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シグナル・インテグリティと パワー・インテグリティの基礎

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シグナル・インテグリティと パワー・インテグリティの基礎
シグナル・インテグリティと
パワー・インテグリティの基礎
実測とシミュレーションを協調して信号品質を考える
シグナル・インテグリティ
高速デジタルは年々データレートが高速化し、それに
伴い反射・ロス・クロストークなど RF の影響が増大し
ています。シグナル・インテグリティ(SI)はもはや時間
軸だけではなく、周波数軸でも物事を捉える必要性が
出てきています。また、実測とシミュレーションが合わ
ないという悩みを抱えている設計者の方をしばしば見
受けます。この問題に直面した時、実測とシミュレー
ションを別々に見直してもなかなか解決しません。
低電圧・高電流化が進み、ノイズの問題が深刻化し
ています。パワー・インテグリティ(PI)に対する注目が
増し、シミュレーション・ツールの導入は進んでいます。
残念ながら PI の実測をされている方はまだほとんど
いないようです。PI も SI 同様、実測により定量的に捉
えないとなかなか効果的な対策は打てません。
本稿ではシグナル・インテグリティおよびパワー・イ
ンテグリティ、実測とシミュレーションの連携・協調の
重要性について説明します。
実測とシミュレーションが合わない時、シミュレーショ
ンが間違っているのか?実測のキャリブレーションや
プロービングのミスなのか?それぞれを別々に見直
しても解決しません。実測を元にシミュレーションをチ
ューニングする等の協調が必要になります。
シミュレータでは昔からオシロスコープの実測波形
やネットワーク・アナライザの実測Sパラメータを扱う
事が出来ましたが、測定器側にも最近シミュレーショ
ン機能が搭載され始めています。オシロスコープには
Infiniisim という波形シミュレーション・ツール、ネットワ
ーク・アナライザには ENA-TDR という測定した伝送S
パラメータからアイパターンをシミュレーションするツ
ールが搭載されました。このようにツールの世界にお
いても実測とシミュレーションの協調が進んでいます
(図1)。
図1:ツールの世界でも実測とシミュレーションの協調が進んでいる
【Infiniisim(オシロスコープ上の波形シミュレーション・
ツール)】
Infiniisim は治具やケーブルのロスを追加したり、差
し引いたりするために開発されました。USB や
図2:“治具やケーブルのロ
スを差し引く”テンプレート
PCI-Express のコンプライアンス試験は、極力波形に
図3:USB3.0 のコンプライアンス治具
とその S パラメータ
影響を与えない性能の良い治具を使って測定してい
ました。ところが USB3.0 や PCI-Express Gen2 になり、
信号が 3Gbps、5Gbps を越えて来ると、波形に影響を
与えない治具を作るのが不可能になりました。それな
ら治具の特性を正確に把握して、波形からその影響
を計算で差し引くという手法が採用されました。そこで
図4:実測波形(治具通過後)
図5:シミュレーション波形(治具
がなかった場合)
使用されるのが Infiniisim という波形シミュレーション・
ツールです。
Infiniisim は設定を行うと、オシロスコープが(M)から
(S)への伝達関数(TF=Transfer function)を計算し、
それを元にオシロスコープのフィルタを変更します。オ
●治具やケーブルのロスを追加する、差し引く
シロスコープの校正やプローブの校正を行う場合も、
USB3.0 を例に説明します。Infiniisim の“治具やケー
実はフィルタを変更しています。その手法と同じなの
ブルのロスを差し引く”テンプレート(図2)上で、C ブロ
で、Infiniisim はシミュレーションでありながら、リアルタ
ックに USB3.0 治具の S パラメータを適用します(図3)。
イム・オシロスコープの波形更新速度を維持します。
青色が実測環境、オレンジ色がシミュレーション環境
パソコン上のシミュレータと比べて、はるかに速くシミ
を示します。青色の(M)が実測ポイント、オレンジ色
ュレーション波形のアイパターン評価やジッタ解析な
の(S)がシミュレーション・ポイントです。実測環境は
どができるというメリットがあります(図6)。
左側の送信器(Transmitter)から出た波形が治具(C
Infiniisim の設定ブロックで取り扱うのは S パラメータ
ブロック)を通り、オシロスコープ(Scope)に入ります。
が基本となります。ですが、それ以外にも RLC の値を
シミュレーション環境は C ブロックが Thru になってい
直接入れたり、トランスミッション・ライン、Open と Thru、
ますので、送信器から出た波形が直接オシロスコー
そしてこれらのコンビネーションも使用することが可能
プに入ることを意味します。つまり治具通過後の波形
です(図7)。
を実測していますが(図4)、治具がなかった場合の
波形をシミュレーションし、オシロスコープ上に表示す
