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Sjogren 症候群に伴う環状紅斑と抗 SS-ARo 及び 抗 SS
ただいま、ページを読み込み中です。5秒以上、このメッセージが表示されている場 合、Adobe® Reader®(もしくはAcrobat®)のAcrobat® JavaScriptを有効にしてください。 日皮会誌:111(14) ,2087―2092,2001(平13) Adobe® Reader®のメニュー:「編集」→「環境設定」→「JavaScript」で設定できます。 「Acrobat JavaScriptを使用」にチェックを入れてください。 なお、Adobe® Reader®以外でのPDFビューアで閲覧されている場合もこのメッセージが表示さ れます。Adobe® Reader®で閲覧するようにしてください。 抗 SS-B La 抗体との関連性の経時的観察 Sjogren 症候群に伴う環状紅斑と抗 SS-A Ro 及び 山 要 本 純 照 宮 川 幸 子 群の皮膚症状として環状紅斑が注目を集めている2). 旨 1981 年から 2000 年の間に奈良県立医科大学におい また最近,診断のマーカーとして抗 SS-A Ro 抗体,抗 て Sjogren 症候群と診断された患者の中で,典型的な SS-B La 抗体の重要性が明らかにされてきた.しかし 環状紅斑を有し,定期的に血清を採取,保存し得た 2 ながら,Sjogren 症候群に伴う環状紅斑は比較的新し 症例(Case 1:副腎皮質ホルモン剤全身投与例,Case い疾患概念であるため,その臨床経過を抗 SS-A Ro 2:同非投与例) を選出し,抗 SS-A Ro 抗体及び抗 SS- A Ro 抗体及び抗 SS-B La 抗体の抗体価の経時的な推 抗体及び抗 SS-B La 抗体に対する免疫応答と関連づ B La 抗体の抗体価の測定を行った.そして,抗 SS- けて長期間観察した報告は現在のところ認めない.今 移,抗体プロフィールの変化を観察するとともに,抗 及び抗体プロフィールの経時的変化,抗体価と環状紅 体価と環状紅斑消褪との関連や,抗体価と副腎皮質ホ 斑消褪との関連性,副腎皮質ホルモン剤全身投与によ ルモン剤投与の有無との関連を検討した.測定はブタ る抗体価への影響などの長期的な相互関係を検討した 脾臓臓器抽出液を抗原とした double immunodiffusion ので,ここに報告する. 回我々は抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価 対 (DID) ,及び 52 kd SS-A Ro,60 kd SS-A Ro,及び 48 象 kd SS-B La リ コ ン ビ ナ ン ト 抗 原 を 用 い た enzyme- 対象は,1980 年から 2000 年の 21 年間に,当大学に linked immunosorbent assay(ELISA)により行った. おいて Sjogren 症候群と診断された患者のうち,典型 Case 1,2 とも,長い経過中に DID,ELISA において, 的な環状紅斑を有し,さらに長期間に渡って定期的に 徐々に抗 SS-A Ro 抗体及び抗 SS-B La 抗体の抗体価 血清を採取,保存し,SS-A Ro 及び SS-B La の抗体価 の低下を認めた.さらに Case 1,2 とも,環状紅斑消褪 を測定し得た 2 症例(Case 13):副腎皮質ホルモン剤全 の前後で抗 SS-A Ro 抗体及び抗 SS-B La 抗体の抗体 身投与例,Case 24):副腎皮質ホルモン剤非投与例)を 価の低下を認めた.また副腎皮質ホルモン剤投与の有 選出した. 方 無にかかわらず,抗 SS-A Ro 抗体及び抗 SS-B La 抗 体の抗体価の低下を認めた.経過中,抗体プロフィー ルの変化は認めなかった. 法 定期的に採取され,−70℃ にて冷凍保存された各症 例の血清の抗体価を臓器抽出液を抗原として用いた二 重免疫拡散法(double immunodiffusion:以下 DID と 緒 言 略す) ,及び 52 kd SS-A Ro,60 kd SS-A Ro,48 kd SS- Sjogren 症候群は,元来臨床的に眼や口腔に乾燥症 B La リコンビナント抗原を用いた enzyme-linked im- 状が存在すること,あるいは他に膠原病などの合併疾 munosorbent assay(以下 ELISA と略す)により測定 患が存在するために Sjogren 症候群も疑われて検索さ した. れることなどにより,診断に至る場合がほとんどで <DID> あった.しかし最近では,Sjogren 症候群に特徴的な皮 DID は MBL 社製 ENA スクリーニングテスト抗原 膚症状が注目されており1),眼や口腔に乾燥症状を認 (ブタ脾臓臓器抽出液)及び ENA プレートを用いて めなくても,皮膚症状のみから Sjogren 症候群と診断 行った.