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米国における最近の HIVに関する課題:

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米国における最近の HIVに関する課題:
米国における最近の HIVに関する課題:
長期治療における非エイズ合併症
Ann M. Khalsa, MD, MSEd, AAHIVS
McDowell (HIV/AIDS) Healthcare Center
Maricopa Integrated Health Systems
Arizona AIDS Education and Training Center
1
HIV感染における腎疾患
S 有病率の増加:
S タンパク尿
S クレアチニンクリアランス低下
S 関連要因の頻度増加:
S ARV-関連腎毒性 (TDF, RTV, ATV, IDV)
S 高血圧
S 糖尿病
S B型およびC型肝炎
2
腎疾患
HIVコホートにおける
コホートにおけるCKD有病率の増加
有病率の増加
コホートにおける
Johns Hopkins HIV Clinical Cohort: (1990-2004)
0.25
黒人
白人
CKDの割合
の割合
(全コホート)
0.20
HR 1.9, 95% CI (1.2‐2.8)
P =.002, log rank test
0.15
0.10
0.05
0.00
0
12
リスク有の人数
白人
924
819
アフリカ系アメリカ人
3261
2949
24
36
48
696
565
464
2464
2031
1629
時間(月)
Lucas G et al. 15th CROI; 2008; Boston. Abstract 972.
3
腎疾患
寄与するリスクファクター
修正しうるリスクファクター
修正できないファクター
S 薬剤による腎毒性
S
S
S
S
S 抗ウイルス薬
S 鎮痛薬
S 薬剤アレルギー
S 抗生物質
S
S
S
S
S
糖尿病
高血圧
薬物乱用
腎結石
炎症
年齢
外傷または事故
腎疾患の家族歴
他の疾患の存在
S HIV/AIDS
S C型肝炎
S ループス
S 癌
S うっ血性心不全
S 糸球体腎炎
4
Tenofovir毒性
毒性
腎近位尿細管疾患
所見
典型的 スイスコホート
クライテリア クライテリア
評価
タンパク尿
X
X
尿タンパク:クレアチニン比
尿タンパクおよびクレアチニン
リン低下
X
X
FE*-PO4: 尿および血清リンお
よびクレアチニン
腎性尿糖
X
X
尿および血清グルコース
代謝性
アシドーシス
X
--
血清重炭酸塩
クレアチニン
クリアランス低下
X
--
MDRD あるいは CG GFR
尿酸低下
--
X
FE*-尿酸
尿酸:
尿酸 尿および血清尿酸お
よびクレアチニン
*FE:fractional excretion(分画排泄率)
5
骨粗鬆症
近位尿細管疾患(PRT)
近位尿細管疾患
スイスHIVコホート研究の横断解析 (N = 1202)
S PRT 定義: 下記が3項目以上該当する場合:
S
S
S
S
リン排泄率 (FE*) ↑
尿タンパク/クレアチニン比 ↑
尿酸排泄率 (FE *) ↑
正常血糖の糖尿
S 罹患率:
TDF+ PI+ TDF+ PI- TDF- PI12%**
5%
2%**
FE* PO4 >20%
18%
17%
11%
FE* PO4 >10% + 低血清PO4
低血清
20%
20%
9%
正常
50%
58%
78%
腎近位尿細管疾患
*FE:fractional excretion(分画排泄率)
Fux C, et al. CROI 2009. Abstract 743.
** OR: 7.1 (95% CI: 2.5-19.8; P < .001)
6
HIV感染における骨粗鬆症
S 有病率の増加:
S 骨粗鬆症
S 低外傷性骨折
S 要因の増加:
S ビタミンD欠乏
S リン低下
S 性腺機能低下症
S C型肝炎
S 糖尿病
7
骨粗鬆症
低骨密度の頻度上昇
HIV-と比較した
と比較したHIV+
患者での骨密度のメタ解析
と比較した
HIV+患者での全有病率
患者での全有病率:
患者での全有病率
骨粗鬆症:
骨粗鬆症
骨減少症:
骨減少症
15%
67%
8
Brown T, et al. AIDS. 2006;20:2165-2174.
