカー行為」です。
「児童虐待の防止等に関する法律」
平成 12 年(2000 年)5 月、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の予防及び早期発見その他の児童虐待
の防止に関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援のための措置等
を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進することを目的に制定されました。
児童虐待は、子どもの人権を著しく侵害するもので、その心身の成長および人格の形成に重大な影響を
与えるとともに、最悪の場合には、命を奪ってしまいます。将来の世代の育成にも懸念を及ぼします。
また、直接暴力を受けたり、DVが行われている家庭で育った子どもは、情緒不安定になったり、心身
にいろいろな影響を受けることから、児童虐待防止法では、子どもが両親の間の暴力を目撃することも子
どもへの虐待になるとされています。
・
・
・
身体的虐待・・・なぐる、ける、やけどを負わせるなど
性 的 虐 待・・・性的行為を強いる、性器を見せるなど
ネグレクト・・・家に閉じこめる、食事を与えない、ひどく不潔にする、車の中に放置するなど
(養育の拒否・怠慢)
・
心理的虐待・・・ことばによるおどし、無視や拒否的な態度をとる、きょうだい間の差別、
子どもが同居する家庭におけるDVなど
児童虐待防止法では、児童虐待を受けたと思われる子どもを発見した人は市町や子ども家庭相談センタ
ーなどに通告しなければならないとされています。特に、学校や幼稚園、保育園病院、児童委員など子ど
もに関わる機関(者)は児童虐待を発見しやすい立場にあることから、早期発見に努めなければならない
とされています。(児童虐待防止法5条、6条)
「出会い系サイト規制法」
平成 15 年 6 月、出会い系サイトの利用に起因した児童売春事件等の犯罪の急増を背景に制定されま
したが、依然として犯罪が多発していることから、平成 20 年 5 月、「出会い系サイト事業者に対する
規制の強化」「児童による出会い系サイトの利用を防止するための民間活動の促進」を内容とする改正
出会い系サイト規制法が成立しました。
この法律は、インターネットによる異性紹介事業を利用して児童(18 歳未満)を性交等の相手方と
なるように誘引する行為等を禁止するとともに、インターネット異性紹介事業について必要な規制を行
うこと等により、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護
し、もって児童の健全な育成に資することを目的としています。
5
3.学校生活の中で
【テーマ】 ・学校生活の中での男女共同参画
【ねらい】 ・それぞれの個性を認め合い、共に支えあえる学級を作り上げていく大切さに気づく。
・一人ひとりが異なる個性と可能性をもっていることに気づく。
【指導のポイント】
1. 「自分らしく輝いている仲間がいます!あなたはどう感じますか?」について
・性別にとらわれず力を十分に発揮して、共に認め合って生きるとはどういうことかについて考えさせる。
・やりたいことに意欲的に取り組もうとする場合、趣味、関心を抱く分野に女子、男子の別がないことに気づかせる。
・事例の他に、自分たちの学校生活の中や社会の中で、性別にとらわれず自分らしく頑張っている人をさがしてみる。
(例)宇宙飛行士、看護師など
2. 「あなたのまわりに目を向けてみよう!」について
・学校生活の中で、性別に関わりなく、得意分野を活かしている例や協力している例についてあげさせる。
・集団生活の中ではルールを決めて活動する必要があるが、その場合に、自分らしさやその人らしさを活かしていくには
どうすればよいか考えさせる。
・文化祭や体育祭の役割分担など、男女で役割を分けているような例はないかを考えさせる。
3.「みんなで協力できる学校、学級を目指して!」について
・男女にかかわらず力の強い人、弱い人などがいて、誰もが能力を発揮できる工夫をすることによって、それぞれの個性
が活かされるすばらしさについて意識させ、よりよい学級を共に作り上げることの大切さに気づかせる。
【参 考】
『プッシュ!』を見て考える
・ビデオ「プッシュ!」を資料に取り上げて学習し、ジェンダーにとらわれずに力を十分に発揮して、共に認め合って生
きるとはどういうことかについて考えさせる。
あらすじ
中学校で陸上競技をしていた主人公・加奈が、高校に入ったある日、突然「わたし相撲部に入る」と宣言し
ます。「女の子がなぜ?」と驚く両親。相撲部の監督も男子部員も反発しますが、加奈はへこたれません。そ
んな時、事故で母親が入院することになり、家事の分担をめぐって加奈は父と対立してしまいます。
担任の斉藤先生も加奈の熱意に動かされて、相撲部の監督を「なぜ入部させないのか」と問いつめます。つ
いに監督は“条件”つきで入部を認めることに。加奈は闘志を胸に、一人黙々と稽古に励みます。
一方、入院のために母がいなくなった家では、父も家事をしていく中で、少しずつ加奈の理解者になってい
きます。
そうして迎えた勝負の日。土俵の上で向かい合った二人。
さて、ラストシーンは・・・。
①
何度申し出ても入部を認めてもらえない加奈の気持ちについて考えさせる。
②
入部テストの試合終了後、男子部員の言葉を聞いたときの加奈の気持ちを考えさせる。
③
加奈の頑張りを支えたものは何だったのか、考えさせる。
※男女共同参画社会づくり啓発ビデオ「プッシュ!」は平成14年度に作成し、各中学校へ配布していますが、県立男女共同参
画センター、県男女共同参画課でも貸出を行っております。
6
【参 考】
1.先生のためのジェンダー・チェック〈その①〉
次の意見にあなたは賛成ですか、反対ですか?
はい
いいえ
男子は女子に比べると少々厳しく指導してしまう。
男子は女子に勉強やスポーツで負けない方がよいと思う。
グループ分けをするとき、無意識で男女別にしてしまうことがよくある。
家庭科は男女共修でなくてもよいと思う。
柔道や剣道などは男子のスポーツであるべきと思う。
生徒会や応援団長は男子がなるべきだと思う。
2.学校現場において無意識で行われる言動
教職員が学校現場において無意識で行う言動が気づかないまま生徒の価値観の形成に影響を与え、メッセージ機能となる
ことがあります。
例えば、教材の中の男性像・女性像の描き方、指名・整列の順序、校内行事の役割、進路選択の内容、あるいはほめ方、
叱り方、呼び方などについて性別によって役割や、期待する内容・程度に差をつける結果になっていないか、日常的に点検
することが必要です。
3.中学2年生からみた理科の学習に対する周囲の意識
お父さんは、将来、自分が 男子
科学や技術に関わる仕事
についたら喜ぶと思う。
21.5
37.1
31.5
理 科の 成績 や進
女子
7.2
男子
10.1
お母さんは、将来、自分が
科学や技術に関わる仕事
についたら喜ぶと思う。
女子
先生は、私が理科でよい成
9.9
13.5
37.5
18.8
4.6 10.8
41.8
39.5
31.6
41.6
男子 5.3 13.2
とてもあてはまる
だいたいあてはまる
あまりあてはまらない
まったくあてはまらない
43
48.3
0%
20%
42.3
40%
60%
80%
100%
資料:内閣府「男女共同参画白書」(平成 17 年版)
7
す る期 待に つい
て、女子の方が期
と感じています。
33.2
51.1
や 親の 自分 に対
待 され てい ない
績を取れると期待している。
女子 1.15.4
路 に関 する 教師
4.あなたが住んでいる地域の中で
【テーマ】 ・地域活動の中での自分らしさの発揮
【ねらい】 ・自分たちの地域で行われている活動への参加を通して、地域社会の一員だという自覚を高める。
・地域の活動の中で従来から男女で役割が分けられていることがあることに気づき、地域においても、性別に関係
なく自分を生かせる活動ができることの大切さに気づく。
【指導のポイント】
・滋賀県内で実施されている活動例を参考にし、自分たちの地域で行われている活動を挙げ、自分が参加している
活動を考えさせる。
・地域で行われている活動(清掃活動・運動会・敬老会など)に参加した経験から、地域活動が何のために行われ
ているのか、自分や家族にとってどんな意義があるのかを考えさせる。
・平成 21 年度に滋賀県に住む成人 3,000 人を対象に行った「男女共同参画社会づくりに向けた県民意識調査」では、
「地域社会に最も男女不平等を感じる」という結果が出たが、どんな時に地域社会で不平等を感じるのか、左の
イラストと吹き出しを参考にしながら考えさせる。また、自分が知っている地域の活動の中で、男女で役割が分
けられている場面などがないか考えさせる。(P9左上グラフ参照)
