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第4章島根原子力発電所の運転管理状況
第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 4章 島根原子力発電所の運転管理状況 第 ■ 運転実績(平成 19 ~ 23 年度) 島根原子力発電所1号機 ፉᩮේሶജ⊒㔚ᚲ╙㧝ภᯏ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ╙ ࿁ ቯ ᦼ ᬌ ᩏ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ ᓮ ࡄ࠲ ࡦᄌᦝ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ ⥄ਥὐᬌߩ ߚᱛ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ⥄ਥὐᬌߩߚᱛ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ᓮ⺋ᝌߦ߁ ㆇォജૐਅ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ ᓮࡄ࠲ࡦ⺞ᢛ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ࿁ ቯ ᦼ ᬌ ᩏ ᓮࡄ࠲ࡦᄌᦝ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ╙ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ (出典:「平成 24 年版原子力施設運転管理年報」独立行政法人 原子力安全基盤機構) ※平成 24 年度は、発電をしていないため、平成 23 年度までの発電状況を掲載。 111 023 しまねの原子力 しまねの原子力 島根原子力発電所2号機 ፉᩮේሶജ⊒㔚ᚲ╙㧞ภᯏ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ᓮ ࡄ࠲ࡦᄌᦝ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ᓮࡄ࠲ࡦᄌᦝ ᓮࡄ࠲ࡦ⺞ᢛ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ╙ ࿁ ቯ ᦼ ᬌ ᩏ ᓮࡄ࠲ࡦ⺞ᢛ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ╙ ࿁ ቯ ᦼ ᬌ ᩏ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ ᐔᚑ ᐕᐲ ᐕᐲ ࠢࠥኻᔕ 024 ᓮࡄ࠲ࡦᄌᦝ ╙ ࿁ቯᦼᬌᩏ (出典:「平成 24 年版原子力施設運転管理年報」独立行政法人 原子力安全基盤機構) ※平成 24 年度は、発電をしていないため、平成 23 年度までの発電状況を掲載。 112 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 年度別設備利用率等の経過 島根原子力発電所では、1号機が昭和 49 年3月、2号機が平成元年2月に営業運転を開始し、平成 18 年 8月4日には累計発電量が約 2,000 億 kWh(1,2号機合計)に達しています。 (累積発電電力量を原油に置き換えると約 5,000 万キロリットルに相当します。 各号機の年度別の設備利用率と時間稼動率等の経過については次のとおりです。 ユニット別 1 号機 2 号機 (単位:%) S48 S49 S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 設備利用率 100.0 75.6 76.1 63.3 56.2 70.1 75.7 66.6 72.1 61.7 70.1 77.8 76.2 77.7 時間稼働率 100.0 79.2 79.2 66.5 58.4 73.0 79.8 69.2 74.4 62.8 71.6 78.6 77.1 78.3 設備利用率 − − − − − − − − − − − − − − 時間稼働率 − − − − − − − − − − − − − − 全 国 設備利用率 54.1 54.8 42.2 52.8 41.8 56.7 54.6 60.8 61.7 67.6 71.5 73.9 76.0 75.7 平 均 時間稼働率 64.1 60.5 48.0 61.7 45.9 63.8 59.8 65.0 65.1 70.2 73.2 75.3 77.2 76.9 ユニット別 1 号機 2 号機 S62 S63 H 元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 設備利用率 78.6 60.9 65.6 83.1 93.9 69.0 70.8 54.7 85.4 72.7 76.2 87.4 100.0 11.0 時間稼働率 79.2 61.3 65.9 83.2 94.4 69.5 71.1 55.2 85.6 73.0 76.6 87.6 100.0 11.0 設備利用率 − 100.0 74.9 89.1 80.7 77.9 80.2 98.4 79.3 80.8 86.5 100.0 83.6 88.0 時間稼働率 − 100.0 75.5 90.2 81.3 78.9 81.0 98.8 79.9 81.5 86.8 100.0 83.8 88.4 全 国 設備利用率 77.1 71.4 70.0 72.7 73.8 74.2 75.4 76.6 80.2 80.8 81.3 84.2 80.1 81.7 平 均 時間稼働率 78.2 72.6 71.1 73.6 74.8 75.1 76.1 77.2 81.0 81.4 81.8 84.7 80.6 82.1 ユニット別 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 運転開始後累計 設備利用率 98.6 88.2 72.1 90.7 73.2 50.1 69.0 96.4 65.6 0.0 0.0 0.0 67.5 時間稼働率 98.8 88.4 71.6 89.1 72.0 49.4 68.0 94.8 64.6 0.0 0.0 0.0 68.2 設備利用率 87.6 100.0 66.5 51.2 88.4 82.4 79.1 45.2 96.6 31.8 82.2 0.0 76.4 時間稼働率 87.8 100.0 66.6 51.6 88.7 82.6 79.6 45.8 96.2 31.7 82.3 0.0 76.8 全 国 設備利用率 80.5 73.4 59.7 68.9 71.9 69.9 60.7 60.0 65.7 67.3 23.7 平 均 時間稼働率 80.9 73.2 59.0 68.4 71.4 69.3 60.3 59.4 65.0 66.5 23.2 3.9 67.5 3.9 68.0 1 号機 2 号機 (出典:「平成 25 年版原子力施設運転管理年報」独立行政法人 原子力安全基盤機構) 注)定格熱出力一定運転により、設備利用率が 100%を超える場合があります。 