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精巣におけるアクアポリンの分布と機能

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精巣におけるアクアポリンの分布と機能
80
福井達也、村上加奈、吉永一也
形態・機能 第 11 巻第 2 号
<総説>
精巣におけるアクアポリンの分布と機能
福井達也、村上加奈、吉永一也
熊本大学大学院保健学教育部 検査技術科学分野 病態情報解析学領域
(投稿:2012 年 12 月 22 日、採択:2013 年 1 月 21 日)
要 旨
精巣に含まれる水(液体)は精細管上皮を構成するセルトリ細胞によって産生される。このような管腔液は精巣内精
子を精巣上体へ輸送する媒体として機能し、また精細管の液性環境を形成・保持するために重要な役割を果たしている。
アクアポリン(aquaporins=AQP)は主に細胞膜に内在するタンパク質で、水やグリセロール、尿素、イオンなどを透過
するチャネルとして生体内で機能し、腎臓、脳、眼、呼吸器などさまざまな器官に分布している。精巣では AQP13 種
のうち、AQP0、AQP7、AQP8、AQP9、AQP11 がセルトリ細胞や精子形成細胞に発現しており、これらは精子形成や
精子放出など精巣の生理機能に関与している可能性が考えられる。本稿では、精巣で発現する AQP の分布と機能との関
連について概説する。
キーワード
アクアポリン、水チャネル、精巣、精子形成、男性不妊症
1.はじめに
水は人体を構成している細胞や組織の中で最多の成分
であり、その調節はさまざまな生命活動に不可欠である。
水輸送の調節には細胞膜や膜内在性タンパク質が関与す
ることが知られている。このうち、1992 年に発見され
1)
たアクアポリン(aquaporins=AQP)
は細菌から哺乳類
まで普遍的に存在し、水を選択的かつ効率よく通過させ
るチャネル分子として大きな関心が寄せられ、さまざま
な分野で活発な研究が行われている。因みに、AQP の発
見者 Peter Agre 博士は 2003 年ノーベル化学賞を受賞し
た。ヒトの AQP は、腎臓や脳をはじめ眼・気道・腸管・
肝臓など生体内の多くの器官や組織に分布して水やグリ
セロール、その他小分子を透過するチャネル(通路)と
して機能している。また AQP 遺伝子異常やノックアウト
マウスの解析から、AQP はさまざまな疾病と関連してい
ることが明らかにされ、臨床面でも注目されている2 〜 4)。
ところで、精巣で産生された水(液体)は、精子を精
路5)
(直精細管〜精巣網〜精巣輸出管〜精巣上体管)(図
1)へ輸送する媒体だけではなく、ホルモンはじめ液性
因子の溶媒としての役割を担うなど精路内環境の重要な
構成要素となる。筆者らは最近、精巣上体における AQP
著者連絡先:吉永一也
熊本大学大学院生命科学研究部 構造機能解析学分野
〒 862-0976
熊本市中央区九品寺 4-24-1
Tel & Fax:096-373-5473
E-mail:[email protected]
の分布と機能について解説した6)。本稿では、AQP の精
巣における分布と機能との関連について、筆者らが得た
最近の知見を中心に概説する。
2.精子形成の場-精細管の構造
精巣は精子を継続的に産生する器官で、細長い精細管
の集合体とその隙間を埋める間質からできている(図
1,2A)。 間 質 に は 男 性 ホ ル モ ン( ア ン ド ロ ゲ ン ) を
合 成・ 分 泌 す る ラ イ デ ィ ッ ヒ 細 胞 Leydig cell が 存 在
する。精細管の壁(精上皮)は、精子形成細胞とその
支持・栄養に与かる体細胞のセルトリ細胞 Sertoli cell
で構成されている。精子形成細胞は分化段階で異なる
形態を示し、最も幼若で幹細胞と前駆細胞の役割をも
つ精祖細胞 spermatogonia、減数分裂を行う精母細胞
spermatocytes、ユニークかつダイナミックな形態変化
を遂げる一倍体の円形及び伸長精子細胞 spermatids、そ
して最終分化を遂げた精子 spermatozoa に区別される。
