...

生コン積算価格大幅下落 Ⅱ

by user

on
Category: Documents
27

views

Report

Comments

Transcript

生コン積算価格大幅下落 Ⅱ
ラ
イ
オ
ン
通
信
平成 22 年 3 月
Vol.75
平成 22 年 3 月 10 日発行
vol.75
(月刊誌)
郡家コンクリート工業株式会社
〒680-0427 鳥取県八頭郡八頭町奥谷 206-1
<URL>http://www.kooge.jp/ <e-mail>[email protected] TEL(0858)72-1154 FAX(0858)72-1614
生コン積算価格大幅下落 Ⅱ
先 月 もお伝 えしたように鳥 取 地 区 の生 コン積 算 価 格 (21-8-40N)が 14,250 円 から 9,700 円 に下 落 し大 変 なこ
とになっています。
一 昨 年 の 11 月 まで 8,550 円 だったものを、私 たち組 合 が共 同 販 売 を行 な
うのに併 せて、県 が 5,700 円 上 げるという大 英 断 をしてくださったのですが、
アウトとの 熾 烈 な価 格 競 争 の結 果 、実 勢 価 格 を 適 正 に戻 すことができなか
ったことが原 因 です。
積 算 価 格 の下 落 によ りお客 様 である建 設 業 者 の皆 様 にも 大 変 なご 迷 惑 を おか けし 、心 苦 し く思 っ ています。
特 に 生 コン工 場 から 遠 い現 場 (工 場 の空 白 地 区 )では、配 達 が遠 距 離 になるた め積 算 以 上 の 価 格 でご 購 入 い
た だ いていますし 、業 者 さん の規 模 、 与 信 等 にか か わら ず積 算 よ り高 く購 入 いた だ い ているケースが 相 当 数 あり
ます。
建 設 業 界 も 長 年 、低 価 格 受 注 で疲 弊 しているところへ、生 コン価 格 での逆 鞘 で一 層 悲 惨 な状 況 を呈 してきまし
た。業 者 さんからは「仕 事 は欲 しいが生 コンが多 い工 事 は向 かえない」といった声 を聞 きます。
今 、私 たち組 合 員 は一 から出 直 す覚 悟 で、適 正 価 格 での 販 売 に注 力 すると同 時 に、発 注 機 関 やお客 様 である
建 設 業 界 の皆 様 にも、ご理 解 をいただけるように一 生 懸 命 お願 いしているところです。
この度 のことで他 地 区 はどうなのか『建 設 物 価 2月 号 』で
調 べたら、当 地 よりも 悲 惨 な価 格 が 多 くあることが 分 かりまし
たので以 下 でご紹 介 します。
建 設 物 価 調 査 会 が発 行 する建 設 物 価 掲 載 の生 コン価 格
は全 国 を 294 地 区 に区 分 けし、生 コン会 社 (販 売 会 社 )に
対 し定 期 的 に面 接 調 査 や電 話 調 査 、郵 便 等 による通 信 調
査 を行 なっています。また、必 要 に応 じて購 入 者 である建
設 会 社 にも調 査 を行 い、価 格 の妥 当 性 を絶 えず確 認 して
いますので信 憑 性 が非 常 に高 いものになっています。
1
ラ
イ
オ
ン
通
信
平成 22 年 3 月
この表 は全 国 から鳥 取 地 区 より生 コンが安 い地 区 を全 て拾 い出 しました。
その結 果 、鳥 取 地 区 は全 国 294 地 区 のうち 22 番 目 に生 コンが安 いということです。
ご覧 のとおり、狭 い日 本 でも生 コン価 格 は大 きく幅 があります。最 高 値 は宮 崎 県 高 千 穂 地 区 の 17,600 円 /m 3 で
最 安 値 は大 分 の 5,900 円 /m 3 です。(参 考 までに大 分 県 内 の他 地 区 は、中 津 14,500 円 、日 田 13,300 円 、佐
伯 14,800 円 、臼 杵 10,450 円 )
更 に生 コンの原 材 料 であるセメント、
建 設 物 価 2 月 号 掲 載 価 格 (単 位 :円 )
生コン
(m3)
セメント
(t)
砕石(20mm)
(m3)
砂
(m3)
骨 材 も 調 査 掲 載 され ているの で、その 価
格 を併 記 しました。セメントは全 国 57 地
鳥取
9,300
12,500
3,100
3,000
区 に区 分 けされていますが、1位
水戸
9,200
10,300
2,750
3,900
13,800 円 /t、2位 室 蘭 13,300 円 , 3
北九州
9,100
9,800
2,900
海
2,900
佐世保
8,950
(長崎)
9,800
2,950
海
2,950
竹田
8,900
(大分)
