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(PDFファイルが開きます)特集「Data Communication」
ビジネスモデル
市場開拓戦略
サービス開発力
優れた研究
開発機能
変革を恐れない
スピリッツ
当初ドコモは、
主に音声通話ニーズに応えていくことで、成
長してきました。
しかし、音声通話のトラヒックは、人口や
人々が通話に費やす時間などに影響を受けます。
そのため
移動通信インフラ
ドコモは、
「マルチメディア化」
「ユビキタス化」といったデー
の進化
タ通信ニーズを開拓・創造することで、
今後の成長につなげ
広範な
る戦略を進めています。
また「グローバル化」においても、
顧客基盤
日本国内で確立したデータ通信サービスのビジネスモデル
を、海外でも展開していきます。
端末機能・性能の
iモードサービスが進化を続けると同時に、第3世代移動通
向上
パートナーとの
信頼関係
ドコモは「マル
信サービスFOMAの商用化に成功した今、
チメディア化」
「ユビキタス化」
「グローバル化」戦略をより
力強く、
より具体的に推進していくことが可能となりました。
そしてドコモは、
これら戦略を推進していく上で有効ないくつ
かのアドバンテージと戦術をもって、
今後の成長を確かなも
のにしようとしています。
DoCoMo in Action
Data Communication
アニュアルレポート
ト2002
・
・ 13
NTT
NTT DoCoMo
DoCoMo アニュアルレポー
2002 Distinct Advantages
i モードの優れたビジネスモデル
iモードの成功は技術面の優位性だけによる
iモードの優位性①:
iモードの優位性②:
ものではありません。
ドコモはiモードをより早く
簡単で無駄のないネットワーク
アクセス
インターネットの
デファクトスタンダードを採用
普及させるため、
お客さまにとって利用しやす
く、
コンテンツプロバイダにとっては参加しや
すいプラットフォームを構築しました。
iモードは
iモードのデータ通信にはパケット通信を使
iモードのコンテンツの記述言語には、
イン
こうしたマーケットインのビジネスモデルにもと
用しており、接続時間ではなく送受信した
ターネットで標準的に使用されているHTML
づき、
お客さまやコンテンツプロバイダと良好
データの量によって課金されるため、時間を
言語のサブセットを採用しています。このた
な関係を築きながら成長してまいりました。
気にすることなく
「つなぎっぱなし」の状態で
め、
コンテンツプロバイダは、
HTMLで作成さ
コンテンツを閲覧したり、Eメールを作成した
れたインターネット上の既存のコンテンツに
■iモードのシステムイメージ
インター
ネット
ドコモパケット
ネットワーク
パケット
データ
iモード
サーバ
コンテンツ
プロバイダ
一般サイト
りすることができます。
若干の変更を加えるだけで、効率的にiモー
また、
パソコンのように起動するまでの「待
ド対応のコンテンツを構築することが可能で
ち時間」がない上、常に持ち歩くことができ、
す。こうした参入障壁の低さから、
iモード対
いつでも使えるという点も人気の要因です。
応のコンテンツは爆発的に増加していった
つまり、
iモードはお客さまにとってより効率
のです。
的かつ経済的なネットワークアクセスであると
言えます。
iモードの優位性③:
■従来の回線交換方式による課金イメージ
Wi
n-Wi
n-Wi
nの関係を重視した
プラットフォーム
(接続時間に応じた課金)
ドコモは月々の情報料を各コンテンツプロバ
接続時間に応じた課金
専用線
iモード対応
携帯電話機
イダに代わって回収し、
その際の収納代行手
銀行等
数料として情報料の9%をいただいています。
これによりコンテンツプロバイダは、回収コス
インターネットの
接続
トやリスクを省き、良質なコンテンツを供給す
ることに専念できます。また、
iモードのオープ
Eメールの受信
ンなプラットフォームでは、
インターネット上で
Eメールの内容確認
企業や個人が一般サイトとして自由に情報
返信メールの作成
サイトへのアクセス、
コンテンツの閲覧
提供でき、
コンテンツ選択の幅を一層広げて
Eメールの送信
インターネット接続の終了
います。
コンテンツが充実することでユーザーが増
加し、ユーザーの増加がさらなるコンテンツ
■iモードのパケット通信による課金イメージ
の充実につながります。より多くのユーザー
(データ量に応じた課金)
に多様なコンテンツを提供し、
より便利にお
下記、1 2 3 で送受信されたデータ量に応じた課金
データを送受信しない限り無料
使いいただくことで、
コンテンツプロバイダの
情報料収入が増加し、
ドコモにとっても通信
1
2
3
Eメールの
iモード
Eメールの受信、
Eメールの
作成、
ネットワーク サイトへの
コンテンツの 送信
への接続 アクセス
