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サウジ・日本間の文化・経済関係概観 ファハド ブン アブドッラフマーン

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サウジ・日本間の文化・経済関係概観 ファハド ブン アブドッラフマーン
サウジ・日本間の文化・経済関係概観
ファハド ブン アブドッラフマーン ハムドゥ アルマリキー博士
アブドゥル アジーズ王子事務所
要旨
両国関係は発展しており、サウジの技能向上、行政改善、労働者訓練などにより新
たな段階に入った。商業、文化、教育、工業分野の共同事業は、行政、文化、技術、厚生、環
境保全、水資源管理などの進展を齎し、さらには両国間の各分野での協力を強化してきてい
る。
本論では4側面に分けて両国の技術、文化面の共同作業について分析、解説を行う。
第1は両国の交流。サウジは強い歴史的関係で日本と結ばれており、なかでも文化、
社会面の交流、職技術と熟練度向上などの方面が特筆される。両国の共同事業は多く、世
界的な日本企業も技術、文化的などの面で尽力しており、サウジの計画に沿って人的能力向
上と生産効率改善に資している。またそれら分野の訓練や研修については、いくつもの合意
が作られて進められている。
第2に、両国関係は毎年新たなものになるが、日本企業はあらゆる分野での発展に参
画した。1970年OTCA総裁、日本興業銀行頭取中山素平氏の代表団が来訪し、両国間協
力の推進についてさまざまな意見交換を行った。
第3に、投資面と1999年-2001年の期間に跳躍した貿易面について説明する。99
年188億リアルの出超、翌00年は61.7%の輸出増で342億リアルの出超(81.7%増)を
記録した。日本はサウジの対外貿易の輸出・輸入の双方において、第2位の地位にある。ま
た投資についても、日本は対サウジ第2の投資国である。
第4には、建設的な提言を両国関係進展のために行いたい。
本文
序言
早い段階よりサウジは日本との協力関係の重要性に着目し、それを迅速な国家建設
に役立てようとしてきた。政治、開発、社会面での関係強化に努め、そのお陰で両国関係は
稀に見る優れたものになった。
日本は世界で第2の工業国であり、サウジが関係強化を望む理由もそこにある。率
直に言って、政治、経済、人道面での日本の積極的な姿勢は良く知られている。サウジとの
関係では特に新産業、交易そして技術協力分野で顕著で、1960年代に遡る。JICAの活動
は1975年に開始された。
以来両国関係は発展してきており、サウジの人的能力の開発、行政改善、技能訓練
などにより新たな段階に入った。商業、文化、教育、工業分野の共同事業は、行政、文化、技
術、厚生、環境保全、水資源管理などの進展を齎し、さらには両国間の各分野での協力を強
化してきている。
そこでこの論文では以下の4点に焦点を当てる。
1.
両国の文化、経済関係の重要性。
2.
歴史的な関係の持つ力を紹介すること。
3.
サウジの人的資源に関する両国の技能プログラムなどの合意の成果。
4.
将来へ向けての提言、特に2001年9月11日以降の世界の新たな諸条件の中で考
える。
本論は歴史的客観的分析的な方法で考察を進める。また参照した文献は
多数に上り、書物、論文、記事や会議報告などを含み、インターネットの情報も駆使した。内
容的には以下の4側面に分けて論述する。
第1側面-両国の技術、文化的交流
第2側面-両国の経済協力
第3側面-両国の貿易・共同投資
第4側面-提言と助言
第1側面―両国間の技術、文化的交流
両国は家族構成など慣習や伝統の面で類似している。日本は伝統保守的な体制を維持
してきた。その発展が実現した後も、官民とも組織の下では変わりなかった。サウジは強い歴
史的関係で日本と結ばれており、中でも文化、社会面の交流、職技術と熟練度向上などの方
面が特筆される。両国の共同事業は多く、世界的な日本企業も技術、文化的などの面で尽力
しており、サウジの計画に沿って人的能力向上と生産効率改善に資している。ジュバイルとヤ
ンブウという工業都市で貢献した企業を実例として上げてみる。
1.
