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長崎県の認知症対策等総合 支援事業の進捗について
資料6 長崎県の認知症対策等総合 支援事業の進捗について 長崎県福祉保健部長寿社会課 平成26年9月3日 平成26年度第1回認知症施策推進会議 認知症高齢者の現状(平成22年) H25.9.4 社会保障審議会介護保険部会資料 ○全国の65歳以上の高齢者について、認知症有病率推定値15%、認知症有病者数約439万人と推 計 (平成22 年)。 また、全国のMCI(正常でもない、認知症でもない(正常と認知症の中間)状態の 者)の有病率推定値13%、MCI有病者数約380万人と推計(平成22年)。 ○介護保険制度を利用している認知症高齢者は約280万人(平成22年)。 介護保険制度を利用している認知症 高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上) 日常生活自立度Ⅰ又は要介 護認定を受けていない人 MCIの人(正常と 認知症の中間の 人) 認知症施策推進5か年計画 (オレンジプラン)で対応 約280万人 ・早期診断・早期対応 約160万人 ・認知症の普及・啓発 一部の人 約380万人(注) (注)MCIの全ての者が認知症になるわけではないことに留意 ・見守りなどの生活支援の 充実など →地域での生活継続を 可 能にする。 健常者 65歳以上高齢者人口2,874万人 持続可能な介護保険制度を確立し、安心して生活できる地域づくり。 出典:「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(H25.5報告)及び 『「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の高齢者数について』(H24.8公表)を引用 認知症の推計出現数 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 全国 65歳以上人口 (千人) 29,484 33,952 36,124 36,573 認知症者人口 (千人) 2,800 3,463 4,082 4,681 9.5% 10.2% 11.3% 12.8% 65歳以上人口 (千人) 369 406 432 437 認知症者人口 (千人) 35 41 49 56 出現率 長崎県推計 厚生労働省老健局「報道発表資料『認知症高齢者数について』(H24.8.24)をもとに作成 H25.9.4 社会保障審議会介護保険部会資料 H25.9.4 (2)認知症施策の推進 社会保障審議会介護保険部会資料 ○ 「認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない」という考え方を改め、「認知症になっても本人の意思 が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指す。 ○ この実現のため、新たな視点に立脚した施策の導入を積極的に進めることにより、これまでの「ケアの流れ」を変 え、むしろ逆の流れとする標準的な認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス提供の流れ)を構築することを、 基本目標とする。 ○ 認知症施策を推進するため、介護保険法の地域支援事業に位置づけることを検討(「認知症初期集中支援チー ム」の設置、 認知症地域支援推進員の設置)。 「認知症施策推進5か年計画」(平成24年9月厚生労働省公表)の概要 【基本的な考え方】 《これまでのケア》 認知症の人が行動・心理症状等により「危機」が 発生してからの「事後的な対応」が主眼。 《今後目指すべきケア》 「危機」の発生を防ぐ「早期・事前的な対応」 に基本 を置く。 事項 5か年計画での目標 ○標準的な認知症ケアパスの作成・普及 ※ 「認知症ケアパス」(状態に応じた適切なサービス提供の流れ) 平成27年度以降の介護保険事業計画に反映 ○「認知症初期集中支援チーム」の設置 ※ 認知症の早期から家庭訪問を行い、認知症の人のアセスメントや、家 族の支援などを行うチーム 平成26年度まで全国でモデル事業を実施 平成27年度以降の制度化を検討 ○早期診断等を担う医療機関の数 平成24年度∼29年度で約500カ所整備 ○かかりつけ医認知症対応力向上研修の受講者数 平成29年度末 50,000人 ○認知症サポート医養成研修の受講者数 平成29年度末 4,000人 ○「地域ケア会議」の普及・定着 平成27年度以降 すべての市町村で実施 ○認知症地域支援推進員の人数 平成29年度末 700人 ○認知症サポーターの人数 平成29年度末 600万人(現在340万人) 認知症施策推進5か年計画の進捗状況(H25年度末現在) 事 項 5か年計画での 