骨粗鬆症
骨折の有病率増加
男性
骨折有病率/100患者
女性
年齢
年齢
9
Triant V et al. J Clin Endocrinol Metab. 2008;93:3499-3504.
骨粗鬆症
HIVにおける要因
における要因
修正不可能
修正可能
・女性
・骨獲得の低下
・白人
・家族歴
・加齢
・無月経/早期閉経
・喫煙
・身体活動低下
・アルコール
骨密度
HIV感染関連
感染関連
・サイトカイン(TNFα、
IL6)
・筋肉量低下
・脂肪量低下
・骨髄中脂肪蓄積
Glesby M. Clin Infect Dis. 2003;37:S91–S95.
骨粗鬆症の二次的原因
・慢性疾患
(甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能
亢進症、肝疾患、リウマチ症状、摂食
障害など)
・性腺機能低下症
・腎機能障害
・栄養失調/低BMI
・薬剤
(コルチコステロイド、抗けいれん薬、
抗凝固薬)
HAART関連
関連
・ヌクレオシド系アナログ/ミトコンドリア障害
・PI
・リポジストロフィー
10
骨粗鬆症
BMDの減少
の減少 PI vs NNRTI
BMDの変化%
の変化%
の変化%(g/cm2)
未治療患者を対象とした48
未治療患者を対象とした 週試験 (ANRS 121)
腰椎
大腿骨
11
Duvivier C, et al. AIDS. 2009;23:817-824.
骨粗鬆症
誰にスクリーニング検査を行うべきか
非HIV感染者
感染者
HIV感染者
感染者
低BMI
低CD4最低値
最低値
低 “骨ミネラル化最高値
骨ミネラル化最高値”
骨ミネラル化最高値
HCV慢性感染
慢性感染
(幼児期のCa++摂取低値)
摂取低値)
(幼児期の
性腺機能低下症 / 更年期
TDFまたは
または PI 曝露
副腎皮質ステロイド曝露
リン低下
(腎近位尿細管疾患)
多量のアルコール摂取 (1日
日3 ユニット以上)
ビタミン D欠乏
欠乏
喫煙 (用量依存性)
慢性腎臓疾患
骨粗鬆症の家族歴
他の二次的要因
副腎皮質ステロイド曝露
加齢 (女性:
才; リスクを有する
女性 ≥65 才, 男性:
男性 ≥70才
場合は50-70才)
才)
場合は
12
骨粗鬆症
診断
S WHO定義
定義 (DEXA):
S 骨粗鬆症:
T-Score ≤ -2.5SD
S 骨減少症:
T-Score -1.0 to -2.5SD
S 正常:
T-Score ≥ -1.0SD
T-score低下による骨折リスクの上昇
S 骨折リスク:
S 骨密度SD1.0 低下ごとに
骨折率は2倍上昇
S Z-Score:
S 50歳未満男性および
閉経前女性で使用
13
骨粗鬆症
評価
S DEXA 骨密度スキャン
S 血清ビタミンDレベル
S 欠乏:
25 OH ビタミンD <20 ng/ml
S 不足:
25 OH ビタミンD 20-30 ng/ml
S 血清、尿中のリンおよびクレアチニン
S 尿タンパク:クレアチニン比
S 血清甲状腺刺激ホルモン
S 起床時テストステロン値または更年期評価
14
骨粗鬆症
治療 - 1
ビタミンD欠乏
ビタミン 欠乏
ビタミンD
ビタミン 補充療法
エルゴカルシフェロール 50,000ユニット経口投与、週
ユニット経口投与、週1
ユニット経口投与、週
回または2回、
ユニット)
回または 回、 6-12 週間( 計 ≥ 600,000ユニット)
ビタミンD
ビタミン 維持療法
コレカルシフェロール ≥ 800-2000 IU* 毎日
エルゴカルシフェロール 50,000 IU*、
、2-4週おき
週おき
性腺機能低下症
テストステロン補充療法
リン低下
リン補充療法(K-PO4)
リン補充療法
TDF中止
中止
低BMD
ビスホスホネート (まず上記を改善させること)
タンパク尿CKD
タンパク尿
ACE 阻害薬
* エルゴカルシフェロール 50,000IUは日本では入手不可能。エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールともに400IU程度であれば、
サプリメントでも対応可能。
** リン(K-PO4)も内服薬は日本未発売。
15
骨粗鬆症
治療 - 2
ビスホスホネート
Alendronate Risedronate
Ibandronate
Zolendronate
投与頻度
毎日
毎週
毎日
毎月
3か月ごと
か月ごと(IV)
か月ごと
年1回
回 (IV)
副作用
S 消化器
消化器: 胃腸障害、疼痛、悪心
S 下顎骨壊死(破骨細胞の過剰抑制?)
