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成年後見申立ての手引
成年後見申立ての手引 成年後見制度は,認知症,知的障害,精神障害などによる精神上の障害が理由で,物事を 判断する能力が十分ではない方(本人)に対し,成年後見人等を選任し,本人の意思を尊重 しながら法律的に支援する制度です。一方,本人の権利を一部制限することになりますので, 家庭裁判所では慎重に審理を行っています。申立てに当たっては,揃える資料や記入する書 類が多数ありますし,申立後も面談(説明聴取)等があり大変かとは思いますが,ご理解, ご協力をよろしくお願いします。 この手引は,成年後見等の申立てを考えている方を対象に,制度の内容,手続の流れ,申立 てに必要な書類,成年後見人等の役割などについてまとめたものです。申立てをする際には, この手引をよく読んでから手続をしてください。 ただし,家庭裁判所によっては,提出を求められる書類や手続の進行方法等が若干異なる 場合がありますので,詳しくは申立てをする裁判所の窓口でご確認ください。 なお,電話でのやりとりは間違いが起こることが多いので,原則として,電話での相談には 応じていません。ご相談や申立てを検討されている場合は,できるだけ家庭裁判所の窓口まで お越しください。 成年後見制度においては,後見開始,保佐開始,補助開始,任意後見監督人選任などの もうしたてにん 申立てをする人のことを「 申 立 人 」といいます。 ほんにん また,判断能力が不十分と思われる人のことを「本人 」といい,成年後見人や保佐人, こうほしゃ 補助人等になろうとする人のことを「候補者」といいます。 この手引においても同様の扱いをしており,さらに,成年後見人及び保佐人,補助人ら せいねんこうけんにんとう を総称して「成年 後見人 等 」という言葉を用いています。 福岡家庭裁判所 (H27.3版) 次 手続の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 申立てに必要な書類等のチェック表① ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 申立てに必要な書類等のチェック表② ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 「登記されていないことの証明書」について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 成年後見制度について Q1 成年後見制度とは,どのような制度ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 成年後見制度(成年後見・保佐・補助)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・ 7 Q2 成年後見が始まると,どうなりますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 Q3 成年後見人は,どういうことをしなければなりませんか? ・・・・・・・・・・ 8 Q4 保佐が始まると,どうなりますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 Q5 保佐人は,どういうことをしなければなりませんか? ・・・・・・・・・・・・ 9 Q6 補助が始まると,どうなりますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 Q7 補助人は,どういうことをしなければなりませんか? ・・・・・・・・・・・ 10 Q8 成年後見人,保佐人,補助人について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 (1) 成年後見人等候補者にはどんな人がなれますか? 申立書に記載した候補者は 必ず選任されますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 (2) 報酬を請求できますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 (3) 仕事はいつまで続くのですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 Q9 どのようなときに,裁判所に報告や連絡をしなければなりませんか? ・・・・ 12 Q10 任意後見制度とは,どのような制度ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・ 13 Q11 後見制度支援信託とは,どのような制度ですか? ・・・・・・・・・・・・・ 14 申立てから後見等の開始までの手続について Q12 成年後見人等が決まるまで,どのくらいの期間がかかりますか? ・・・・・・ 15 Q13 申立ての手続について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 (1) どこの裁判所に行けばよいのですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 (2) 申立てはだれでもできますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 (3) 成年後見等の開始までには,どのくらいの費用がかかりますか? ・・・・・ 16 (4) どんな書類を準備しなければなりませんか? ・・・・・・・・・・・・・・ 16 (5) 必要な書類等がそろったらどうすればいいのですか? ・・・・・・・・・・ 16 (6) 本人に知られずに申立てや手続を進めることはできますか? ・・・・・・・ 16 (7) 申立てをした後,手続を取りやめることはできますか? ・・・・・・・・・ 17 Q14 申立人や候補者は,どのようなことを聴かれるのですか? ・・・・・・・・・ 18 ※ 「鑑定」について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 申立書などの記載例 申立書(申立書付票を含む。)の記載例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 本人に関する質問票(親族関係図及び同意書を含む。)の記載例・・・・・・・・・・ 22 候補者質問票の記載例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 財産目録の記載例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 提出書類の書式について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 -1- 次 手続の流れ,必要書類等について 目 目 続 の 流 れ 申立準備 □ 手続案内(成年後見制度の概要や手続等について,DVDや職員によりご説明し, 申立書等の書式一式をお渡しします。) □ 必要書類を集めてください【申立てに必要な書類等のチェック表①②参照(3,4 ページ)】 ※ 病院(診断書)→役場(戸籍謄本など)→法務局(登記されていないことの 証明書,不動産登記事項証明書)の順番で集めると効率的です。 □ 申立書,財産目録,質問票を作成してください【記載例参照(19~31ページ)】。 申立て 本人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行ってください。 ※ 問合せ先の管轄欄参照(裏表紙) 審理 □ 申立人,成年後見人等候補者との面談(説明聴取)(必ず実施) □ 本人調査(保佐,補助では必ず実施し,後見では本人の状況により実施します。) □ 親族への意向照会(必要な場合) □ 医師による鑑定(必要な場合) 審判 ①成年後見等開始,②成年後見人等選任の決定 審判確定 成年後見人等が審判書謄本を受け取ってから2週間が経過するまでの期 間に即時抗告(不服申立て)がなければ審判が確定します。 成年後見登記 東京法務局に成年後見等の内容が登記されます。 ※ 登記終了後,家庭裁判所からその旨を通知します。審判から約1か月 後,資格証明(法務局で取得する登記事項証明書)を申請できます。 財産目録の作成・提出 成年後見等監督 本人の状況や成年後見等事務について,成年後見人等に定期的 に(1年に1回程度)報告していただき,成年後見等事務が適切 に行われているかを確認します。 ◎ 面談(説明聴取)の日程等については,申立書を提出する前に,必ず申立てをす る家庭裁判所に電話でお尋ねください(裏表紙)。 ◎ 申立てにかかる費用等については,3ページ・16ページをご覧ください。 ◎ 審理に要する期間は,鑑定を行うかどうか等により異なります。おおむね1~3 か月以内です(15ページ)。 -2- 手続の流れ 手 1 申立書類及び費用など □ ① 申立書(注2) 申立書付票(注2) 家庭裁判所に定型用紙があります。 □ ② 収入印紙800円分 (成年後見又は保佐開始)のみ (保佐又は補助開始)+代理権付与 (保佐又は補助開始)+同意権付与 (保佐又は補助開始)+代理権付与+同意権付与 800円分 1,600円分 1,600円分 2,400円分 □ ③ 収入印紙2,600円分 成年後見等登記をする際の手数料 審理に必要な郵便切手です。次のとおりご提出ください。 □ ④ 郵便切手 後見;3,860円分 保佐:4,490円分 補助:4,490円分 □ ⑤ 鑑定費用(鑑定を実施 する場合のみ必要) 医師に支払う費用であり,鑑定を実施する場合に振込みをお願いすることに なります。通常,上限は10万円です。 後見:500円×4枚,82円×15枚,50円×5枚,20円×10枚,10円×15枚,2円×10枚,1円×10枚 保佐:500円×6枚,82円×10枚,50円×5枚,20円×12枚,10円×15枚,2円×10枚,1円×10枚 補助:500円×6枚,82円×10枚,50円×5枚,20円×12枚,10円×15枚,2円×10枚,1円×10枚 2 本人(判断能力が不十分な人)についての書類 書 類 □ ⑥ 戸籍謄本(注1) □ ⑦ 住民票(注1) □ ⑧ (後見等が)登記されて □ ⑨ 成年後見用診断書 □ ⑩ □ ⑪ □ ⑫ 財産についての資料 □ ⑬ 取寄せ先 備 考 本籍地役場 住民登録地の 市区町村役場 戸籍附票(本籍地役場で発行)でも代用可能です。 福岡法務局 郵送で申請する場合は,取寄せ先が異なります。(5ペー ジ参照) 家庭裁判所 かかりつけの医師等に作成してもらってください。 本人に関する質問票 (注2) 家庭裁判所 記載例(22~24ページ)をご参照ください。本件につい て同意が得られる親族から,同意書(記載例は25ページ) を記載してもらってください。 (本人の)財産目録 (注2) 家庭裁判所 記載例(28~31ページ)をご参照ください。※必ず写し を保管しておいてください。 家庭裁判所 申立てに必要な書類等のチェック表②(4ページ)をご参 照ください。 いないことの証明書(注1) 診断書付票(注1)(注2) 療育手帳,精神障害者 保健福祉手帳の写し - 手帳をお持ちの場合にのみ,ご提出ください。 3 成年後見人等候補者についての書類 □ ⑭ 住民票(注1) □ ⑮ 候補者質問票(注2) 住民登録地の 市区町村役場 戸籍附票(本籍地役場で発行)でも代用可能です。 家庭裁判所 記載例(26~27ページ)をご参照ください。 (注1)戸籍謄本や住民票,診断書などは,必ず発行後3か月以内のものをご提出ください。 (注2)福岡家庭裁判所のウェブサイト内にも書式が掲載されています。 ※ 同じ書類は1通で結構です。 審理のために必要な場合には,追加書類の提出をお願いすることがあります。 -3- 申立 て に 必 要 な 書 類等 の チ ェッ ク 表 ① 申立てに必要な書類等のチェック表① ※ 本人の財産内容を証明する資料として,下記の書類を提出してください。書類申請の 手続や手数料は,それぞれの発行機関にお問合せください。不動産登記事項証明書(不 動産登記簿謄本)のみ原本で,それ以外の資料は全て写し(コピー)を提出してくださ い。 1 2 預貯金に関する資料 □ ア 預金通帳 ○ 預 金 通 帳 があ る 場 合 。事 前 に 最 新の 残 高 等 を 記帳して,表紙とその裏側及び記帳されている 全ページをコピーしてください。 (※32 ページ参 照) □ イ 残高証明書 ○ 通帳がない場合。預金口座のある銀行で発行 有価証券(株式・国債・手形など)に関する資料 □ 3 5 7 エ 保険証書 ○ 証書がある場合(表裏両面をコピー) 負債に関する資料 □ オ ローン契約書又は借用書 ○ 本人(債務者)又は銀行,公社などの債権者 □ カ 返済明細書 ○ 銀行,公社などの債権者が発行 不動産に関する資料 □ 6 取引先の証券会社で発行 生命保険等に関する資料 □ 4 ウ 取引残高報告書等 ○ 不動産登記事項証明書 キ ○ (不動産登記簿謄本) 最寄りの法務局にお尋ねください。 収入内容を証明する資料 □ ク 給与明細書 ○ 本人又は勤務先の会社等 □ ケ 年金証書 ○ 証書がある場合 □ コ 年金改定の通知書 ○ 住民登録先の市区町村を管轄する社会保険事務所 □ サ 年金の振込口座の通帳 ○ 通帳がある場合 支出内容を証明する資料 □ シ 施設利用料,入院費等の領収書 ○ □ ス 健康保険料納付書 ○ □ セ 介護保険料納付書 ○ □ ソ 固定資産税納付書 ○ □ タ 地代,家賃などの領収書 ○ 本人の入院している施設又は病院 本人が所持している場合はコピーしてください。 家主などの貸し主又は管理会社など -4- 申 立 て に必 要 な 書 類 等 の チ ェ ッ ク 表 ② 申立てに必要な書類等のチェック表② 成年後見制度では,成年後見等が開始された場合,本人の住所氏名や成年後見人等の 氏名,成年後見人等の権限などについてコンピュータ・システムに登録することになっ ています(成年後見登記制度) 。また,任意後見契約(Q10参照)がされた場合にも同 じように登録がされます。 成年後見等の申立てをする際には,同じ人に対して二重に後見等が開始されないため, 本人に成年後見登記がされていないことを証明する書類を提出してもらうことになっ ています。その書類が「登記されていないことの証明書」です。 「登記されていないことの証明書」は,以下の①あるいは②の方法で請求することが できます。 ① 直接窓口において請求する場合 各法務局又は地方法務局の窓口において請求します(法務局の「支局」や「出張 所」では取り扱っていませんのでご注意ください。) 。 福岡県内では,福岡法務局が唯一の窓口となります。 所在地:福岡市中央区舞鶴3-9-15 電話:092-721-9334 所定の申請書(インターネットでも取り寄せることができます。)に,収入印紙 及び添付書類(本人の配偶者または四親等内の親族が交付請求をする場合は,親族 関係を証する書面として戸籍抄謄本や住民票等を添付する必要があります。)を添 えて請求します。 なお,請求の際には,印鑑,免許証等(身分証明書)をご持参ください。 ② 郵送で請求する場合 郵送による請求は,東京法務局の集中取扱いとなっています。 ①の書類(申請書,収入印紙,添付書類)に加えて,請求者の身分証明書(免許 証等の写し)及び切手を貼った返信用封筒を同封し,次の宛先に送付してください。 〒102-8226 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎 東京法務局民事行政部後見登録課 電話 03-5213-1234(代表) 03-5213-1360(ダイヤルイン) ※ 詳細は,最寄りの法務局でお尋ねいただくか,法務省のインターネット・ ホームページ(http://www.moj.go.jp/)をご覧ください。 また,インフォメーションサービス(03-3519-4755,東京)で申請 書用紙を取り寄せることも可能です。 ※ 「登記されていないことの証明書」の申請書用紙を記入するに当たっては, 証明事項欄の「成年被後見人,被保佐人,被補助人,任意後見契約の本人と する記録がない」という項目に必ずチェックを入れてください。 -5- 「登 記さ れていない ことの 証明 書 」につい て 「登記されていないことの証明書」について 成年後見制度とは,どのような制度ですか? 成年後見制度とは,認知症,知的障害,精神障害などで判断能力が不十 分な人(本人)を法律的に保護し,支えるための制度です。 例えば,本人が,預金の解約,福祉サービスの契約,遺産分割の協議,不 動産の売却などをする必要があっても,本人の判断能力がほとんどなければ,そのよう な行為はできませんし,判断能力が十分ではない場合にこれらを本人だけで行うと,本 人にとって不利益な結果を招くおそれもあります。そのため,本人を保護して支える人 が必要になってきます。 このように,判断能力が十分でない人のために,家庭裁判所が援助者を選び,その援 助者が本人のために活動するのが成年後見制度です。 なお,本人の障害が身体的なものだけの場合や,本人が単なる浪費者,性格の偏り があるだけという場合にはこの制度を利用できません。また,本人を保護するための 制度ですから,本人の財産を贈与したり貸し付けたりすることは原則として認められ ません。 成年後見制度は,本人の判断能力の程度によって,次のように3つに区分されます。 せいねんこうけん ① 本人の判断能力がほとんどない場合 → 成年後見 例えば,買い物に行ってもつり銭の計算ができず,必ず誰かに代わってもらう などの援助が必要な人がこれに当たります。 ほ ② 本人の判断能力が著しく不十分な場合 → さ 保佐 例えば,日常の買い物程度ならば一人でできるが,不動産の売買や自動車の購 入など重要な財産行為を一人ですることが難しいと思われる人がこれに当たりま す。 ほ じ ょ ③ 本人の判断能力が不十分な場合 → 補助 例えば,自動車の購入なども一人でできるかもしれないが,不安な部分が多く, 援助者の支えがあった方が良いと思われる人がこれに当たります。 かんてい 本人の判断能力が,上の3区分のどれに当たるかは,医師の鑑定(18ページ参照) などによって決められ,自由に選べるものではありません。 