...

アジア株式市場の現状 - 東京海上アセットマネジメント株式会社

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

アジア株式市場の現状 - 東京海上アセットマネジメント株式会社
Tokio Marine Asset Management|東京海上アセットマネジメント株式会社
アジア株式市場の現状
2015年8月
アジア株式市場の振り返り(2015/4~6)
<要旨>
今四半期のアジア株式市場は、期初には上海・香港市場の株式相互取引を通
じた香港市場への資金流入期待などで大きく上昇したものの、その後は米国の
利上げ懸念やギリシャのデフォルト警戒などで調整含みの展開となり、前期末
比で1.0%の上昇となりました。(現地通貨ベース)
期初大幅に上昇するも
米国利上げ懸念、ギリ
シャ問題等で期末にか
けて弱含む展開
<図1>
出所: FactSetを基にTMAM作成
個別市場では、香港上場の中国・香港銘柄が期初の大幅上昇で相対的に好パ
フォーマンスとなる一方、低調な四半期決算を受けて主力株を中心に幅広い売
りが出たインドネシア、原油安や4月消費税導入後の景気悪化懸念などを受けた
マレーシアなどは大幅に下落しました。アジア通貨は今期も全般的に対ドルで
弱含む推移となりましたが、予想外の金融政策の据え置きを発表したシンガ
ポールドル、および台湾ドルは逆行高となりました。
<図2>
個別市場では中国・香
港銘柄が上昇する一方
で、インドネシア、マ
レーシアは大幅下落
出所: FactSetを基にTMAM作成
1
2015年8月
Tokio Marine Asset Management|東京海上アセットマネジメント株式会社
2015年4月「上海・香港市場の株式相互取引を通じた資金流入期待で上昇」
中国当局が中国本土の投資信託会社に対して、上海・香港市場の株式相互取
2015年1月
引を通じた香港株への投資を認めると表明しました。それによって資金流入観
測が高まった香港上場の中国・香港銘柄が牽引する形でインドネシア、フィリ
Vol. 54
ピン市場が史上最高値を更新しました。インドネシアを始め、その後利益確定
の売りに押されて調整する市場もありましたが、前月末水準比で約7.1%の大幅
上昇となりました。(現地通貨ベース)
国別では、中国、香港が大幅上昇となり、その他、韓国、台湾も上昇する
一方、インドネシア、インドは下落しました。
業種では、エネルギー、素材、資本財・サービスを中心に全業種で上昇しま
した。
※上海・香港株式相互取引制度
中国の資本市場開放政策の一つで、世界の投資家は香港経由で上海市場に
上場する中国株に投資することが可能となる。また、中国本土の投資信託会
社に対しても、同制度を通じた香港株への投資が認められている。
2015年5月「中国追加利下げ発表も月末に利益確定売りで下落」
米イエレンFRB議長が米国株式市場の割高感に言及したことなどで月初から月
央にかけて調整しました。その後、10日の中国の追加利下げ決定や、深セン・
香港株式相互取引の早期開始期待などで緩やかに反発しましたが、月末には米
国の利上げ観測が台頭するなか、中国本土株市場が利益確定売り等を背景に急
落したことなどで再び調整する展開となり、前月末水準比で約2.1%下落しまし
た。(現地通貨ベース)
国別では、香港、シンガポール、マレーシアが下落する一方、中国、インド
ネシア、インドが上昇しました。
業種では、電気通信サービス、エネルギー、一般消費財・サービス、金融を
中心に全業種が下落しました。
※深セン・香港株式相互取引制度
「上海・香港株式相互取引制度」の第2弾として、年後半にスタートする可能
性が示唆され投資家の期待が高まっている。深センではソフトウエアやハ
イテク、バイオテクノロジー関連の新興企業が多く上場されているため、
海外投資家は香港市場を通じてこれら企業への投資が可能となる。
2015年6月「米国利上げ観測ならびにギリシャデフォルト警戒で下落」
6月には、米国の利上げ観測などで調整含みとなり、17日のFOMC後には米利上
げは緩やかなペースになるとの見方が広まり一旦回復したものの、その後はギ
リシャのデフォルト警戒などで再び神経質な展開となりました。中国は27日に
追加利下げを発表しましたが株価下支え効果は薄く、結果前月末水準比で約
3.7%下落しました。(現地通貨ベース)
国別では、中国、香港が特に大幅な下落となり、次いでインドネシア、豪州、
台湾も下落しました。
業種では、一般消費財・サービス、素材、ヘルスケアを中心に全業種で下落
しました。
2
2015年8月
Tokio Marine Asset Management|東京海上アセットマネジメント株式会社
足元の中国株式市場について
中国の株式市場は、6月中旬以降、相次ぐIPO(新規株式公開)による需給悪
2015年1月
化懸念の高まりや、信用取引規制の強化案の発表などを背景に、一時、上海総
Vol. 54
合指数は高値から30%以上の下落となったものの、中国当局による株価テコ入
