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確定拠出型年金 Defined Contribution Plan
確定拠出型年金 Defined Contribution Plan 毎月拠出する掛金の額を決定、個人別に管理、個人の自己責任により 運用し、その結果により将来の給付額が決定される年金制度。 1 導入の背景 (1)資産運用環境悪化 予定運用利率を下回る運用実績。多くの企 業が積立不足、追加拠出の恐れ。 (2)新会計基準の導入 財務諸表上に、企業年金の積立不足額など の計上が必要になる。 ●○関連知識○● 確定給付型年金 Defined Benefit Plan 将来の年金の給付額をあら (3)労働力の流動化 倒産やリストラ、転職の増加。 (4)少子高齢化 現役世代の減少と負担増。 (5)企業年金等未普及 中小零細企業、自営業者に十分普及せず。 2 制度の概要 (1)確定拠出型年金の種類 ① 企業型 かじめ決め、それに必要な 労使の合意で規約を作成し厚生労働大臣の承認を受ける。 資金を積み立てる年金。 企業年金制度のある企業は、労使合意で年金積立資産を移管可能。 加入者 企業の従業員 年齢 60 歳未満。 掛金 企業が拠出。加入者個人の拠出は認めず。 拠出限度額 年 43.2 万円。 (確定給付型がある場合は年 21.6 万円) ② 個人型 加入者 自営業者等、企業の従業員(企業の支援のない者) 年齢 60 歳未満。掛金は個人が拠出。 拠出限度額 企業の従業員は年 18 万円。自営業者等は年 81.6 万 円から国民年金基金等の掛金を除いた金額。 (2)運用 ① 運用管理機関(企業等)が運用商品を選定、加入者に提示。 預貯金、公社債、投資信託、株式、信託、保険商品等。 ② 加入者が、自分の持分の積立金に関する運用指図を行う。 運用の結果は自己の責任。 ③ ●○関連知識○● 加入者が転職した場合、転職先の制度に年金資産を移換。 (3)給付 ① 企業年金で、内国歳入法 401 老齢給付金、障害給付金、死亡一時金として受給。 老齢給付金、障害給付金は年金又は一時金として受給できる。 条 k 項の適格用件を満たす ② もの。税制上の優遇措置あ 制度に加入し得ない者となり、拠出年数が 3 年以下である場合、 脱退一時金を受給できる。 り。給付金は一時金払いが ③ 多く、日本の財形貯蓄と似 老齢給付金は、最初の拠出から 10 年以上経過の場合は 60 歳か ら受給可。10 年経過していない場合も、65 歳から受給可。 た側面も持つ。1997 年末に おける 401k プランの運用資 年金のポータビリティ 資産残高(掛金と運用収益の合計額)は加入者ごとに記録管理。 401(k)プラン 米国の従業員拠出型の退職 転職時の年金資産の移換 (4)税制 産残高は 9500 億ドル、加入 ① 拠出時 企業の拠出は損金算入、加入者個人の拠出は所得控除。 企業延べ 25 万社、利用者数 ② 運用時 年金資産に特別法人税を課税。平成 14 年度まで凍結。 3千万人を突破。この資金 ③ 給付時 老齢給付金 年金の場合は公的年金等控除。 一時金の場合は退職所得控除。 の運用が米国の株式相場上 昇の一因となっている。 3 今後の課題 (1)被扶養配偶者、公務員が対象者から除外。 (2)企業型は、加入者による上乗せ拠出が不可。 (3)企業年金がある企業の従業員は、 「個人型」に加入できない。 (4)60歳までは、原則引出し不可。 4 導入の影響 (1)株式市場等の活性化。 (更なる税制の優遇措置が必要か?) (2)業種の垣根を超えた企業の連携強化、再編成。 (3)労働力流動化の促進。ベンチャー企業の人材確保。 確定拠出型年金のメリット・デメリット \(^o^)/ (-_-;) メリット デメリット 年金資産や運用状況を把握できる。 ★☆参考文献☆★ 加入者 http://www.mhlw.go.jp/ 投資方法を選択できる。 転職の際、不利にならない。 運用リスクがない。 「確定拠出年金制度の概要」 厚生労働省ホームページ 運用リスクを負う。受給額不確定。 企 業 税制面の優遇措置。 財務諸表上に積立金不足額等の記載不要。 事務負担の軽減。 従業員への投資教育が必要。