これらの生殖細胞は分化の進行に伴い、セルトリ細胞の
側面に沿って精細管の中央部(内腔)の方向へ移動する
(図 2B)。このような一連の精子形成 spermatogenesis
のプロセスが周期的かつ効率よく進行するためには、ホ
ルモンなどの液性因子のつくる精巣(精細管)内環境が
不可欠で、セルトリ細胞が協調して生殖細胞の分化を調
節すると考えられている7)8)。こうして完成した精子は
セルトリ細胞から離れ(精子放出 spermiation)、セルト
リ細胞が分泌した液体とともに精巣輸出管を経由して精
福井・村上・吉永
図2 精巣の顕微鏡像
上・吉永
2013 年3月
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精子形成とアクアポリン
細管 直精細管 精巣網 精巣輸出管 精巣上体(管)の関係を示した模式図
細管-直精細管-精巣網-精巣輸出管-精巣上体(管)の関係を示した模式図
A
白膜
直精細管
B
ES
精巣上体
ES
精巣輸出管
精巣網
RS
RS
L
L
精細管
福井・村上・吉永
図3 アクアポリン(AQP)の構造
図1 精細管-精巣網-精巣輸出管
-精巣上体(管)の関係を示した模
式図(文献5)を改変)
S
図2 精巣の顕微鏡像
A:ヒト精巣(精細管)の横断面を示す。精細管内にはさまざまな分化
段階の精子形成細胞がみられ、間質にはライディッヒ細胞(L)が存在する。
10%ホルマリン固定したパラフィン包埋切片のヘマトキシリン - エオジン
染色標本。★印は精細管の管腔を示す。B:マウス精細管上皮においてさ
まざまな形態を示す精子形成細胞。精細管の外壁から内腔に向かって、精
祖細胞(SG)、パキテン期精母細胞(P)、円形精子細胞(RS)、伸張精子
福井・村上・吉永
細胞(ES)、セルトリ細胞(S)が観察される。2.5%グルタルアルデヒド
と 1%四酸化オスミウムによる二重固定したエポキシ樹脂包埋切片のトル
図4 アクアポリン(AQP)の系統図
イジン青染色標本。★印は精細管の管腔を示す。スケールバー= 100μm。
図3 アクアポリン(AQP)の構造(文献10)から抜粋)
A:AQP 単量体の結晶構造を示す模式図。保存された疎水領域・
NPA モチーフと、
それを囲む 6 本の膜貫通ヘリックスが示されている。
B:AQP は膜内では四量体を形成し、単量体がそれぞれ小孔をもつ。
巣上体管へ運ばれる(図 1)。
3.アクアポリンファミリー
P
SG
AQP は細胞膜を介した非選択的な水輸送に比べ、10
〜 100 倍の輸送量を持つ水選択的チャネルタンパク質
である9)。アスパラギン(N)、プロリン(P)、アラニン(A)
の 3 つのアミノ酸で構成される NPA モチーフという短
い疎水領域が水の通り道である狭い孔(小孔)を形成
し、AQP の水分子透過性を規定している(図 3A)。AQP
は膜内では四量体として集合した疎水性貫通型膜タンパ
ク質で、それぞれの単量体が水分子を選択的に通す小孔
が存在する11)
(図 3B)。哺乳類では、AQP0 から AQP12
までの 13 種類の AQP が現在までに確認されており、こ
図 4 アクアポリンの系統図(文献2)を改変)
れらは一次構造や機能の違いによって 3 つのグループに
分けられている3)12)
(図 4)。すなわち、水を選択的に透
過させる classical AQP(AQP0、AQP1、AQP2、AQP4、
AQP5、AQP6、AQP8)、水分子に加え尿素やグリセリン
などの小分子も透過させる aquaglyceroporins(AQP3、
AQP7、AQP9、AQP10)、 他 の AQP と 一 次 構 造 が 大
きく異なり細胞質に局在する新規の superaquaporins
(AQP11、AQP12)である。
ヒトの AQP は腎臓、脳、肺、膵臓、消化管、眼、皮
膚、唾液腺、子宮、精巣、脂肪組織など生体のさまざ
まな器官や組織・細胞に幅広く分布していることが判明
し13 〜 19)、一般に水の移動が盛んに行われる器官では複
数の AQP が発現していることが多い10)20)。
福井・村上・吉永
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福井達也、村上加奈、吉永一也