・地域の方針決定の場への女性の参画がまだまだ進んでいないことについて、加藤さんへのインタビュー内容を参
考にしながら考えさせる。(P9右上グラフ参照)
・地域においても、自分自身が性別役割分担意識にとらわれず、できることを積極的に実行していくことの大切さ
を意識させる。
【資 料】
■地域活動の紹介
NPO 法 人 日 吉 台 の 福 祉 を 語る 会
彦根市立鳥居本中学校
あじさいくらぶ
地域の人々とともに、大きな樹に
住みなれた家で暮らし続けられ
育てるための間伐作業を体験し、地
る地域づくりを目指し、誰もが気楽
域にとってかけがえのない森林を
に利用でき、楽しく交流できる場を
育てることに貢献している。
提供している。
高島市立朽木中学校
東近江市 コトナリエ
地域の運動会に全校生徒が役員、
湖東中学校の生徒会役員を中心
としたボランティアが、地域の人た
地区の選手として参加。家庭で、地
ちと協力し、飾り付け等に参加し
域で、学校でそれぞれの立場で関わ
た。飾り付け作業は、地域の一体感
り、地域活動の一つである運動会を
を生む市民間交流の場にするため、
盛り上げている。
地域の人々に広く呼びかけている。
8
■各分野での男女の地位平等感
11.7
職場の中で
(N=2,643)
学校教育の場で
2.8
(N=2,602)
地域活動の場で
(N=2,602)
40.3
11.2
5.7 1.5
2.9
32.9
36.4
38.8
8.7
21.4
0.5
36.9
4.2
1.6
27.3
61.6
わから
ない
5.7
38.4
10.8
政治の場で
(N=2,698)
平等である
38.4
16.4
女性が優遇
されている
どちらかといえば女性
が優遇されている
どちらかといえば男性
が優遇されている
男性が優遇
されている
家庭生活で
(N=2,752)
■PTA・地域活動における女性の代表比率
6.4
13.3
11.3
1.3
0.8
10.1
0.6
法律や制度のうえで
(N=2,690)
14.1
社会通念・慣習・しきたりなど
(N=2,724)
34.2
4.2
1.6
33.3
30.1
49.9
11.3
12.6
1.7
6.5
0.5
0%
社会全体でみて
(N=2,698)
20%
40%
15.3
0%
60%
58.7
20%
40%
80%
16.0
60%
100%
3.0 5.4
1.5
80%
県女性活躍推進課調べ
100%
滋賀県「男女共同参画社会づくりに向けた県民意識調査」(平成 26 年度)
■高島市城山台自治会長 加藤幸江さんへのインタビュー内容
城山台は発足10年の新しい自治会です。
役員を選ぶ場で今までの経験をかわれて自治会長になりましたが、自治会長になるまでに、自治会館建設委員、副会長
2回、規約改正委員と役員を務めてきました。地域では「家」を単位としたつながりが求められるせいか、女性が自治会
のトップとして活動するにはまだまだ難しい状態にあると思います。
けれども、女性はトップには立たなくても、いつも地域活動の最前線にいるのではないでしょうか。女性も従来の補助
的な立場から一歩踏み出す勇気が必要だと思います。
城山台自治会では、自治会館の大掃除・消化訓練などに併せて餅つき大会や流しそうめんなど楽
しいイベントを組み合わせるように工夫しています。また、夏祭りや運動会などは模擬店を出した
りして大人も子どもも大いに盛り上がります。
女性の会長という親近感からか、城山台では家族ぐるみでの行事参加や身近な提案が増え、自治
会活動が活発になり喜んでいます。どの行事にも家族で参加して楽しんでもらえる、それぞれがも
てる能力を発揮して暮らしていける地域であること、それが仲良く暮らす秘訣かもしれません。
これからも、地域のみなさんに支えられながら、世代間交流が広がる元気な自治会をめざして、
一歩ずつ進めていきたいと思います。
(平成 21 年度自治会長)
【参考】
先生のためのジェンダー・チェック 〈その②〉
はい
次の意見にあなたは賛成ですか、反対ですか?
いいえ
会合での席順は、男性が上座、女性が下座に座るべきである。
町内会や自治会の組織の代表は、男性の方が向いている。
普段の地域活動は女性の方が向いている。
子供会の役員は女性の方が向いている。
町内会の会合で、お茶の準備や後かたづけは女性がする方がよい。
女性は政治的分野には向いていない。
※このチェックシートはジェンダーバイアス(偏見(性別に対するステレオタイプ))をチェックするためのシートです。こ
のチェックシートに答えはありません。またこれで全てというわけではありませんが、このチェックシートを自身の抱くジ
ェンダーバイアスに気づくきっかけとし、今後の参考としてみてください。
9
5.家族の協力
【テーマ】 ・家族の一員として、あなたにできることは何か、考えてみよう。
【ねらい】 ・家族のスタイルはさまざまではあるが、家族の一員としての自覚をもち、一人ひとりが協力していける家族を目
指す気持ちを高める。
・滋賀県の中学生から見た家族の家事分担の実態を知ることにより、実際に家事を担っている者にかたよりがある
ことに問題意識をもつ。
・家族の一員として、自分は具体的に何ができるかを考える。
【指導のポイント】
① 「家族の協力について考えてみましょう」について
・A~Dの絵を自由に並び替えて、ストーリーや会話を考え、この家族はどのような家族なのか考えさせる。
・教師の考えを決して押しつけず、生徒の自由な発想を尊重して欲しい。食事のシーンは3食のいつなのか、幼稚園
なのか保育園なのか、送りなのか迎えなのか等、自由に考えさせる。
・また、まわりの生徒の意見を聞くことで、家族の形や家族の役割分担にはさまざまなスタイルがあることに気づ
かせる。
〈展開例〉
・「家族の協力」の4コマ漫画について
A 2人の男性が買い物や玄関掃除をしている絵から、ストーリーや2人の会話を考えさせる。
B 女性が保育園(幼稚園)に子どもを送迎している絵から、ストーリーや2人の会話を考えさせる。
C 2人の子どもが食器洗いやテーブルの拭き掃除をしている絵から、ストーリーや2人の会話を考えさせる。
D 家族6人がテーブルを囲んで、食事をしている絵から、ストーリーや2人の会話を考えさせる。
〈並べ替え例〉
(1)B→A→D→C
B:お母さんが子どもを保育園(幼稚園)に送って出勤。
A:専業主夫(もしくは会社が休み)のお父さんが子どもを保育
園に迎えに行った帰りに夕食の買い物をして帰宅。
D:お母さんも仕事から帰ってきたのでみんなで夕食。
C:子どもたちが夕飯の後片付け。おじいちゃんは孫と一緒にお
風呂に入っている。お母さんは一休み。お父さんは地域の集
まりへ。
②
(2)D→B→C→A
D:朝食を食べる。
B:お母さんが子どもを保育園(幼稚園)に送って出勤。
C:急いで朝食の後片付けをして、学校へ登校。
A:仕事から帰ったお父さんが夕食の買い物をして帰宅。
グラフの展開について
※4コママンガの展開についての意見交換とあわせ、次の資料を参考に問題提起する。
・「滋賀県の中学生 1330 人を対象にした男女共同参画意識調査」の結果を見て、「家庭での仕事は誰がするのがい
いと思うか?」という問いに、「両方」という回答も多いが、「風呂の掃除」「ゴミ出し」「電気製品や家の中の
ちょっとした修理」以外は「女性がするのがいい」と回答しており偏りが見られる。中学生の中にも固定的な役割
分担意識があることに気づかせる。
・「育児期にある夫の1日あたりの家事、育児時間の国際比較」のグラフを見て、日本とその他の国々の差に気づか
せる。
・男女が互いに理解、協力しながらよりよい家庭を築くためには、家事・育児等をどちらか一方が担うのではなく、
その時の状況や人生の各段階に応じて互いに理解、協力する必要がある。仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バ
ランス)とは、仕事、家庭生活、個人の自己啓発などいろいろな活動について自分が希望するバランスで実現でき
る状態のことであり、「ワーク・ライフ・バランスを考える」ことは「自分の人生をどう生きるか」を考えること
につながることに気づかせる。
③ まとめ
・家族の一員として、自分に何ができるか考えさせる。
・「思いやり」や「愛」を育てる、よりよい家族を作っていくためにも、家族の一人ひとりが家事に参加し、でき
ることを協力していくことが大切である。また、この協力が日々根気よく続けられることによって、家族の絆は
深まり、結びつきはより強くなることに気づかせる。
10
【資料】
■夫婦の生活時間
夫
10:12
妻
10:07
夫
10:02
妻
9:59
夫
10:15
妻
10:26
共働き世帯
8:05
0:35
4:51
5:10
4:14
4:46
共働き世帯の
うち妻の週間
8:34
