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AL411:電子回路学・演習Ⅱ
AL411:電子回路学・演習Ⅱ 科目番号、科目名 AL411、電子回路学・演習Ⅱ(Electronic Circuits and Exercises II) 科目区分、必修・選択、授業の方法、単位数 専門教育系科目、選択、講義・演習、3単位 履修年次、実施学期、曜時限、使用教室 3年次、1学期、月曜1・2限、611室 受講対象 情報科学専攻 担当教員(オフィスアワー) 稲葉基(月曜 12:00(授業終了後)~12:40、木曜 12:25~12:55) 授業における配慮 配布資料に加え、プロジェクター、手話、ホワイトボードへの板書による視覚的情報提供をお こなう。また、毎回、演習によって授業の理解度を確認し、答え合わせと解説をおこなう。 履修条件 電子回路学・演習Ⅰを受講し、その内容を十分に理解していること。電子工学実験Ⅰも受講し ていることが望ましい。 学習に必要な知識・技能等 オームの法則およびキルヒホッフの法則が理解できており、分数の四則演算能力を有すること が必要である。 教科書・教材・参考文献・配布資料等 教科書:「アナログ電子回路―集積回路化時代の」、藤井信生(著)、昭晃堂。 科目の到達目標 正弦波発振回路(VCOとPLLを含む)、変調回路・復調回路、直流安定化電源回路、フィ ルタの動作を理解し、条件に合わせて特性をもとめられるようになること。 学習の項目別目標 1.正弦波発振回路 電子回路が発振を起こし、発振状態を続けるための条件を理解し、電子回路を解析して、 発振周波数をもとめられるようになること。また、VCOとPLLの回路構成および動 作について、説明できるようになること。 2.変調回路 変調の目的を理解し、特に振幅変調回路と周波数変調回路の動作および信号波形が説明 でき、入出力特性をもとめられるようになること。 3.復調回路 復調の目的を理解し、特に振幅復調回路と周波数復調回路の動作および信号波形が説明 でき、入出力特性をもとめられるようになること。 4.直流安定化電源回路 直流安定化電源回路を構成する整流回路、平滑回路、安定化回路について、動作および 信号波形を理解できるようになること。 5.パッシブフィルタ 受動素子だけで構成される1次パッシブフィルタと3次パッシブフィルタについて、電 子回路を解き、入出力特性およびカットオフ周波数をもとめられるようになること。 6.アクティブフィルタ 受動素子と能動素子で構成される1次アクティブフィルタおよび2次アクティブフィル タについて、電子回路を解き、入出力特性およびカットオフ周波数をもとめられるよう になること。 7.スイッチトキャパシタ回路 スイッチトキャパシタ回路およびその応用回路について、回路構成と動作が説明できる ようになること。 授業概要 電子回路学・演習Ⅰに続き、正弦波発振回路(VCOとPLLを含む)、振幅変調回路、振幅 復調回路、周波数変調回路、周波数復調回路、直流安定化電源回路、高域通過フィルタ、低域 通過フィルタ、帯域通過フィルタといった具体的な電子回路の設計技術と知識を習得し、演習 によって理解および解析力を深める。各回2時限続きの授業として実施する(計30時限)。 授業計画 第1回 ガイダンス、演算増幅器の等価回路、発振の条件 キーワード / 演算増幅器、電子回路の発振条件 予 / オームの法則、キルヒホッフの法則、正弦波信号における受動素子のイ 習 ンピーダンスを理解し、受動素子だけで構成される直列回路および並列 回路の合成インピーダンスがもとめられるようにしておくこと。 復 習 / ナレータ・ノレータモデルによる演算増幅器の等価回路を描き、正相増 幅回路と逆相増幅回路の電圧利得がもとめられるかどうか確認するこ と。 