発電電力量 設備利用率 = × 100 認可出力×暦時間数 稼働時間 時間稼働率 = × 100 暦時間数 025 しまねの原子力 しまねの原子力 ■ 定期検査の状況 原子力発電所は、法令で定められた時期ごとに原子炉の運転を止め、定期検査を実施しています。この期 間中には、国が行う定期検査(特に重要な設備について実施)、事業者が自主的に行う定期事業者検査やそ の他の点検が集中的に実施されます。 また、燃料や制御棒等の取替工事、予防保全のための各種設備の改造工事など、数多くの工事が原子炉が 停止しているこの期間中に実施されます。 定期検査実績 【1号機】 【2号機】 平成25年1月末現在 平成26 年1月末現在 項目 定 期 検 査 期 間 回 50年 2月 16日 51年 2月 14日 52年 1月 9日 53年 2月 4日 54年 2月 3日 55年 3月 2日 56年 2月 14日 57年 5月 22日 58年 8月 31日 59年 10月 1日 61年 1月 9日 62年 5月 7日 63年 6月 25日 元年 9月 8日 3年 1月 29日 4年 4月 2日 5年 9月 6日 6年 10月 8日 8年 2月 8日 9年 9月 6日 11年 1月 19日 12年 5月 11日 14年 5月 25日 15年 9月 17日 17年 2月 20日 18年 9月 9日 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回 第20回 第21回 第22回※1 第23回 第24回 第25回 第26回 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 昭和 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 19年 4月 27日 186日 231日 第27回 平成 19年 12月 5日 ∼ 平成 20年 5月 14日 138日 162日 第28回 平成 21年 5月 7日 ∼ 平成 21年 10月 130日 156日 第29回 平成 22年 11月 8日 ∼ 検査中 ※2 日 日 項目 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 平成 2年 3年 4年 6年 7年 8年 10年 11年 12年 14年 15年 16年 18年 19年 20年 22年 24年 ※1 シュラウド 取替工事を実施 026 昭和 59年 昭和 60年 平成 2年 平成 平成 6年 7年 平成 13年 平成 16年 5月 5月 7月 5月 6月 6月 7月 10月 1月 1月 7月 7月 11月 1月 4月 8月 1月 4月 8月 12月 3月 4月 7月 1月 8月 14日 11日 13日 19日 20日 17日 14日 21日 10日 10日 2日 31日 29日 24日 25日 7日 20日 19日 7日 24日 30日 27日 31日 22日 10日 9日 発電停止 定期検査 日 数 延べ日数 定 期 検 査 期 間 回 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第10回 第11回 第12回 第13回 第14回 第15回 第16回 第17回 ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ 発電停止 定期検査 日 数 延べ日数 65日 88日 76日 88日 170日 186日 89日 105日 92日 138日 90日 108日 131日 151日 137日 153日 105日 133日 79日 102日 162日 175日 75日 86日 142日 158日 124日 139日 70日 87日 98日 128日 107日 137日 166日 194日 153日 182日 82日 110日 46日 71日 330日 352日 43日 68日 105日 128日 137日 172日 2月 5月 9月 1月 4月 9月 1月 5月 9月 1月 4月 9月 2月 5月 9月 3月 1月 5日 7日 7日 12日 27日 6日 5日 11日 17日 8日 15日 7日 28日 8日 7日 18日 27日 ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ ※2 検査終了時期未定 5月 8月 12月 4月 8月 12月 3月 8月 11月 3月 8月 平成 17年 3月 6月 8月 10日 8日 17日 21日 7日 6日 23日 3日 21日 19日 26日 3日 28日 10日 73日 70日 73日 71日 75日 64日 49日 60日 43日 45日 109日 153日 96日 76日 95日 94日 102日 100日 103日 92日 78日 85日 66日 71日 134日 178日 121日 95日 平成 21年 4月 17日 平成 22年 12月 28日 検査中 ※2 199日 264日 日 223日 286日 日 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 定期検査の概要(平成 26 年2月 23 日現在) 【1号機】第 29 回定期検査計画 期 間 発電停止期間 平成 22 年 11 月8日 ※ 平成 22 年3月 31 日 〜 未定 〜 未定 ※点検時期を超過した機器の点検のため、自主的に発電を停止 定期検査実施計画 ・ 燃料取替工事 原子炉内の全燃料 400 体のうち、約 50 体を新燃料に取替え。 燃料取替工事 燃料取替工事 ・ 制御棒駆動機構取替工事 制御棒駆動機構 97 体のうち、14 体を同一設計の予備品に取替え。 ・ 出力領域計装取替工事 出力領域計装の検出器集合体 22 体のうち、2体を同一設計の検出器集合体に取替え。 ・ 制御棒取替工事 ボロンカーバイド粉末を制御材とする制御棒4本,ハフニウム棒を制御材とする制御棒5本について, 各々同一タイプの制御棒に取替え。 ・ 耐震裕度向上工事 配管等について支持構造物の補強を実施。 ・ 原子炉冷却材浄化系再生熱交換器および非再生熱交換器取替工事 原子炉冷却材浄化系再生熱交換器について、応力腐食割れに対する予防保全の観点からステンレス鋼製 から炭素鋼製のものに取替え。 また、再生熱交換器の取替に伴い、非再生熱交換機および原子炉冷却材浄化系配管の一部を取替え。 ・ 主蒸気安全弁および逃がし弁(安全弁)改造工事 主蒸気安全弁および逃し弁(安全弁)について、予防保全の観点から取替え。 ・ 原子炉再循環ポンプケーシングカバー取替工事 原子炉再循環ポンプの主軸およびケーシングカバーについて、熱疲労対策として改良型に取替え。 ・ 原子炉再循環系配管他高周波加熱処理工事 原子炉再循環系配管他に応力腐食割れ対策として、高周波誘導加熱を実施。 ・ 原子炉再循環系配管の取替工事 ひびが確認された原子炉再循環系配管の取替えを実施。 027 しまねの原子力 しまねの原子力 定期検査中に実施するトラブル事例の水平展開 ・ 原子炉再循環系配管等の点検 原子炉再循環系配管等溶接部約 70 箇所について、点検を実施。 ・ 復水・給水系配管等の点検 復水・給水系配管等、約 960 箇所の配管肉厚検査を実施。 その他の工事等 ・ 原子炉建物天井クレーン改造工事 耐震裕度向上工事の一環として、原子炉建物天井クレーンの改造工事を実施。 (平成 26 年2月現在) 島根1号機 第 29 回定期検査工程表 平成 22 年 11 月 12 月 1月 2 月〜 5 月 平成 23 年 6月 7月 8月 予 定 実 績 9 月 10 月 11 月 12 月 定期検査開始 原子炉圧力容器蓋取外し 全燃料取出 【下へ続く】 制御棒、中性子検出器取替 原子炉圧力容器水抜き 原子炉再循環系配管化学除染 原子炉再循環系配管等の点検 原子炉再循環系配管他高周波加熱処理工事 原子炉再循環ポンプケーシングカバー取替工事他 平成 24 年 原子炉再循環系配管 取替工事 平成 25 年 1 月 2 月 3月 4月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10月 11月 12月 1月 2 月 3月 検査終了時期未定 【上からの続き】 原子炉建物天井クレーン改造工事 028 4月〜 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 【2号機】第 17 回定期検査 期 間 平成 24 年2月 27 日 〜 未定 発電停止期間 平成 24 年2月 27 日 〜 未定 定期検査実施計画 ・ 燃料取替工事 装荷されていた燃料のうち約 130 体を新燃料に取替。 (再装荷燃料 430 体、合計 560 体装荷)。 ・ 制御棒駆動機構取替工事 制御棒駆動機構 137 体のうち、20 体を同一設計の予備品に取替。 ・ 出力領域計装取替工事 出力領域計装の検出器集合体 31 体のうち、8体を同一設計の検出器集合体に取替。 ・ 逃がし安全弁取替工事 逃がし安全弁 12 台のうち、6台を同一設計の予備品に取替。 ・ 制御棒取替工事 ボロンカーバイド粉末を制御材とする制御棒 12 本、またハフニウム棒を制御材とする 制御棒4本について、それぞれ同一タイプの制御棒に取替。 ・ 原子炉再循環系配管他高周波加熱処理工事 原子炉再循環系配管他に応力腐食割れ対策として、高周波誘導加熱処理を実施。 ・ 運転監視用計算機改良工事 製造中止品対策等により計算機の一式取替を実施。 ・ タービン駆動給水ポンプ流量制御装置取替工事 製造中止品対策等により演算器盤の一式取替を実施。 ・ 主発電機固定子コイル巻替工事 主発電機固定子コイルの絶縁劣化対策として、コイルの巻き替え工事を実施。 その他の工事等 ・ 蒸気タービン動翼取付部点検工事 他の原子力発電所において、低圧タービン動翼取付部の超音波探傷検査の結果、有意な指示が確認され たため、蒸気タービン動翼取付部の自主的な点検を実施。 原子炉圧力容器蓋取り外し(2号機) 029 しまねの原子力 しまねの原子力 (平成 26 年2月現在) 島根2号機 第 17 回定期検査工程表 平成 24 年 1月 2月 3月 4月 予 定 実 績 5月 6月 発電停止 原子炉圧力容器蓋取外し 【下へ続く】 全燃料取出 原子炉圧力容器水抜き 原子炉再循環系配管他化学除染 原子炉再循環系配管他高周波加熱処理工事等 平成 24 年 7〜 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 4月〜 定期検査終了時期未定 【上からの続き】 蒸気タービン動翼取付部点検 030 平成 25 年 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 新検査制度の導入 国(原子力安全・保安院)は、平成 17 年 11 月以降、原子力発電所の検査制度の充実を図るための検討を行い、 平成 20 年8月に省令を改正し、平成 21 年1月から新制度が施行されました。 今回の見直しでは、①保全計画の届出と国による事前確認、②設備の傷み具合のデータ収集と点検への反 映を義務づけ、③新しい技術を用いた運転中の機器の状態監視を充実、という3つのポイントが追加されま した。 また、全プラント一律 13 ヶ月毎の実施が義務付けられていた定期検査の間隔についても、個別のプラン トごとの状況に応じ、国が点検方法の妥当性の審査を行い、設定することになります(保安規定認可事項)。 中国電力㈱においては、省令の改正が行われた平成 21 年より1号機、2号機、3号機の保全計画をそれ ぞれ国へ提出し、事前確認を受けています。 見直し後の検査制度 (出典:「検査制度見直しのご案内」経済産業省 原子力安全・保安院) ■ 高経年化への対応 「高経年化対策」とは、長期間使用している原子力発電所に対し、安全確保活動をより慎重かつ適切に行 うため、起こりうる劣化などの特徴を最新知見に基づき把握した上で、通常の保全活動に加えて新たな保全 策を行うなど、機能や性能を維持・回復するために必要な保守管理を実施することです。 平成 21 年1月1日から、長期間使用している原子力発電所については、運転開始後 30 年を経過する日ま でに発電設備の経年劣化に関する技術的な評価(高経年化技術評価)を行い、保安規定の中にその評価結果 に基づいた長期保守管理方針を定める変更認可申請を行うことが義務づけられています。同様に、以降 10 年を超えない期間ごとに高経年化技術評価、長期保守管理方針の策定、それに伴う保安規定変更認可申請を 行うことが義務づけられています。 (※平成 20 年 12 月 31 日以前は、同様に高経年化技術評価に基づく長期 保全計画の策定が義務づけられていました。) 平成 25 年6月 19 日、原子力規制委員会が「実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施ガイド」を 制定し、高経年化技術評価は、発電用原子炉の運転を断続的に行うことを前提としたものと、冷温停止状態 が維持されることを前提としたものを行うことなどを規定しました。 (平成 25 年 7 月8日から適用) 031 しまねの原子力 しまねの原子力 国は、上記の保安規定変更認可申請の審査や、長期保守管理方針を反映して作成される保全計画(機器の 点検や補修等に関する計画)のチェック、保全の実施状況の確認など、下の図で示すプロセスにより各段階 で確認を行います。 中国電力㈱は、1号機(昭和 49 年3月営業運転開始)について、平成 15 年 12 月 18 日、運転開始後 30 年 を迎える前に行った高経年化技術評価の結果と長期保全計画をとりまとめた「高経年化対策に関する報告書」 を原子力安全・保安院に提出し、平成 16 年3月 18 日に当時の最新の知見に照らして問題はないとの評価を 受けました。 さらに、運転開始後 40 年を前に、1号機については「実用発電用原子炉施設における高経年化対策実施 ガイド」の経過措置により、冷温停止状態が維持されることを前提とした高経年化技術評価のみを行い、そ の結果に基づく長期保守管理方針を策定し、平成 25 年9月 27 日に保安規定変更認可申請を原子力規制委員 会へ行いました。その後、国の現地調査等による審査が行われ、平成 26 年2月 26 日に認可を受けました。 また、原子力発電所は、10 年を超えない期間ごとに保安活動の実施状況、最新の技術的知見の反映状況 の評価を行うことが法令で定められており(平成 15 年9月に法定化)、こうした評価を行うことを定期安全 レビューと言います。 中国電力㈱は、1号機に係る定期安全レビュー報告書を、1回目は平成7年 10 月 23 日、2回目は平成 15 年 12 月 18 日、3回目は平成 25 年 10 月 24 日にとりまとめました。 