日本カテリークーヤンブウでは発電と通信施設、またジュバイルとヤンブウでは電話
システムの調査・建設事業
2.
フォード建設―ヤンブウでの変電所や水道施設の砂塵処理
3.
三菱二社―ヤンブウ工業地帯で三菱重工業・商事は蒸気発電所を建設。
4.
日立建設―ヤンブウの水道施設設計、建設。
文化・技術分野の研修
両国間の研修には歴史がある。1960年に日本での研修が始まり、1975年サウジ教
育文化大臣は日本側とリヤド電子技術学院を無償で建設することについて、2回目の合意文
書に署名、これは1977年に実現した。
1980年には技術院が作られた。日本は設計と建設に200万リアルを投じたが、入札の
結果中国の企業が落札した。さらに日本はフォローアップ、維持管理を受け持ち、また研修や
専門家派遣を引き受けた。
文化分野の共同会合
1.
日本アラブ対話フォーラム
昨年9月東京で第1回会合(日本財団、国際問題研究所)が行われ、アラブ側からは
サウジとエジプトが参加。日本の協力とイラク情勢が議題となり、また2日目には経
済・社会発展が平和と安定を齎すことについての意見交換となった。
2.
日サ・セミナー
昨年9月ファイサル国王財団と日本大使館の協力で開催され、日本からは東大山口
教授らが参加、グローバリズム時代の日サ協力、文化・言語分野の両国関係、伝統
と開発に関する日本の経験、などを議論。参加者は国際的な意思疎通や文化面の
諸問題についての議論、解明の方法などについて得るところがあった。
人材開発分野での両国間協力
30年以上にわたりJICAとサウジ市民サービス省(MOCS)は様々なプログラムを準備
してきた。行政、財務分野、生産性向上などについて日本で、国際的なプログラムを構成して
行われ、新しいメソッドでサウジの指導者が訓練されてきた。
2002年度にはJICAは79件の行政組織プログラムを提供、また大学レベルを身につ
けさせる青年研修友情プログラムではJICAは17名を文化省と広報省から採用、また新聞な
どの民間からも採用した。そのほか65件の行政、経済、社会開発分野で集中研修プログラ
ムを実施し、100名の参加を得た。これによりサウジ研修生の累積数は1450名になった。J
ICAは1985年以来サウジ行政院と実績を積み重ね、厚生省、文化教育省、農業省、地方省、
産業電気省と関係を持ってきている。1987年3月には、JICAは17名のサウジ代表団を接
受し、日本の教育制度の調査を実施した。2003年には1440名のサウジ研修生がJICAか
ら奨学金を得た。
人材開発研修プログラムとセミナー
・ 生産改善セミナー:03年3月18-28日東京にて行われ、2名のサウジ人が参
加。中東協力センター(経産省、在サウジ日本大使館協賛)が実施したが、生産
向上の全般的な運営措置を学んだ。
・ 中東水管理行政プログラム:中東協力センターは中東の9カ国から17名を受け
入れ、八日市で実施。サウジからも参加した。
・ 中東生産性向上プログラム:中東協力センターが無償で実施し、37名がサウジ
から参加、講義,現場視察、工場見学などが行われた。
保健衛生分野の両国文化協力
1981年にこの分野の協力が開始され、ガン、放射線機材、歯科などの機器の研修が
始められた。98年にはセミナーが開催され、サウジからは350名が参加。病院運営、看護婦
教育、保健問題の課題、厚生関係行政問題などが扱われた。
03年3月JICAは大学で就学中の者も含めて、68名をサウジ保健省から招聘した。この
ように様々なプログラムが実施され、看護婦教育だけでも15名参加し、病院運営、診療方法、
肝臓病治療、看護法、そして保健運営などについて学んだ。
アラブ イスラーム学院
同学院は文化面の中心と考えられており、両国間関係の深さと重さの象徴でもある。学
院はサウジ政府が世界的に展開している事業であるが、1982年東京で創始され、その目標
は次の通りである。
1.