る(図5)という設定になります。
図6:シミュレーション波形でジッタ解析
2
図7:Infiniisim が取り扱う事ができる
特性データ
本来の波形を見たいという要求に応えています。デー
●プローブの負荷の影響を取り除く
タレートの高速化に伴い、非常に重要な事になりま
プローブを接続すると波形が変わってしまうという経
す。
験をお持ちの方も多いかと思います。場合によっては
プローブを接続するとデバイスが止まってしまったり、
逆にプローブがないと動かなかったりといった例も聞
きます。これはプローブのインピーダンスが無限大で
はないため、接続すると一部の電流が流れ込んでし
まい、元から流れていた回路の波形が変わってしま
います。周波数が上がるにつれ、この影響も大きくな
ります。Infiniisim は“プローブの負荷の影響を取り除
図8:“プローブの負荷の影響を取り除く”というテンプレート
く”というテンプレートを用意しています(図8)。
左側の送信器から出た波形は伝送路A、伝送路B
を経て、右側の受信器に入ります。伝送路Aと伝送路
Bの境目でプロービングしています(図9)。Infiniisim
図9:ツールの世界でも実測とシミュレーションの協調が進んでいる
の A ブロックに伝送路Aの S パラメータ、B ブロックに
伝送路 B の S パラメータを適用します。送信器、受信
●観測点移動
器の周波数特性(パッケージの S パラメータ)があれ
DDR メモリの評価を例に観測点移動を説明します。
ば、それぞれ T ブロック、R ブロックに適用します。P
トラブルがあった時のためにあらゆる所に観測用のビ
アを設けるケースは少なくありません(図10)。ビアを
ブロックがプローブの特性になります。青色の実測環
数多く打つのはコストになります。それでも理想的な
境は File になっており、プローブの S パラメータを適用
プロービング・ポイントでは決してなく、READ 波形も
します。実測点 M はプローブ通過後になっています。
WRITE 波形も同じ場所で測定します。理想的には
オレンジ色のシミュレーション環境は Open になってお
READ 波形はコントローラ端、WRITE 波形は DRAM 端
り、シミュレーション・ポイント S は P ブロックの手前に
で波形を観測したい。さらに言えばパッケージ内のダ
なっています。つまりプロービングして、プローブ通過
イの所での波形が見たい。無駄なビアを打たずに、コ
後の波形を実測していますが、シミュレーションはそ
ストを削減したい。
もそもプローブを当てていない状態で、伝送路Aと伝
送路Bの間の波形を見ている形になります。
今までのオシロスコープではプローブ通過による波
形の劣化を補正していただけですが、Infiniisim のこ
図10:測定用にビアを数
多く用意する
のテンプレートはそもそもプローブがなかった時の、
図11:BGA プローブを実装
した基板
そこで基板と DRAM の間に信号ピックアップ用の BGA
3
プローブを実装し、プロービングは BGA プローブのパ
ます。Infiniisim でシミュレーションさせたいポイントは
ッドで全て行います(図11)。そこから Infiniisim を使っ
コントローラのパッケージの外(S 点)です。
てあらゆるポイントの波形をオシロスコープ上でシミュ
Infiniisim による伝送路通過後の波形は図15の紫
レーションします。これが観測点移動です。無駄なビ
色の波形です。ビアでの実測波形(赤色波形)と一致
アを打つことなく、1つのプロービング・ポイントから、
するのがゴールでした。立ち上がりエッジを見ると、デ
今までは不可能であったパッケージ内部なども含め、
ィレーと最初の立ち上がり部分は非常によく一致して
あらゆるポイントの波形の評価が可能になります。
います。ですが、その後の反射具合や振幅は異なり
ます。
観測点移動が有効かどうか、事例を紹介します。基
板と DRAM の間に BGA プローブを実装し、READ 波
形(DRAM→コントローラ)で検証しました。BGA プロ
次に、伝送路に加え、コントローラのパッケージの
ーブのパッド(DRAM 近辺)で実測しながら、Infiniisim
特性も追加します。伝送路(Bブロック)の後のRブロ
を使用してコントローラ端(受信端)の波形を求めます。
ックにコントローラのパッケージの S パラメータを適用
コントローラ付近でビアを設けるのが通常難しく、高い
します。ただしシミュレーションするポイントは依然パ
ニーズがあります。この事例ではコントローラ直下に
ッケージの外(S点)です(図16)。結果は図17の紫
ビアがあったので、Infiniisim による観測点移動シミュ
色の波形です。今度は立ち上がりエッジは反射の部
レーションの妥当性を検証するため、比較用に実測し
分も含め完全に一致しています。これはパッケージの
ました(図12)。つまり BGA プローブパッドの実測波
S パラメータも入れたことで、パッケージ端での反射も
形から、コントローラ直下のビアでの実測波形を
きちんと反映されたからです。このように伝送路以上
Infiniisim が再現できれば成功です(図13)。
に、デバイスでの反射により波形は変形することがあ