れ策が功を奏し、7月上旬に一旦底打ちし、反発上昇する展開となっていました。
中国当局による主な株価
下支え策
1.上場企業の大株主に対
する株式売却禁止命令
2.証券会社のETFへの投資
方針発表
3.IPOの抑制、信用取引の
担保要件の緩和
4.株式取引手数料の引下
げ
中国株式市場のバリュ
エーションの割高感は解
消されてきている。
(予想PER)
上海総合指数:15倍程度
香港ハンセン指数:11倍程度
しかし、足元、海外株式市場や商品市場が軟調な傾向を示していたことや、
豚肉価格急騰を背景としたインフレ懸念の高まりから、中国人民銀行による追
加金融緩和期待が後退したこと、相場の落ち着きを受けて株価下支え策が縮小
されるとの観測が広がっていたところに、6 月の工業部門企業利益の伸びが前
年比マイナスに転じたことから、同国経済の先行きに対する警戒感が強まり、
中国株式市場は再び軟調な展開となりました。
中国などのアジア株式市場は、不安定な展開が続く中国株式市場に対する投
資家心理の改善には、一定の時間を要すると考えられる点や、年内実施が予想
される米国の利上げによる一部の新興国市場からの資金流出への警戒感、ギリ
シャ債務問題を含む欧州情勢に対する懸念の再燃などから、短期的に波乱含み
の展開となる可能性があります。しかし、米国の景気回復に伴いアジア地域の
経済も輸出セクターを中心にその恩恵を受けて回復に向かうことが期待できる
ほか、原油価格下落による製造業のコスト低下や輸入コストの低減などが見込
まれる点などは、プラス要因になると見ています。
中国の株式市場は、当面、変動幅の大きい不安定な展開を想定しますが、中
国当局が市場安定化策の継続方針を表明していること、また、足元の株価調整
により割高感は解消されてきていることからも、株式市場の下値余地は縮小し
てきているのではないかと考えています。
<図3>
上海総合指数の推移
現地通貨
(ポイント)
5,500
5,000
(2014/12/31~2015/7/29)
上海総合指数
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
出所:Bloombergデータを基にTMAM作成
3
2015年8月
Tokio Marine Asset Management|東京海上アセットマネジメント株式会社
当資料は、東京海上アセットマネジメント株式会社が情報提供を目的として作成
したものであり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。当資料は信
2015年1月
頼できると考えられる情報に基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を
保証するものではありません。当資料には一定の見解が含まれていますが、その
Vol. 54
内容は予告なく変更されることがあります。当資料の全部もしくは一部を第三者
へ交付することはご遠慮ください。
◆外国株式運用に係るリスク
外国株式運用は、主に外国の株式等を実質的な投資対象としますので、組み入れ
ている株式等の価格下落、発行会社の倒産や財務状況の悪化等の影響により、資
産価額が下落し、損失を被ることがあります。また、外貨建資産に投資する場合
には、為替の変動により損失を被ることがあります。
したがって、お客様の投資元本は保証されているものではなく、資産価額の下落
により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
当運用プロダクトの資産価額の変動要因としては、主に「株価変動リスク」「為
替変動リスク」「カントリーリスク」「流動性リスク」等があります。
詳細については、契約締結前書面にてご確認ください。
◆外国株式プロダクトの運用報酬
受託資産残高に0.810%(税抜き、0.750%)を乗じたものが年間運用報酬
(固定報酬部分)の上限となります。なお、資産残高の算出に際しては、
元本(簿価)ベースあるいは時価ベースかをご選択いただけます。
上記料率に関し、資産の性質・サービス内容等によりお客様と協議の上、別途
取り決めることができます。
その他に、有価証券売買、デリバティブ取引時の売買委託手数料等、また私募
投信を組み入れる場合には、私募投信の管理等に関する費用についてもお客様
口座にてご負担いただきますが、実際の取引や私募投信全体の残高に応じて決
まる費用であるため、その金額を事前に表示することはできません。同じくそ
れらを含む手数料等の合計金額についても、同様に表示しておりません。
詳細については、契約締結前書面にてご確認ください。
◆会社概要
会社名:東京海上アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第361号
加入協会:一般社団法人日本投資顧問業協会
一般社団法人投資信託協会
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
4
2015年8月
Fly UP