毎日
毎週
組換え副甲状腺ホルモン
Teriparatide
S 骨芽細胞性骨形成を刺激
S 投与:毎日皮下注
S ビスホスホネート投与中に骨折した患者または骨減少が
持続する患者のために温存する
16
骨粗鬆症
HIV感染患者でのビタミン
感染患者でのビタミンDレベルと治療
感染患者でのビタミン レベルと治療
25(OH)D3レベル*
レベル
175
1,25(OH)2D3レベル*
レベル *
a
HIV患者でのレベルは正確
a
a
125
a
100
75
50
N=20
1,25(OH)2D3 (pmol/L)
25(OH)D3 (nmol/L)
150
300
250
b
200
150
100
50
25
a
a
P <.05 vs ベースライン
P <.05 vs ベースライン
P <.05 vs 24 週
b
0
0
0
12
週
24
48
0
12
週
24
48
* 25(OH)D3の測定は日本では保険適用なし。** HIV感染者では1,25(OH)2D3を測定は不適。
Van den Bout‐van den Beukel CJP et al. HIV Medicine. 2008;9:771‐779.
17
骨粗鬆症
ビスホスホネートによりHIV感染患者の
感染患者のBMDが改善
が改善
ビスホスホネートにより
感染患者の
● 腰椎BMDの変化%, N=31 HAARTを受けているHIV陽性患者
● 治療:アレンドロネート 70mg/週 + カルシウム+ ビタミンD
P=.007
6
5
4
P=.02
P<.05 vs Baseline
P<.05 vs Baseline
5.2
4.4
T reated
Untreated
3
2
1
0
1.2
1.3
24 Weeks
48 Weeks
Mondy K et al. J Acquir Immune Defic Syndr 2005;38:426–431.
18
HIV陽性患者のHCV感染
S HIV感染により
感染により HCV が悪化:
S
S
S
S
S
HCV血症↑
炎症グレード↑
線維形成および肝硬変の進展↑
肝細胞癌(1年間の罹患率 1-4%)↑
肝外病変の発現↑
S HCVにより
により HIV感染
感染が悪化:
感染が悪化:
S 抗HIV薬治療による肝毒性↑
S HIV感染症の進展↑
19
C型肝炎:
型肝炎:感染後の一連の事象
急性HCV感染
成人の55-85%
自発的ウイルスクリアランス
感染患者%
慢性感染
代償性肝硬変
非代償性肝硬変
移植または死亡
1年未満
時間
単独感染で20-25年
重複感染でおよそ5年以内
20
C型肝炎
注意に注意が必要な場合
S 肝毒性を有するものの継続(アルコールなど)
S 治療アドヒアランスの失敗
S 薬物乱用
S 心理社会的要因など
S コントロールできていないうつ または 他の精神疾患
S 合併症:
S 移植患者(腎臓、心臓、肺)
S 自己免疫の状態(RBV 憎悪)
S 血圧不安定, 心不全, 冠動脈疾患, 糖尿病, COPD, 甲状腺機能亢
進症
21
C型肝炎
治療開始前の管理
S HIV治療:
治療:
S HAART (HCV進行を遅らせるため)
S オプション:CD4が高値ならHAART開始をHCV治療後に延期
S 抗HIV薬による肝毒性のモニタリング
S NVPと最高用量リトナビルの使用は避ける
S ゴール: CD4 >350 (CD4<200の場合はHCV治療を延期)
S ゴール:HIV検出限界未満
S 肝疾患の予防:
S アルコール摂取の減量