るので、Infiniisim の設定でパッケージのSパラメータ
を入れることは重要です。
図12:観測点移動の検証実験
図13:緑色波形から赤色波形
を再現できれば成功
まず Infiniisim の“General purpose 9 blocks”テンプレ
図14:伝送路通過後の波形をシ
ート(最も汎用性の高いテンプレート)に BGA プローブ、
ミュレーション
伝送路およびプローブの S パラメータを適用します
(図14)。左側の送信器(DRAM)から出た波形が
BGA プローブ(C、D ブロック)を通過し、伝送路(Bブ
ロック)を経て、右側の受信器(コントローラ)に到達し
ます。BGA プローブで信号が分岐し、E ブロックを通
過した所をプローブ(Pブロック)で実測(M 点)してい
4
図15:結果
図16:パッケージのSパラを追加
図17:結果
図18: 50Ωの線路
してシミュレーション
図19:設計時のシミュレーション vs 実測
を設計・製造
立ち上がりエッジは完全に一致しましたが、その後
のリプル的なものや、振幅はまだ一致していません。
アイパターン、S パラメータ、インピーダンスは結果
この事例で使用した伝送路およびパッケージのSパラ
であって、実際には基板の誘電率や tanδ、線幅など
メータは元々シミュレータで使用していた物です。ビア
のパラメータによって決まります。完璧に設計しても、
の実測波形と Infiniisim によるシミュレーション波形が
製造時にこれらのパラメータにちょっとした誤差が生
完全に一致していないということは、使用した S パラメ
じると、結果的にアイパターン、Sパラメータ、インピー
ータに間違いがあるか、何かが足りないことを意味し
ダンスが大きく変わって来る可能性があります。ここ
ます。さらなる一致を図るには、伝送路およびパッケ
で紹介するチューニングという方法はそれら基板のパ
ージのSパラメータを実測し、それらのシミュレーショ
ラメータを調整して、シミュレーションが実測と一致す
ン・モデルを見直す必要があります。
るようにします。ADS シミュレータにはこういったパラメ
ータの自動チューニング機能が備わっています(図2
【実測によるシミュレーション・モデルのチューニング】
0)。
実測とシミュレーションが合わない時、別々に見直し
図21がチューニング後のパラメータ変更の結果で
ても解決しないと述べました。それはいくら完璧に設
す。TDR、S パラメータのシミュレーションと実測が一
計(シミュレーション)しても、その通りに製造されると
致しています。誘電率 4.2 で設計したが、出来上がっ
は限らないからです。そこで製造された後に、実測を
た基板は誘電率 4.5 だと実測が示しています。線幅
元にシミュレーション・モデルをチューニングしてあげ
360μm で設計したが、本当は 325μm ではないか、
る必要があります。基板、デバイスの順に説明しま
ということです。
す。
●基板のシミュレーション・モデルのチューニング
ある基板で 50Ωの線路を設計・製造しました(図1
8)。設計時のシミュレーションではアイパターンは十
分開いていました。ところが出来上がって来た基板を
図20:ADS のパラメータ・チューニング
測定すると、アイパターンはロスやジッタが多く、Sパ
機能
ラメータはシミュレーションと大きく異なり、インピーダ
ンスはなんと 30Ωでした(図19)。
5
図21:パラメータ変更結果
上記のパラメータを使用し、再度アイパターンのシミュ
レーションをしなおすと、当然実測アイパターンと一致
します(図22)
図25:チューニング後のシミュレーションアイパターン vs 実測アイパ
ターン
これが正しいテストクーポンの使用方法ではないで
図22:チューニング後のシミュレーションアイパターン vs 実測アイパ
しょうか?一般的にテストクーポンの TDR 測定を行い、
ターン
インピーダンスの結果だけが注目されます。そうでは
なく、テストクーポンを実測し、誘電率や線幅などのパ
ラメータ・チューニングを行います。そのパラメータを
使用し、再度シミュレーションをかけるとシミュレーショ
次に同じ基板のより複雑な線路を考えます(図23)。
この場合もシミュレーションと実測のアイパターンは大
ンと実測が一致します。設計通りに完璧に製造される
きく異なります(図24)。いま行ったような実測 TDR や
とは限らないので、テストクーポンを実測して、設計と
実測Sパラメータを元にしたパラメータのチューニング
製造の差を修正するのです。
は困難になります。同じ基板なので、誘電率や線幅な
どのパラメータは基本的に同じはずです。さきほどの
●デバイスのシミュレーション・モデルのチューニング
パラメータ変更と同じ変更をし、再度チューニングす
デバイスを含んだシミュレーションは、ベンダが提供
ると、シミュレーションと実測のアイパターンが一致し
する IBIS モデルや SPICE モデルを使用するのが通常
ます(図25)。
です。シミュレーションと実測の波形が合わない時に、
伝送路の場合と同じように、デバイスのシミュレーショ
ン・モデルのパラメータが現実とは誤差があると考え
られます(図26)。
図23:より複雑な線路
図24:設計時のシミュレーション
図26:シミュレーションと実測が合わない