また、2号機(平成元年2月営業運転開始)に係る定期安全レビュー報告書については、1回目は平成 14 年7月9日、2回目は平成 24 年 7 月 6 日にとりまとめました。 (出典:原子力規制委員会ホームページ) 平成 24 年6月 20 日に原子力規制委員会設置法の成立に伴い原子炉等規制法が改正され、原子力発電所の 運転期間を原則 40 年とし、ただし、20 年を限度として1回に限り延長の認可ができることとされました。 さらに、政省令により運転期間延長認可制度が定められ、具体的な延長期間は原子力規制委員会が個別の 原子力発電所ごとの審査で判断すること、認可申請にあたっては電力会社は劣化状況の把握のための点検(特 別点検)や劣化に関する技術的評価を実施し、それらの結果や延長期間における保守管理方針を添付するこ となどが規定されました。 (平成 25 年7月8日施行) なお、平成 25 年7月8日時点で運転期間が 37 年を超えている原子力発電所(島根原子力発電所1号機を 含む)については、平成 28 年 7 月 7 日まで運転期間が猶予されています。 032 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 放射性廃棄物の管理状況 原子力発電所では、運転に伴い放射性物質を含んだ気体、液体、固体の廃棄物が発生します。 これらの放射性廃棄物のうち、気体廃棄物と液体廃棄物は、原子力発電所の運転に伴い、ごくわずかの量 が周辺環境へ放出されます。 原子力発電所からこれらを放出する際には、十分に減衰、もしくは浄化等を行った後、その安全性を確認 してから放出するなど、周辺環境に影響を与えないような措置を行うことが義務づけられています。 また、島根原子力発電所では、国の指針である線量目標値(年間 0.05 ミリシーベルト)に基づいた放出管 理目標値を定め、この値を超えないように努めており、実績ではこの値を大幅に下回っています。 ⑴放射性廃棄物の放出実績 島根原子力発電所から放出された、放射性廃棄物の状況は次のとおりです。 (単位:Bq) 放射性気体廃棄物 区 分 年 度 放射性 希ガス ※1 放射性 ヨウ素 (ヨウ素 131) ※2 放射性液体廃棄物 全粒子状物質 トリチウム ガンマ線 放出核種 ストロンチウム89 ストロンチウム90 全アルファ 放射能 平成 8 年度 ND ND 8.7 × 1011 ND ND ND 平成 9 年度 〃 〃 7.7 × 1011 4.3 × 105 〃 平成 10 年度 〃 〃 7.2 × 1011 ND 平成 11 年度 〃 〃 4.4 × 1011 平成 12 年度 〃 〃 平成 13 年度 〃 平成 14 年度 トリチウム を除く ※3 トリチウム ND 1.2 × 1012 〃 〃 7.2 × 1011 〃 〃 〃 3.1 × 1011 〃 〃 〃 〃 3.7 × 1011 3.7 × 1011 〃 〃 〃 〃 6.0 × 1011 〃 4.0 × 1011 〃 〃 〃 〃 5.2 × 1011 〃 〃 4.1 × 1011 〃 〃 〃 〃 3.6 × 1011 平成 15 年度 〃 〃 1.7 × 1012 7.3 × 104 〃 〃 〃 5.2 × 1011 平成 16 年度 〃 〃 5.5 × 1011 ND 〃 〃 〃 6.3 × 1011 平成 17 年度 〃 〃 3.0 × 1011 〃 〃 〃 〃 6.3 × 1011 平成 18 年度 〃 〃 3.8 × 1011 〃 〃 〃 〃 3.0 × 1011 平成 19 年度 〃 〃 3.0 × 1011 3.0 × 105 〃 〃 〃 6.6 × 1011 平成 20 年度 〃 〃 3.3 × 1011 ND 〃 〃 〃 2.8 × 1011 平成 21 年度 〃 〃 2.9 × 1011 〃 〃 〃 〃 2.2 × 1011 平成 22 年度 〃 〃 2.6 × 1011 〃 〃 〃 〃 2.3 × 1011 2.5 × 1011 〃 〃 〃 〃 3.4 × 1011 2.0 × 1011 〃 〃 〃 〃 1.5 × 1011 平成 23 年度 〃 平成 24 年度 〃 年間放出管理 目標値※ 5 ※1 ※2 ※3 ※4 ※5 ※6 11※4 2.5 × 10 ND 8.4 × 1014 4.3 × 1010 (2.5 × 1015) (1.3 × 1011) 7.4 × 1010 7.4 × 1012 ※6 検出限界濃度未満(放射性希ガスの検出限界濃度:約2× 10-2(Bq/ ㎤)以下) 検出限界濃度未満(放射性ヨウ素の検出限界濃度:約7× 10-9(Bq/ ㎤)以下) 検出限界濃度未満(放射性液体廃棄物(トリチウムを除く)の検出限界濃度:約2× 10-2(Bq/ ㎤)以下(60Co で代表)) 福島第一原子力発電所における事故の影響によるものと推測される。 島根原子力発電所の年間放出管理目標値を示す。 過去の実績に照らし合わせ、平成 17 年に放射性気体廃棄物の放出管理目標値が見直された。 変更後の値を上段に、変更前の値を下段の括弧内に記載。 年間放出管理の基準値を示す。 033 しまねの原子力 しまねの原子力 ・ 気体廃棄物の放出 気体状の廃棄物は、活性炭式希ガスホールドアップ装置により放射能を減衰させ、フィルタで粒子状の 物質を取り除き、放射性物質の濃度を十分低減させた後、放射性物質の濃度を連続測定しながら、排気筒 から放出されます。 2号機排気筒 1号機排気筒 ・ 液体廃棄物の放出 液体状の廃棄物は、フィルタやイオン交換樹脂で処理し、再利用できる水は再利用されます。また、洗 濯排水などの放射能レベルの低いものは、処理設備で処理し、放射性物質の濃度を十分低減させた後、放 射性物質の濃度を連続測定しながら放水口から海へ放出されます。 液体廃棄物の放出量 区分 (単位:m3) 年 分 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 プラント水 約 6,660 約 4,010 約 8,060 約 4,090 約 3,110 約 3,690 約 5,430 約 3,920 洗 濯 水 約 4,190 約 4,570 約 4,720 約 4,450 約 4,170 約 4,470 約 4,340 約 3,100 手 洗 水 約 230 約 240 約 260 約 170 約 180 約 340 約 280 約 230 約 11,080 約 8,820 約 13,040 約 8,710 約 7,460 約 8,500 約 10,050 約 7,250 合 計 (中国電力㈱資料) 原子力発電所の運転に伴って発生する廃棄物の処分の概要 (出典「原子力・エネルギー」図面集 2013(一財)日本原子力文化振興財団) 034 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ⑵放射性固体廃棄物の発生実績 島根原子力発電所から発生した放射性固体廃棄物の実績は次のとおりです。 