しんだんしょ せいねんこうけんよう 「診断書 (成年 後見用 )」を見れば,本人がどの区分に当たるのか,目安が分かる ようになっています。 なお,成年後見・保佐・補助の概要は次ページのとおりですが,成年後見制度には に ん い こうけん せ い ど 「任意後見制度」というものもあります(Q10 参照)。 -6- 成 年後 見 制 度 と は Q1 成年後見 判断能力が全くない 対象となる方 (本人) ※ 保佐 補助 判断能力が著しく不 判断能力が不十分 十分 いずれの類型の申立てを行うかについては,まず医師の診断を受け, その診断書(成年後見用)の「判断能力についての意見」の欄を参考に してください。 ①本人の配偶者,②本人の4親等内の親族(親,祖父母,子,孫,ひ孫,兄 申立てができる人 弟姉妹,甥・姪,おじ・おば,いとこ,本人の配偶者の親・子・兄弟姉妹), (申立人) ③本人(本人に申立意思及び能力がある場合に限る。),④市町村長など 手続開始に際して 本人の同意の要否 不要 成年後見人等の同 意が必要な行為 なし 不要 民法13条1項に定め 申 立 て の 範 囲 内 で 家 られている重要な財 裁が定める行為 産行為 (本人の同意が必要) 成年後見人等が取 日常生活に関する以 外の行為 消可能な行為 成年後見人等に与 財産に関する全ての えられる代理権の 法律行為 範囲 必要 同上 申立ての範囲内で家 裁が定める特定行為 (本人の同意が必要) 同上 申立ての範囲内で家 裁が定める特定行為 (本人の同意が必要) ・印鑑登録の抹消 ・医師等の資格,会社 手続開始にともな ・医師等の資格,会社 役員等の地位を失う う権利等の制限 特になし 役員等の地位を失う 【重要な財産行為(民法13条1項の内容)】 ① 元本を領収し,または利用すること(預貯金を払い戻すことなど) ② 金銭を借りたり,保証人になること ③ 不動産や高価な財産を売買したり,貸したり,担保をつけるなどすること ④ 訴訟行為をすること ⑤ 贈与,和解をしたり,仲裁契約をすること ⑥ 相続を承認,放棄したり,遺産分割すること ⑦ 贈与や遺贈を断ったり,何か負担することを条件とした贈与や遺贈を受けることを承諾 すること ⑧ 新築,改築,増築,大修繕の契約をすること ⑨ 宅地を5年以上,建物を3年以上,動産を半年以上にわたって貸す契約を行うなどする こと -7- 成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要 成年後見制度(成年後見・保佐・補助)の概要 成年後見が始まると,どうなりますか? だいりけん 成年後見人には広範な代理権が自動的に与えられ,成年後見人は本人の ために,①預貯金や不動産を管理したり,②保険金や年金などを受領した り,③本人に代わって種々な契約を結んだり,④本人が無断で行った法律 行為について取消を求めたりすることができます。 一方,成年後見が開始されると,本人は,印鑑登録を抹消されるほか,医師等の資 成年後 見とは Q2 格や会社役員の地位を失うなど,権利の制限を伴います。 ※ 成年後見人には,広範な代理権と取消権が与えられていますが,本人所有の居住用 不動産(本人が現に居住している住居又は将来本人が帰住する際の住居等)について, 売却・賃貸・増改築・抵当権設定等を行う場合には,必ず事前に家庭裁判所の許可が 必要です。 なお,遺言や身分行為(結婚や離婚,養子縁組,認知など)等は,代理権の対象に なりません。 成年後見人は,どういうことをしなければなりませんか? 本人の意思を尊重し,その心身の状態及び生活の状況などをよく考えて, とりけしけん 代理権や取消権を適切に行使し,本人を援助します。 成年後見人には広範な代理権と取消権とが与えられており,職務内容も, しんじょう か ん ご ざいさん か ん り 本人の生活・療養面で必要な手続や支援を行う「身 上 監護 」や,「財産管理 」などが あります。 財産管理については特に厳格性が求められ,親族であっても,「他人の財産」を預か り管理しているという意識が必要です。具体的には次のような仕事があります。 ① 成年後見人に選任された段階で,速やかに本人の財産や収入等を調査し,その 結果を書面(財産目録)にして家庭裁判所に提出する。 ② 本人の生活,療養,財産管理等に必要な費用を計算するなどして,財産の管理 計画を立てる。 ③ 本人の財産を適正に管理し,その管理状況を常に記録しておき,定期的に(1 年に1回程度)家庭裁判所に報告する。 -8- 成年後 見人の仕事は Q3 保佐が始まると,どうなりますか? 保佐が開始されると,本人は,一定の重要な財産行為(金銭の貸し借りや, 不動産や自動車等の売買,自宅の増改築など)について,自分一人では行う ほ さ に ん ことができなくなり,本人の援助者として「保佐人」が選任されます。 保佐とは Q4 本人は,日用品の購入等の日常生活に関する行為であれば単独で行えますが,重要な 財産行為については保佐人の同意が必要となります。また,本人が保佐人の同意を得ず に行為を行った場合には,保佐人が取り消すことができます。さらに,家庭裁判所で定 められた特定の事項については,保佐人が本人の代理人として法律行為を行うことが可 能になります。 一方,保佐が開始されると,本人は,医師等の資格や会社役員の地位を失うなど, 権利の制限を伴います。 ※ 保佐人は,本人が行う重要な財産行為について同意する権利(同意権)を自動的に 与えられていますが,本人に代わって法律行為を行う権利(代理権)は自動的には与 えられていません。保佐人が本人を代理するためには,代理する事項を特定し,家庭 裁判所に「代理権付与の申立て」が必要です。 また,家庭裁判所に「保佐人の同意を要する行為の定めの申立て」を行うことによ り,保佐人の同意が必要な事項を「重要な財産行為」以外にも定めることができます。 ただし, 「日用品の購入その他日常生活に関する行為」を保佐人の同意が必要な事項と することはできません。 保佐人は,どういうことをしなければなりませんか? 本人の意思を尊重し,その心身の状態及び生活の状況などをよく考えて, 同意権(取消権)や代理権を適切に使うことにより,本人を援助していかな ければなりません。 保佐人の仕事は次のとおりです。 ① 保佐人の同意が必要な行為について,本人に対して適切な同意を与える。 ② 本人が保佐人の同意を得ずに行った不利益な売買や契約などを取り消す。 ③ 保佐人に代理権が与えられている場合には,代理権行使の内容について定期的に (1年に1回程度)家庭裁判所に報告する。 (代理権が与えられていない場合でも, 家庭裁判所の求めに応じて報告する。 ) -9- 保佐人の仕事は Q5 補助が始まると,どうなりますか? ほじょじん 補助が開始されると,本人の援助者として「補助人」が選任されますが, 本人の行為が自動的に制限されるようなことはありません。 補 助とは Q6 しかし,家庭裁判所で定められた一定の事項について,本人は単独で行う ことができなくなり,補助人の同意が必要になります。 また,家庭裁判所で定められた特定の事項について,補助人は本人の代理人として, 本人に代わって法律行為を行うことが可能になります。 ※ 補助人の同意が必要な事項を定める場合には,家庭裁判所に「補助人の同意を要す る行為の定めの申立て」を行う必要があります。 また,補助人が本人の代理人となる場合には,代理事項を特定して,家庭裁判所に 「代理権付与の申立て」を行う必要があります。 なお,補助開始の申立てに際しては, 必ず「補助人の同意を要する行為の定め」及び 「代理権付与」の一方又は双方を併せて申し立てる必要があります。 補助人は,どういうことをしなければなりませんか? 本人の意思を尊重し,その心身の状態及び生活の状況などをよく考えて, 同意権(取消権)や代理権を適切に使うことにより,本人を援助していか なければなりません。 補助人の仕事は次のとおりです。 ① 補助人に同意権が与えられている場合は,本人に対して適切な同意を与えると ともに,本人が補助人の同意を得ずに行った不利益な売買や契約などを取り消す。 ② 補助人に代理権が与えられている場合は,代理権行使の内容について定期的に (1年に1回程度)家庭裁判所に報告する。 (代理権が与えられていない場合でも, 家庭裁判所の求めに応じて報告する。 ) - 10 - 補 助 人の 仕 事は Q7 成年後見人,保佐人,補助人について (1) 成年後見人等候補者にはどんな人がなれますか?申立書に 記載した候補者は必ず選任されますか? 特別な資格は必要ありませんが,欠格事由(未成年者,成年後見人等を 解任された人,破産者,本人に対して訴訟を起こしたことがある人など)に該当せ ず,かつ,適正な後見等事務を行えることが必要です。 家庭裁判所は,成年後見人等の選任に当たって,本人の心身の状態・生活状況, 財産状況,候補者の職業・経歴,候補者と本人との利害関係の有無,本人の意向等 を踏まえて(民法第843条第4項)総合的に判断し,決定します。 そのため,申立書に記載された候補者が必ず選任されるとは限りません。本人が 必要とする支援の内容などによっては,弁護士,司法書士,社会福祉士等の専門職 を選ぶこともあります。