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出産後1ヶ 月の母親 における『母乳 育児の意 思の構造 』 一
原 著 福 井 大 学 医学 部 研 究 雑 誌 第16巻 第1号(2016) 出 産 後1ヶ 月 の 母 親 に お け る『母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 一初産婦 ・ 経 産婦 別にみる母乳 育児継続 に影響を及 ぼす 『 母 乳育児 の理 由』一 嶋 看護 学科 Breastfeedin g among 雅 代,高 橋 臨床看 護学講座 Mothers at One 眞理 ※ 母子 看護学 ・助産学 領域 Month Postpartum: Structure of Intentions SHIMA,Masayo,TAKAHASHI,Mari※ Department of Maternal and Child Health Nursing, Midwifery, School of Nursing, Faculty of Medical Sciences, University of Fukui Abstract: In the present study, based our framework on the reasons model, we defined a framework of factors affecting "intentions regarding breastfeeding" among mothers . In other words, we defined it as the "structure of intentions regarding breastfeeding" breastfeed or not. We then conducted and 107 multiparas) The results by the general and aimed and performed to investigate a questionnaire merits on 214 mothers of breastfeeding and multiparas, or the problems based not on "sense of burden", "intentions factors, whether mothers at one month postpartum regarding and restrictions were the most important addition, because primiparas have a strong "sense "intention" to continue breastfeeding . Multiparas, breastfeeding" survey and related wish to (107 primiparas path analysis. showed that in both primiparas to feelings toward breastfeeding its structure deciding of burden" on the associated therewith, factor for "intentions toward other breastfeeding" breastfeeding, hand, were not influenced and that reasons regarding related breastfeeding". they did not develop had already made a decision but rather on the condition and self-assessment In a strong on "future of breastfeeding at one month postpartum. Key Words: breastfeeding, mothers, intentions, feelings, reasons model, primiparas, multiparas, pass analysis 要 旨: 本 研 究 の 目的 は,Reasonsmodelに 基 づ き,「 母 乳 育 児 を し た い,も し く は した くな い 」 とい う 『母 乳 育 児 の 意 思 』 に 及 ぼ す 影 響 の 枠 組 み を 『母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 と定 義 し,そ の 構 造 と関 連 要 因 を 明 らか に す る こ とで あ る。 産 後1ヶ 月 の 母 親214名(初 産 婦 ・経 産 婦107名 婦 と も に,母 乳 育 児 の 一 般 的 な利 点 や,授 ず つ)に 質 問 紙 調 査 し,パ ス 解 析 を行 っ た結 果,初 産 婦 ・経 産 乳 に よ る トラ ブ ル や 制 限 で は 『母 乳 育 児 の 意 思 』 は 左 右 さ れ ず,母 乳 育 児 に 対 す る感 情 に 関 連 す る理 由 が 『母 乳 育 児 の 意 思 』 を 決 定 づ け る 最 も重 要 な 要 因 に な っ て い た 。 ま た,初 産 婦 と経 産 婦 で の 相 違 を み る と,初 産 婦 は母 乳 育 児 に 対 す る 『負 担 感 』が 強 い こ と に よ り,母 乳 育 児 を 継 続 す る と い うr意 思 』が 高 ま ら な い こ とが 示 さ れ た 。一 方 経 産 婦 は,『 負 担 感 』 よ り も む し ろ産 後1ケ 月にお ける母乳 育児 に つ い て の 状 況 や 自己 評 価 に よ っ て,「 こ の先 の 母 乳 育 児 」 に つ い て す で に 決 め て い る こ とが 示 さ れ た 。 