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「かけ橋」25号 - NVC新潟国際ボランティアセンター

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「かけ橋」25号 - NVC新潟国際ボランティアセンター
2005 年 5 月 15 日 日曜日
2004 年度報告
�������
総会����
第1部
国際事業編
13:30 ~ 15:20 第 1 部 総会
15:30 ~ 17:00 第 2 部 地球を知る講座
2005 年度計画
■ スタディツアー
■ スタディツアー
・第 41 回 ベトナムスタディツアー
・バングラデシュスタディツアー
・第 42 回 バングラデシュスタディツアー
2005 年 8 月もしくは 12 月の 1 週間程度
・第 43 回 アウシュビッツスタディツアー
NVC 補習教室訪問
・第 44 回 ベトナムスタディツアー
(児童との交流、保護者へのインタビュー)
参加者 6 名程度
* 詳しくは、
・ベトナムスタディツアー
「地球を知る講座 ~スタディツアー報告~」
(P7 ~ P13) をご覧ください。
2005 年 8 月下旬から 9 月上旬の 1 週間程度
参加者:公募
小学校の開校式参加、キークワン寺、その他見学
■ ベトナム
■ ベトナム
1.ベトナム未来プロジェクト
1.ベトナム未来プロジェクト
◎ 小学校建設
◎ 小学校建設
・VFP40 バーサオ小学校
・VFP56 ホアビン小学校 事業費:100 万円
(メコンデルタ地域ドンタップ省)
・クアンチ省ダクロン地区小学校
・VFP56 ホアビン小学校(建設中)
(メコンデルタ地域ドンタップ省)
・クアンチ省ハーミー村小学校
����
事業費:100 万円
◎ 奨学金
・VFP50 NVC 奨学金 対象:20 人
◎ 奨学金
・VFP51 連合新潟奨学金 対象:20 人
昨年同様で継続 事業費:81 万円
・VFP52 皆川奨学金 対象:20 人
◎ キークワン寺盲学校支援
・VFP53 大学婦人会新潟支部奨学金 対象 3 人
・VFP54 志田・河合奨学金 対象 10 人
・VFP55 稲宮奨学金 対象者 8 人【新規】
◎ キークワン寺盲学校支援
・VFP49 子どもたちの食費・教育費支援
昨年同様で継続 事業費:160 万円
2.緊急支援プロジェクト
必要に応じて行う。
3.事業調査の実施 調査費:39 万円
◎ 絵手紙プロジェクト【今年度で終了】
・キークワン寺状況調査
◎ 肢体障害者の職業訓練センター支援
・他団体のスタディツアー受け入れ
・VFP48 訓練センター運営費の補助
2
事業費:70 万円
・新規事業調査
【今年度で終了】
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
総会����
第1部
国際事業編
2005 年度計画
2004 年度報告
■ ラオス
■ ラオス
JVC ラオス カムアン県農林複合プロジェクト
JVC ラオス カムアン県農林複合プロジェクト
「地域の資源を活用した生活改善」への協力
「地域の資源を活用した生活改善」への協力
事業費:30 万円
栽培トレーニング
1.家庭菜園拡大のための水支援および
6 村を対象に浅井戸の補修を実施
栽培トレーニング
経費の一部を NVC が負担
2004 年度と同様に継続する
2.果樹栽培支援
���
1.家庭菜園拡大のための水支援および
2.森林産物の先進事例を学ぶスタディツアー
食料取得の安定・多様化を目的に、9 村
を対象に果樹苗 1790 本、パイナップル苗
2610 本を支援
■ バングラデシュ
■ バングラデシュ
1.チャンドプル省サウスバリア村
1.チャンドプル省サウスバリア村
教育プロジェクト(NVC 補習教室)
教育プロジェクト(NVC 補習教室)
対象:5 歳~ 12 歳の児童 64 人
対象:5 歳~ 12 歳の児童 65 人
(貧困家庭の児童を優先して受け入れる)
対象:NVC 補習教室に通う児童の保護者
国連女性開発基金日本升本美苗基金助 成事業
*詳しくは、
「スタートしたバングラデシュの識字教室」(P14)
をご覧ください。
3.事業調査 2004 年 8 月 19 日~ 8 月 25 日
(その他スタディツアーでも調査・視察を実施)
事業費:47 万 9 千 400 円
2.識字教室(~ 2006 年 3 月)
対象:NVC 補習教室に通う児童の母親
30 名程度
国連女性開発基金日本 升本美苗基金助成事業
�������
2.識字教室【新規】
3.事業調査
事業費:30 万円
4.公認会計士監査
4.NGO 登録更新
活動を継続するため、カウンターパートが登
録を申請
バングラデシュの法令に従い、1 年に 1 度
監査を受け、NGO 局に証明書を提出する
費用:1 万 7 千円
3
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
愛���橋���
総会����
第�部
国内事業編
2004 年度報告
2005 年度計画
■ NVC 愛のかけ橋バザー
■ NVC 愛のかけ橋バザー
2004 年 10 月 16 日(土)10:00 ~ 18:00
2005 年 10 月 15 日(土)10:00 ~ 18:00
2004 年 10 月 17 日(日)10:00 ~ 16:00
2005 年 10 月 16 日(日)10:00 ~ 16:00
会場:新潟市中郵便局 3 階体育館
会場:新潟市中郵便局 3 階体育館
収益:2,308,713 円(売り上げ+現金寄付)
来場者数:1,382 人(2 日間)
ボランティア数:のべ 301 人
(10 月 12 日~ 17 日)
*詳細は、
『かけ橋第 24 号』に掲載しています。
■ 地球を知る講座
■ 地球を知る講座
・第 38 回 2004 年 4 月 11 日(日)
・会員だけでなく一般の方にも NVC の実施し
「イラクの現状と NGO の役割」
ているプロジェクトの内容や進行状況を知っ
清水俊弘(JVC 事務局長)
ていただける講座
会場:総合福祉会館 参加者:約 70 名
・その時々に起こっている国際的な問題につい
地球�知�講座
・第 39 回 2004 年 9 月 11 日(土)
「ラオスにおける農村開発」
名村隆行(JVC ラオス現地代表)
ても、多くの人から関心を持ってもらえるよ
うな講座
・スタディツアー参加者による報告会 など
川合千穂(JVC ラオス東京代表)
会場:総合福祉会館 参加者:約 40 名
講座の企画を広く公募し、提案者を中心に皆
で協力して開催する。
・第 40 回 2004 年 11 月 28 日(日)
「南北コリアと日本のともだち展の経験を通じ
て見えてきたこと」
筒井由紀子(Korea こどもキャンペーン事務局長)
成必麗(東京朝鮮第六初等学校教員)
会場:万代市民会館 参加者約 40 名
共催:ビビンバの会
4
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
2005 年度計画
■ 外国人留学生国民健康保険料助成
(財)新潟市国際交流協会との共同で 11 年間継続
前年同様、NVC から 20 万円の支援を行う。
している事業。
2004 年度、NVC は 20 万円の支援を行った。
(財)新潟市国際交流協会の資料より抜粋
※以下、
平成 16 年度の助成件数と助成金額 助成件数:390 件
助成金額:2,128,091 円
■ 機関紙・出版
1.
「かけ橋」23 号 6 月 17 日発行
1.
「かけ橋」25 号・26 号を発行する
2.
「かけ橋」24 号 12 月 7 日発行
2.