目標 備 考 本県の状況 ○標準的な認知症ケアパス の作成・普及 ※「認知症ケアパス」(状 態に応じた適切なサービス 提供の流れ) 平成27年度以降 介護保険事業計画に反映 平成25年度ケアパス指 針作成 ○「認知症初期集中支援 チーム」の設置 ※認知症の早期から家庭訪 問を行い、認知症の人のア セスメントや、家族の支援 などを行うチーム 平成26年度まで 全国でモデル事業を 実施 平成27年度以降 制度化を検討 ・平成25年度モデル事 業14カ所 ・平成26年度予算 地域支援事業(任意事業 )100カ所計上 平成24∼29年度 約500カ所整備 ・平成25年度 約250カ所 ・平成26年度予算 300カ所計上 (平成26年度) 認知症疾患医療センター 4箇所(基幹型1、地域型3) ※県央圏域に地域型1箇所指定 予定(調整中) 平成24年度末 累計35,131人 (平成25年度末時点) 881人 ※本県における国の養成目標 628人 (平成29年度末) ○早期診断等を担う医療機 関の数 ○かかりつけ医認知症対応 力向上研修の受講者数 平成29年度 50,000人 (平成26年度) 4保険者作成予定 (長崎市、佐世保市、諫早市、島原 広域) ※他市町でも取り組み有り (平成26年度) 実施予定市町 なし 事 項 5か年計画 での目標 ○認知症サポート医養 成研修の受講者数 平成29年度末 4,000人 ○「地域ケア会議」の 普及・定着 平成27年度以降 すべての市町村で実 施 ○認知症地域支援推進 員の人数 ○認知症サポーターの 人数 平成29年度末 700人 平成29年度末 600万人 備 考 平成24年度末 累計2,680人 本県の状況 (平成25年度末時点) 44人 ※本県における国の養成目標 57人 (平成29年度末) (作成時点) 17市町 ※未実施4市町 (壱岐市、東彼杵町、波佐見町、小値賀町) ・平成25年度 約200カ所 ・平成26年度予算 地域支援事業(任意 事業)470カ所計上 平成25年9月末 累計447万人 (平成25年度末時点) 3市、23人 (長崎市19人、佐世保市2人、諫早市2人) (平成26年3月31日時点) 50,933人 (キャラバンメイト1,025人、 サポーター49,908人) 認知症地域支援体制構築のために 必要なこと ①認知症医療 ②認知症介護 ③認知症の正しい理解(普及)・地域支援 ④家族支援 長崎県における認知症施策の体系 医療体制 介護体制 早期診断・治療体制の整備 適切なケアマネジメント ケアの質の向上 ・認知症疾患医療センターの設置・運営 ・認知症サポート医の養成 ・かかりつけ医認知症対応力向上研修 ・病院看護等職員認知症対応力向上研修 ・介護サービス基盤の整備 ・地域密着型サービスの普及 ・認知症ケアの質向上研修 地域支援体制 認知症に関する地域支援体制の構築 ・認知症サポーターの養成・サポートリーダー養成と 地域支援活動 ・認知症介護支援センターにおける相談 ・認知症に関する県民への普及啓発活動 等 長崎県における認知症対策等総合 支援事業 【医療】 ①認知症疾患医療センター運営事業 ②認知症地域医療支援事業 ③病院勤務の医療従事者向け認知症対応力向上研修事業 【介護】 ④認知症介護研修事業 【普及・地域支援】 ⑤認知症地域支援施策推進事業 ⑥認知症サポーター活動拠点支援事業 【家族支援】 ⑦認知症高齢者地域支え合い事業 認知症疾患医療センター等指定状況 ○認知症疾患医療センター(基幹型) 長崎大学病院 ○認知症疾患医療センター(地域型) 長崎圏域 佐世保・県北圏域 医療法人 昌生会 出口病院 医療法人 白十字会 佐世保中央病院 医療法人 済家会 県南圏域 島原保養院 県央圏域 調整中 実績(H19年度∼H25年度)H26.3.31時点 ② かかりつけ医認知症対応力向上研修 ① 認知症サポート医養成研修 修了者:44名 修了者:881名 H25年度:7名 H25年度:32名(大村市・対馬市) 医師会名 地域別 長崎市 修了者数 13 修了者数 長崎市 271 佐世保市 168 佐世保市 5 諫早市 109 島原市 6 大村市 40 諫早市 3 島原市 52 大村市 3 平戸市 22 平戸市 4 五島 13 松浦市 2 東彼杵 29 壱岐市 1 西彼杵 34 雲仙市 1 南高 79 南島原市 2 北松浦 31 壱岐 13 時津町 1 対馬 12 波佐見町 3 長崎大学 8 病院勤務の医療従事者向け認知症 対応力向上研修 【新規】 (現状と課題) 内科や外科的処置、手術等が必要な身体合併 症をもつ認知症高齢者は、行動・心理症状(妄想、 徘徊等)へうまく対応されずに総合病院精神科等 へ転院させられ、満床のときは身体合併症の非 専門病院への入院を余儀なくされている。 (目的) 一般病院勤務の医療従事者に対して、標準的 なカリキュラム(認知症に関する知識、対応力、連 携等の内容)に基づき、認知症ケアの原則等を具 体的に習得する機会を提供し、上記現状の改善 を図る。 