また,親族間で本人の身上監護や財産管理等の方針をめぐ り意見が対立している場合などにも,第三者の専門職の選任を検討します。さらに, 本人に一定額以上の財産がある場合には,本人の財産を適切に管理するため,専門 職を成年後見人等,あるいは成年後見監督人等(成年後見人等の事務を監督する人) に選任したり,後見制度支援信託(Q11参照)の利用を検討したりします。 なお,成年後見人等を複数にすることも可能ですが(例えば,親族と専門職の組 合わせ),その際は適切な役割分担と円滑な連携が求められます。 ※ 誰を成年後見人等に選任するかという家庭裁判所の判断については,不服申立 てをすることはできません。 (2) 報酬を請求できますか? 請求できますが,家庭裁判所に申立てをしなければなりません。 報酬として家庭裁判所が認めた額に限って,本人の財産から受け取ることになり ます。勝手にした場合には,業務上横領罪として処罰されることもあります。 なお,報酬額については,財産額や事務量などによって異なりますので,事前に お知らせすることはできません。 (3) 仕事はいつまで続くのですか? ①本人が亡くなるまで,又は,②本人の判断能力が回復するまで続きます。 申立てのきっかけとなったこと,例えば「保険金を受け取る」とか「遺産分割を する」といった手続が終わったとしても,成年後見人,保佐人,補助人の仕事は終 わるわけではありません。 ただし,成年後見人等が,病気等により成年後見人等としても仕事ができなくな ったなど,やむを得ない事情がある場合には,家庭裁判所の許可を得て辞任するこ とができます。 - 11 - 成 年後 見 人 ・ 保 佐 人 ・ 補 助 人 に つ い て Q8 どのようなときに,裁判所に報告や連絡をしなければなりませんか? 成年後見人,保佐人,補助人は,本人の財産状況や生活状況等に大きな 変動があった場合には,家庭裁判所に自主的に報告していただかなければ なりません。また,成年後見人,保佐人,補助人の仕事をする中で,どう したらよいか迷った場合や困難な問題が生じた場合などには,家庭裁判所に連絡して ご相談ください。また,本人の病状が回復したときや,お亡くなりになったとき,成 年後見人等及び本人が転居をしたときにも,速やかに家庭裁判所までご連絡ください。 また,家庭裁判所に対し,定められた時期,方法により定期的に(1年に1回程度) 成年後見等事務の状況を報告していただく必要があります。家庭裁判所が成年後見人等 かんとく の仕事を確認(必要があれば指導)することを「監督」といいます。成年後見人等は, 決められた期限までに,本人の財産管理の状況などについて,「事務報告書」,「財産目 録」等の書面や通帳のコピー等を提出していただきます。場合によっては,説明のため に家庭裁判所に来ていただくこともあります。 そして,本人の財産の状況や成年後見人等の仕事の状況により,成年後見人等の仕事 かんとくにん の内容を具体的に確認する「監督人」が付けられることがあります。また,財産の管理 などの仕事が適正にできていなければ,後見人などを辞めさせられることになります。 特に,代理権を行使して,本人から預かっている財産を処分したり,何らかの支出を した場合には,それが適正かどうかが必ず確認されます。本人の生活や療養等のために 必要な費用や,本人が支払わなければならない税金や社会保険料は適正なものといえま すが,それ以外の支出については,かなり慎重に判断しなければなりません。 このことは,本人と成年後見人等が親子や夫婦の関係にあったとしても変わりません。 たとえ本人の配偶者(夫又は妻)や子どもに対してであっても,本人の財産を贈与した り,貸し付けたりすることは,原則として認められません。 ぎょうむじょう なお,成年後見人等が,本人の財産を勝手に自分のものにした場合には, 業 務 上 おうりょうざい 横 領 罪として処罰されることもあります。 ※ 家庭裁判所に提出する報告書などについては,不慣れな人でも作成しやすいように, 定型の用紙が用意されていますのでご安心ください。ただし,日頃から金銭出納帳を付 けるなどして本人の財産管理状況などをきちんと記録しておくことが必要です。 - 12 - 裁判所への報告・連絡について Q9 任意後見制度とは,どのような制度ですか? に ん い こうけん せ い ど 任意後見制度とは,将来自分の判断能力が不十分になった際に援助して もらう後見人を前もって指定し(自分が信頼する相手を自由に選べます。), 援助してもらう内容についても前もって具体的に定めておく制度です。 この制度を利用するためには,本人にきちんとした判断能力があるうちに,あらか こ う せ い しょうしょ じめ公正 証 書 によって,後見人になってもらう予定の人と契約を結んでおく必要があ ります。そして,将来本人の判断能力が不十分になったときに,その契約に基づいて に ん い こうけんにん 予定された人(任意後見人)が本人を援助することになります。 に ん い こうけんかんとくにん なお,この契約は,家庭裁判所が「任意 後見 監督人 」(任意後見人の職務内容をチ ェックする人)を選任したときから,その効力が生じることになります。 こうしょう にん やくば 任意後見制度の詳しい内容や手続などについては,最寄りの 公 証(人)役場でお聞 きください。 【任意後見契約の効力が生じるまで】 任意後見契約の締結 (公証役場において締結) 本人の判断能力の低下 任意後見監督人選任の申立て (本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立て) 申立てができる人:本人,配偶者,四親等内の親族,任意後見受任者 任意後見監督人の選任 任意後見契約の効力発生 【注意】 ◎ 任意後見契約を締結しただけでは効力は生じません。任意後見監督人が選任さ れてはじめて任意後見契約の効力が生じます。 ◎ 任意後見人は,任意後見契約で与えられた範囲内でしか本人を支援できません。 したがって,任意後見人には成年後見人のような包括的な代理権はありません。 また,同意権や取消権もありません。 - 13 - 任 意後 見 制 度 と は Q10 後見制度支援信託とは,どのような制度ですか? 後見制度支援信託は,本人の財産のうち,日常的な支払をするのに必要十 分な金銭を預貯金等として後見人が管理し,通常使用しない金銭(信託でき る財産は金銭に限られます。)を信託銀行等に信託する仕組みのことです。 成年後見と未成年後見において利用でき,保佐,補助及び任意後見では利用できません。 後見制度支援信託を利用すると,信託財産を払い戻したり,信託契約を解約したりす るには,家庭裁判所の発行する指示書を必要とします。 本人の財産を適切に管理・利用する方法の一つとして,本人の財産が一定額以上の場 合は,後見制度支援信託の利用を検討することになります。 詳しくは,パンフレット「成年後見制度-詳しく知っていただくために-」の8~10 ページ又はリーフレット「後見制度において利用する信託の概要」をご覧ください。 □ 後見制度支援信託を利用した場合の効果 〇 透明性の高い適正・安全な管理が可能となる。 〇 財産管理事務の負担が減少する。 〇 家庭裁判所への報告の負担が軽減される。 □ 費用 信託契約の締結に関与した専門職後見人(弁護士,司法書士等)に対する報酬が (専 必要となります。また,信託銀行等に対する報酬が必要となる場合があります。 門職が成年後見人等として継続的に関与する場合よりは低コスト) 【後見制度支援信託のイメージ図】 信託銀行等が管理 普段は使用 しない金銭 信託財産 本人の財産 日常生活で 必要な金銭 親族後見人が管理 預 貯 金 - 14 - 払戻し,解約等 には家庭裁判 所が発行する 指示書が必要 後見制度支援信託とは Q11 成年後見人等が決まるまで,どのくらいの期間がかかりますか? ケースによって異なりますが,申立てから成年後見人等が決まるまでの 期間は1~3か月程度です。 しかし,諸々の事情(鑑定や親族照会を実施する場合など)によって, 審理が長期化する場合がありますので,ご了解ください。急ぐ場合には,できるだけ 早い時期に申立てをするようにしてください。 なお,申立てから後見等が開始されるまでには,次のような各種手続があります。 申立て 16,17ページ(Q13)参照 申立人 との面談(説明聴取) 成年後見人等候補者 18ページ(Q14)参照 本人の意向等の調査・親族への意向照会 医師による本人の判断能力の鑑定 18ページ参照 後 見 等 開 始 裁判官による の決定(審判) 成年後見人等選任 審判書の送付,審判の確定 ※ 資格証明を申請できるまで 成年後見等の開始 には審判から約1か月かかり ます。 - 15 - 申立てから後見等の開始までの流れ Q12 申立ての手続について (1) どこの裁判所に行けばよいのですか? かんかつ 本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします。 (2) 申立てはだれでもできますか? 成年後見等の申立てをすることができるのは,本人の配偶者,四親等内の親族, 本人などに限られています。