vs 実測
6
ここでは DDR メモリの IBIS モデルを例に紹介します。
【実測とシミュレーションの連携による実践的デバッグ
IBIS モデルの中にはパッケージのC、ボンディングワ
事例】
イヤのL、ダイのC、終端抵抗Rなどのパラメータが記
述されています。デバイスを直接ネットワーク・アナラ
リターンロス測定がコンプライアンス・テストで Fail す
イザで測定することにより、これらのパラメータの実際
る SATA 基板がありました。基板を設計しなおす必要
の値を得ることができます(図27)。
があるかの決断に迫られていましたが、コネクタや IC
のシミュレーション・モデルがなかなか入手できませ
んでした。そこでネットワーク・アナライザを使用してコ
ネクタ側から TDR 測定し(図29)、その結果から系全
体のモデリングを行いました(図30)。
図27:IBIS モデルのパラメータを実測からチューニング
ネットワーク・アナライザで直接半導体デバイスの S
パラメータを測定するのは、伝送路ほど簡単ではあり
ません。動作状態のインピーダンスや周波数特性を
図29:SATA 基板の TDR 測定
知りたいので、デバイスがアクティブの状態で測定す
図30:実測結果から系全体をモデリ
ング
る必要があります。つまり電源オンの状態で、単独で
送信し続ける、あるいは受信し続ける必要があります。
得られたモデルから、Sパラメータ・シミュレーション
測定用の治具を用意したり、プログラムをカスタマイ
を実測し、リターンロスを求めます。確かにリターンロ
ズする必要が出てくるかもしれません。ですが実測を
ス(赤色波形)がスペック(水色のライン)を満たしてい
元にシミュレーション・モデルのパラメータを修正する
ません(図31)。伝送路だけ(青色波形)でも低周波
事で、シミュレーション波形と実測波形が一致して来
ではスペック割れしています。
ますので、トライする価値はあります(図28)。
図31:モデルからリターンロスを求めた
図28:シミュレーション波形と実測波形が一致
7
リターンロスのスペックを満たすようにモデルの変更
まうなど、電源層やグランド層からのノイズの混入が
を検討します。リターンロスに与える影響はコネクタの
目立ちます。供給電圧が下がり(IR ドロップ)、IC の動
作電圧以下になると誤作動を起こします。また電源系
特性と IC のインピーダンスが支配的です。特にコネク
からのコモンモードノイズ放射は EMI につながりま
タのインダクタンス成分、IC 側対 GND 間の容量が大
す。
きな影響を与えます。伝送路に関しては、特性インピ
ーダンスを変更しても大きな改善はありません。また
高速デジタル IC の低電圧化、大電流化が進み、こ
配線長を短くしても、大きな改善はありません(図3
れらを搭載したシステムのパワー・インテグリティを向
2)。
上させる事が重要になります。IC が消費する電流量
に急激な変化があった場合でも、常に IC に安定した
DC 電圧を供給し続けられる事が求められます。その
ためには、IC からみた電源プレーンとグランド間の
PDN(Power Distribution Network)インピーダンス Zpdn
を極めて小さい値に抑えることです。IC の消費電流
量の変化を⊿I とした場合、⊿Vdd=⊿I×Zpdn という
簡単な式で電源電圧 Vdd に起こる変化を現すことが
できます。この現象は IR ドロップと呼びます。最近の
図32:リターンロスのスペックを満たすよう、モデルの変更を検討
IC の消費電流は数十 A といった大電流を消費する物
があり、⊿I が非常に大きな値となります。設計者が
IC の変更はできないので、コネクタの変更を行い、
⊿I を制御することは現実的ではないので、⊿Vdd を
無事リターンロスのスペックを満たしました。基板の設
低く抑えるためには、Zpdn を mΩオーダの極めて小さ
計をしなおさずに済み、時間とコストを節約できました。
な値に抑える事が唯一の方法になります(図33)。
このように情報が不足していた中、実測とシミュレー
⊿Vdd を問題ない大きさに抑えられるインピーダン
ションの連携から非常に有効なデバッグが可能になり
スの目標値(いわゆるターゲット Zpdn)を設定し、これ
ます。
を達成するように電源モジュールや基板レベルの
PDN 設計をします。例えば Vdd=1.2V、Imax=150A、許
容電圧リップルを 5%とすると、Vdd の変動許容量は
パワー・インテグリティ
1.2V×5%=0.06V。過渡電流変動最悪値はを 150A×
50%=75A とすると、ターゲット Zpdn は 0.06/75=0.8Ωに
【パワー・インテグリティ向上の必要性】
なります。(図34)。
最近注目度が高いのがパワー・インテグルティ(PI)、
すなわち電源・グランドの品質です。シグナル・インテ
グリティを脅かす大きな要因の一つが電源系のノイズ
です。電源のノイズにより信号にジッタが多く乗ってし
8
ポーネントの特性を正しく測定して最適化する必要が
あります。PDN を構成する要素としては DC-DC コン
バータ、バイパスコンデンサやフェライトビーズなどの
受動部品、そして PCB 全体がありますが、それぞれ
