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資料2 ID技術によるサプライチェーンの可視化とその意味
資料2 ID技術による サプライチェーンの可視化とその意味 慶應義塾大学環境情報学部(SFC) 國領 二郎 (http://www.jkokuryo.com/) 1 1 相互運用性が確保された ネットワークとID技術による結合空間 個体識別 + 無線読み取りによ るネットワーク化 + それぞれの要素個別には昔から存在 組み合わせで実現するところに意義 モノ、コト、全てをつなぐシームレスな空間が実現 標準化による 組織間連携 リアル空間とバーチャル空間の結合 2 2 モノ、コト(トキ、バショ)、ヒト、の紐付け 顧客 データベース ヒト 必要に応じて 関連切る コト 例:購入 モノ トキ 商品 データベース バショ コト 例:加工 必要に応じて 関連切る 履歴 データベース 「現場」でつながることで、これまで難しかった 3 商流、物流、決済の結合も現実性を帯びる 3 キーワード:「可視性」の経済的メリット 管理可能性 control 効率化 efficiency 安全性 safety 説明可能性 accountability 可視性 visibility 情報開示 disclosure 信用 credibility 差異化 differentiation 4 4 「トレーサビリティ」 trace + ability = traceability。 原材料/部品の 生産・供給 製造 加工 物流 流通 使用 消費 販売 サービス リサイクル リユース・廃棄 トレースバック(遡及) トレースフォワード(追跡) トラック サービス提供(賞味期限通知等) → 食品 SCM (生産管理・品質管理) → 品質管理・リコール→ ← 情報収集(レシピ産地等) 家電 自動車 贋作・万引防止→ ←情報公開 ←クレーム・中古車取引(部品メンテナンス情報) 書籍・ブランド品 医薬品 品質管理・リコール・カルテ管理・説明責任→ ←不正流通/不正返品防止 ←投薬情報、薬歴・治療歴 入退管理→ ビル、施設 在庫管理→ 在庫金融 ←情報検索(店舗・特典) ←サービス利用(ゲーム・出会い) ←資産管理 (エスクローサービス) ※トレーサビリティは本来循環形で描きたいところだが、ここでは便宜上線形としてある 5 5 サプライチェーンを進化させる 活用前 活用後 リサイクル リユース 廃棄 連鎖 原材料/部品 の生産・供給 製造 加工 物流 流通 販売 サービス 原材料 部品の 生産・供給 使用 消費 製造 加工 販売 サービス 物流 流通 特徴 生産から販売まで 消費社会 生産から消費、リサイクル、また生産へ 循環型社会 目標 効率性 消費者に対する新しい価値の創造と提供 視点 供給者視点 “サプライチェーン管理” 消費者視点 “責任ある供給” と ”消費者エンパワメント” 6 6 電子タグのネットワークにおいても 避けたい囲い込み化・分断化 企業グループA IDデータベース メーカーA 企業グループB 追跡DB 商社A 追跡DB IDデータベース 小売A メーカーB 卸B 小売B これでは、リサイクルを社会的に支える仕組みは作れない ただし、先行するのはこのようなシステム。先行きのオープ ンな仕組みを想定した作り方を! 7 7 オープンな仕掛けで創発を誘発 業界A内 ネットワーク 企業グループA 内ネットワーク 行政A ネットワーク 決済 ネットワーク 企業 相互運用性の確保された 口コミサイト ネットワークのネットワーク 評価機関 (EPCを鍵とする) 消費者 行政 商品履歴開示ア プリケーション 家電リサイクル アプリケーション 貨物追跡 アプリケーション ネットワークで多彩な主体が柔軟にシステム統合できる 8 =アクセスコントロール 8 プライバシー z プライバシーをめぐる二面性 住基ネットに象徴される「集中管理(情報非対称性)」への アレルギー vs 携帯電話に見られる信頼できる相手には開放的態度 z より本質に近いところで考える 知らない間に、知らない人に監視され、利用されていること への不安。監視していることを監視される双方向性を z (1)技術(設計)による解決、(2)法的、制度的解決、に加 えて、(3)ビジネスモデルによる解決を重視すべき 9 9 可視性のメリットを ビジネス・社会モデル化する 非対称性解消 による効率化 透明性による 安心・安全 キメ細かな サービス 可視性の高さを活かす協働構造の設計 制度 (知的所有権・ プライバシー等) ビジネスモデル 技術 (インセンティブモデル) (含:セキュリティ) 10 10