ド ラ ム 缶 ※ 1 区 分 発生量 (本) 減容量 (本)※ 3 平成 8 年度 2,090 770 1,600 23,443 517 18 4,742 平成 9 年度 1,156 1,073 1,600 21,926 674 265 5,151 平成 10 年度 888 476 1,600 20,738 154 355 4,950 平成 11 年度 1,504 657 1,080 20,505 153 100 5,003 平成 12 年度 3,286 1,210 0 22,581 813 94 5,722 平成 13 年度 1,359 737 0 23,203 411 30 6,103 平成 14 年度 1,718 3,055 0 21,866 77 88 6,092 平成 15 年度 4,326 3,513 0 22,679 108 72 6,128 平成 16 年度 3,891 3,053 888 22,629 184 356 5,956 平成 17 年度 2,344 2,471 1,280 21,222 330 562 5,724 平成 18 年度 4,154 2,719 1,280 21,377 158 615 5,267 平成 19 年度 3,841 1,617 1,040 22,561 287 716 4,838 平成 20 年度 2,994 2,777 0 22,778 356 685 4,509 平成 21 年度 3,135 2,022 1,280 22,611 151 772 3,888 平成 22 年度 3,820 2,064 0 24,367 164 703 3,349 平成 23 年度 3,142 3,146 1,280 24,363 319 450 3,218 平成 24 年度 3,140 3,178 616 24,325 136 699 2,655 年 度 ※1 ※2 ※3 ※4 : : : : 発電所外 搬出 (本)※ 4 その他の種類 ※ 2 累積保管量 (本) 発生量 減容量 累積保管量 (本相当) (本相当) (本相当) ドラム缶= 200 ㍑入 その他の種類はドラム缶につめられない大型配管廃材等で、本数はドラム缶に詰めた場合の換算としています。 減容量は、可燃物の焼却処理や不燃物の切断、溶融処理等により減少した量を指します。 発電所外搬出は、低レベル放射性廃棄物埋設センター(青森県六ヶ所村)への搬出を指しています。 保管容量:35,500 本 低レベル放射性廃棄物 035 しまねの原子力 しまねの原子力 ⑶低レベル放射性廃棄物の搬出実績 原子力発電所から出る放射性物質を含む廃棄物は、「低レベル放射性廃棄物」と呼ばれています。 (例:交 換した機器、洗濯水など)。 これらは、容積を減らし、セメントなどで固めてからドラム缶に密封します。そして、原子力発電所内の 固体廃棄物貯蔵庫で保管した後、青森県六ヶ所村にある「低レベル放射性廃棄物埋設センター」で埋設処分 されます。 低レベル放射性廃棄物搬出実績 単位:本(200 リットルドラム缶) 回 数 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第 10 回 第 11 回 第 12 回 第 13 回 第 14 回 第 15 回 合計 搬 出 日 平成 5 年 7 月 23 日 平成 6 年 7 月 21 日 平成 7 年 7 月 7 日 平成 8 年 7 月 22 日 平成 9 年 5 月 30 日 平成 10 年 6 月 26 日 平成 11 年 6 月 4 日 平成 16 年 10 月 3 日 平成 17 年 9 月 2 日 平成 18 年 9 月 1 日 平成 19 年 9 月 10 日 平成 21 年 6 月 12 日 平成 23 年 5 月 13 日 平成 24 年 6 月 4 日 平成 25 年 6 月 4 日 搬 出 量 1,600 1,280 1,600 1,600 1,600 1,600 1,080 888 1,280 1,280 1,040 1,280 1,280 616 608 18,632 低レベル放射性廃棄物搬出作業 第1回〜7回の搬出は、均質固化体※ 1(セメント固化体、 プラスチック固化体) 、第8回以降の搬出は、充填固化 体※ 2。 ※1均質固化体=濃縮廃液・使用済樹脂などをセメントやプラスチックを用いてドラム缶に充填し、均等・均一に固形化したもの。 ※2充填固化体=金属類・保温材・フィルタ、プラスチックなどの固体状廃棄物を分別し、必要に応じて切断・溶融処理などを行い、 ドラム缶に収納した後、セメント系充填材(モルタル)を充填し、固形化したもの。 低レベル放射性廃棄物運搬船(青栄丸) 運搬船への積込み 低レベル放射性廃棄物専用運搬船 運搬船は低レベル放射性廃棄物を海上輸送する専用運搬船(青栄丸)で、国土交通省で定めた低レベル放 射性廃棄物運搬船としての構造・設備要件を満たしており,国土交通省の確認を受けたものです。 ・ 衝突や座礁をさけるため、自動衝突予防援助装置や音響測深機などの安全航行設備が備えられています。 ・ 船底や船側を二重構造にするなど、万一の衝突や座礁にも強い、頑丈な構造になっています。 ・ 船倉を厚い鋼板やコンクリートで囲み、放射線を十分に遮へいする構造になっています。 036 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 使用済燃料の輸送状況 島根原子力発電所で発生した使用済燃料は、原子炉建物内の燃料プールに一定期間貯蔵し、十分放射能を 減衰させた後、国内及び海外への再処理工場へ輸送しています。 使用済燃料の輸送は、昭和 54 年から実施しており、2,354 体(約 425t・U)を輸送しています。 再処理工場別の内訳は、日本原燃(株) :720 体、 (独)日本原子力研究開発機構(旧核燃料サイクル開発機構) : 580 体、英国 NDA:518 体、仏国 AREVA NC(旧 COGEMA) :536 体。 使用済燃料の輸送実績 (単位:体) 輸 送 回 数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 輸送時期 S54. 9.13 S54.10.25 S55. 7.28 S55. 9.13 S56. 7.23 S56. 8.31 S57. 4.15 S60. 6.18 S61. 8.28 S61. 9.30 S62. 9.25 S62.10.26 S63. 5.17 H元. 5.25 H 2. 8.17 H 2. 9.14 H 3. 8. 2 H 3. 9.10 H 4. 7.30 H 4. 8.24 H 4.12.11 H 5. 8. 6 H 5.12. 9 H 6. 7.25 H 6. 8. 5 H 7. 7.20 H 7. 7.24 H 7. 9.12 H13.10. 4 H13.10. 5 H14. 9.13 H14.10. 7 H16.10.25 H18. 3.14 H18. 9.15 H20. 9.25 合 計 国内 34 34 34 34 34 34 34 1 号機 英国 仏国 42 34 42 42 34 34 42 42 34 34 42 34 42 34 34 国内 2 号機 英国 仏国 34 36 34 34 70 34 68 84 128 70 34 68 34 34 110 34 34 110 110 88 192 110 1,108 378 1,894 408 192 140 460 128 合計 34 34 34 34 34 34 34 76 34 76 76 36 76 76 34 76 34 76 104 34 68 84 128 70 34 68 34 34 110 34 34 110 110 88 192 110 2,354 注:輸送時期について、輸送回数 1 〜 18 回は島根原子力発電所からの搬出日を、19 回以降は再処理工場への搬入日を示す。 