「もうひとつのかけ橋」を必要に応じて発行する
■ 講師派遣・対外活動
■ 講師派遣・対外活動
機関紙・出版
■ 機関紙・出版
外国人留学生 国民健康保険料助成
■ 外国人留学生国民健康保険料助成
総会����
第�部
国内事業編
2004 年度報告
1.講演、対談等
・4 月 30 日 新潟大学医学部保健学科「医療
依頼に応じて実施
・7 月 12 日 西新発田高等学校での講演
(担当:藤崎千代子)
・11月2日 「国際ボランティア・シンポジウム」
でのパネリスト(担当:福田忠弘)
・3 月 12 日 非核平和新発田市民の会のミニ
学習会で「NVC の活動について」と題して
講師派遣・対外活動
ボランティア論」講義(担当:渡邉順美)
(担当:高橋節子)
2.小中学校の「総合的な学習の時間」
・5 月 12 日 上山中学校 1 年生(担当:関洋介)
・9 月 14 日 上山中学校 1 年生
(担当:関洋介・内山多恵子)
5
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
NVC 代表
三浦 真
総会����
第�部
総会挨拶
私たち国際ボランティアが、他
これは抜粋ですが、今地球上には、
好と日本語交流について」講演を
のボランティアと違うのは、どん
貧富の格差、人種差別、貧困や不
してくれた人です。大森さんは、
なところでしょうか。国際ボラン
平等など、日常生活さえ満足にで
昨年 12 月 1 日から今年の 2 月 28
ティアは、常に地球規模の視点で
きない人たちがたくさんいます。
日まで、日本語を勉強している「中
物を見て行動しているところだと
これで平和と言えますか。地球が、
国の大學生、院生」を対象に「日
思います。
平和とはいえない状況ですから、
中友好に関するアンケート」をし
では、今の地球はどうなってい
私たちの援助が必要な人たちがた
ました。107 大學、1 万 370 人か
ますか。確かに、国際紛争はあり
くさんいます。NVC の仕事の重要
ら回答がありました。その結果は、
ますが、国家間の戦争はありませ
性は増すばかりです。
ん。戦争がなければ、地球は、平
次に、国家と国際ボランティア
48.2% で、アンケートで初めて半
和でしょうか。
今、
戦争がなくても、
について考えてみたいと思いま
数を割ったこと、いずれかの設問
決して平和だといえない、と私は
す。今、日本と中国は、友好関係
で、日本の「歴史認識」に言及し
思います。
にあるとはいえません。中国は日
た割合が 40.2% で、4 年前の 4 倍
アメリカの中学校の先生が、学
本の「歴史認識」や小泉首相の「靖
以上に上ったこと、が分かったそ
級通信で生徒に「全世界を 100 人
国神社参拝問題」を批判していま
うです。小泉首相が毎年、靖国神
に縮小するとどうなるか」という
す。中国全土で「反日デモ」が起
社に参拝し続けることが、中国の
メールを流しました。有名な言葉
きるほどです。しかし、小泉首相
若者の日本感に影響を与えている
です。人類統計比率で、地球を縮
は、第二次世界大戦について謝罪
のです。中国の若者は、小泉首相
小したわけです。
したものの「靖国神社参拝問題」
の率いる日本国には反発していま
については、止めるとは言ってい
すが、大森さんの国際ボランティ
ません。
ア活動には友好的で、大いに協力
中国の若者が日本を十分に理解
しています。ここに、
国家を超えた、
しないで、日本に反感を持つよう
国際ボランティアの役割を読み取
になるのを心配して、自分で国際
ることができます。
交流研究所というボランティア組
私たちも、私たちの援助を必要
織を作って活動してきたのが、大
としている人たちがいる以上、今
森和夫さんです。2003 年の NVC
年も国際ボランティアとしての役
総会の地球を知る講座で「日中友
割を果たそうではありませんか。
…100 人の村には/ 57 人のアジ
ア人/ 21 人のヨーロッパ人/ 14
人の南北アメリカ人がいます/ 6
人が全世界の富の 59%を所有し
/その 6 人ともアメリ カ国籍で
す/ 80 人は標準以下の住居に住
み/ 50 人は栄養失調に苦しみ/
1 人が瀕死に状態にあり/ 1 人は
今、生まれようとしています …
ベトナム人留学生
Anh Thy
「日本に親しみを感じる」割合が
さん
私は人文科学日本語学科の学生です。文部科学省の奨学金を得ながら、早稲田
大学の日本語教育センターで学んでいます。私は以前 NVC の皆川奨学金を受け
ていました。奨学金はすべて学費に当てて、勉強に集中することができました。
NVC の奨学金を受けている学生たちは皆、日本の人たちの暖かい心を受け取っ
ています。私の場合、ベトナムで日本語の勉強をしていた頃から日本に親しみを
感じていました。そして、実際に日本に来てたくさんの人の親切に触れるように
なってから、より一層日本について勉強したい気持ちが強くなりました。勉強を
続けて、日本とベトナムのかけ橋になりたいと思います。
6
皆さんも、ぜひベトナムへいらしてください。私がベトナムを案内できたらう
れしいです。
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
スタディツアー報告 ベトナム
大友 渉
前回 24 号において既に 2004 年
のベトナムスタディーツアー報告
をした。視察先の説明はそちらを
参照していただきたい。今回は
「地
球を知る講座」で語った内容の
エッセンスだけ抽出した。
未知の世界に対する感情には好
奇心や興味だけでなく、不安や心
配が常につきまとう。情報が少な
い国は不安の方が大きい。アジア
の発展途上国に関する情報は殆ど
日本に入ってこない。渡航先の情
報源としてガイドブックを頼りに
すると、
「襲われる」
「危険である」
という単語の方が、他のどの魅力
的な写真よりも強く心に残る。実
際、空港の外に出るとあっという
間に客引きに囲まれる。分けもわ
からずタクシーに乗れば表示され
た金額とは違う料金を請求され
る。言葉も通じない。そもそもこ
のタクシーは本当に目的地に向
かっているのか? 海外旅行に慣
れないとその時点で「ここは日本
ではない、気を抜くと酷い目に遭
う」と考える。それがベトナムの
も存在する。僕は多くのお金と時
第一印象だった。
間を費やしてスタディーツアーで
だが、僕はスタディーツアーに
得たものは「種」だと考える。ど
参加した。そこで地元の人々と関
のような実をつけるのか、育つの
わる機会を充分に持った。孤児院
か枯れるのかわからない。あれか
では子供と遊んだ。お互い汗だく
ら約 10 ヶ月。その中のいくつか
になることで感じるものがあっ
は僕の中で確実に芽を出してい
た。今回参加したメンバーの中に
る。どのような形で収穫できるの
は「指さしベトナム語会話」を用
か、楽しみで仕方ない。
いて、小学校視察の関係者から言
ボランティアとか、国際協力と
葉を習う人もいた。スタディーツ
かそういった言葉はあとから考え
アーでその国の市井の人と触れ合
ればいい。かなり抽象的な文章を
えたからこそ、未知の世界に対し
並べてしまった。でも、ただ単純
て抱いていた不安感や固さは徐々
に参加してみてれば、きっとこの
にほぐれていった。その後個人的
意味がわかる。
地球�知�講座��������報告
� ����
ベトナムスタディツアーとは
何だったのか
に行ったカンボジアでは、当初怖
い存在でしかなかったバイクタク
シーも軽くあしらえるようにな
り、言葉が通じなくても物売りの
子供たちとの会話を楽しんだ。そ
れだけで大きな成長だと思う。
紙面の関係で詳しく書くことは
できないが、奥地の小学校を視察
し、子供たちと汗だくで遊び、屋
台でたらふく食べ、市場で吹っか
けられて、それだけ濃密な時間を
過ごして得るものは、前述したよ
うな直接的な経験以外にもいくつ
7
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
スタディツアー報告 ラオス
『支援』とは何か?