キ ー ワ ー ド:母 乳 育 児,母 親,意 思,感 情,reasonsmodel,初 産 婦,経 産 婦,パ ス解 析 ※順天 堂大学 大学院 医療看護 学研究 科 ・医療 看護学 部 DepartmentofWomen'sHealthNursing,GraduateSchool,FacultyofHealthCareandNursing,JuntendoUniversity (Received30September2015;accepted7January2016) 嶋 1.緒 雅 代,高 橋 眞 理 言 り行 き に どの く らい の影 響 や 相 違 が あ る の か につ い て 母 乳 育 児 の恩 恵 につ い て は,母 親 側 は乳 が んや 卵 巣 がん,子 宮 体 が ん,骨 粗 霧 症,2型 明 らか に な り,よ り個 別 的 で効 果 的 な母 乳 育 児 支 援 を 糖 尿 病 発 生 リス ク 示 唆 で き る とい う意 義 が あ る。 の低 下 が 報 告 さ れ1)∼3),一 方 児 側 で は,乳 幼 児 突 然 豆.研 究方法 症,胃 腸 炎 とい っ た感 染 症 の リス クや,喘 息 や ア トピ 1.本 研 究 で 使 用 す る モ デ ル と用 語 の 定 義 ー 性 皮 膚 炎 とい っ た ア レル ギ ー 性 疾 患 の減 少 ,小 児 が 1)Reasonsmodelに 死 症 候 群(SIDS)の 発 症 率 の 減 少,中 耳 炎 や 気 道 感 染 ん の減 少,将 来 の メ タ ボ リッ ク シ ン ドロー ム の リス ク つ いて Reasonsmodell6)は,人 が 健 康 行 動 を 「履 行 し な い 」 の減 少2)4)∼6)な どが 報 告 され て い る。そ の た め,母 乳 理 由,も し く は 喫 煙 な ど の 不 健 康 な 行 動 を 「 継 続 す る, 育 児 は母 子 の緊 密 化7)や 母 親 の 育 児 適 応 が 高 くな る8) や め な い 」 理 由 に 焦 点 を 当 て,そ な どの産 後 の一 時 的 な効 果 に と どま らず,生 涯 に わ た に 異 な る1か っ て母 児 に健 康 を も た らす 行 動 と して世 界 中 で広 く勧 デ ル で あ る 。Rempelll)は,Reasonsmodelを め られ てい る。 世 界 的 な母 乳 育 児 推 進 の動 き を受 け, る こ と に よ り,母 乳 育 児 に つ い て のpro:『 わ が 国 で も多 くの産 科 施 設 で は積 極 的 に母 乳 育 児 支 援 con:『 負 担 感 』 の 理 由 を3つ を行 っ て い る が,退 院 後 の 母 乳 育 児 を 見 る と,出 産 後 分 類 し て 説 明 し て い る 。 す な わ ち,レ 1ケ 月 の 母 乳 栄 養 率 は42.4%,3ケ の レベ ル の 理 由 を 規 定 す る モ 適用 す 肯定感』 と の 質 的 に 異 な る レベ ル に ベ ル1の 理 由は あ り, 「母 乳 で 育 つ と 感 染 症 に な り に く い か ら 」 「母 乳 に は 月 で41。0%と 赤 ち ゃ ん に 害 を 及 ぼ す 成 分 が 含 ま れ て い る か も しれ な 月 は38.0%で 一 方 混 合 栄 養 率 は1ヶ 月 で52 .5%,3ケ ら 皿 の3つ の理 由 につ い て質 的 い ず れ も母 乳 栄 養 よ り も高 い 割 合 を 示 して い る9)。 す い か ら」 の よ う に,一 なわ ち,産 後1ヶ 月 を過 ぎ る と完 全 母 乳 栄 養 の割 合 が る。 レベ ルHの 理 由 は 「母 乳 は寝 た ま ま あ げ られ る か 増 加 す る こ とは な く,人 工 乳 を使 用 す る栄 養 方 法 の割 ら」 「哺 乳 瓶 で 飲 め な い と,他 の 人 に預 け られ な い か 合 が 増 加 してい る とい え る。 母 乳 育 児 を含 め た,自 分 ら」 の よ うに,自 分 の身 体 や 行 動 に 関連 す る理 由 で あ の子 ども の育 児 方 法 を どの よ うに選 択 して い くの か に る。 レベ ル 皿 の理 由 は 「母 乳 を あ げ る と赤 ち ゃ ん との つ い て は,退 院後 の様 々 な母 乳 育 児 の体 験 や 母 親 のニ 絆 が 深 ま る か ら」 「 母 乳 に こ だ わ りす ぎ る と育 児 を 楽 ー ドが影 響 を与 え て い る こ とが指 摘 され る10)が ,そ の しめ ない か ら」 の よ うに,感 情 や 自己概 念 に 関連 す る 詳 細 につ い て十 分 に把 握 で き てい る とは言 い難 い。 理 由 で あ る。 ま た,レ ベ ル 皿 の理 由 は最 も個 人 的 な認 母 乳 育 児 支 援 につ い て は,近 年 ア メ リカや カ ナ ダ な どの諸 外 国 でReasonsmodelに 般 的 な根 拠 に 関連 す る理 由 で あ 知 や 感 情 を反 映 してい る た め,レ ベ ル1やHの 代 表 さ れ る健 康 モ デル も重 要 性 を与 え る,よ 2)操 を用 い,母 乳 育 児 に 関す る決 定 に は母 親 の意 思 が直 接 り全 体 的 な理 由 と して い る。 作 的用 語 の定 義 『母 乳 育 児 の 理 由』:Reasonsmodelに 影 響 し,そ の意 思 に は感 情 が最 も強 く影 響 す る こ とを 理 由に 基 づ き,母 乳 明 ら か に して お り,母 親 の感 情 や 意 思 決 定 を支 援 す る 育 児 に対 す る 『肯 定 感 』 と 『負 担 感 』 それ ぞれ に,質 重 要 性 を示 唆 して い る11)∼15)。しか し,日 本 で は母 親 的 に異 な る1か の母 乳 育 児 に対 す る感 情 や 意 思 につ い て の報 告 は な く, そ の母 親 が 母 乳 育 児 に 関す る決 定 をす る 際 の理 由。 