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マルチ共振モードとマイクロ波発振器等への展開
マルチ共振モードとマイクロ波発振器等への展開 −共振電磁波動場の高次高調波 Push-Push 発振器への応用−㻃 Multifunctional Microwave Oscillators Exploiting High-Order Mode Resonance and Coupling 相川正義 田中高行 西山英輔 Masayoshi AIKAWA, Takayuki TANAKA and Eisuke NISHIYAMA 佐賀大学 Saga University 〒840-8502 佐賀市本庄町 1Ở 1 Honjyo-machi, Saga-shi,840-8502 Japan Abstract: This paper presents the basic technical concept for the higher order harmonic push-push oscillators in microwave and millimeter wave bands. The push-push oscillators described here can be easily achieved by the constructive use of harmonic resonant fields and their mutual coupling on microwave resonators. The crucial technical point is very extensive use of the coherent electromagnetic fields including the higher order harmonics. 1. はじめに ユビキタス社会の多様なサービスの進展に伴っ ントは、発振器の構成要素である共振器について、 て 、マ イ ク ロ 波・ミ リ 波 帯 を 中 心 と す る 高 周 波 帯 装 その共振電磁波動場を徹底して活用することにあ 置 は そ の 高 性 能・高 機 能 化 お よ び 経 済 化 が ま す ま す る 。 そ の 結 果 、 極 め て 簡 易 な Push-Push 発 振 器 を 求 め ら れ て つ つ あ る 。そ の 基 盤 と な る マ イ ク ロ 波 集 実 現 す る と 共 に 、従 来 の 第 2 次 高 調 波 発 振 に 限 ら ず 、 積 回 路 技 術 、 RF モ ジ ュ ー ル 技 術 さ ら に は 高 周 波 実 第4次高調波さらには第8次高調波に至る高次高 装 技 術 等 は 、関 連 す る 製 造 技 術 や 材 料 技 術 と 共 に 着 調波発振によってその大幅な高周波化を目指す試 実 に 進 展 し て き た 。一 方 、ミ リ 波 帯 を 中 心 と し た よ み で あ る 。そ れ ら を 実 現 す る た め の 基 本 的 考 え 方 は 、 り 高 い 周 波 帯 領 域 で は 、そ れ ら の 性 能 向 上 や 機 能 開 共振電磁波動場の電磁界分布を最大限に活用する 拓および経済化に関する進展は比較的緩やかであ こ と に あ る [ 1][ 2][ 3]。 こ れ は ア ン テ ナ 系 等 も る 。特 に ミ リ 波 帯 に お け る 市 場 ニ ー ズ や 高 周 波 で あ 含めた各種高周波帯ハードウェア技術の飛躍向上 る が 故 の デ バ イ ス 性 能 や 製 造 技 術 の 制 約 、高 周 波 帯 とその経済化を指向する一つの開発アプローチと 実装や評価測定に関わる量産性等の諸課題を抱え 位置づけてもよい。 ており、その応用分野は今なお限定的である。 本 講 で は 、上 記 の 動 向 を 踏 ま え て 、高 周 波 装 置 の 本 稿 の 主 題 で あ る 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 構 成 の 基 盤 と な る「 マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 」と 呼 ぶ 中心的な機能回路である高周波発振器について一 基本コンセプトについて、先ず第2節で概説する。 つ の 開 発 ア プ ロ ー チ を 提 起 す る 。マ イ ク ロ 波 ミ リ 波 引き続いて、第3節では本講の主テーマである 帯 発 振 器 の 技 術 開 発 に 関 し て は 、こ れ ま で 数 多 く の Push-Push 発 振 器 の 基 礎 と 特 徴[ 4] [ 7]、お よ 学 術 論 文 が 発 表 さ れ 、さ ら に 関 連 の 技 術 文 献 も 多 数 び「 マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 」の 基 本 コ ン セ プ ト に 基 出 版 さ れ て き た 。こ こ で は 、や や 視 点 を 変 え た マ イ づ い た Push-Push 発 振 器 の 構 成 事 例 を 示 す 。 