~ラオス・JVC 支援地を訪れて見えたもの~
地
球
�
知
�
講
座
�
�
�
�
�
�
�
�
報
告
�
�
�
�
山本 愛
■ JVC・NVC 共同プロジェクト
一方浅井戸は、昔から村人達自
(写真①)浅井戸は約 6 ~ 12 mの
☆浅井戸支援☆
身の手で作られてきたものであ
深さ。3 家族が一緒に掘って 10 日
「自立を損なわせるような支援
る。浅井戸を掘っていく作業は大
間で 1 本できる。
よりは、村人達の基盤となってい
変であるが、作る事も管理する事
( 写真② ) JVC と NVC が共同で支
る生活を脇から支える支援をした
も補修も全て村人達の力でできる。
援しているセメントリング。写真
いという気持ちで取り組んでいる
ここでは、“ 浅井戸支援 ” が行わ
は固めたばかりのセメントリング
よ。
」そう JVC ラオス現地スタッ
れている。村人が自身の手で土を
を乾かしているところ。各村で約
フの田坂さんは私に言った。一つ
掘り作った浅井戸が、雨季の時の
20 個程度のセメントリングが作ら
目の村を見せて頂いた時の事だ。
土砂や、土壁が崩れる事により埋
れてあった。これをいくつか積み
浅井戸支援が行われていたはずの
まらないようにセメントリングで
重ねて、井戸の土壁を補強する。
村に、深井戸が存在し、そこで水
補強するのだ。土砂で井戸が埋ま
(写真③)浅井戸で水汲みをしてい
汲みをしている人を見て驚いた。
る度に、村人は井戸を何度も掘り
る少女。この村では水汲みが子供
それはユニセフが 4・5 年前に支
なおしをしなければならないという。
の仕事であった。意外に水の入っ
援したものだという。深井戸の方
せっかく、浅井戸を掘る技術があ
たバケツは重く、一本の竹棒で引
が水は干上がらないし水は綺麗
り、そうして自力で水を確保し自
き上げるのは非常に重労働である。
だ、という村人の話を受け、
『不便
立して生活しているのだからそれ
な浅井戸の支援よりは、使い勝手
を損なわせるような支援を行うの
の良い深井戸を全面的に支援した
ではなく、浅井戸を使っていく中
方がいいのでは』という疑問を思
で困っている事を脇から手助けし
い切ってぶつけてみたのだった。
てあげよう、と浅井戸支援が行わ
たしかに、深井戸は井戸に落ち
れる事になった。それでも支援し
る危険性もなく、とても便利であ
たものといえば、セメントぐらい
る。水汲みが子供の仕事とされて
で、村人自身が準備できるものは
いる村では、子供が井戸に落ちて
全てそれで賄ったという。物も一
亡くなる事もよくあるそうだ。し
方的に提供しない。全てにおいて、
かし、深井戸を作るには高度な技
どこに何がどんな物がどの位必要
術が必要となり、何か不具合が生
なのか、それを見極める事が支援
じた時に村人自身の手で修理でき
していく上で大切なのだという。
ないのだという。部品も特殊であ
そのために、事前の村人達との綿
り、管理はもちろん補修ですら専
密な話し合いは欠かせない。JVC
門家がいないとできない。実際に、
の『村人自身の力でできているも
2 つ支援されていたはずの深井戸
のをそのまま維持させる支援』の
であったが、うち一つはとうの昔
徹底ぶりには心底驚いた。
に壊れて使えないままであった。
1
2
8
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
(写真④)ユニセフが支援した深井戸
☆果樹苗支援☆
『果樹苗支援』では 5 種類の果樹
苗を支援し、村人が栽培している。
村の中で放し飼いにされてある水
牛や豚などの家畜に苗が食べられ
たりしないように、竹を使って柵
を作り、大事に育てていた村人も
いたが、水やりがなかなか習慣化
されず、苗が枯れてしまっていた
ところもあった。水やりが習慣化
されない背景には大きく分けて 2
つあると考えられる。村人の「生
きている物には必ず死が訪れる」
という考え方のもと、水をやらな
かった事が枯れた直接原因になっ
3
6
7
ているという自覚が足りない点と
彼らはそうやって自給自足の生活
と同時に、恩恵を与えてくれた森
井戸が村から遠く、水やり自体が
を維持してきた。
も失うからだ。移転後の生活の確
大変な作業になっているという点
今、その彼らの生活基盤が確実
実な保障もない。彼らの生活基盤
だ。また、今まで森に自然になる
に脅かされつつある。不当な森林
は、皮肉にも貧困撲滅を目的とし
物の中で生活してきている事も原
伐採や、多くの開発事業、政府政
た公共事業に破壊されてしまうのだ。
因の一つという。森で生ったバナ
策などがその原因の大部分を占め
ナや木の実を食べている村人に
る事は否定できない。
■ 訪問を通して見えてきたもの
とって、果樹苗を栽培管理してい
その中でも最も問題視されている
く事自体が慣れない事なのかもし
のが、
『ナムトゥン2ダム』という
れない。ただ、果樹栽培を受け入
大規模なダム建設であろう。
れているという時点で、村人達に
3つ目に見せて頂いた村、ナカ
は栽培意欲はある様子なので、ど
イヌア村は 3 年後にこのダムに沈
うこの『育てていく』を習慣化さ
む予定であり、集団移転する事を
せていくかが今後の課題であろう。
余儀なくされている。このナカイ
(写真⑤)柵の中で大事に育てら
れている果樹苗
■脅かされる自給自足の生活基盤
ラオスでは、主食がコメである
にも関らず、なかなか稲作を安定
して行う事が難しいという。雨季
には洪水のように降り続く雨に稲
が流され、乾季には水が干上がっ
てしまう事がよくあるからだ。そ
のような過酷な環境下でも、人々
が飢える事がなかったのは、
『森』
があったからである。ラオスに
人々は森と共に生きている。森で
焼畑を行って農産物を作り、森で
キノコや木の実などの食料を得
る。長い間、ずっと昔から森から
の恩恵を最大限に受けて、生き抜
く知恵を得てきたのである。生活
のすぐ側に森の恵みがある生活。
ヌア村は、水牛と松が有名な地域
だ。しかし、水牛は移転に伴う土
地の減少で今まで通り飼えるかわ
からず、松はダム建設の話が出て
きた瞬間に政府が伐採してしまっ
たという。たしかに、この村に向
かう途中、ある地点からごそっと
木が消えていた場所が多くあった。
ダンプカーやトラックが激しく往
来する光景をガタガタと走る移動
中の車の中から目にした時、確実
に開発の手がすぐそこまで伸びて
きている事を知り、胸がとても痛
んだ。JVC スタッフとの話し合い
が始まると話題は、ダムの話一色
となる。村人誰もが、自分達の生
活に不安を抱いている。自分達の
田や畑を手放さなければならない
5
4
JVC は『森を守っていく活動』
を行っている。ラオスの森を守
る事が、最終的にラオスの人々の
元来の生活を守る事に繋がるから
だ。地域に密着し、住民達の生活
を知り、それを大切にしているか
地
球
�
知
�
講
座
�
�
�
�
�
�
�
�
報
告
�
�
�
�
らこそできる活動なのだと思っ
た。それが、JVC が支援している
村を見せて頂いていく過程の中で
わかった事であった。
世界の中でも、最貧国の一つと
されているラオス。現在、世界各
国の政府機関や NGO などがラオ
スに経済支援を行っている。その
中の主要援助国であるのが日本
だ。JVC の支援のあり方を知る過
程の中で、もう一度、一日本人と
して、発展途上国に支援を行って
いくという事はどういう事なのか
を考えていかなければならないと
強く感じた。それが、これから、
発展途上国が先進国の支援依存か
ら脱却し、自立していく事に繋
がっていくのだろうと思う。
『支
援していくとはどういう事か?』
その糸口が少しだけ見つかったよ
うな気がした。
(写真⑥)JVC ラオス現地スタッ
フの人達と。
( 写真⑦ ) ラオスの村人達。この
村には最近電気が供給されたのだ
が、弥生時代を思わせる村の雰囲
気の中に立つ電柱は、とてもミス
マッチに感じた。
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
9
スタディツアー報告 バングラデシュ
渡邉 順美
地球�知�講座��������
� �������
2004 年度は、8月に事業調査を
3)サウスバリア村という一つの
NVC 補習教室を担当している
1回、12 月にスタディツアーを1
村を支援対象地として、地域と深
のは、女性のギタ先生、男性のプ
回実施しました。今日は、その内
いかかわりを持つ事業であるこ
ロディップ先生です。このお二人
容をもとに、バングラデシュ事業
と。
の先生にインタビューをしたとこ
の概要についてお話しをします。
それぞれの事業の内容は次のと
ろ、子どもが公立小学校の勉強で
バングラデシュ事業の支援対象
おりです。
わからない点を親に聞いても、親
地は、バングラデシュ チャンドプ
1)NVC 補習教室
自身が文字を読めないので教える
ル県サウスバリア村という村です。