ら皿 の3つ の レベ ル が規 定 さ れ て い る, 『母 乳 育 児 の 意 思 』:母 乳 育 児 の 開 始 や 終 了,継 続 な ま た健 康 行 動 理 論 や モ デル を適 用 して母 乳 育 児 を検 討 す る に は至 っ てい ない 。 ど母 乳 育 児 全 般 に 関す る気 持 ちや 思 い。 月 の母 親 を対 象 に,「母 『母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』:『母 乳 育 児 の 理 由 』が 『母 乳 育 児 を した い,し た くな い」 とい う 『母 乳 育 児 の意 乳 育 児 の意 思 』 に影 響 を及 ぼす こ とに よ っ て構 成 され 思 』 に及 ぼす 影 響 を 『母 乳 育 児 の意 思 の構 造 』 と定 義 る 関係 。 そ こ で,本 研 究 は 出 産後1ケ 『母 乳 育 児 の行 動 』:『母 乳 育 児 の意 思 の構 造 』 か ら し,そ の構 造 と関連 要 因 を 明 ら か にす る こ とを 目 的 と して,Reasonsmodelに 基 づ い て検 討 した 。 直 接 影 響 を受 け た,母 乳 育 児 に 関す る行 動 。 これ ら の分 析 結 果 か ら,母 親 一 人 一 人 の母 乳 育 児 に つ い て の 『理 由』 が違 うこ とに よ っ て,母 乳 育 児 の成 一12一 出 産 後1ヶ 2.研 月 の母 親 に お け る 『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 一初 産婦 ・経産 婦別 にみ る母乳育児継 続に影響 を及ぼすr母 乳育児 の理 由」一 究対象者 観 的 に判 断 した点 数 の 回答 を求 め た。 対 象 者 は第 一 次 産 科 病 院 で あ る東 京 都 内A病 院 で 出 (3)『 母 乳 育 児 の行 動 』 産 した,産 後 約1ヶ 月 の母 親 で あ っ た。 選 定 基 準 は初 産,経 産 を 問 わず,質 先 行 研 究11)を 参 考 に,〈 母 乳 と人 工 乳 の 状 況 〉(入 問紙 の 回答 に十 分 な 日本 語 能 力 院 中お よ び現 在 の授 乳 状 況)と,現 在(産 後1ケ 月) を有 し,母 児 とも に 医学 的 な理 由 で母 乳 育 児 が禁 止 さ の 『母 乳 育 児 の行 動 』 に対 す る 自己評 価,す れ てい ない こ と と した。A病 現 在 の母 乳 育 児 の 自己評 価 〉 につ い て 回答 を求 め た。 院 は母 児 異 室 で,3時 間 お き の定 時 授 乳 で あ り,母 親 の母 乳 分 泌 状 況 に応 じて (4)「 母 乳 育 児 に 関す る体 験 」 人 工 乳 を補 足 してい た。 先 行 研 究11)や ICD-1017)の 3.測 なわちく 母 親 た ち へ の イ ン タ ビ ュ ー, 「分 娩 に 関 連 す る乳 房 お よ び 授 乳 障 害 」 の分 類 表 を参 考 に,〈 授 乳 トラ ブル 〉(乳 房 ・乳 頭 ト 定 変数 ラ ブル,新 生 児 の トラ ブ ル),〈 母 乳 育 児 サ ポ ー ト〉(母 (1)『 母 乳 育 児 の 理 由 』 Reasonsmodelに 基 づ き,母 乳 育 児 に つ い て 『肯 定 乳 育 児 サ ポー ト者 とサ ポー ト内容)に つ い て 回答 を求 め た。 感 』 と 『負 担 感 』 そ れ ぞ れ 各 レ ベ ル の 理 由 が ど の く ら い 重 要 で あ る か を 問 う 『母 乳 育 児 の 理 由 』 尺 度 を 作 成 (5)「 母 児 の基 本 的特 性 」 し,使 用 し た 。 『母 乳 育 児 の 理 由 』 尺 度 は,母 乳育児 を 経 験 し た 母 親 へ の イ ン タ ビ ュ ー,Rempel11)に よ る 究10)18)∼21)か ら,〈 母 児 の属 性 〉(年 齢,学 歴,出 BreastfeedingReasonsQuestionnaire(BRQ)(研 究者 産 後 の職 場 復 帰 の有 無,婚 姻 状 況,同 居 家 族,出 産 回 母 乳 育 児 の 開始 や 継 続 の 関連 要 因 につ い て の先 行 研 が 日 本 の 母 親 た ち の 現 状 に 合 っ た 質 問 に な る よ う平 易 数,分 娩 週 数,分 娩 方 式,児 の体 重,母 児 分 離 の 有 無), な 日 本 語 に 翻 訳 し,英 〈周 囲 の母 乳 育 児 体 験 〉(母 親 と友 人 の母 乳 育 児 経 験 語 に 堪 能 な 看 護 師 ・助 産 師 か ら の助 言 を受 け て 内容 的妥 当性 を検 討 した も の を下 位 項 とそ の 内容,周 目 と し て 抽 出),母 乳 育 児 継 続 に 関 す る 先 行 研 究 を も と の 内容)に つ い て 回答 を求 め た。 に 下 位 尺 度 を 抽 出 し,信 頼 性 お よ び妥 当性 を検 討 した 尺 度 で あ る 。 『肯 定 感 』 の 下 位 項 目 は31項 1・9項 目,レ ベ ルH・15項 目,レ (Cronbach'sα:0.80∼0.86),『 は30項 目:レ ら 構 成 さ れ,各 目:レ ベ ル ベ ル 皿 ・7項 4調 目 平 成23年7月 目,レ ベ ルH・13項 5.調 目, と が な い 」 か ら4「 と りわ け 重 要 な 理 由 」 の5段 査方法 渡 して 口頭 で説 明 した。産 後1ヶ 階の 月 健 診 で 口頭 に よ る 同意 を得 て か ら調 査 用 紙 の記 入 を依 頼 し,対 象 者 の希 望 に応 じて直 接 回収 も し くは郵 送 に よ る 回収 と した。 (2)『 母 乳 育 児 の 意 思 』 間,母 。 