Comments
Description
Transcript
福島環境カウンセラー協会報「2014年度」
FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 特定非営利活動法人 第6号 福島環境カウンセラー協会報「2014年度」 「東日本大震災特集5」⇒復興への道程その2 2014活動報告 FEC協会誌 1 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 目 1.「会長に就任して」会長 片平 次 大造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 2.東日本大震災特集5:復興への道程2 「震災から 5 年…被災地現場を取材して」 顧問 長澤 利枝・・・・・・・・4 3.「福島環境カウンセラー協会10周年記念事業研修会」報告 事務局次長 新山敦司 ・・・・・・・・・9 4.平成26年度活動報告 4-1「福島と復興に向かった 1 年 」佐久間 光好・・・・・・・・・・・・・・13 4-2「福島県南地域環境保全のための活動報告」 4-3「川の活動他」 副会長 大越 則恵・・・・・17 副会長 相楽 昌男・・・・・・・・・・・・・・・・・19 4-4「里山復興事業:他分野活動報告会他」宗像 亮・・・・・・・・・・・・・21 4-5「福島県再生可能エネルギーコーディネーターから」事務局長 鈴木 一 ・・26 5.平成26年度事業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 福島県の地球環境保全の キャラクター「エコたん」 FEC協会誌 2 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 1.会長に就任して 1.会長に就任して NPO 法人福島環境カウンセラー協会 片平 大造 2014 年 6 月に会長に就任してから、早 1 年が経過し ようとしておりますが、会員皆様には其々の立場で素晴 しい環境活動を実施されていることに、心から感謝申し 上げます。 昨年は、当協会の「設立 10 周年記念事業」を会員皆 様の自主的なチーム力により、69 名もの参加者があり、 成功裡に終了できましたこと重ねて心から感謝申し上 げます。 さて、会長になってから ECU 総会(6 月)及び理事会(1 月)に出席しましたが、出席したこと により、新たな人的なネットワークができたというメリットを基に、今後の活動に生かしていきた いと思います。 また、ECU の課題として、行政機関(国・県・市町村)における環境カウンセラーの活用及び位 置づけが明確でなく、この活用等を法的に明確にし、各行政機関が積極的に環境カウンセラーを運 用しやすくする為の法的位置づけを、国に働き掛けしております。 特に、国が進める環境教育推進の場において、環境カウンセラーの活躍の場が後押しされ、その 実力が十分に発揮されることを願っております。 私事になりますが、高齢者になったことを機会にエンディングプランナーの資格取得を目指し勉 強しましたが、特に、エンディングノートを整理する中で強く感じたことは、今まで会って来た 方々・両親・家族に対するお礼と感謝の気持ちと、今後の生き方を確認する良い機会となったこと をお知らせしたいと思います。 また、エコアクション 21 の今後の伸展について考えると二つ程あります。一つは、建設業の参入 促進を図るため、建設業界と行政機関への働き掛けが必要と考えられます。二つ目は、認証取得に 係るメリットはステータスアップだけでなく、省エネ、人財力・組織力アップ、トップ・経理・現 場との連携、役割分担とチームワーク、コミュニケーションスキルアップ、モチベーションアップ 等のメリットがあることを伝えたいと思っています。 最後になりますが、1 年間、皆様に支えられ励まされ、そして、10 周年記念事業では皆様と力を 合わせ、コミュニケーションを図ることができましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。 ありがとうございました。 FEC協会誌 3 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 2.東日本大震災特集5:復興への道程 2.東日本大震災特集5:復興への道程 「震災から 5 年…被災地現場を取材して 2015.3.26 2015.3.26」 顧問 長澤 利枝 ≪双葉郡富岡町≫ 2015 年 3 月 26 日、建築士 2 人と私で被災地の現場を視察した。行程は、 「南相馬市IC」から「富 岡IC」まで開設した高速道路常磐道を走った。道路から車窓外に広がる光景は、夥しい除染現場。 仮置き場だけでは足りない。フレコンバックはブルーシートで覆われている箇所が多い。道路沿い に立派な家屋が点在している。とても違和感を感じた。友人が「震災前の高速道路で建てた“高速 御殿”だ…そうです」 。原発事故以来 4 年間放置されている。言いようのない虚しさが胸中に広がる。 「富岡IC」線量数値 住民の住めない“高速御殿” 高速道路脇フレコンバックの山 「富岡IC」を出て富岡町へ向かった。周囲はすべて除染 現場。屋敷周辺、田畑、側溝、生活道が対象である。ゼネ コン企業共同体(JV)の作業員たちが、黙々と作業をして 富岡町西側廃棄物仮置き場 富岡駅は津波で流失 いる。放射能廃棄物はフレコンバックに入れクレーン車で ダンプカーに積載し仮置き場に運ぶ行程。広大な土地の除 染は、帰還住民と現場作業員のどちらにも厳しい環境であ る。 富岡駅前に着いた。駅舎は放射能廃棄物の仮置き場と選 別所になっていた。かつての街並みは、地震と津波で倒壊 されたまま。行き交ったのは作業員とダンプカーだけだっ た。 FEC協会誌 4 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ≪双葉郡大熊町・双葉町≫ 国道 6 号線を走らせ、大熊町に向かった。原 発事故の「福島第一原子力発電所」が右折先に ある。この地に入ると放射線量が異常に高くな った。写真の数値は、測定器 2 種で異なったが、 4,96µSv/h、6,985μSv/h と高い。「地形の高 低差があるので、放射能が抜け切れない」と建 築士の友人がつぶやいた。 双葉町に入った。街中に通じる道路両側のす べてが「ジャバラゲート」で遮られていた。 住民のいない家屋の防犯対策だが、これも異様 な光景。 大熊町長者原地区 6 号線の放射線量 大熊町国道 6 号線の 双葉町各道路に立てられている通行止看板 「福島第一原子力発電所」標識 ≪双葉郡浪江町≫ ☆その 1 浪江町請戸漁港・周辺 浪江町請戸地区に入った。ゲートで確認を受ける。建築士罹災証明者の腕章で通される。