概ね6歳から9歳程度の児童に
ことができない。その結果、勉強
首都ダッカから車で約 5 時間、チャ
対して、公立小学校の補習授業を
についていけず、公立小学校を辞
ンドプル県の県都チャンドプル市
行っています。2001 年から始まっ
めてしまう児童も以前はいたそう
から、さらに車で約 1 時間奥地に
た事業で、現在は、65 名の児童が
です。この背景には、公立小学校
入ったところに位置しています。
学んでいます。ちなみにバングラ
の教育が抱える問題、例えば、1
車で 40 分程走ったところには、大
デシュの初等教育、日本の小学校
学級あたりの人数が多く、行き届
河メグナ川が流れています。
人口は、
にあたるものは、6歳から 11 歳
いた教育ができていないなどの問
約 15,000 人。ちなみに、サウスバ
を対象としています。
題があることは言うまでもありま
リアは、現地の言葉(ベンガル語)
支援の具体的な内容は、児童に
せん。
「小学校で退学」という事
で「ドッキンバリア」と言い、ドッ
配る文房具、おやつ、制服等の費
態は、日本では考え難いお話しで
キンは南、
バリアは場所を表す言葉。
用、先生のお給料、教室の賃貸料
すよね。
すなわち、
「南の場所」といった意
を NVC が負担しています。
また、補習学校開始以前は、保
味です。
さて、NVC 補習教室に通う殆
護者自身も教育に対する関心が低
NVC は、このサウスバリア村で
どの児童が公立小学校に通ってい
く、自分の子どもが公立小学校を
NVC バングラデシュという我々の
ると聞いて、
「どうして、公立小
辞めてしまっても、さほど気に留
パートナーが行っている2つの事
学校の他に補習教室が必要なの
めていなかつたようです。しかし、
業 ― 補習教室と識字教室 ― の支
か?」と疑問を持たれた方もいる
補習教室が始まってからは、保護
援を行っています。
と思います。この理由については、
者の教育に対する関心も高まって
それぞれの事業の説明に入る前
8月に行った事業調査でのインタ
きましたし、何よりも子どもた
に、バングラデシュ事業全体の特
ビューの内容をもとにお話ししま
ちの成績が向上し、公立学校の成
徴を3点説明します。
す。
績上位者は NVC 補習教室の児童
1)現地に NVC バングラデシュと
いう支部を作り、パートナーとし
懸命に学ぶ補習教室の子どもたち
て事業を展開していること。
2)我々 NVC もパートナーである
NVC バングラデシュも全員がボラ
ンティアスタッフで運営されてい
ること。特に強調したいのは、バ
ングラデシュでは、このような全
員がボランティアスタッフで運営
されている NGO は殆どなく、専門
性を有する専従スタッフで運営さ
10
れている場合が多いということで
す。
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
補習教室について語る
お母さんたち
ハード面の支援ではなく、補習教
手紙が届いても他の人に頼み読ん
小学校を退学するケースも少なく
室運営というソフト面に重点を置
でもらうことになります。また、
なったそうです。
いた支援をサウスバリア村で展開
役所で書類の記入をしようとして
保護者の方にもインタビューを
しています。
も、他の人に名前、住所などを書
行ったところ、
「NVC 補習教室に
2)識字教室
いてもらわなくてはなりません。
通う前は、公立小学校へ行きたが
サウスバリア村では、補習教室
ちなみに、バングラデシュの成
らなかったけれど、
通うようになっ
の開始を契機として、保護者にも
人識字率を見た場合、男性 61.6%、
てからは、公立小学校へも喜んで
教育に対する関心の高まりが見ら
女性 26.4%と男性に比べ女性の識
行くようになった」とのことでし
れ、保護者自身から識字教室の開
字率が低い状況です(2002 年の調
た。また、
「どんな宿題が出された
講を求める声があがりました。
査による)
。
か」など、子どもが家庭で積極的
この事業は、国連女性開発基金
識字教室については、今後実施
に勉強の話題を話すようにもなっ
升本美苗基金より 18 万円の助成
するスタディツアーで進捗状況を
たそうです。親のかわりに子ども
を受けた事業で、2005 年1月から
確認し、皆さんに報告をして参り
が書類を書いてくれることもある
開始した事業です。
ます。
そうです。
職字教室では、補習教室に通う
最後になりましたが、バングラ
また、
「子どもたちがどんな勉強
児童の保護者 ― 具体的には、文
デシュ事業を担当し思うことは、
をしているのか関心があるので、
字が読み書きできない方、自分で
NGO、特に、NVC のようにボラン
教室をのぞきに行ってしまう。機
学習を続けるだけの識字能力を身
ティアで運営している団体は、善
会があれば、私たちも学んでみた
に付けていない方、また識字能力
意や使命感が先に立つことが多い
い!」という話しがありました。
を使う機会がなく非識字に戻って
が、あくまでも主体は支援の対象
確かに、初等教育の成果は、簡
しまう恐れのある方 ― に対して、
者であるということです。この点
単に表れるものではありません。
文字を読むこと、書くことを中心
は、今後もしっかりとわきまえな
しかし、理解が不十分のまま授業
とした授業を夜間に行っています。
くてはなりません。
が進んでしまい、その結果、小学
人数は、6 ケ月単位で 15 名(年間
バングラデシュのスタディツ
校を退学するというケースがバン
30 名)です。
アーは、当面少人数で組むことに
グラデシュでは現実としてあるの
この事業は対象が女性なので、
なりますが、一回毎にお一人でも
です。また、このような初等教育
開始にあたっては、まずご主人の
新しい方に参加していただいて、
でのつまずきにより、文字を書け
承諾をとりつけることから始め、
事業の現状を見ていただきたいと
ない、読めない、計算ができない
教員も補習教室を担当している2
思います。また、料理や音楽など
大人になってしまう可能性もあり
名の教員のうち、女性の教員に担
バングラデシュの豊かな文化に触
ます。こうした事態を防ぐ為に、
当してもらうことになりました。
れるプログラムも組み入れていき
NVC では、建物を立てるといった
文字を読めず、書けなければ、
たいと考えています。
補習教室と識字教室に奮闘する
ギタ先生
補習教室について語るお母さん
輝く瞳―識字教室開講式を終えて
地球�知�講座��������
� �������
が多くなりました。もちろん公立
11
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
スタディツアー報告 アウシュヴィッツ
新津 厚子
地球�知�講座
��������報告
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2005 年の最初を飾る私の海外
ウ、そしてドイツのベルリン近く
チスドイツによる全体主義の暴力
旅行は、NVC スタディツアー兼ゼ
にあるザクセンハウゼンの計 4 ヶ
がヒトラー初め特定の人間の性格
ミ合宿の東ヨーロッパ収容所巡り
所である。各収容所はそれぞれ全
で説明できるものでなかったこと
であった。全てが手探りの荒業で
て特色が強く、訪れた後、1 時間
を実感した。
「アルバイト マハト
あったが、この旅で私の生き方と
は自分の周りに収容所独特の空気
フライ(労働は自由をもたらす)
」
人生は完全に変わった。これは大
が漂っているような気がしたほど
は、当時、本当に正義として信じ
げさな表現ではない。何度か海外
だった。ここでは各収容所の詳細
られていたのである。もちろんこ
経験があった私だが、今回の旅ほ
を述べるというより、全体を巡っ
の命題は、資本主義経済中心の現
ど人間という存在に良くも悪くも
た体験から私が実感した一つの思
代でも充分当てはまる。現在日本、
心を動かされたことはなかった。
想を紹介する。
アメリカが全体主義へ移行してい
戦後 60 年を迎えた冬のアウシュ
それは、
『暴力は日常である』と
るとの懸念は、最近の社会的事象、
ヴィッツは寒かったが同時にとて
いう考えだ。
「そんなの当たり前だ」
例えば国歌斉唱に対する教職員処
も温かかった。ツアーを終えてし
と考える方も、
「どこが日常だ、自
罰、殺害されたイラク人質であっ
ばらく経った今、私はその温かさ
分は暴力なんか使ったことはない」
た幸田さんの自己責任論、北朝鮮
こそが現場を感じるということの
という方もいるかと思う。しかし、
問題を見ても決して的外れではな
意味だったと痛感している。
それを踏まえた上で、なお私は、
いだろう。そのような「個人が自
この文章を始める前に、先日、
ひとは生きている以上、加害者と
由に声を上げられない状態」は、
地球を知る講座に出席頂いた皆様
被害者の側面をあわせ持つという