037 しまねの原子力 しまねの原子力 輸送容器への使用済燃料の装荷(1号機) 使用済燃料の輸送船への積込み作業 ■ 燃料プールの使用済燃料保管数量 使用済燃料は、炉心から取り出されたあと、原子炉建屋内にある燃料プール内で一定期間保管・冷却さ れます。保管数量は以下のとおりです。 (単位:体) 区 分 全容量 管理容量 保管数量 1号機 1,140 660 322 2号機 3,518 2,818 1,956 計 4,658 3,478 2,278 注1:保管数量は、平成 26 年 1 月末現在。 2:1,2号機の燃料プールは共用化している。 3:保管可能容量と管理容量の関係は、次のとおり。 管理容量=全容量−(1炉心分+1取替相当分※) 1炉心分:1号機 400 体、2号機 560 体 1取替相当分:1号機約 80 体、2号機約 140 体 2 号機燃料プール 038 ※1取替相当分:1つの運転サイクルごと に取替を行う燃料体数の目安 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 新燃料の輸送状況 島根原子力発電所では、定期検査時に、原子炉で使用し、発電能力の弱まった燃料を新しい燃料と交換す るため、燃料成形加工工場から新燃料を輸送しています。 新燃料輸送実績 【1号機】 (輸送量の単位:体) 輸送回数 装荷予定の 定検回数 初装荷 1(1) 〜 S47. 10. − 13 (13) 14 (14) 輸送日 輸送量 6 〜 404 11. 30 1 S49 5. 10 56 15 (15) 5. 15 16 (16) 17 (17) 18 (18) 19 (19) 3 S51. 10. 26 88 20 (20) 4 S52. 10. 25 60 21 (21) 5 S53. 11. 14 84 22 (22) 6 S54. 11. 13 64 23 (23) 7 S55. 11. 12 72 24 (24) 8 S56. 11. 11 104 25 (25) 9 S58. 4. 1 96 26 (26) 10 S59. 4. 26 112 27 (27) 11 S60. 10. 8 80 28 (28) 12 S61. 10. 7 96 29 (32) 13 S63. 5. 12 12. 5 76 12. 12 8 装荷予定の 定検回数 輸送日 76 ※1 64 104 30 (33) 14 H元. 6. 31 (35) 15 H 2. 8. 29 ※1 32 (37) 16 H 3. 10. 24 88 33 (39) 17 H 5. 8. 5 88 34 (41) 18 H 6. 6. 3 52 35 (43) 19 H 7. 10. 6 84 36 (45) 20 H 9. 6. 18 92 37 (47) 21 H10. 12. 2 84 38 (49) 22 H12. 3. 15 84 39 (52) 23 H13. 10. 23 72 40 (54) 24 H15. 5. 23 72 輸送量 41 (56) 25 H16. 11. 26 80 42 (58) 26 H17. 11. 25 ※1 80 43 (61) 27 H19. 9. 27 92 44 (63) 28 H20. 11. 14 45 (64) 29 H21. 11. 10 小 計 S50. 11. 28 2 輸送回数 68 ※1 36 2,708 注1:※1は、1, 2号機同時輸送 注2: ( )内は1〜 3 号機の輸送における延べ輸送回数 を示す。 1 号機新燃料の輸送 新燃料の受入検査(1号機) 039 しまねの原子力 しまねの原子力 【2号機】 輸送回数 (輸送量の単位:体) 装荷予定の 定検回数 〜 S62. 6. − 3 (31) 4 (33) 5 (34) 2 6. 16 564 6. 20 1 H元. 6. 8 ※1 6. 14 装荷予定の 定検回数 1(65) 2(66) 3(67) 4(68) 240 輸送日 H22. − 9 H22. 10. 1 360 H22. 11. 19 270 H22. 11. 26 166 886 7 (36) 8 (38) 3 H 4. 5. 19 188 9 (40) 4 H 5. 10. 13 180 10 (42) 5 H 6. 9. 20 160 11 (44) 6 H 8. 6. 21 152 12 (46) 7 H 9. 7. 2 152 1号機 2,708 体 13 (48) 8 H10. 12. 9 148 14 (50) 9 H12. 5. 31 148 2号機 3,136 体 15 (51) 10 H13. 10. 10 148 3号機 886 体 16 (53) 11 H14. 11. 28 140 17 (55) 12 H16. 6. 16 136 18 (57) 13 H17. 6. 22 100 19 (58) 13 H17. 11. 25 ※1 24 20 (59) 14 H18. 10. 31 64 ※3 21 (60) 14 H19. 4. 17 32 ※4 22 (62) 15 H20. 4. 17 23 (64) 16 H21. 11. 10 24 (69) 17 H23. 7. 小 計 6 90 注1:※1は、1, 2号機同時輸送 注2: ( )内は1〜3号機の輸送における延べ 輸送回数を示す。 注3: ※ 2 うち 100 体に一部回収ウランを含む ※ 3 うち 4 体に一部回収ウランを含む ※ 4 うち 32 体に一部回収ウランを含む 176 5 小 計 ※1 (35) 9. 輸送量 9. 6 2 H 2. 8. 29 (輸送量の単位:体) 輸送回数 輸送量 初装荷 初装荷 1(29) 輸送日 【3号機】 合計輸送体数 合計 6,730 体 ※2 152 ※1 104 128 3,136 県による輸送物の放射線量の確認 島根県では、新燃料の輸送について以下の措置をとっています。 ⑴県内輸送中の安全確認 中国電力㈱から、輸送隊が県内に入る前の段階で連絡を受け、県内に入ってから発電所到着までの間、随 時、輸送状況の連絡を受け安全状況を確認しています。 ⑵到着時の安全確認 ①立入調査の実施 安全協定第 11 条に基づく立入調査を実施しています。 ②輸送物の放射線量の確認 発電所到着時に、中国電力㈱によって行われる放射線測定に立会し、法定基準値以下であることを確 認しています。 040 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 放射線業務従事者の被ばく管理 原子炉設置者等は、原子炉等規制法に基づき原子力施設における放射線業務に従事する者の線量が同法に 基づく告示に定める線量限度を超えないように管理することが義務づけられています。 具体的に、ガラスバッジや APD(警報機付ポケット線量計)により作業時の被ばく線量が管理されるとと もに、作業環境に応じては、防護具の着用により内部被ばくを防止する等の管理が実施されています。 放射線業務従事者の線量限度 放射線業務従事者の線量限度(実効線量)は、関係法令により5年間で 100 ミリシーベルトかつ1年間に つき 50 ミリシーベルトと定められています。 