イスラーム普及
2.
日本とアラブ・サウジ間の友好増進、
3.
アラビア語普及
4.
日本人ムスリムへのイスラーム学習支援
5.
イスラーム関係文献の双方翻訳
6.
外交団ほかのイスラーム関係者への支援―イスラーム、アラビア語教育ほかアイデ
ンティティ確立
図書館と研究機能を持ち、いろいろなコースや宗教、研究番組を日アラビア語で提供しており、
日アラブの文化交流の中心と見なされている。また種々の翻訳や会合の開催も行われており、
交流の実績を上げている。
今後も変化する世界の中で、業績を積み重ねることが期待され、サウジの世界的な交流
政策を踏まえながら両国がパートナーとして歩むことが望まれる。
第2側面―両国の経済協力
両国は幾つかの条約や協定で結ばれ、日本にとっては石油供給、輸出市場の関係だけ
ではなく、サウジの穏健で懸命な政策とイスラーム世界における格別な地位に鑑みて、注目
されている。ここでは種々の統計資料などを駆使して、解説と分析を試みたい。
経済関係の歴史的回顧
毎年成長する経済関係に民間企業の果たした役割も大きい。1970年OTCA総裁、日
本興業銀行頭取中山素平氏の代表団が来訪し、両国間協力の推進についてさまざまな意見
交換を行った。その要点は以下の通り。
イ.
外国投資保護と国内産業振興の見地からの外資の特典と免除関係
ロ.
外資保護の制度及び外国人投資家の保護制度
ハ.
日本企業などの経済協力の推進要望
ニ.
経済技術協力に関する日本側の要望
石油化学、保健、農業、双方向貿易などの分野でのサウジ人向けの研修も検討が開始され
た。当時の石油鉱物大臣の下で構成されたチームが意見を提出、その骨子は両国間に経済
協力に関して公式の合意が必要とするものであった。1975年3月サウジ側では企画大臣が
代表となり、右合意が締結され、同年5月から実施され始めた。
サウジ日本合同委員会会合
1976年―1996年間の会合の要点は以下の通り。
第1回会合
1976年リヤド開催(サウジ企画大臣、日本は通産相)
イ.
サウジ側の開発需要に沿った日本側の協力
ロ.
技術移転の議論と作業グループの結成、分野は石油化学、製鉄、メタノール、鉄鋼パ
イプ、ポリエステル、輸出用油、運搬車とオートバイのアセンブリー、自動車用電池な
ど。
ハ.
海水淡水化事業への参画
ニ.
リヤドに委員会事務所を設置
第2回会合
1978年東京開催(サウジ企画大臣、日本側外務大臣、通産大臣)
イ.
メタノールと石油化学関係:日本企業の参画についてのサ側配慮要請
SABICと日本のメタノール事業については日本の支援約束。石化については三菱に
技術移転について依頼。
ロ.
淡水化事業の検討と実施のためのチームを日本から派遣することを受諾。
第3回会合
1991年リヤド開催(サウジ企画大臣、日本は通産相)
イ.
石化関係の合意文書などの点検、1981年創設され85年に業務を開始した補償会
社に満足を表明。
ロ.
日本側の協力による産業パートナーシップの合意。
ハ.
1981年JICA事業に関する合意検討と淡水化、リヤドへの給水等。
ニ.
メタノール事業開始と81年創始の補償会社の現状。
第4回会合
1993年東京開催(サ側企画大臣、日本側外務大臣、通産大臣)
イ.
日本へ輸出が始まったメタノール事業
ロ.
文化・技術協力増大に関する合意
ハ.
サウジの開発のための経済技術文化面サポート合意
第5回会合
1996年リアド開催(サ側企画大臣、日本側通産相)
イ.
石化ほかの分野への協力拡大
ロ.
合同委員会設置による日本の投資拡大とサウジ産業への参画拡大
ハ.
職業技術研修協力の拡大と日本人専門家派遣の増大
ニ.