象 者 の入 院 中,個 別 に研 究 の趣 旨 につ い て の説 明文 を こ の理 由 につ い て考 え た こ リ カ ー ト法 で 回 答 を 求 め た 。 Rempelll)に か らll月 A病 院 長 と看 護 師 長 に研 究 協 力 の 同意 を得 た後,対 目(CronbachSα:0.67∼0.84)か 項 目 を0「 査期 間 負 担 感 』の下 位 項 目 ベ ル1・7項 レ ベ ル 皿 ・10項 囲 か らの母 乳 育 児 サ ポー トの有 無 とそ よ る 先 行 研 究 を 参 考 に,「 こ の 先1ヶ 月 6.分 乳 育 児 を す る つ も り で い る 」 と い う 『母 乳 育 児 の 意 思 』 に つ い て,回 答 を求 め た。 視 覚 的 かつ 容 易 に 評 価 で き る よ う に,リ ニ ア ・ア ナ ロ グ ス ケ ー ル を 使 用 析方法 各 変 数 の基 本 統 計 量 の算 出,各 変 数 間 の比 較,複 数 要 因 の 因 果 関 係 の パ ス 解 析 を した 。 統 計 処 理 はSPSS し,「 絶 対 に 母 乳 を あ げ る つ も り で い る 」場 合 は81点 Statistics20お よびSPSSAmos20を か ら100点,「 の有 意 水 準 は5%で 両 側 検 定 と した。 か な り あ げ る つ も りで い る 」場 合 は61 点 か ら80点,「 41点 ま あ ま あ あ げ る つ も り で い る 」場 合 は か ら60点,「 合 は21点 合 は0点 使 用 し,す べ て か ら40点,「 か ら20点 7.倫 あ げ るつ も りは ほ とん どな い」 場 本 研 究 は北 里 大 学 看 護 学 部 研 究 倫 理 委 員 会 の承 認 を 全 くあ げ るつ も りが な い」 場 の 間 隔 の 中 か ら,100点 理 的配 慮 得 た も の で あ る(平 成23年6月2日No23-4-2)。 満 点 で主 一13一 研 嶋 雅 代,高 橋 眞 理 究 協 力 は 自 由意 思 を尊 重 し,プ ライ バ シー の保 護 を徹 産 婦 ・経 産 婦 で 各 項 目 を 比 較 す る と,「 出 産 前 の 仕 事 の 底 した。 有 無 」(X2ニ21.15,p<0.001),「 入 院 中 の人 工 乳 補 足 回 数 」(κ2ニ19.10,pく0.001),「 現 在 の人 工 乳 補 足 回 皿.結 果 1.全 数 」(X2ニ15.00,p<0.001),「 体,お よ び初 産 婦 ・経 産 婦 別 の特 性 研 究 の対 象 選 定 基 準 を 満 た した227名 を依 頼 し,産 後1ヶ 得 て,216名 p<0.05),「 ー4.01,p<0.001),「 の 同意 を の母 親 か ら調 査 用 紙 を 回 収 した 。 うち調 査 項 目 の多 くに欠 損 値 を認 め た2名 的 に214名(初 p<0.05)は を除 外 して,最 終 産 婦 ・経 産 婦 各107名 比 較 を す る と,全 体 的 に 初 産 担 感 』 の得 点 が高 い傾 向 が概 観 さ れ た(図1)。 母 児 の 基 本 的 特 性 」 〈母 乳 と 人 工 乳 の 状 況 〉 〈 授 乳 トラ ブ ル 〉 の 記 述 統 計(一 部),お 年齢 mean±SD 児 の 出 生 時 体 重(g) 人 数(%) 経 産 婦n=107 19-43 P 33.1±4,0 23-42 あり 140(65.4%) 86(80.4%) 54(50.5%) なし 74(34.6%) 21(19.6%) 53(49.5%) あり 129(60.3%) 39(36.4%) 46(43.0%) なし 85(39.7%) 68(63.6%) 61(57.0%) ■ 初 ・経 比 較 n=128 n=67 n=61 11.9±10.0 11,9±9.1 12.0±ll.0 .000 。000 n.S mean土SD 「ange 2-72 経膣分 娩 (正常&吸 引) 帝王切 開 人 数(%) mean±SD 2-54 145(67.7%) 72(67.3%) 73(68.2%) 35(32.7%) 34(31.8%) n.S ■ 69(32.2%) 3047.7±363.9 n.S 2-72 3075±343.4 3019±382.9 2440-4065 1990-4100 n.S 1990-4100 2.6±2.2 mean±SD 2.6±1.5 2.5±2.7 0-27 0-7 0-27 5.7±1。3 5.7±1.3 n.S (日) 母 入 院中の母 乳回数 (回) 乳 と 人 入院中の人工乳 補 足 回数 工 乳 の 現在 の母乳 回数 (回) 状 況 現在の人工乳 補 足 回数 よ び 初 産 婦 ・経 産 婦 の 比 較 30,7±4.9 19-43 「ange 直 接 授 乳 開 始 日数 初 産 婦n=107 31.9±4.6 人 数(%) 通学の有無 母 児 出産 後の職 場復帰 予定 の有無 の 基 本 職場 復帰予 定月数 的 (月) 特 性 出産方 法 全 体N=214 「ange 出産 前 の 仕 事 ・ 「ange mean±SD 5.7±1。1 n.S 0-10 「ange 0-8 出 産 後1回 もな い 10(4.7%) 1日 数 回 71(33.1%) 毎 回の授乳 のたび 133(32.1%) 人 数(%) mean±SD ■ ■ 0-10 3(2.8%) 7(65%) 22(20.6%) 49(45,8%) 82(76.6%) 51(47.7%) 8.3±2,7 7,9±2.9 8.7±25 0-15 0-15 0-15 range 退 院 後1回 もな い 58(27.1%) 18(16.8%) 40(37.4%) 1日 数 回 128(59.8%) 69(64.5%) 59(55.1%) 20(18.7%) 8(75%) 人 数(%) .000 .022 .000 毎 回の授乳 のたび 28(13.1%) 陥没乳 頭 あり 22(10.3%) 12(ll.2%) 10(9.3%) n.S 乳頭発 赤 あり 35(16.4%) 19(17.8%) 16(15.0%) n.S あり ll6(54.2%) 65(60.7%) 51(47.7%) n.S あり 59(27.6%) 36(33.6%) 23(21.5%) .047 乳 房 うっ積 あり 76(355%) 40(37.4%) 36(33,6%) n.S 乳腺炎 あり 5(2,3%) 母乳分泌不足感 あり 61(285%) 授 乳 ト 乳頭痛 乳頭損傷 ラ ブ ル 年 齢,仕 p:正 婦 は 経 産 婦 よ り もr負 あ っ た 。