認知症の介護 認知症介護研修事業 研修体系 理解 理念 認知症介護指導者研修 認知症介護実践 リーダー研修 支援技術 認知症介護家族のネットワークの構築による 家族介護の負担軽減を目指して 認知症高齢者地域支え合い事業 認知症介護実践者研修 認知症サポーター養成 (長崎県の養成者数) キャラバンメイト数 1,025人 サポーター 数 52,716人 合 53,741人 計 【サポーター養成推移】 (平成21年度)9,217人 (平成22年度)9,920人 (平成23年度)8,384人 (平成24年度)7,992人 (平成25年度)8,593人 全国キャラバンメイト連絡協議会HPより (平成26年6月末時点) 認知症サポーターの力を地域づくりへ 認知症サポーター活動拠点支援事業 支援者 ・地域の見守り活動(傾聴) ・包括支援センター職員や民生委員と連携した個別訪問 ・講座の企画と参加 ・認知症の人と家族の会のつどい協力 ・サロン活動等への協力 ・徘徊者の捜索協力 ・家族の相談相手 等 活動事例を作成し、 他市町へ 養成カリキュラム(例) 認定 テーマ 認知症サポートリーダー 市町 養成 理解者 認知症サポーター 包括センター 第1回 認知症の理解・家族介護の体験談 第2回 認知症の人への接し方 第3回 見学実習 第4回 見学実習報告会・サポートリーダーが地域 でできること 実施年度 実施市町 H24 長崎市 H25 西海市 H25 島原市 (参考)認知症初期集中支援チームについて H25.9.4 社会保障審議会介護保険部会資料 【目的】 認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられ るために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」を配置し、早期診 断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。 【認知症初期集中支援チームとは】 【対象者】 複数の専門職が家族の訴え等により認知症 が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問 し、アセスメント、家族支援などの初期の支援 を包括的、集中的(おおむね6ヶ月)に行い、 自立生活のサポートを行うチームをいう。 40歳以上で、在宅で生活しており、か つ認知症が疑われる人又は認知症の人で以 下のいずれかの基準に該当する人とする。 認知症初期集中支援チームのメンバー 配置場所 地域包括支援センター等 ◆医療サービス、介護サービスを受けてい ない人、または中断している人で以下のい ずれかに該当する人 (ア) (イ) (ウ) (エ) 診療所、病院 認知症疾患医療センター 市町村の本庁 医療と介護の 専門職 専門医 (保健師、看護師、作業療法士、 社会福祉士、介護福祉士等) 認知症疾患の臨床診断を受けていない人 継続的な医療サービスを受けていない人 適切な介護保険サービスに結び付いていない人 診断されたが介護サービスが中断している人 ◆医療サービス、介護サービスを受けてい るが認知症の行動・心理症状が顕著なため、 対応に苦慮している これからの認知症施策の方向性 ●市町村での取り組みを推進するために介 護保険事業費補助金から地域支援事業に ・市町認知症施策総合推進事業(∼H25) ア:認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業 ⇒「認知症初期集中支援推進事業」(H26任意事業) イ:認知症地域支援推進員等設置促進事業 ⇒「認知症地域支援推進員等設置事業」(H26任意事業) ※いわゆる「医療と介護の確保法」により、 ※H27~包括的支援事業に。取り組み可能な市町村から順次、 実施。小規模市町では事業の共同実施も可能。 ※H30~全ての市町村で実施(小規模市町村では事業の共同 実施も可能)。 ウ:認知症施策推進5か年計画促進支援メニュー事業(∼H25) ⇒「認知症ケア向上推進事業」(H26∼任意事業) (1)病院・介護保険施設などでの認知症対応力向上の推進 ・認知症地域支援推進員等の企画にもとづき、病院・介護保険施設などに出向いて 職員に個別支援を実施。 (2)地域密着型サービス事業所・介護保険施設等での在宅生活継続のため の相談・支援の推進 ・サービス事業所や介護保険施設に相談員を配置し、家族等に介護方法などの相 談支援を行う。 (3)認知症の人の家族に対する支援の推進 ・認知症の人と家族、地域住民、専門職等が集う「認知症カフェ」等を開設する。 (4)認知症ケアに携わる多職種協働研修の推進 ・医療と介護等が相互の役割を認識しながら、統合的なケアにつなげるために、認 知症ケアにおける多職種協働研修を実施。