文化教育分野増強の合意と学生間交流、大学レベルの専門家やスポーツ・科学チー
ムの交換
以上70年代、80年代の両国間協力関係の増大を見た。石油探査の特権供与と19
75年の投資開始がすべての事始であったといえる。石油開発の世界でのパイオニアともい
えるアラビア石油の事業は、サウジ市場に参入する外国企業の投資ビヘイビアーを規定する
ものでもあった。最低57%の利益をサウジ側に提供することとし、有効期間は40年、天然ガ
スも含めて商業ベースに乗ってから3年経過とともに特権地区の20%から撤退するなどであ
る。
石炭、原油、天然ガス、金など希少メタルといった天然資源は日本に少ないが、電子、
重工業、交通関係、電気器具、鉄鋼、繊維産業などを有するのは、サウジが原油一つに頼る
のと正反対である。結論として協力関係は両国の要であり、政治、経済、社会、法律、文化、
技術など多面にわたり、強靭な架け橋となっている。
第3側面―両国の貿易・共同投資
日本はサウジとって最も需要な投資パートナーであり、いくつもの二国間あるいはグル
ープの合意文書や投資プロジェクトがあらゆる分野において作成されてきた。
1.
日本におけるサウジの投資
1984年サウジアラビア金融庁は、ソニー、ホンダ、松下といった巨
大企業の株を買い利益を上げ、20億円相当の中長期国債を購入、その間対日輸出は原油
とメタノール(アルコール・メタノール)、第二塩化及びポリエチレンといった石化関係製品で
半々であった。また1998年でも対日輸出品の構成は中間財が94.9%、消費材が5%、資
本材が0.1%であった。
2.サウジにおける日本の投資
日本の対外投資は民間主導で行われるので、基本的には以下の条件を考慮するほか
は自由である。
イ.
投資環境
ロ.
中長期的な利益還元
ハ.
強い資本とパートナーシップを組み利益確保の確かなプロジェクト選定
サウジの投資環境は日本の資本に最適で、特に石油分野では日本の投資
は最長の歴史を誇る。
3.共同の貿易・投資交流
表1のように輸出急増により2000年にはサウジの黒字は81.7%増加した。しかし翌0
1年には輸出減と輸入増により黒字額は減少した。
表1.貿易統計
収支
増加率
百万リアル
―
18846
81.7%
34237
輸入
増加率
―
22.7%
百万リアル
9650
11837
▲24.0% 26058
10.0%
13041
―
―
―
6802☆
☆ 出典:リヤド商工会議所(企画省貿易統計)
輸出
増加率
―
61.7%
年
百万リアル
28496
46074
▲15.0% 39099
―
―
☆ 同年前半のみの数字
日本は以下の表のようにサウジにとって2番目の貿易相手国になっている。
表2.10大対サ輸出国:2000年
百万リアル
国名
21802
アメリカ
11837
日本
9164
ドイツ
7308
イギリス
4698
イタリア
4657
フランス
4485
中国
3846
韓国
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
1999
2000
2001
2002
3693
スイス
9
3132
インド
10
74640
10カ国合計
113240
サウジの全輸入額
10%
日本からの輸入額/サウジの全輸入額
☆出典:リヤド商工会議所(企画省統計)
表3.サウジからの10大輸入国:2000年
百万リアル
国名
順位
58832
アメリカ
1
46074
日本
2
31273
韓国
3
14632
シンガポール
4
12823
インド
5
11592
オランダ
6
10910
フランス
7
7742
中国
8
7158
バハレーン
9
6971
イタリア
10
208007
10カ国合計
290553
サウジの全輸出額
16%
日本への輸出額/サウジの全輸出額
☆出典:リヤド商工会議所(企画省統計)
表4.15大対サ輸出国:2001年
百万リアル
国名
順位
20770
アメリカ
1
13041
日本
2
9403
ドイツ
3
8037
イギリス
4
5403
中国
5
4733
オーストラリア
6
4543
イタリア
7
4473
フランス
8
3831
韓国
9
2832
スイス
10
2811
インド
11
2431
ブラジル
12
2375
ア首連
13
2190
オランダ
14
1892
ベルギー
15
88765
15カ国からの輸入全額
116931
サウジの全輸入額
11%
日本からの輸入額/サウジの全輸入額
☆出典:リヤド商工会議所(企画省統計)
表5.10大サ輸出国:2002年前半
百万リアル
国名
順位
10769
アメリカ
1
6802
日本
2
5320
ドイツ
3
3881
イギリス
4
3123
中国
5
2961
イタリア
6
2397
フランス
7
2329
オーストラリア
8
2194
韓国
9
1955
インド
10
41731
10カ国からの全輸入額
63769
サウジの全輸入額
11%
日本からの輸入額/サウジの全輸入額
☆出典:リヤド商工会議所(企画省統計)
圧倒的に中間財が多く、日本への輸出中97.7%、日本からの輸入の34.4%を占
めている(表6)。
他方商品別には日本から約23種輸入しているが、これら23種で全輸入額の約61.