初 カテゴ リー ー2.31, 経 産 婦 が 初 産 婦 よ り有 意 に 高 か っ た(表1)。 Mann-WhitneyヨUtestで の分 析 対 象 と した(最 終 有 効 回答 率94。3%)。 表1「 現 在 の 母 乳 回 数 」(t(210)ニ ま た,『 母 乳 育 児 の 理 由 』 尺 度 の 下 位 項 目 得 点 を ず つ)を 本 研 究 対 象 者 の平 均 年 齢 は31。9歳(SD4.6)で 母 乳 分 泌 不 足 感 」(κ2ニ8.28,pく0.01)は 初 産 婦 が 経 産 婦 よ り有 意 に 高 く,「 年 齢 」(t(212)ニ に調 査 協 力 月 健 診 に来 院 した221名 乳 頭 損 傷 」(X2ニ4.00, 事 へ の 復 帰 予 定 月 数,児 人 数(%) の 出 生 時 体 重,母 ■ ■ ■ ■ 乳 開 始 日,入 院 中 に母 乳 回 数,現 確 有 意 確 率(両 側)n.s:notsigni五cant 一14一 ■ 3(2.8%) 2(1,9%) n.S 40(37.4%) 21(19.6%) .004 在 の 母 乳 回 数 はStudent's∫-test,他 はChi-squaretest 出 産 後1ヶ 月 の母 親 に お け る 『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 一初 産婦 ・経産 婦別 にみ る母乳育児継 続に影響 を及ぼすr母 乳育児 の理 由」一 0:この理由について考えたことがない1:わ ずかに重要な理 由2:やや重要な理 由3:とても重要な理 由4:とりわけ重要な理 由 図1初 産 婦 ・経 産 婦 に お け る 『母 乳 育 児 の 理 由 』 尺 度 の 下 位 項 目 の 得 点 比 較 一15一 経産 嶋 雅 代,高 橋 眞 理 『母 乳 育 児 の 行 動 』 を 予 測 で き る とい うモ デ ル で あ る 2.『 母 乳 育 児 の意 思 の構 造 』と 関連 要 因 に つ い て のパ ス解 析 (図2)。 1)『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』と 関連 要 因 の仮 説 モ デ ル しか し,今 回 は 「この先1ヶ 月 間,母 乳 育 児 をす る つ も りでい る」 とい う将 来 の 『母 乳 育 児 の意 思 』 を調 作成 Rempel9)に よ るReasonsmodelに 基 づ く先 行 研 究 査 した が,1ヶ 月 後 の 実 際 の 『母 乳 育 児 の 行 動 』 につ を参 考 に,仮 説 モ デ ル を 構 築 し た。す な わ ち,r母 乳 育 い て は調 査 してい ない 。 そ の ため,現 在(産 後1ヶ 月) 児 の理 由』 の 『肯 定 感 』 と 『 負 担 感 』 それ ぞれ3つ の 『母 乳 育 児 の行 動 』 に対 す る 自己評 価,す の なわちく レベ ル の理 由 は,そ れ ぞれ が 『母 乳 育 児 の意 思 』 に影 現 在 の母 乳 育 児 の 自己評 価 〉 は,『 母 乳 育 児 の 理 由 』か 響 を与 え,と りわ け 感 情 に 関 連 す る レベ ル 皿の 理 由 は, 一 般 的 な根 拠 に 関連 す る レベ ル1と 身 体 や 行 動 に 関連 ら影 響 を受 け,〈 影 響 を及 ぼす とい う仮 説 の も とに検 証 を行 っ た。また, す る レベ ルHに 影 響 を与 え る とい う 『母 乳 育 児 の意 思 母 乳 育 児 に対 す る認 識 に明 らか な違 い が あ る た め初 産 の構 造 』 で あ る。 さ ら に 「母 児 の基 本 的特 性 」 や 「 母 婦 ・経 産 婦 別 にパ ス解 析 した が,関 連 要 因 と して投 入 乳 育 児 に 関す る体 験 」 は 『母 乳 育 児 の意 思 の構 造 』 に す る変 数 は統 一 した。 自己評 価 〉 が 『母 乳 育 児 の意 思 』 に 影 響 を及 ぼ し,最 終 的 に 『母 乳 育 児 の意 思 の構 造 』 は 図2『 母乳 育児の意 思の構 造』 と関連要 因の仮説 モデル 2)『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』と 関連 要 因 の仮 説 モ デ ル 0.008,GFI=0.922,AGFI=0.847,RMSEA=0.090で 検 証(図3) あ っ た 。そ の 結 果,レ ベ ル 皿 の 感 情 に 関 連 す る 理 由 は, (1)初 産 婦 の 『母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 と関 連 要 因 レベ ル1の の仮説モデル検証 最 終 的 な モ デル の 適合 度 は 一 般 的 な 根 拠 に 関 連 す る 理 由(『 肯 定 感 』: β ニ0.55,p<0.001,『 レベ ルHの κ2=42.702,p= 一16一 負 担 感 』:β ニ0.78,pく0.001), 身 体 や 行 動 に 関 連 す る 理 由(『肯 定 感 』:β= 出 産 後1ヶ 月 の母 親 に お け る 『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 一初 産婦 ・経産 婦別 にみ る母乳育児継 続に影響 を及ぼすr母 乳育児 の理 由」一 0.66,p<0。