0:38
4:48
就業時間が35
時間以上
夫が有業で妻
が無業の世帯
睡眠・食事等
6:33
3:28
7:44
0:05
仕事・通勤等
4:02
0:41
5:20
6:52
6:37
家事・育児・介護等
自由時間(3次活動時間)
資料:総務省「社会生活基本調査(平成23年)」より作成
男性の家事・育児・介護等にかかわる
時間は、妻の就業状況に関わらず非常
に短くなっています。
■生活の中での「仕事」、「家庭生活」、「地域・個人の生活」の優先度
「仕事」と「家庭生活」と
「家庭生活」を優先
「仕事」と「地域・個人の
「地域・個人の生活」を優先
「仕事」と「家庭生活」を
(希望)
3.6
15.1
3.0
もに優先
「家庭生活」と「地域・個
ともに優先
「仕事」を優先
「地域・個人の生活」をと
生活」をともに優先
わからない
人の生活」をともに優先
26.4
4.2
12.6
32.3
2.8
女
性
(現実)
21.3
0%
(希望)
5.9
24.2
20%
13.2
5.7
3.0
22.4
40%
60%
31.0
5.7
5.1
10.8
7.8
80%
9.3
27.0
5.3
100%
2.1
男
性
(現実)
41.5
0%
20%
8.4 4.5
40%
23.9
60%
6.1 6.3 4.5
80%
4.7
100%
滋賀県「男女共同参画社会づくりに向けた県民意識調査」(平成 26 年度)
11
6.夢に向かって
【テーマ】
【ねらい】
・自分の夢の実現に向かって、何ができるかな?自分の将来について考えてみよう。
・男女が性別を理由に制限されることなく、個人の能力を十分に発揮できることの大切さを理解する。
・女性の職場進出、職域の拡大が進む中で、男女雇用機会均等法などの法制上の整備や支援体制があり、雇用環境
の改善が進められていることを知る。
・男女がそれぞれ自立し、協力して家庭や社会を支えていくことの重要性を理解する。
【指導のポイント】
・職場体験を行った中学生の感想を読み、「働く」ということは、お金を稼ぐためだけでなく、生きがいや自己実
現につながる大きな意義があることに気づかせる。また、固定観念に囚われることなく職業を選択する大切さ、
選択できる社会であることを先輩からのメッセージと併せて考えさせる。
・年齢階級別労働力率のM字型曲線のグラフから、どんなことが言えるか、また、なぜそうなるのかを考えさせる。
(グラフの見方)
男性の年齢別労働力率は台形であるのに対し、女性の年齢別労働力率は、25歳から35歳にかけての結婚、
出産、子育て期に深くなる「M字型」をしている。滋賀県は、全国数値と比べるとカーブの落ち込みが深く、
子育てが落ち着きだす35歳から45歳にかけて再就職する割合が高くなっている。また、滋賀県や全国デー
タと福井県のデータを比べると、福井県は女性の労働力率が高く、結婚、出産、子育て期の離職率も緩やかな
台形型に近い形となっている。
・女性が結婚、出産子育て期に離職せず、男女がともに夢を実現出来る社会であるためには、何が必要か、何が
大切か考えさせる。
・一人ひとりの能力を十分に発揮し、働き続けるために、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などの法律があ
ることを知る。
・さまざまな分野で活躍する先輩方のメッセージを読み、生徒一人ひとりに、将来の生き方、働き方を考えさせる。
参考資料として、「平成 21 年度中学生徒男女共同参画意識調査」の結果について考えさせる。
問12 これからの女性の働き方について、あなたはどれがよいと思いますか?(本指導の手引き P31)
問13 将来どんな仕事がしたいですか?したい仕事をひとつ書いてください?(本指導の手引き P31)
※問12「これからの女性の働き方について、あなたはどれがよいと思いますか?」について
平成15年度調査と比べて、男女ともに「結婚、出産しても仕事はやめない」が減少している。特に女子は
男子に比べて大幅に減少し、「結婚または出産で仕事をやめて、こどもが大きくなったらまた働く」が5割を
超えて最も多い。滋賀県の年齢別労働力率が「M 字型」をしていることとあわせ、女性自身の働き方、労働観
などについて、考える材料とする。
・一人ひとりの在り方・生き方において、どのようなライフスタイルを選択するかは、各自の価値観によるが、
自己実現をはかりたいという欲求をもつことは自然であり、それぞれの生き方を尊重することが大切であると
の観点に立って指導をする。
12
【資料】
■女性の働き方に関する考え方
滋賀県「男女共同参画社会づくりに向けた県民意識調査」(平成 26 年度)
■女性の年齢階級別労働力率(国際比較)
日本、韓国では、結婚、出産、
子育て期に労働力は低下し、
M字型になります。一方、ア
メリカ、ドイツ、スウェーデ
ンでは、結婚、出産、子育て
による労働力の低下はあま
り見られません。
(備考)
1.「労働力率」は、15 歳以上人口に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合。
2.日本は総務省「労働力調査(基本集計)」(平成 25 年)、その他の国は ILO“ILOSTAT”より作成。
3.日本と米国は 2013(平成 25)年、その他の国は 2012(平成 24)年の数値。
ちょっと一息。家事・育児への協力は結婚相手の重要な条件!?
女性が結婚相手の条件として重
視する項目として「家事・育児の能 10 0
力」を挙げる人の割合は、平成 9 年
80
調査より大きく増加しています。家
庭での男女の役割分担の在り方と 6 0
働き方は相互に影響を与えるもの
40
であり、男性の家事や育児への協力
は、身近で重要な男女共同参画社会 2 0
実現のための第一歩でもあります。
0
平成9年
平 成 22 年
学歴
職業
経済力
人柄
容姿
共通趣味
仕事理解
家事育児
国立社会保障・人口問題研究所「第 11 回、第 14 回出生動向基本調査」より作成
13
諸外国の制度、取組
男女が共に社会で能力を発揮し、活躍するためには、雇用の場における平等を進めるほか、前提となる環
境整備として仕事と育児、介護等の両立支援、労働時間制度を中心とする制度の整備および男性を含めた働
き方の見直しなど様々な取組が必要です。ここでは、子育て支援制度、労働時間制度、パートタイム労働制
度を取り上げ、諸外国の取組の一端をご紹介します。(参考:内閣府「平成 19 年版男女共同参画白書」)
■各国の子育て支援制度
保育サービスのあり方は、国により様々です。スウェーデンは公的保育施設が充実している(利
用割合 48.0%)一方で、アメリカは民間の多様な保育サービスが充実しており(利用割合 54.0%)、
対照的です。フランスでは認定保育ママによる家庭的保育が主流(利用割合 29.0%)、イギリスで
は集団保育が並存など(利用割合 34.0%)、そのサービス形態は様々です。なお、日本における利
用割合は 13.0%(0~2 歳児)と低くなっています。
ノルウェーやスウェーデンでは、育児休業制度にパパ・クオータ制が導入されています。ノルウ
ェーでは、全体の育児休業期間のうち、父親に 6 週間が割り当てられ、有資格者の父親のうち 90%
が利用しています。また、スウェーデンの育児休業制度は充実しており、両親合わせて 480 日とい
う期間の長さに加えて、休業給付の水準も賃金の 80%と高くなっています。
日本では、子が1歳に達するまで(一定の場合には子が1歳6か月に達するまで)の間、育児休
業を取得する制度があり、また、一定の要件を満たす育児休業取得者に対しては、雇用の継続を目
的として、休業開始後 6 か月間は休業前賃金の 67%相当額(7 か月目以降は、50%相当額)が給付
されます。なお、日本の育児休業取得率は男性が 1.89%、女性が 83.6%(平成 24 年度)となってい
ます。
■各国の労働時間制度
ノルウェー、スウェーデンなどの北欧諸国では、実労働時間が短く、その他のヨーロッパ諸
国でもEU労働時間指令を受けて、労働時間の短縮化の動きが見られます。アジア諸国では、
労働法制は整備されている国が多く、法定労働時間はヨーロッパ諸国と大きな差はありません。
しかし、日本、韓国、シンガポールでは実労働時間が長くなっており、それには長時間労働の
慣行や時短に関する意識等、様々な要因が関連していると考えられます。
■パートタイム労働制度
女性の年齢階級別労働力率が逆U字型を示す国においては、育児期にパートタイム労働に従
事する女性の割合が高くなっていますが、正社員として働いていた職場を退職するのではなく、
正社員の身分のままフルタイムからパートタイムに転換し、仕事を継続できる制度となってい
ます。
