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地域独自食の売出し効果に関する調査研究

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地域独自食の売出し効果に関する調査研究
ご
あ
い
さ
つ
財団法人21世紀ヒューマンケア研究機構は、すべての県民が健やかに、人間らしく、
共に生きることができる社会の実現を図るため、命の尊厳と生きる歓びを高めるヒューマ
ンケアの研究を進めており、その中で、地域政策研究所は新しい地域社会づくりをめざし
て、産・官・学の協働体制のもとに様々な調査研究を実施し、行政をはじめとする関係団
体や県民の方々に広く提言を行っています。
本報告書は、地域政策研究所が平成 16 年度に自主研究として実施した研究成果を「住民
主体の地産食材、地域独自食の売出し効果」としてとりまとめたものです。
BSE 問題や相次ぐ産地偽装事件など、食に対する信頼が揺らぐ一方で、スローフーズや
地産地消といった、地域で採れた食材の消費や伝統的な食事の見直しなどが行われていま
す。さらにはこうした地域の食を地域の活性化に結びつけようという動きも見られます。
これらは食のグローバル化が進む中でのローカルな方向の模索ということができます。
本研究では、兵庫県下で食に関わる団体を対象に調査を行いました。
調査研究の結果、これら団体により食を生かした地域づくりが積極的に行われているこ
と、また食の活動団体という資源はある種のクラブ財ということができ、これらクラブ財
を重ね合わせることで、公共財的な役割を果たすことも期待されること等が明らかになり
ました。
研究の成果が行政機関をはじめ、研究機関や地域の団体等において広く活用されますこ
とを望んでおります。
最後になりましたが、今回の調査にあたり、ご協力を賜りました県民協力研究員の皆様、
各種団体の関係者及び、市町をはじめとする行政機関の皆様に心から感謝いたします。
平成17年3月
(財)21世紀ヒューマンケア研究機構
地域政策研究所長
加
藤
恵
正
目
第1章
食と地域に関する課題
次
・・・・・・・・
1
1.食への関心の高まり
・・・・・・・・ 1
2.グローバルとローカルからの視点
・・・・・・・・ 3
3.地域活性化に向けて食の役割と研究目的
・・・・・・・・
第2章
兵庫県下における食に関する活動
・・・・・・・・
6
9
1.食に関する活動とその活動団体
・・・・・・・・ 9
2.活動・活動団体の特徴
・・・・・・・・ 15
3.兵庫県内における食に関する活動・活動団体データベースの作成
第3章
食に関する活動を行う団体の現状と課題
1.アンケート調査
・・・・・・・・ 41
2.活動団体の実態と課題
・・・・・・・・ 43
3.他団体との連携について
・・・・・・・・ 58
第4章
結論と提言
・・・・・・・・
1.調査結果の概要
2.提言
・・・・・・・・
61
・・・・・・・・
62
61
・・・・・・・・
41
・・18
第1章
食と地域に関する課題
1.食への関心の高まり
①料理に対する関心
食は国民の間でも関心が高いテーマである。
第一に、国民の間で食べることについては関心が高い。東京など大都市では、世界中の料理を食べる
ことができる。しかも本国でも屈指というような高級な店も数多い。何を食べるか、悩むことになる。
もちろん、毎日豪勢な食事とはならないものの、毎日同じ食事というわけにもいかない。
戦後、日本人は食に関して貪欲になった。終戦直後、配給される食糧は 1024 キロカロリー相当分で
あり、これは腹八分目ならぬ、成人の必要な熱量の 2/3 程度でしかなかった。この「強烈な」食糧不足
体験が、日本人を飽食へと走らせたのかもしれない。
食に対し関心が高いのは、もちろん日本人に限ったことではないだろう。例えば古代ローマ人貴族の
食に対するこだわりは、材料を帝国各地から集め、ついには食事を楽しむためだけに、食べた後喉を突
付いて(あるいは吐瀉剤を用いて)吐き、また食べたといわれる。中国人は机・椅子以外の四足のもの
は食べるといわれる。どのような素材も調理をするという豊富な調理法と、多様性を示している。そし
て美食家は教養人との位置づけであった。美食ができるほどの金持ちということだが、美食を必ずしも
否定的に捉えていない。
ただ、現代日本での食に対する関心の特徴は、層を限らず多くの人が、また実際に食べるというより
も、純粋に料理に関心があるということである。
本屋では、料理コーナーが一角を占めて人気を博している。そこには古今東西の料理に関する写真入
の豪華な解説書や有名人の食に関するエッセイが並ぶ。旅行雑誌や紀行本も必ず食の紹介がある。また
食を扱うテレビ番組は高い視聴率を誇る。料理教室番組や世界各地の食を紹介するという情報提供番組
はまだしも、高級な食材を扱い、プロの料理人が作る食品に出演者が舌鼓を打つという、見ている側に
とっては何も美味しくないのでは、というものまで人気が高い。
さらにマンガの分野でも、料理マンガという分野が確立している。これは雁屋哲原作、花咲アキラ作
の『美味しんぼ』以降といわれる。連載当初がバブル期とはいえ究極のメニューなる、一般の人が目に
することも食することも無いであろう料理をテーマとし、多分にお説教も入ったこのマンガが、現在に
至るまで連載が続く根強い人気を誇るのは、やはり食がテーマであるからではないか。その後、雨後の
筍のごとく料理マンガが生まれてきたことがそれを物語っている。
このように、広く料理への関心があることは、国民全体が豊かになった表れとみることができる。ま
さに飽食の時代に相応しい。しかも料理そのものに関心を持つことは、日々の生活において、ある程度
