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厚生年金・国民年金の積立金運用について
第 18回社会保障
審議会年金部会
平成25年12月18日
参考
資料2
第14 回社会保障審議会年金部会年金財政における
経済前提と積立金運用のあり方に関す る専門委員会 資料2-3
平
成
2
5
年
1
2
月
4
日
<運用の基本的考え方>
◇ 年金積立金は、将来の年金給付の貴重な財源であり、専ら被保険者の利益のために運用する
こととされている。
◇ 厚生年金保険法及び国民年金法等に基づき、長期的な観点から、安全かつ効率的に運用。
◇ 「国内債券中心」、「インデックス運用を中心」、「ポートフォリオ全体のリスクを抑制(分散投資)」
<運用の仕組み>
などの考え方により、運用。
年金制度の設計
年金財政の検証
・ 年金積立金全体 約126兆円(平成24年度末)
※ GPIFが管理・運用する直近の資産額は約120兆円(平成24年度末)
・ 賃金に対する実質的な運用利回りの確保。
評価委員会
中期目標
・ 専門性の徹底及び責任の明確化を図り、運用に特化した独立行政法人
において運用。
改善措置要求
人事権
実績評価
<基本ポートフォリオ>
国
内
債
券
60
%
※平成25年6月7日変更
国
内
株
式
12
%
外
国
債
券
11
%
外
国
株
式
12
%
短
期
資
産
5
%
※ 変更前の構成割合は、国内債券67%、国内株式11%、外国債券8%、
外国株式9%、短期資産5%
運用委員会
金融・経済等の専門家
審議
理事長
株式等の投資割合決定
○運用受託機関の管理
○インハウス運用の実施
<年金積立金全体の運用実績>
13年度(自主運用開始)~24年度の累積収益額 : 約36兆円
※ 名目賃金上昇率を約2.8%上回り、財政検証上の前提を上回っている。
厚
生
労
働
大
臣
年
金
積
立
金
管
理
運
用
独
立
行
政
法
人
(運用受託機関)信託銀行・投資顧問会社
1
積立金運用のリスク・リターンについて
<リスク・リターンの考え方>
◇ 年金積立金の運用は、年金事業の運営の安定化が目的。必要な利回りをより小さいリスクで長期的
に確保することが基本となっている。
◇ 年金給付費は、基本的に名目賃金上昇率に連動して増減するため、これに対応した実質的な運用
利回り(名目運用利回り-名目賃金上昇率)の確保を目指すことが必要。
※ 「年金積立金の運用の基本方針に関する検討会報告(平成12年)」等による
・ 第1期中期目標期間(平成18年4月~平成22年3月)においては、定量的目標を提示。
年金積立金管理運用独立行政法人 第1期中期目標(抜粋)
第5 その他業務運営に関する重要事項
1.年金積立金の管理及び運用の基本的な方針
(2)運用の目標
①実質的な運用収益の確保
年金財政は、実質的な運用利回り(賃金上昇率を上回る運用利回り)が確保される
限り基本的には影響を受けないことから、年金財政上の諸前提(別添)における実質的
な運用利回りを確保するよう、長期的に維持すべき資産構成割合(以下「ポートフォリ
オ」という。)を定め、これに基づき管理を行うこと。
※ (別添) 物価上昇率 長期(平成21年以降)1.0% 賃金上昇率 長期(平成21年度以降)2.1%(実質1.1%)
運用利回り 長期(平成21年度以降)3.2%(実質的な運用利回り 1.1%)
2
・ 第2期中期目標期間(平成22年4月~平成27年3月)においては、年金の抜本的改正等を予定したため、
定量的目標は示さず、定性的目標を提示。このため、「国内債券並みのリスク」で、効率的な基本ポート
フォリオを策定。
年金積立金管理運用独立行政法人 第2期中期目標(抜粋)
第2 年金積立金の管理及び運用に関する主要な事項
2.運用の目標、リスク管理及び運用手法
(1)運用の目標
今後年金制度の抜本的な見直しを予定しているとともに、年金積立金管理運用独立
行政法人の運営の在り方について検討を進めていることから、この運用目標は、暫定
的なものであることに留意し、安全・効率的かつ確実を旨とした資産構成割合(以下
「ポートフォリオ」という。)を定め、これに基づき管理を行うこと。その際、市場に急激な
影響を与えないこと。
※ (年金財政上の経済前提)
物価上昇率 長期(平成32年以降)1.0% 賃金上昇率 長期(平成32年度以降)2.5%(実質1.5%)
運用利回り 長期(平成32年度以降)4.1%(実質的な運用利回り 1.6%)
3
運用利回り設定と年金財政上のリスクの考え方
1.運用利回りについては、「名目長期金利+分散投資効果」で設定
○ 分散投資効果とは、国内債券だけでなく、国内株式や外国資産など他の資産を含め投資した際に得られる期待リ
ターンの増分の最大値。
2.年金財政上のリスクについては、シミュレーションALMにより検証
※ ALMの手法として、サープラスALM、マッチングALM(LDIを含む)、シミュレーションALM、がある。
○ GPIFにおいては、今年6月の基本ポートフォリオの見直しの際に、
① 2038年度末の予定積立金の分布(バリューアットリスク、VaR)
② 2038年度末の予定積立金が、財政検証上の2038年度末の積立金を下回るときの不足額の平均値(コンディ
ショナルバリューアットリスク、C-VaR)