スウェーデン、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパ諸国は、1997 年のEUパートタイム労働
指令の影響を受け、パートタイム労働法が整備されている国も多く、パートタイム労働者の均
等待遇、不利益処遇の禁止のほか、フルタイム労働者とパートタイム労働の相互転換がスムー
ズに行えるようになってきています。
14
パパの育児休業体験記
内閣府仕事と生活の調和推進室HPには「パパの育児休業体験記」が掲載されており、体験談や育児休業制度の概要、企業
の取組例などを見ることができます。
HPアドレス:http://wwwa.cao.go.jp/wlb/change_jpn/taikenki/h20/index.html
育休が教えてくれた父親という「仕事」
横川 純一さん
[執筆者の横顔]職業:公務員、家族構成:本人・妻・子1人
育休取得期間:平成 19 年 4 月~20 年 3 月(1年間)
僕が育休を取ろうと思ったきっかけは、今から5年以上前、妻から聞いた「育休って、男の人でもとれるら
しいよ。」という一言です。それから「子どもができたら、育休を取るのも悪くないな」という考えを持つよ
うになりました。その後、長女が誕生し、ひと月もするとまったく別人のように成長する娘の姿を見て、「二
度と戻ってこない今の時期に、娘ともっとかかわっておきたい」との思いに駆られるようになりました。
「自分が休めばまわりの人に迷惑がかかる」育休取得に当たって、このことは本当に悩みました。そこで心
に決めたのが、「子どものためでなく、自分のための今しかできない経験をさせてもらうために育休を取ろう」
ということでした。「人員配置をする前に希望を伝えたほうが良い」とのアドバイスもあり、ある日課長に時
間をとってもらい育休をとる意思について正式に伝えました。一番緊張したのはこの時です。課長からは、「本
当に取るんだね、みんなで応援するよ」と一言。この一言に勇気づけられ、自分自身の決意とともに「はい」
と答えました。
育休に入る前は、一日家にいて一体何をしようという不安もありましたが、そんな浅はかな考えは、育休が
始まると一瞬にして吹き飛んでしまいます。家事と育児で時間に追われる毎日。会社では当たり前の「昼休み」
もありません。子どもが離れなかったりして思うように家事ができないとき、用意した食事を食べてくれない
とき、些細なことでも自分に余裕がなくなるとものすごいストレスとなってのしかかります。時には爆発して
一緒に声を出して泣くことも。とにかく、妻には早く帰ってきて!!!と毎日思っていました。乳幼児期の子
育て中はパートナーの存在がとても大きいことを感じました。
思ったより甘くない育休生活ですが、もちろん育休を取ったからこそ経験できたこともたくさんありまし
た。何よりわが子の「はじめて」に立ち会えたことでしょう。「はじめて立った」「はじめて言葉をしゃべっ
た」などなど、娘の成長を一番近いところで感じられました。接する時間も桁違いです。四季も今まで以上に
感じられるようになりました。ひとりで歩いていると通り過ぎてしまうような景色も娘と見るとまた違って見
えました。ぽかぽか陽気の時に砂場で寝っころがったこともありました。自分の子ども時代を思い出しました。
会社での仕事は「大勢のだれかのため」の仕事です。しかし、育休中は、「ここ
にいるわが子のため」に全ての時間を使っています。そして、彼女はそれに応えて
くれます。満面の笑みでかけてくる娘の顔を見て、自分はこの子の父親なのだ、と
いうことを自覚させられます。一年間の育休生活でそれを強く感じることができま
した。
出典:内閣府仕事と生活の調和推進室「パパの育児休業体験記」より
15
7.知っ てお きたい法律その他
年
動
き
ポイント
昭和59年(1984年) 「国籍法」
「戸籍法」一部改正(1985施行) 父系優先血統主義から父母両系血統主義へ
昭和60年(1985年) 「男女雇用機会均等法」成立(1986施行)
雇用の分野における男女の機会均等、待遇確保
「女子差別撤廃条約」推進
あらゆる分野における女性差別撤廃、男女平等な権利の確立
平成元年(1989年)
学習指導要領改訂
高等学校家庭科の男女必修等
平成3年(1991年)
「育児休業法」成立(1992施行)
育児休業制度の法制化
平成7年(1995年)
「育児・介護休業法」成立、施行
介護休業制度の法制化
ILO156号条約批准
男女の家族的責任(育児や介護等、被扶養者である子
(
「家族的責任を有する労働者条約」
)
および介護・援助を必要とする近親家族に対する責任)
「男女雇用機会均等法、
差別解消努力義務から差別禁止規定へ
労働基準法、
セクハラ防止、ポジティブアクションへの対応
育児・介護休業法」
女性の時間外・休日労働、深夜業規制を解消等
平成9年(1997年)
一部改正(1998一部1999全面施行)
労働者の深夜業制限の制度創設
「介護保険法」成立(2000施行・一部除く) 介護保険制度の創設
平成11年(1999年) 「男女共同参画社会基本法」成立、施行
男女共同参画社会の実現
「食料・農業・農村基本法」成立、施行
女性の参画の推進を規定
平成12年(2000年) 「ストーカー規制法」成立、施行
ストーカー行為を行う者に対する行政上の措置等、国等によ
る支援等について規定
「児童虐待防止法」成立
平成13年(2001年) 「DV防止法」成立、同年一部施行
(2002全面施行)
平成15年(2003年) 「次世代育成支援対策推進法」成立、
一部施行
児童虐待の防止等に関する施策の促進
配偶者等からの暴力の防止および被害者の保護を総合的に
規定
次世代育成支援対策を総合的に推進
(2005全面施行)
平成16年(2004年) 「児童虐待防止法」改正
保護者以外の同居人が含まれる、目の前の両親関のDVの
目撃も含まれる、通告義務の拡大
「DV防止法」改正
「暴力」の定義の拡大、保護命令の対象拡大、被害者が同伴
する子への接近禁止命令等
「育児・介護休業法」改正(2005.4施行) 育児・介護休業の対象拡大、育児休業期間の延長、子の看護
休暇の創設義務化等
平成18年(2006年) 「男女雇用機会均等法、
性差別禁止の範囲の拡大、妊娠・出産等を理由とする不利益
取り扱いの禁止、セクハラ防止措置・母性健康管理措置の義
務化、実効性の確保
労働基準法」 改正(2007.4施行)
平成19年(2007年) 「DV防止法」改正(2008.1施行)
女性の坑内労働が一部を除き解禁
保護命令の対象拡大、保護命令により禁止される行為の
対象拡大、被害者の親族等への接近禁止命令等
平成20年(2008年) 「次世代育成支援対策推進法」改正
(2009.4施行)
仕事と家庭の両立支援の促進、地域における子育て支援サー
ビスの基盤整備
平成21年(2009年) 「育児・介護休業法」改正(2010.6施行) 短時間勤務制度の義務化、子の看護休暇制度の拡充、介護の
ための短期の休暇制度の創設、父母がともに育児休業を取得
する場合の育児休業期間延長、育児休業取得における専業主
婦(夫)除外規定の廃止
平成27年(2015年)
「女性活躍推進法」成立(2016.4施行)
301 人以上の労働者を雇用する事業主に対し、
自社の女性の活
躍状況の把握・課題分析、行動計画の策定・届出、自社の女
性の活躍に関する情報の公表の義務化
8.知っておきたい用語
男女共同参画社会
男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野に
おける活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会
的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会。
これまでは、男女が社会の中で別々の役割を担い、その上でお互いに足りないと
ころを補い合って協力するかたちが多くありましたが、21世紀のこれからは、男
女があらゆる場で共に協力し、共に責任を担って、よりよい社会を目指していくこ
とが求められています。
男女共同参画社会
基本法
男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び
国民の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策
の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画
的に推進することを目的として、平成 11 年(1999 年)6 月に公布、施行されまし
た。
5つの基本理念
① 男女の人権の尊重
男女の個人としての尊厳を重んじ、男女の差別をなくし、男性も
女性もひとりの人間として能力を発揮できる機会を確保する必要
があります。
② 社会における制度または慣行についての配慮