図33:PDN と IR ドロップ
の測定要求は異なります。測定手法も違いますし、測
図34:ターゲット Zpdn
定周波数帯も違います(図35)。
低周波では主に DC-DC コンバータのループ特性に
Zpdn を従来よりも大幅に低減する必要性が増す中、
Zpdn を定量的に捉えている設計者は残念ながらまだ
より、Zpdn は低く抑えられます。ある程度高い周波数
まだ少ないのが現状です。Zpdn 低減のために経験則
(数 10kHz 程度)になると DC-DC コンバータのループ
や予測からバイパスコンデンサを過剰に配置すると
特性だけでは抑えられなくなるため、大容量コンデン
いった対策を行う設計者が多いのですが、コンデンサ
サにより抑えるという事を行います。DC-DC コンバー
の増加は基板サイズ、コストの増加を意味します。対
タのループ・ゲイン及び位相マージンを測定する必要
策した結果、期待した効果が得られない、むしろ悪化
がありますし、1mΩ程度の超低インピーダンスを測定
するといった事態も発生しています。ところが、評価方
する必要があります。
法はオシロスコープで電源電圧を観測するといった程
中周波数から高周波(数 100kHz~数 100MHz)にか
度に留まっており、定量的に対策の効果を確認でき
けては、基板のインダクタンス成分等によりインピー
ないといったケースも多く見られます。
ダンスが上昇しますが、これを抑えるためにバイパス
特に IC がある動作周波数では正常に動作するもの
コンデンサを使用します。また、ノイズの伝搬を抑える
の、異なる周波数では動作しないといったような現象
ためにフェライトビーズ等のコンポーネントを使用しま
を周波数ドメインではなく、タイムドメインの測定器で
す。ここで重要なのは使用するコンポーネントの特性
あるオシロスコープで評価していては、周波数依存性
を正確に把握する事です。コンデンサに記載された
を定量的に解析する事ができず、どの周波数で IC が
1uF 等の値はあくまである周波数における代表値にし
動作した際に不具合が発生するか解らないまま不安
かすぎません。コンデンサは周波数特性を持っていま
が尽きない状態に陥ります。また、電源ユニットの性
すし、DC バイアス値によって容量値が簡単に倍半分
能を定量的に示せないという事は協調設計において
になります。怖いのは容量値が変わると、Zpdn の共
大きな障壁になります。
振周波数も変わり、想定外の周波数でトラブルが起
きることです。DC バイアスをかけた上で、コンポーネ
ここではパワー・インテグリティを定量的に示すパラ
ントの周波数特性を測定して特性を知っておく事は非
メータおよび、それらを測定する手法を紹介します。
常に重要になります。
このように PDN 測定と一言で言っても、様々な要求
【PDN の測定】
があります。DC-DC コンバータのループ測定、mΩオ
ーダの超低インピーダンス測定、DC 近辺から数
●PDN の測定要求
Zpdn を最終的に小さく抑えるためには、IC から見た
100MHz までの測定帯域、DC バイアスをかけた状態
PDN 全体のインピーダンスを広帯域に渡って測定し
でのコンポーネント測定、等など。従来のネットワー
て特性を捉えるだけではなく、PDN を構成する各コン
ク・アナライザにはどれも厳しい要求でしたが、PDN
9
の包括的な評価を 1 台で実現できる E5061B ネットワ
一周の伝達関数GHの位相遅れが-180度に近い大き
ーク・アナライザが登場しています(図36)。
な値となると、負帰還ではなく正帰還に近い状態にな
り、このときにループ・ゲイン|GH|が1以上あると、発振
しやすい不安定な状態となります。ループ・ゲイン
|GH|が1 (= 0 dB) となる周波数(クロスオーバー周波
数) におけるGHの位相特性が-180度よりも何度余
裕があるか、という指標は位相余裕と呼ばれ、ループ
の安定度を示す重要な評価パラメータです。位相余
図35:PDN 測定要求
裕が大きいほどループは安定します(図38)。
図36:E5061B ネットワーク・ア
ナライザ
●DC-DC コンバータのループ測定
スイッチング方式DC-DCコンバータはあらゆる分野
の電子機器に組み込まれているデバイスです。負荷
と な る IC の 高 速 化 、 低 電 圧 化 、 多 様 化 が 進 み 、
DC-DCコンバータはパワー・インテグリティ性能を左
図37:DC-DC コンバータの負帰
右するキー・デバイスです。負荷変動時の高速応答
還制御システム
図38:ループゲインと位相余裕
性と安定性のバランスを最適化するフィードバック・ル
ープ設計が重要となります。
DC-DC コンバータのループ・ゲイン、位相マージンの
DC-DCコンバータは等価的に基準電圧Vrefを入力、
測定方法を図39で説明します。コンバータのループ
出力電圧Voutを出力とする負帰還制御システムと見
中に信号注入用の抵抗Rを設置し、抵抗の両端にバ
なすことができます。|Vout/Vref| = |G/(1+GH)| をクロ
ラン等によりフローティングの信号を注入します。その
ーズド・ループ・ゲイン、|GH|をループ・ゲインと呼びま
両端の電圧値をネットワーク・アナライザの2つのレシ
す。負帰還制御システムにより、変動する出力電圧