この 場所は 10 回位来ているので、その度の状況の変化が見て取れる。漁船が片付いた。浜街道に打 ち上げられたがれきが、道路脇で粗分別されている。全壊、半壊の家が取り壊され、土台だけ。 請戸小学校はそのまま残っているが、西側にとても大きな仮置き場が建設された。請戸漁港は時 を忘れて現存している。地盤沈下した田は湿原になり、鴨たちの格好の場所?のようだ。4 年を 過ぎた今、ようやく復興が動き始めた。 浜街道請戸地区でのがれき粗分別 請戸小と津波被災車両 その 2.「なみえマリンパーク」 2.「なみえマリンパーク」 FEC協会誌 5 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ☆その 2.「なみえマリンパーク」 2.「なみえマリンパーク」 今回初めて「なみえマリンパーク」に行った。 請戸川の右が請戸漁港、左の高台が「なみえマリンパー ク」である。海水浴場、宿泊施設、プラネタリゥムなど の施設が整い、名の知られた憩の場所だった。津波です べてが流された。空洞になった建物だけが残った。高い 崖にぶつかる津波の威力が凄まじい。津波に耐え生き残 った椿が咲いていた。「マリンパーク」の西側に破砕施 設、焼却炉建設が進められている。南側は災害がれき置 き場で、敷地内はフレコンバックで満杯の状態になって マリンパーク前の津波被災車両 2 台 いた。被災車両は土手に残されたまま、かつての光景は どこにも見出せない。 浪江町は、 「帰還困難区域」。国道 6 号線西側街中から 県道 120 号の山際までの全体が、除染最盛期で、作業員 の人数、ダンプカー、作業車の台数は半端でない。朝夕、 国道 6 号線は激しい渋滞になる。現在、南相馬市に約 10,000 人の作業従事者が滞在している。 マリンパーク西側焼却炉建設現場 ≪南相馬市小高区≫ 津波で大きな被害地区、浦尻、塚原に足を運んだ。浪江町寄りの浦尻地区は、津波で壊滅的 な被害になった。山沿いの家はかろうじて助かった。多くの犠牲者は原発事故で捜索出来なか った。今尚、行方の分からない方々がいる。・・・合掌・・・ 塚原地区は、低い土地と田圃の多い地帯で、津波が一気に押し寄せた。国道 6 号線を越えて 小高駅とその周辺まで呑み込んだ。かつて「塚原海水浴場」は夏になると、波打ち際で子供た ちの歓声があがっていた。 震災 5 年の今、海岸地帯の防潮堤工事が始まった。屋敷跡地や田畑のあった場所に、災害が れき仮置き場の造成工事の基礎に驚いた。もの凄い広さだ。 災害がれき仮置き場の造成工事が始まったばかり。凹凸の激しい道路が続く。 小高区行津災害がれき仮置き場造成 小高区塚原テトラポット製造現場 FEC協会誌 6 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ≪南相馬市原町区≫ ☆その 1 海岸沿いの復興 正午、南相馬市原町区に到着。堤谷、小沢(壊滅集落消失)、雫、南萱浜、北萱浜、渋佐地区を 通る。災害がれき粗分別の進捗率が良いので、防潮堤工事と合わせて田圃の底上げ(地盤沈下) 作業が進んでいる。地権者との合意で復興工事は左右される。 「はらまちシーサイドパーク」は、スピードのある復興工事が進められていた。昨年 7 月に来た折に、若者たちがサーフィンをしていた。有名なサーフィンの場所である。 “復旧のシンボル”の意思を感じた。しかし、以前の風景になるまでは、自然の忍耐力 に委ねることを、私たちは肝に銘じることが大切と思う。 原町火力発電所と防潮堤工事 シーサイドパーク防潮堤工事表示版 ☆その 2 南相馬市の変化 現在 南相馬市は、20km圏内、津波被害の多くの住民が仮設住宅、借り上げ住宅に住んでい る。昨年から今年になって、大きな変化が生じている。住宅建設のラッシュである。5 年目に入 り、故郷に戻ることを断念した方々が、南相馬市内に家を建てる決心をし始めた。土地、建築費 用等の高騰が続いているようだ。建築依頼をしても 1 年先まで待つとのこと。ハウスメーカー、 地元の工務店は建材不足、人手不足。需要と供給のバランスが取れないで苦労していると聞く。 至る場所の不要な建物が壊される。広い空地が整地される。災害公営住宅、個人住宅が建設中。 作業員宿舎も増設中。 災害公営住宅建築現場 広大な学校跡地の災害公営住宅整地 FEC協会誌 7 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ≪南相馬市鹿島区≫ 午後 2 時過ぎ、鹿島区北海老、南海老地区にた どり着いた。高台の慰霊碑と観音様に黙祷。多く の犠牲者が祀られている。海沿いの高台に、15m の津波が来ることは想定外だったのかも知れな い。奥の山林に逃れた人たちは助かった。 津波で破壊南海老海岸 生き残った車輪梅 上の写真は南海老地区海岸。防潮堤の真下は外洋 で、波が当たる。津波で壊滅したが、所々の道路は 犠牲者を悼む観音様と慰霊碑 破損を免れた。左側は松林が続く防潮林だった。が れきの中に、この地が北限の「丸葉車輪梅」が生き 残った。 今年、市立博物館の学芸員が車輪梅の生息数を調 べ、木々に目印をした。 ・・・松が犠牲になって、車 輪梅を助けた・・・友人が語った。 真野漁港津波での廃船 防潮堤植栽ハマナス 1 年目 真野漁港の新造船と大漁旗 今日の行程の最後、鹿島区真野漁港、右田浜に着いた。真野漁港は造船所、漁具倉庫などが完成 された。係留施設に数多くの新しい漁船が並び、復興を実感した。進水式を終えたばかりの漁船に は、立派な大漁旗が浜風に揺れていた。試験操業でなく、この近海での漁で生業を立てたい・・・ 漁師さんたちの強い思いが伝わってくる。右田浜は、災害がれきの仮置き場で、ダンプカーの出入 りが激しい。 私たちは、現場を取材して言いようのない痛みを抱いた。・・・この光景が 5 年の歳月! FEC協会誌 8 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 3. 「福島環境カウンセラー協会 「福島環境カウンセラー協会 10周年記念事業研修会」報告 事務局次長 新山敦司 10周年記念事業研修会 日時:2014 年 11 月 30 日(日)10:00~15:30 場所:郡山女子大学・郡山女子大学短期大学部 主催:福島環境カウンセラー協会 後援:福島県・郡山市・福島県自然保護協会 福島環境カウンセラー協会発足10周年 開会の挨拶: 福島環境カウンセラー協会は、2001 年 5 月に会員 13 名でスタート し、2011 年 2 月 10 日に「特定非営利活動法人 福島環境カウンセラ ー協会」として登記され、今年で通算 13 年目となりました。 現在は、20 名の会員が加入し、それぞれの団体や個人で活動してい ます。 創立「10周年記念事業」として、昨年度の事業計画の中で検討し てきましたが、 「平成 25 年度 東北地区環境カウンセラー研修会」を 福島市で開催することになり、そちらを優先し、1 年後の今年、郡山 片平会長 にて開催することとしました。 