第2回 CR発振回路 キーワード / CR発振回路、低周波発振回路、ウィーンブリッジ発振回路、RC移相 形発振回路 予 習 / 電子回路が発振を起こし、その状態を続けるための条件を暗記しておく こと。 復 習 / ウィーンブリッジ発振回路とRC移相形発振回路の発振条件および発 振周波数がもとめられるかどうか確認すること。 第3回 LC発振回路 キーワード / LC発振回路、高周波発振回路、同調形発振回路、コルピッツ発振回路、 ハートレー発振回路 予 習 / ソース接地増幅回路の中で飽和領域にて動作している FET の交流等価回 路について見直しておくこと。また、巻線比n:1のトランス(変圧器) の入力電圧と出力電圧の関係を確認しておくこと。 復 習 / 同調形発振回路、コルピッツ発振回路、ハートレー発振回路について、 発振条件および発振周波数がもとめられるかどうか確認すること。 第4回 水晶発振回路 キーワード / 水晶振動子、水晶発振回路 予 習 / 水晶振動子の構造と電気的特性について調べておくこと。 復 習 / 水晶振動子を用いると、どうして周波数が安定するのか説明できるよう にすること。また、水晶発振回路の発振周波数およびその変動率がもと められるかどうか確認すること。 第5回 VCO(電圧制御発振回路) キーワード / VCO、電圧制御発振回路 予 習 / 可変容量コンデンサの構造と電気的特性について調べておくこと。 復 習 / 電圧制御発振回路の発振周波数が外部制御電圧によって制御できる理 由をまとめておくこと。 第6回 PLL キーワード / PLL、周波数シンセサイザ 予 習 / PLLの役割について調べておくこと。 復 習 / PLLの構成と各部の動作を説明できるかどうか確認すること。また、 キャプチャレンジ、ロックレンジ、フリーランニング周波数について説 明できるかどうか確認すること。第6回授業終了時に、発振回路関連の 演習問題のまとめを配布するので、もう一度解き直しておくこと。 第7回 変調回路・復調回路の基礎 キーワード / 変調、復調、変調波、搬送波、被変調波、平衡変調波、変調度、SSB 波 予 習 / 変調とはどのような操作なのかを調べておくこと。また、三角関数の公 式(積→和の公式など)を見直しておくこと。 復 習 / 変調波、搬送波、被変調波がどの信号を指し、平衡変調波やSSB波の 周波数スペクトルの違いを理解し、変調度がもとめられるかどうか確認 すること。 第8回 振幅変調回路・振幅復調回路 キーワード / 振幅変調、振幅復調、包絡線検波、2乗検波、同期検波 予 / 半波整流回路の動作を見直しておくこと。また、三角関数の公式(半角 習 の公式など)を見直しておくこと。 復 習 / 振幅変調した被変調波がどのような式で表され、それを振幅復調すると どのような式になるのかを確認すること。 第9回 周波数変調回路・周波数復調回路 キーワード / 周波数変調、周波数復調、スロープ検波回路、ピークディファレンシャ ル検波回路、クワッドラチャ回路、PLLによる検波回路 予 習 / コルピッツ発振回路およびLC共振回路の特性について再確認してお くこと。 復 習 / それぞれの周波数復調回路について、動作原理(なぜ復調できるのか) をまとめておくこと。第9回授業終了時に、変調回路および復調回路の 演習問題のまとめを配布するので、もう一度解き直しておくこと。 第10回 直流安定化電源回路 キーワード / 単相半波整流回路、単相全波整流回路、単相ブリッジ整流回路、平滑回 路、安定化回路、リニアレギュレータ、スイッチングレギュレータ 予 習 / ダイオードの整流特性およびコンデンサの放電特性について見直して おくこと。 復 習 / それぞれの回路の動作を理解し、出力信号波形を描けるかどうか確認す ること。また、電源回路に対して要求されることならびにそれぞれの方 式の長所・短所をまとめておくこと。第10回授業終了時に、直流安定 化電源回路の演習問題のまとめを配布するので、もう一度解き直してお くこと。 