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GE通信(明法グローバル エンデバーズ) 明法中学・高等学校
2016年度 第5号 発行日 9月20日 GE通信(明法グローバル エンデバーズ) 明法中学・高等学校 2014年にスタートした新 しい科学による人間教育 「明法GE」の魅力ある教 育内容をお伝えします。 毎月20日 発刊予定 バックナンバーは本校HPで ご覧になれます 目次: 台風のたびに秋が深まっている印象です。今回は今行われているGE講座が、くしくもこの台 風を含む気象に関するものが多いので、まとめてご紹介いたしたいと思います。その前に、GE 講座では単に「科学教育」を実験教育と考えておらず、最先端とのつながりや現在の問題点、10 年後のニーズをしっかりと把握することもコンセプトとしています。例えば、中1ではJAXAの 三輪田先生から講演をいただきましたが、その中には現在の宇宙ビジネスについてのことも含ん でいただいています。現在の宇宙ビジネスの障害となっている問題の一つに宇宙ゴミの問題があ ります。これまでゴミになっていた1段目ロケットを船の上に着陸させて回収することに昨年成 功した会社があります。このために必要な技術は何か、またそれに関係する中学高校で学ぶ単元 は何かまで理解していきます。これにより、各教科の勉強がテストのためのものではなく、未来 に必要な大切な「知識」であることを実感できるようになります。 CEDより 1 中2隠岐研修旅行 2 ペットボトルロケット 3 ロボット・明法祭準備 3 明法祭・説明会のご案内 4 さて中1は講演後にペットボトルロケットを作成しました。この飛行実験をビデオに録り、 ペットボトルロケットの軌道を画像解析して飛行曲線を求めます。またロケットが飛ぶ原理、飛 行翼の効果についても画像解析と物理法則から検証していきます。これらの技術は衛星画像から 気象状態を分析する技術と直結しています。当然ですが画像解析技術は車の自動運転技術にも応 用されていますので、GEのロボット講座と結び付けて、10年後当たり前になっているであろう 自動運転も身近なものとしてとらえていけるのです。 中2は温度センサーを搭載したロボットで、気温変化を記録できる自律型ロボットの作成とそ のデータ解析を進めています。10月初めの日本学生科学賞に応募できるよう、論文としてまと めていく予定です。当然ですが問題は山積!正直今回すぐに結果を出すことは難しいかもしれま せんが、指示されたとおりのことをやって賞を取るより、自分たちで問題を解決していく手法を 経験することがより重要と考えています。先日、部屋の中の温度分布を自分たちでグラフ化する ことに成功し始めました。今後が大変楽しみになってきました。 中3は、台湾旅行の準備、ロボットコンテストの準備、そして自主運営する明法祭でのロボッ ト教室の準備で大忙しです。今回ロボット講座の中で、東大・京大などの大学生でも困難な課題 を、3時間の調整時間で完璧にクリアできた生徒が出ました。確実に進歩していることを実感で きた瞬間です!これらの基礎知識と体験技術をもって、成長著しい台湾に向かいますが、その中 で台湾トップの台湾大学の研究室に伺い、そこの大学院生たちと交流することになりました。こ の研究室の教授は、台風の世界的権威の方です。どんなお話が聞けるのか、そしてそこで学ぶ学 生たちはどんな中学・高校時代を送ったのか、未来にどんな夢を持っているのか、大変楽しみに しています。 Page 1 北原 達正 CED(最高教育責任者) Chief Educational Director 隠岐の島フィールドワーク 7月21日~24日(中2) 「ないものはない」 これは、中2GE生がフィールドワークで訪れた隠岐の島のキャッチフレー ズです。約7,000人だった人口が60年間でおよそ3分の1の約2,300人にま で減少したということを事前に学習していた生徒たちにとっては、 「離島」= 「ものがない」と、すぐに結び付けてしまいます。つまり、隠岐の島は都会と は違うのだから、いろいろなものが豊富にそろっているわけではない。この キャッチフレーズは「ものがないのは仕方ないことだ」というように、我慢や あきらめの境地の美徳として表しているものであると生徒は捉えていました。 