形態・機能 第 11 巻第 2 号
図5 精巣におけるアクアポリン(AQP)の分布を示す模式図
4.精巣における水の産生
セルトリ細胞は高い円柱状で、精細管の基底面から
内腔まで伸びて精子形成細胞を包み込んでいる(図 5)。
その役割は多彩で、分化中の生殖細胞の支持・栄養だけ
でなく、血液 - 精巣関門の形成、最終段階にある精子細
胞から捨てられる余剰な細胞質部分(残余小体 residual
body)の貪食、完成した精子が精細管内腔へ送り出され
る過程すなわち精子放出の促進、インヒビンやアクチビ
ンの分泌、アンドロゲン結合タンパク質の産生などの機
能をもつ21)22)。とりわけ、セルトリ細胞がタンパク質や
イオンを豊富に含む液体を分泌することで精細管の液性
環境を形成・保持し、精巣内精子を精巣上体へ輸送する
ための溶媒を供給し続けている役割は重要である 21)22)。
精細管内腔液はセルトリ細胞膜に存在する AQP(後述)
やイオンチャネル、他のトランスポーター等によって調
節されている23)。こうして精巣で産生された水(液体)
の約 90% は精巣輸出管で再吸収される24)25)。輸出管上
皮による液体の再吸収は、精子が精巣上体起始部に到達
するまでに精子濃度を約 25 倍にまで濃縮し、精巣上体
管内腔液の成分が精子表面へ効果的に付着することを可
能にしている26 〜 28)。このような液体の再吸収が障害さ
れると、精子濃度が異常に希釈され、精子の受精能力の
喪失もしくは減少を招くことが報告されている29)。
5.精巣における AQP の発現と機能
精巣では AQP0、AQP7、AQP8、AQP9、AQP11 など
複数の AQP の発現が確認されている30 〜 32)
(図 5)。その
うち、セルトリ細胞は AQP0 と AQP8 を発現している。
AQP8 はセルトリ細胞膜の内腔面及び側面に分布・局在
し、また同じ場所には Na+/K+イオンポンプの存在も確
認されている33)。これに対し、AQP0 は分化の最終段階
にある精子細胞ないし精子をとり囲むセルトリ細胞膜に
とくに強い反応性を示すことから、精子放出への関与が
示唆される34)。これらのことから、AQP8 はセルトリ細
胞膜に存在する Na+/K+イオンポンプと共に浸透圧勾配
による精細管内腔への水輸送を大きく促進し、AQP0 は
AQP8 と共同して精子放出を手助けしている可能性が考
えられる。
精 子 形 成 細 胞 は AQP7、AQP8、AQP9、AQP11 を 発
現している。AQP7 は伸長精子細胞と残余小体および
成熟精子で確認されている35)36)。AQP7 の発現を欠い
たヒト成熟精子では運動能の低下がみられているが37)、
AQP7 ノックアウトマウスでは精細管の形態、精子数、
受精能はほぼ正常である38)39)。一方、AQP7 ノックアウ
トマウス精巣内の円形精子細胞核は濃縮異常を示すとい
う報告もあり(私信)、AQP7 の機能については詳細な
解析が必要である。
AQP8 の発現はヒトや齧歯類の精子形成細胞で確認さ
れている15)36)40 〜 42)。しかし、AQP8 ノックアウトマウ
スでは、精巣重量の顕著な増加があるにもかかわらず、
精細管の直径や精子数、精子の形態や受精能には異常が
認められていない43)。他の AQP が AQP8 の機能を代償
伸長精子細胞
AQP 7, 8, 11
円形精子細胞
AQP 8
精母細胞
AQP 8, 9
精祖細胞
ライディッヒ細胞
AQP 9
セルトリ細胞
AQP 0, 8
図5 精巣におけるアクアポリン(AQP)の発現を示す
模式図
★印は精細管の管腔側を示す。
している可能性もある。
AQP9 mRNA の発現は精母細胞やライディヒ細胞など
で報告されているが44)45)、タンパク質レベルの発現・
分布は確認されていない。
AQP11mRNA の 発 現 は ラ ッ ト や マ ウ ス の 精 子 形 成
細胞で確認されている46)47)。タンパク質レベルでは、
AQP11 は精子形成最終段階の伸長精子細胞の残余小体
や精子鞭毛に局在する48) ことから、精子細胞における
細胞質の縮小や精子放出に関与する可能性が示唆されて
