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水稲「ヒノヒカリ」を作りこなすための7つのポイント
水 稲 「 ヒ ノ ヒ カ リ 」 を 作 り こ な す た め の 7 つ のポ イ ント 1.平坦から中間部(標高300m以下)に適応する良食味品種。 10月上中旬に成熟する中生。 2.いもち病にはやや弱い。気象条件によって、発生するので、種子消毒と病害虫防除を徹底する。 1,健苗育成 浸種を十分に! ①種籾の準備:3㎏/10a ②塩水選と種子消毒の実施 (比 重 : 1.13、 水 20 に 食 塩 4 .1 ㎏ ) ③浸種…出芽しにくいため、十分な浸種 と 催 芽 で 、均 一 な ハ ト 胸 状 態 に。 ④播種…時期:5月上旬 量 (ば ら ま き ): 乾 籾 で 100g/ 箱 浸 種 籾 で 120g/ 箱 ⑤ 育 苗 の 目 標 (中 苗 ) 育苗日数30日 草丈15∼20㎝ 葉 数 3 .5 ∼ 4 .0 枚 (不 完 全 葉 除 く ) 旬 上 中 生 育 段 階 ・ 主 な 作 業 播 出 ⑥温度管理・水管理 育苗期間中は、苗を軟弱徒長させない た め 、 昼 間 は 25℃ 以 上 に し な い 。 出 芽 期 30∼ 32℃ 緑 化 期 昼 20∼ 25℃ 、夜 15∼ 18℃ 硬 化 期 昼 15∼ 22℃ 、夜 10∼ 15℃ 水 管 理 肥 5 6 下 上 中 田 7 下 上 活 8 中 分 下 上 最 幼 9 中 下 穂 上 出 穂 10 中 下 乳 上 下 成 種 芽 植 着 げ 高 穂 ば 穂 ぞ 熟 熟 期 期 期 期 つ 分 形 ら 期 ろ 期 期 げ 成 み い つ 期 期 期 期 中 期 ○○○ 塩種播 水子 選消種 毒 △△△△ 元病田 雑 肥害植 草 施虫え 防 用防 除 除 □□ 病 害 虫 防 除 深 穂 肥 施 用 穂病 肥害 施虫 用防 除 ■■■ 刈 乾 燥 取 ・ 調 製 病 害 虫 防 除 中干し 間断かん水 落 水 浅 倒伏しやすく、いもち病にも弱いので、施肥量は控えめに! 5.病害虫防除 いもち病防除を徹底しよう! (太字は基幹防除) < 幼穂 の 確認 方 法 > ① 施 肥 量 (1 0 a 当 た り 成 分 量 、 単 位 : ㎏ ) 地帯 平坦及び中間部 窒素 燐酸 加里 元 肥 5 8 7 穂 肥 3∼4 − 3∼4 合 計 8∼9 8 10∼ 11 ②穂肥の施用 < 出 穂 期 の 2 0 日 前 (幼 穂 形 成 期 ): 主 稈 の 幼 穂 長 が 2 ∼ 3 ㎜ に 達 し た と き 。 > ・出穂期の20日前の1回:緩効性肥料を窒素成分で3∼4㎏/10a 平年は8月4日頃 (注)元肥に緩効性一発肥料を使用する場合 元肥に窒素成分で8∼9㎏/10a(穂肥を施用しないこと) ③実肥は、絶対に施用しない。 ※玄米の蛋白含量が増加し、食味が低下するため。 ①田植期 箱施用剤を施用 ※いもち病・イネミズゾウムシの防除 ②移植後2∼3週間 ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の防除 ・被害が発生する場合は、登録薬剤を散布 ・卵塊がピンク色であれば、水中に払い落とす ・浅水管理で被害発生を抑制 ・2月に2回以上耕耘すると越冬密度が低下 ③7月下旬∼8月上旬 (最高分げつ期∼幼穂形成期) 紋 枯 病 、 イ チ モ ン ジ セ セ リ ( イ ネ ツ ト ム シ )、 ウンカ類の防除。いもち病の防除 ④8月中旬(穂ばらみ期) い も ち 病 (穂 い も ち )防 除 。 ⑤9月上中旬(乳熟期) 斑点米カメムシ類・ウンカ類の被害が予想され る場合は、登録薬剤で防除 6.収 穫 2.田植え 太植えは禁止! ①田植時期 6月10日頃 ②栽植密度 条 間 30㎝ 、株 間 18㎝ (18.5株 / ㎡ ) 植付本数は3∼4本/株 ※太植えにすると茎が細くなり、倒 伏しやすくなるほか、過繁茂とな り、いもち病・紋枯病の発生を助 長するため。 ③ 雑 草 防 除 (地 域 の 慣 行 に よ り 実 施 ) 散布後7日間程度は湛水状態を保 ち 、落 水 や か け 流 し を し な い こ と 。 3.水管理 登熟向上のために! ○中干しは必要な茎数を確保した後 に、軽くひび割れするぐらいまで で 7 日 程 度 実 施 す る( 7/中 ∼ 下)。 ※根の健全化と倒伏防止のため。 ○出穂後30日間は間断かん水。 ※圃場が乾き過ぎると登熟歩合が 悪 く な り 、玄 米 品 質 が 低 下 す る ため。 ⇔ 4.施 月 適期刈取で良質米作り! ①刈取適期 出 穂 期 の 約 4 5 日 後 (全 体 の 籾 の 9 割 程 度 が 黄 色 く 変 わ っ た 頃)。 平年は10月4日頃。 ※刈遅れると、倒伏しやすく、穂発芽 粒・胴割粒・茶米が増加し、玄米品 質が悪くなるため、適期刈取に努め ること。 ②乾 燥 ・ 乾 燥 目 標 水 分 は 1 4 .5 % 。 ・刈り取った籾の水分が高いときは、 最初は低めの温度で予備乾燥。 ③調 製 ・高品質の米に仕上げるため、ライス グ レ ー ダ ー (網 目 1 .8 ㎜ )で 選 別 し 、 屑米を除くこと。 7.土づくり 米作りの基本! ①稲わらの還元 年 内 に 石 灰 窒 素 2 0 ㎏ /1 0 a と 一緒にすき込む。稲わらの分解 が遅れた場合、田植え後気温が 上昇してくると急激に分解が進 み、根傷みなどの生育障害が発 生する。 ②15㎝以上の深耕 作土が浅いと、枯れ上がりや倒 伏が多くなって収量・品質とも 悪くなるので、トラクターの速 度とロータリーの回転数を遅く して、深耕する。 ③土壌改良資材の施用 肥料で補うことのできない養分 を補給するため、稲わらをすき 込む前に土壌改良資材を施用し てから耕うんする。 (生育の目安) 播種期 田植期 最高分げつ期 出穂期 成熟期 5月上旬 6月9日 7月下旬 8/23∼ 8/25 10/1∼ 10/8 稈 長 81∼ 86㎝ 穂 長 19∼ 21㎝ ㎡穂数 精玄米重 千粒重 1穂籾数 登熟歩合 330∼ 360本 560∼ 610㎏ /10a 22.7∼ 23.2g 85∼ 95個 80∼ 84% 奈 良 県 注 ) 1.稈 長 、 穂 長 及 び 収 量 構 成 要 素 : 水 稲 奨 励 品 種 決 定 調 査 ( 平 成 10∼ 14年 ) 試験場所:橿原市四条町 栽 植 密 度 : 17.9株 /㎡ (条 間 31㎝ ・株 間 18㎝ ) 2.出 穂 期 ・ 成 熟 期 : 平 成 17∼ 21年 の デ ー タ