固定的な役割分担意識にとらわれず、男女が様々な活動ができる
よう社会の制度や慣行の在り方を考える必要があります。
③ 政策等の立案および決定への共同参画
男女が、社会の対等なパートナーとして、いろいろな方針の決定
に参画できる機会を確保する必要があります。
④ 家庭生活における活動と他の活動の両立
男女が対等な家族の構成員として、互いに協力し、社会の支援も
受け家族としての役割を果たしながら、仕事をしたり、学習したり、
地域活動ができるようにする必要があります。
⑤ 国際的協調
男女共同参画社会づくりのために、国際社会と共に歩むことも大
切です。他の国々や国際機関とも相互に協力して取り組む必要があ
ります。
17
滋賀県男女共同
参画推進条例
男女が共に輝いて生きることができる男女共同参画社会の一日も早い実現を目
指して、平成 14 年(2002 年)4 月に施行しました。
男女共同参画を進めていくうえで大切にしなければならない考え方や、行政と県
民・事業者のみなさんとが一緒になって男女共同参画を進めていくことなどを定め
ています。
6つの基本理念
① 男女の人権を尊重すること
② 「男だから」「女だから」といった固定的な役割分担意識や慣習などに
よって、さまざまな社会活動が妨げられないようにすること
③ 企業や自治会などすべての団体で方針の立案、決定に男女が共同して積
極的に関わることができるようにすること
④ 男女が互いに協力しあい、社会の支援のもとに、家族の一員としての役
割を果たし、職場や学校、地域などの活動も積極的にできるようにする
こと
⑤ 男女が、それぞれの性について理解することによって、妊娠・出産に際し
て互いの意思が尊重され、生涯にわたって健康な生活が送れるようにする
こと
⑥
国際的な取組と協調すること
~パートナーしが
滋賀県では、男女共同参画社会基本法、女性の職業生活における活躍の推進に関
プラン2020~
する法律、および滋賀県男女共同参画推進条例に基づき、平成 28 年度(2016 年度)
滋賀県男女共同参
を初年度とし、平成 32 年度(2020 年度)までを目標年度とする「パートナーしが
画計画・滋賀県女
プラン2020(滋賀県男女共同参画計画・滋賀県女性活躍推進計画)」を策定しま
性活躍推進計画
した。
「あらゆる場面で『男女共同参画』を実感できる滋賀へ~男女共同参画で、夢や希
望に満ちた新しい豊かさを~」を目標に掲げ、県民一人ひとりが持てる個性や能力
を存分に発揮し、互いに生きがいをもって意欲的に暮らすことができる男女共同参
画社会の実現に向け、総合的かつ計画的に施策を推進していきます。
男女共同参画計画における学校教育の位置付け
重点施策
「家庭・地域における男女共同参画の推進」
施策の方向 「多様な選択を可能にするライフ&キャリア教育の推進」
18
取
組
(学校等での男女共同参画教育の充実)
①性別による固定的な役割分担意識にとらわれず、主体的に学び、考え、
行動する姿勢を育む就学前や学校での教育を、家庭、地域社会と協働し、
推進します。
②進路指導に当たっては、児童生徒、学生一人ひとりが主体的に多様な選
択ができるよう配慮した指導を行います。
③子どものときから就業の重要性を認識し、幅広い職業選択や仕事をする
生きがいおよび意義を学ぶ機会をもち、主体的に進路を選択できる力を
身につける教育・体験活動を充実します。
④男女が、多様な働き方、生き方のスタイルがあることを理解し、自らの
ライフとキャリアのプランが描けるよう、就職する前、あるいは再就す
る前の段階でのライフ&キャリア教育を充実します。
⑤教職員等自らが男女共同参画の理念を理解し、男女共同参画意識を高め
るため、研修等の取組を推進します。
第 2 期滋賀県教育振興基本計画における男女共同参画教育の位置付け
柱 1 子どものたくましく生きる力を育む
2
「豊かな心」を育む
(2) 人と人の絆を深める豊かな人間関係の育成
性別による固定的な役割分担意識にとらわれず、子ども一人ひとりが主体的
に学び、考え、行動する姿勢を育成するため、男女共同参画の視点に立ち教
育を進めます。
育児・介護休業法
正式名は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する
法律」。労働者が申出を行うことによって、育児休業・介護休業を取得することを
権利として認めている法律。平成 3 年(1991 年)に「育児休業法」が制定、平成 7 年
(1995 年)6 月に「育児・介護休業法」に改正されました。
この法律により、男女労働者のどちらでも、1歳に満たない子どもを養育するた
めに休業することができ、子どもの1歳の誕生日の前日まで、最長で1年間(父母
が共に育児休業を取得する場合1歳2ヶ月に達するまで延長可。また、一定の必要
性が認められる場合は1歳6か月まで延長可)の休暇を取る権利が保障されて、配
偶者が専業主婦(夫)である場合も取得できます。さらに、使用者が育児・介護の
ために休業を申し出た、または休業したことを理由に労働者を解雇することを禁じて
います。(一部平成21年7月公布、平成22年6月施行)
一般事業主行動計画
次世代育成支援対策推進法に基づき、事業主が労働者の仕事と子育ての両立がで
特定事業主行動計画
きる職場環境づくりのための行動計画を策定するもので、国や地方公共団体が策定
するものを「特定事業主行動計画」、国や地方公共団体以外の事業主が策定するも
のを「一般事業主行動計画」といいます。国や地方公共団体および国や地方公共団
体以外の事業主で常時雇用する労働者の数が101人以上のものは、計画を策定しなけ
ればなりませんが、100人以下の企業では、計画の策定は努力義務となっています。
※平成23年(2011年)3月までは301人以上が義務、300人以下は努力義務。
19
M字型就労形態
女性の労働力率(労働力人口/15歳以上人口)を年齢別に見ると、日本の場合
M字型を描きます。結婚や出産を機に退職し、育児の手が離れると再就職する女性
が多いことを示しています。滋賀県の女性のM字の谷は全国的にみると深いのが特
徴です。
NPO
行政、企業とは別に社会的活動をする非営利の民間組織。平成10年(1998年)、こ
Non-Profit
れに法人格を与え、活動を支援するための特定非営利活動促進法(いわゆるNPO
Organization
法)が成立。福祉、まちづくり、男女共同参画、環境など、様々な分野で活動を行
っています。
家族経営協定
家族経営が中心の日本の農業が、魅力ある職業となり、男女を問わず意欲を持っ
て取り組めるようにするためには、経営内において家族一人ひとりの役割と責任が
明確となり、それぞれの意欲と能力が十分に発揮できる環境づくりが必要です。
「家族経営協定」は、これを実現するために、農業経営を担っている世帯員相互
間のルールを文書にして取り決めたものです。
間接差別
外見上は、性中立的な規定、基準、慣行だが、他の性の構成員と比較して、一方
の性の構成員に相当程度の不利益を与え、しかもその基準等が職務と関連性がない
等合理性・正当性が認められないものを指します。
キャリア教育
子どもが生きる力を身に付け、社会の激しい変化に流されることなく、様々な課
題に柔軟にかつたくましく対応し、社会人・職業人として自立していくことができ
るようにするため、児童生徒一人ひとりに望ましい職業観、勤労観および職業に関
する知識や技能を身に付けさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を
選択する能力・態度を育てる教育。
固定的な性別役割分担
意識
男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが適当であるにも
かかわらず、男性、女性という性別を理由として、役割を固定的に分けることをい
います。
「男は仕事、女は家庭」、「男性は主要な業務、女性は補助的業務」等は固定的
な考え方により、男性・女性の役割を決めている例です。
参画
社会の様々な場に、単に参加するだけではなく、企画・立案や決定にも自分の意
思でかかわり、意見や考えを出し、負担も責任も担い合うといった主体的かつ積極
的な態度や行動をいいます。
20
三歳児神話
「子どもを3歳までは母親の手で育てないと子どもの成長に悪い影響を与える」と
いう1960年代から強調された考え方をいいます。しかし、現在、この考え方には、少
なくとも合理的な根拠は認められないとされています(平成10年度「厚生白書」)。
次世代育成支援対策
推進法
急速な少子化の流れを変えるため、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育
成される環境の整備を行う「次世代育成支援対策」を進めるため、平成15年(2003年)7
月に制定された法律です。