ただし,感度を上げるために,中央の well される症例が増加している.そして近年,Sjogren 症候 に入れるテスト抗原量を規定の倍量(40 µl)にした. 奈良県立医科大学皮膚科学教室(主任 宮川幸子教授) 平成 13 年 6 月 4 日受付,平成 13 年 8 月 27 日掲載決定 別刷請求先:(〒634―8522)奈良県橿原市四条町 840 番地 奈良県立医科大学皮膚科学教室 山本 純照 抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の同定は慶応大学 医学部内科学教室リウマチ研究班により同定された標 準血清と一致する沈降線を示すことによった. 2088 山本 純照ほか <ELISA> ELISA は標準的な方法で行った.使用した組み替え 抗原は生物医学研究所(MBL)によって,既述論文5)∼7) に従い,cDNA から作成,精製され,ELISA 用のキッ トとして発売されているもので,大腸菌に発現させた full-length の 組 み 替 え 型 ヒ ト 52 kd SS-A Ro,60 kd SS-A Ro,48 kd SS-B La である.組み替えタンパクは 96 穴の microtiter plate に 5 µg ml の濃度でコートさ れており,これに血清を 200 倍希釈にて反応させ,peroxidase でラベルしたマウスモノクローナル抗ヒト IgG 血清を用いて反応させ,テトラメチルベンジジン を加え,発色を 450 nm でマイクロプレートリーダー を用いて読み取った.Index 値は標準の陽性 control と陰性 control の 450 nm での吸光度をもとに次式よ り算出した. Index= { (As−An) (Ap−An) } ×100 As:absorption at 450 nm of the specimen Ap:absorption at 450 nm of a positive control An:absorption at 450 nm of a negative control 尚,standerd value は免疫拡散法陰性の control 73 Ro:<3.2,48 kd SS-BLa:<25.0 であった. 血清より算出し,52 kd SS-A Ro:<20.0, 60 kd SS-A Fig. 1 Case 1 の臨床像 Case report Case 1(KF) 症例:女性. Case 2(KI) 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 症例:女性. 現病歴: 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. ・17 歳(1966)より毎年春から夏にかけて,顔面を 現病歴: 中心に躯幹,四肢にも貨幣大程度の表面に鱗屑を伴わ ・10 歳時(1986)より四肢関節痛,不明熱を認め, ない環状紅斑(Fig. 1)が出現.吉草酸ベタメタゾンク 眼や口腔の乾燥症状も生じていた.耳下腺造影にて リームの外用は効果無く,個疹は 2 カ月間ほど存在し apple tree sign の所見を認め Sjogren 症候群と診断さ た後消褪した. れた.同時期より Sjogren 症候群に伴う環状紅斑 (Fig. ・20 歳時(1969)に malar rash,photosensitivity, leukopenia,positive LE cell などにて全身性エリテマ トーデスと診断された.以後 leukopenia のためプレド ニゾロン内服維持療法施行(5∼15 mg day) . 2)が出現.環状紅斑は顔面を中心に出現し,貨幣大程 度の大きさで表面に鱗屑を伴わない. ・22 歳(1997)まで毎年 1 年に 2 回ほど環状紅斑と 発熱の出現を認めたが,年齢を考慮しステロイドの内 ・25 歳時 (1974) に Sjogren 症候群と診断を受けた. 服は行わず,ジクロフェナクナトリウムの内服にて経 ・以後毎年春から夏にかけて同様の紅斑を認める. 過を観察された. ・当科初診は 32 歳(1981)で,当科でも耳下腺造影 を施行し,apple tree sign の所見を得て Sjogren 症候 群を確認. ・50 歳(1999)以降,環状紅斑の出現を認めない. ・最終診断:SLE+Sjogren 症候群. 経過観察期間:20年間<32歳 (1981) ∼51歳 (2000) > ・23 歳(1998)以降環状紅斑の出現を認めない. 経過観察期間:15 年間<10 歳 (1986) ∼24 歳 (2000) > 結 果 1.抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価及 び抗体プロフィールの経時的変化(Table 1) Case 1, Case 2 の 両 患 者 に お い て 長 い 経 過 中 に Sjogren 症候群に伴う環状紅斑と自己抗体 2089 DID,ELISA とも抗体価の低下を認めた.