しかし、隠岐の島に着いて最初に迎えてくれた隠岐國学習センターの豊田さん からは、意外なお話しがありました。 「ないものはない」というのは、決して あきらめのようなマイナス思考ではなく、ひとつには「ものが豊富にはないか らこそ、あるものを有効に活かしていこう」というプラス思考であるというこ とと、もうひとつには「たりないものなんてない。必要なものはすべてそろっ ている」という二重否定による強い肯定の意味を持っているということでし た。島おこしが成功したその背景には「ないものはない」という言葉が力強い 原動力として存在していたのだと気づかされました。 國藤先生・坂本先生 「ないものはない」 オリエンテーションでは、生徒一人ひとりがフィールドワークでの意気込み を発表しあい、気持ちを高めました。豊田さんからは、フィールドワークの ミッション発表に先駆けて、 ①『失敗』おめでとう ②『見えないもの』に目を向ける ③『つながり』を意識する という3つのキーワードをいただきました。これからはじまるミッションは 「隠岐の島海士町の新しい仕事を提案せよ」という過酷なもの。島おこしに成 功した社長さんにインタビューしたり、島民の方に暮らしぶりを聞いたりする 中で、新しい仕事をつくるためには、失敗を恐れてはならないし、勇気を出し て挑戦して失敗したことをバカにしてもいけない。失敗するということは、成 功するための種を植えることと同じこと。この「 『失敗』おめでとう」という 真剣にミッションに取り組む生徒たち 言葉があったからこそ生徒たちは勇気を出してインタビューに挑戦し、仲間 同士で意見をぶつけ合うことができたのだと思います。ときには議論に熱が 入りすぎて、互いにぶつかり合う場面もありましたが、最後は明法生らしく互いに力を合わせて、すべてのチームがすばら しいプレゼンテーションをしてくれました。 2泊3日の限られた時間ではありましたが、隠岐の島の多くの方々と深い交 流を持つことができました。フェリーで隠岐の島を出発する際にはお世話に なった方々がお見送りに来てくださり、船が出港したあとも生徒たちは姿が見 えなくなるまで体いっぱいに手を振り続け、限界まで声を出し続けて別れを惜 しんでいた光景は感動的でした。親元から遠く離れて仲間たちとひとつのこと を成し遂げたことは、彼らにとって大切な思い出となり、さらに大きな自信に つながったことと思います。 10月1日(土)~2日(日)は毎年恒例の明法祭です。明法祭では、生徒 たちが今回、隠岐の島でプレゼンテーションした「隠岐の島海士町の新しい仕 事」の展示発表を行います。ぜひお誘いあわせの上、御来校ください。 【7/21(木)】 羽田空港→米子空港→境港・水木しげるロード散策→七類港 →菱浦港・隠岐の島海士町→但馬屋(泊) 【7/22(金)】 フィールドワーク・隠岐の島海士町 ① CAS,ナマコ加工,観光協会の方にインタビュー ② 班ごとに各地区へわかれて島民にインタビュー ③ 牡蠣工場を見学・インタビュー グループワーク・プレゼンテーション準備 【7/23(土)】 プレゼンテーション・隠岐の島海士町 菱浦港・隠岐の島海士町→七類港→皆生温泉(泊) 【7/24(日)】 皆生温泉→松江城→出雲大社→出雲空港→羽田空港 Page 2 濃密な時間を過ごした島をあとにする 2016年度 第5号 ペットボトルロケット 9月6日(中1) 三輪田先生 今回のGE講座は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の三輪田真先生をお招 きして「宇宙開発と国産ロケット~宇宙ビジネスの始まり~」と題してご講 演をいただきました。 まずロケットの基礎知識から。 国産ロケット開発の歴史について。糸川英夫博士のペンシルロケットから 始まり、1970年には日本初の人工衛星打ち上げに成功、現在のイプシロ ンロケットやH-ⅡBロケットへとつながってきました。 ロケットの種類や構造について。燃料が固体である固体ロケットと液体で ある液体ロケットがあります。イプシロンロケットは固体ロケット、H-Ⅱ Bロケットは液体ロケットです。 世界の主要ロケットについて。現在の有人宇宙飛行用ロケットはロシアの ソユーズ、中国の長征しかありません。