4%に上る。日本からの輸入で一番多いのは個人車、ジープ、若者用の小型車など各種の
自動車であるが、2001年13億リアル(日本からの全輸入額の11%)に上る。ただし自動車
の輸入先として最大の国はオーストラリアであるが、ジープについては日本からのものが額
の上では最大になっている(表7の2番目参照)。
表6.両国間取引財別一覧:2001年、百万リアル
輸入
輸出
重量比
額
重量比
37.0%
4867
2.2%
34.4%
4484
97.7%
28.3%
3690
0.02%
100%
13041
100%
☆ 出典:リヤド商工会議所(企画省統計)
財別
額
856
38234
9
39099
消費財
中間財
資本財
合計
☆ 消費財:パン、衣類、車のように最終消費用財
☆ 中間財:化学工業生産材料、建設資材、石油など生産工程に回される財
☆ 資本財:機械、運送手段、医療器具など生産工程で使用される財
表7.日本からの輸入品:2001年、1億リアル以上のもののみ
%
単位千リアル
種類
順位
11
10.2
5
4.1
4
3
2.2
1,385,134
1,338,194
654,768
540,575
531,212
408,710
29,300
個人車、税関通過年モデル、1501-3000CC
ジープ、税関通過年モデル、3000cc以上
ピックアップ、席2列、電気始動、5トン以内
小型輸送車、圧力始動、5トン以内
ピックアップ、席1列、電気始動、5トン以内
個人車、税関通過年モデル、1000cc以上
ジープ、モデルS4、税関通過年前モデル、3000c
c以上
2.1
273,319
自動車部品
2
260,167
個人車、モデルS、通過年、10001-1500cc
2
248,92
熱圧延板以下の巻き状鉄製品
1.8
240614
ディーゼルまたは半ディーゼルの機械用圧力型エ
ンジン
1.8
230,748
中古シャーシ
1.3
168,529
個人車、モデルS4、税関通過以前モデル、1501
-3000cc
1.3
164,668
バス、運送車用中古シャーシ
1
132,096
公共運搬用車輌
1
130,327
運転席付き軽量車骨組み、圧力始動、5トン以内
1
125,252
鉄製中古石油・ガスパイプ
1
123,982
鉄製品または鉛被鉄鋼製品
0.9
122,388
0.5mm以下の錫被鉄、鉄鋼製品
0.9
116,468
金延べ棒
0.8
113,476
鉄または鉄鋼の石油・ガスパイプ
0.8
105,266
ディーゼルまたはハンディーゼル圧力エンジンの
公共輸送車
0.7
102,706
ポリエステル繊維製品
1.5
200,025
その他
61.4 7,006,916
以上の合計
38.6 5,034,634
その他の製品種合計
100
13,041,550
全製品種輸入合計
☆ 出典:リヤド商工会議所(企画省統計)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
―
対サウジ投資については、以下の表の通り、非工業分野では日本の出資比率は9%、
サウジが84%、残りはその他の外国になっている。工業分野の共同事業では日本が56%、
サウジは44%である。
表8.日本の対サウジ共同投資:2002年3月14日まで、単位百万リアル
日本の出 合計
その他
日本の出 サ側の出 プロジェ
分野別
資比率%
資額
資額
クト数
56
1996
8,27
―
1126
7,97
8700,
30
12
工業
日本
9
1314,
96,47
116,9
1101,
29
非工業
59
2
20
53
2128
96,47
1138
9801,
41
合計
2,86
4,89
50
1422年6月29日H。までの日本の投資累積額は対サ全外国投資の11.3%となる
☆ 出典:リヤド商工会議所(産業電気省統計)
表9.日サ共同投資:2003年1月~12月、単位百万リアル
投資額
日本の参画
サウジの参画
%
額
%
額
100
11100
0
0
11100
3.7
800000
53.7
4.3%(訳 46.2
0
者注、原文
のまま)
99.9
11154.
