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静岡音楽館

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静岡音楽館
様式第25号
年
度
評
価
シ
ー
課名
施設の名称 静岡音楽館
ト
文化振興課
指定管理者名 (公財)静岡市文化振興財団
1 履行状況
業務仕様書及び事業計画書に従って概ね適切に履行されている。
(1) 維持管理業務
自家用電気工作物点検業務等21業務については、第三者委託(うち4業務は日本郵便株
式会社との三者契約)により実施し、各業務とも事業計画に従って適切に行われている。
また、非常用照明や消防設備等41件の修繕を実施し、来館者が安全で快適に利用できる
よう、音楽ホールとしての質の高さの維持に努めている。
(2) 施設利用者数
平成27年度の入館者及び利用者数は128,081人(自主事業16,078人、貸館112,003人)、施
設利用率は86.8%であり、平成26年度(入館者及び利用者数122,314人(自主事業13,036人、
貸館109,278人)
、施設利用率82.4%)と比較し、入館者及び利用者数は4.7%の増加、施設
利用率は4.4ポイントの増加となった。平成27年度静岡市事務事業総点検表(以下、「総点
検表」という)で設定した施設利用率82%も上回っており、良好な運営がなされている。
入館者及び利用者数が増加した要因は、自主事業が好調だったことに加え、生涯学習セ
ンターや館内のエレベーターを利用した広報等の効果が現れたことが考えられる。また施
設利用率については、貸館4室の中で最も利用率が低かったリハーサル室1の音漏れ対策
に係る規制の緩和等の取組みにより、利用率は6.8ポイント増加した。
(3) 事業実施状況
自主事業については、概ね事業計画のとおり実施されている。
主な事業であるコンサートシリーズは17回開催し、入場者数は7,065人であり平成26年度
の7,100人から0.5%減少した。しかし、8公演で目標入場者数を超え、このうちチケット
が完売した公演が4回あったこともあり、総点検表で設定した入場者数目標7,050人を達成
することができた。また、満足度については、来場者アンケート回答者のうち83.8%が「非
常によい」
「よい」と回答していることから、質の高い内容を実施しているといえる。
また、平成27年度からの新しい取組みとして、「AOIのオープン・デイ2015」を企画し施
設見学やオルガン・ミニ・コンサートを開催した結果、新たな聴衆の開拓ができたと共に
参加した子どもたちにとっては特に印象深い体験になったようである。
さらに平成25年度から実施している、パイプオルガンによるワンコインコンサートは、
2公演とも目標入場者数(各公演240人)を上回った。5月に実施したコンサートは、ゴー
ルデンウィーク期間中の開催であったこともあり当日券を100枚以上売り上げ、入場者数は
537人と目標の2倍以上となった。9月に実施したコンサートの入場者数は364人で5月の
コンサートに比べると入場者数は減少したものの、目標は達成している。入場者数の減少
については、公演開催の時間帯を平日の昼間に設定したことが影響したと考えられ、今後
同様の時間帯で開催するときは、主婦層や高齢者層へのアプローチ方法を工夫する必要が
ある。このコンサートは、チケット代が500円という低価格であることに加え、公演後のア
ンケートにはプログラム内容に満足したという声も多くあったため、今後も施設の魅力を
アピールし気軽に来館してもらう取組みとして有効である。
主な事業の入場者及び参加者は、以下のとおり。
① コンサートシリーズ 7,065人(目標値:7,050人)
(第1期 2,833人、第2期 2,535人、第3期
1,697人)
② コンサート関連事業(講演会) 630人(目標値:500人)
③ その他コンサート(
「オルガン¥500コンサート」2回 等)1,140人
(目標値:630人)
④ 講座・教室 454人(目標値:215人)
⑤ その他事業(
「AOIのオープン・デイ2015」等)1,057人(目標値:700人)
⑥ 生涯学習施設及び学校等との連携事業 2,622人
※⑥については、年間を通したイベントのひとつと位置付けている事業を含む
ため、連携事業全体の目標値は定めていない。
2 市民(利用者)からの意見・要望の内容とその対応状況の評価(クレーム対応 等)
