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週間新潮が実名報道に踏み切った 週間新潮が実名報道に踏み切った

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週間新潮が実名報道に踏み切った 週間新潮が実名報道に踏み切った
週間新潮が実名報道に踏み切った
JJ1SXA/池
3 月 5 日発売の「週刊新潮」(新潮社)が、2015 年 2 月 20 日に発生した中 1 男子
殺害事件を報じる記事中で、逮捕された 3 人の少年のうち、主犯格と見られる 18 歳の
少年の実名と顔写真を掲載している。
同誌は昨年 12 月に愛知県名古屋市で 77 歳の女性が殺害された事件の報道にお
いても、逮捕された 19 歳の女子大学生の実名と顔写真を掲載し、議論を呼んだ。
「週刊新潮」はなぜ少年法が禁じている少年犯罪の実名・写真報道に踏み切った
のか、同誌は『「少年法」と「実名・写真」報道に関する考察』という別の特集記事にて、
実名報道に関する賛成反対それぞれの立場の識者の意見を掲載している。
「週刊新潮」酒井逸史編集長は、「今回の事件の残虐性と社会に与えた影響の大
きさ、そして主犯格とされる 18 歳の少年の経歴などを総合的に勘案し、実名と顔写真
を報道しました」と語る。
実名報道の判例を見ると、1998 年発生の「堺市通り魔事件」では、「新潮 45」(98 年
3 月号)が、少年の実名と顔写真を掲載、原告少年は、プライバシー侵害として損害
賠償を求める訴訟を提起した。
大阪地裁は,事件の重大性や社会的関心をもってしても、原告の氏名などを公表
されない利益を上回るような特段の必要性があったとは思われないとして,出版社等
に慰藉料 200 万円,弁護士費用 50 万円の損害賠償を命じた(大阪地裁判決 1999
年 6 月 9 日)が、大阪高裁が「少年法 61 条を尊重しつつも,少なくとも凶悪重大な事
件において現行犯逮捕されたような場合には、社会の正当な関心事であり、実名報
道も是認される」とし一審判決を取り消した(大阪高裁判決 2000 年 2 月 29 日)
また、実名報道では無く仮名での報道であった、1994 年 9 月発生の「長良川リンチ
殺人事件」で,「週刊文春」は被害者の親たちの思いと法廷傍聴記を掲載するにあた
って、仮名を用いて犯行の模様を記述した、これに対して原告少年の提起した損害
賠償訴訟において、名古屋地裁、同高裁ともほぼ同趣旨の理由をもって、「週刊文
春」側に損害賠償を命じたが、2000 年に、最高裁が「実名と類似する仮名で経歴等
が記載されているが、特定する事項の記載はなく、面識のない不特定多数の一般人
が推知することはできないから、少年法 61 条には違反しない」と判示、審理のやり直
しを命じ、これを受けた名古屋高裁が原告の請求を棄却する形で決着した(名古屋
高裁判決 2004 年 5 月 12 日)
いずれも、凶悪犯罪の加害者が、実名報道、仮名でも本人と分かるので実名報道
と同じとし少年法違反であるとして、出版社側に名誉毀損による損害賠償を求めた事
件だ、確かに少年法第 61 条の少年の基本的人権を保護する規定は無視してはいけ
ないが、これだけの凶悪犯罪を犯した者に名誉などあるのかは疑問だ、本当に更生
できるのかも疑問だ、凶悪犯罪を犯した加害者の人権をそれほどにして守らなければ
いけないか、疑問符のつくところだ。
被害者の人権はどうするのだ、死亡した被害者は少年であっても全て実名報道さ
れ、プライバシーに関しても全てオープンに開示される、被害者遺族の感情をどう考
えるかだ、少年法の見直しは必要だろう、今正に選挙権を 18 歳以上に認める議論と
共に民法改正も視野に入れている、同時に考えても良いのでは無かろうか?
また、現行の少年法でも16歳以上の未成年が、故意に人を死なせた疑いがある場
合は、原則として検察官送致され大人同様に起訴されることもあるようだが、凶悪犯罪
は低年齢層にも広がっている、この辺も見直しが必要では無かろうか?
親の連座制も考えても良いでしょう、2003 年の中 1 少年による4歳男児誘拐殺人事
件に関し、残虐さと、事後の親の対応の悪さに、某大臣が「親は市中引き回しで打ち
首に」と発言をしたが、被害者遺族は当然のこと、是認できる人達が多かった。
なお、「長良川リンチ殺人事件」では、犯行が余りにも残虐だということで 3 人の少
年に死刑判決が確定して、実名報道がなされている。
1審では、一人死刑、二人に無期懲役だったが、被害者遺族から非難の声が上が
った、結局最高裁で三人とも死刑判決が下ったが、裁判の初期において、加害者被
告には全く反省が見られず、「俺は少年だから死刑にはならない」と嘯いていたが、死
刑判決が出ると、一転遺族に謝罪の手紙を書いている、弁護士の指示だろうが、遺族
は受け入れなかった、当然だろう、非道残虐な殺人を繰り返しておきながら、いざとな
ると自分の命は惜しいようだが、事件の内容を知ると、通常の死刑だけでは済まない
ような気がするが、現行ではこれ以上の刑は無い。
死刑廃止論者も結構いるが、愛する自分の肉親が残虐な殺され方をしても、死刑
廃止を主張できるのだろうか?
今度の上村少年殺害の主犯の親は、早々にうちの子は関係無いと言い、警察署
への出頭には弁護士をつけている、こんな親には連座制の適用は視野に入れても良
いのではと思う、
こんな残虐な行動をする人間が更生できるとは思えないが、死刑で無ければ、数
年の内に一般社会へ戻ってきて、名前を変えて、そ知らぬ顔でのうのうと生きるのだ、
被害者遺族にとってはたまらない結末だろう、依頼を受けた弁護士は、社会正義を優
先するより金のためだけに減刑に動くだろうと予測する、また裁判官はどのような判断
を下すか見守りたい。
過去に、殺人を犯し、少年法に守られた加害少年が、その後弁護士になったが、
更生したと思うのは早とちり、賠償金は払わず、その後被害者の母親との面談で罵倒
したとの実話がある、本当に少年法はこのままで良いか?
(7,Mar,2015 記)
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