一定規模継続すると大きな権威と
に、当日私の未熟なツアー報告に
事実を強く訴えたい。私たちは常
なって弱者への暴力をもたらす。
ついてお詫びしたい。暴力の性質
に暴力と隣りあわせに日常を過ご
ナチスドイツ政権では、その暴力
をなるべく身近に引き付けて考え
している。
の対象はユダヤ人、障害者、同性
られるようにと知恵を絞ったのだ
アウシュヴィッツ強制収容所で
愛者、娼婦らなどであり、私たち
が、
「意味不明だった」とのご指
私たちは、残虐であったと言われ
は実際、博物館内で採集された義
摘を何人かの方に頂き、深く反省
る SS 所長ルドルフ・ヘスが実は
足やメガネ、靴や髪の毛を見た。
した。今回はその反省をいかして、
非常に真面目で家庭的な父であっ
それらはかなり生々しく、本当に
なるべく分かりやすく、収容所め
たことを知った。アウシュヴィッ
生きたものとして館内にあった。
ぐりで私が感じたこと、体験など
ツも綺麗なポプラ並木が植えられ
当時は足並みをはずすものを本当
を述べていこうと思う。本当に稚
たその外観は、そこで約 103 万人
に排除していた。そう想像したと
拙な文章ですが、どうぞお付き合
が犠牲になったとは思えないほど
たん私は、
「もし自分も当時生きて
いお願いいたします。
芸術的だった。私はそこから、ナ
いたら絶対に殺されていた」と考
今回のツアーは、2 月 10 日から
18 日までの 8 日間を通して、新
アウシュヴィッツの門
潟国際情報大学佐々木ゼミナール
3 年のゼミ学生 8 名、佐々木寛先
生、県平和センターの高野さん、
NVC 運営委員の福田さんの計 11
人が東ヨーロッパを駆け巡った怒
涛の体験であった。訪れた収容所
は、ポーランドのワルシャワにあ
12
るトレブリンカ、クラクフ近くに
あるアウシュヴィッツ、ビルケナ
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
ドイツ学生マチアスと
(電車内にて)
ドイツ・チェコ間、国境越え
え、とても怖くなった。自慢じゃ
ヴィッツのポストカードセットを
ここで紹介した出来事はほんの
ないが、私はいつも足並みを乱す
購入した数人のメンバーに私が一
一部であり、これ以外にも今回のツ
タイプだったからである。その一
枚をねだったことがきっかけだっ
アーは様々なドラマがあった。今ま
方、感じたのは、彼ら彼女らが排
た。気軽に頼んだので全く気にし
での内容からは想像できないかも
除される世界では、果たして誰が
ていなかった私に対し、後で、完
しれないが、11 人で訪れたヨーロッ
人間とみなされるのかということ
全版だからあげられないことをわ
パは単純に楽しかった。
笑いもあり、
だった。アウシュヴィッツ第 2 収
ざわざ詫びてくれた男子メンバー
涙も怒りも楽しみもあった。ずっと
容所ビルケナウでは、多くの人々
がいた。私はその純粋さに心を打
暴力と隣りあわせだったヨーロッ
が「労働不能・労働可能」で生死
たれ、
「全然気にしないで」と言
パはそんな地域なのだと思う。こ
を判断された。それらの事実から
い返したが、彼は引かず、最終的
れまで文章を通し、暴力の性質に
も私は当時のナチスドイツに「本
には私に一番よいポストカードを
ついて述べてきたが、
それでもなお、
当の人間」は存在しなかったと思
一枚くれた。しかしその一連の会
私はこの旅で暴力性を超えて人を
えてならない。しかし私は同時に、
話を聞いていた友達はこう言っ
信じる覚悟をした。それはこのツ
過去の歴史を前に現在は「本当の
た。
「やっぱなぁ。そういう誠実
アーを通して、奇麗事を越えたひ
人間」が存在するといえる自信は
な態度は逆に彼らに罪悪感をもた
との力や意思、精神性を強く感じ
ない。とても残念だがそれは現段
せるから、他の人も皆いずれポス
たからである。あまりの感動から
階、事実だ。
トカードをくれるよ。私ならわざ
帰国後、その興奮が冷めるまで 2 ヶ
だからこそ、先に私は『暴力は
と要らないようなフリをするけ
月以上かかってしまった。その感動
日常である』と述べた。これは過
ど。それって優しさの暴力だよ。
」
を私の今の能力で言葉にするのは
去から現在に至るまで通用する思
それを聞いた時、私は頭の良い彼
非常に難しいが、これを機に、私
想だと考えたからだ。私たちはゼ
女に敬服したし、少し悔しいとも
は生涯を通して「生の学問」であ
ミ合宿中に、あらゆることで問題
思った。私はずっと自分を守るた
る平和学を学ぶこととした。
を起こし、お互い腹を立てた。私
めに、人を傷つけたくないと思っ
「人は美しい。
」これは旅行熱の覚
の場合は、1 人のゼミメンバーに
ていたが、彼女は、誠実ぶった私
めやらぬ頃の日記から引用した臭
「優しさの暴力」について指摘され
の甘さを感覚的に理解していたの
い一文であるが、この言葉がいつ
た。この出来事は目からウロコだっ
だと思う。これらのことは、ほん
か青二才のたわ言としてではなく、
たので、多分一生忘れないだろう。
の些細な出来事だが、私のなかの
私たちの現実にいきた言葉となる
それは一枚のポストカードから教
暴力性を実感するのに充分だっ
ことを願って、ひとまず文章を終
わった真実である。ここでは話を
た。
えることとする。
地球�知�講座
��������報告
� ��������
記念撮影(アウシュヴィッツにて)
かいつまんで説明する。アウシュ
アウシュヴィッツのバロック
処刑台の上に飾られた旗
アウシュヴィッツ博物館 義足
13
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
ついにサウスバリア村に識字教室を開講
藤崎 千代子
特定非営利活動法人ユニフェム
Hot News
年末に、三浦代表、谷口さん、渡
資金の貸し出し事業をこの村で始
邊さんとともに渡航した。
めたので、名前は記号として書い
会升本美苗基金助成金が、サウス
識字教室は 2005 年度の事業
ているのだろうと、通訳が解説し
バリア村に識字教室を開講するた
(2005 年 1 月 1 日 ~ 12 月 31 日 )
めに授与されることになり、2004
として委託された事業である。本
識字教室は現在、机、椅子を購
年 12 月 4 日に授与式があることは
来ならば 2005 年 1 月 1 日に開講
入し、教科書を用意して学習を続
報告した(
「かけ橋」第 24 号)
。
式を行うべきだが、滞在の事情で
けている。
「受講生の年齢と家庭
この助成金は、途上国の女性の
1 日繰り上げて 2004 年 12 月 31
環境の為、識字能力を向上させる
エンパワーメント(権限付与)と
日におこなった。現地には、NVC
ことは容易なことではないが、識
ジェンダー平等を目的とする国内
Bangladesh の裁量で、識字教室
字教室に通うことによって進歩し
外の活動に対して授与される。今
開講にあわせて新校舎が建築中で
ていることは間違いない」と、カ
回の第 1 回授与の対象は NVC と
あった。土台と途中まで建ちあがっ
ウンターパートが伝えてきた。
AVC(アジアボランティアセン
た壁、トタン屋根だけの空間に 15
彼女らの勉学環境を改善し、意
ター)である。AVC はネパールの
人の女性が集まった。子連れ、老
欲を高めるために、他 NGO のよ
ダリット(被差別カースト)の女
女(孫が NVC 補習学校の生徒)も
うに受講生にコースを終えた段
性を日本に招聘し、相互研修をお
混じっていた。講座名は「ミナエ
階で報償すべきかどうか(ある
こなうプロジェクト。
コリ」
。「 コリ 」 はベンガル語で苗
NGO は 600 タカ(約 1200 円)を、
授与式は横浜フォーラムにおい
とか蕾を意味する。勉強して大き
他の NGO は鶏とか子山羊を与え
て行われた。ユニフェム日本の理
な花を咲かせてもらいたいという
ていると聞く)
、より効果ある識
事長有馬真喜子さんの挨拶に続い
期待を込めた。日本語とベンガル
字教室にするために、教師に識字
て、
授与団体の挨拶(授与への感謝、
語を合成したこの名称は日バ交流
教育の研修の機会を与えてはどう
団体紹介、プロジェクトの目的等)
、
に相応しい。三浦代表の挨拶の後、
か等、カウンターパートと検討す
続いて小山内美江子さんの記念講
お母さんたちから小黒板に名前を
る必要があると考えている。
演「金八先生、NPO・学校をつくる」
書いてもらう。半分位の人は書く
があった。いずれもずしんと魂を
ことができた。昨年から Brac(ブ
揺さぶる刺激をうけた。
ラク)
、Asa(アシャ)という NGO
この助成金 18 万円をもって、昨
がマイクロクレジットという自立
(国連女性開発基金)日本国内委員
14
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
てくれた。
非核平和都市宣言にむけて
「非核平和を考える新潟市懇談会」が始動!
