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AutoCAD Map 3Dで JRグループ初の設備管理システムを構築
AutoCAD Map 3D 活用事例 AutoCAD Map 3Dで JRグループ初の設備管理システムを構築 旧国鉄が分割・民営化されて生まれた6つの地域鉄道会社のうち、九州エリアの鉄道事 業を引き継いだのが九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)だ。同社では、他社に先駆 けて鉄道事業の工務部門を横断する設備管理システムを構築した。そこでは、さまざま な種類の図面データを共有するために、AutoCAD Map 3Dが大きな力を発揮した。 業務横断的な鉄道設備管理システムを実現 JR九州は、他のJR各社と同様に支社等に関しては鉄道事業部制をとっており、鉄道事業本部の 下に9つの部が連なっている。そのうち図面を使うのは、主に電気部および施設部の工事事務所 と現業機関である。これらの箇所では、業務部門を横断する設備管理システムの構築によって、 設備台帳や検査の履歴などのデータが一元管理されるとともに、AutoCAD Map 3Dを利用し それぞれの業務で作成される独自の図面データを相互に参照したり、変更・修正を施したりする ことができるようになった。さらに設計会社や工事会社など協力会社との図面データの受け渡し 形式を統一(作図基準を策成)し、設計から工事、管理に至る一連のプロセスを通じたスムーズな データ流通が可能になっている。 数万枚の図面データをDXFにコンバート JR九州の電気部システム課が中心になって在来線の設備管理システムの構築に着手したのは 2004年のことだ。 「在来線の設備管理システムは、多岐にわたる業務要件の実現と新幹線設備管理システム(04年 3月に使用開始)で採用したシステム技術の融合による、新たなシステムの構築を目指してスタート したんです。このシステム構築は、新幹線開業後の04年8月から着手し、06年の4月にカットオー バーしました」 (九州旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 電気部 システム課 主査 藤松弘行氏) システムの構築において懸案であった図面管理に関しては具体的には、各部門でバラバラだった CADおよび図面データを共通化することによって進められた。最も大変な作業は、既存の図面デー タのコンバートだった。異なる形式のデータをCADの標準フォーマットであるDXFに変換するだけ でなく、さらにシンボルなど図面内容の共通化をも行わなければならなかったからである。またコン バート対象の図面も大量で、たとえば電気部門の電力業務だけで3千枚、信号通信業務の場合には 1万枚を超える。各業務の対象図面のコンバートが完了するまでには、1年以上を要したという。 各部門共通のCADとして選ばれたのは、AutoCAD Map 3D。オートデスクの製品を選定した 理由は、CADのスタンダードであり、すでに設計・工事の協力会社との図面データ授受において AutoCADを利用していたことと、2004年に使用開始した新幹線設備管理システムで導入実績 があったことが大きかった。ただ、AutoCADではなくAutoCAD Map 3Dを選択したのは、 図面の作成機能が優れているというだけではなく、マルチユーザ編集機能を搭載していることと 将来構想の1つとしてGISとの連携が容易であることなどに着目したからだった。 AutoCAD Map 3D 活用事例 統合システムに向け AutoCAD Map 3Dを採用 工事用「電車線路平面図(1/500)」 部外提出用「単線結線図」 鉄道地上設備(駅構内) 導入製品/ソリューション ● 「将来的には図面管理を一元化し、土木系の 図面をベースにして各業務の図面を重ね合 わせながら随時更新できるシステムを作り たいんです。そして、共通の図面の一部を大 きく切り出して設備の工事図面を描いたり、 そ れを 戻して 保 守 の た め の 最 新 の 図 面を 作ったり、といったことができるようにして い き た い 。そ の プ ラット ホ ー ム とし て 、 AutoCAD Map 3Dを採用したわけです」 (JR九州システムソリューションズ株式会社 JRシステム部 マネージャー 重松勉氏) AutoCAD Map 3Dは、社内のおよそ200 台のPCに導入された。同時にシステム課で は、各箇所の社員が無理なくシステムを使え るようにするために、AutoCAD Map 3D の機能やインタフェースをカスタマイズし、 最新の機能をいかしながらも従来のCADと 変わらない簡易な操作性を実現した。 AutoCAD Map 3D 導入目的 ● 業務横断的な設備管理システムの構築 導入ポイント 高速な作図能力 GISとの強力な連携 ● マルチユーザ編集機能の搭載 ● ● 導入効果 ● 業務毎の独自性を保持した図面データの 共有を実現 今後の展開 ● 図面データの統合と3次元設計の実現 将来は3次元の ライフサイクルマネジメントを目指す こうして、JRグループで初めて電気部門と施 設部門のシステムを統合した設備管理シス テムが実現した。 「これまでバグはほとんどないし、操作性も 問題ない。利用者からも、CADを簡易に使え る環境が広がって助かっているという声を聞 きます」 (九州旅客鉄道株式会社 鉄道事業 本部 電気部 システム課 主席 稲富正浩氏) 今後のシステム拡充においては、やはり土木 系の図面から電気や設備系の図面へのタテ の整合性と、工事図面から管理図面へのヨコ の整合性とをそれぞれ確保していくことがポ イントになるという。ここにおいても、オート デ スクの 3 次 元 設 計 技 術 に 対 す る 期 待 は 大きい。 「いずれはライフサイクルを一貫して3次元 でやりたいですね。そのために、AutoCAD Map 3DとAutoCAD Civil 3Dを組み合 せて利用することも提案していきたいと思っ ています」 (重松氏) 会社概要 本社所在地:福岡市博多区博多駅前 3丁目25番21号 設 立:昭和62年4月1日 資 本 金:160億円 社 員 数:9,030人(平成18年4月1日現在) 代表取締役社長:石原 進 オートデスク株式会社 www.autodesk.co.jp 〒104-6024 東京都中央区晴海1-8-10 晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーX 24F 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 新大阪MTビル2号館3F TEL : 0570-064-787(オートデスク インフォメーション センター) ※Autodesk、AutoCAD、Civil 3Dは、米国Autodesk,Inc.の米国およびその他の国における商標または登録 商標です。その他記載の会社名、ブランド名および商品名は各社の商標または登録商標です。 ※記載事項は、予告なく変更することがございます。予めご了承ください。 © 2007 Autodesk, Inc. All rights reserved. GEO105-0706(B)