S A型およびB型肝炎ワクチン接種
S 肝細胞癌スクリーニング:
S 肝臓超音波、血清AFP (alpha fetoprotein)
22
C型肝炎
治療開始前の評価 - 1
S HCV 定量的RNA
量 (VL)
定量的
S 陰性の場合:HCV治癒 Ÿ 治療の必要なし
S HCV ジェノタイプ (GT):
S 治療効果の予測
S 線維形成および炎症の評価
S 高度な場合は疾患の進展が予想され、治療の必要性が強く示唆
される
S 肝生検: “ゴールドスタンダード”
ただし、偽陰性があり侵襲的でもある
S ベッドサイドのエラストグラフィー
S 肝線維化スコア
軽度および重度しか区別できない
(Metavir, Ishak)
23
C型肝炎
治療開始前の評価 - 2
S 血清トランスアミナーゼ、自己免疫抗体、アルカリホスファターゼ:
S HCVの疾患重症度と治療効果予測は上記検査とは相関しない
→ 治療の必要性の判断基準にしてはならない
S “代償的”肝疾患の良好な治療忍容性
S 以下の場合はHCV
治療適応:
以下の場合は
S
S
S
S
好中球>1.5, クレアチニン<1.5 (腎毒性のある薬剤に注意)
ヘモグロビン >12-13 (AZTを避ける)
体重減少とインスリン抵抗性を低減する
うつと甲状腺機能亢進症の安定化
24
C型肝炎–
C型肝炎 治療
治療成功に関連する因子
S
S
S
S
S
S
HCVジェノタイプ(GT) 2 または 3
HCV RNA量低値(特にGT 1)
線維形成なし、または門脈線維症のみ
若年 (<40)
BMI低値、 <75kg
インスリン抵抗性なし
S
S
S
S
CD4高値 (>350, CD4<200ならHCV治療を延期)
HIV量低値 (<10,000)
現在薬物乱用なし(特にアルコール)
現在精神疾患の併存なし
HCV
単独感染
HIV/HCV
重複感染
25
C型肝炎
標準的治療レジメン
S リバビリン (経口投与、毎日)
S GT 1,4,5 または 6: 体重による用量設定:
<75kg: 1日 1000mg
>75kg: 1日 1200mg
S GT 2または3:
1日 800mg
S ペグ化インターフェロン( 週ごとに皮下注射)
S α2b (Peg-Intron): 1.5 mcg/kg 週一回
S α2a (Pegasys):
180 mcg 週一回
26
C型肝炎
HCV GTに基づく
に基づくRibavirin用量および投与期間
用量および投与期間
に基づく
持続的ウイルス抑制(SVR)(%)
HCV治療反応率
治療反応率(黒字:単独感染、青字:
重複感染)
(黒字:単独感染、青字:HIV重複感染)
青字:
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
78
62%
78
53
51
41
77
73
29%
61
46
35
26
16
GT 1 ‐ hi
VL
GT 1 ‐ lo
VL
GT 2/3
800 mg x 24 1.0‐1.5g x 24 800 mg x 48 1.0‐1.2g x 48
wks
wks
wks
wks
GT 2/3:
標準用量
GT 1:
体重による設定用量
27
C型肝炎
治療反応性に応じた治療期間
Rapid VR:
4週目で検出限界以下
週目で検出限界以下
非常に予後良好なので、治療に耐
えてもらう
(治療終了のオプション:GT 2/3で24
週)
Early VR:
12週目で検出限界以下
週目で検出限界以下