そ し ク ロ 波 ミ リ 波 発 振 器 の 構 成 法 を 概 説 す る 。そ の ポ イ て 第 4 節 で は 第 4 次 高 調 波 発 振 を 含 む Push-Push 発振器の実施事例を紹介する。最後の第5節では、 0123$45$bcT)!d 私見を交えて、当該技術の展望の一端を述べる。 [\K2LefKALM ghijklmn!/o6pq 2.「 マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 」 の 大 要 本 節 で は 、「 マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 」 と 呼 ぶ 基 本 !"#$%& コンセプトおよびその電磁波動場形成とその活用 !'($)* !'+,* !'-."#&!/ ポ イ ン ト に つ い て 概 説 す る [ 1][ 2][ 3]。 図1に、この「マイクロ波一体複合化」の概要を示して いる。ここでは、各種の高周波導波路、共振器さらには各 種のアンテナなど、伝送導波路姿態、共振波動場および放 !!!0123$45$"#$%&6789:;<=>? !0123$@ABCDAE6FGHIJ 射電磁界等の様々な電磁波動場の舞台となるコンポーネン 0123$($);KALM;NO;P(GQR1S T)UVWAE;XYXZ;[\]^_`!/a トを「広義のマイクロ波回路」と呼ぶ。この「広義のマイ クロ波回路」に加えて、各種 IC や半導体素子、各種の部品 材料さらには MEMS 等を含めた各種パーツも包含してここ では「マイクロ波コンポーネント」と称する。この「マイ クロ波コンポーネント」を一体複合化することによって、 目的とする機能や性能の実現に必要な電磁波動場を形成す る。これらの構造とその製造はモノリシック半導体工程、 ハイブリッド工程あるいは両者の組み合わせのいずれでも よく、また、共振器等の「広義のマイクロ波回路」を含む マイクロ波コンポーネントが、共に一体となって電磁波動 図 1. 「 マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 」 の 概 要 こ の 基 本 コ ン セ プ ト の 主 要 な 狙 い は 、「 マ イ ク ロ 波電磁波動場」の特徴を積極的に活用すると共に、 そ の RF 信 号 の 直 接 処 理 に よ る 装 置 の 簡 易 化 と 経 済 化 に あ る 。目 的 と す る 機 能 の 実 現 あ る い は 性 能 を 向 上するための電磁波動場は以下の3種に大別でき る。 場の境界条件を形成する。その電磁波動場を最大限に活用 ( 1) 形 成 し た 電 磁 波 動 場 の 電 磁 界 分 布 の 特 徴 することによって、マイクロ波・ミリ波帯ハードウェアの を 直 接 活 用 す る か 、あ る い は 電 磁 場 自 体 を 高機能化・高性能化さらには簡易経済化を目指すものであ 直接信号処理する。 る。 こ こ で は 、マ イ ク ロ 波 帯 電 磁 波 動 場 の 時 間 軸 、空 ( 2) マ イ ク ロ 波 コ ン ポ ー ネ ン ト の 一 体 複 合 化 間軸および周波数軸における良好なコヒーレント に よ る 電 磁 境 界 条 件 を 可 変 化 し て 、そ の 電 性 に 着 目 す る 。特 に 、そ の ハ ー ド ウ ェ ア 構 築 の 観 点 磁波動場を電子的にコントロールして利 か ら 見 る と 、マ イ ク ロ 波 ミ リ 波 帯 は 手 ご ろ な 波 長 サ 用する。 イ ズ で あ る た め に 、そ の 波 動 場 の 形 成 と そ の 信 号 処 理も比較的容易である。それに加えて、図 1 に示 す「 マ イ ク ロ 波 コ ン ポ ー ネ ン ト 」の 多 様 な 組 み 合 わ せ に よ っ て 、所 望 の 電 磁 波 動 場 は 自 在 に 形 成 す る こ と が で き る と 共 に 、そ の 電 磁 境 界 条 件 の 可 変 制 御 に よって波動場の電子的コントロールも容易となる。 そ の 結 果 、 所 謂 、 Reconfigurable な 高 周 波 ハ ー ド ウ ェ ア の 実 現 も 比 較 的 容 易 と な る 。従 っ て 、そ の 電 磁 波 動 場 の 利 用 や 制 御 に お い て 、マ イ ク ロ 波 ミ リ 波 帯は本アプローチに対して適合性の高い周波数帯 であると言える。 ( 3) 形 成 し た 電 磁 波 動 場 を 介 し て 、各 コ ン ポ ー ネ ン ト や IC 等 の 間 の 相 互 同 期 や 相 互 結 合 等を活用する。 本 講 で 後 述 す る 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 は 、 複数負性抵抗素子による共振波動場の相互位相同 期 励 振 で あ る と 捉 え れ ば 上 記 ( 3) の 範 疇 で あ り 、 同 時 に 発 振 出 力 部 で は 範 疇 ( 1) と 位 置 づ け ら れ る 。 主 な 電 磁 波 動 場 と し て 各 種 導 波 路 系 、共 振 回 路 系 お よ び 放 射 電 磁 場 系 の 3 つ に つ い て 、そ れ ぞ れ の 具 体的な活用事例を表 1 示す。 