県内から68名が参加しました この研修会を開催した目的は、①会員の研究成果をお互いに学び、今後の活動につなげていく。 ②県民に当会の活動を広く知らせていく。の2点を目的として研修会を計画しました。 そこで、午前の部は「福島環境カウンセラー協会活動発表」とし、4名の会員に活動を報告いた だき、午後からは記念講演として、地球全体の問題となっている「地球温暖化」をテーマとし、国 立環境研究所の肱岡靖明先生には「地球温暖化による影響とその適応策」 、福島大学の渡邊明先生に は「地球温暖化と異常気象」という内容でお話しいただきました。 肱岡靖明先生は、IPCC 第二作業部会第五次評価報告書第 24 章(アジア)の統括執筆責任者とし て活躍されており、お忙しい中おいでいただきました。 渡邊明先生は、地球物理学(気象学)を専門とし、福島県内の異常気象などについてもご研究さ れており、地球にやさしい温室効果ガス排出在り方検討会の委員長などでもご活躍されています。 今回の先生のお話は本当にタイムリーな内容で、10周年記念事業に相応しい内容となりました。 FEC協会誌 9 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ◇福島環境カウンセラー協会活動発表 「除染・・・現場取材を通して伝えたいこと」 発表者:長澤利枝さん ・この間、南相馬の除染作業場を取材している。 ・田畑には、瞬く間に黒いフレコンバッグが積み上げられ運ばれる。 ・民家の境にある山林では、腐葉土がはぎ取られ自然の営みが見えない。 ・仮置き場に積み上げられたフレコンはピラミッドのように積み上げられ、 異様な光景となる。 ・ 仮置き場はどこも満杯、中間貯蔵施設も建設にはまだ課題を残している。 ・ 除染完了率は、住宅 46.5%、公共施設 72.5%、道路 33.2%、水田 62.8%、畑 51.2%、しかし森 林の除染は目処が立っていない。 ・ 除染の遅れで住民の帰還は困難になっている。 ・ まだまだ先の見えない現実に立たされている。 ・ 損害賠償の話は飛び交うが、故郷が遠い存在となってしまった現実はあまりにも残酷である。 ・ 自然の生態系や人間の生活も基に戻ることができるだろうか? 「いわき海岸の放射能汚染とその後の経時変化」 発表者:中西恒雄さん ・震災前、いわき地域環境学会では磯や湿原の観測会や小学校の環境 教育の支援を行っていたが、放射能汚染によって取りやめになった。 ・震災一か月後から、津波被害と放射能汚染の調査を始めた。 ・防潮林内は放射能リスクが高いため、高齢者で調査を行った。 ・砂浜の放射線量は、砂浜の下層部に高濃度の汚染があることが分か った。 ・いわきの海岸14カ所で、空間線量と海水、海底砂の線量を調査し、 これらの結果を、機関誌や会の発表会に公表してきた。 ・ 放射能調査の結果、以下の事が分かってきた ①砂浜の波が影響しやすい波打ち際では、上層部から下層部まで低減し、多くは事故前に近い状 態まで低減している。 ②波があまり影響しない陸側では殆ど変化せず、下層部の汚染はそのまま残っている。 ①が影響しない砂浜は、通常の陸上部と同様に表層部のみ汚染されている。 FEC協会誌 10 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 「福島議定書省エネアドバイザーの活動について」 発表者:鈴木 一さん ・福島県では、温室効果ガスの削減目標を決めて取り組んでいる。 ・2007 年度からは、独自の取り組みとして「福島議定書」事業を開始し ている。 ・2013 年 3 月に目標を見直し、」2020 年度に 1990 年比-20%、2040 年 には-80%を目指す事とした。 ・再生可能エネルギーの導入目標は 2040 年を目処に 100%を目指す目標 を設定した。 ・ その計画の中の事業の一つとして「省エネアドバイザー事業」があり、2011 年度より福島環境 カウンセラー協会が県と委託契約を結び実施している。 ・ 費用は無料で受けることができ、専門知識を持ったアドバイザーが省エネの助言を行っている。 ・ 震災後、日々の生活を見直し、節電、節水などの省エネ対策を進めていく事は、温暖化防止、エ ネルギーの供給の安定化をもたらし、復旧・復興への一助へとつながる。 ・ そして、小さなことから継続して取り組むことの大切さを示唆している。 「尾瀬の自然について」 発表者:星 一彰さん ・尾瀬国立公園は、高層湿地特有の多様な徴地形が発達しており、 日本の自然の中でも貴重な存在となっている。 ・尾瀬独特の植物や動物も多くあり、貴重な自然を残している。 ・しかし、水資源を巡っての問題が発生しており、尾瀬ヶ原のダム 計画は 1996 年に水利権放棄で決着したが、尾瀬沼は 10 年毎の更新とな っており、現在も問題が残っている。 ・ 水の微妙なバランスによって成り立っている湿原だが、尾瀬沼の水問題がある。沼取水発電が 1949 年に工事完了し、自然破壊が進行した。取水によって沼の水位が3m下がり、尾瀬ヶ原の 乾燥化が進行し、ヤマドリゼンマイなどの大繁殖が認められるなど、多くの問題が含まれている。 ◇記念講演1 「温暖化による影響とその適応策」 肱岡靖明氏(国立環境研究所社会環境システム研究センター 環境都市システム研究室室長) ・ IPCC第5次評価報告書は、308 名の執筆者,70 カ国,50,492 の レビューコメントで作成され、国際的な共通認識として公表されてい FEC協会誌 11 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 る。 ・ これまで温暖化影響への適応の重要性が報告されているが、今回は適応と緩和の双方が不可欠が との知見を示した。 ・ 地球温暖化が原因となって観測されている事象は数多くある。今回は、その影響度合いが大きい ものと小さい物との区別も行った。 ・ アジアでも多くの事象が観測されており、淡水資源マネジメントや農業対策などの適応策がすで に講じられている。 ・ 2100 年までの気温変化のシミュレーションが公表され、最大 4.8℃の上昇が予測されると報告さ れた。 ・ 日本においても、年平均気温は 1989~2013 年のデータによると 100 年あたり約 1.14℃の割合 で上昇しており、2010 の夏(6 月~8 月)の平均気温は,1898 年以降の 113 年間で第 1 位を記 録している。 ・ 日本でも生態系への影響では、桜の開花の早まり、イロハカエデの紅葉の遅れ、高山生態系の消 失。農作物の品質低下、栽培適地の移動、感染症媒介蚊の分布域の北上などの影響が出ている。 ヒトスジシマ蚊によるデング熱は記憶に新しいことである。 ・ 最善の緩和の努力を行ったとしても,世界の温室効果ガスの濃度が下がるには時間がかかるため, 今後数十年間は,ある程度の温暖化の影響は避けることができない。 ・ 既に温暖化の影響ではないかと考えられる事象が現れつつある。 ・ 悪影響に備える適応策(気候の変動やそれに伴う気温・海水面の上昇などに対して人や社会、経 済のシステムを調節することで影響を軽減、対処療法的な取り組み)が必要となっている。 ・ 適応策に関しては,科学的な研究や国・自治体における検討は始まったばかりである。 ・ 適応策の事例として、防波堤の建造・嵩上げによる防護といった適応策、洪水対策、農作物の作 付や収穫時期の変更、健康インフラ、感染病予防対策などがあるが、海外ではすでに進んでいる。 ・ 政府でも適応策の検討が始まっており、27 年度夏目処に政府全体の総合的・計画的な取り組み として適応計画を策定し、5年程度を目処に定期的な見直しすることとしている。 ・ 温暖化の影響は既に現れており,将来の悪影響が懸念される。 ・ 温暖化対策は緩和策と適応策の双方が不可欠である。 ・ 適応策は全く新しい施策ではない。①既存施策の有効活用+将来気候を考慮した見直し。②温暖 化・影響の進行状況の把握:モニタリング。③社会経済の変化を考慮した総合的な環境対策。が 大切である。 ◇記念講演2 「地球温暖化と異常気象」 渡邊明氏(福島大学渡邊明特任教授) ・ 異常気象とは、「短時間で大きな被害が発生した気象現象(台風, 竜巻,豪雨,豪雪,降雹,強風等)、「長時間にまれに起こる現象」 と定義している。 FEC協会誌 12 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ・ 世界の気温が上昇しており、福島県でも同様の傾向が観測されている。大気の流れの変化も観測 されている。 ・ この間、豪雨による被害も増えてきている。 ・ 会津の豪雨の発生を見ると、発生頻度が増えてきている。1998 年 8 月 4 日、 2004 年 7 月 12 日、2011 年 7 月 27 日)台風や降雪も増えてきている。 ・ 海水温度の上昇が観測されている。特に、深い所でも温度が高くなってきている。台風に関して も、通常では海水が撹拌され海水面の温度が下がって勢力が小さくなるが、海水面の温度が下が らない事から大型化する。雨雲に関しても同様の傾向となっており、豪雨や降雪につながってい る。 ・ 地球温暖化と異常気象の発生の傾向と観測してみると、影響があることは否定できない。 ・ 地下資源に依存しないエネルギー社会こそが真の持続循環型社会です。 ・ 温室効果ガスを排出しない社会から、積極的に減らす社会を創ることが異常気象や災害を低減す る安全・安心な社会創りです。 ・ 分散型エネルギー社会は、欲しいだけ与えられる社会でないかもしれませんが、必要なものを賄 える社会です。 ・ 次世代に住みよい環境を残すために、続けましょう、環境改善の行動を! ■今回の研修を開催して ・ 今回は、会員の所属団体だけでなく、行政や地域へのお知らせを行い68名の方に参加いただく 事ができました。100名を目標として取り組みましたが、学生の方、行政の方、環境に関する 団体に所属する方など、幅広く参加いただき、当初の目的を達成する事ができました。 ・ 外部講師の方もお招きし、たいへん内容の濃い研修会が開催できました。10周年を機に地域へ の貢献もできたと考えています。 ・ 午前中の会員の報告もたいへん勉強となりました。会員は、地域や所属団体で素晴らしい活動を されています。今後、会員同士で学び合う場を作っていきたいと考えます。 ・ この企画を作るにあたって、会員が何度も集まり具体化してきました。企画作りに関われなかっ た会員も、当日の準備や運営などにも自主的に参加し、会の結束の強さを感じる事ができました。 ・ 今後も、会員同士が学ぶ場、広く県民の皆さんとも一緒に学ぶ場、環境保全活動へのカウンセリ ングや情報発信を行っていきたいと思います。 FEC協会誌 13 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 4.平成26年度活動報告 4-1「 4-1「福島と復興に向かった 1 年」会員 1. はじめに 佐久間 光好 あっという間の 1 年が過ぎてしまった。最近とくに時間の短さを感じ中途半端な活動内容を反 省している。 年間の主だった活動取り組みを拾いながら、次へのステップづくりをするために活動内容を報告 する。 2. 活動事例―1 森の恵みを子供たちへ 例年行っている事業で、うつくしま基金を活用した保育所・幼稚園園児向けに「積み木」を手 作りで作り届ける活動を年当初から展開、実施した。 以下報告文を掲示する。(原文のまま) 1.はじめに 平成 26 年も昨年に引き続き、県内の子供たちに森の恵で作った積み木やカスタネット玩具を配 ることができた。その経過を整理したので報告する。 2.活動目的 ここ数年県内のイベント、保育園・幼稚園対象に木製玩具や積み木・ストラップを作り配布して きた。木のぬくもりはほかのものに替え難く、すさんでいる里山・森林、間伐材利用にはもってこ いで、二酸化炭素削減・環境教育を兼ねて実施するものである。 3.活動経緯 これまで、環境イベントなど里山林活用で、竹や間伐材を活用した木工製品を作り、環境教育と 相まって実施してきた。しかしながら活動が広域化するとそれに伴う制作活動資金が不足するに至 った。助成制度を活用しようと申請を重ねるが、活動実績が公の中で乏しく認められることなく経 過した。 たまたま、木製玩具でこどもたちとの交流を展開する活動計画が認められ、初助成を受け展開す るに至っている。これまで竹とんぼや、ストラップなど配布は 5000 個を越し、国内だけではなく 広く海外まで浸透している。 今回は、昨年から県内の保育園・幼稚園対象に行っている「積み木」に重点をあて実施した。昨 年7園で 600 余名分配布したが助成対象となったので8園、 860余名分用意し活動を展開した。 4.スタッフと活動資金 スタッフはカウンセラー協会有志と保育士ボランティアで組織し各地を巡回した。 活動資金は NPO からの資金が難しくなってきたので、公的基金へ公募申し込み、今回合格した。 FEC協会誌 14 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 5.実施内容 積み木はいいと言われてきたが、市販品は価格的に非常に高く、海外製品は特に高価である。国 内産材は香りのいいヒノキ材や、すぎ、松など特色のある材料があるので有償・無償で集め、集積 しながら作成、安全なように仕上げて配布した。県内の園に時間日時調整した上で訪問、子供達や 先生方に環境学習を含めて展開した。 ◆訪問園 原町あずま園(南相馬市)8/26 訪問 本町保育所(いわき市)9/5 訪問 エムポリアム並木保育所(郡山)8/28 訪問 若松第3保育園(会津若松市)9/12 訪問 蓬莱第2保育所(福島)8/25 訪問 梁川保育園(伊達市)8/27 訪問 白河保育所(白河市)9/9 訪問 ※配布積み木 白河みのり保育所(白河市)9/9 訪問 13 号容器に満載 大型ネット一杯 6.問題点 昨年は木の箱(ヒノキ)を作りその中にいれて風合いを出そうとしたが、園児が遊ぶとき多くの 積み木を使ってダイナミックにやらせたほうが良いというので、積み木の量をできるだけ増やした。 小さな積み木は、乳児は口へ持ってゆくので、3.4cm 以上として小さめのものは、保育士の先 生方に配慮をお願いした。 節や年輪はそのまま残し、疑問を持つよう配慮、先生方に引き継いでもらった。 塗装は一切行わない。 7.今後の展開 保育園だけに絞っても県内では 330 を超える。全部へ配布するにはそれ相当の資金と、活動時 間やスタッフ、関係各位の努力が必要となってくる。また、中心となって事業をまとめる人材が必 要で、状況がバリアブルに変化するので、体制作りも必要であるし、後進指導も必要である。 需用と供給を考えてみた場合、かなりの需要はあって、待ち望んでいるように察する。ただ受益 者に対する情報が浸透していないので知らないでいる保育園も多いのではないかと察する。PR 強 化が必要。 今回、別の事業で里山林材の利活用をテーマに市民が集まって研修会を行っているが未利用間伐 材は結構あっても、機械を持たない市民グループの限界が見えており、ハード・ソフト両面からさ らに掘り下げ展開しようと思う。 積み木活用の希望園をさらに調査しながら、それに見合う予算化、はたまた助成の研究を取り組み たいと考えている。 FEC協会誌 15 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 3.活動事例― 3.活動事例―2 活動事例―2環境省「体験の機会の場」県知事認定 県第 1 号 「体験の機会の場」認定制度は平成 24 年 10 月 1 日に施行された制度である。本会メンバーの樽 井氏の協力の元、自然体験学習を主体とした「里山林・自然塾」を立ち上げた。全国で 9 番目、東 北・県内で第 1 号となった。 詳細は福島県ホームページに掲載されている。 昨年暮れから認定準備をしていて、昨年実施した里山林活用事業の 2 年目展開がしやすくなった。 各方面にPRし、指導者養成向きにも好評である。郡山女子大や日本大学工学部にも情報提供し、 近々現場視察の準備中である。 4.活動事例― 4.活動事例―4 活動事例―4 マスコミPR 今回も多くのマスコミメディアで活動を取り上げていただき、推進力をいただいた。 感謝: ・福島放送・FM福島・福島民報社・福島民友社・郡山市制施行 90 周年記念ホームペ ージ・日本環境フォーラム・郡山市社会福祉協議会・ 福島県ホームページ・環境省パンフレット・郡山市議会代表質問・ FEC協会誌 16 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 4-2「福島県南地域環境保全のための活動報告 4-2「福島県南地域環境保全のための活動報告」 福島県南地域環境保全のための活動報告」 西郷くらしの会 会長 大越 則惠 ・阿武隈川の水質調査 本流5か所(6月2日) ・堀川3か所(9月1日) 水生生物・パックテストによる水質を調査し、結果をせせらぎスクール(環境省および全国一斉 調査(全国水環境マップ)に報告している。 ・県南地域の小学校総合学習授業の指導 棚倉小学校(6月6日・9月9日)高野小学校(9月3日)関辺小学校(9月4日)で水質調査 を実践し、生活と水質について学びあう。 棚倉小学校 6月 久慈川 9月 山本不動 関辺小学校 FEC協会誌 17 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 高野小学校 ・地域水質調査支援、指導 矢吹町こうすっぺ西側(7月27日)、西郷村追原カジカの里づくり(8月3日) こうすっぺ西側 カジカの里づくり ・環境学習指導者のためのステップアップ講座開催 おもに福島県内の指導者(小中学校教諭含む)で上級者対象。講師は福島大学堤忠顕教授。生物 採取は西郷村堀川、座学は西郷村文化センター(8月30日) FEC協会誌 18 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 4-3「川の活動他」 副会長 相楽昌男 原発震災から丸4年、いまだその影響で郡山市では身近な自然体験活動が停滞しています。 その中で、私が参加している仲間や個人としての活動を3つの視点で報告します。 【逢瀬川での活動再開:自然体験イベント&河川ゴミ拾い】 2000 年から始まった河川浄化活動そしてその後子供たちと開始した自然体験川塾や野外イベン トが震災の影響で 2011~2014 の間、郡山市街地での川活動が停止していました。 市民が不安に感じている中で、何とかしたいという思いで、仲間と放射線測定や専門家と市民科 学者を目指し学んできました。また、放射線の心配がない郡山市湖南地区などで限定的に自然体験 イベントをしてきました。しかし、子供たちが住んでいるところの近くで自然と接する機会が殆ど ないことに 危機感を感じるようになりました。このままでは子供たちの心の中から身近な自然が消えてしまっ て、心の中の故郷の原風景が消えてしまうのではという思いが募るようになりました。 水中線量 r 空間線量マップ 逢瀬川ふれあい通り そこで逢瀬川ふれあい通りの仲間 in Summer と限定的な場所ですが、河川敷で 野外活動再開しようとなりました。 昨年、仲間と放射線の除染依頼や活動場所の放射線測定の線量を詳細にチェックし、待望の活動 を4年ぶりに7月と10月に逢瀬川富田親水公園の河川敷で再開しました。子供たちの活動報告や 踊り、カヌー体験など住民の方たちと楽しい時間を過ごしました。特にカヌー体験では集まった親 子が堰を切ったように川の中で思いっきり楽しんでいたのが印象的でした。 再開のもう一つは川の中のゴミ拾いでした。堤防上部以外は放射線が殆どないのがわかりました ので、試験的に実施することにしました。震災後、いろいろな思いがありましたが、自然の中で体 を動かしながら考えることで気づくことがあるように感じました。これからは活動を続ける中でど うしたらよいのかを考えてみようと思います。 逢瀬川ふれあい通り ゴミ退治 石巻の NPO ひたかみ水の里(川塾)が震災後初めてやってきた FEC協会誌 19 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 【建築的省エネ:太陽熱の遮熱と蓄熱の検証開始】 震災後電力不足が叫ばれ、様々な省エネや再生可能エネル ギーの動きが活発になりました。復興プロジェクトの殆どが どちらかというと高価なハイテクに偏っているように思え ます。