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事例発表の概要 [PDFファイル/169KB]

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事例発表の概要 [PDFファイル/169KB]
事例発表の概要 2
「地域ネットワークによる安全・安心まちづくり」
東大阪市自治協議会
会長
松浦
隆
初めに、長瀬東校区の位置等について、簡単にご説明させていただく。
東大阪市は、AからGの 7 つのリージョン区に分けられており、長瀬東校区
は、Gリージョンに含まれる 11 校区のうちのひとつ。
長瀬東校区は 6 つの単位自治会で構成され、金岡公園の北の端から中央環状
線を超え、近鉄久宝寺口駅の西 200 メートルに至る細長い地域で、長瀬川が校
区の真ん中を貫き、高層マンションもなく、緑の多い住宅地域である。
それでは、私の考えるまちづくりについてご説明させていただく。
私はまちづくりの基本を「丸」でとらえている。つまり、長瀬東公民分館を
中心に、校区内の様々な団体の力を結集し、各団体が協力し合って「地域の問
題は地域で解決する」ことを目標に活動している。
なぜ、私が様々な団体の力を結集する必要を感じたのかと申すと、私が自治
連合会長に就任する前は、校区内の各団体や行政との間で、
「報告・連絡・相談」
といった連携が全く取れていない状態であった。
すると、周囲の方々から、
「長瀬東は何もできないまち」とまで言われてしま
う始末で、非常に悔しい思いをした経験がある。
私は、今から 39 年前に校区の防犯委員を拝命し、以来、自治会役員、尐年補
導委員、青尐年指導委員など、校区内の様々な役職を経験してきた。そのたび
団体間の壁や縦割りの組織では何も解決できないといったことを感じてきた。
そこで私は、
「校区内の横の連携を強化してひとつのネットワークを作り上げ
なければならない」と考え、平成 11 年に自治連合会長に就任すると同時に各団
体を口説いて回り、結局 2 年を要したが、
「丸」を基本とした組織を作り上げた。
この組織を中心に、自治会、地域住民、行政が連携し、気くばり、目くばり、
思いやりの心で、安全で安心して快適に暮らせる長瀬東のまちづくりを目指し
て、様々な活動に積極的に取り組んでいる。
初めに、長瀬東校区の「高齢者を通じたまちづくり」の具体例から、紹介し
ていく。
長瀬東校区は、東大阪市で最も高齢化率の高い地域。
従って、長瀬東校区のまちづくりを語る上で、高齢者対策は避けて通ること
ができない課題。
当校区の高齢者対策のうち、特に小地域ネットワーク活動推進委員会で構成
する「ふれあいの会」の活動を紹介させていただく。
「ふれあいの会」では、月に 2 回、公民分館で地域の子供たちとお年寄りと
の交流会を行っている。また、ふれあいの会は、お年寄りにいきいきとした生
活を送ってもらうため、
「ひまわり会」や「喫茶クローバー」という、お年寄り
の交流会を設けている。
「ひまわり会」では、お化粧、体操など毎回様々な講習を行っており、
「喫茶
クローバー」では、パンやコーヒーの購入、活動の準備など、連合の女性部が
大活躍してくれている。
長瀬東校区では、毎年 9 月の中旬、
「敬老のつどい」を行っている。昨年は 400
名くらいのお年寄りに集まっていただいた。演芸や、ラッキー抽選会などを行
って楽しんでもらっている。特に昨年は、警察の協力を得て、振り込め詐欺や
ひったくりの防止に関する寸劇も上演し、お年寄りの犯罪被害防止に大変効果
があった。
次に、地域と学校の連携について、尐しお話しさせていただく。
長瀬東校区では、地域と学校の連携を図るため、週休 2 日制に伴う小学校の
校庭開放への協力、公民分館の土曜日開放などを行い、世代間交流や子どもの
健全育成活動を小地域ネットワークの中に組み入れている。
当校区では、青尐年地区や子ども会が長瀬東小学校と密接に連携し、様々な
催しを行っている。
特に校区夏祭りは、青年団の主導ではなく、子供たちと一緒に楽しむ地域ぐ
るみのお祭りを行っている。
お祭りを通じて、ご祝儀の形で集まった収益については、秋の青尐年ふれあ