表 1. 「 マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 」 に よ る 電 磁 波 動 場 の 活用事例 "<92=' !"#$%&' (((( 56789( :;789 放射電磁場やアンテナ系の具体的な実施事例は 文 献 [ 9] ~[ 12] 等 に 報 告 さ れ て い る 。 )*+,"-./01234 >?$%@ABCDE>?$%FGHIHJKL"0M NO$%P#/01CDEQO2LR0M(S 3. Pus h-Push 発 振 器 へ の 展 開 TU56FVW"XY2Z[\G]^ 3.1 Push-Push 発 振 器 の 構 成 と 特 徴 _`56@AB2>?^FVa@ABXbP=c0(S ( defgFhi-./01CDEQOjkdefg QOdlAdefg2mnAmo7Fpq^rstu(S マ イ ク ロ 波 ミ リ 波 帯 の 高 周 波 帯 発 振 器 は 、各 種 ワ イヤレス送受信装置のコアとなる機能回路であり、 装 置 の 性 能 や コ ス ト を 左 右 す る 。高 周 波 発 振 回 路 技 表 1 の 中 の 導 波 路 伝 送 系 で は 、例 え ば マ イ ク ロ ス 術 は 、多 年 に わ た っ て 多 様 な 研 究 開 発 が 行 わ れ て き トリップラインとスロットラインの異種線路の一 て お り 、言 う ま で も な く 様 々 な 分 野 で 実 用 に 供 さ れ 体 複 合 化 に よ っ て 、極 め て 容 易 に 広 帯 域 な 4 ポ ー ト て い る 。こ こ で は 、前 述 の マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 の 分岐合成回路が実現できる。図 2 は、その同相逆 特 徴 を 積 極 的 に 活 用 す る Push-Push 発 振 器 に つ い 相 分 岐 合 成 回 路 で あ り 、 一 種 の 180 度 ハ イ ブ リ ッ て 解 説 す る 。 Push-Push 発 振 器 は 一 般 に 2 つ の 発 ド回路でもある。この分岐合成回路のポイントは、 振 ユ ニ ッ ト と 同 相 合 成 回 路 か ら 構 成 さ れ る[ 4] スロットラインの平衡伝送姿態とマイクロストリ [ 7]。 図 3 に そ の 基 本 構 成 を 示 す が 、 同 図 (a)は ップラインの不平衡伝送姿態の特徴を活かした一 1 つ の 共 通 共 振 器 で 構 成 す る 場 合 で あ り 、そ の 共 振 体 複 合 化 に よ っ て 実 現 し て い る 。回 路 構 造 は 至 っ て 器を介して互いに逆相の発振出力を同相合成回路 単 純 で は あ る が 、広 帯 域 な 周 波 数 特 性 で あ る 。こ の によって合成して所望の第2次高調波を取り出す 180 度 ハ イ ブ リ ッ ド 回 路 は 、 本 講 で は 第 3 節 で 紹 回 路 で あ る 。 図 3(b)の 構 成 で は 、 2 つ の 発 振 ユ ニ 介 す る 正 帰 還 Push-Push 発 振 器 ( 図 8 ) の 中 で 中 ッ ト は そ れ ぞ れ の 共 振 器 を 持 つ と 共 に 、そ れ ら の 対 心 的 な 構 成 要 素 で あ る [ 8]。 称 面 に 仮 想 ヌ ル 面( Virtual ground)を 設 け る こ と 表1中の共振電磁場は、次の第 3 節で紹介する に よ っ て 互 い に 逆 相 の Odd-Mode 発 振 さ せ 、(a)と 様 に 、 本 講 テ ー マ の Push-Push 発 振 器 構 成 の 主 役 同じく同相合成回路を介して第2高調波を得る回 として積極的に活用する。 路 で あ る 。こ の 様 な 構 成 で あ る か ら 、次 の 式 (1),(2) !"#$%( で 示 す 様 に 、一 般 に 偶 数 次 の 高 調 波 発 振 出 力 を 得 る ことができる。 *+,7 78 !"#$%& 304#"5$#06%/012 !"#$%' V1 (t) = # an e jn" 0 t n V2 (t) = $ an e jn" 0 (t +#t ) n ./"$%/012 ! ! (1) こ こ で ω 0 △ t =π 、 即 ち 、 基 本 周 波 数 ω 0 =2π f 0 に お い て 互 い に 逆 相 の 発 振 に 設 定 す れ ば 、こ れ ら の 同 相合成出力は次式の偶数次の高調波周波数となる。 !"#$%) Vout (t) = (V1 (t) + V2 (t)) = b2e j 2" 0 t + b4 e j 4 " 0 t + L 7978%:#"55%524$0"1 (2) 図 2. 同 相 逆 相 分 岐 合 成 回 路 ( 180 度 ハ イ ブ リ ッ ド 回 路 ) ! ,-./ %#&'() ることなどである。 ;<=>? こ れ ら の Push-Push 発 振 器 の 特 徴 を よ り 顕 著 に ***********+ 発 揮 さ せ る こ と 、さ ら に は 課 題 で あ る 設 計 の 簡 易 化 ! ! "#$ ./ M ;@A>=>? :./ 728956 %#&'() お よ び 回 路 規 模 の 小 型 化 を 目 的 と し て 、前 述 の マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 の 考 え 方 に 基 づ い た Push-Push 発 振 器 の 基 本 的 構 成 法 を 次 の 3.2 節 で 概 説 す る 。 ;:=>? **********++ 3.2 0-./ =B?*CDE9FGHIJ Push-Push 発 振 器 の 構 成 法 ,-./ "#$ ./ %#&'() マイクロ波一体複合化において広義のマイクロ ;<=>? 波 回 路 の 一 種 で あ る 共 振 器 は 、共 振 波 動 場 を 形 成 す ***********+ る 場 と な る と 同 時 に 、発 振 器 に 不 可 欠 な 共 振 回 路 で ! 123456 ;@A>=>? :./ 728956 "#$ ./ %#&'() マイクロ波一体複合化技術に基づいた ;:=>? **********++ 0-./ =K?*CDE9FGHLJ 図 3. Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 も あ る 。本 講 で は マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 技 術 に 基 づ い た Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 を 概 説 す る 。 マ イ ク ロ 波 共 振 器 の 電 磁 波 動 場 は 、そ の 境 界 条 件 と寸法で決まる固有値とそれに対応する固有の共 振 電 磁 場 で あ る 。そ し て 一 般 に 空 間 軸 、時 間 軸 お よ び周波数軸において優れたコヒーレント性がある。 一 方 、 Push-Push 発 振 原 理 は 、 本 来 、 高 調 波 発 振 で あ る こ と か ら 、特 に 共 振 電 磁 波 動 場 の 優 れ た 時 空 Push-Push 発 振 器 の 主 な 特 徴 は 以 下 の 通 り で あ る 。 (1) 2次以上の偶数次高調波発振であるために、 半導体デバイスや共振器は低周波帯用を適 用することが出来ることから、特性上なら びに製作上も有利である。 間分 布を 積 極的 に活 用 する こと に よっ て Push-Push 発 振 の 特 徴 を さ ら に 大 幅 に 向 上 さ せ る と 共 に 、高 周 波 帯 発 振 器 の 諸 課 題 の 克 服 に も 有 効 と な る 。図 4 は 、以 上 の 考 え 方 に 基 づ い た Push-Push 発振器の基本構成の概念図である。 /012 (2) 上記(1)の特徴は、特にミリ波帯以上の 高周波帯発振に有効である。 (3) 複数デバイスの相互位相同期発振であるた めに位相雑音特性および発振出力特性にも 優れている。 (4) 不要周波数信号の抑圧特性も優れている。 ,-. %&3 4*. %&'()*+ !"#$ 図 4. 共 振 電 磁 波 動 場 を 活 用 す る 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 は 上 記 の 様 な 優 れ た 特 徴 を 有 Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 し て い る が 、技 術 課 題 と し て は 複 数 デ バ イ ス の 非 線 形設計が必要であり設計が比較的複雑になること、 即ち、マイクロ波一体複合化の考え方に基づいて、 さ ら に は 回 路 構 成 要 素 が 多 く な り 、そ の 結 果 、回 路 ここでは共振電磁波動場を発振器構成の主役とし 寸 法 あ る い は も IC チ ッ プ サ イ ズ が 比 較 的 大 き く な て 焦 点 を 当 て 、そ の 特 徴 を 積 極 的 に 活 用 す る こ と を 主 眼 と す る と 同 時 に 、 3.1 節 に 述 べ た Push-Push こ の 考 え 方 に 基 づ い た Push-Push 発 振 器 の 基 本 発 振 原 理 を 併 せ て 考 察 す る と 、思 考 の 流 れ と し て 自 構成事例を、図 6 然に以下の技術指針に帰結する。 発 振 周 波 数 (f 0 ) で 半 波 長 の 線 路 共 振 器 と 2 つ の 負 (a) 高 調 波 を 含 む 共 振 電 磁 波 動 場 は 、 時 空 間 軸 上 の同期性を活用することによって複数の負性 抵 抗 素 子 で 構 成 す る Push-Push 同 期 励 振 に よ く 適 合 し て い る 。 複 数 素 子 に よ る Push-Push 発振回路の構成は、高周波化、高出力化およ び低位相雑音化に有効である。 図 8 に 示 す 。 