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Q20: 福島県で現在設定されている食品に関する汚染の規制値は

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Q20: 福島県で現在設定されている食品に関する汚染の規制値は
Q20:
福島県で現在設定されている食品に関する汚染の規制値は、チェルノブイリ事故の
時よりもゆるい規制値だと聞いたのですが本当でしょうか。
チェルノブイリよりも規制値がゆるいとしたら日本でもガンなどの健康への影響が
心配です。
A:
1.チェルノブイリとの比較
福島県を含め、日本の食品に関する放射性物質の暫定規制値は、原子力安全委員
会によって示された「飲食物接種制限に関する指標」を参考に厚生労働省が設定し
ており、これを超えた食品は販売等をすることができません。
チェルノブイリ事故の10年後、内部被ばくの人体への危険性を重視して1997年(
平成9年)に改訂、厳格化されたウクライナの規制値(放射性セシウム含有量)と
日本の規制値を比較してみると、日本の方が規制値は高く(ゆるく)設定されてい
ます※1。また、その他の国の規制値と比較してみても、食品の種類によっては日本
の方が高い値が設定されているものもあります。
ただ、我が国の暫定規制値についても、国際機関である国際放射線防護委員会(
ICRP)の勧告を踏まえて設定されており、国際的な考え方を基にしたものであ
るとともに、成人、幼児、乳児のそれぞれの食品摂取量を勘案しつつ、規制が必要
とされている放射性物質の濃度のうちで最小値となる数値よりもさらに低い数値を
採用することで、安全性を見込んだものとなっております。
厚生労働省では、このたび暫定規制値を見直し、食品のより一層の安全・安心を
実現するため、平成23年12月に新たな基準値案を取りまとめています※3これは、現
在の暫定規制値で許容している線量5ミリシーベルト/年から1ミリシーベルト/
年に基づく基準値に引き下げるというものであり、新たな基準値は、平成24年4月1
日から施行されます。
2.チェルノブイリでのがんについて
チェルノブイリ事故の場合、事故時に放出された大量の放射性ヨウ素が降下沈着
した地域では、甲状線被ばくが1シーベルト以上に及び、そのため6,000人を超える
小児が甲状腺がんになり、2005年度の時点で死亡者は15人と報告されています※4。
一方、今回の原発事故では国と福島県が平成23年年3月下旬に15歳までの子ども
約千人を対象に甲状腺被ばくの調査をしましたが、対象者の55%が毎時0.00マイク
ロシーベルト、99%が毎時0.04マイクロシーベルト以下であり、最大でも毎時0.1マ
イクロシーベルトと、原子力安全委員会が問題となるレベルではないとしている毎
時0.2マイクロシーベルトを下回っていたとの報告がなされています※5。
※1
品目
Japan
Ukraine
日本暫定基準
ウクライナ('97)
飲料水(Water)
(震災後/Now)
2
200
ジャガイモ(potatos)
60
500
野菜(Vegetables)
40
500
肉類(Meat and Meat products)
200
500
魚(Fish and Fish products)
150
500
牛乳・乳製品(Milk)
100
200
卵 (1個) (An Egg)
6
約30(※1)
500
200
40
‐
粉ミルク(baby formula)
幼 児 用 食 品 ( Special children's
food)
※1 卵1個60gとして換算
品目
単位:卵以外は(Bq/Kg)
USA
EU
China
Korea
米国
(※3)
中国
韓国
飲料水(Water)
1200
200
-
370
ジャガイモ(potatos)
1200
200
90
370
野菜(Vegetables)
1200
500
210
370
肉類(Meat and Meat products)
1200
500
800
370
魚(Fish and Fish products)
1200
500
800
370
牛乳・乳製品(Milk)
1200
200
330
370
卵 (1個) (An Egg)
約72(※1)
約30(※1)
-
約22(※1)
粉ミルク(baby formula)
1200
-
-
-
幼児用食品(Special children's food)
1200
-
-
-
単位 卵以外は(Bq/Kg)
(出典)http://www.setuden.jp/special/2011005.php
※2
コーデックス(コーデックス委員会)
コーデックス委員会は1963年にWHO、国際連合食糧農業機関(FAO)により設置
された国際的な政府間機関です。消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等
を目的として国際食品規格の策定等を行い、日本は1966年から加盟しています。農
林水産省ホームページ「コーデックス委員会」
http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/codex/
※3
厚生労働省ホームページ
食品衛生法上の新基準値
http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/dl/tuuchi_120316.pdf
※4
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)2011年報告書
「チェルノブイリ事故の放射線による健康影響
(Health effects due to radiation from the Chernobyl accident)」
http://www.unscear.org/docs/reports/2008/1180076_Report_2008_Annex_D.pdf
※5
小児甲状腺簡易測定調査結果の概要について
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan067/siryo1.pdf
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