三浦 真
言し、
「国際平和都市新潟」をアピー
を述べるだけでしたが、
今後は、
「非
市の宣言文作成を検討する「非核
ルしよう、というのです。
核3原則」が中心のテーマになる
平和を考える新潟市懇談会」が、
新潟は、環日本海のゲートウェ
と思います。伊豆見教授は「
『作ら
6月2日、新潟市役所で開かれま
イ都市として、対岸各国との交流
ず、持たず、持ち込ませず』の非
した。私は、新潟国際ボンティア
が盛んであり、国際交流を通じて
核3原則は、時代遅れです。これ
センター代表の委員として出席し
平和都市を実現するのは、素晴ら
からは、
『拡散させず』
が重要になっ
ました。
しいことだと思うのです。
てきます。また、平和利用の核の
委員は9人で次の人たちです。
新潟市はすでに、海外の都市と
扱いも問題になるでしょう」と話
①伊豆見元(静岡県立大教授)②
姉妹都市、友好都市、交流協定都
していました。
遠藤健一(新潟県原爆被害者の会
市の約束をしています。
県原爆被害者の会の遠藤・前会
前会長)③小山厚子(はばたけ 21
①ハルピン(中国)②ガルベスト
長は、
「新潟市は、原爆投下予定
の会幹事)④三浦真(新潟国際ボ
ン(アメリカ)③ハバロフスク(ロ
都市の一つでした。被爆の被害を
ランティアセンター代表)⑤三橋
シア)④ウラジオストク(同)⑤
逃れた都市として、核廃絶を主張
郁雄(環日本海経済研究所特別研
ビロビザン⑥ナント(フランス)
することに意義があります」と述
究員)⑥矢田俊文(北九州市立大
⑦キングストンアポンハル(イギ
べました。
学長)⑦横田滋(北朝鮮による拉
リス)の各国です。また、定期空
また、横田さんは「北朝鮮は核
致被害者家族連絡会代表)⑧若月
路は①ハバロフスク②ウラジオス
開発を継続しています。もし、核
章(新潟県立女子短大教授)⑨渡
トク③ハルピン④上海⑤ソウルが
兵器を持てば、周囲の国も自衛の
部貢
(非核新津市民の会事務局長)
。
あり、定期貨物航路は、中国、韓
ために、核武装をすることになる
私は、NVC の皆様の代表として出
国と結ばれています。
でしょう。それを防ぐためにも、
席し益したので、経過をその都度、
私は、国際ボランティアの立場
核不拡散は大切です」と言ってい
会員の皆様にご報告いたします。
から、国家や政府が政治的にどん
ました。
新潟市は、3月 21 日、13 市町
な対立をしようとも、自治体は、
次回は①誰のために宣言するの
村と合併して 78 万人の大都市に
自治体同士の交流で平和に貢献す
か②誰に向けて宣言するのか③何
なり、秋に巻町と合併すると、82
ることが出来るし、民間の国際ボ
を目的に宣言するのか④今、なぜ
万人になります。2年後には、日
ランティアは、民間同士の別の立
宣言するのか⑤なぜ新潟が宣言す
本海側唯一の政令指定都市を目指
場で、平和活動が出来ると思う、
るのか、に絞って討議します。
しています。そこで、このメモリ
と話してきました。
後3回ほど議論して、10 月ごろ
アルな年に、
「非核平和都市」を宣
この日の会は、それぞれが意見
正式に宣言する予定です。
Hot News
非核平和都市宣言を目指す新潟
15
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
NVC バザーと新しいイベントの方向性
窪田 雅企
Hot News
みなさん、こんにちは。このた
いる「中郵便局」もう一つは今年
して、我々の活動、その国の文化
びの総会で、
新運営委員、
副代表(国
5 月にオープンした「国際友好会
などを来て頂いた方に理解して頂
内担当)バザー実行委員長に選ば
館」です。色々と検討の結果、例
く為に
「視覚、
聴覚=映像、
衣装」
「味
れました。まだまだ NVC の活動
年通り新潟市東掘の中郵便局に決
覚、
臭覚=食品」
「文化、
工芸=踊り、
は浅いのですが、このような大役
定致しました。最大の理由はやは
工芸品」等、実際の体の五感で体
を頂き重大な任務と今更ながら責
り第一に地の利を生かし、
「動員
験でき、来場者が我々の活動を理
任を痛感致しております。しかし、
数を確保する=収益を上げる」と
解して頂ける場としてのイベント
選ばれお受けしたからには、最低、
いう事です。第二は開催場所が定
を考えています。小・中学校の総
昨年度と同等の収益、そしてプラ
着してなじみがある、固定客がい
合学習の国際理解の一コマとして
スアルファー以上の実績を上げた
るという事です。今年のバザーも
も大いに活用できる場に出来たら
いと思っています。しかしその為
昨年以上に元気良く楽しいバザー
と思っています。
には皆さんのご協力が不可欠です。
にしたいと思います。
では誰がそれをやるのか、誰が
前任の関実行委員長や運営委員の
また、5 月に新しくオープンした
その料理を作るのかという事です
先輩方の助言を頂き、準備をしっ
クロスパルにいがたの方は、まだ
が、今後は毎月お料理会=茶話会
かりとやっていきたいと思います
まだ知名度も低く、地の利も中郵
の場所を設け運営委員会と違った
ので、会員はじめ協力諸団体の皆
便局に比べて良くないとの理由
会員の方が来やすい交流の場所を
様のご協力を宜しくお願いいたし
と、
「動員数の低下=収益の減少」
つくりその場を通じて、新しい会
ます。
です。しかし、捨てがたいのは調
員の募集入会も同時にやって行き
NVC「愛のかけ橋バザー」は、
理室を完備しさらに飲食可能な交
たいと思っています。NVC がこれ
いわば NVC の財政の要です。我々
流ホールがあるという事です。又
からもっと発展していく為に、今
の活動はこのバザーの収益金、会
我々の活動を報告するのに好都合
後の活動の色々な意見を聞いたり
費と寄付金によって成り立ってい
な映像ホールという設備もありま
出来る場になればと思っていま
る訳で、このバザーの成功か否か
す。会場の名前からしても我々の
す。この「かけ橋」をお読みになっ
によって今後の活動が左右される
活動にはふさわしい場所です。そ
た皆様の幅広いご意見をお待ちい
事を思うと、いかにバザーを成功
こで、新たなイベントの提案が持
たしております。
させるかが問題です。
ち上がりました。名称は未定です
5 月 23 日の運営委員会で、今年の
が、
「NVC フェアー」
「NVC まつ
バザーの会場に二つの候補が上が
り」とでも申しましょうか。NVC
りました、一つは例年通り行って
の活動を多くの人に紹介する場と
16
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
新運営委員紹介
鈴木晴夫
窪田雅企
運営委員
運営委員
みなさんこんにちは。昨年
ディツアーを担当させていただ
のバザーでタイのコーナーを
くことになりました。
担当し木魚型かえるを売って
NVC との関わりは 2003 年の
いたのが私くぼたまさきです。
ベトナムスタディツアーに参加さ
今年新しく運営委員に選ばれま
せていただいたことから始まりまし
した。タイ在住歴が9年ありタイ
た。実はその数年前から運営委員会に参加して、お話を
の大学
聞いたこともあるのですが、正直あまりピンときません
イの大学で学生には日本語を付属小学校では体育、図工、
でし た。その後『かけ橋』を読み、インターネットで
ボーイスカウト、日本語を教えていました。近隣のラオ
活動内容を知り、スタディーツアーに参加しようと決意
ス、カンボジア、ネパール、フィリピン等は幾度となく
しました。実際に参加してみると、
かな り衝撃的でした。
行った事がありますが、NVCの活動地ベトナム、バン