島根原子力発電所の放射線業務従事者・年度別線量※ 区 分 放射線業務 従事者数 (人) 総線量 (人・Sv) 平均線量 (mSv) 総線量 (人・Sv) 平均線量 (mSv) 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度 社 員 360 352 338 309 275 337 その他 1,659 1,474 2,507 2,621 2,078 2,326 合 計 2,019 1,826 2,845 2,930 2,353 2,663 社 員 0.19 0.22 0.29 0.16 0.13 0.20 その他 0.81 1.10 4.01 3.73 2.02 1.97 合 計 1.01 1.32 4.30 3.88 2.15 2.17 社 員 0.5 0.6 0.9 0.5 0.5 0.6 その他 0.5 0.8 1.6 1.4 1.0 0.8 合 計 0.5 0.7 1.5 1.3 0.9 0.8 区 分 放射線業務 従事者数 (人) 平成13年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 社 員 359 363 383 538 550 527 その他 2,660 2,158 2,439 3,194 2,836 2,184 合 計 3,019 2,521 2,822 3,732 3,386 2,711 社 員 0.24 0.20 0.22 0.13 0.10 0.02 その他 4.78 2.56 3.03 6.07 3.12 1.32 合 計 5.01 2.77 3.25 6.20 3.22 1.34 社 員 0.7 0.6 0.6 0.2 0.2 0.1 その他 1.8 1.2 1.2 1.9 1.1 0.6 合 計 1.7 1.1 1.2 1.7 1.0 0.5 ※平成 19 年 7 月 31 日に、中国電力(株)から報告値の訂正の報告を受けています。 入退域情報入力装置 チェックポイント 041 しまねの原子力 しまねの原子力 ■ 島根原子力発電所のトラブル 島根県と松江市、中国電力(株)の3者が締結している安全協定では、法令等に基づき国への報告が義務 づけられている“トラブル”以外にも、社会的な関心が高いと思われるいくつかの場合について、第 10 条に 基づき異常時の連絡を行う旨規定しています。また、平成 13 年 10 月の協定改正以降、 “トラブル”未満であっ ても保安規定における運転上の制限を満足しない状態になった場合には、協定第9条に基づく連絡を行う取 扱いを定め、運用しています 【異常時における連絡(安全協定第 10 条)に該当するもの】 発生年月日 プラント名 042 S51. 8.27 1号機 S52. 3. 1 1号機 S54. 7.28 1号機 S56. 6.16 1号機 S56.12. 7 S60. 9.12 1号機 1号機 S62. 8.12 1号機 S63. 7.11 2号機 S63.11.13 1号機 H 1. 4.10 2号機 H 1. 9. 6 1号機 H 2.11.19 2号機 H 2.12. 4 2号機 H 4. 2.20 1号機 H 5. 1.18 2号機 H 5. 2. 4 1号機 H 7. 1.30 2号機 H12. 6.14 その他 平成 26 年1月末日現在 トラブル内容 INES 評価結果※ 蒸気タービン主蒸気止め弁閉止テスト中、主蒸気止め弁のテスト用 電磁弁が誤作動したため原子炉自動停止。 定期検査中、制御棒駆動水戻りノズル部のひびを発見。 定期試験時、制御棒駆動水圧系常駆動電磁弁不調による制御棒1 本全挿入。 調整運転中、原子炉冷却材浄化系 A−再生熱交換機保温材からの 水漏れを発見、調査のため原子炉を手動停止。 中間停止中、制御棒駆動水圧系引抜配管に損傷を発見。 定格出力運転中、落雷により送電線がトリップし、原子炉自動停止。 定格出力運転中、送電線への落雷により、タービン自動停止。引き 続き、原子炉自動停止。 試運転時における出力上昇中、保護継電器の動作により発電機、 タービンが停止。 調整運転における出力上昇中、タービン軸振動の増加傾向が認め られたため、タービン発電機を手動停止。 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプ A の回転数が低下したため、 原子炉手動停止。原因は、原子炉再循環流量制御系の1つのリレー に接触不良が生じたことによる。 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプ B の振動大の警報が発生し たため、原子炉手動停止。原因は、振動検出器の動作部に異物が 付着し、検出感度が変化して誤作動したため。 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプ B の電動機潤滑油位が低下 したため原子炉手動停止。 12月1日原子炉起動し、発電再開の準備を行っていたところ、設 定値より低い主蒸気圧力において原子炉モードスイッチを「起動」 から「運転」に切り替えたため、主蒸気隔離弁閉の信号により原子 炉が自動停止。 定格出力運転中、 「中性子束異常高」の誤信号により原子炉自動停 止。調査の結果、落雷の影響により中性子束を計測する電気回路 に誤信号が発生したものと判明。 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプ Aの軸封部(メカニカルシー ル)に機能低下が認められた。このため、当該軸封部を取り替える 評価尺度0− こととし、原子炉を手動停止。 定格運転中、原子炉格納容器の格納容器冷却機ドレン量に増加が 認められたため、原子炉手動停止。調査の結果、原子炉圧力容器 評価尺度0ベント配管に設置されている弁のグランドパッキンの締付け不十分 であったため、当該箇所から蒸気漏洩したものと判明。 定格出力運転中、 「スクラム排出容器水位異常高」の発信により、原 評価尺度1 子炉自動停止。 サイトバンカ建物焼却設備投入機温度高警報が発生し、消防署に 通報。調査の結果、建物内の火災ではなく、焼却設備投入機内で の一時的な発煙。 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 H13. 4.18 2号機 H15.12. 2 1号機 H16. 1.28 2号機 H16. 3.17 2号機 H16. 8. 9 2号機 H17. 3.25 2号機 H17. 4. 2 2号機 H17. 6.18 2号機 H17. 7. 6 1号機 H18.10.13 1号機 H18.11. 9 1号機 H19.11.21 1号機 H20. 7.11 1号機 H20. 7.12 1号機 H20. 8. 3 1号機 H21. 2.17 3号機 H21. 3.26 1号機 H21. 6.25 3号機 H22. 3.31 1号機 H22. 6.14 3号機 定格運転中、タービン建物3階に仮設した作業用ハウス内で、島根 1号機シュラウド取替工事で使用した機材の切断中に、ハウスの換 気用に設置した局所排風機から発煙を発見し、直ちに消火。 原子炉建屋5階で原子炉格納容器上蓋取り付け作業に従事してい た作業員1名にわずかな放射性物質の内部摂取が発生。 原子炉給水ポンプB号機駆動用タービンの蒸気加減弁を制御する 装置が要求信号に追従していなかったことから、予備機に切り替え。 原子炉格納容器内ドライウエル冷却機凝縮水量及び床ドレン量増 評価尺度0+ 加に伴う原子炉手動停止。 廃棄物処理建屋3階ランドリー室の火災警報機が作動し、自衛消 防隊による消火活動を行い、消防署により鎮火が確認された。 