四親等内の親族とは,本人の親,祖父母,子,孫,ひ 孫,兄弟姉妹,甥・姪,おじ・おば,いとこ,本人の配偶者の親,子,兄弟姉妹な どです。これらの人が多忙であったり,一人で手続をすることが不安な場合には, 弁護士や司法書士に申立ての相談をすることもできます。 (3) 成年後見等の開始までには,どのくらいの費用がかかりますか? 申立てに当たって,裁判所の手数料だけでなく,必要な郵便切手の代金,関係者 の戸籍謄本等の必要な書類の入手費用などに1~2万円かかります。また,鑑定を 実施する場合は,鑑定費用(数万~10万円)を納めていただきます。 なお,これらの申立費用(各種書類の発行手数料など)や鑑定費用については, 原則として申立人の負担となっています。 (4) どんな書類を準備しなければなりませんか? 裁判所に提出する書類等については, 「申立てに必要な書類等のチェック表①②」 (3~4ページ)のとおりです。申立ての際には,必ずこのチェック表で確認して ください。 (5) 必要な書類等がそろったらどうすればいいのですか? 申立てに際し,詳しい事情等をお尋ねすることになります。その日程については 必ず事前に申立てをする家庭裁判所にお問合せください。当日は申立人だけでなく, 成年後見人等候補者もご一緒にお出でください。また,その際には必要書類等と印 鑑をご持参ください。 本人については,来庁が可能であれば,ご一緒にお出でください(病状に影響す る場合は,無理をされなくて結構です。)。 (6) 本人に知られずに申立てや手続を進めることはできますか? 成年後見開始については,本人の陳述を聴くことができる場合には,家庭裁判 - 16 - 申立ての手続について① Q13 保佐開始及び補助開始については,本人の陳述を聴きます。このうち,保佐開 始については,保佐人に対する代理権付与も申し立てる場合には,本人が代理権 付与に同意していることが条件となっています。また,補助開始については,本 人が補助開始の申立てに同意していることが条件となっています。 (7) 申立てをした後,手続を取りやめることはできますか? 申立てをすると,家庭裁判所の許可を得なければ,取り下げることはできませ ん。例えば,申立人が希望する候補者が成年後見人等に選任されそうにないとい う理由では,原則として取下げは認められません。 - 17 - 申立ての手続について② 所の担当者が本人と会って,本人の意向や状況を確かめます。 申立人や候補者は,どのようなことを聴かれるのですか? 申立人に対して,主として申立書に書かれていることの確認を行います。 例えば,本人との関係や,何がきっかけで申立てをしようと思ったのかな どについて確認させていただきます。 候補者に対して,①本人の生活状況や財産状況,②候補者自身の経歴や現在の生活 状況及び経済状態,③成年後見や保佐及び補助の方針など,広範囲のことを確認しま す。 成年後見人等として選任された場合,候補者には今後長い期間にわたって本人の援 助者としての役割を果たしてもらわなければなりません。そこで,本人のことをどれ てきかくせい だけ知っているか,財産の管理が適正にできそうかなど,成年後見人等としての適格性 を慎重に判断します。 したがって,候補者に対しては,収入や資産,負債の有無,家族の状況などプライ バシーに関することもお尋ねしなければなりません。 しかし,裁判所でいきなり尋ねられてもすぐに答えられないこともあるでしょうか こ う ほ し ゃ しつもんひょう ら,申立時に「本人に関する質問票」 (記載例は22~24ページ), 「候補者 質問票 」 (記載例は26~27ページ)をご提出いただいています。面談(説明聴取)の際に は,その質問票をもとに,更に詳しい質問をさせていただくことになります。また, 候補者には,成年後見人等の仕事内容や責任などについて理解し,適正に仕事を行う 旨の「誓約書」を提出していただきます。 「鑑定」について 成年後見制度とは「判断能力が不十分な人を法律的に保護し,支えるための制度」 です。しかしながら,反面では,本人の行為を著しく制限することになりますので, 成年後見等を開始するに当たっては慎重な判断が求められることになります。 そこで,本人の判断能力の程度を医学的見地から十分に確認するため,医師による 鑑定を行うことがあります。 鑑定は,本人の判断能力を判定するための作業であり,一般の診察よりも時間や労 力を必要とします。鑑定費用は,その作業に伴う医師への報酬及び経費であり,健康 保険の適応外になりますので,通常数万円~10万円が必要となります。 - 18 - 説明聴取について Q14 申立後は,家庭裁判所の許可を得なければ申立てを取り下げることはできません。 受付印 ( ☑後見 □保佐 □補助 )開始申立書 (収入印紙欄) 後見又は保佐開始のときは,800円分 保佐又は補助開始+代理権付与のときは,1,600円分 保佐又は補助開始+同意権付与のときは,1,600円分 保佐又は補助開始+代理権付与+同意権付与のときは,2,400円分 ※ 登記手数料の収入印紙2,600円分はここに貼らないでください。 ※ 印紙に押印はしないでください。 収入印紙(申立費用) 円 収入印紙(登記費用) 2,600円 予納郵便切手 準口頭 関連事件番号平成 年(家 )第 号 円 福岡家庭裁判所 御中 平成 27 年 申 立 人 の 福 岡 太 郎 記 名 押 印 5 月 27 日 印 〒 810-8652 申 住 立 フリガナ 人 氏 名 籍 住 民 票 の 住 所 場 氏 所 候 □女 ☑ 子 □ 兄弟姉妹 □ 市区町村長 □ その他( □ 甥姪 33 年11 月22 日 生 □ その他の親族(関係: ) ) 福岡市中央区大手門一丁目7番1号 福岡市中央区城内1-1 病院・施設名( 〇〇ホーム フ ク オ カ ) ハ ナ コ 福 岡 花 子 電話 092( 781 )XXXX 明治 大正 昭和 平成 □男 ☑女 7年 8月 9日 生 (82 歳) ☑ 申立人(以下記載不要) □ 家庭裁判所の選任する第三者 □ 下記の者 〒 住 - 所 人 等 大正 昭和 平成 ☑男 電話 ( ) 〒 810-8653 ※病院や施設の場合は,所在地,名称,連絡先を記載してください。 名 後 見 太 郎 都 道 府 県 ☑ 申立人と同じ 〒 - フリガナ 年 福 岡 福岡 住んでいる 成 タ ロ ウ □ 親 090 (XXXX )XXXX 携帯電話 フ ク オ カ 本人との □ 配偶者 関 係 □ 本人 実 際 に 人 092 ( 711 ) XXXX 電話 本 本 福岡市中央区大手門1-7-1 所 電話 ( ) 携帯電話 フリガナ 氏 □男 □女 名 補 本人との 親 族:□ 配偶者 □ 親 者 関 親族外:□ 弁護士 □ 司法書士 係 □ 子 □ 兄弟姉妹 □ 社会福祉士 ※ 太わくの中だけ記入してください。 ※ 該当する部分の□にレ点(チェック)を付してください。 - 19 - ( 昭和 平成 □ 甥姪 ) 年 月 □ その他(関係: □ その他( 日生 ) ) 申 立 て の 趣 旨 (該当する部分の□にレ点(チェック)を付してください。) ☑ 本人について後見を開始するとの審判を求める。 □ 本人について保佐を開始するとの審判を求める。 (以下は,必要とする場合に限り,当てはまる番号を○で囲んでください。) 1 本人のために別紙代理行為目録記載の行為について保佐人に代理権を付与すると の審判を求める。 2 本人が民法第13条第1項に規定されている行為のほかに,下記の行為(日用品の購 入その他日常生活に関する行為を除く。)をするにも,保佐人の同意を得なければな らないとの審判を求める。 記 □ 本人について補助を開始するとの審判を求める。 (以下は,少なくとも1つは,当てはまる番号を○で囲んでください。) 1 本人のために別紙代理行為目録記載の行為について補助人に代理権を付与すると の審判を求める。 2 本人のために別紙同意行為目録記載の行為(日用品の購入その他日常生活に関する行 為を除く。)をするには,補助人の同意を得なければならないとの審判を求める。 申 立 て の 理 由 (該当する部分の□にレ点(チェック)を付すとともに,具体的な事情を記入してください。) 本人は,☑ 認知症 □ 知的障害 □ 統合失調症 □ その他( ) により判断能力が低下しているため, ☑ 財産管理 ☑ 保険金受領 □ 不動産処分 □ 施設入所 ☑ 遺産分割 □ 訴訟・調停 □ 相続放棄 □ その他( ) の必要が生じた。 (具体的な事情を記載してください。) ※書ききれない場合は別紙を利用してください。 本人は,認知症により,平成24年8月から〇〇ホームに入院している。症状は, 悪化する一方で,医師からは回復の可能性はほとんどないと言われている。最近 は,ほとんど寝たきりで,面会に行っても身内の顔すら忘れてしまっている。平成26 年9月に本人の夫福岡誠一が死亡したことから遺産分割及び保険金の受領の必 要が生じ,今後,医療や介護の契約が必要となる可能性もあるため,申し立てた。 - 20 - 申 立 書 付 票 平成27年5月24日 作成者 福 岡 太 郎 印 本件申立後に次の行為の予定がありますか。 □ なし ☑ あり →以下にチェック又は記入してください。 1 不動産の処分 ☑ 予定なし □ 予定あり(時期:平成 ⑴ 2 月頃) →以下にチェック又は記入してください。 