アメリカのスペースシャトルは20 11年をもって終了しています。 ロケット開発の実体験を踏まえた興味深いお話 ロケットの基礎知識をつけた後、宇宙ビジネスの現在と今後の可能性についてお話がありました。今までの宇宙開発は 軍事目的など国家主導型でしたが、今ではすでに民間企業が宇宙分野をビジネスの対象にしています。アメリカのスペー スX社はロケット「ファルコン9」や宇宙船「ドラゴン」を開発。独自に開発したものをNASAや空軍に売り込むビジネ スを開始しています。またバージン・ギャラクティック社は数分間の宇宙旅行を企画。1人2500万円ほど。2017 年から運航を開始するともいわれています。 三輪田先生は100年前に飛行機に乗れたのは訓練された軍人か大金持ちだけだったものが、現在では誰でも低価格で 飛行機に乗れている。同じことが宇宙開発でも起こりうるのではないか。誰でも宇宙に行ける時代になるのではないか、 とおっしゃっていました。GEのコンセプト「10年後に世界で活躍できる人材育成」です。10年後には宇宙ビジネスで 活躍する生徒がいることでしょう。 ロボット・明法祭準備 9月14日(中3) 北原先生 今日の前半はロボカップジュニア大会に向けたトレーニングの授業です。課題ごとに得点を設定し、総合得点を競いま す。中3生ともなると、単純なライントレース(黒い太線をロボットのセンサーが読み取り、その上をロボットが動く) ではなく、より複雑なコースを設定しトレーニングします。コースのエリアに置いてあるブロックを運んでそれを違うエ リアに置くことや、コースをはずれて別のコースに移動することなど、高いプログラミング技術を必要とします。一人の 生徒はこの難しい課題を完璧にクリアしました。その生徒いわく、「3年間、ロボットをやってきたんで…」と控えめな コメント。授業のようすは本校ホームページのGE公式サイトにて、ダイジェスト動画を配信しています。一度アクセスし てみてください。 後半は明法祭準備です。中3のGEはロボット体験教室を行うことにしました。その名も「programmer<ゼロから始 めるロボット教室>」です。GEが得意とするロボットプログラミングを、広くその魅力について知ってもらおうという企 画です。明法祭にお越しの際はぜひお立ち寄りください。 Page 3 明法祭 10月1日(土) 2日(日) 9:30~15:30 説明会終了後、中学オーケストラがご覧いただけます 10月2日(日)10:00~11:00(受付開始9:30) *本校HP([明法]で検索)から予約フォームにお⼊りいただき、事前予約することができます。 (9/2(⾦)10:00〜 9/30(⾦)正午) 体験教室 10月15日(土)14:30~17:30 (受付開始 14:00) 要予約 明法GEの特徴の中から、科学教育、グローバル教育に直結した2つのプログラムを用意いたしました。 プログラム1 初めて参加される方 Prg1 火星探査ロボットを動かしてみよう! コンピュータ内蔵の自律型ロボット教材を使って、火星探査ロ ボットや月面基地建設のロボットのプログラミングをします。 プログラム2 前回(7月9日)参加された方 Prg2 宇宙飛行士が行う訓練に挑戦してみよう! 管制官と宇宙飛行士が行う※ブラインドコミュニケーションに 挑戦。言葉だけで情報を正確に伝えるにはどうすればよいか、 実践で学びます。 ※音声のみで情報を正確に伝える技術 ▶対象学年:小学6・5年生 ▶会場:明法中学・高等学校 ▶定員:プログラム1・2合わせて50名 ▶予約期間 9月9日(金)10:00 ~ 10月12日(水)12:00 ▶予約方法 明法GEのホームページから応募フォームにお入りいただ いてお申し込みください。 http://www.meiho-ge.ed.jp(トップページ下段から入れます) ※定員に達し次第締切らせていただきます。ご了承ください ※締切後も説明会への参加および体験教室のご見学は承ります。 *プログラムの一部が変更になる場合があります。 MEIHO Global Endeavors 〒189-0024 東京都東村山市富士見町2-4-12 明法中学・高等学校 TEL:042(393)5611 FAX:042(391)7129 http://www.meiho-ge.ed.jp Page 4