図 6 (a)は 、 基 本 性 抵 抗 回 路 か ら な る Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 で あ り 、従 来 の 回 路 構 成 か ら 大 幅 な 簡 易 化 を 実 現 し て い る [ 13]。 即 ち 、 同 図 (b) に 示 す 線 路 共 振 波 動 場の特徴を活用して、その中点 B を所望の第2次 高調波の出力ポイントとするだけの極めて簡易な 構造である。 (b) 共 振 電 磁 波 動 場 と 負 性 抵 抗 素 子 の イ ン タ ー フ 2nf0 ェースにおいては、共振波動場の高調波電磁 界分布を利用することによって高調波次数の A 選択機能を付与することができる。この特徴 は 、 所 望 次 数 の 高 調 波 Push-Push 発 振 の 実 現 に有効である。 (a) λg/2線路共振器を用いたPush-Push発振器 電圧 f0 振出力部においても有効である。即ち、発振 2f0 A 出力インターフェースにおいても、所望次数 きる。その結果、不要周波数成分を原理的に 抑圧しつつ、効率的に所望の発振周波数成分 を電力合成することができる。 複 数 素 子 に よ る 高 調 波 発 振 で あ る Push-Push 発 振 器の構成において、大変有効である。図 5 には、 これらの特徴と効用をまとめて示している。 6 J 3456 > :/K 7689 C (b) 共振器上の共振電圧分布 図 6. 半 波 長 線 路 共 振 器 を 用 い た Push-Push 発振器 こ の 様 に 、マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 の 特 徴 と 効 用 は 、 (&)* B 4f0 の高調波選択機能を持った出力回路が構成で 012 C λg/2@f0 負性抵抗 (c) 上 記 (a)、 (b) の 共 振 電 磁 波 動 場 の 特 徴 は 、 発 5 B ?0@2056 ?A(&BC ?DEFGH :/7;2<= 図 6(b)の 共 振 電 圧 分 布 か ら 明 ら か な 様 に 、 波 動 場 の出力インターフェース点 B は基本発振周波数 (f 0 )や 奇 数 次 高 調 波 に と っ て は ヌ ル 点 と な り 、本 構 成 で は 所 望 の 第 2 次 高 調 波 成 分 (2f 0 )を 主 な 発 振 出 力 と す る 偶 数 次 Push-Push 発 振 器 を 形 成 す る こ と ができる。 図 7 (a)は 、リ ン グ 共 振 器 を 用 い た Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 で あ り 、 同 図 (b)は 1 波 長 リ ン グ 共 振 器 上 の 電 磁 波 動 分 布 を 示 し て い る 。 同 図 (b)に 示 I < J +,-./ !"#$%!"#$ &'(&)* 012 34./ す線路共振器上の共振波動分布を活用して共振器 インターフェース点 B ならびに点 D を所望の第2 次 高 調 波 と 偶 数 次 高 調 波 の 出 力 ポ イ ン ト と す る 。こ 図 5. 共 振 電 磁 波 動 場 を 活 用 す る Push-Push 発振器の特徴と効用 の 回 路 の 発 振 動 作 は 、図 6 の 半 波 長 線 路 共 振 器 を 用 い た Push-Push 発 振 器 と 基 本 的 に 同 じ で あ る 。 !"#$ B 2nf0 A 12)3405 C 負性抵抗 D リング共振器 λg@f0 $6#$ 76#$ (a)リング共振器を用いたPush-Push発振器 電圧 ,*-.'/(.*0)&*"+ f0 A 2f0 %&'()&*"+ B C D A 4f0 (b)共振器上の共振電圧分布 図 7. リ ン グ 共 振 器 を 用 い た Push-Push 発 振 器 図 8. 正 帰 還 型 Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 図 8 は 、 正 帰 還 型 Push-Push 発 振 器 の 構 成 例 で あ る [ 8]。 こ れ は マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 技 術 に お 4f0 ける異種導波路の複合化による広帯域逆相分岐合 λg/8@f0 成 回 路( 図 2)を 出 力 部 に 用 い た も の で あ る 。図 中 A B C で 出 力 部 が 同 相 合 成 で あ り 、さ ら に 逆 相 分 岐 回 路 を 介 し て ス ロ ッ ト ラ イ ン へ 正 帰 還 を か け て い る 。従 っ て 、出 力 部 へ は 同 位 相 の 偶 数 次 高 調 波 の み を 取 り 出 (a) λg/2線路共振器を用いた4倍波Push-Push発振器(その1) す こ と が で き る 。さ ら に こ の 発 振 回 路 の 特 徴 は 、帰 4f0 還ループのスロット共通部を利用することによっ て 、広 帯 域 か つ 簡 易 な 周 波 数 可 変 化 や 変 調 機 能 等 の 機能複合化が容易に実現できることである。 