また,経過 中に抗体プロフィールの変化は認めなかった. 2.抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価の 推移と環状紅斑消褪との関連性 Case 1 では,1999 年 1 月以降紅斑の出現は認めてお らず,抗体価の推移においては,紅斑の消褪前後で比 16)→1:20(19990704) (以 下 同 順) ,anti-SS-B La 較すると,DID では,anti-SS-A Ro が 1:40(1988 12 が 1:1→ (−)であり,ELISA では,anti-48 kd SS-B La が 72.3→70.9(52 kd SS-ARo は 0.0 で不変)と,抗 体価の低下を認めた.Case 2 では 1998 年 7 月以降紅 斑の出現は認めておらず,抗体価の推移においては, 順)であり,ELISA では,anti-60 kd SS-A Ro が 131.5 →93.5, anti-48 kd SS-B La が 92.2→90.9 と,抗 体 価 の 紅斑の消褪前後で比較すると,DID では,anti-SS-A Ro が 1:640(1997 05 21) →1:160(1998 10 21) (以下同 低下を認めた. 3.抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価の 推移及び環状紅斑の消褪と,副腎皮質ホルモン全身投 与の有無との関連性 Fig. 2 Case 2 の臨床像 Case 1 は副腎皮質ホルモン全身投与例,Case 2 は同 非投与例であるが,Case 1, Case 2 の両患者とも長い経 過中,副腎皮質ホルモン全身投与の有無にかかわらず, 腫性紅斑や 1981 年の臼田ら11)の環状紅斑の報告以来, 抗体価の低下及び環状紅斑の消褪を認めた. 本邦で報告が相次いでなされ,現在のところ,多くが 考 察 日本人やビルマ人などの東洋系人種において報 環状あるいは馬蹄形などの不完全な環状で,時に遠 告12)∼14)されている.臨床症状としては,顔面に好発す 心性の拡大を示し,移動性のこともある発疹を環状紅 る浸潤の強い辺縁隆起性の紅斑で,鱗屑はほとんど有 斑という.原因としてはウイルス,スピロヘータ,真 さず,環状あるいは半環状に拡大する.躯幹や四肢に 菌などの感染症,薬剤,悪性腫瘍などの内臓疾患に伴 もしばしば認められ,個々の紅斑は 1∼2 カ月前後で色 うものが挙げられるが,近年自己免疫疾患に伴う環状 素沈着をほとんど残さずに自然消褪するが,再発を繰 2) 紅斑が注目を集めている .例えば,エリテマトーデス り返す.全身症状は乏しく,認めても発熱,関節痛な の経過において多形滲出性紅斑様の紅斑が生じること ど軽度のものが多い.近年では眼,口腔の乾燥症状を は以前より知られていたが,1973 年 Rekant & Becker 主訴としない場合でも,皮膚症状からいわゆる sub- 8) に よ る autoimmune annular eryythema の 報 告 や, clinical Sjogren 症候群の診断にいたる症例が増加しつ 1979 年 Sontheimer ら の subacute cutaneous lupus つある.そして,Sjogren 症候群の紅斑は subclinical erythematosus(SCLE)の概念の提唱9)により,エリテ Sjogren 症候群と合併することが多いとされる15).ま マトーデスにおける環状紅斑の出現が認知されるに た紅斑を伴う Sjogren 症候群は抗 SS-A Ro 抗体,抗 至った. SS-B La 抗体が高率に陽性であることが指摘されてい しかしその一方で,表面に鱗屑を伴わない環状紅斑 る15). を主な皮膚症状とし,他の臨床症状や検査所見が Sjo 今回我々は,Sjogren 症候群患者において経時的に gren 症候群に一致する症例の存在も明らかになって 抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価を測定し, きた.このような一連の流れにより, “Sjogren 症候群 環状紅斑消褪との関連性を検討した.結果 (Table 1) に に伴う環状紅斑”という概念が定着してきた.Sjogren 示した通り,環状紅斑消褪の前後で,各抗体価の低下 症候群にみられる紅斑は,1976 年の加茂・長島10)の浮 が認められた.