001,『 負 担 感 』:β ニ0.86,p<0.001)へ あ っ た 。 経 産 婦 も 感 情 に 関 連 す る 理 由 で あ る レベ ル 皿 の 有 意 な 影 響 力 を 示 し,さ ら に 『母 乳 育 児 の 意 思 』(『肯 は,レ 定 感 』:β=0.31,pく0.001,『 感 』:β=0.53,p<0.001,『 <0.001)に 負 担 感 』:β=-0.37,p 影 響 す る こ と が 示 さ れ た 。ま た レベ ルHの ベ ル1の 0.001),レ 一 般 的 な 根 拠 に 関 連 す る 理 由(『 肯 定 ベ ルHの 負 担 感 』:β=0.72,p< 身 体 や 行 動 に 関 連 す る 理 由(『 肯 身 体 や 行 動 に 関連 す る理 由 は く現 在 の母 乳 育 児 の 自 己 定 感 』:β=0.68,p<0.001,『 評 価 〉 に 有 意 な 影 響 力 を 示 し た(『 肯 定 感 』:β ニ0。18, <0.001)へ p<0.05,『 児 の 意 思 』 に 影 響 を 示 し た 理 由 は,感 負 担 感 』:β レ ベ ル1の ニー0.23,p<0.05)。 さ ら に, 一 般 的 な 根 拠 に 関 連 す る 理 由 は 『肯 定 感 』 負 担 感 』:β=0.77,p の 有 意 な 影 響 力 を 示 し た 。 し か しr母 乳 育 情 に 関連 す る理 由 で あ る レベ ル 皿 の 『肯 定 感 』だ け で あ っ た(β ニ0.18, と 『負 担 感 』 の 誤 差 間 の 相 関 が 有 意 と な っ た(rs=0.40, p<0.05)。 Pく0.001)○ は く 現 在 の 母 乳 育 児 の 自 己 評 価 〉 に 影 響 力 を 示 し(『肯 ま た レベ ルHの 身 体 や 行 動 に 関連 す る理 由 定 感 』:β=0。27,p<0.Ol,『 (2)経 産 婦の <0.01),〈 『母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 と 関 連 要 因 の仮説モデル検証 の 意 思 』(β 最 終 的 な モ デ ル の 適 合 度 はX2=29.096,pニ 現 在 の 母 乳 育 児 の 自 己 評 価 〉 は 『母 乳 育 児 ニ0.30,p<0。001)に 影 響 力 を示 した。 さ ら に 「現 在 の 母 乳 回 数 」 に よ る 『母 乳 育 児 の 意 思 』 へ の 影 響 も 示 さ れ た(β=0.28,p<0.Ol)。 0.177,GFI=0.946,AGFI=0.895,RMSEA=0.050で 図3初 負 担 感 』:β=-0.24,p 産 婦 ・経 産 婦 別 『母 乳 育 児 の意 思 の 構 造 』 と関 連 要 因 の 仮 説 モ デ ル の 検 証 一17一 嶋 w.考 雅 代,高 橋 眞 理 一 方 経 産 婦 は,『 母 乳 育 児 の 意 思 』に直 接 影 響 を及 ぼ 察 1.母 乳 育 児 に対 す る感 情:『 肯 定 感 』 と 『負 担 感 』 に してい る の は感 情 に 関連 す る 『肯 定 感 』の理 由 で あ り, ついて さ らに く現 在 の母 乳 育 児 の 自己評 価 〉 と 「現 在 の母 乳 『母 乳 育 児 の意 思 』 に影 響 を及 ぼす 『母 乳 育 児 の理 回数 」 が 『母 乳 育 児 の意 思 』 に影 響 を及 ぼ して い た。 由』を 見 る と,r肯 定 感 』 とr負 担 感 』 とも に感 情 に 関 経 産 婦 は,新 生 児 か らの反 応 を予 測 して働 き か け る能 連 す る レベ ル 皿 だ け で あ り,一 般 的 な根 拠 に 関連 す る 力 はす で に身 につ け て お り24),児 との相 互 作 用 を通 し レベ ル1と 身 体 や 行 動 に 関連 す る レベ ルHの 理 由 に よ て現 在 の母 乳 育 児 を 自己評 価 し,今 後 を予 測 しな が ら る影 響 は示 され な か っ た。 つ ま り,母 乳 育 児 につ い て 一 般 的 に言 われ てい る利 点 や 母 乳 の利 便 性 ,授 乳 に よ 母 乳 育 児 に 臨ん でい る と考 え られ る。 加 え て前 回 の母 る トラ ブル や 制 限 で は 『母 乳 育 児 の意 思 』 は左 右 され 験 は,母 親 と して の役 割 を果 た した とい う充 足 感 につ ず,む しろ母 乳 育 児 に対 す る感 情 に よ っ て 『母 乳 育 児 なが る こ とか ら25),母 乳 育 児 に 対 して 「とて も よ か っ の意 思 』が 決 ま り,『母 乳 育児 の行 動 』を選 択 す る最 も た」とい う肯 定 的 な 感 情 や,「 自分 に とっ て意 味 が あ る 重 要 な要 因 に な っ てい る こ とが示 され た。 これ は今 後 も の だ」「 母 親 に な る た め に重 要 な もの だ」 とい う 自己 の母 乳 育 児 支 援 の あ り方 を考 え る うえ で重 要 な課 題 で 概 念 の形 成 に大 き な影 響 を与 え,『 母 乳 育 児 の 意 思 』を あ る。 高 め てい る と考 え られ る。 そ の た め経 産 婦 の場 合,母 乳 育 児 にお い て試 行 錯 誤 しな が ら困難 を乗 り越 え た体 乳 育 児 に対 す る肯 定 的 な感 情 で 『母 乳 育 児 の意 思 』 は 2.