それはそれで効果的と思います。しかし、私は昔から ある夏の打ち水や土蔵の暮らしなど、普通の人がお金をあまり使わずに生活の中で工夫することも あってもよいのではと思いました。以前、企業で熱コントロールの仕事が多く、太陽熱利用のプロ ジェクトにもかかわったことがあるので、太陽熱制御の実証試験に取り組もうと考えました。まだ 測定機器がそろっていないので大まかな推定の段階ですが、太陽の四季の軌跡を考慮した夏の遮熱 に関してはよしず・アルミフィル ム・通風等の効果、冬の採熱室・ 吸熱蓄熱材利用の効果、それぞれ 手応えを感じていますので、何と か測定機器などを整備し協力者 を募り詳細なデータをとり市民 へ還元できればと思っています。 【環境的多様なネットワーク】 現代社会では環境に限らずあらゆるものが専門に分けられてしまっています。環境が人に実体的に 与える影響は総合的で複雑に絡み合っていると思います。そこで縦割り的でなく横断的な情報や価 値観の共有が必要に感じます。また、専門家と一般の方との接点、若い方たちと年配の方たちとの 環境についての交流が不足しているのではないでしょうか。震災前に自然観察ワークショップで気 づいたのですが、様々な講演会、学習会、体験会が開催されていますが学びだけで終わってしまう 事が多いように思われます。専門家の皆さんも気づかれてはいるようで自然体験イベントも少しず つ変化して実践的な試みが増えてはいるようです。そこで、私も参加して会員の宗像さんが震災前 から開催している「環境再生活動 事例発表会」はその新たな試みです。特に震災後若い人たちがボ ランティア活動に積極的なので環境について多様な分野の人たちをつなぐ場の提供の主体として次 の世代に継続的に期待です。 詳しいことは、宗像さんの報告をご参照ください。 自然観察ワークショップ 自然観察ワークショップ 第5回「 第5回「環境再生活動 事例発表会」 事例発表会」 FEC協会誌 20 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 4-4 4-4 「里山復興事業:他分野活動報告会他 「里山復興事業:他分野活動報告会他」 会員 宗像 亮 事業・年間活動の振り返り 平成22年度の震災前に、この他分野活動報告会: 「環境再生活動事例発表会」を開催し、 昨年度で5年目を迎えました。専門学校における自然環境分野の学生の環境活動事例として 経験・学んだことを地域へ伝えることが当初の目的であり、あわせて福島県の自然環境に関 わるみなさまの活動を地域へ発信(還元)するために始めたものでした。この発表会は福島 県・東北でも初めての事例で、当時の学校の屋上のビオトープネットワーク実例もめずらし い試みでした。しかしながら、3.11の震災・原発事故を経験した私たちには、以前の状 況とは異なり、過去の発表会にとらわれることなく、県内外も含め行政や放射線の影響と街 づくりや地域の活動事例を広く学び、農家の方がたの現状や様々な地域・立場の世代間の交 流により地元で学ぶ大学生を含めた若者の活動紹介に移行してきました。今後も地域で活動 されている市民と若者や学生・親子など多様な立場の交流・情報交換を継続しながら協働の 場としての持続可能なしくみづくりに向けた試みをしたく思います。 さっそく3月から第7回(10月10日予定)へ向けた準備が始まりました。大学生、社 団法人、NPO、学校関係者などの実行委員会のみなさんとともに協力しながら運営したく 思います。 ■シンポジウム案内ちらし■ ~自然豊かな暮らしを取り戻すために その2〜 第6回環境再生活動事例発表会【福島】 今年も継続して環境再生活動 事例発表会【福島】を実施することと いたしました。震災を経験した福島の再生支援活動には分野や世代を超 えた協力が必要です。震災前の平成22年から継続の本発表会では、地 域の環境再生活動や震災復興の事例を学びつつ地域協議会・NPO・学 校・企業・農家・市民との協働のための連携・交流の場を設けて参りま した。 あわせて震災後4年目を迎えるにあたり、大学生を中心とした 若者が、自然豊かな福島で持続可能な活動をするための学びの場と実践 につなげることも目的として開催いたします。 ◆日時:201 ◆日時:2014年 2014年 12 月7日(日)1 7日(日)10:3 0:30~15:0 15:00 :00 (10:00開場) (10:00開場) ◆会場:福島県民の森 フォレストパーク あだたら レクチャーホール(地下1階) 〒969969-1302 福島県安達郡大玉村玉井字長久保 68 ℡02430243-4848-2040 http://www.fpadatara.com ◆参加費:一般1,000円、学生500円 ◆参加費:一般1,000円、学生500円 約40名 ◆◇◆ 当日プログラム (演題・スケジュールなど一部仮のものを含みます)◆◇◆ ◆午前の部:10:30~11:30(10:00開場)*質疑含む 基調講演「震災からの復興・南相馬市の自然、景観、生物を利用した街づくり」稲葉 修:南相馬市博物館 ◆学生中心のパネル発表・展示 :11:30~12:00 *郡山女子大学ナチュラルライフスタイル同好会、文京学院大学(さいたま県)、日本大学工学部 RISM、ふくしま復興支 FEC協会誌 21 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 援学生ネットワーク、専門学校 WiZ 国際情報工科大学校 放射線工学科、郡山ふるさと田舎体験協議会 NPO法人 みんなのあそび塾にょきにょき(NPO 法人、地域活動協議会なども含む) ◆『昼食・交流会』 12:00~12:40 *『郡山市逢瀬町の母ちゃんズ』による里山料理(野菜の手毬寿司・お惣菜・汁物など) ◆午後の部:12:40~14:30…「市民による発表」 ①「牧場づくりから見えたこと」鮫川村:NPO法人 明日飛子ども自立の里 理事長 ②「食べてつながろう西会津の会のとりくみ」NPO法人 食べてつながろう西会津の会 ③「低線量地域の住宅除染法」南相馬市:庄建技術㈱ 技術士 高橋 清水 国明 理事長 三留 弘法 正則 ④「自然豊かな暮らしを取り戻すためのアプローチをして見る・東北地方に現存する伝統演劇から」 日本大学大学院工学研究科建築学専攻建築計画研究室(浦部研究室) 博士後期課程 渡辺 洋一 ◆14:30〜15:00 発表者・参加者によるディスカッション・ワークショップ・まとめ ●ファシリテーター:高橋あゆみ 福島大学 教務課 ふくしま未来学推進室事務局 ◇共催:NPO 法人 福島環境カウンセラー協会、ふくしま復興支援学生ネットワーク、第6回環境再生活動事例発表会【福島】実行委員会 ◇協力:福島県自然保護協会、郡山ふるさと田舎体験協議会、専門学校 WIZ 国際情報工科大学校、逢瀬いなか体験交流協議会、南相馬市 