ーバにより測定し、比を取ります。こういったループ特
VoutをVref/H に近づける制御が働きます(図37)。
性の評価を行う際、レシーバが 50Ω 入力の物を使用
ループ・ゲイン|GH|が大きいほどこの制御は強く働
すると、ループの特性に影響を与えてしまい、正しい
きます。変動の周波数が高くなるとループ・ゲインは
測定を行う事ができません。そういった場合は、従来
下がって制御が働かなくなり、出力の安定化が効か
筆箱くらいの大きさのアクティブ変換器を用いて変換
なくなります。|GH|が1 (=0 dB) となる周波数はクロス
を行っていましたが、E5061B は 50Ω と 1MΩ の入力
オーバー周波数と呼ばれ、ループの帯域幅を示しま
インピーダンスの切り替える事が可能なので、1MΩ
す。クロスオーバー周波数が高いほど、より高い周波
入力を使用します。これによりループ特性に影響を与
数の変動に対してループ制御が働くので、負荷変動
えない正しい測定を、簡単に行う事ができます。
に対する応答性が良くなります。
周波数が高くなると位相遅れが起こります。ループ
10
図40はループ・ゲイン及び位相マージンの測定結果
測定器から信号を出力し、測定対象物から反射してく
です。クロスオーバー周波数が 33kHz ですので、それ
る量をレシーバで検出します。反射法は 50Ω近辺の
くらいまでの速度の負荷変動に追従できる事が分か
インピーダンス測定には非常に有効ですが、1mΩや
ります。クロスオーバー周波数における位相マージン
10mΩといった低インピーダンスの変化に対しては、
は 81 度と十分な余裕があります。位相補償目的の素
レシーバで測定される電圧に差が出ないので、インピ
子の値を調整し、より高速な負荷変動に追従できるよ
ーダンスの差を検出できません。
低インピーダンスの測定はシャントスルー法という
うクロスオーバー周波数を高く変更する余地がある事
方法が適しています。50Ω信号出力と 50Ωレシーバ
が測定結果から分かります。
の信号ライン同士、グランドライン同士を接続し、その
間に縦に測定対象物を挟んで測定する手法です。シ
ャントスルー法は、反射法とは異なり、低インピーダン
ス領域における測定対象物のインピーダンス変化に
対して、ダイナミックにレシーバでの電圧が変化しま
図39:ループゲイン測定セットア
す。そのため 1mΩや 10mΩといった PDN の低インピ
図40:ループゲイン測定結果
ーダンスを高い分解能で検出する事が可能な方法に
ップ
なります(図41)。
●DC-DCコンバータの出力インピーダンス測定
既に述べたように、PDNの微小インピーダンスを正
確に評価することがパワー・インテグリティのために
非常に重要となってきています。特に低周波域ではm
Ωオーダのインピーダンスを求められます。低周波域
図41:ネットワーク・アナライザのインピーダンス測定方法
でこの働きをするのがDC-DCコンバータです。フィー
ドバック制御の働きで負荷変動によらず一定のDC電
図42は E5061B による DC-DC コンバータの出力イ
圧出力が保たれるということは、等価的に、非常に小
さい出力インピーダンスが実現されていることを意味
ンピーダンスの測定結果を示します。5Hz からという
します。超低インピーダンスの測定は、測定器にとっ
低周波において 2mΩというオーダの低インピーダン
ては非常に困難です。ここでは低インピーダンスに適
スが測定できています。ループ・ゲインの測定結果が
した測定手法を紹介します。
示したように数 10kHz のオーダでは DC-DC コンバー
ネットワーク・アナライザでインピーダンスを測定す
タのループ・ゲインが効かなくなり、インピーダンスが
る際、一般的に思いつくのは反射法です。50Ω系の
一度上がります。その後、大容量コンデンサにより再
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度インピーダンスが低く抑えられていますが、周波数
ていますが、それ以上の周波数ではESLによりコンデ
の上昇に伴いインピーダンスも上昇している事が分
ンサとしては使用できない事も読み取れます。実際に
使用するコンポーネントの真の特性を知っておく事は、
かります。
PDN設計において非常に重要な事である事が分かり
ます。
E5061Bはバイアス・ソースが内蔵されていて、40 V
までDCバイアスをかけての測定が可能です。また、
VT で測定対象物にかかるACレベルVdutをモニタし、
Vdutが一定になるように調整します。つまり均一なAC
電圧印加状態での測定が可能になります(図44)。
図42:DC-DC コンバータの出力インピーダンス測定
●受動部品インピーダンス測定
コンデンサはAC電圧依存性とDC電圧依存性を持ち、
DC-DCコンバータの実動作条件下においては公称値
図43:バイパス・コンデンサの DC
図44:E5061B の DC バイアス
と異なる容量特性を示します。一般的に公称値は、
重畳測定
&均一 AC 印加機能
DCバイアスを印加しない条件下で測定された値です。
ところが、コンバータの実動作状態においては出力コ
●基板レベルの Zpdn 測定
ンデンサにはDC電圧と低いAC電圧(出力リップル)が