閲覧
料収入が増加します。
このようにiモードは、
ユーザー、
コンテンツ
プロバイダ、
そしてドコモのすべてがメリットを
享受できるプラットフォームです。
■情報料収納代行システム
収納代行手数料
情報料
(コンテンツ
プロバイダに
代わり収納)
iモード
契約者
情報料
ドコモ
情報
14 ・ NTT DoCoMo アニュアルレポート 2002
コンテンツ
プロバイダ
Growth Channel 1
データ通信市場の開拓
早くから音声通信の成長鈍化を予想していた
iモードの進化
ドコモは、
「ボリュームからバリューへ」のビジ
進化を続ける端末、
サービス、
インフラ
FOMAの世界への布石
パケット通信速度を受信時最大28.8kbps
ています。iモード契約数は、2002年3月末現
iモードサービスは、お客さまのデータ通信
ニーズを刺激し顕在化させるため、端末機
(503iシリーズの3倍)、
iアプリプログラムサイ
ドコモの全携帯自
在で、
3,216万契約となり、
能、
コンテンツ、
そしてネットワークを充実し、
が実現し、
より高度な
ズ最大30KB(同3倍)
ネスの転換を実現するために、
データ通信市
場の開拓・創造に努めてきました。
こうした中、
1999年2月に開始したiモードサービスは、現
在ドコモのデータ通信の柱として進化し続け
2002年5月に発売された504iシリーズでは、
動車電話契約数の78.8%を占めるに至って
進化を続けています。
プログラムのコンテンツを利用することができ
おり、
2,994のiメニューサイトと53,534(注)の一
端末機能の充実として、1999年12月の
るよう進化しました。
さらに504iシリーズではス
般サイトが生み出されています。
この数字は、
カラー液晶搭載端末(502iシリーズ)の導
クラッチ・パッドと呼ばれるユーザー情報を格
納する領域の容量が、従来の 1 0 K B から
移動空間におけるデータ通信ニーズの大きさ
入により、
コンテンツの表現力が格段に豊か
を示すだけでなく、
今後進化するデータ通信
になっただけでなく、初めて着信メロディのダ
より
100KBへと10倍に拡大しています。また、
サービスの利用者基盤を築いたと言えます。
ウンロードが可能になりました。これにより、
エ
リッチなiアプリコンテンツを楽しめるだけでな
iモードの成功のカギは、
各分野のパート
ンターテイメントとしての魅力も高まり、
より多
電話やメールを受信
く、iアプリを起動中でも、
ナー企業と強固なバリューチェーンを構築
くのお客さまにiモードサービスの楽しさを実
することが可能となっています。加えて、赤外
できたことであると言えます。
コンテンツ、
ポー
感していただけるようになりました。さらに、
線無線通信機能を標準搭載したことで、
携帯
タル、
ゲートウェイ、
ネットワーク、
端末の各要
電話端末にダウンロードした情報のデータを、
素が、
バリューチェーンとしてうまく機能する
2001年1月発売のJava™対応機能搭載
では、
アプリケーション
端末(503iシリーズ)
より身近な
ことで、iモードをより使いやすく、
を端末にダウンロードすることが可能になり、
POSレジやマルチメディア情報端末などの外
部機器との間で送受信することも可能となり
サービスとして、ユーザーの生活の中に根
天気や株価などの情報の自動更新や、
ゲー
ました。こうした機能を活用すれば、
例えばレン
付かせることができたと言えます。
ムなどをダウンロードして楽しむことができる
タルビデオ店では、会員カードのカードレス化
またiモード以外のデータ通信においても、
ようになりました。また、SSLによる情報の暗
の促進、
返却期日の通知サービス、
新作ビデ
パートナー企業との協同により、
様々なサービ
号化により通信セキュリティが向上し、金融
オの先行予約サービスなどへ発展させること
スがコンシューマ市場向けと法人市場向けに
関係の取引や企業イントラネットなどにも利
ができます。また同時期に発売したデジタルカ
展開されており実績をあげはじめています。
用の幅が広がりました。
シリーズ)
では、携帯電話
メラ搭載端末(251i
そして海外においても、パートナーにより
で撮影した画像をそのまま送受信することが
ドイツでiモードサービスが開始さ
2002年3月、
でのこうした端末の進
できます。PDC(2G)
れました。
これに続いて4月にはオランダ、
6月
化、機能の充実、
インフラの高速化への取り
には台湾でもサービスが既に始まっており、
ベ
組みは、
その先に広がるFOMAの世界への
ルギー、
フランス、
スペインでもサービス開始
布石となり、未来の携帯電話像を一つひとつ
が予定されています。
これはドコモが開拓した
実現しているものと言えます。
データ通信市場と、
iモードの価値が世界で認
■504iサイト例
められた証でもあります。
(注)一般サイト数については、検索エンジンOH!NEW?