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプメカニカルシール機能低下 に関するパラメータの変化を確認した。このため、メカニカルシー ルを取り替えることとし、原子炉を手動停止。 出力上昇中、制御棒パターン調整のため出力降下を行ったところ、 主蒸気逃がし安全弁の排気管温度が上昇(約110度で安定) 。こ のため、当該安全弁の調整作業を行うこととし、発電機出力を 64万 kWから47万 kWまで降下。 定格出力運転中、原子炉再循環ポンプBのメカニカルシール機能 低下に関するパラメータの変化を確認したため、監視をしていたが、 回復傾向が認められないことから、当該メカニカルシール取替のた め発電を停止した。 調整運転中、ドライウエル真空破壊弁のうち1弁の全閉ランプの消 評価尺度0灯を確認し、原子炉手動停止。 定期検査中に復水貯蔵タンク側面のタンク水位計配管取り付け部 に腐食により技術基準における必要な厚さを下回っている部位を確 評価尺度0認。 定期検査中に復水フィルタ出口ヘッダー配管と復水フィルタ出口配 管との接合部にエロージョン・コロージョンにより技術基準におけ 評価尺度0る必要な厚さを下回っている部位を確認。 定期検査に先立った燃料取替装置の点検を実施するために燃料取 替装置を移動したところ、燃料つかみ部が燃料プールの手すりに (評価対象外) 接触して変形。 運転中に実施する定期試験中、高圧注水ポンプを起動したところ、 高圧注水系駆動用タービンが自動停止(その後、高圧注水ポンプを 再起動したところ、正常に運転できることを確認) 。 原子炉隔離時冷却系において、蒸気管破断の信号が発生。現場確 認を行い、蒸気管破断の無いことを確認したが、当該系統が起動 できない状態であったため、運転上の制限を満足しないと判断。 定期試験のため高圧注水ポンプを起動したところ、高圧注水系駆 評価尺度0+ 動用タービンが自動停止。 建設工事エリアにおいて、溶接作業を行っていたところ、火花が機 器の保護シートに引火。 定期試験時、制御棒緊急挿入用電磁弁の電源端子接触不良のため、 評価尺度0制御棒1本が全挿入。 建設工事エリアにおいて、作業員が溶剤を運搬中、容器を転倒さ せたため、溶剤の一部が溶接作業エリアに滴下し、一瞬、炎と煙 が発生。 1, 2号機の点検計画表と点検実績の不整合が確認され、点検の未 実施件数が多数にのぼっていることから、これらの点検を行うため、 原子炉を手動停止。 工事現場屋外の金属製のゴミ収集箱からの発煙。原因は収集箱内 の塗料等が付着したウェスの自然発火によるものと推定。 ※国際原子力評価尺度(INES)による評価結果 *「−」は法律に基づく報告ではないため、INES による評価は行われていない 043 しまねの原子力 しまねの原子力 【保安規定における運転上の制限を満足しない場合の連絡(安全協定第9条)に該当するもの】 発生年月日 プラント名 トラブル内容 定格出力運転中、非常用ディーゼル発電機手動起動試験において、ディーゼル発 H14. 5.24 2号機 電機を待機除外にしたところ、ディーゼルトリップおよび過速度の警報が発報し たため、運転上の制限を満足しないと判断。 非常用ディーゼル発電機停止用電磁弁本体付近及び同弁の排気側から空気漏れを H15. 6.26 1号機 確認したため、運転上の制限を満足しないと判断。 原子炉の冷却操作を実施中、非常用炉心冷却系起動用原子炉水位計の異常を示す H18. 2.28 2号機 警報が発生したため、運転上の制限を満足しないと判断。 定期検査中、原子炉を起動したところ、格納容器放射線高の警報が発生したので、 H20. 4.17 1号機 原子炉格納容器線量当量率計を確認したところ、指示値が安定していなかったた め、運転上の制限を満足していないと判断。 定期検査中、起動試験を行っていたところ、格納容器放射線高の警報が発生した。 H20. 4.18 1号機 関連する運転データを確認した結果、原子炉格納容器線量当量率計の動作不良と 判断し、運転上の制限を満足しないと判断。 定期検査のため、原子炉を停止し、原子炉冷却操作中(高温停止状態)に、主蒸気 H20. 9. 7 2号機 管モニタの警報が発生したため、運転上の制限を満足していないと判断。 定期検査中、原子炉冷却操作を行っていたところ、原子炉内の中性子源領域計装 H24. 1.27 2号機 の検出器4チャンネルのうち3チャンネルが動作不能となったため、運転上制限 を満足しないと判断。 044 第 4 章 島根原子力発電所の運転管理状況 ■ 国際原子力事象評価尺度(INES) 原子力施設の事故の評価には、国際原子力評価尺度(INES)を用い、レベル0からレベル7までの8段階 での評価を行っています。日本では平成4年8月1日より INES の運用を開始しています。 INES は、3種類の基準により構成され、各基準ごとにレベルを評価し、これら3種類のレベルのうち最 高のものを評価結果としています 基準1:所外への影響 原子力事業所の敷地外に放出された放射性物質により、一般の方々が受ける影響の程度によって評 価される基準 基準2:所内への影響 原子力事業所の敷地内に漏れ出た放射性物質による汚染や従業員への影響、あるいは放射性物質を 閉じ込めておくバリヤーの損傷の程度によって評価される基準 基準3:深層防護の劣化 異常な事象を事故に拡大させない、放射性物質を漏らさない、または放射線を浴びないようにする ための安全系(原子炉を安全に停止し、冷却するなどのトラブルの影響を小さくするための安全上重 要な機器や設備)のゆとりに着目し、そのトラブルによるゆとりの減少の程度により評価される基準 INES の運用については、トラブル発生後速やかに、暫定評価を原子力規制委員会が発表します。 その後、原子力規制委員会により正式評価が行われ、その結果を原子力規制委員会が公表します。 なお、平成 23 年3月 11 日に発生した東京電力㈱福島第一原子力発電所事故については、暫定評価の段階 ですが、ヨウ素 131 等価で数十万テラベクレル相当以上の放射性物質の外部放出を引き起こしており、最も 深刻なレベル7と評価されています。 (出典: 「原子力・エネルギー」図面集 2013 (一財)日本原子力文化振興財団) 045 しまねの原子力 しまねの原子力 ■ 定格熱出力一定運転の導入 島根原子力発電所では、従来、定格電気出力一定運転(=発生する電気が一定になるよう運転すること) を行っていましたが、2号機では平成 15 年 11 月 14 日から、1号機では平成 16 年1月5日から定格熱出力 一定運転(=原子炉で発生する熱を一定に保って運転すること)に移行しました。 この定格熱出力一定運転では、冬季のように海水温度が低く、熱効率が向上する時期にはより多くの電 力を供給することが可能となります。 電気出力が定格値を超え ないように発熱量を調整 発生する電気を一定に保つ 原子炉で発生する熱を一定に保つ 海水の温度差によって変化する。 海水温度が低くなる冬季には定格電気出 力よりも多くの電気を作ることができる 定格熱出力一定運転への移行は、電気出力の増加を伴うことから、安全協定に基づく事前了解事項であり、 県は中国電力㈱から平成 15 年8月に事前了解願いを受け、安全性に問題がないことを確認し、平成 15 年 10 月に了解しています。 046