博物館、日本大学工学部工学部RISM、郡山女子大学NLS同好会、文京学院大学 ◇後援:公益財団法人 ふくしまフォレスト・エコ・ライフ財団、認定 NPO 法人自然環境復元協会、福島民報社、福島民友新聞社、福島 テレビ、福島中央テレビ、福島放送、テレビユー福島 ■第6回環境再生活動事例発表会 第6回環境再生活動事例発表会【 環境再生活動事例発表会【福島】 福島】の写真報告■ の写真報告■ ① フォレストパーク 弦間 事務局長から挨拶 基調講演「南相馬市博物館 ② 津波被害あとの生き物:コガネグモ 学芸員 稲葉 修氏」 震災前の自然観察会の様子 FEC協会誌 22 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ③ 南相馬市 被災地でのミズアオイ 参加者約 50 名中、大学生など若者が 30 名参加 ④ 日本大学工学部(RISM)の発表(平君) 「わりばしから環境を考える会」の発表(福島大学) ⑤ 昼食準備:郡山市逢瀬いなか体験協議会の母ちゃんズ 郡山女子大学 NLSの活動発表 FEC協会誌 23 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ⑥ 埼玉県:文京学院大学より都市農村交流農水省事業の発表 パネル発表時の会場の様子 ⑦ 郡山ふるさと田舎体験協議会(水環境保全事業) 「猪苗代鬼沼での生き物観察会とオオハンゴウソウの防除活動」について ⑧ NPO 法人みんなのあそび塾 にょきにょき 代表近野さん フォレスト協賛: 「未来ふくしま里山交流事業」の報告 FEC協会誌 24 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 ⑨ 野菜の手毬寿司の完成!! 昼食・交流会 里山料理を話題に交流会もなごやかに! ⑩ 昼食後:参加者の皆さんと恒例の集合写真撮影(女性と学生さんなど若者が目立ちます) ■昨年度のNPO・地域協議会等での活動まとめ ① 1月~3月 計3回実施 合計約80名参加(有機農家・大学生・農家民宿経営者など) 都市農村交流交付金:農水省事業 「農家民宿における大学生向けの研修プログムの開発」による 郡山市逢瀬町の田舎料理のメニューづくり勉強会及び地域と若者・県内外の大学生との交流 企画・運営 ② 5月 「郡山市逢瀬町の里山の野鳥観察会」企画・運営 学生など10名参加 講師:横田清美氏 ③ 6月 「里山マスター養成講座プログラム」企画・運営 参加者:県内外12名 講師:おーでらす ④ 7月 活動 ⑤ 8月 水環境保全事業 猪苗代湖鬼沼周辺の生き物観察及び特定外来生物(オオハンゴウソウ)の防除 郡山ふるさと田舎体験協議会 協力会員として企画・運営 都市農村交流事業活用「日本女子大学との郡山市逢瀬町の里山交流プログラム」実施協力 2回 ⑥ 10月 福島県林業会館協賛:フォレストパークあだたら「未来のふくしま里山交流事業」企画・運営 ⑦ 11月 都市農村交流事業 里山料理勉強会(講師:磐梯町モリトハタケ)及び農家民宿視察 石川町農家 Cafe、南相馬市いちばん星の2件 主旨・スケジュール企画・運営 ⑧ 12月 里山復興事業:第6回環境再生活動事例発表会「福島」 企画・運営 参加者約50名 以上 FEC協会誌 25 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 4-5活動報告 事務局長 鈴木 一 福島県再生可能エネルギーコーディネーターから 再エネCD 鈴木 一 平成 24 年度から福島県庁産業創出課に勤務し、福島県再生可 能エネルギー関連産業コーディネーターとして従事しました。 県内における再生可能エネルギー関連産業の集積を図るため、 県内企業と県内外の大学並びに再生可能エネルギーに関連する 企業及び機関とのマッチング等業務に取り組んでいます。お気 軽にお問い合わせください。 次に、平成 26 年度の再生可能エネルギーコーディネーターの主な成果についてご報告します。 1.再エネマッチング(福島県内企業の事業取引及び再エネ設備導入) 再エネマッチング (1)温度差発電(ゼーベック素子)新潟県瀬波温泉にて実証試験中「100W 発電装置」の導入 (2)小型木質バイオマス発電システム 小型木質バイオマス発電システムの導入 (3)ハイブリッド街路灯 ハイブリッド街路灯(自立型)の導入 (4)県内カメラ組み立てメーカーとの連携 東北大学と相互協力会社とのマッチング (5)メガソーラー建設 大規模太陽光発電所の県内建設事業 (6)伊達市スマートコミュニティ事業との連携 総務省被災地域情報化推進事業 2.再エネ事業海外連携 (1)デンマーク バルブのメーカー FRESE 社と県内企業との連携 (2)デンマーク メーターのメーカー Kamstrup 社と県内企業との連携 3.再エネ人材育成・再エネ関係者とのコミュニケーション 再エネ人材育成・再エネ関係者とのコミュニケーション (1)地域イノベ「再エネ技塾」(福島大学)セミナー開講に係わるマッチング (2)葛尾村をフィールドにしたFS実務研修(福島大学)に参画 県内における再生可能エネルギー事業の具体的な候補案件を題材とする「事業性評価(FS 実務研修)」。葛尾村全域をフィールドとして、葛尾村の「かつらお再生戦略プランに基づき、 村が導入を検討している様々な再生可能エネルギーの利活用をモデルに、その事業性について 多角的な検討を行い、その結果を村に報告した、極めて実践的なFS研修でした。 FEC協会誌 26 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 【葛尾村FS実務研修 集落部現地調査 蓄農団地】 【葛尾村FS実務研修 集落部現地調査 葛尾地区】 【葛尾村せせらぎ壮】 (3)再エネ関係者 Meeting 開催 再エネ関係者による Meeting(ハイテクプラザにて)を主催 (4)地域コーディネーター会議 超学際的研究機構主催の地域コーディネーター会議に参加 4.再エネ相談コーナー開設 (1)RIEF2014 12 月 3 日~4 日 県ブースに再エネ相談コーナー開設(ビッグパレットにて) (2)ENEX2015 1 月 28 日~30 日 県ブースに再エネ相談コーナー開設(東京ビックサイト) 5.出展要請 (1)ENEX2015 福島パビリオンへの出展要請 県内企業8社が出展(東京ビックサイトにて) (2)ドイツ E-world energy & water への出展要請 県内企業3社が出展承諾(NRW 州にて) FEC協会誌 27 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 6.