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2016年11月の天候の特徴
【気象と気象用語】松山地方気象台(H28《2016》年) 11 月 の 天 候 の 特 徴 1 11 月の気象 (1)11 月の気象の特徴 11 月は、秋から冬へと季節が変わり、天気は周期的に変化します。季節が進むと西高東低の冬 型の気圧配置が現れます。冬型の気圧配置になると大陸から寒気が流れ込み北西の季節風が吹きま す。その後、大陸の高気圧が移動性となって日本列島を覆います。この時は、朝は冷え込みますが、 日中になると風も弱く暖かく穏やかな晴天(小春日和)になることもあります。 (2)愛媛県における 11 月の気象災害 右表は、気象庁の統計による昭和 20~平成 27(1945~2015) 愛媛県 11 月の現象別災害回数表 年の愛媛県内で発生した気象現象別災害回数です。 (統計期間:1945~2015 年) 気象現象 回数 11 月は 1 年間で最も災害が少ない月ですが、冬型気圧配置の強 風 4 まりや寒冷前線通過による強風や雷による災害が発生し、林野火 雷 3 災も発生しています。下旬には、冬型の気圧配置の強まりで大雪 大雪 2 による農業被害も発生しています。 乾燥 2 気象現象の「他」には、強風・波浪・雷、大雨、ひょう(あら 他 4 れ)及び濃霧による災害があります。 計 15 2 気象用語の解説 (1)地域に関する用語(陸域に関する用語) 天気予報や防災気象情報で陸域を表す場合の用語は以下のとおりです。 内陸:海岸(地方)に対して、海から遠く離れた地帯。 「沿岸(部) 」を除く。 平野部:起伏の極めて少ない地帯。盆地を除く。 平地: 「平野」と「大きな盆地」 。 「山地」に相対する用語。 「平野部」より広い範囲に適用する。 山岳部:平野部に対して山地の部分。 山地:山の多いところ。 「平地」に相対する用語。 「山岳部」と「山間部」に分かれる。 ※ 「平地」から「山地」へ、あるいは「平野部」 山沿い :山に沿った地域。平野から山に移る地帯。 から「山岳部」へ移る地帯をいう。 「山地」のうち、人が定住し、活動の多いところを「山間部」とする。 山間部※:山と山の間の地域。 ※「山沿い」 、 「山間部」は、霜、なだれ、気温、雨、雪の分布に用います。注意報・警報では、季 節により人々の活動範囲が広がる場合があるため、予報の「山沿い」 、 「山間部」よりも対象とな る標高を上げて使用することがあります。 (2)季節現象(初霜・初雪・初氷・初冠雪) 気象庁は季節の遅れ進みや気候の違いなど総合的な気象の推移を把握するために季節現象を観測 しています。その観測結果は新聞やテレビを通じて生活情報としても利用されています。 ある現象を季節の最初に観測した日を「初日」 、最後の観測日を「終日」といい、あわせて「初終 日」といいます(初日と終日を含むその間の日数は「初終間日数」 ) 。 ※ 右の表は、寒候期 に現れる 松山地方気象台で観測した季節現象の初日の統計 現象の統計です。 「初霜」 「初雪」 、 、 初雪 初氷 初冠雪 初霜 1891~ 1891~ 1926~ 1956~ 「初氷」はそれぞれ、季節の最 平年 (1981~2010) 12/1 12/21 12/1 12/6 初に霜、雪、結氷を観測した日 2016/1/1 2016/1/18 2015/12/18 2015/11/27 で、 「初冠雪」は山頂付近に積も 本年(2016 年) 最早 1918/10/26 1938/11/12 1981/11/10 1955/11/8 った雪が、麓の気象台から白く 最晩 2011/12/28 1954/1/26 1961/12/25 1965/1/9 見えた最初の日のことで、松山 地方気象台では、皿ケ嶺(標高 1,270m)の「初冠雪」を観測しています。 ※前年の秋頃から当年の春頃に至る期間(10~3 月) 。例:表中の 2015/11/27 に観測した初冠雪は、 2016 年の初冠雪。 季節予報には以下の表の 4 種類の予報があり、それぞれ予報期間や発表日が異な ります。 1 か月予報や 3 か月予報はその名の通り、向こう 1 か月間もしくは 3 か月間の平均気温や降水量などの大まかな傾向を予報します。暖候期予報は 2 月 25 日頃にその年の夏(6~8 月)の平均気温や降水量などの大まかな傾向を、寒候期予報は 9 月 25 日頃にその年の冬(当年 12 月~翌年 2 月)の平均気温や降水量などの大まかな傾向を予報するものです。4 種類の予報はそれぞれ定期的に発表して おり、毎日は発表しません。 天気予報と季節予報の違い 季節予報には、天気予報や週間天気予報と異なる点がいくつかあります。 最も大きな違いは予報期間の長さです。 週間天気予報では 1 週間先までの日単位の天気を予報しますが、 1 週間より先になると日々の天候を左右するような移動性の低気圧や高気圧の予測が困難になりますの で、季節予報では 1 週間や 1 か月間を平均した大まかな天候を予報します。また、局地的な天候を予測 することも困難になるため、北海道地方や東北地方といった地域の平均的な天候を予測します。 季節予報では、予測の不確実さを表現するために確率表現を用いています。具体的には、天気予報では 「明日は晴れるでしょう。」や「明日の最高気温は 25℃です。」といった断定的な予報(決定論的予測) を発表しているのに対し、季節予報では「今後 1 か月の気温が「高い」となる確率は 50%です。」とい うように確率表現(確率的予測)を用いた予報を発表しています。 「四国地方 1 か月予報」の発表例