いろんなハンディを負いながら明るく歌を歌ってくれた
グラディシュはまだ行った事がありません。これから、
学生達、孤児院でさびしい思いをしながら、
精一杯振舞っ
NVCのスタディーツアーにも積極的に参加をしNVC
てくれた女の子達。先生の言うこ とを一生懸命聞いて、
の活動が本当に現地に必要とされ地元の方の自立をたす
かわいい笑顔を見せてくれた子ども達。そんな人達を見
ける活動になるよう頑張りたいと思います。先輩方を見
ている と、まだまだ我々にはやるべきことがたくさん
習い又新しい提案を出して常にフレッシュな空気と新し
あるし、もっと広くたくさんの人に活動内容を知ってい
いメンバーにも入り込みやすくウェルカムでアットホー
ただきたいと思います。微力ながら一生懸命努めさせて
ムな活動にしていきたいと思います。
Hot News
この度、運営委員としてスタ
を出てタイの小学校の教員免許を取り、タ
いただきたいと思います。どうぞよろしくお願い致しま
す。
芳賀理江
橋本めぐみ
運営委員
運営委員
芳賀理江と申します。今年度、
みなさん、はじめまして。県立
NVC の運営委員をやらせて頂く
新潟女子短期大学 NicolvE( ニ
ことになりました。私は今年度
コルブ ) 代表、
橋本めぐみです。
この度新運営委員という大きな
の新潟大学国際ボランティアサー
仕事をいただきました。
クルの代表をしております。昨年は
NVC のベトナムスタディツアーへ参加し
こ
の 5 月から運営委員会に出席し、微力
て、とてもいい経験をすることができました。さまざま
ながらも書記という仕事をさせていただいております。
なことを考え、初の海外旅行でしたが、とても充実した
私を NVC に導いて下さった多くの方々、そして運営委
ものとなりました。自分とは異なった年齢の方々と行動
員のお声をかけて下さった谷口良さんのおかげで、私は
をともにするおもしろさ、これも NVC の魅力の一つだ
やりたくても行動せずにしなかった目標を、NVC の中
と思います。
から見出だすことができました。それは私自身が NVC
私自身は新潟大学で物理学を勉強しております。星や
のいろいろな活動に関わり体験し、そしてその体験談を
宇宙のことに興味のある学部 3 年生です。最近、平和を
周りの若い人達に発信することです。NVC には経験豊
考える IN 新大、という集まりで、平和のことも考えて
富で様々な職業の会員さんがいらっしゃいます。みなさ
おります。福田さんの授業もとてもおもしろいです。さ
んの話を聞くということで、視野が広がり、聞いている
まざまな活動にどんどん積極的に参加できたら、と思っ
私はワクワクしてくるのです。学生という身分ですが、
ています。国ボラ共々、どうぞよろしくお願いいたしま
そこから見える意見を出して、精一杯頑張りますのでど
す。
うぞよろしくお願い致します。
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
17
������
前回(かけ橋 24 号)
前回(かけ橋 24 号)
谷口良さんからバトンタッチ
新津厚子さんからバトンタッチ
吉田 美智子さん 会員(阿賀野市)
佐々木 寛さん
皆さんはじめまして。私は、何年か前に谷口さん
こんにちは。光栄にも前回新津厚子さんからご紹
を通して NVC を知って興味を持ち、会員にならせて
介をいただいた佐々木です。
NVC会員とはいっても、
いただいている者です。体調の関係で残念ながら活
これまでほとんどまったく貢献してこなかったので、
動には参加できていないのですが、
「かけ橋」の一読
お恥ずかしいばかりです。申し訳にはならないので
者としてお話させていただきたいと思います。
すが、昨年度は、スタディツアーで10名の参加者
「かけ橋」からは、私の日常の生活からは決して得
と東ヨーロッパにでかけました。トレブリンカ・ア
ることのできない貴重な刺激をいただいて、ありが
ウシュヴィッツ・ビルケナウ・ザクセンハウゼンの
たく思っております。私など、外国の人と接する機
4つの強制(絶滅)収容所を見てきました。まだ余
会もなく、遠い世界のことはテレビなどを通してし
韻が消えず、おそらく参加者全員が感じたことかも
か分からないのですが、NVC によって、マスコミで
しれませんが、どっしりと重い課題をしょいこんで
は報道されないアジアのいろいろな実情を知ること
しまったような気分です。NVCがこれまでそうで
ができました。本当に厳しい環境の中で生きていか
あったように、今後も新潟の市民と世界とをつなぐ
なければならない人のなんと多いことでしょう。
大きな役割を担っていくのだとすれば、スタディツ
自分がこれまでの生活であたり前にしていたこと、
アーは、これからも大きな意味をもつような気がし
例えば、水、電気、燃料、食料など、あらゆる生活
ています。今後もさまざまなかたちのスタディツアー
物資が不自由なく手に入る生活、教育や高度医療サー
に挑戦できればと思っています。
ビスが受けられるということ、こういった日本人と
さて、
「自己紹介」ですが、現在、新潟国際情報大
しては普通のことが、地球人という視点で見ると、
学で教育・研究に取り組んでいます。担当科目は「平
いかに有り難いことかということに気づかせていた
和学」や「NGO論」などです。新潟駅の近くの一
だきました。
軒家に住んでいますが、現在配偶者の仕事の関係で
NVC を知った当初、見知らぬ外国人の人たちのた
子どもたちは国外(シドニー)にいるため、新潟の
めにあんなに時間や労力、経費を費やせる人がいる
広い居住空間をエンジョイしています。
ただ、
昨年チェ
ということが私には驚きでした。NVC にはいろんな
チェンからやってきて日本語を勉強しているもう一
魅力があるのでしょうね。先日バングラデシュでの
人の「子ども」が同居しているので、それほど寂し
活動の映像を見せてもらいました。現地の人たちと
さを感じずにすみます。よく趣味をきかれるのです
NVC スタッフと、言葉は違っても心はしっかり通じ
が、考えてみると、生きることそのものが趣味のよ
合っている光景は、心癒されるものがありました。
うなものです。以前7歳の子どもに「お父さんは好
そして、民族文化は違っても同じ人間同士なんだと
きなことしかやってないね」と言われ、反論できま
いう思いを強くしました。
せんでした。好きなものは、そうですね、新潟の5月。
運営委員(新潟市)
さえぎるもののない太陽とさわやかな風がいいです
「自称 21 歳、孫あり」とおっしゃる北
次回は、
村樹二さん。昨年入会された社会人男
性のうちのお一人です。大いなる北村さんのご活躍
を期待してご登場をお願いしたいと思います。
ね。ああ、もう字数が足りません。
私の研究室の隣の隣に住んでいる、高
次回は、
橋正樹先生にしましょう。同じ大学が
続いてすいません。でも、わが大学の「原子力兵器」
といわれるパワフルな高橋先生を是非みなさんにご
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紹介したいと思います。
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
前回(かけ橋 24 号)
関洋介さんからバトンタッチ
佐藤信幸さんからバトンタッチ
村山 康成さん 会員(柏崎市)
嶋田 正義さん 運営委員(新潟市)
こんにちは。ほぼ幽霊会員と化している村山康成と
私が NVC と出会ったのは、今から 14 年前のこと
言います。居住地は柏崎市です。
です。妻の職場に届いた 1 通の
「親子スタディツアー」