社会的性別(ジェンダー)
gender
人間には生まれついての生物学的性別(セックス/sex)があります。一方、社会通念
や慣習の中には、社会によって作り上げられた「男性像」、「女性像」があり、この
ような男性、女性の別を「社会的性別」(ジェンダー/gender)といいます。「社会的
性別」は、それ自体に良い、悪いの価値を含むものではなく、国際的にも使われてい
ます。
社会的性別(ジェンダー)
の視点
社会的性別(ジェンダー)が性差別、性別による固定的役割分担、偏見等につながっ
ている場合もあり、これら社会的に作られたものであることを意識していこうとする
視点です。
児童の権利に関する
条約
「児童の権利に関する条約」は、子どもが保護の対象であるとともに、権利の主体で
あることを定めています。子どもの権利として「生きる権利」「発達する権利」「保
護される権利」「参加する権利」などがあげられます。
世界には、貧しさや飢え、戦争、虐待などで苦しんでいる子どもたちがたくさんい
ます。すべての子どもの権利を保護するため、平成元年(1989年)に国際連合では「児
童の権利に関する条約」を採択しました。日本は、平成6年(1994年)にこの条約を結
んでいます。
女子差別撤廃条約
正式名称は「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」。
あらゆる分野において女性差別を撤廃し、男女平等な権利の確立を目指して、昭和
54年(1979年)12月、第34回国連総会で採択され、昭和56年(1981年)9月に発効しまし
た。日本は昭和55年(1980年)7月に署名、昭和60年(1985年)6月に批准しました。
この条約は、あらゆる分野における慣習・慣行、個人の意識、行動様式の変革を求
めています。また、ポジティブ・アクションは差別(いわゆる逆差別)とならないこ
とも明らかにしています。
21
女性のエンパワーメント
女性が個人として、そして/あるいは社会集団として、意思決定過程に参画し、自律
的な力をつけること。
ストーカー行為
特定の者に対し一方的に好意の感情や関心を抱き、執念深くつきまとい、相手に迷
惑や攻撃や被害を与える行為を繰り返し行うことをいいます。
セクシュアル・ハラ
スメント
「性的いやがらせ」のことで、性的なうわさを流す、身体への不必要な接触や性的
関係の強要など、相手の気持ちに反した、性的な性質の言葉や行いが含まれます。
sexual harrassment
男女雇用機会均等法
正式名は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」。
雇用の分野における男女の均等な機会や待遇が確保されるとともに、女性労働者の
就業に関して妊娠中および出産後の健康の確保などの措置を推進することを目的とし
た法律。
ドメスティック
夫婦や恋人など親しい人間関係の中で起こる暴力をいい、身体的暴力だけでなく、
・バイオレンス(DV) 精神的、性的、経済的な暴力なども含まれます。
Domestic Violence
パートナーシップ
partnership
ファミリー・サポー
ト・センター
互いを自立した主体的存在として認め合い、対等な立場で連携・協力し合う関係を
いい、共存・共生できる関係ともいえます。北京宣言および世界行動綱領で、真の男
女平等の達成のために、女性と男性、政府とNGO、そして国境を越えたパートナー
シップが必要であることを明らかにしています。
労働者の仕事と育児または介護との両立を支援するために、育児等の援助を受けた
い人と行いたい人が会員となり、それぞれのニーズに合わせ、育児等について助け合
う会員組織をいいます。
ポジティブ・アクション
positive action
積極的改善措置といいます。様々な分野において、活動に参画する機会の男女間の
格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、活動に参
画する機会を積極的に提供するものであり、個々の状況に応じて実施していくもので
す。
22
メディア
メディア・リテラシー
media literacy
メディアとは、方法、手段、媒体と訳しますが、ここでは、新聞・雑誌・テレビ・
ラジオ・インターネットなどを含む情報を伝える媒体という意味で使っています。
メディア・リテラシーとは、メディアからの情報を主体的に選択し、内容を分析・
読解し活用できる能力や、メディアを適切に選択し発信する能力を身につけること。
ライフプランニング
「女性のライフプランニング支援に関する調査」における「ライフプランニング」
とは、主に①結婚・出産といった「家族形成」、②職業選択等の「社会的な活動選択
」について、いつ・どのような選択を行うか、あるいは選択するに当たってどのよう
な課題があるかを、長期的な視点で検討・計画すること、と定義して使用されていま
す。
リプロダクティブ・ヘ
平成 6 年(1994 年)にカイロで開催された国際人口・開発会議において提唱された
ルス/ライツ(性と生殖
概念で、今日、女性の人権の重要なひとつとして認識されるに至っています。リプロ
に関する健康/権利)
ダクティブ・ヘルス/ライツの中心課題には、いつ何人子どもを産むか産まないかを選
reproductive
ぶ自由、安全で満足のいく性生活、安全な妊娠・出産、子どもが健康に生まれ育つこ
health/rights
となどが含まれており、また、思春期や更年期における健康上の問題等生涯を通じて
の性と生殖に関する課題が幅広く議論されています。
ワーク・ライフ・バラ
ンス(仕事と生活の調和)
男女がともに、人生の段階に応じて、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発
など、様々な活動について、自らの希望に沿った形でバランスを取りながら展開でき
る状態のことをいいます。
女性活躍推進法
正式名は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」。女性が、職業生活
において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するために
平成27年9月4日に成立・公布された。
平成28年4月1日に施行され、301人以上の労働者を雇用する事業主に対し、自社
の女性の活躍状況の把握・課題分析、行動計画の策定・届出、自社の女性の活躍に関
する情報の公表が義務付けられた。
23
10.意識調査結果
中学生男女共同参画意識調査結果
(滋賀県)
平成21年度中学校男女共同参画意識調査の概要について (県男女共同参画課実施)
●調査対象:県内の中学2年生 1330人対象 (男子:663人 女子:667人)
県内9中学校に依頼(地域バランスを考慮)
●調査時期:平成21年9月~10月
●調査方法:各学校教室での配布調査
※ 平成15年9月実施調査:県内中学生 1071人対象(男子:544人 女子:527人)
(県男女共同参画課実施)
25
問1
■あなたの性別はどちらですか。
男子
問2
663名
女子
667名
計
1330名
■あなたは、「男らしくしなさい・男のくせに」とか「女らしくしなさい・女のくせに」と
言われたことはありますか。
平成21年度調査では、「よくある」「時々ある」は、女子では、53.2%、男子では22.1%で、
女子の方が2倍以上多くなっている。また、経年変化では減少せず、「よくある」が増加傾向に
ある。
よくある
時々ある
女子
17.5%
(H15)女子
16.3%
(H8)女子
3.0%
11.0%
0%
39.2%
36.0%
47.4%
47.0%
20%
39.0%
40%
60%
26
0.0%
12.9%
36.0%
38.3%
無記入
14.7%
30.6%
43.0%
3.1%
13.4%
ない
32.1%
40.2%
18%
(H15)男子
(H8)男子
35.7%
13.0%
4.2%
男子
あまりない
80%
0.0%
8.0% 0.0%
0.3%
0.1%
0.0%
100%
問3
■(上記の問で「よくある」「時々ある」に○をつけた人のみ)
言われた時、あなたはどう思いましたか。
平成21年度調査では、男女ともに「いやな思いをした」の割合が平成8年度調査と比べて
大幅に減少しており、「何とも思わない・気にしていない」の割合は大幅に増加している。
そのとおりだと
思った
いやな思いをした
20.8%
女子
15.8%
25.2%
(H15)女子
何とも思わない
気にしていない
54.6%
13.8%
19.7%
男子
16.0%
18.4%
35.6%
(H15)男子
0%
20%
32.0%
15.6%
41.1%
40%
27
0.6%
3.0% 1.7%
53.1%
51.0%
(H8)男子
8.2%