しかし,環状紅斑が定期的に出現して 2090 山本 純照ほか 表1 抗体価の推移 DID Anti-SS-A Anti-SS-B Anti-SS-A 52-kd ELISA Index Anti-SS-A 60-kd Anti-SS-B 48-kd 1:80 0.0 12.6 110.9 1:160 1:320 0.0 9.4 107.7 1986/03/17 1:320 1:80 0.0 4.7 104.2 1996/04/03 1996/07/24 1:40 1:20 1:20 1:1 0.0 0.0 2.8 1.1 84.1 80.0 1997/07/02 1:20 1:1 0.0 0.6 78.5 1998/04/15 1:20 1:1 0.0 0.6 76.4 1998/12/16 1:40 1:1 0.0 0.2 72.3 1999/07/14* 1:20 (−) 0.0 0.0 70.9 1992/07/15 1:5,120 1:40 174.4 OVF 118.9 1995/07/26 1997/05/21 1:320 1:640 1:20 1:80 167.2 152.1 164.8 131.5 103.0 92.2 1998/10/21* 1999/04/21* 1:160 1:160 1:40 1:40 168.9 141.2 93.5 81.9 90.9 85.4 Patient No. Date 1(KF) 1981/06/18 1:160 1984/04/14 2(KI) *は環状紅斑消褪後のデータ いた時期の経過中でも抗体価が漸次低下していたり, 全身性エリテマトーデス,Sjogren 症候群をはじめ多 環状紅斑消褪の前後でも Case 2 では,DID において くの膠原病に普遍的にみられることから,どちらかと anti-SS-B が不変であったり,また ELISA では,anti- 言えばこのグループを特徴づける抗体は抗 SS-B La 52 kd SS-A Ro の抗体価が逆に上昇したりと,抗体の 抗体と考えられている16).しかしながら,抗 SS-A Ro る.この DID と ELISA での抗 SS-A Ro 抗体 及 び 抗 抗体のみが陽性の紅斑が存在したり,逆に抗 SS-A Ro 抗体及び抗 SS-B La 抗体の抗体価がともに高値でも SS-B La 抗体の抗体価のばらつきの理由の一つとして 環状紅斑が出現しない症例も多くみうけられる.よっ は,両抗体価において DID と ELISA の値は,抗体価が て,環状紅斑の出現は抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 高い場合は相関しやすいが, DID は native な抗原を, 抗体の関与のみで一義的に決定されるのではなく,他 ELISA では recombinant 抗原を用いて抗体価の測定 の炎症性ケミカルメディエーターの影響も少なからず を行っているため,その感度の差異により抗体価が低 受けているものと考えられる.そのため,環状紅斑の くなるにつれて相関関係上不一致が生じたものと考え 発症メカニズムに関しては,さらに今後の検討を要す られる.以上のことより,今回の測定では抗体価の推 る.また,環状紅斑の発症機序の解析から Sjogren 症候 移に環状紅斑の消褪が完全に相関していたとは言い切 群の病態の解明の手がかりが得られる可能性もあり, れず,また実際,症例数が 2 例と少数であり,データ このような観点からも Sjogren 症候群は皮膚科領域で に偏りが存在することは否めず,以後症例数を増やし も注目されるべき疾患といえよう. 種類によりややばらつきが認められたことも事実であ てその相関性について再度検討してみたいと考える. 今後,抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価と Sjogren 症候群でなぜこのような特異な臨床像を呈 環状紅斑との関連性が症例数を増やして追求されると する環状紅斑が出現するかに関しては現在のところ解 ともに,また今回副腎皮質ホルモン剤全身投与例と同 明されていないが,病態的な背景として,Sjogren 症候 非投与例の間に目立った違いは見いだし得なかった 群ではポリクローナルな B リンパ球の活性化状態が が,以後症例が蓄積され,副腎皮質ホルモン剤全身投 あり,様々な抗体産生能が亢進していることから,あ 与の有無と抗体価の経時的変化や抗体プロフィールの る種の自己抗体が関与しているものと推察される.環 変化との相関関係が明らかにされれば,Sjogren 症候 状紅斑の出現に関与するとされる抗体としては,当然 群患者の病状進展を含めた予後因子としての抗 SS-A 抗 SS-A Ro 抗体と抗 SS-B La 抗体が考えられる.現 Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の重要性が増すであろう.