年 □ 居住用 (財産目録記載の土地 ,建物 ) □ 居住用以外 (財産目録記載の土地 ,建物 ) ⑵ □ 売却 □ 賃貸 □ 抵当権設定 ⑶ 売買する場合の価格 評価額 □ □ 万円 □ 不明 遺産分割 □ 予定なし ☑ 予定あり(時期:平成未定年 3 ⑴ 被相続人 昭和・平成 ⑵ 相続分・遺産等 →以下にチェック又は記入してください。 月頃) 26年 9月15日死亡 ☑ 財産目録「10相続関係について」のとおり 保険金等の受領,解約 □ 予定なし ☑ 予定あり(時期:平成27年10月頃) 4 ⑴ ☑ 受領 ⑵ ( ⑶ 受領金額 →以下にチェック又は記入してください。 □ 解約 〇〇〇 )生命 ☑ 500 証券番号 万円 XXXX-XXXXXXXXX □ 不明 損害賠償請求等 ☑ 予定なし □ 予定あり(時期:平成 5 月頃) →以下にチェック又は記入してください。 年 ⑴ 請求内容 □ 本人の交通事故の損害賠償請求 ⑵ 支払予定額又は請求金額 □ ⑶ 請求方法 □ 訴訟予定 □ 示談予定 万円 □ □ 不明 定期預金等の解約 ☑ 予定なし □ 予定あり(時期:平成 6 ⑴ ( ⑵ 額面金額 ⑶ 定期解約の理由 月頃) →以下にチェック又は記入してください。 年 )銀行 (財産目録記載の預貯金 万円 □ 普通預金の不足 その他,多額の収入や支出が見込まれるもの - 21 - □ ) 本 人 に 関 す る 質 問 票 平成 27 年 5 月 24 作成者氏名 福 岡 太 郎 日 印 ○ 判断能力が不十分と思われる方(以下「本人」といいます。)について,次の1~8の質問にご回答く ださい。 1 本人の現在の生活状況等についてご記入ください。(該当事項の□にチェックしてください) ☑ 病院や施設などに入院又は入所している。 称:( 〇〇ホーム 名 ) 申立書記載のとおり ) 電話番号:( 092-781-XXXX 入所開始:( 平成24年 8月 日 )から入院又は入所している。 主な面会者:( 申立人とその妻 ) 所 在 地:(〒 面会状況:□ ほぼ毎日 □ 毎週 ☑ 毎月 □ 年に数回 ) □( ) □ 身内が自宅で介護している。 おもな介護者:( ) □ 一人暮らしをしている。 □ その他( 2 ) 本人は裁判所に来庁できますか。 □ 来庁することができる。 ☑ 病状等の理由により来庁することができない。 3 本人の職歴についてご記入ください(おもな職歴だけで結構です)。 稼 昭26 年4月 ~ 年 4 動 時 期 勤 務 先 名 昭 30年 3 月 月 ~ 年 〇〇信用金庫 仕事内容,役職など 事務 月 本人の病歴についてご記入ください(おもな入院歴だけで結構です)。 入 平22年 1 年 院 間 病 月 ~平22年 2月 大腸ガン 月 ~ 期 年 名 入院先の病院名・施設名 〇〇病院 月 本人に関する質問票(1/2) - 22 - 5 本人の財産を現在管理しているのは誰ですか。 □ 本人自身 ☑ 申立人(あなた) □ その他(氏名及び本人との関係 ) □ 誰が管理しているか分からない。 6 本人はこの申立てがされることを知っていますか。 □ 知っている。 ○ 本人は,後見人等を付けることに同意していますか。 □ 同意している。 □ 同意していない。(理由: ) □ 分からない(本人が理解できない場合を含む)。 ○ 候補者が後見人等になることについての本人の意向はどうですか。 □ 賛成している。 □ 反対している。(理由: ) □ 分からない(本人が理解できない場合を含む)。 ☑ 知らない(その理由は次のとおりである。 ) 。 ☑ 本人は理解できる状態にない。 □ 本人は理解できる状態だが,不安を与えたくないので,知らせていない。 □ 本人は理解できる状態だが,申立てに反対すると思うので,知らせていない。 □ その他( 7 ) 家庭裁判所調査官が本人のところへ面接調査に行く場合がありますが,留意点(訪問可能な時間 帯,訪問する際の本人への配慮等)があれば記載してください。 〇〇ホームの△△相談員に連絡して日程調整をしてください。 8 親族関係図に本人の推定相続人(甥姪を除きます)の氏名,生年月日,住所,連絡先及び同意書 の有無を記載してください。また,同意書が得られなかった場合は,その理由や事情について,以 下に具体的に記載してください。 本人の長女長崎良子は,〇〇により長期入院中であるため,同意書が得られな かった。 本人に関する質問票(2/2) - 23 - 親族関係図 <記入要領> ※ 本人の親族(推定相続人:配偶者,子。子がいない場合は父母,兄弟姉妹)について記載してください。 ※ 申立人,候補者の方が分かるよう欄外に記載してください(甥姪,その他の親族の場合は住所等の記載は不要です。)。 ※ すでにお亡くなりになっている方は,住所等の記載は不要です。お亡くなりになった日を欄外に記載してください。 ※ 各親族について,同意書提出の有無を○で囲んでください。同意書を提出した方についての住所等の記載は不要です。 ※ 欄が足りない場合は,適宜追加してください。 申立人兼候補者 配偶者 子 福岡 誠一 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 平26.9.15死亡 福岡 太郎 (56歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 申立書記載のとおり 電話 電話 父 子 福岡 二郎 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 (53歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 本人 電話 福岡 花子 同意書記載のとおり (82歳) 電話 子 長崎 良子 弟姉妹 兄弟姉妹 母 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 (59歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 530-8521 大阪府北区△△12 3番地(□□病院入 院中) 電話 06-XXXX-XXXX 電話 子 兄弟姉妹 電話 甥姪 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 電話 電話 ( 歳) 子 兄弟姉妹 その他の親族( ) ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 ( 歳) 同意書 あり ・ なし 住所 〒 ( 歳) 電話 電話 - 24 - ※恐れ入りますが,同意書が複数必要な場合は,コピーをしてご記入ください。 同 意 書 私は,後見等(保佐,補助を含む。)の手続について,次のことに同意します。 福岡 花子 ⑴ 本人( )について,後見等開始の審判をすること。 ⑵ 本人の成年後見人等(保佐人,補助人を含む。)に( 所が選任する候補者以外の専門職が選任されること。 (〒102-8651 氏名 )又は裁判 ※後見人等候補者の氏名 27 年 5 月 20 日 平成 住所 福岡 太郎 ) 東京都千代田区〇〇5番7号 福 岡 二 郎 印 二男 本人との続柄 03-XXXX-XXXX 電話 (携帯電話)080-XXXX-XXXX この同意書にご記入いただくご親族の方々へ ○ ~必ずお読みください~ この同意書は,後見等の手続について,本人の親族(推定相続人)のご意向を確認させていた だくためのものです。申立ての詳細は,申立てをお考えになっている方から直接お聞きください。 また,作成された同意書は,申立てをお考えになっている方を通じて裁判所に提出してください。 なお,この申立てに同意されない場合には,同意書の作成は必要ありません。 ○ 申立時に同意書の提出がない場合等,申立後に裁判所職員からご意見をうかがう書面を送付させ ていただくことがあります。ご不明な点や同意できない理由等は,その際におうかがいします。 成年後見等の手続とは,認知症,知的障害,精神障害などによって物事を判断する能力が十 分ではない方(本人)について,本人の権利を守る援助者(成年後見人等)を選任し,本人の 生活・療養のために必要な手続や財産管理を任せるものです(保佐・補助については,本人の 同意による代理権の範囲内で財産管理等を任せます。)。 家庭裁判所は,様々な事情を考慮して,成年後見人等を職権で選任します。家庭裁判所の判 断により,候補者以外の専門職(弁護士,司法書士,社会福祉士等)が選任されることもあり 24 ます。 - 25 - 候 補 者 質 問 票 ※ 以下の質問に,後見人・保佐人・補助人になろうとする方が必ず自筆でご記入ください。家庭裁判所に 一任する場合は,提出の必要はありません。(□の部分は,該当する事項にレ点でチェックしてください。) 1 後見人等になろうとする方(以下「候補者」といいます。 )について (弁護士や司法書士等の第三者は,下記(1)~(5)について記載の必要はありません。) (1) 候補者は,本人と同居していた時期がありますか。 □ 本人とは現在も同居している。 ☑ 本人と以前に同居したことがある。 →( 昭和33 年頃 から 平成24 年頃 まで) □ 本人と同居したことはない。 (2) 候補者の職歴についてご記入ください(おもな職歴だけで結構です)。 稼 動 時 期 勤 務 先 名 仕事内容,役職など 昭57年 4月 ~ 平20年 3月 △△株式会社 事務 平20 年 4月 ~ 現在年 〇〇株式会社 支店長(〇〇株式会社の子会社) 月 (3) 候補者の健康状態についてご記入ください。 ☑ 健康である。 □ あまり無理はできない。 □ 治療中の疾患がある。( (4) 候補者のご家族(配偶者と子,および同居親族)についてお答えください。 □ 候補者の家族は本人と同じである。 ☑ 候補者の家族は下記のとおりである。 続柄 氏 名 年齢 職業(勤務先) 月 収 妻 福 岡 恵 子 53 パート(スーパー△△) 約 8 万円 長男 福 岡 亮 太 24 □□株式会社 約 20 万円 約 万円 約 万円 ) 電話番号 申立人と同じ 〃 ※ 全員を書ききれない場合には,別の紙にご記入の上,この表には「別紙のとおり」とご記入ください。 (5) 候補者の経済状況をお書きください。 収入 : 年収 ・・・・ (約 800 内訳 ・・・・ ☑ 給与 万円)である。 □ 事業収入 □ 年金等 □ その他( ) 資産 : □ 特に無い。 ☑ 預貯金(500 万円)がある。 ☑ 不動産がある。 □ 有価証券がある。 □ その他の資産がある。 (内容: ) 負債 : □ 負債はない。 ☑ 住宅ローンがある。 → 総額(約 1500 万円) , 毎月の返済額(約 □ その他の負債がある。→ 総額(約 万円) , 毎月の返済額(約 8万円) 万円) (6) 本人又は候補者について,それぞれ該当事項にチェックしてください。 ・ 候補者が,家裁から法定代理人,保佐人,補助人を解任されたことがある。 □はい ☑いいえ ・ 候補者が,破産をしたことがある。 □はい ☑いいえ ・ 候補者は,本人を相手に訴訟をしたことがある。 □はい ☑いいえ ・ 候補者の配偶者や直系血族が,本人を相手に訴訟をしたことがある。 □はい ☑いいえ 候補者質問票(1/2) - 26 - 2 成年後見人等に選任された場合の後見事務の方針等について (1) 本人の預貯金などの管理をどのようにしようと考えていますか。 ☑ 払戻しや解約の予定はない(又は本人の預貯金は存在しない)。 □ 一定額の払戻しや解約の予定がある。→ □ 本人の生活費及び医療費,施設費のため □( )のため (2) 本人の不動産の管理をどのようにしようと考えていますか。 ☑ 売却,賃貸,抵当権設定等の予定はない(又は本人の不動産は存在しない)。 □ 売却,賃貸,抵当権設定等の予定がある。→ □ 本人の居住中又は帰住先住居が対象 □ 上記以外の不動産が対象 (3) 今後,本人について保険金(損害金)支給や遺産分割の予定があればご記入ください。 □ 保険金等の支給や遺産分割の予定はない。 ☑ 支払われる予定の保険金等がある。→ 内 容 : ☑保険金 □ 支給額 : 約 500万 円 支払日 : 平成 27 年 10 月頃 ☑ 本人が相続人となっている分割未了の遺産がある。 (4) 本人の今後の暮らしについての予定をご記入ください。 ☑ 本人は,今後も現在と同様に暮らして行く予定である。 □ 本人は,新たな病院や施設などに入院又は転院する予定がある。 年 月頃) 病院・施設名: ( → 時期:(平成 ) (5) 本人に一定額以上の財産(例えば,預貯金及び現金1200万円以上)がある場合は,後見 制度支援信託の利用を検討することとなっています。利用に支障がありますか(保佐,補助は 対象ではありません。 ) 。 ☑ 支障はない。 □ 支障がある。 理由: □ 利用対象ではない。 (6) 後見等事務に関して,報酬を請求するつもりはありますか。 □ 報酬を請求したい。 ☑ 報酬を請求するつもりはない。 □ 未定である。 (7) 本人の財産管理について特記事項(疑問点や不安要素など)があればご記入ください。 遺産分割協議のため,本人の長女長崎良子につき,〇〇家裁に対し,保佐 開始及び代理権付与を申し立てる予定である(候補者は家裁に一任)。 3 審判書記載の住所について(※専門職の方のみご回答ください。 ) □ 住所のみ記載希望 □ 事務所のみ記載希望 □ 住所と事務所併記希望 以 上 の と お り 間 違 い あ り ま せ ん。 27 平成 年 5 署 名 24 日 福 岡 太 郎 月 昼間の連絡先 (092)711 ― XXXX 候補者質問票(2/2) - 27 - 印 ○ 備考欄を活用するなどして,分かりやすく・正確な記載をしましょう! 記 載 財産目録を作成した年月 例 財 産 目 録 (成年後見用) 各該当部分の□欄を,チェックし忘れな 日を記載してください。 平成27年 5月20日 いようにしてください。 作成者氏名 福 岡 太 郎 印 ○ <記入方法> 本人(判断能力が不十分で援助が必要な方)の全ての財産と今後の収支予定についてご記入く ださい。該当選択肢の□にレ点でチェックし,相続分・共有持分の不動産や被後見人以外の名義 で管理している預金等については,その旨を備考欄にご記載ください。欄が不足して全てを書き 切れない場合は,A4版の適当な紙に記載し,別紙として添付していただければ結構です。 実際に通帳を管理している人の氏 1 預貯金(普通預金・定期預金など) 名を記載してください。 ☑本人の財産内容は次のとおり □別紙一覧表のとおり □当該財産は存在しない □不明 No 金融機関・支店名 種 類 口座番号 ① ○○銀行△△支店 普通 123456 ② ○○銀行△△支店 定期 ③ ゆうちょ銀行 通常 ④ 金 額 通帳保管者 備 考 2,670,890円 福岡太郎 H27.5.9現在 345678 12,000,000円 福岡太郎 H27.4.9現在 11960-12345671 980,021円 福岡太郎 H27.5.1現在 ............... 通帳の記帳は,財産目録提出日前から1ヶ月程度以内の「最新の状態」 ⑤ のものを提出してください。 .......... 「備考欄」には,「いつの時点」の金額なのか記載してください。 ⑥ ⑦ ⑧ 「預金通帳のコピーの取り方」を参照してください。「表紙」や「表紙の次の ⑨ ページ」も忘れないようにコピーしてください。 合 15,650,911円 計 ... 合計額を忘れなく! ※ 上記内容を証明する資料として,通帳の写し(記帳済のもので,原則として前回報告時以降のもの)を添付する。 2 有価証券(株式・国債・社債・手形・小切手など) ☑本人の財産内容は次のとおり □別紙一覧表のとおり □当該財産は存在しない □不明 No 種 類 銘柄・振出人等 額面金額 数 量 管理者 ① 株式 ○○電器 12,000株 福岡太郎 ② 株式 △△食品 20,000株 福岡太郎 ③ ④ ⑤ ⑥ ※ 上記内容を証明する資料として,直近の残高報告書等の写しを添付する。 財産目録(1/4) - 28 - 備 考 ここでいう「保険金額」とは,保険契約にかかる「死亡保険金額」や「満期金」のことです。 (納めている保険料金額のことではありません。 ) 3 生命保険等(被後見人が契約者又は受取人になっているもの) ☑本人の財産内容は次のとおり □別紙一覧表のとおり □当該財産は存在しない □不明 No 保険会社名 ① (株)○○生命 種類・証書番号 受取人 証書管理者 医療保険・987541 10,000,000円 相続人○○ 福岡太郎 備 考 H29.8 満期 ..... 「備考欄」の記載には,詳細な情報を記載してください。 ② ③ ※ 保険金額 保険料の引落し元などを,分かりやすく工夫してください。 上記内容を証明する資料として 保険証書など,各裏付資料は必ず添付してください。 現金,貸金,その他 4 ☑本人の財産内容は次のとおり □別紙一覧表のとおり □当該財産は存在しない □不明 No 種類・特徴等 ① 金額(価格) 貸付金 管理場所(管理者,借受人等) 200,000円 借受人 長崎良子 ... 合計額 を忘れなく! ② 合 備 考 毎月5,000円ずつ返済。 預貯金①に末日振込。 !注意! 後見人の自宅等で保管することは, 200,000円 計 30 万円以上の「現金」を, 財産の混同や紛失に繋がることから ※ 上記内容を証明する資料として,契約書等を添付する。 5 認められません。 負債(銀行,信販会社,候補者,親族等から被後見人が借り入れている債務) ☑本人の負債内容は次のとおり No 種 類 □別紙一覧表のとおり 債権者名 借入等金額 □負債は存在しない 残 額 □不明 返済方法・備考 H27.5.16現在。 ① ローン ○○クレジット 500,000円 320,000円 預 貯 金 ③ か ら 毎 月 5,000 円 ... 合計額を忘れなく! 自動引落し ② 合 500,000円 計 320,000円 ........ 「備考欄」は詳細 に ※ 記載してください。 上記内容を証明する資料として,ローン契約書(借用書)又は返済明細書等の写しを添付する。 