僕がNGOやボランティア活動に関わり始めたのは、
のパンフレットがきっかけでした。二の足を踏む私
96 年、つまり阪神淡路大震災の翌年のことです。新
と乗り気満々の高 1 の娘を何事もなかった様に、妻
潟県庁にボランティア活動そのものを担当する新しい
はカンボジア難民のカオイダンキャンプに送り込み
係「社会活動推進係」ができ、その初代職員になった
ました。その時から、私の中に眠っていた遅すぎた
ことがきっかけでした。新潟県広しと言えども、仕事
青春の扉、それとも開けてはならないパンドラの箱
でやむをえずボランティア活動と付き合わなくてはな
が開いて「NVC スダティツアー」に魅了されていき
らなくなったのは僕ぐらいのものでしょう。
ました。
NPO 法つまり「特定非営利活動促進法」の成立には、
タイを振り出しにシンガポール・ラオス・カンボジ
公私ともに関わりました。県庁を退庁後、その足で新
ア・ミャンマー・ベトナム・バングラディッシュ・マ
幹線に乗って東京の集会に出かけたこともあります
ダカスカル・ケニアと探検活動は進んでいきました。
し、
自費で勉強会をやったこともありました。僕にとっ
ここにその国々で体験したハプニングを紹介します。
ては非常に思い入れの強い仕事でした。今や NPO 法
【ベトナム編】
人も当たり前のものになり、感無量と言いますか、正
「ベトナム未来プロジェクト」第 1 号、小学校着工
直ついていけない部分も感じはじめています。トシを
式に出席した時のことです。
重ねたということなのでしょう。
白昼 2 人組のバイク強盗にTさんがバッグを引っ
僕は NVC を、
新潟におけるボランティア活動のリー
たくられ、10 数メートル引きずられ怪我をした事故
ディング・カンパニーであると思っています。バザー
がありました。そのときパスポートごと盗られてし
で数百万も収益をあげたり、いくつも学校を経営して
まったので、パスポート再発行申請のため領事館に
いたり、アジアやよその地域の実情をわかりやすく新
出向いたときのことです。そこにいた同じ境遇の日
潟に伝えたりする団体は、新潟では皆無です。でも一
本人女性に同情してしまい、ホテルに連れてきたた
方では、新潟で NGO があまり育たないことが淋しく
め、NVC の女性陣に白い目で見られてしまい、中年
もあるんですね。
男の面子台無しでした。
現在は新潟 NPO 協会という「NPO を支援する
反省:男たるものスケベ心を起こさず、NVC の女性
NPO」で、常務理事という役職にあります。自分自
以外に目をくれるべからず。
身が NPO で役職につくなんて以前では想像すらしま
せんでした。そもそも福祉でも環境でもどんな分野の
ボランティアでも紹介できる結節点をつくりたい、と
思い始めてから 10 年近く。結節点が、
ただの
「節くれ」
になったのかもしれませんけどね。
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前回(かけ橋 24 号)
【バングラディッシュ編】
再度、
「ベトナム未来プロジェクト」の小学校開校
式に出向いた時の事です。
開校式に出席して、その足でバングラディッシュ
に向かう予定でしたが、私たちの乗る飛行機がフラ
僕からは江口昌樹さんをご紹介します。
次回は、
旧ユーゴのことでは全国的なエキス
ンスから来ないため、その日はベトナム泊まりとな
パートです。昨晩もいっしょに仕事しておりました。
来ない超豪華ホテルに泊まり、超豪華ディナーにあ
また飲みましょうね。
りつけたラッキーな一日でしたが、その後が大変で
りました。お陰で NVC のスタディツアーでは経験出
した。翌日バンコクを経由してダッカに着きました
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
19
が、今度は預けた荷物が手元に届かず 3 日間も着の
最後に、数えれば多々ありますが、これは印象に残っ
身着のままの臭いバングラ生活でした。
た僅かな 1 例です。
反省:人生ラッキーよりもアンラッキーが多い。下着
今回のリレートークを仰せつかって「ふっと」気
の1セットくらいは手荷物に入れておこう。
づきました。今までスタディツアーを通して、たく
さんの異文化体験で「ときめき」
、ハプニングに遭遇
【ミャンマー編】
この国はほとんどトラベラーズチェックが使えま
して「ドキドキ・ワクワク」を経験して NVC でしか
せん。そんなこととは知らず、入国してしまい、食事
体験できない充実感を得てきました。
もままならず、欲しい物も買えず、NVC メンバーか
ケニアを最後に忘れていた「ときめき」を取り戻
ら借金を重ねミャンマーでの大貧民生活を経験しま
しに、恐るべしメンバー達ともう一度 50 男トキメキ
した。あらためて友のありがたさが身に染みた異国で
人生にチャレンジします。
した。
NVC の大黒柱(身体だけ?)で恥と文
反省:スタディツアーに行くときには事前にその国の
次回は、
章を書いた事の無い「進直一郎」にお
勉強をしましょう。今回は、勉強不足のツケでした。
願いします。
「かけ橋」25号をお届けします。
今号は、多忙な金子洋二委員に代わり、瀧澤陽子委員が企画、編集、レイアウトまで一手に引き受けてくださり、
ご尽力いただきました。原稿をお寄せくださいました皆様、瀧澤委員に感謝申し上げます。
■ 第 17 回 「 愛のかけ橋バザー 」 のお知らせ ■ 会費納入のお願い
今年のバザーは 10 月 15 日 ( 土 )・16 日 ( 日 ) に
例年通り新潟中郵便局 3 階の体育館において開催の
予定です。今年は昨年までの関洋介さんに代わって、
窪田雅企さんが実行委員長を引き受けてくださいま
した。今年も会員の皆様の絶大なるご協力をお願い
いたします。商品の提供は、年々厳しくなってきて
いる状況にあります。NVC 活動の重要な資金源と
して今年もぜひともご協力いただき成功させたいも
のです。
近日中に実行委員会を立ち上げる予定です。バ
ザーについてのご意見やご提案をお寄せください。
■ 2005 年度役員のお知らせ
20
5 月 15 日の総会において、2005 年度の役員が
以下のように承認されました。よろしくお願いい
たします。
代表 三浦 真
副代表 運営担当 多賀秀敏 高橋節子
副代表 事務局長 谷口 良 副代表 事務局担当 渡邊順美 副代表 国際事業 福田忠弘 藤崎千代子 副代表 国内事業 窪田雅企(バザー実行委員長)
副代表 財政 阿部美恵子 副代表 広報 金子洋二 今年度の会費をすでに58名の方から納入いた
だいております。(6 月 6 日現在 ) 会費はNVCの
運営および事業の貴重な資金源として生かされて
おります。まだの方は納入をよろしくお願い申し
上げます。
【年額】
個人会員 一口12, 000円
夫婦および家族会員 一口20, 000円
大学生 一口 3, 000円
団体会員 一口10, 000円
(高校生以下は無料)
振込先 郵便振替口座番号 00660-2-21594
加入者名 NVC 事務局
発 行:新潟国際ボランティアセンター
〒 951-8126 新潟市学校町 2-5293-3
学校町ビル 4F
ホームページ:http://www.nvcjapan.org
E-mail:[email protected]
Phone & Fax:025-222-7899
発行日:2005 年 6 月 27 日
編 集:瀧澤陽子
デザイン協力:後藤さおり
新潟国際ボランティアセンター かけ橋 25 号
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