『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 と関 連 要 因 に つ いて 高 ま る も の の,『 負 担 感 』 に よ って 『母 乳 育 児 の 意 思 』 パ ス解 析 に よ り,初 産 婦 と経 産 婦 で は 『母 乳 育 児 の が 左 右 され る こ とは な く,む しろ産 後1ヶ 月 時 の母 乳 意 思 の構 造 』 とそ の 関連 要 因 につ い て相 違 が あ る こ と 育 児 状 況 や 自己評 価 に よ っ て,す で に 『母 乳 育 児 の意 が 明 ら か に な っ た。 初 産 婦 は,感 情 に 関連 す る 『負 担 思 』 を決 め てい る とい う こ とが で き る。 よ っ て経 産 婦 感 』 の 『母 乳 育 児 の理 由』 が 『母 乳 育 児 の意 思 』 に最 は今 回 の母 乳 育 児 の経 過 や 状 況 だ け に注 目す る の で は も強 い 影 響 を及 ぼす こ とが示 され た。 初 産 の母 親 は育 な く,前 回 の母 乳 育 児 の体 験 や,そ 児 動 作 が不 慣 れ で,児 の反 応 に対 応 す る スキ ル を習 得 と一 緒 に振 り返 りな が ら,今 回 の母 乳 育 児 につ い て母 してい ない こ とか ら 「うま くい か な い」 と感 じ,よ り 親 自身 が 考 え て選 択 で き る よ うに支 援 す る こ とが必 要 母 乳 育 児 に対 す る負 担 感 が強 い と考 え られ る。 ま た母 と考 え る。 の時 の感 情 を母 親 乳 育 児 中 の母 親 は 「母 乳 育 児 は よ い も の で あ る」 とい 3.研 う認 識 が あ る一 方 で,「 母 乳 育 児 を しな け れ ぼ な ら な い 」 とい う気 持 ち に追 い詰 め られ,自 分 を コ ン トロー ル で き ない とい う思 い や 孤 立 感 究 の 限界 と今 後 の課 題 本 研 究 は産 後1ヶ 月 時 に1回 のみ,1施 設 で の調 査 で ス トレス,憂 欝 を感 あ っ た た め,一 般 化 に は 限界 が あ る。 今 後 も縦 断 的 か じてい る こ とや10),産 褥 期 に お い て初 産 婦 は経 産 婦 よ つ 複 数 施 設 で の調 査 を行 い,今 回 検 討 で き な か った 『母 りも 「 親 と して の 自信 」 や 「自己 肯 定 感 」 が 低 く22), 乳 育 児 の意 思 』 と 『母 乳 育 児 の行 動 』 との 関連 につ い 育 児 の楽 しさや ゆ と りを感 じる精 神 的 な余 裕 は も ち難 て検 討 す る必 要 が あ る。 い こ と23)が 知 られ て い る。これ ら の こ とか ら,初 産 婦 V.結 は母 乳 育 児 に対 して ア ン ビバ レ ン トな感 情 を もつ 傾 向 が よ り強 く,ま た 自分 の母 乳 育 児 に 自信 が な い た め, 語 出産 後1ヶ 月 の母 親 に お け る,『 母 乳 育 児 の 理 由 』が 産 後1ヶ 月 に お け る く現 在 の母 乳 育 児 の 自 己評 価 〉 は 『母 乳 育 児 の意 思 』 に影 響 を及 ぼす こ とに よ っ て構 成 低 く,「 母 乳 育 児 を 続 け た い 」とい う『母 乳 育 児 の 意 思 』 され る 関係 で あ る 『母 乳 育 児 の意 思 の構 造 』 につ い て が 高 ま ら ない こ とが考 え られ る。 そ の た め初 産 の母 親 検 討 し,以 下 の結 論 を得 た。 に は,こ れ ま で の母 乳 育 児 を ポ ジ テ ィ ブ に評 価 し,自 1.初 産 婦 ・経 産 婦 と も に,『 母 乳 育 児 の理 由』 は 「 感 分 の母 乳 育 児 を肯 定 的 に認 識 で き る よ うな支 援 が必 要 情 」 に 関連 す る理 由 が 「一 般 的 な根 拠 」 や 「 身体や とな る。 行 動 」 に 関連 す る理 由 に影 響 を及 ぼ し,主 要 な理 由 一18一 出 産 後1ヶ 月 の母 親 に お け る 『 母 乳 育 児 の 意 思 の 構 造 』 一初 産婦 ・経産 婦別 にみ る母乳育児継 続に影響 を及ぼすr母 乳育児 の理 由」一 とな っ てい た。 2.初 3)BlincoeAJ:Thehealthbenefitsofbreastfeedingfor 産 婦 の 『母 乳 育 児 の 意 思 』に 直 接 影 響 し た の は, mothers.BRJMIDWIFERYl3(6):398-401,2005 感 情 に 関 連 す る 『母 乳 育 児 の 理 由 』(『負 担 感 』:β= -0 .37, .ρ<0.001,『 で あ り,と 肯 定 感 』:β 4)CentersforDiseaseControlandPrevention(CDC): Breastfeedingtrendsandupdatednationalhealth ニ0.31,。ρ<0.001) り わ け 母 乳 育 児 に 対 す る 『負 担 感 』 が 最 o切ectivesforexclusivebreastfeeding-UnitedStates, も 強 く 『母 乳 育 児 の 意 思 』 に 影 響 を 及 ぼ し て い た 。 birthyears2000-2004.Morbidity&MortalityWeekly (モ デ ル 適 合 度:X2=42.072,pニ0.008,GFIニ Report,August3,2007:760-763,2007 0.922,AGFIニ0.847,RMSEAニ0.090)。 3.同 5)Ortega-GarcfaJA,Ferris-Tort司adaJ,Torres-CanteroA, 様 に 経 産 婦 は,『 母 乳 育 児 の 意 思 』 に 直 接 影 響 し た の は,感 情 に 関 連 す る 『母 乳 育 児 の 理 由 』 の 『肯 定 感 』(β ニ0,18, .