56.4%
47.0%
(H8)女子
わからない 無記入
18.0%
22.0%
60%
80%
6.0% 0.0%
8.8%
0.0%
7.8%
0.0%
8.0%
0.0%
100%
問4
■あなたは、生徒会活動やクラブ活動等で会長・副会長(部長・副部長)を決める
組み合わせは、次のどれがよいと思いますか。
平成15年度調査に比べて、男子で「会長・副会長とも男子」、女子で「会長は男子・副会長は
女子」が増加
会長・副会長とも男子
会長・副会長とも 会長は男子
女子
副会長は女子
女子 2.4%
会長は女子
副会長は男子
13.8%
無記入
79.5%
1.5%
(H15)女子 1.7%
どんな組み合わせで
あってもよい
0.6%
2.2%
10.8%
0.2%
83.3%
2.1%
1.9%
(H8)女子 4.0%
31.0%
10.0%
53.0%
0.0%
1.0%
8.3%
男子
7.7%
(H15)男子 3.9%
0.3%
9.9%
0.9%
(H8)男子
81.7%
0.8%
1.2%
84.0%
0.4%
0.9%
14.0%
28.0%
5.0%
52.0%
1.0%
1.0%
0%
20%
40%
28
60%
80%
100%
■あなたは、学校生活の中で、「男だから・女だから、得をした・損をした」と
感じたことはありますか。
問5
平成15年度調査に比べて、男女共に「どちらもある」が10ポイント以上増加で、女子では
28%となっている。
得をしたことがある
損をしたことがある
女子
10.9%
(H15)女子
4.8%
3.4%
9.1%
どちらもある
どちらもない
わからない
28.0%
18.3%
37.8%
26.8%
12.0%
無記入
0.1%
48.6%
0.2%
男子
12.5%
(H15)男子 3.9%
5.1%
2.4%
16.7%
28.2%
36.7%
43.8%
46.3%
0.8%
0.7%
2.9%
0%
20%
40%
60%
29
80%
100%
問6
■次のようなことを大人から言われたことがありますか。
男女で差が見られるのは、男子は「スポーツをがんばりなさい」が多く、女子は「言葉づかいに気をつけ
なさい」「家の手伝いをしなさい」「行儀よくしなさい」はが多い。
時々言われる
よく言われる
①言葉づかいに気を
つけなさい
女子
34.6%
②家の手伝いをしな
さい
女子
③しっかり勉強しな
さい
女子
④スポーツをがんば
りなさい
女子
男子
18.1%
⑤やさしくしなさい
女子
16.9%
男子
女子
20.5%
51.4%
38.7%
6.9%1.4%
39.4%
50.7%
0.1%
39.2%
41.1%
41.0%
1.7%
46.0%
14.1%
46.9%
32.7%
13.6%
50.5%
22.9%
16.8%
51.7%
20%
0.0%
42.8%
38.0%
10%
1.7%
42.0%
39.9%
0%
9.7% 0.1%
33.9%
41.0%
男子
1.2%
57.8%
14.5%
男子
11.1% 0.0%
54.4%
9.7%
1.4%
48.3%
23.8%
男子
⑦行儀よくしなさい
24.4%
40.6%
無記入
13.5% 0.1%
54.1%
男子
女子
51.7%
20.1%
男子
⑥身の周りのことは
自分でしなさい
言われたことはない
30%
40%
50%
24.1%
60%
70%
80%
90%
言葉づかいに気をつけることや行儀よくすることは、社会生活を送る上で必要な基本的なしつけ、文化です。
男子だけ、女子だけに求められるものではありません。しっかり勉強することや家の手伝いをすることも、男子、
女子を問わず大切なことです。
30
0.0%
1.5%
0.0%
1.2%
100%
問7
■あなたは次のような家の仕事をどれくらいしていますか。
男女ともよく行ったり、時々しているのは、「食事の準備」「食事のあとかたづけ」「掃除」です。また、女子よ
り男子の方が多く行ったり、時々しているのは、「ゴミ出し」「電気製品や家の中のちょっとした修理」です。
よくする
①買い物やおつかい 女子
9.3%
男子
8.3%
②食事の準備
時々する
34.3%
③食事のあとかたづ
け
女子
④掃除
(部屋・風呂など)
女子
24.7%
男子
24.6%
⑤洗濯
(洗濯物の取り入れ)
女子
⑥ゴミ出し
女子
8.4%
男子
10.1%
男子
24.4%
29.6%
28.5%
19.2%
46.2%
26.1%
35.4%
23.5%
21.7%
20%
16.6%
29.3%
63.7%
26.8%
40%
31
43.6%
60%
80%
1.7%
7.2% 0.1%
10.6%
25.9%
27.5%
26.2%
⑦電気製品や家の中
女子 3.6% 8.7%
のちょっとした修理
0%
24.9%
25.3%
1.5%
7.2% 0.1%
15.8%
21.4%
35.8%
13.0%
6.3%
19.5%
46.5%
21.0%
男子
18.4%
38.5%
7.9% 0.1%
20.2%
36.0%
33.5%
1.2%
19.2%
28.8%
38.2%
0.3%
30.3%
37.8%
25.0%
無記入
23.7%
31.2%
34.9%
男子
男子
32.4%
29.0%
女子
しない
あまりしない
1.5%
0.0%
1.8%
0.9%
2.1%
0.4%
1.5%
100%
問8-1
■あなたは次の仕事は家庭の中で誰がしていると思いますか。
男性が主として行っていると思われる仕事は「電気製品や家の中のちょっとした修理」のみで、「お年寄りの
お世話」と「赤ちゃんや子ども世話」は、「両方」との回答が約半数を占めている。それ以外は女性が主として
行っていると思われる仕事であり、ほとんどの仕事が女性に片寄っている。
女性
両方
男性
①食事の準備
82.8%
女子
66.7%
男子
②食事のあとかたづけ
④洗濯
⑥食料品などの買い物
女子
8.7%
男子
16.3%
⑩衣類の準備やかたづ
け
⑪お年寄りのお世話
⑫赤ちゃんや子どもの
世話
72.1%
2.9%
1.9% 1.0%
31.8%
36.2%
56.1%
3.8% 1.8%
32.7%
38.0%
2.1%
24.4%
31.6%
40.1%
13.0%
37.6%
20.5%
88.8%
女子
男子
74.1%
女子
75.0%
7.9%
20.8%
32.7%
36.6%
女子
45.4%
29.4%
男子
0%
10%
1.6%
56.9%
20%
30%
40% 32
50%
60%
1.8%
2.8%
16.3%
3.5%
13.9%
0.7%
12.3%
49.8%
30.3%
男子
0.4%
3.3% 2.6%
53.2%
37.2%
女子
0.6%
2.1% 3.0%
1.0%
1.2%
22.8%
61.4%
男子
0.4%
10.8%
35.4%
54.7%
女子
5.0% 2.6%
2.7%
58.2%
女子
2.8% 1.0%
71.5%
65.2%
男子
⑨お客さんへのお茶だし
21.1%
14.8%
男子
⑧ゴミ出し
5.3% 1.5%
12.9%
71.3%
10.9%
1.8%
0.1%
33.6%
83.2%
男子
⑦風呂の掃除
25.0%
59.6%
男子
女子
5.4% 1.4%
73.0%
女子
⑤電気製品や家の中
のちょっとした修理
1.2%
0.3%
38.6%
女子
男子
無記入
24.6%
54.6%
男子
③掃除
3.6% 1.5%
28.2%
73.9%
女子
0.9%0.6%
15.7%
3.2%
70%
80%
90%
9.7%
100%
■あなたは次の仕事は誰がするのがいいと思いますか。
問8-2
図7と比較して「両方」という回答が全体的に多い。ただし、仕事全体的に女性の割合が高く、女子にその傾
向が強い。その中でも女性が主として行う方がよい仕事では「お客さんへのお茶だし」である。男性が主として
行う方がよい仕事は「電気製品や家の中のちょっとした修理」となっている。
両方
女性
①食事の準備
女子
51.3%
男子
②食事のあとかたづけ
③掃除
女子
女子
④洗濯
52.9%
男子
女子 3.6%
⑥食料品などの買い物
女子
男子
⑦風呂の掃除
15.8%
⑪おとしよりのお世話
女子
10.5%
63.9%
0%
1.0% 2.4%
3.6%
73.5%
75.9%
0.6%
40%
33
4.7%
2.4%
4.7%
6.9%
6.1%
2.4% 6.5%
73.9%
20%
4.7%
2.8% 7.6%
77.1%
16.0%
17.2%
2.4%
3.5%
60.3%
12.4%
男子
23.5%
1.5%
55.3%
31.5%
17.4%
4.4%
2.7%
47.7%
40.8%
女子
19.3%
32.7%
44.9%
男子
2.1%