利用者からの意見・要望に対しては、概ね適切な対応がとられている。即時の対応が困
難な要望に対しても前向きに検討しており、良好な対応がなされているといえる。
また、静岡音楽館では芸術監督制度を採用し、その下に企画会議と市民会議を設けるこ
とにより、外部からの意見や要望を積極的に取り入れる体制を整え、より良好な管理運営
を目指している点が評価できる。
[具体的な意見・要望と対応状況]
〈職員の対応等〉
意見等:会場内の空調が強く、寒く感じた。
対
応:主催公演の場合、演奏者や楽器の状態にあわせて空調を設定しているため、
座席によって体感温度や風量に差が生じてしまう。本施設では、ボランティ
アスタッフがブランケットの貸出しを行っているので、そのことをわかりや
すく表示するようにする。
〈施設管理〉
意見等:マイクを通した声がよく聞き取れなかった。
対
応:本施設は室内楽専用ホールのため、その音響効果により話し方や声質によっ
てはマイクを通しての話し声が聞き取りづらくなる可能性がある。職員がリ
ハーサルに立ち会うなどし改善していきたい。
3 市民(利用者)へのアンケートや満足度調査の状況評価
(1)利用者満足度調査
自主事業(コンサートシリーズ等)の公演ごとに入場者にアンケートを実施し、25回の満
足度調査を行ったところ、平均83.8%が「非常によい」又は「よい」という結果であった。
平成26年度の平均81.5%より2.3ポイント上昇しており、概ね市民の期待に応える質の高い
音楽を提供しているといえる。
主な自主事業の満足度は以下のとおり。
・
「ブラジル音楽の世界」91.3%
・
「ピーター・ゼルキン ピアノ・リサイタル」83.5%
・
「J・S・バッハ:ブランデンブルク協奏曲 全曲」87.0%
・
「オルガン¥500コンサート 長井浩美」84.1%
・
「入川舜 ピアノ・リサイタル」85.8%
(2)市民アンケート
平成27年度に文化施設等で実施した市民アンケートによると、静岡音楽館の認知度は
63.8%(平成26年度 61.2%)
、利用度は38.7%(平成26年度 34.5%)であり、いずれも増
加している。次年度以降も施設利用率向上のために、事業内容の広報だけでなく市民が気軽
に来場できるイベントを企画したりや施設の魅力をアピールする取組みを行いながら、認知
度や利用度を高めていくことを期待する。
(3)その他の調査
施設内に投書形式の「利用者の声」を設置し、施設利用者に随時、意見・要望や施設満足
度について調査している。各項目の「満足」
「やや満足」の回答率は下記のとおり。
① 職員の応対 83.6%(前年度 84.6%)
② 清掃、整理整頓 87.5%(前年度 88.3%)
③ 案内表示、掲示板 78.6%(前年度 78.1%)
④ 開館日・開館時間 75.2%(前年度 75.2%)
⑤ 空調・音響・照明等 81.3%(前年度 80.7%)
①及び②の項目に関して「満足」又は「やや満足」の割合が前年度よりも減少する結果と
なった。利用者の満足度を高めるための努力として、日頃から職員一人ひとりが気持ちの良
い応対を心がけ、実践していくことが求められる。また、③や⑤のようなハード面の整備に
ついては、修繕の必要性・緊急性を把握し利用者に安心かつ快適に施設を利用してもらうた
めにも定期的に施設内を確認し適切な修繕を実施していくことが重要となる。
4 指定管理者の経理状況の評価
指定管理業務の収支状況については、概ね予算のとおりに執行されており良好である。企
業からの協賛金や寄付金を集めているほか、会員数増加の影響で会費収入が平成26年度より
も増加するなど多くの団体・利用者から支援を受けている。また、生涯学習施設等との連携
事業を行いながら施設をPRするとともに、チラシや会報情報誌等で積極的な広報活動を展開
し、チケット販売促進に努めている。
また、事業経費の節減に努めながら平成26年度よりも多くの修繕を実施するなど、限られ
た予算の中で効果的な事業実施に努めている。
5 総括的な評価(課題事項・指摘事項及びそれらの改善状況 など)
管理運営全般に関しては、事業計画に従い概ね良好に実施されている。
施設管理については、静岡中央郵便局との合築建物であることから、日常的に情報交換を
行いながら良好な関係を保ちつつ、必要な保守点検を行っている。
貸館事業では、施設の劣化等による設備的な制限があるものの、利用者の利便性や安全性