3.3 マルチモード共振波動場を活用した 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 λg/8@f0 A B (b) λg/2線路共振器を用いた4倍波Push-Push発振器(その2) 電圧 f0 一 般 に 、 Push-Push 発 振 で は 2 次 の 高 調 波 が 利 用 さ れ て い る 。こ こ で は 共 振 波 動 場 の 時 空 間 と 周 波 数軸における同期性を積極的に活用した高次高調 C 2f0 A B C 4f0 波 Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 に つ い て 解 説 す る 。 例えば、図 9 に示す半波長線路共振器を用いた Push-Push 発 振 器 に お い て 、 同 図 (c)に 示 す 共 振 波 動分布の↑点は第 2 高調波のヌル点であり、その (c) 共振電圧分布 図 9. 半 波 長 線 路 共 振 器 を 用 い た 第 4 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 の 構 成 例 2点を負性抵抗励振ポイントおよび出力回路イン タ ー フ ェ ー ス ポ イ ン ト と す る だ け で 、不 要 な 第 2 次 波 成 分 を 抑 制 し た 第 4 次 高 調 波 出 力 の Push-Push 高 調 波 を 抑 制 し た 第 4 次 高 調 波 出 力 の Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 を 示 し て い る 。こ の 様 に 、高 次 高 発 振 器 が 簡 単 に 形 成 で き る 。 同 図 (a)お よ び (b)は 、 調波を含めた共振電磁波動場を緻密に活用するこ そ れ ぞ れ 励 振 ポ イ ン ト 、出 力 イ ン タ ー フ ェ ー ス ポ イ と に よ っ て 、基 本 周 波 数 成 分 等 の 不 要 波 を 抑 制 し つ ントの設定によって基本周波数信号や第2次高調 つ基本発振周波数の4倍の高次高調波発振を簡易 に 実 現 す る こ と が で き る 。そ の 具 体 的 な 特 性 事 例 は 、 即 ち 、 図 中 の A, B, C, D の 各 ポ イ ン ト の 電 圧 は 、 文 献 [ 2] に 報 告 さ れ て い る 。 式 (3)で 表 示 で き る 。 VA (t) = # an e jn" 0 t n π/2@f0 VB (t) = * an e B 0@f0 4f0 A C π@f0 $ #' jn & " 0 t ± ) % 2( n VC (t) = $ an e jn (" 0 t + # ) ! n D 電圧 VD (t) = * an e ! m π/2@f0 € (a) リング共振器を用いた4倍波Push-Push 発振器 2f0 (3) n ! f0 A $ #' jn & " 0 t m ) % 2( 従 っ て 、 こ れ ら の 同 相 合 成 出 力 は 式 (4)と な る 。 B C D 4f0 ! A Vout (t) = (b)共振電圧(A/C励振姿態) #V (t) = c e n j 4" 0t 4 + c 8e j 8" 0 t + L A ,B,C ,D 図 10. リ ン グ 共 振 器 を 用 い た 第 4 次 高 調 波 (4 ) Push-Push 発 振 器 こ の 発 振 出 力 は V o ut ( t )、 式 ( 4 ) に 示 す 様 に 第 4 ! 図 10 は 、 リ ン グ 共 振 器 を 用 い た 第 4 次 高 調 波 次高調波とその整数倍の周波数成分を有する。 さ ら に 、 図 11(b) に 示 す 高 次 高 調 波 の 共 振 波 動 Push-Push 発 振 器 の 構 成 例 で あ る [ 3]。 分 布 を 考 慮 す れ ば 、 同 図 (a)に 示 す 出 力 回 路 を 形 成 リング共振器にはその対称性によって直交した縮 す る こ と に よ っ て 、 第 8 次 高 調 波 の Push-Push 発 退 共 振 姿 態 が 存 在 す る 。従 っ て 、直 交 し た 2 つ の 基 振 器 が 実 現 で き る [ 2]。 こ の 場 合 も 基 本 周 波 数 成 本 周 波 数 信 号 は 互 い に 独 立 で あ り 、従 っ て 互 い の 位 分を含む不要波を原理的に抑制することができる。 相 差 も 任 意 で あ る 。し か し な が ら 、非 線 形 回 路 で あ る 発 振 器 に お い て は 、基 本 周 波 数 の 整 数 倍 の 高 次 高 調 波 も 常 に 存 在 す る た め に 、基 本 周 波 数 以 外 の 高 次 高 調 波 で は 相 互 結 合 が 生 じ る 。従 っ て 、第 2 次 高 調 B 波は隣接する負性抵抗間で結合が生じ、その結果、 A 同 図 (a)に 示 す 様 に 、隣 接 間 で は 第 2 次 高 調 波 に お 8f0 いてπの位相差が自律的に生じる。