特 在のところ両抗体ともそれ自体が紅斑の出現に直接関 に,女児や若年女性の Sjogren 症候群では,新生児エリ 与するという証拠はないが,一般に抗 SS-A Ro 抗体は テマトーデス(先天性心ブロック)児出産の危険性が Sjogren 症候群に伴う環状紅斑と自己抗体 2091 あり4),副腎皮質ホルモン剤を継続投与することによ 抗体の抗体価をフォローアップしたが,同一症例の血 り,抗 SS-A Ro 抗体,抗 SS-B La 抗体の抗体価の低下 清を長期間に渡って採取,保存し続け,データを集積 または陰性化がみられることが明らかとなれば,先天 することは予想以上に困難なことであり,今回の経時 性心ブロック発症の予防対策の一つとしても理論的な 的な抗体価の測定は,そのような意味においても非常 根拠となり,臨床応用も広く可能になると考えられる. に 有 意 義 で あ っ た と 思 わ れ る.今 後 も Case 1 及 び 最後に,今回我々は,Case 1 では 19 年間,Case 2 Case 2 のさらに長期的な観察と,症例数の増加に努め では 8 年間に渡って,抗 SS-A Ro 抗体及び抗 SS-B La 文 1)片山一朗:シェーグレン症候群の皮膚症状,皮膚 臨床,39:285―291, 1997. 2)宮川幸子:膠原病の環状紅斑,皮膚臨床,34: 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August 27, 2001) Two patients who had typical Sjo gren-associated annular erythema and whose sera could be collected and conserved periodically were selected from among the patients diagnosed as Sjogren’s syndrome at Nara Medical University over a period of 20(1981―2000)years. One patient(Case 1)had been maintained with oral corticosteroid, and the other(Case 2)did not take it. The serum samples of the two patients were analyzed for anti-SS-A Ro and anti-SS-B La antibodies by double immunodiffusion(DID),using swine spleen extracts as the antigen source. Molecular analysis of anti-SS-A Ro antibody responses to proteins in their sera was carried out by enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA) , using recombinant 52 kd and 60 kd fusion proteins; analysis of anti-SS-B La antibody was done using a recombinant 48 kd fusion protein. We longitudinally, analyzed autoantibody responses to SS-A Ro and SS-B La, autoantibody profiles, and the relationship between the autoantibody responses and disappearance of Sjogren-associated annular erythema. The titer of DID and ELISA for anti-SS-A Ro and anti-SS-B La antibodies gradually decreased not only through the disease course but also before and after the disappearance of Sjo gren-associated annular erythema in both patients . No changes in autoantibody profiles were observed throughout the disease course in either patient. The decrease in the titers of anti-SS-A Ro and anti-SS-B La antibodies did not depend on whether the patient took oral corticosteroid or not. (Jpn Dermatol 111:2087∼2092, 2001) Key words:Sjogren’ s syndrome, Annular erythema, SS-A Ro, SS-B La, Longitudinal analysis