いカーニバルの運営資金にあて、地域への還元を心掛けている。
秋の青尐年ふれあいカーニバルは、防災訓練を取り入れた運動会や模擬店を
出して、地域の皆さんに楽しんでもらっている。
次に、長瀬東校区の防災・減災に関する取組みをご紹介させていただく。
長瀬東校区は、防災意識も高いまちで、大阪府が久宝寺緑地で毎年行ってい
る「中河内地域防災フェア」にも参加協力している。昨年度は災害備蓄米の炊
き出しと会場整理などで協力させてもらった。
この後にもご紹介するが、当校区は大阪府が設置を進めている「地域安全セ
ンター」を中河内で最も早く設置した校区でもある。
地域の連携強化を目指すのが、
「地域安全センター」であるので、今後はセン
ターに防災機能も持たせ、防災マップ作り、災害時における要援護者の把握活
動などを行いたいと考えている。
昨年、東京駅で内閣府関係の方と出会い、
『「防災隣組」育成促進モデル事業』
への参加をうながされ、出会って 10 分で話がまとまり、地域安全センターと自
主防災会が中心に、すぐに防災 DIG 活動が実現した。
この時の様子は、内閣府のパンフレットで全国に大きく紹介され、非常に名
誉なことだと思っている。
長瀬東校区は、防犯活動も盛んに行っている。
犯罪のないまちを目指して、地域安全センターと防犯委員を中心に、青パト
隊や愛ガードが連携した定期パトロールのほか、夏季、歳末には、布施警察署、
布施防犯協議会の協力のもと、夜警などを行っている。
長瀬東校区では、毎年 13 月の第 3 土曜日に、防犯ポスター掲示活動を展開し
ている。
その時期に多発している犯罪に関連したポスターを地域で作成し、布施警察
の協力のもと、
「ひったくり防止・犯罪被害防止キャンペーン」として、防犯を
呼びかけるポスターの掲示活動を行っている。
先ほども尐し話したが、長瀬東校区は、東大阪、八尾、柏原の中河内 3 市で、
一番初めに「地域安全センター」を開設した校区でもある。(平成 21 年 8 月 20
日開設)
地域安全センターの開設により、地域の防犯意識、連帯意識といったものが、
より一層高まり、一気に青パト隊が結成されセンターの開設と同時に発足した。
現在、青パト隊は、長瀬東小学校の下校時間帯から、子供に対する声掛け事
案が多発する夕方までの時間帯をパトロールしている。
これまで、長瀬東校区の様々な活動を簡単に説明してきたが、安全・安心な
まちを構築するためには、目くばり、気くばり、思いやりの心をモットーに、
様々な団体の力を結集して、
「地域の問題は地域みんなの力で解決する」ことを
目標に活動することが大切だと思っている。
ご紹介した高齢者対策、地域と学校の連携、防災・防犯への取組みを通じて、
最近では住民同士の「和」が広がりつつあるのを感じている。
災害や犯罪などは、起こらないに越したことはないが、いざという時に、顔
見知りのご近所同士で助け合うことができてこそ、初めて安心・安全なまちと
言うことができるのではないか。
私は、長瀬東の自治連合会長であると同時に、東大阪市全体の自治協議会の
会長でもあり、東大阪市長との対談でも組織同士の連携ができるような協働の
まちづくりや住民同士の顔が見えるまちづくりをお願いしている。
そのような中、いま最も苦慮しているのは次の世代の担い手、トップづくり。
自営業が減り、まちの外へ働きに出る人ばかりで、まちのことを知っている
人、まちの将来を真剣に考えている人が非常に尐なくなったように感じている。
そのような中、数尐ない人材を大切に育てている。
最後に、まちづくりを行っていくうえで、私が一番訴えたいのは、
「組織は三
角、活動は丸の精神」である。
組織というものは、全責任を負う人物をトップに置き、指示の系統、責任の
所在を明らかにしておかなくてはいけないと考える。
そのようなトップのもとで、各団体が地域の情報を共有して、団体間の横の
連携を強め、まちの問題はまちぐるみで解決する。
これが私の考える「組織は三角、活動は丸の精神」です。
この精神を持って、これからも長瀬東校区の安全・安心なまちづくりを目指
し、がんばっていきたいと考えている。
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