この位相差 π は 、 基 本 周 波 数 (f 0 )に お い て は D π /2 の 位 相 差 に 相 当 す る 。 従 っ て 、 式 (3),(4) に 示 す 様 に Push-Push 発 振 原 理 に 基 づ い て 出 力 合 成 回 路 を 対 (a) リング共振器を用いた8倍波push-Push 発振器 電圧 f0 称性を維持して形成すれば、第4次高調波発振の Push-Push 発 振 器 が 実 現 で き る こ と を 意 味 す る 。 ま た 、基 本 周 波 数 信 号 を 含 む 不 要 波 を 原 理 的 に 抑 制 することができる。 C 2f0 4f0 A B C D A 8f0 (b)共振電圧(A/C励振姿態) 図 11. 第 8 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 の 基 本 構 成 3.4 n 素 子 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 へ の 拡 張 図 12 に 示 す 様 に 、原 理 的 に は 負 性 抵 抗 回 路 を n 個 一 体 化 し た n 素 子 Push-Push 発 振 器 へ 拡 張 す る こともできる。 (c) 共 振 波 動 系 を 介 し た 構 成 で あ る た め に 、 能 動 部と出力部の設計が比較的容易である。また 出力負荷変動の発振特性への影響も比較的小 さい。 3 4. Pus h- Pus h 発 振 器 の 実 施 事 例 2 前 節 で 紹 介 し た Push-Push 発 振 器 の う ち で 、 代 表 的 な 2 種 の Push-Push 発 振 回 路 の 試 作 結 果 を 以 nf0 1 下に示す。 図 13 は 、ス ロ ッ ト ラ イ ン の リ ン グ 共 振 器 を 用 い た 第 2 次 高 調 波 出 力 の Push-Push 発 振 器 (図 7 に 相 当 )で あ る[ 14]。こ こ で は 、2 個 の HEMT(F ujitsu FHX3 5LG)と 厚 み 0.8 mm の テ フ ロ ン グ ラ ス 基 板 を 用 い て 、基 本 発 振 周 波 数 (f 0 )8GHz で 設 計 試 作 し た 回路である。 図 12. n 素 子 を 用 い た 高 次 高 調 波 Push-Push 発振器の基本構成 こ の 場 合 、隣 接 す る 負 性 抵 抗 の 発 振 ユ ニ ッ ト 間 で 相 互 位 相 同 期 が 自 律 的 に 形 成 さ れ 、そ の 結 果 、隣 接 発 振 ユ ニ ッ ト 間 の 位 相 差 は 基 本 周 波 数 に お い て 2π /n と な る 。 従 っ て 、 回 路 の 対 称 性 を 保 持 し な が ら 出 力 合 成 し た 場 合 、 Push-Push 発 振 原 理 に 基 づ い 表面 裏面 図 13.ス ロ ッ ト リ ン グ 共 振 器 を 用 い た Push-Push 発振器 て基本発振周波数の n 倍の高周波発振が実現でき る 。こ の 場 合 も 基 本 周 波 数 を 含 め た 不 要 高 調 波 は 原 理的に抑圧することができる。 以 上 、マ イ ク ロ 波 一 体 複 合 化 技 術 に お け る 共 振 電 磁 波 動 場 を 主 役 と す る と 共 に 、そ の 波 動 場 を 積 極 的 に 活 用 し て 構 成 す る 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 の主な特徴は以下の通りである。 (a) 高 次 の 共 振 電 磁 場 を 用 い た 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 で あ る た め に 、 低 周 波 数 帯 用 の半導体デバイスと共振器によって大幅な高 周波発振が簡易に実現できる。 (b) 多 素 子 デ バ イ ス に よ る 共 振 波 動 場 の 励 振 が 可 能であるために、高出力かつ低位相雑音特性 が実現できる。 図 14.ス ロ ッ ト リ ン グ 共 振 器 を 用 い た Push-Push 発振器の発振電力スペクトル ( 2f 0 :16.0 GHz) 図 14 は 、そ の 発 振 電 力 ス ペ ク ト ル で あ り 、発 振 出 力 は +10dB m(2f 0 =16GHz)、 基 本 周 波 数 成 分 、 3倍波および4倍波成分の抑圧度は、それぞれ 5. む す び -37.5 dBc、-40.0dBc お よ び -42.2 dBc と 良 好 で あ 近 年 、仮 想 ヌ ル 面 (Virtual ground)を 設 定 し て 小 る 。 ま た 、 位 相 雑 音 は -121.3dBc(1 MHz Offset) 型 簡 易 化 し た モ ノ リ シ ッ ク Push-Push 発 振 器 が ミ である。 リ 波 帯 で も 報 告 さ れ る 様 に な っ て き た 。