(デジタルストリート)調べ
進化を続ける端末、
サービス、
インフラ
FOMAへの布石
海外に広がる
iモードサービス
モバイル
Eコマースでの活用
エイチアイ・バンダイネット
ワ−クス2001
C
Daiwa Securities
Co.Ltd
HI・VGD・RZ・BNW
Powered by Mascot
Capsule Engine R
「MascotCapsuleは
(株)エイチアイの登録
商標です。」
C
HUDSON SOFT
C
開拓が進む
法人市場
マシン
コミュニケーション
「Cmode」スタート
C
NTT DoCoMo アニュアルレポート2002 ・ 15
広がるデータ通信
モバイルEコマースでの活用
「Cmode」スタート
開拓が進む法人市場
既にiモードの機能は、物品購入にあたっての
ドコモは、2002年4月より、日本コカ・コーラ
法人顧客向けソリューションとして、多くの企
予約・注文から代金決済にまで進化していま
株式会社、伊藤忠商事株式会社とともに
業に利用されているのが、
「iモードイントラ
す。2001年5月からスタートした「iLAWSON」
「Cmode(シーモード)」をスタートさせまし
ネット」システムです。同システムを活用する
ビデオ、書籍をはじめホテルの予約ま
は、CD、
た。
「Cmode」は、iモード対応携帯電話と日
ことで、外出先でも会社に届いたメールを確
で、欲しいと思ったその時に希望する商品をi
本コカ・コーラ株式会社の新型情報端末自
認することが可能となります。また、
リアルタイ
モードで予約し、身近なコンビニエンスストア
販機(シーモ)
を連携させることにより実現さ
ムで社内のデータベースにアクセスすること
で受け取れるというものです。モバイルによる
れる、新しいタイプの会員制消費者サービス
で、商談中に商品在庫の確認や注文を受け
予約・注文に店頭での対面販売・決済を組み
で、iモードの利用可能性をまたひとつ拡大さ
付けたり、顧客データベースから契約内容を
合わせることで、
安心して利用できる商取引を
せています。シーモには、
コンピュータとディス
閲覧することができるなど、法人ユーザーの
実現したものと言えます。
プレイ、
スピーカー、
プリンターなどが搭載され
コスト削減や業務効率化に役立っています。
iモード以外でも、
「DoPa」を利用したタク
ており、携帯電話を使っての飲料の購入はも
また、
「DoPa」を利用した遠隔監視や位
シーや店舗外でのデビットカード、
クレジット
ちろん、
アミューズメント施設の入場券、iモー
置情報検索機能などは、
マシンコミュニケー
カードの決済端末が、既に多くの企業などに
ドコンテンツ、
マップ情報などをキャッシュレス
ションという新しいビジネススタイルを定着さ
採用され、実際に利用されています。今後も
で購入することも可能です。またシーモは、
ドコ
せつつあります。物流トラックの積載状況の
ますます発展、
モバイルEコマースの世界は、
トワークを通
モのパケット通信「DoPa」のネッ
確認と効率的な運行管理、
バス到着時刻予
進化が期待され、
将来的には財布や定期券、
してサーバに接続されており、会員情報の管
測と運行スケジュールの調整など、
サービス
各種会員カードなどの機能を携帯電話端末
理なども効率的に実現しています。
品質の向上と業務効率化といった価値を法
に持たせることを視野に入れています。
人マーケットに提供しています。
例えば、2001年7月にスタートした株式会
社ドコモ・マシンコミュニケーションズが提供
■iLAWSON
■Cmode(シーモード)
する「DoCoです・Car」は、GPS衛星と当社
のパケット通信「DoPa」を利用した車両運
行管理サービスで、移動車両の位置情報や
履歴情報を提供するASPサービスです。お
客さま側は、車両に専用端末を設置するだけ
で、車両運行管理に必要なシステムを手頃
な料金で利用することができます。
その他にも自動販売機の売上・在庫シス
テムを集中管理するシステム、各種メーター
の遠隔検針システム、水質基準監視をする
システム等に「DoPa」を活用したシステムを
導入しコストの削減を図ることができます。
■DoCoです・Car
16 ・ NTT DoCoMo アニュアルレポート 2002
海外に広がるiモードサービス
iモードサービスやそのユニークなデータ通信