21.3%
60.0%
2.1%
4.5%
18.9%
63.6%
14.0%
男子
⑫赤ちゃんや子どもの
世話
5.1%
60.5%
男子
女子
2.4%
60.7%
⑨お客さんへのお茶だし 女子
⑩衣類の準備やかたづ
け
4.7%
58.2%
18.3%
男子
4.5%
2.1%
56.1%
32.1%
女子
3.3%
51.1%
38.2%
39.4%
女子
2.1%
67.9%
6.0%
男子
⑧ゴミ出し
53.7%
26.4%
男子
4.4%
2.7%
42.3%
38.5%
⑤電気製品や家の中
のちょっとした修理
1.9%
5.1%
66.5%
女子
4.4%
5.2%
64.8%
24.0%
1.9%
6.0%
65.5%
28.0%
男子
5.4%
61.3%
24.1%
4.4%
3.6%
56.0%
31.3%
男子
1.6% 1.9%
45.1%
36.0%
無記入
男性
60%
80%
100%
問9
■「男は仕事、女は家庭」という考え方について、あなたはどう思いますか。
平成15年度調査に比べて、女子では「どちらかといえば反対」「反対」は49.5%から31.3
%と約20ポイント減少している。また、「どちらかといえば反対」「反対」としている割合は、女子
31.3%、男子15%で男女間の差が大きい。また、女子では「賛成」が増加している。
どちらかといえば反対
賛成 どちらかといえば賛成
(H21)女子
4.9
(H15)女子 3.6
(H21)男子
10.1
(H15)男子
11.9
0%
16
15.3
23.9
20.4
19.1
20%
わからない
反対
17.1
10.1
どちらでもない
25.6
7.5
7.5
10.1
16.9
27.9
10.2 1.5
25
20.2
31.2
11.6
40%
34
15.3
30.7
60%
1.8
80%
3
1.3
100%
問10
■これからの男性の仕事と家庭の関係について、あなたはどれがよいと思いますか。
男女ともに、「仕事も家庭もバランスよく生活する」が最も多く、次いで「仕事中心の生活だが
家事もする」となっている。
仕事だけしていればよい
仕事も家庭もバランスよく
生活する
収入を得ないで
家事だけする
家庭中心の生活だが 仕事中心の生活だが
仕事もする
家事もする
わからない
(H21)女子 2.1
57.1
(H21)男子 2.9
0%
2.4
49.8
20%
2.9
40%
23.8
60%
35
0.4 10.5 1.6
25.8
0.6
80%
17
3
100%
問11
■これからの女性の仕事と家庭の関係について、あなたはどれがよいと思いますか。
男女ともに、「家庭中心の生活だが仕事もする」が最も多く、次いで「仕事も家庭もバランス
よく生活する」となっている。図10と比べると、「家庭中心の生活だが仕事もする」が大幅に
増え、「仕事中心の生活だが家事もする」が大幅に減少している。
仕事だけしていればよい
仕事も家庭もバランスよく
生活する
収入を得ないで
家事だけする
仕事中心の生活だが
家庭中心の生活だが
家事もする
仕事もする
わからない
1.9
(H21)女子 0.4
(H21)男子 0.9
0%
40.6
29.9
0.8
3.3
38.6
20%
1.8 11.2 1.6
42.3
40%
36
60%
22.2
80%
4.4
100%
■これからの女性の働き方について、あなたはどれがよいと思いますか。
問12
平成15年度調査と比べて、男女ともに「結婚、出産しても仕事はやめない」が減少している。
特に女子は11.8ポイント減少し、「結婚または出産で仕事をやめて、子どもが大きくなったら
また働く」が5割を超えて最も多い。
結婚したら
結婚または出産で仕事をやめて、
仕事をやめる
こどもが大きくなったらまた働く
出産するときに
家事以外の仕事は
わからない 無記入
仕事をやめる
しなくてよい
結婚、出産しても
仕事はやめない
15.1
( H2 1 ) 女子
2.7 6.5
26.9
( H1 5 ) 女子
9.8
( H2 1 ) 男子
14.3
( H1 5 ) 男子
0%
51
2 . 8 5 .1
4.7 5.6
7.4
20%
0.7
42.9
31.4
1.5
2.1
7.5
41.6
31.8
4
40%
60%
37
22.3
18.2
1.6
2.5
4.8
32.7
80%
2.2
100%
問13
■あなたは将来どんな仕事がしたいですか。
H21年度
男子ではスポーツ選手が最も多い。
①スポーツ選手
女子では、子どもに関係する職業、ファッションに関係する職業が多い。
16.3%
(108人) ①子ども関係(保育士、幼稚園の先生など)
14.8% (99人)
②公務員・会社員
8.4%
(56人)
②ファッション関係(美容師・モデル・スタイリスト・メイクアッ
プアーティスト・デザイナーなど)
③コンピューター関係(ゲームデザイナー、プログラマー)
6.0%
(40人)
③医療関係(医師・看護師・薬剤師・歯科医など)
7.6% (51人)
④料理関係(コック、パテシエ、調理師など)
3.6%
(24人)
④料理関係(コック・パティシエ・調理師など)
7.2% (48人)
芸能関係(俳優、歌手、声優、芸人)
3.6%
(24人)
⑤動物関係(獣医・トリマー・調教師など)
6.9% (46人)
⑤機械(電気関係、機械関係)
3.5%
(23人)
わからない、無記入
43.3%
(214人) わからない、無記入
12.9% (86人)
21.0% (140人)
H15年度
男子ではスポーツ選手が最も多い。
女子では、子どもに関係する職業が最も多い。
①スポーツ選手(野球・サッカー含む)
6.6%
(36人)
①保育士、幼稚園の先生
②公務員・会社員
5.2%
(28人)
②美容師
5.9% (31人)
③医師
2.6%
(14人)
③看護師
3.8% (20人)
④学校の先生
2.2%
(12人)
④芸能人(歌手、声優など)
3.4% (18人)
⑤ゲームクリエイター・ゲームデザイナー
1.8%
(10人)
⑤まんが家、イラストレーター
3.0% (16人)
パソコン、コンピューター関係
1.8%
(10人)
スポーツ関係
1.8%
(10人)
わからない、未定、無記入
42.3%
(230人) わからない、未定、無記入
38
12.0% (63人)
30.9% (163人)
9.各種相談機関
どんなとき?
女性問題、男性問題に
関わるあらゆる相談
「女(男)だから・・・女(男)
のくせに・・・」と差別された。
セクシュアル・ハラスメント
で悩んでいる。
配偶者や恋人などからの暴
力に悩んでいる。
子どもの悩み相談
どこへ?
時間
男女共同参画相談室(県立男女共同参画センター内)
火・水・
金・土・日
9:00~12:00
13:00~17:00
木
9:00~12:00
17:00~20:30
電話番号
ミナ ハナサク
0748-37-8739
総合相談
こどものための相談だいやる
犯罪等についての悩み相談
曜日
9:00~21:00
077-524-2030
24時間
0570-078310
毎日
中央子ども家庭
相談センター
月~金
8:30~17:15
077-562-1121
彦根子ども家庭
相談センター
月~金
8:30~17:15
0749-24-3741
大津・高島子ども
家庭相談センター
月~金
8:30~17:15
077-548-7768
子どもの人権110番
(大津地方法務局内)
月~金
8:30~17:15
0120-007-110
警察総合相談電話
県民の声110番
月~金
8:30~17:15
077-525-0110
又は局番なし
#9110
犯罪被害者相談専用電話
犯罪被害者サポートテレホン
月~金
10:00~16:00
077-521-8341
滋賀県警察本部
男女の雇用機会均等や職場の
滋賀労働局
セクシュアル・ハラスメントに関
月~金
8:30~17:15
雇用均等室
する相談
実施曜日や時間などが変わる場合があります。
また、混み合ってかかりにくい場合がありますので、何度かおかけなおしください。
077-523-1190
副読本改訂編集委員会委員(平成21年度)
(敬称略)
米原市立柏原中学校校長
草津市立草津中学校教諭
彦根市立鳥居本中学校教諭
近江八幡市立安土中学校教諭
学校教育課指導主事
学校教育課指導主事
人権教育課指導主事
滋賀県立大学教授
事務局
立木
西村
樋口
疋田
澤
森川
中村
京樂
純子
淳子
保男
かおり
英幸
茂樹
隆洋
真帆子
男女共同参画課
男女共同参画社会づくり副読本
指導の手引き②
発行 平成28年(2016年)4月
編集 副読本改訂編集委員会
発行 滋賀県女性活躍推進課
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