について、モンテカルロシミュレーションにより確認している。
○ フォワードルッキングな検証という観点から、リスクシナリオとして長期金利が急上昇した場合の、
① 2038年度末の予定積立金の分布(バリューアットリスク、VaR)
② 予定積立金が財政検証上の2038年度末の積立金を下回るときの不足額の平均値(コンディショナルバリュー
アットリスク、C-VaR)
について、モンテカルロシミュレーションにより確認している。
※ また、国内債券の平均残存年限の長期化することによるリスクの増大を考慮するなど、フォワードルッキン
グなリスク分析を行っている。
3.確たる根拠がある場合は、超過収益を追求
○ 必要な運用利回りを最小のリスクで確保することを基本としているが、運用実績を勘案し、適切に確たる根拠を説
明できる場合はアクティブリスクをとることも可能。
4
海外の主な年金積立金等の運用目標とリスク許容度
名
称
運用目標
・
リスク許容度
資産残高
米国(連邦)
カナダ
韓国
社会保障信託基金
(The Social Security Trust Funds)
カナダ年金プラン投資理事会
(CPPIB)
国民年金基金
連邦政府による私企業への政
治介入の懸念から、一般企業の
株式・債券への投資は禁止さ
れ、現行、全額、いつでも額面で
償還できる特別の非市場性国債
で運用されている。
この国債の利回りは、国債の
市場利回りに連動して決定され
ており、結果的に、国債なみのリ
ターンで国債以下のリスク特性と
なっている。
【運用目標】
○CPPIB法上、「過度の損失のリ
スクを伴うことなく、CPPの積立に
影響を及ぼす可能性のある要因お
よびCPPがいかなる日もその財政
上の義務を遂行しなければならな
いことを考慮しつつ、最大限のリ
ターン達成を目的として資産を投資
すること」
○実質的には、年金財政検証時
の想定運用利回り4.0%( インフレ
控除後の実質運用利回り)が目標
【運用目標】
○「基金の長期的な安定性を達成
するために、基金の価値を維持し
増進すること」が目標。
○ 名目経済成長率+α (長期の
目標)
○基本ポートフォリオは、保健福祉
大臣の下の審議会で設定される。
フランス
スウェーデン
ノルウェー
フランス年金積立基金
AP1基金
(FRR)
(AP1)
政府年金基金-グローバル
(GPFG)
【運用目標】
○ 年金の持続可能性を高めるた
め、国有企業の売却益等を原資と
して、2011-2024年まで年金財政
に外生的に毎年、定額(原則20億
ユーロ)拠出することが目標(この
ため、本体は賦課方式であるが、L
DIを採用。)。
【運用目標】
○ AP基金法上、「所得比例の高
齢年金のための保険の利益を最
大化する手段で基金の資金を運用
しなければならない。基金投資に
おける全リスクレベルは、低いもの
でなければならない。基金資金
は、選択されたリスクレベルで、長
期的に高い利益を達成できるよう
【リスク許容度】
【リスク許容度】
設定されなければならない。」と規
○ 「5年間の累積リターンが累積 ○ LDIであり、債券等で定額拠出 定。
インフレ率を下回る確率を10%未 債務の8割以上をヘッジ。
満に抑える」とのリスク許容度が設
○ 年金庁は、メインシナリオで
【リスク許容度】
定されている。
は、5~6%の運用利回りを想定し
○ CPPIB法上の「過度の損失の
ており(2012年)、これを参考に、
リスク」は定量化されていない。
○基本ポートフォリオの下、リスク
年金収支のバランスの観点から、5
○ CPPIB内部で、基準ポートフォ バジェッティングの手法等で実際の
年で名目5.5%の運用利回りを設
リオと実際のポートフォリオとの間 ポートフォリオを管理している。
定
に一定のリスク許容度が設定され
ている(価値付加アクティブマネイ
【リスク許容度】
ジメント)。
○ 定量的な設定はされていな
い。
約236兆円
約17兆円
約32兆円
約4兆円
約3兆円
約67兆円
(平成25年3月末)
(平成24年12月末)
(平成24年12月末)
(平成24年12月末)
(平成25年3月末)
債券, 30%
債券, 35%
債券, 60%
債券, 59%
債券, 100%
株式, 50%
株式, 65%
株式, 60%
株式, 30%
オルタナティブ
10%
※ 各基金のHP等の
数値を基に算出
(25年3月末時点)
【リスク許容度】
○ 「穏健なリスク」について定量的
には定められていない。
○ 財務大臣が乖離許容幅、マー
ケットリスクの許容度等を与えてお
り、NBIMは、更に、債券、株式に
ついて、投資環境等を踏まえた運
用参照ポートフォリオを作成してい
る。
(平成24年12月末)
債券, 35%
基本(参照)
ポートフォリオ
【運用目標】
○ 穏健なリスクの下での国際購
買力の最大化の追求が運用方針
とされており、実質的には4.0%が
長期の運用目標。 財務大臣
が基準ポートフォリオを示し、ノル
ウェー銀行投資マネイジメント部
(NBIM)が運用。
株式, 29%
コモディティ、
不動産等 12%
ヘッジファンド、
不動産等 20%
ヘッジファンド、
不動産等 5%
※債券は35~40%
不動産,ヘッジファンド等は~5%
(実績の資産構成割合)
5
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