8,500
2,600
海
2,600
高松
8,900
10,100
3,300
海
3,600
鹿児島
8,900
9,800
2,500
海
2,950
岐阜
8,900
9,700
3,000
3,700
値 は大 分 の 8,500 円 )
名古屋
8,800
9,600
3,050
3,700
どうしてこのような不 条 理 なことが起 こる
直方
8,700
(福岡)
10,000
2,800
2,850
のでし ょう か 。いままで 複 数 の セメ ントメー
土浦
8,700
(水戸)
10,300
2,900
3,700
カーに 尋 ねて も 明 確 な 回 答 を 聞 いた こと
筑西
8,700
(水戸)
10,300
2,650
3,400
がありません。生 コン価 格 は釧 路 16,150
岩見沢
8,600
(札幌)
9,500
2,900
3,200
円 、室 蘭 15,150 円 、函 館 15,700 円 な
会津若松
8,400
(福島)
11,500
3,200
3,350
足利
8,300
(宇都宮)
9,900
2,150
3,300
下関
8,300
11,400
2,900
真岡
8,100
9,900
2,150
3,300
福井
7,700
11,000
3,500
2,900
信 憑 性 の高 いものであることは前 述 した
越前
7,900
(福井)
11,000
3,500
2,900
とおりで、これ以 外 に水 、混 和 材 を加 え
呉
7,750
(広島)
10,900
2,900
3,500
れば 生 コ ンの 材 料 代 を 導 き 出 す こ とが で
松山
6,900
10,100
2,800
3,300
きます。(当 社 のように砂 と砕 砂 をブレン
8,500
2,600
海 2,500
(※海は海砂)
ドしたり、石 灰 石 骨 材 等 を使 用 している
(宇都宮)
大分
5,900
(※表 の生 コン配 合 は 21-8-40N)
海
海
海
3,500
釧路
位 函 館 13,000 円 と北 海 道 地 区 が占
め、そして 4 位 は鳥 取 12,500 円 。鳥 取
は生 コンが全 国 上 位 ラスの安 値 なのにセ
メント価 格 は トップ クラ スなの です。(最 安
のです。
また、表 のセメント、砕 石 、砂 の価 格 も
地 区 もあるので多 少 の幅 はあります)
当 社 の 21-8-40N の配 合 から割 り出 すと生 コン1m 3 分 の材 料 代 は約 7,000 円 になります。
生 コンとして販 売 するにはこの後 、人 件 費 をかけて混 練 、輸 送 を行 いこれが製 造 原 価 になります。 因 みに当 社 で
は1m 3 あたりの輸 送 費 用 は平 均 2,000~2,500 円 /m 3 程 度 が実 績 です。
今 後 、このような異 常 事 態 が続 けば、景 気 対 策 とし て行 なわれているはずの公 共 工 事 により、生 コン業 者 、建
設 業 者 の倒 産 はもちろんですが、その影 響 で雇 用 も悪 化 し、何 のための景 気 対 策 かわからなくなります。
更 に 価 格 だ け で生 コ ン工 場 を 選 定 する 建 設 業 者 が 多 くな るた め、 公 共 工 事 お け る 生 コ ン 、工 事 の 品 質 確 保 が
困 難 になってくるのでは、と非 常 に心 配 しています。
(表 の セメ ント、骨 材 は生 コンよ り掲 載 地 区 が少 ないた め、最 寄 地 区 の掲 載 価 格 を 載 せて います。また 、離 島
は特 別 価 格 のため除 外 しています。詳 しくは建 設 物 価 2 月 号 をご覧 下 さい)
2
vol.75
ラ
イ
オ
ン
通
信
平成 22 年 3 月
会計検査Q&A
今月も、『公共工事と会計検査』の改訂 7 版より 「会計検査こぼれ話」をご紹介します。
一息ついて読んでいただければ幸いです(^-^)/
著者の市川 啓次郎 (いちかわ けいじろう)氏 は 昭和 19 年生まれ。
元会計検査院 国土交通統括検査室長を務め、現在は財団法人経済調査会の技術顧
問としてご活躍中です。
会計検査こぼれ話 : 「3億 円 事 件 」(上 )
工 事 の検 査 課 に配 属 となり高 速 道 路 の検 査 をしていました。河 川 沿 いに高 架 橋 を 建 設 する工 事 で、
下 部 工 は円 形 の橋 脚 と上 部 が左 右 に横 ばり が張 り出 す構 造 となっていて、横 ばりはPCコンクリートで施
工 することとなっており、同 じ形 の下 部 工 が全 部 で9基 あります。
SEEE工 法 で鋼 線 を緊 張 するというもので、一 般 的 な緊 張 工 法 であるフレシネー工 法 との違 いなどに