第11回 フィルタの基礎、パッシブフィルタ キーワード / 低域通過フィルタ、高域通過フィルタ、帯域通過フィルタ、帯域遮断フ ィルタ、カットオフ周波数 予 習 / 抵抗とコンデンサで構成される受動回路の合成インピーダンスの求め 方を見直しておくこと。 復 習 / 1次低域通過フィルタおよび3次最大平坦フィルタの入出力特性がも とめられるかどうか確認すること。 第12回 1次アクティブフィルタ キーワード / 1次低域通過フィルタ、1次高域通過フィルタ 予 習 / 演算増幅器の等価回路および特性について見直しておくこと。 復 習 / 演算増幅器を用いた1次低域通過フィルタおよび1次高域通過フィル タの入出力特性がもとめられるかどうか確認すること。 第13回 2次アクティブフィルタ キーワード / 正帰還形2次低域通過フィルタ、正帰還形2次高域通過フィルタ 予 / 演算増幅器、抵抗、コンデンサで構成される電子回路の基本的な解き方 習 を十分に理解しておくこと。 復 習 / 正帰還形2次低域通過フィルタおよび正帰還形2次高域通過フィルタ の入出力特性がもとめられるかどうか確認すること。 第14回 多重帰還形2次アクティブフィルタ キーワード / 2次逆相VCVS低域通過フィルタ、2次逆相VCVS高域通過フィル タ 予 習 / 演算増幅器、抵抗、コンデンサで構成される電子回路の基本的な解き方 を十分に理解しておくこと。 復 習 / 2次逆相VCVS低域通過フィルタおよび2次逆相VCVS高域通過 フィルタの入出力特性がもとめられるかどうか確認すること。第14回 授業終了時に、低域通過フィルタおよび高域通過フィルタの演習問題の まとめを配布するので、もう一度解き直しておくこと。 第15回 帯域通過フィルタ、帯域遮断フィルタ、スイッチトキャパシタ、まとめ キーワード / 2次逆相VCVS 帯域通過フィルタ、帯域遮断フィルタ、スイッチトキ ャパシタ、1次スイッチトキャパシタフィルタ 予 習 / 演算増幅器、抵抗、コンデンサで構成される電子回路の基本的な解き方 を十分に理解しておくこと。 復 習 / 帯域通過フィルタおよび帯域遮断フィルタの構成方法と入出力特性、ス イッチトキャパシタの構造と動作原理、1次スイッチトキャパシタフィ ルタの構成方法および特性について確認しておくこと。 成績評価方法 期末試験 小テスト レポート 発表 作品 学習計画 その他 合計 総合評価 75 25 100 知識 45 5 50 技能 30 10 40 5 5 5 5 総 合 応用 力 指 標 表現 協調 意欲 *知識:知識を取り込む力 *技能:技能を習得する力 *応用:想起・解釈・問題解決能力、思考・推論・想像する力 *表現:プレゼンテーション力(提示・発表・伝達する能力)、コミュニケーション力(思考・感情を伝達する能力) *協調:コラボレーション力(共同・協調する能力)、リーダーシップ力(統率力・指導力) *意欲:自ら考え行動する力(学習に取り組む姿勢・意欲、チャレンジ精神、自己管理能力) 成績評価規準 知識 / 電子回路の解き方と動作の条件が理解できていること。 技能 / 分数の四則演算、三角関数の足し算と掛け算を中心とした計算ができていること。 応用 / 計算結果の確かめ算ができていること。また、解けない課題を放置しないこと。 表現 / - 協調 / - 意欲 / 予習・復習をきちんとおこない、授業を遅刻・欠席しないこと。 留意事項(受講生に望むこと、その他) 具体的な電子回路の設計・解析技術を学ぶ上で重要な科目ですので、意欲的に授業へ取り組ん でください。授業は積み重ねですので、遅刻・欠席をしないようにしてください。(遅刻・欠 席をすると、授業についていけなくなります。) また、毎回の課題は、指定された期限まで に必ず提出してください。解けない課題は放置せず、オフィスアワーを活用して質問に来てく ださい。