予後良好なので、治療に耐えても
らう
Slow VR:
24週目で検出限界以下
週目で検出限界以下
GT 1に対して
に対して72週までの治療延
に対して 週までの治療延
長を検討
Inadequate VR:
94-100% の治療失敗予測 Ÿ
12週までで
週までで <2 log の減少 または
治療中止
24週目でウイルス検出
週目でウイルス検出
VR:viral response
28
C型肝炎
治療失敗の理由
ウイルス
患者
治療
S
ジェノタイプ 1
S
肝硬変
S
低用量
S
高ウイルス量
S
アフリカ系アメリカ人
S
アドヒアランス不良
S
HIV重複感染
S
肥満
S
S
インスリン抵抗性
S
阻害薬剤
S (アルコール)
不十分な治療期間
解決可能なファクター
29
C型肝炎
治療による副作用のマネジメント
リバビリン 副作用
マネジメント
溶血性貧血
エリスロポエチン、鉄および葉酸
エリスロポエチン
痛風
定期的な治療
不眠、咳嗽、呼吸困難
皮疹、掻痒、嘔気
症状の治療
催奇形性
避妊
リバビリン 用量依存的に SVR(持続的ウイルス抑制)
(持続的ウイルス抑制)↑
(持続的ウイルス抑制)↑、再発
↓
至適用量以下にしないこと– 副作用を治療する
30
C型肝炎
治療による副作用のマネジメント
IFN 副作用
マネジメント
うつ、易刺激性、不眠、不安
精神疾患薬物治療
好中球減少症
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
)
顆粒球コロニー刺激因子(
(CD4値 /CD4%低下なし)
血小板減少症
出血に対する注意
甲状腺機能亢進症
標準治療
“感冒”: 発熱、悪寒、疲労、全身疼 対症療法
痛、 頭痛、悪心・嘔吐
食欲不振、体重減少、脱毛症
対症療法
網膜症、自己免疫疾患の悪化
適応されているモニタリングと治療
至適用量以下にしないこと– 副作用を治療する
31
C型肝炎
治療のモニタリング
体重、糖尿病、うつ
ベースラインおよび来院時毎
HCV RNA
ベースラインおよび
4, 12, 24, 48, 72週目
甲状腺刺激ホルモン
ベースラインおよび
12, 24, 36, 48, 72週目
鑑別診断を同時に行うCBC,
鑑別診断を同時に行う
尿酸、血清トランスアミナーゼ *
ベースラインおよび
2,4,8,12,週目その後6 週ごと
* ALT: 正常化は抗ウイルス薬の治療効果の指標となる
32
HIV感染患者の肛門癌
S HIV感染患者では
感染患者ではHPV
がより悪化:
感染患者では
S HPV感染罹患率、持続率、有病率が上昇
S HPV関連肛門性器異形成有病率、持続率が上昇、疾患が進展
S 感染から異形成までの期間が短縮(しかし長い):10 年 vs 20年以上
S 現在sexがなくても、実施する意義あり
S 要因:
S 癌遺伝子の活性化、癌抑制遺伝子の阻害、血管新生因子の増加
S 喫煙率上昇
S 肛門異形成と関連:
S 高リスクHPV感染
S HIV 感染
S 無防備な肛門性行為の増加
33
肛門癌
疫学 - 1
女性
MSM
S HIV-
42%
60%
S HIV+
76%
93%
6.8x↑
↑
40-80x↑
↑
S HPV有病率:
有病率:
S 異形成相対リスク
S HIV+ (vs HIV-)
HPVは周辺部位にも感染が拡大し得るので、
肛門性交経験のない女性でも肛門癌は発現し得る
MSM: Critchlow, et al. AIDS, 1998; 12:1177-84.