を考慮し、計画的に修繕を行いながら公平公正な運営と更なるサービスの向上に努めてい
る。平成26年度と比較して施設利用率が大幅に増加したことから、館内のエレベーターを活
用した広報活動等が効果的だったと思われる。引き続き、市民文化活動の拠点のひとつとし
ての役割を果たすべく、貸館利用率向上のための施策を強化してほしい。
自主事業では、
コンサートシリーズの開催を柱としアンケートによる満足度は94.8%と多
くの方から支持されていることから、
幅広い多彩なジャンルの音楽を提供することができて
いる。このことは、静岡音楽館の基本理念のひとつである「幅広い音楽を通して、全ての市
民に生きる喜びと幸せな時間を提供する」事業として評価できる。ただ、平成27年度は17
公演中8公演で目標入場者数を達成(達成率:47.1%)したが、平成26年度と比較すると達
成割合は減少(平成26年度達成率:68.8%)したため、次年度以降は入場者増加のための取
組みをより充実させていく必要がある。特に、「静岡の名手たち」オーディション合格者に
よるコンサートの入場者数が目標300人に対して168人と少なかったことから、開催日程や場
所等の情報を早くから広報し、チケットの販売方法を工夫するなどして前年度以上の集客と
来場者からの高い満足度を得られるよう努力されたい。
しかし第3期(1月10日から3月13日まで)の4事業においては、年間入場者数を達成す
るために、新聞広告やテレビCMを効果的に活用した広報活動を実施したことは評価できる。
また、全ての生涯学習センターに職員が出向き直接告知を行ったことが最終的には目標達成
につながった。このような取組みは地道ではあるが、確実に集客を狙える方法として今後も
継続することを望む。
平成27年度から開始した「AOIのオープン・デイ」は、より多くの市民に静岡音楽館を周
知してもらうための事業として企画された。普段見ることのできない館内の裏側を見学でき
るイベントには定員を大幅に上回る応募があり、オルガン・ミニ・コンサートや楽器演奏体
験への参加も盛況であった。イベントによっては集客にばらつきがあったため、次年度以降
は内容の見直しや広報の方法を工夫し静岡音楽館のさらなる認知度向上につながる事業に
なることを期待する。
人材育成の取組みとしては、平成27年度も「静岡の名手たち」オーディションを実施し、
幅広い世代からの応募者を集めることができている。また、平成27年度は日程調整の関係上
5月ではなく6月に開催したところ、例年より辞退者が少なくなった。今後も新たな担い手
の発掘・支援事業として効果的に活用し、静岡から芸術文化を発信する人材を育てる取組み
の継続を希望する。
他施設との連携事業では、
静岡市美術館の展覧会に関連したコンサートと講演会をそれぞ
れ開催し、コンサートではチケットが早々に完売したり講演会では定員を大きく上回る応募
があったりと注目度も高く、終了後のアンケートでも高評価の意見が多く見られた。中心市
街地活性化に貢献する取組みでもあることから、今後も静岡駅前3館の連携事業を積極的に
実施することを望む。
平成27年度は1件の事務事故報告があった。平成28年2月にコンサートチケット購入者2
名のチケットとその販売明細を入れ違えて渡した事故である。これにより、静岡音楽館会員
2名の氏名と会員番号が漏えいした。この事故を受けて、
チケットと販売明細を渡す際には、
窓口担当者と現金払出担当者とで券面と明細の内容(公演、金額、席番等)を確認するとと
もに、明細記載の名前が購入者の名前と相違ないかどうかを確認することにした。また、窓
口で購入者にチケットと明細を渡す際に、購入者氏名と明細内容を読み上げることも事故防
止対策のひとつとした。職員一人ひとりが危機管理意識を高く持ち、安全かつ快適に利用し
てもらうための方策を日頃から行っていくことが重要である。
平成27年度のコンサートシリーズ入場者数は目標値をわずかに上回ることができたが、今
後もより多くの人々に静岡音楽館について知ってもらい、続けて来館してもらうためにも、
来館者アンケート等の意見を参考にしつつ企画内容や効果的な広報手段について検討し、市
民が気軽に音楽を楽しめる機会を提供する存在であり続けてほしい。
※事務事故が発生したとき及びモニタリングにおいて改善の指導があったときは、必ず改
善状況を記載すること。
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