6 不 動 産(土地,建物) ☑本人の財産内容は次のとおり □別紙一覧表のとおり □当該財産は存在しない □不明 No ① ③ ③ ④ ※ 所 在 地 内容(種類) □宅地 □居宅 ☑その他( 畑 ) 福岡市中央区城内1番1号 面 積 備 考 ㎡ 6853 ㎡ 別途, 「別紙」で作成する場合は,この財産目録の形式 □宅地 □居宅(記載事項や記載順序等) ........... □その他( ) を準用してください。その際は,必ず「A4 判」とし,左端は3センチ程度「余 .. ㎡ □宅地 □居宅 白」を設けてください。 □その他( ) 前回の報告から数年経過している場合や不動産の処分を行った場合は,全部事 ㎡ □宅地 □居宅 項証明書の提出をお願いすることがありますので,予めご了承ください。 □その他( ) 上記内容を証明する資料として,納税通知書,固定資産評価証明書,登記事項証明書のいずれかを添付する。 財産目録(2/4) - 29 - (注意) このページは収支予定表です。本人の今後の収入・支出の予定について,漏れのないようにご記入ください。 .... 7 定期的な収入(被後見人の給与,年金,賃料等の定期的収入をそれぞれ月額平均で記入) ☑本人の定期的な収入は次のとおり □別紙一覧表のとおり □本人に収入はない □不明 No ① 種 年金 類 金額(月額) 国民年金 68,342円 福岡太郎,預貯金①に入金 厚生年金 50,021円 同上 ② 給与(役員報酬等を含む) ③ 不動産収入(家賃・地代等) ④ ... 介護保険・高額医療払戻し 合計額を忘れなく! 貸付金 合 考 振込先など,分かりやすく工夫してください。 5,000 123,363円 計 備 ..... 「備考欄」等の記載には,詳細な情報を記載してください。 年金 ⑤ 管理状況(管理者・入金銀行等) 長崎良子から。目録4①のとおり ・・・・・・ (A) ※ 上記内容を証明する資料として,確定申告書,給与明細書, 年金額決定通知書等を添付してください。 .... 8 定期的な支出(被後見人の定期的支出をそれぞれ月額平均で記入) ☑本人の定期的な支出は次のとおり □別紙一覧表のとおり □本人の支出は特にない □不明 No 種 類 金額(月額) 備 考(支払先など) ① 施設費(入所費,諸経費) ② 医療費(入院費,通院費) 約60,000円 〇〇ホーム。預貯金①から自動引落し ③ 差入品(衣類・オムツ等) 約20,000円 現金出納帳及び領収書添付 ..... 「備考欄」等の記載には,詳細な情報を記載してください。 所得税 住民税 ④ 公租公課 固定資産税 約1,000円 年額12,000円。預貯金①から自動引落し。 社会保険料 約8,000円 4か月に1度。預貯金①から自動引落し。 食 ⑤ 日常生活費 振込先など,分かりやすく工夫してください。 費 「財産目録」の「1~6」の各項目との関連性を 光熱費 記載してください。 住居費 その他 ⑥ 負債返済(ローン等) ⑦ 家族への扶養料 ... ⑧ 保険料 合計額を忘れなく! 5,000円 9,000円 目録5記載のとおり。 目録3①((株)○○生命)の保険料 ここの記入も忘れなく! 約103,000円 ・・・・・・ (B) ※ 上記内容を証明する資料として,納税証明書,保険料の決定通知書, 「財産管理計画」を立てましょう。 合 9 計 毎月の収支予定(今後予想される財産の増減の金額を記入) ※ 上記の(A)-(B)により計算した金額 定期的な収支の予定としては,月額で ☑ 約 2 万円の黒字 □ 約 万円の赤字 財産目録(3/4) - 30 - が見込まれる。 (注意) 10 このページは,本人が相続人となっている「遺産分割未了の相続財産」がある場合にのみご記入ください。 こういった財産がない場合は,「ない」にチェックを入れてください。 相続関係について 本人が相続人となっていて,遺産分割未了の相続財産はありますか。 ☑ ある □ ない ※「ある」とお答えいただいた方のみ以下の質問にお答えください。 あくまで「被後見人」が「相続人」となっている「遺 被相続人について 福岡 誠一 ア 被相続人の氏名 : ( イ 本人との関係 : 本人は,被相続人の( ウ 法定相続分 : 本人の法定相続分は遺産全体の( 2 分の 1 )である 産分割未了の相続財産」が対象です。 妻 )にあたる 遺産預貯金(普通預金・定期預金など) ☑遺産の内容は次のとおり No ) □別紙一覧表のとおり □当該財産は存在しない 金融機関・支店名 種 類 口座番号 ① ○○銀行△△支店 普通 234567 3,550,000円 福岡太郎 H26.9.20現在 ② ○○銀行△△支店 定期 456789 23,000,000円 福岡太郎 H26.9.20現在 ③ ... 合計額を忘れなく! 合 金 額 □不明 通帳保管者 備 考 26,550,000円 計 遺産不動産(土地,建物) ☑遺産の内容は次のとおり No 所 在 □別紙一覧表のとおり 地 □当該財産は存在しない 内容(種類) 面 積 □不明 備 考 ㎡ ① 福岡市中央区大手一丁目〇番〇号 ☑宅地 □居宅 □その他( ) 205.66 ② 福岡市中央区大手一丁目〇番〇号 □宅地 ☑居宅 □その他( ) 建坪 ㎡ 現在,申立人家 120.52 族が居住している。 □宅地 □居宅 □その他( ) ㎡ ③ □宅地 □居宅 □その他( ) ㎡ ④ その他の遺産 □遺産の内容は次のとおり No 種類・特徴等 ① □別紙一覧表のとおり 金額(価格) ☑当該財産は存在しない 管理場所(管理者,借受人等) □不明 備 考 各該当部分の□欄を,チェックし忘れないようにしてください。 ② ③ 以上,記載した各財産目録の「裏付資料」を,きちんと整理した上で,そのコピーを提出 してください。 ④ コピーの取り方については, 「提出書類の書式について」を参照してください。 合 計 ※ 上記内容を証明する資料があれば,その写しを添付する(すでに提出済みの場合は不要) 。 財産目録(4/4) - 31 - ≪提出書類の書式について≫ 1 裁判所に提出する各種書面の書式について 裁判所に対して資料などの書面を提出される場合には,原則としてA4版(297ミリ ×210ミリ,このパンフレットと同じ大きさ)の用紙をご利用ください。ただし,ど うしてもA4版では収まらない場合には,A3版(420ミリ×297ミリ,A4版の倍の 大きさ)をご利用ください。 また,記録につづって保存する関係から,下図のように左端に3センチのとじ代(余 白)ができるようにしてください。 30 ミリ 30 ミリ 余 余 白 白 A4版 2 A3版 預金通帳のコピーの取り方について 預金通帳をコピーする際には,以下の要領でお願いします。 ① 書式については,上記1に記載のとおりです。A4版用紙を用いて,左端に3セ ンチのとじ代(余白)ができるようにしてください。 ② 下図のとおり,「表紙」と「表紙の次の見開きページ」,をコピーしてください。 ③ 1年以内に通帳が更新されている場合には,更新前の通帳も同様にコピーしてく ださい。 ④ 右上余白に財産目録の預貯金番号を記載してください。 ① ① ① 26.1.7 26.2.9 余 ○○○○銀行 余 ○○○○銀行 △△△支店 余 総合口座通帳 白 001 123456 白 白 ○○○○ 様 - 32 - 3,000 7,000 125,170 132,170 申立てをする裁判所は,本人(認知症等のため支援が必要な方)の住所地(本人が 実際住んでいる場所)を管轄する家庭裁判所となります。ご不明な点がありましたら, 各裁判所にお問合せください。 裁 判 所 管轄(本人の住所地) 福岡家庭裁判所本庁(後見センター) 〒810-8652 福岡市中央区大手門1丁目7番1号 (電話) 092-510-0414 福岡市,筑紫野市,春日市 大野城市,太宰府市,糸島市 古賀市,宗像市,福津市 筑紫郡,糟屋郡 甘木出張所(書類等の受付のみ。審理は本庁後見センター) 〒838-0061 甘木市大字菩提寺571番地 (電話) 0946-22-2113 朝倉市,朝倉郡 小倉支部 〒803-8532 北九州市小倉北区金田1丁目4番1号 (電話) 093-561-3431 北九州市,中間市,遠賀郡 行橋支部 〒824-0001 行橋市行事1丁目8番23号 (電話) 0930-22-0035 行橋市,豊前市,京都郡 築上郡 飯塚支部 〒820-8506 飯塚市新立岩10番29号 (電話) 0948-22-1383 飯塚市,嘉麻市,嘉穂郡 直方支部 〒822-0014 直方市丸山町1番4号 (電話) 0949-22-0522 直方市,宮若市,鞍手郡 田川支部 〒826-8567 田川市千代町1番5号 (電話) 0947-42-0163 田川市,田川郡 久留米支部 〒830-8512 久留米市篠山町21番地 (電話) 0942-39-6944 久留米市,小郡市,うきは市 三井郡 八女支部 〒834-0031 八女市大字本町537番地の4 (電話) 0943-23-2744 柳川支部 〒832-0045 柳川市大字本町4番 (電話) 0944-72-3832 大牟田支部 〒836-0052 大牟田市白金町101番地 (電話) 0944-53-3504 八女市,筑後市,八女郡 柳川市,大川市,三潴郡 みやま市(旧高田町を除く) 大牟田市 みやま市内の旧高田町 問合せ先 福岡家庭裁判所及び各支部,出張所一覧