0.1
3.7
3
☆ 出典:在リヤドJETRO事務所年次報告
プロジェク
ト数
2
4
分野
工業
非工業
6
合計
自動車などの運搬機材を中心としてサウジは日本から輸入しており、他方輸出は原
油とその関連製品である。また環境の適切さから投資も進行している。サウジは中東諸国の
中でも日本からの最大の輸入国である。
第4側面―提言と助言
提言
日本の社会は保守的で、それは社会的な伝統を守ろうとする政府の政策に支えられて
きた。両国関係の進展とその協力関係の強化を願って、以下の助言と提言を行いたい。
1.
両国国民の直接的な接触と社会的な関係強化の必要性。これらが最良の知識と主
要な発展の源泉となり、また真のパートナーを担保し、投資、商業面でも対話を促進
する。さらに世論を反映しつつ、発展の必要性と優先度を確認し、将来の展望を描く
ことが出来る。
2.
友情と尊敬に基づく両国関係の構築のため、文化、教育、広報面での接近が必須。
3.
発展に資する情報の豊富な提供。しばしば情報は混乱気味であり、日サ情報センタ
ーの構想を提言する。その目標は以下の通り。
イ.
両国間の貿易投資情報の交通整理
ロ.
既存プロジェクトの評価と将来の案件評価
ハ.
調整機能の研修を行いつつ、交易の中央調整
ニ.
石化分野の日本人専門家からの最新技術移転、及び調査研究の奨励
ホ.
技術情報交換の奨励
4.文化協力計画の必要性とその諸例
イ.GCC諸国の青年を対象とした文化祭と東京で実施
ロ.高校レベルの夏季交流
ハ.テレビ番組の交換:日ア語の対応
ニ.条件や規制なしの両国観光自由化
ホ.条件や規制なしの両国不動産投資
助言
1.
両国協力関係の有益なことは疑う者はいない。サウジ側は日本から特にその行政組
織化について学んでしかるべし。さらには忠誠心、帰属観念、生産工場のための勤
勉さについても同じことがいえる。
2.
日本は、しっかりした基礎の上に長期的な両国関係進展を図るべきで、そうすること
はサウジのアラブ・イスラーム世界における特有の立場に鑑みて、日本のイスラーム
世界との諸関係で立場を強化するであろう。
3.
両国の研究機関の交流を進めるべきで、「日サ職業研修機関」あるいは「日サ研究学
院」といったような名称の共同の組織の分校をそれぞれに設けるべきである。
4.
サウジの技術指導層養成と技能向上のために、職能訓練を継続して行うことについ
ての関心を保持すること。
結語
客観的にまた歴史的、分析的に日サの経済文化的協力関係を検討してきた。双方の尊
敬に裏打ちされたこの関係は世界でもユニークなケースとして特筆される。もちろんサウジの
開発の必要性が強まったことがあったが、日本の資本と技術経験が発展に機動力を与えた。
サウジの賢明な政策と日本の歴史に裏打ちされた理性により、強い基盤及び積極的な
結果を生み出す共通の利益に支えられている。これらにより今では、様々な分野での自力に
より建設と発展を期待できるまでになり、両国政府も国際社会で模範となりうるような協力関
係を目指すことが出来るようなった。
終わり
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