主な事業視察 (1)土湯温泉バイナリー発電事業の聞き取り調査及び視察 【土湯温泉街の入口付近の風景】 7月に 400kWの発電事業視察 【16 号源泉視察(バイナリー発電機の設置場所)】 (2)環境省 除染技術実証採択事業「バイオコークス製造設備」を視察 川俣町山木屋地区にて 【環境省「バイオコークス製造設備」視察】 (3)富士通(株) 会津若松工場「野菜工場」視察 12月に CR 内の低カリウムレタス工場視察 7.その他 産総研シーズ支援への参加(申込)要請 県内某企業が採択された。 以上 FEC協会誌 28 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 再エネふくしまを創ろう!! 福島県では、県内における再生可能エネルギー関連産業の集積を図るため、再生可能エネルギー 関連産業にかかる相談窓口を開設しています。 【再生可能エネルギー相談窓口のご案内】 再生可能エネルギーに関する各種ご相談に応じています。 次の連絡先までお気軽にお問合せください。相談の内容によっては関係課などへお繋ぎ致します。 なお、返答まで数日程度時間がかかる場合があります。お急ぎの方は直接電話にてご相談くださ い。 (受付時間は 9:00~16:45) 再生可能エネルギーに関するご相談、お問い合わせ等をお待ちしています。 1.福島県ハイテクプラザ 産学連携科 担当 専門研究員 渡邊 真 [連絡先] ℡:024-959-1741 E-mail:[email protected] 【相談分野】技術相談、機器利用の予約、産学連携相談、知財相談、見学 等 2.テクノ・コム(福島県産業振興センター 技術支援部) ① 担当 地域連携コーディネーター 冨田 康男 [連絡先] ℡:024-963-0121 E-mail:[email protected] 【相談分野】地域イノベーション戦略支援プログラムに関する再エネ研究・開発及び人材育成 ② 担当 コーディネーター 小川 健史 [連絡先] ℡:024-959-1961 E-mail:[email protected] 【相談分野】再生可能エネルギー産業フェア(情報発信・収集、マッチング)に関すること。 3.福島県商工労働部産業創出課 ①担当 福島県再生可能エネルギー関連産業コーディネーター鈴木一 [連絡先] ℡:024-521-8286 E-mail:[email protected] 【相談分野】企業と大学並びに再エネ関連の企業及び機関とのマッチング、紹介、発掘、情報提供 ②担当 福島県再生可能エネルギープロジェクトマネージャー佐藤 正治 [連絡先] ℡:024-521-8286 E-mail:[email protected] 【相談分野】再生可能エネルギー次世代技術開発プロジェクトの推進、マッチングに関すること。 福島県商工労働部産業創出課 〒960-8670 福島市杉妻町 2 番 16 号(西庁舎 10 階) ℡ 024-521-8286 fax 024-521-7932 FEC協会誌 29 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 平成26年度事業の概要 1.福島議定書省エネアドバイザー派遣委託事業 福島県と当協会とで委託契約を締結し、平成 26年度福島議定書省エネアドバイザー事業を主管 省エネアドバイザー 8名登録(片平、青木、渡邊、白石田、鈴木、新山、佐久間、尾形) 【経緯】6 月初旬 福島県からアドバイザー派遣事業について受託の打診あり 6 月 24 日 福島県と当協会との間で委託契約を締結 7月 3 日 省エネアドバイザー募集開始(募集案内送付) 8月 2 日 事業説明会&委嘱式を執り行う(8名委嘱)コラッセふくしま6階会議室にて 9 月~11 月 省エネアドバイザーを派遣(県内企業4件)、1 つの案件につき 2名派遣 2 月 20 日 変更契約書を締結(派遣業務委託内容の変更(派遣件数の変更)) 3 月 10 日 「福島議定書業務実績報告書」提出及び「委託業務完了届」を提出し事業完了 2.エコアクション21・省エネ普及セミナー 6 月 26 日(木) 県内の中小企業&行政等32事業者に対してセミナー及び個別相談会を開催した。 コラッセふくしま(福島市)6階 会議室にて 担当 片平 、青木 、鈴木 一 3.環境グッズPR事業 ストラップ 1,100 個を作成して 8 月から配布(配布先:ECU、環境カウンセラー研修、保育所 訪問、郡山市 90 周年イベント、環境展プロダクツ、復興再生事業等) 担当 佐久間 氏 4.里山復興事業 第 6 回環境再生活動事例発表会 基調講演 南相馬市博物館 稲葉 修 氏 12 月 7 日(日) 福島県民の森フォレストパークあだたら 参加者 50 名(うち学生 30 名) 担当 宗像 5.協会機関誌発行(第 5 号) 6 月発行(印刷及び協会会員に電子ファイルで送付) 担当 青木 6.復興再生事業 4 月 南相馬市で開催された復興再生事業に各地の環境カウンセラーが参加した。担当 長澤 7.10周年記念事業 担当 全会員 11 月 30 日(日) 郡山女子大学・郡山女子大学短期大学部にて開催 参加者68名 会員活動事例発表: 長澤、中西、鈴木 一、星 基調講演 :(1) 国立環境研究所 社会環境システム研究センター 環境都市システム研究室 (2) 福島大学 肱岡 靖明 室長 (工学博士) 渡邊 明 特任教授 (理学博士 ) FEC協会誌 30 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 8.その他の事業 1)「エコプロダクツ 2014」出展 12 月 11~13 日 3日間 ECU のブースを借りて、福島の震災復興及び展示説明、ストラップ配布 2)基金活用事業 ・里山の利活用事業・・・里山林材の活用(フォレスト基金助成事業) ・赤い羽根・・・ 伐採した木材よりカスタネットを作成し、幼稚園・保育所等へ森林保全 PR 活動 (赤い羽根募金事業) ・積み木事業・・・ 保育園巡回(うつくしま基金) 【編集後記】 環境カウンセラーの役割が地域の一助となるためには、目的を明確にして、会員それぞれが活動 されている事例をこの会報を通じて、理解し・共通認識を持つことが重要であると考えています。 また今年度は10周年記念行事研修会を契機にあらたな節目をむかえ、震災後5年目の福島県の状 況のなか会員それぞれのみなさまのご協力により、環境カウンセラー協会報第6号を発行すること が出来ましたこと寄せられた寄稿とともに感謝申し上げます。 (宗像 亮) FEC協会誌 31 FEC協会報 2015.5.24 【第6号】 NPO法人 福島環境カウンセラー協会報(FEC協会報) 第6号 発行日 発行 平成27年5月24日 NPO法人 福島環境カウンセラー協会 発行責任者 片平 大造 事務局 編集担当 鈴木 一 宗像 亮 新山 敦司 お問い合わせ先 福島市瀬上町字四斗薪 5-5 mail [email protected] 会長 片平 大造 FEC協会誌 32