ついて 、設 計 課 長 が 丁 寧 に 説 明 し て くれ まし た 。ど こに狙 いを 定 めて 検 査 し た も の か 設 計 書 を なが めて
しばら く思 案 。各 工 種 を見 渡 すと、緊 張 工 2億 6000万 円 という のが眼 につきます。内 訳 は 、数 量 3,82
0本 、単 価 69,000円 となっているので、緊 張 工 の単 価 内 訳 についてチェックし ましたが 問 題 ないよ うで
す。17時 になってしまったので初 日 の検 査 は終 了 。
翌 日 検 査 を再 開 。昨 日 設 計 書 を見 、工 法 の説 明 を聞 いたときから、緊 張 工 の3,820という箇 所 数 に
疑 問 が湧 いてきました。橋 脚 コンク リートの内 部 にセットされたシース鋼 線 を入 れ、後 でこれを緊 張 するの
ですが 、シ ース 本 数 は橋 脚 1 基 当 た りせ いぜ い3 0本 程 度 で す。「 緊 張 工 の箇 所 数 は な ぜ こん なに 大 き
い数 字 に なるのです か ?図 面 で確 認 させ てくださ い」昨 日 か ら の説 明 を 聞 くに つけ 広 が っ てきた 疑 問 を
ぶつけました。積 算 の説 明 は積 算 審 査 を担 当 した課 長 補 佐 ですが、その瞬 間 補 佐 は「えっ?」と絶 句 。
見 る見 る顔 色 が変 わっていきます。蚊 の鳴 くよう な声 で「し ばら く時 間 を 下 さい」と言 っ て、設 計 書 を 持 っ
て検 査 場 を離 れてしまったので検 査 を中 断 し早 めの昼 食 としました。
1時 に検 査 場 に戻 る と、既 に 課 長 補 佐 と 設 計 課 長 が机 の前 に座 っ ています。補 佐 は 両 肩 を 落 とし て
絞 り出 すよう な声 で、「緊 張 工 の3,820は誤 りで、262が正 し い数 字 です」と言 う の です。つまり、シース
は 橋 脚 1基 当 た り26 ~30本 、9 基 分 で26 2本 ですか ら 、緊 張 工 費 は 、6 9,0 00 円 ×262= 1, 808 万
円 が 正 し いのですが、誤 っ てシースの延 長 3,820 (m )を 入 力 してし まっ ていた の です。直 接 工 事 費 で2
億 5000万 、諸 経 費 を含 めると3億 円 余 が過 大 積 算 となっています。
3
vol.75
ラ
イ
オ
ン
通
信
平成 22 年 3 月
vol.75
レ オ ちゃんの製品紹介コーナー
◆◇◆◇ かんたん側溝 ◇◆◇◆
こんにちは。ライオン通信のレオちゃんです
弊社自慢の製品『かんたん側溝』は、お陰さまで発売以来多くの現場でご使用いただています。
現場によっては様々な条件がありますが、弊社ではそんな現場にも特注製品として数多く対応してきました。
今 回 は 、 こ れ ま で 2007 年 度 ~ 2009 年 度 の 3 期 に 亘 り 延 べ 1 .2 k m 鳥 取 市 街 地 で 施 工 さ れ て い る
『かんたん側溝』をご紹介します。
製品断面図
片面グレーチングタイプ
縁石 h=200 タイプ
h=150 タイプ
h=100 タイプ
(現状復旧した市街地)
乗入タイプ
旧市街地での下水道改良工事の付帯工事として側溝の改修工
事が計画されましたが、現場周辺は民家や店舗が軒を連ね歩
◆ 製 品 に関 するお問 い合 わせ☆
資料請求は
直 通 電 話 :0858-73-0500
までお気軽にどうぞ!
FAX : 0858-73-0535
E-mail : [email protected]
車道境界は、現場打ち・二次製品・乗り入れ部ありと縁石の
高さはマチマチでした。
現状に合わせ全ての箇所をコンクリート製品で復旧するのは
困難な状況でしたが、かんたん側溝の縁石一体蓋タイプで縁
石 部 の 高 さ を 50mm・ 100mm・ 150mm・ 200mm の 4 タ
イプの製品を提案し採用されました。
◆ ◇ ◆ 編集後記 ◆ ◇ ◆
今月も鳥取地区の生コン価格について書きました。積算価格はその地区における『最頻値』とのことですが、
生コン組合では更にきめ細かい調査を行なっていただくようお願いしました。
それにしても全国で価格に大きなばらつきがありますが、それほど原価に違いがあるとは思えません。仕事量の減少に伴
った、同業者間の過当廉売の結果下がっているのです。
大分の5,900円をはじめ異常値です。一日も早くこのような事態が解消されることを願っています。(山根)
<URL>http://www.kooge.jp/
4
<e-mail>[email protected]
Fly UP