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65536 色対応 GFC 液晶向け アドオン液晶コントローラ
シャープ技報 第80号・2001年8月 65,536 色対応 GFC 液晶向け アドオン液晶コントローラ LR38840 65,536 Colors Add-on LCD Controller for a GFC-LCD Module LR38840 松 村 宏 之 *1 石 田 啓 二 *2 馬 場 信 隆 *2 前 田 健 次 *2 橋 本 裕 樹 *2 Hiroyuki Matsumura Keiji Ishida Nobutaka Baba Kenji Maeda Hiroki Hashimoto まえがき 昨今の急激な携帯電話サービスの拡大により, 携帯 電話上のコンテンツについても,日々拡大を続けてい る。動画を始めとする豊富なコンテンツを携帯電話に て受信可能となるのに伴い, 携帯電話における表示も 急速にカラー化が進み, さらにより高画質な表示が求 められてくると予想している。 (a) 256 色表示システム構成例 当社は他社に先駆けて,はじめて携帯電話用のカ ラー液晶を市場に送り出し, 多くのお客様に高い評価 を頂き,携帯電話用カラー液晶の先駆者として,市場 をリードしてきた。 この度,既に当社より発売している256色表示対応 可能 RAM 内蔵ドライバ LH15A1/LH155N に,アドオ ンすることにより,65,536表示色対応を可能にするオ ンリーワン特徴デバイスである,液晶アドオンコント ローラ LR38840 の開発を行った。 以下に,その概要及び機能説明を行う。 (b) 65,536 色表示システム構成例 図1 システム構成例 Fig. 1 1 . 概要 LR38840は,表示パネルの多色化が進む携帯電話を ターゲットとした GFC 液晶アドオンコントローラで あり,ホストインタフェース,表示メモリ,メモリイ ンタフェース,FRCテーブル,ドライバインタフェー ス,クロックコントローラ等のブロックより構成され る。LR38840 は,本 IC の特徴である FRC 制御機構に より,従来の 256 色 GFC モジュールに付加するだけ で,65,536 色表示を可能にする(図1,図2) 。携帯 電話ユースに不可欠な低消費電力を実現する省電力機 構を搭載している。65,536 色表示が必要な時だけ LSI を駆動させ,待ち受け時は,256 色表示にて低消費電 力化を図る等,ユーザのニーズに応じた使い分けをす ることができる。各機能の詳細な説明を事項に示す。 System Example. (a) 256 色表示 (b) 65,536 色表示 図2 256 色と 65,536 色の表示比較 Fig. 2 Display comparison 256-color with 65,536-color. 2 . 機能説明 (1)256色表示システムへ付加し65,536色表示実現 *1 IC 開発本部 設計技術開発センター 第4開発室 *2 IC 事業本部 液晶 LSI 事業部 第3商品開発部 LR38840 の FRC 制 御 機 構 と LH15A1/LH155N の ― 60 ― 65,536 色対応 GFC 液晶向けアドオン液晶コントローラ LR38840 図3 65,536 色表示概念図 Fig. 3 Abstract about a system to display 65,536-color. PWM 制御機構を組み合わせ,65,536 色の色表現を実 現する(図3) 。65,536色表示オン・オフ(256色表示) の切り替えを容易に行うことができる。 (2)省電力機構搭載 携帯電話における待ち受け時等,65,536色表示を必 要としない場合,65,536 色表示モードを停止し 256 色 の表示へ移行,そしてLR38840を完全に停止させる省 電力機構を搭載している。また,省電力機構動作時に は,LR38840 は液晶ドライバへのデータパスとなり, ホスト CPU と液晶ドライバの直接アクセスが可能と なる。 (3)書換え可能な FRC テーブルを搭載 LR38840は,RGBそれぞれに対し書換え可能なFRC テーブルを内蔵している。LR38840 は,FRC技術を用 いて階調制御を行う。その際に必要となる参照テーブ ルをフレキシブルに設定可能であるため, ユーザ側で 使用されるパネルにあった参照テーブルの値を設定で き,多彩な色表現を実現している。 (4)フリッカ対策機能内蔵 FRC 制御にて階調表現を行う場合,表示画面上の にはフリッカが発生する可能性がある。LR38840はフ リッカ対策のため,点滅パターンテーブルを内蔵し, FRC パターンの表示順序を変更し,LCD 上のドット オン・オフのタイミングをずらし,フリッカの発生を 抑える。このテーブルも書換え可能であり,ユーザ側 でパネルにあった設定を行うことが可能である。 (5)80 系/ 68 系ホスト CPU へ対応 LR38840 は,80 系/ 68 系 CPU 向けホスト CPU イン タフェースを内蔵している。これにより,大部分の CPUに対応することが可能である。また,データバス として,16bit/8bit の選択可能であるため,80 系/ 68 系双方のホスト CPU インタフェースをサポートして いることと合わせ, ユーザ側の様々なシステム構成要 求に対応できる。 (6)微細プロセスを用いた省電力,CSP パッケー ジを用いた省スペース LR38840 は,微細プロセス採用により省電力化を, 図4 応用商品(J-SH06) Fig. 4 Application product. (J-SH06) またパッケージとしては 81 ピン CSP パッケージを採 用し省スペースを実現している。これらにより,携帯 電話や PDA など小型化・軽量化が進んでいるモバイ ル機器への搭載に適した仕様となっている。 むすび 本品 LR38840 は,J-Phone 向け J-SH06 に採用頂き, 既に発売,市場より好評を得ると共に,高い評価を獲 得している。 今後, ワールドワイドに拡大しつつある携帯電話の カラー化の流れに乗って, オンリーワン特徴デバイス として,全世界をターゲットに展開する。 謝辞 本品の開発にあたり, 電子部品営業本部システム技 術営業部岡主事,青木主任,デューティ液晶事業本部 デューティ開発センター,IC事業本部液晶LSI事業部 第2商品開発部にご協力を頂きました。 深く御礼申し 上げます。 (2 00 1年6月2 9日受理) 〈お問い合わせ先〉 ― 61 ― IC 事業本部 販売企画部 〒632-8567 奈良県天理市櫟本町 2613 番地の 1 電話 (0743) 65 −1321(大代表)