スの導入に向けて動いています。
におけるビジネスモデルは、音声通話の飽和
その先陣を切る形で、
2002年3月、KPNモ
感に悩む多くの移動通信キャリアにとって、
バイルグループのドイツE-Plusにより、欧州
今後の事業拡大の方向性を示唆したものと
で最初のiモードサービスがスタートしました。
も言えます。これまで世界の多くの移動通信
また同年4 月にはオランダのKPNモバイル
キャリア、
とりわけドコモの出資先企業は、
イン
で、6 月には台湾のKGテレコムでそれぞれi
ターネット接続サービスの導入準備を進めて
モードサービスがスタートしました。さらに、今
きました。そして現在では、
ドコモとパートナー
後はベルギー、
フランス、
スペインでもiモード
シップを組む多くのキャリアが、iモードサービ
サービスが開始される予定です。
■世界に広がるiモードサービス
スペイン:Telefónica Móviles España
2002年7月ライセンス契約締結
フランス:Bouygues Telecom
台湾:KGテレコム
2002年6月に i モードサービス開始
2002年4月ライセンス契約締結
ベルギー:BASE
2002年秋 iモードサービス開始予定
(2002年6月に試験サービス開始済み)
オランダ:KPNモバイル
2002年4月に iモードサービス開始
ドイツ:E-Plus
2002年3月にi モードサービス開始
■台湾のiモードコンテンツ
■オランダのiモードコンテンツ
■ドイツのiモードコンテンツ
アニュアルレポー
ト
ト2002
・
・ 17
NTT
NTTDoCoMo
DoCoMoアニュアルレポー
2002 Growth Channel 2
W-CDMA による成長の加速
高速データ通信
これまでドコモが進めてきた「マルチメディア
FOMAは、送受信最大384kbpsの高速パ
ケット通信と、大容量データのリアルタイム
化」
「ユビキタス化」
「グローバル化」戦略
は、W-CDMA 方式の第 3 世代移動通信
通信に適した64kbpsデータ通信が利用で
一層加速されること
サービスFOMAにより、
きます。この2つの特長ある通信サービスを
となります。大容量・高速データ通信により
組み合わせることで、
ノートパソコンをはじめと
サービスの品質が向上するだけでなく、
テレ
したモバイル環境でのインターネット接続を
ビ会議や映像配信など、
これまでの伝送方式
より快適に行うことができます。静止画や映
では実現できなかった様々なサービスを現実
像、大量のデータ通信を必要とする法人
のものとしています。
ユーザーのビジネス効率の向上にも役立っ
そしてこれからもカバーエリアの拡大と新
ています。
たな機能の搭載、
サービスの充実を通して、
人々の多様なビジネスシーン、生活シーン
に新しい価値を生み出していきます。同時に、
有用な実績を積み重ね、
FOMAサービスを
来るべき国際ローミング時代のデファクトス
タンダードに育てていきたいと考えています。
サービスの拡大
国際ロ−ミング
テレビ電話
位置情報
モバイルEC
テレビ電話をモバイル環境で実現することに
より、
その利用価値は飛躍的に向上しまし
た。例えば、建設現場やイベント会場など、映
像情報の必要性が高いにもかかわらず有線
によるテレビ電話の設置が困難な環境では、
オフィスとの綿密
FOMAを利用することで、
な情報共有が可能となります。
映像メール
デュアルネットワーク
映像配信
端末の進化
PDC/FOMAデュアル
iモーション
マルチアクセス
小型化・軽量化・
iモード
電池持ち時間長時間化
M-stage対応端末
FOMAでは、音声通話とパケット通信の同
時利用を可能にしています。
そのため、
iモード
サービスでレストランを検索しながら友だち
と相談することや、移動中にかかってきたお
TV電話
客さまからの注文依頼にもその場で会社の
PDAタイプ
データベースにアクセスし発注を行うことが
できます。
18 ・ NTT DoCoMo アニュアルレポート 2002
これから……
iモーション
テレマティクスサービス
(カーマルチメディアサービス)
放送と通信の融合
2001 年11 月にスタートした「iモーション」
は、音と映像を組み合わせることでコンテンツ
ドコモが5%の資本出資を行っている株式会