34
肛門癌
疫学 - 2
S 多施設エイズコホート研究
1984-2006年
S 肛門癌:
症例数
S 罹患率:
HIV+ vs HIV-
S 罹患率*:
HAART vs PreHAART
28 / 6972
69 vs 14
(100,000 患者・年あたり)
137 vs 30
(100,000 患者・年あたり)
S 多変量解析 関連リスク:HIV感染
RR = 4.7
(95% CI 1.3-17)
HAARTにより減少しない
HPVは持続感染するので、長期生存可能となった現在、その
影響は長期に続くことに注意が必要
35
肛門癌
解剖図の比較
頚部
C
A
N
A
L
肛門
C
A
N
A
L
SCJ: Squamo-Columnar Junction(扁平上皮と円柱上皮の連接部):
細胞ターンオーバーが活発:変異が起こりやすい
36
肛門癌
Pap細胞診異形成
細胞診異形成 ステージ
子宮頚部 Papスメアステージ
スメアステージ
肛門Pap:
重症 (3)
肛門
正常
(1)
軽度
(2)
中程度
(3)
重症
37
肛門癌
スクリーニングおよび診断(男女共通)
Pap スメアスクリーニングおよび直腸診
正常
小節
Pap と直腸診を繰り返す
12 か月 (HIV+)
2-3 年 (HIV-)
LSIL*
異型
HSIL**
生検を伴う高解像度肛門鏡検査(HRA)
)
生検を伴う高解像度肛門鏡検査(
病変なし
•LSIL:低悪性度扁平上皮内病変
** HSIL:抗悪性度扁平上皮内病変
*** AIN:肛門上皮内癌
AIN *** 2-3
治療
AIN*** 1
4-6 カ月おきにHRA
カ月おきに
を行なう
Adapted from: Chin-Hong PV, Palefsky JM. CID 2002:; 35: 1127-34; Barry M – personal communication Feb.2010.
38
肛門癌
スクリーニングを行なうべき集団
S 免疫不全患者:
S HIV陽性患者すべて (女性または男性、MSMまたはMSM
以外)
S 臓器移植、自己免疫
S ハイリスク歴(HIVまたは HIV+):
):
ハイリスク歴(
S 何らかの性器HPV疾患(いぼ、子宮頸部異形成など)
S 喫煙者 (HPV疾患進展↑)
S 肛門性交(挿入される側)
39
肛門癌
Pap スメア手技
• 肛門管直腸接合部と管壁のブラインドスワブ
S 保水性ポリエステルスワブ
S 肛門管に8センチ挿入
• 液体ベースのThinPrep®
specimen collection による商業ラボでの評価:
液体ベースの
S 肛門(直腸)細胞診
S HPV検査ではない(偽陰性多い、マネジメント変更の判断材料とはならない)
40
肛門癌
指診
外観目視検査
徹底的な指診:
360°° “放射線状
放射線状”に
放射線状 に
41
肛門癌
高解像度肛門鏡検査
通常のコルポスコピー
3-5%酢酸とルゴール液を用いた
酢酸とルゴール液を用いた
拡大目視検査
肛門鏡検査:
すべての部位を可視化するために回転させる
42
肛門癌
San Francisco Referral Center 4年間のデータ
年間のデータ
Papスメア
スメア
高解像度肛門鏡(HRA)生検
)生検
高解像度肛門鏡(
N = 417 total HIV+ MSM
N = 163 of 417
正常
46%
(189)
正常
19%
(31)
ASCUS
29%
(121)
異型
2%
(3)
LSIL
20%
(85)
AIN* 1
48%
(79)
HSIL
4%
(18)
AIN* 2
17%
(28)
AIN* 3
2%
(3)
- CA in Situ
- 癌腫
8%
4%
(13)
(6)
扁平上皮細胞癌
0.9%
(4)
Pap 感度 = 95%
* AIN:肛門上皮内癌
Lee A, et al. Int Conf AIDS 15, Bangkok, 2004; ThOrB1407
43
HPV / AIN* 治療
診断
治療タイプ
治療様式
フォローアップ
コンジローマ
局所アブレーショ
ン
- 凍結療法
- ポドフィリン
- イミキモド
- 80% トリクロロ酢酸
- レーザー焼灼
-赤外線凝固法
反復的治療:
2-4 週おき
AIN I
観察
- 緊密なモニタリング
スクリーニング年2回:
Pap、指診、HRA
AIN II-III
アブレーション
- 高周波電気療法
- レーザー焼灼
- 赤外線凝固法
反復 HRA*:
2-4カ月後
反復的治療:
4-6カ月後
微小浸潤癌
切除
- オペ室でHRA**を用いて モニタリング年2回:
HRA** & CT スキャン
可視化
浸潤癌
放射線および化
学療法
-腫瘍専門医へ紹介
* ANI:肛門上皮内癌
モニタリング年2回:
HRA** & CT スキャン
** HRA:高解像度肛門鏡
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