かかった状態となっています。低いAC電圧とDC電圧
簡単な例として DC-DC コンバータ、100uF バイパ
バイアスを印加してのインピーダンス測定を行って、
ス・コンデンサ、0.1uF×10 個(=1uF)バイパス・コンデ
出来るだけ実動作に近い状態で容量特性を実測で
ンサ、そしてプロセッサをエミュレートした 2A の電流シ
確認し、PDN設計を行うことが重要です。
ンクを搭載した基板の Zpdn を測定しまた(測定時の
図43はE5061Bを使用してDCバイアスを重畳した際
電流シンクは OFF)(図45)。また DC-DC コンバータ
のバイパス・コンデンサを測定した結果です。公称値
単体、PC ボード&コンデンサ単体の測定も同時に行
40μF(DCバイアス電圧が0V)になっているコンデン
いました。
サでも、DCバイアスが5V印加されている状態(実際
図46がそれらの測定結果です。PC ボード&コンデ
の電源回路に使用されている状態)では17μFと、半
ンサ単体のグラフ(緑色)は低周波(10Hz~10kHz)に
分以下の値になっています。公称値を使って設計、シ
おいて 100uF のコンデンサのライン、高周波(1MHz~
ミュレーション等を行えば出来上がってくる実際の電
10MHz)において 1uF のコンデンサのラインでインピー
源回路の動作が異なるのは想像しやすいかと思いま
ダンスが低下、その後 10MHz 以上では ESL によりイ
す。また、100kHz程度まではコンデンサとして動作し
ンピーダンスが上昇している事が分かります。DC-DC
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コンバータ単体のインピーダンスの変化は前述の測
1.7MHz、振幅 2A という条件で電流を消費した際の
定通り、青色の挙動を示しています。
DC 電源電圧変動です。Zpdn が共振により高くなって
いることから、電圧の変動が 200mV と非常に大きく変
最終的に両者を組み合わせた基板全体のインピー
ダンスは、両者のインピーダンスの低い方の値を採
動し、IC を誤動作させる危険性を示しています。一方、
用したピンクのラインとなっており、14kHz 及び 1.7MHz
右下のグラフは IC が周波数 9MHz、振幅 2A という条
においてインピーダンスのピークが見られます。IC が
件で消費した際の、DC 電源電圧の変動になります。
これらの周波数で電流を引くと不具合が起きそうであ
Zpdn が 9MHz において 1uF のコンデンサにより非常
る事が定量的に分かります。このように広帯域にイン
に低インピーダンスに抑えられているので、同じ 2A の
ピーダンス特性を把握し、不要なインピーダンスピー
電流消費にもかかわらず、電源電圧は殆ど変化して
クが無いかを確認しておくことが、最終的なパワー・イ
いません。
ンテグリティ向上において極めて重要になります。
図45:測定基板
図46:Zpdn 測定結果
図47:IC がサイン波で 2A の電流を引き込んだ際の電源電圧変動を
【実測とシミュレーションの融合】
シミュレーション
前述の基板レベルのインピーダンス測定結果から、
どのような周波数で IC が動作すれば不具合が発生し
●矩形波の場合
そうかはある程度予測は可能です。しかし様々な波
上述のような IC がサイン波で電流を消費するような
形で電流が IC に流れ込んだ際、時間に伴いどのよう
解析は、シミュレータを使用しなくても比較的簡単に
に出力電圧が変化するのかを詳細に予測する事は、
結果を予測する事ができます。次は 500us 周期で 2A
周波数ドメインの結果からだけでは困難です。そこで
の電流を“矩形波”で IC が消費する場合の、電源電
ADS シミュレータにインピーダンス測定結果を読み込
圧変動をシミュレーションします。このような解析結果
み、IC に流れる電流を変化させ、時間軸の電圧変動
をシミュレータを使用せずに予測する事は困難です。
を解析した例を紹介します。
結果は図48の通りになります。左上のグラフが IC
の引き込み電流です。左下のグラフは左上の消費電
●サイン波の場合
流のグラフと同じタイムスケールであり、70μs 程度で
まずシンプルに、IC がサイン波で電流を引いた場合
収束するリンギングが見られます。また 70us の低速
の結果です(図47)。左下のグラフは IC が周波数
な各リンギングの初期に、非常に高速なスパイク的な
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リンギングが見えます。それを拡大したのが右下のグ
ラフで、約 600ns 周期でリンギングしています。
これらの低速及び高速なリンギングの原因は何でし
ょうか?リンギング周期の逆数となる周波数
(1/70us=約 14kHz、1/600ns=約 1.7MHz)近辺のイン
ピーンダンス実測結果から見て取れます。低速なリン
図49:オシロスコープで実測した電圧変動
ギングは、DC-DC コンバータのループ特性と大容量
コンデンサの特性で決定されるインピーダンスピーク
により発生しています。高速なリンギングは、DC-DC
●実測とシミュレーションの融合のメリット