現在ドコモは、自動車会社と連携し、
いつで
社プラット・ワンは、
2002年3月、新しい放送プ
の幅を格段に広げることとなりました。映画の
もどこでも安全で快適なカーライフを提供す
ラットフォーム事業として東経110度CSデジ
予告編や音楽プログラムの視聴、
ニュース映
るための新しいコミュニケーションを創造して
タル放送を立ち上げました。ここでは、視聴者
像の配信など、新しいコンテンツラインナップ
います。具体的には、目的地までのナビゲー
がテレビ番組に参加し、
ショッピングやアン
が iモードサイトに続々と登場しています。
ションや交通、気象、観光などのドライバーが
ケートの回答を行ったりすることが可能な双
必要とする各種情報の提供に加えて、損害
方向サービスが実現しています。
ドコモは、放
保険会社、警備会社、
ガソリンスタンド、
カー
送と通信が融合したビジネススキームをモバ
ディーラー等とのネットワーク化、電子マネー
イル環境下で実現すべく、
そのインフラ作りを
や決済機能の付加などを通じて、全く新しい
進めています。
カーライフサポート、
およびカーマルチメディ
アサービスの実現を目指していきます。
各種通信規格との調和
ドコモは、2002 年 7 月より公衆無線 LAN
FOMA映像ストリーミング
サービス「Vライブ」
サービスMzoneをスタートしました。また、無
線LANアクセス技術および高速データ通信
を活かしたアプリケーションなどの検証を行っ
2002年4月、映像ストリーミングを可能とした
ています。FOMA等の移動通信サービスと
(試行サービス)がス
サービス「 Vライブ」
他の無線アクセス技術との連携をスムーズ
タートしました。現在では、
スポーツ、映画情
報といった映像コンテンツの配信や観光名
に行うことで、
モバイルマルチメディアの新た
多地点接続
所のライブ映像のリアルタイム配信、英会話
スの提供が可能となります。
スクールや社員教育、防犯等を目的とした
ドコモは、携帯電話によるテレビ電話サービ
遠隔監視などに利用されています。
スとしては世界で初めてとなる「多地点接続
(試行サービス)
では、FOMA
「Vライブ」
プラットフォーム」を開発し、
その実証実験を
端末のみならず、PHSデータカードとセットに
スタートさせました。このプラットフォームを利
した各種PDA端末への配信が可能です。ま
用することで、接続している複数の利用者を
た、配信方法には、
ライブ配信およびアーカ
FOMAビジュアルタイプの端末画面に分割
表示することができ、多人数でのビジネス
イブ配信の2種類が可能となっています。
な利用方法を作り出し、用途に応じたサービ
ミーティングや多地点でのイベント中継等が
FOMAカード
可能となります。
FOMA端末には、お客さまの電話番号情報
などを書き込んだUIMカード「FOMAカー
情報家電との融合
:FOMA
ド」
(UIM(User Identity Module)
家電製品のネットワーク化対応の進展ととも
伝送インフラのW-CDMAへの移行につい
ても、海外パートナー企業に対し積極的な
シームレスな国際ローミングの実現
現在ドコモでは、iモードサービスだけでなく、
の契約者情報を記録したICカード)が収容
に、携帯端末はそのコントローラーとしての
されています。そのため、
「FOMAカード」を
役割が期待されています。家庭の情報家電
技術供与を行っています。現行の国際ロー
差し替えながら用途にあわせ複数の端末を
にアクセスし、
ビデオ録画やPCの立ち上げ、
ミングサービスは、日本のPDC 方式と海外
使い分けることが可能となっています。また、
エアコン操作やお風呂の追い炊きなど、宅外
のGSMおよびCDMA方式に対応する国際
将来は、個人のクレジットカード情報等を入
からの家電遠隔操作も可能となります。
れることも検討されています。
複合携帯電話機を使って提供されています
が、海外パートナー企業、
すなわち接続先が
W-CDMA方式へ移行することで、将来は日
本で使っている携帯電話を使ってシームレス
な国際ローミングサービスを実現することが
できます。また、海外から日本で提供されてい
るiモードサービスに簡単にアクセスすること
も可能となります。
NTT DoCoMo アニュアルレポート2002 ・ 19
Sources of Growth