いる30)。残余小体は貪食された後、セルトリ細胞自身の
ATP 産生のために利用される可能性が示されている49)。
このことから、残余小体に局在する AQP11 はセルトリ
細胞内で機能する可能性も考えられる。AQP11 ノック
アウトマウスは生後 4 週頃までに腎不全で死亡するた
め46)、成獣における AQP11 の機能解析は難しい。また、
ヒトの AQP11 は精巣と成熟精子で mRNA の発現が確認
されているが、タンパク質レベルでの解析は現在まで報
告されていない。
その他、ヒト精巣では間質の血管内皮に AQP1 の分布
が報告されているが50)、その機能は不明である。
6.おわりに
上述したように、腎臓などと異なり、水の移動が盛ん
でない精巣でなぜ複数の AQP が発現しているのか、ま
たそれぞれの AQP の生理的意義は何か、など未解決の
問題は多い。これらを解決するために、遺伝子改変動物
の詳細な表現型解析や免疫電顕による AQP の細胞内局
在部位の同定は今後の重要な検討課題である。精子は遺
伝情報を次世代へ伝達する役割を担う細胞である。その
2013 年3月
精子形成とアクアポリン
産生の場となる精巣の液性環境を制御する分子機構を明
らかにすることは、医学生物学的に極めて重要である。
近年、AQP は水の輸送以外の機能をもつことが次第に明
らかにされ、さまざまな生命現象に深く関与する分子と
して注目されている。今後、AQP とその関連分子に関す
る研究を進めていくことで、精子形成の分子メカニズム
解明のみならず、セルトリ細胞の機能不全と関連した男
性不妊症の原因究明や診断・治療法の開発など、臨床応
用面への貢献が期待される。
謝 辞
本研究は JSPS 科研費 22590175 の助成を受けて実施
された。
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Key words
aquaporins, water channels, testis, spermatogenesis, male infertility
Abstract
Water content within the testis is transferred across the seminiferous epithelium by Sertoli cells and
served to transport sperm to the epididymis via the efferent duct. The water also plays an important
role in the maintenance of liquid circumstance in the seminiferous tubule. Aquaporins (AQPs) are a
family of integral membrane proteins that transport water, glycerol, urea and ions. In mammals, 13
AQPs isoforms have been identified, and they are expressed in a variety of tissues, including the kidney,
the brain, the eye and the respiratory tract. In the testis, AQP0 and 8 have been identified in Sertoli
cells, while AQP7, 8, 9 and11 have been identified in spermatogenic cells. These AQPs may be involved
in testicular function such as spermatogenesis and spermiation. The present review focuses on the
distribution and its possible function of AQPs in the testis.
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