コンバータの出力インピーダンスと 1uF のバイパス・コ
ンデンサの共振で発生しています。
まず周波数ドメインの実測結果から、各コンポーネ
ントの影響により、どの周波数で Zpdn が劣化(ピーク
が存在)するか分かります。それにより、どの周波数
で IC が誤動作する危険性がありそうなのかが把握で
きます。次に実測結果を用いた時間ドメインのシミュ
レーションにより、様々な消費電流条件において、ど
のような電圧変動が起こるのかが分かります。
これらの解析結果からどのコンポーネントを対策
(DC-DC コンバータのループ特性の変更や、異なる
図48:IC が 500us 周期の矩形波で 2A の電流を引き込んだ際の電源
ESR や容量特性のバイパス・コンデンサの選択等)す
電圧変動をシミュレーション
れば、周波数ドメインでのインピーダンスピークや、IR
ドロップのリンギングを低減できるのかもおのずと見
確認のため、IC をエミュレートした電流シンクを ON
えてきます。
にし、上記シミュレーションと同条件の電流変動を発
更にはバイパス・コンデンサの搭載量を減らした状
生させた際の電源電圧変動をオシロスコープで実測
態で上記のような評価を行い、インピーダンスのピー
しました(図49)。両者の結果には良好な相関性があ
クや IR ドロップが許容範囲内である事を確認すれば、
り、シミュレータが実際の物理現象を正確に表現して
誤動作の危険性を排除した上で基板サイズやコスト
いる事が確認できます。
の削減を安全に行う事ができると言えます。
また、電源設計者が電源の定量的なデータとして
Zpdn の測定結果を IC 設計者に渡せば、IC 設計者は
そのデータを使用して様々な IC の電流プロファイルに
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対してシミュレーションを行う事が可能になり、協調設
計に大いに有効な手段となります。
まとめ
シグナル・インテグリティにおいても、パワー・インテ
グリティにおいても、実測とシミュレーションの連携・
協調のためのツールや機能が登場しています。これ
らを使う事により実測とシミュレーションの結果が合わ
ないという悩みを解決し、今まで以上に効率化やコス
ト削減をはかることが可能になります。
本稿で紹介した手法やデバッグ事例が少しでもお
役に立てれば幸いです。
(出典:CQ 出版社 Interface, 2011年5,6月号)
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アジレント・テクノロジーについて
アジレント・テクノロジーは、コミュニケーション、エレクトロ
ニクス、ライフサイエンス、化学分析市場に注力する世界最
大の計測メーカです。全世界で18,500 名の従業員を擁し、
110カ国以上で事業展開しています。2010年10月期、全世界
で54億ドル(およそ4500億円)の売上高を達成しています。
アジレント・テクノロジーの歴史
1939
1943
1951
1960
1963
1964
1970
1973
1975
1982
1983
1992
1999
2009
ビル・ヒューレットとデイブ・パッカードが米国カリ
フォルニア州パロアルト
(シリコンバレー)
にヒュー
を設立。
レット・パッカード
(HP)
オーディオ発振器を開発。ディズニー映画「ファン
タジア」の製作に使用される。
信号発生器を開発。マイクロ波分野に参入。
周波数カウンタを開発。
1939年、この小さなガレージでHPは創業し
ました。後にこの場所は、「シリコン バレー
発祥の地」
としてカルフォルニア州歴史的建
造物第976番に指定されています。
オーディオ発振器(1939年)
ブラジル、カナダ、メキシコ、プエルトリコ、米国、オーストラリア、中国、香港、インド、韓国、マレーシア、
シンガポール、タイ、台湾、オーストリア、ベルギー、スイス、
ドイツ、デンマーク、スペイン、
フィンランド、
フランス、英国、アイルランド、イスラエル、イタリア、オランダ、ロシア、スウェーデン、日本
サンプリング・オシロスコープを開発。
日本法人(横河・ヒューレット・パッカード)設立。
セシウムビーム原子時計を開発。
マイクロ波ネットワーク・アナライザを開発。
ロジック・アナライザを開発。
HPが提唱したHP-IB(GPIB)インタフェースが業界
標準に。
デミング賞(総合品質管理に関する賞)実施賞を
受賞(日本)
半導体パラメトリック・テストシステム
(日本)
光スペクトラム・アナライザを開発。
コンピュータ部門と計測部門の戦略的再編成(会社
分割)を発表。計測部門は、アジレント・テクノロジー
として営業開始。シリコンバレー史上最高記録の
21億ドルの新規株式公開。
設立10周年/創業70周年を迎える。
本社・八王子事業所(日本)
本社(米国カリフォルニア州サンタクララ)
お問い合せ先
受付時間 9:00-18:00(土・日・祭日を除く)
©Agilent Technologies. Inc. 2011
Published in Japan, May 18. 2011
5990-8260JAJP
0000-08A
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