ρ<0.05)で etal:Fullbreastfeedingandpaediatriccancer.Journalof Paediatrics&ChildHealth44(2008):10-13,2007 6)McNielME,LabbokMH,AbrahamsSW:Whatarethe あ り,『 負 担 感 』 に よ る 影 響 は 示 さ れ な か っ た 。ま た,「 現 在 の 母 乳 育 児 の risksassociatedwithformulafeeding?Are-analysisand 自 己 評 価 」(β review.BIRTH37(1):50-58,2010 数 」(β ニ0.30,ρ<0.001),「 ニ0.28, 。 ρ<0.001)が 影 響 し て い た 。 つ ま り,産 現 在 の母 乳 回 7)笹 『 母 乳 育児 の 意 思』 に 後1ヶ 月 時 の母 乳 育 児 状 8)田 デ ル 適 合 度:κ2=29.096,p= く,母 山 医 科 薬 科 大 学 看 護 学 会 誌 中 和 子:育 児 適 応 に 影 響 を 与 え る 要 因 の 検 討,母 9)厚 乳 育 児 支 援 に は母 乳 の利 点 を教 生 労 働 省:平 成17年 度 乳 幼 児 栄 養 調 査 結 果 の 概 要 http://wwwmhlw.gojp/houdou/2006/06/dl/hO629-lap 乳 に よ る トラ ブ ル を 解 決 す る ば か り で な df>2006(ア 親 一 人 一 人 の体 験 や 感 情 に配 慮 した母 乳 育 児 支 ク セ ス:2011年1月27日) 10)SheehanA,SchmiedV,BarclayL:Complexdecisions: 援 の あ り方 が 重 要 で あ る 。 theorizingwomen,sinfantfeedingdecisionsinthefirst6 weeksafterbirth.JournalofAdvancedNursing66(2): 謝辞 371-380,2009 本 研 究 に ご協 力 い た だ き ま した お母 さ ま方,関 係 施 11)RempelLA:WhyBreastfeed?ApplyingtheReasons 設 の皆 様 に深 く感 謝 い た します 。 本 研 究 は2011年 ModeltoInfantFeedingDecisions,UniversityofWaterloo 度 北 里 大 学 大 学 院看 護 学 研 究 科 修 (Unpublisheddoctoraldissertation),Waterloo,1999 士 論 文 に加 筆 ・修 正 した も の で あ る。 な お,本 研 究 の 一 部 は第14回 性 衛 生47(4):554-562,2007 0.177,GFIニ0.946,AGFIニ0.895,RMSEAニ0.050)。 育 し た り,授 月 児 を も つ 母 親 の 愛 着 と 哺 乳 6(1):111-121,2005 て,「 こ の 先 の 母 乳 育 児 」に つ い て す で に 決 め て い る 以 上 の こ と か ら,母 谷 靖 子:3ヵ 形 態 に 関 連 す る 要 因 の 検 討,富 況 や そ の時 点 で の母 乳 育 児 に対 す る 自 己評 価 に よ っ こ と が 示 さ れ た(モ 野 京 子,炭 12)RempelLA:Factorsinfluencingthebreastfeeding 日本 母 性 看 護 学 会 学 術 集 会 で 発 表 した 。 decisionsoflong-termbreastfeeders.JournalofHuman Lactation20(3):306-318,2004 13)RempelLA,RempelJK,FongGT:Partnerinnuenceon 文 献 1)CollaborativeGrouponHormonalFactorsinBreast healthbehaviordecision-making:increasingbreastfeeding Cancer:Breastcancerandbreastfeeding:collaborative duration.JournalofSocial&PersonalRelationships reanalysisofindividualdatafrom47epidemiological 21(1):92-111,2004 studiesin30countries,including50302womenwith 14)WambachKA,KoehnM:Experiencesofinfant- breastcancerand96973womenwithoutthedisease. feedingdecision-makingamongurbaneconomically LANCET360:187-195,2002 disadvantagedpregnantadolescents.JournalofAdvanced 2)MacDonaldA:Isbreastbest?Isearlysolidfeeding Nursing48(4):361-370,2004 harmful?JournaloftheRoyalSocietyforthePromotion 15)DysonL,GreenJM,RenfrewMJ,etal:Factors ofHealth123(3):169-174,2003 influencingtheinfantfeedingdecisionfor 一19一 嶋 雅 代,高 橋 眞 理 socioeconomicallydeprivedpregnantteenagers:the moraldimension.BIRTH37(2):141-149,2010 16)MeichenbaumD,FongGT:Howindividualscontrol theirownminds:aconstructivenarrativeperspective. 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