即 ち 、HBT 図 15 は 、マ イ ク ロ ス ト リ ッ プ ラ イ ン で 構 成 し た 等を用いた差動クロス接続の発振回路出力を同相 リ ン グ 共 振 器 を 用 い た 第 4 次 高 調 波 Push-Push 発 合 成 す る と い う Push-Push 発 振 原 理 に 基 づ い て 、 振 器 (Quadruple-Push 発 振 器 )(図 10 に 相 当 )で あ 第2高調波を得るものである。また、小型共振器、 る [ 15]。 使 用 デ バ イ ス は 、 同 じ く HEMT(F ujitsu 負 性 抵 抗 回 路 、 同 相 合 成 回 路 、 さ ら に は VCO 化 の FHX3 5LP) で あ り 、基 本 周 波 数 (f 0 )は 9GHz で あ る 。 た め の 可 変 容 量 素 子 、さ ら に は 分 周 回 路 ま で チ ッ プ 図 16 は Qua druple-Push 発 振 器 の 発 振 電 力 ス ペ ク 上 に 形 成 し た 事 例 も あ る 。こ れ ら の 発 振 出 力 は 基 本 ト ル で あ り 、 発 振 出 力 は 36GHz(=4f 0 ) で 発振周波数の2倍とするのが一般的である。今後、 +1.67 dBm、位 相 雑 音 は -104.0dBc(1 MHz Offset) よ り 一 層 の 高 周 波 化 、広 帯 域 周 波 数 可 変 化 お よ び 低 で あ る 。ま た 、基 本 周 波 数 、2 倍 波 、3 倍 波 お よ び 位 相 雑 音 化 と 共 に 、チ ッ プ サ イ ズ を 左 右 す る 共 振 系 5倍波の各不要波成分の抑圧度は、それぞれ の 一 層 の 小 型 化 と 併 せ て MEMS 等 に よ る マ ル チ バ -18dBc 、 -17.9 dBc 、 -17.8dBc お よ び -35.5dBc ンド化等の可能性なども含めて当該技術の進展が である。 期待される。 本講で概説したマイクロ波一体複合化の考え方 に 基 づ い た 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 器 は 、 特 に ミリ波帯や短ミリ波帯以上の超高周波発振とその 発 振 電 力 向 上 に そ の 効 果 が 期 待 で き る 。そ の 実 現 方 法 と し て は 、 モ ノ リ シ ッ ク IC 化 、 MMIC チ ッ プ と LTCC 等 に よ る ハ イ ッ ブ リ ッ ド 化 な ど 実 施 形 態 は い く つ か 考 え ら れ る が 、そ の 選 択 は 送 受 機 能 モ ジ ュ ール全体としてアンテナ系や周辺機能回路とそれ らの実装技術を含めた総合的な考察も併せて必要 で あ る 。ま た 、本 講 の 第 4 次 か ら 第 8 次 の 高 次 高 調 波 Push-Push 発 振 は 、 汎 用 の 半 導 体 素 子 や 市 販 の 図 15. Quadruple-Push 発 振 器 IC チ ッ プ を 用 い る こ と に よ っ て 極 め て 簡 易 低 コ ス ト な ミ リ 波 帯 発 振 モ ジ ュ ー ル の 実 現 可 能 で あ る 。即 ち 、低 価 格 な マ イ ク ロ 波 帯 用 の 汎 用 デ バ イ ス の 適 用 に よ っ て 、簡 易 な ミ リ 波 帯 発 振 源 が 容 易 に 構 成 で き る 。さ ら に 、こ の 簡 易 低 コ ス ト な 高 周 波 発 振 の 実 現 に 加 え て 、高 次 高 調 波 を 用 い た マ ル チ バ ン ド 出 力 あ る い は 同 期 マ ル チ ポ ー ト 出 力 、さ ら に は 発 振 と 変 調 等 の 機 能 複 合 化 な ど も 期 待 さ れ る 。ま た 、共 振 回 路 上の波動場をアンテナ系の直接給電に用いるなど、 様々な高周波機能モジュールの実現形態が想定で きる。 図 16. Quadruple-Push 発 振 器 の 発 振 電 力 ス ペ ク ト ル ( 4f 0 =36.0 GHz) 文 献: [ 1] 相 川 , マイクロ波工学の展望, 信学会誌, Vol. 83, No. 8 , pp. 595 -599, 200 0. [ 2] M. Aika wa, E. Nishiya ma a nd T. Tanaka, Advanced Utilization of Microwave Resona nt Fields a nd Its Applications to Push-Push Oscillators a nd Rec onfigura ble Antennas, IEICE Tra ns. Elect ron, Vol. E89-C, No. 12, pp.17 98-1805, Dec. 20 06. [ 3] 相 川 , 西 山 , 田 中 , 平面回路におけるマイ クロ波インテグレイションとその展開 ロ波電磁波動場の活用とその応用, ―マイク 信 学 論 文 誌 B, Vol. J89 -C, No. 5, pp. 183-190, 20 06. [ 4]J. Kim, S. Jeon, S.Moon, NY K im and H. 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