卓越した頭脳と厚い信頼
市場ニーズをいち早く商品・
サービスに
“モバイルフロンティア”
とは、
ドコモの存在価
値を端的に示した言葉と言えます。常に業界
に先駆けて新しい市場を創出することとお客
さまのニーズを、
新商品、
新サービスに反映さ
ドコモの研究開発の中心的な役割を担って
せることで、
この存在価値は具現化されます。
いるのが、
ドコモR&Dセンタです。ここでは、
これまでにもドコモは、
PDC方式による第2世
移動通信システムの土台を支える「システム
代移動通信システムを研究から商品化まで行
開発」と、未来を描く先進の「基盤研究」が
い、
ニーズに応じた新商品、新サービスを提
進められています。
さらには
供してきました。
またiモードサービス、
「システム開発」の目的は、
ユーザーニー
W-CDMA方式に基づく第3世代移動通信シ
ステムなどを世界に先駆けて商用化し、
その
ズに応えるサービスをいち早く商品として開
発し、高品質で安定的に提供することにあり
存在価値を確かなものにしてきました。
ます。そのため、
「端末技術」
「無線技術」
ドコモの持つこうした新たなモバイルの世
「ネットワーク技術」
「マルチメディア技術」
界を切り開く力、
イニシアティブの源泉とは、
の各分野が各々協力し、
その成果を商品・
他に例を見ない充実した研究開発体制と、
サービス・品質として具現化するために、一
強固なビジネスパートナーとの協業、
そして
体となって開発を進めています。
多くのお客さまからご支持いただきご利用い
一方「基盤研究」としては、主に第4世代
ただいていることにほかなりません。
およびそれ以降の移動通信システムにおい
て必要となるであろう革新的技術研究を進
めています。具体的には、
さらなる高速化・大
容量化を支える無線アクセス方式の研究開
お客さま情報
発や標準化活動への取り組み、無線LANな
どの他ネットワークとの融合を計りつつ、柔軟
かつ経済的なネットワークを実現するための
研究、新しいコミュニケーションの実現に向
けた検討などを行っています。
R&D
ドコモR&Dセンタ
20 ・ NTT DoCoMo アニュアルレポート 2002
ビジネス
パートナーシップ
お客さまサービス
幅広く利用者ニーズを収集
ビジネスパートナーとの協業体制
ドコモでは、
広範なお客さまの声をヒアリングす
今後、携帯端末は多機能化とともに部品の
るため、
お客さまと多面的な接点を持つ組織
高集積化、軽量化が求められます。同時に、
体制を採っています。その中でも支店窓口お
通信コストを低減させ経済的にサービスエリ
よび日本全国のドコモショップ(2002年3月
アを拡大するためのネットワークインフラの構
では、販売活動とともに
末現在1,205店舗)
築も必要となります。その上で、
どのような
各種商品・サービスのご案内やご相談、
アフ
サービス機能を付加するか、
そしてそれに応
ターサービス等を実施しています。店頭に寄
じたアプリケーションを如何に組み込んでい
せられたお客さまからの声や情報は、社内の
くかも重要となってきます。こうした問題に対
情報システムを通じてタイムリーに経営サイド
するソリューションの提供は、移動通信事業
にフィードバックされています。またドコモでは、
者単独では不可能な分野が多数存在してい
商品・サービスに関するお問い合わせ窓口と
ます。
ドコモはインダストリーリーダーとしてこ
して「電話受付センター」を開設しているほ
ういった領域での研究開発を推進するため
か、情報発信スペース「ドコモタウン」や体験
に、最先端の製造技術を有する端末メー
型展示スペース「DoCoMoモバイルマルチメ
カーや装置メーカー、
サービス提供に関連
ディアラボ」などを用意し、
お客さまの声を収
する数多くの企業と、強固なパートナーシッ
集し、商品・サービス戦略に役立てています。
プ、協業体制を構築しています。
これらのお客さまの声が、
ドコモのもう一つの
財産と言えます。
ドコモショップ
法人営業
モバイル教室
R&D
Service &
Communication
電話受付センター
電波暗室
無響室
ウェアラブル操作デバイス
DoCoMoモバイル
によるロボット制御
マルチメディアラボ
W-CDMA基地局実験
ドコモタウン
NTT DoCoMo アニュアルレポート2002 ・ 21
Fly UP