の食の水準が確保され、食糧確保に心配が無いことの裏返しと見ることができるだろう。
さらに料理への関心が、食文化への関心にまで拡大している。料理から食文化への橋渡し役として、
例えば発酵食品に詳しい小泉武夫東京農業大学教授、石毛直道国立民族学博物館名誉教授などの知識人
が紙面やマスコミで活躍するのを見ながら、食という人間の基本的な欲求を満たすための活動があたか
も高度な文化的活動であり、食への関心への言い訳としているのである。
1
②食の安全性に対する関心
第二に、食の安全に対する関心である。この点については、2 つの要素があることを挙げておきたい。
まずは食そのものの安全性を巡ってのもので、牛海綿状脳症(BSE)問題、鶏インフルエンザ、口蹄
疫など家畜にかかる伝染病は、国内はもとより、世界各国での課題となっている。これらは、最初は事
業者の経済的問題とも考えられていたが、被害の拡大とともにその経済的影響は消費者にも拡大し、し
かもその危険性が人にも拡大するに至っている。
例えば、BSE はイギリスで 1985 年に報告されている。同じく異常プリオンによる家畜の病気である、
羊のスクレイピーは 1700 年代から見られたといわれるが、羊や牛などの骨粉などを混ぜた飼料を 1970
年代後半から与えていたことから、いわば種を越えて感染した疑いがあった。1996 年になって、同じ
イギリスでクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の症状を持つ患者の報告があり、CJD との病理経過の
相違から変異型 CJD と認識され、これと BSE との関連が取りざたされた。BSE に罹った牛の神経組
織を経口摂取したことが要因とされたのである。これ以降、パニック的に英国産の牛肉の輸入が差し止
められたものの、同様の骨粉を混ぜた飼料は世界で使用されており、カナダ、オーストリア、フィンラ
ンド、そして日本、アメリカなどでも BSE が発生した。
これに伴う混乱は、牛肉の消費量の落ち込みによる肉店やレストランの経営への影響を与えただけで
はなく、政府の回収作業に伴う詐欺事件、さらにはアメリカ産牛肉の輸入禁止にともなう新たな日米貿
易摩擦も引き起こしたのである。そして問題は、異常プリオンが人から人へ感染する可能性が捨て切れ
ていないことである。2005 年になって、日本国内で初めて変異型 CJD 患者の死亡が確認されたが、政
府は直ちに一定期間(1980 年から 96 年まで)イギリス、フランスに滞在していた人の献血を禁止した。
これは異常プリオンが血液を介し人から人へと感染することを極度に恐れてのことである。
こうした種を越える病気は鶏インフルエンザでも確認されている。鶏インフルエンザによって養鶏場
はパニックに陥ったが、それ以上に懸念されたのが鶏から人へ、そして人から人へとインフルエンザが
感染することだったのである。
さらに遺伝子組み換え食品に対する安全性への関心も高い。例えば、遺伝子組み換え植物は、虫に対
する毒素を出す微生物の特定の遺伝子をトウモロコシの遺伝子と融合し、トウモロコシが毒素を出すこ
とによって虫をつかさない。これによって殺虫剤の散布量を抑え環境への影響を低下させるという発想
である。この他、収量を増やす、病気に強いなど植物の遺伝的特性を融合させることで、生産性を高め
るのである。従来の品種改良も、特定の遺伝子を持つ植物同士を掛け合わせることによって遺伝子を組
み換えていることとは違わない。だが遺伝子工学によって、動物の遺伝子の一部を植物の遺伝子と融合
させるなど、従来よりも幅広い組み換えと短時間での成果が得られるだけに、不安も大きいのである。
日本の厚生労働省では、これまでのところ遺伝子組み換え食品については事業者が、主要成分につい
ての割合が自然のものと変わらないことや、新たなアレルゲンとならないことなどを安全指針として示
している。とはいえ、実際に長期間摂取したデータが無い以上、本当に安全か否かはわからない、とい
うのが現実である。そのため遺伝子組み換え食品への安全性に対する関心が高いのである。
もう一つの要素は、食品関連企業に対する安全性への関心である。2000 年夏に発生した雪印乳業の
食中毒事件は、被害者が 14,780 人という前代未聞のものであり、しかもその後の対応が消費者の不信
を買った。企業は情報を隠し、あるいは検査をごまかそうとしたのである。原因は再使用する牛乳の原
料を冷蔵庫外に放置し、細菌を繁殖させたという食品企業としてはあまりに杜撰なものであった。舞台
となった大阪工場は廃止され、雪印乳業は牛乳の生産販売部門を別会社に移管し、事業から撤退した。
これは企業のコンプライアンス(法令順守)を巡る問題、危機管理の問題とともに食品の安全性につ
2
いて企業への不信を拡大させた。さらに、2002 年には大阪市の第三セクターの大阪港埠頭ターミナル
による偽装表示が発覚、雪印食品の偽装牛肉事件などが相次ぎ、食品企業に対する不信感が高まった。
政府も JAS 法を強化するなど対策を進めたが、やはり企業のモラル遵守は消費者の選択にかかってお
り、不正を起した企業の多くが市場からノーを突きつけられ、業績の低迷、もしくは事業からの撤退を
余儀なくされている。
いずれにせよ両者に共通するのは、不信から来る関心である。BSE 問題で一時的にパニックになった
ものの、政府は牛の全頭検査を導入し、危険部位の完全除去を行うことで、国内産牛肉については、パ
ニックは収まった。しかし BSE 発覚後、アメリカ産牛肉の輸入に際し、科学的(統計的というほうが
正しいかもしれない)な理由から、生後 20 ヶ月未満の牛肉の輸入を認める方向であり、不信はまだ根
強い。遺伝子組み換え食品についても、アメリカからは、遺伝子組み換え食品の使用を原因とする長期
的な健康被害は、今までのところない、という報告書が出されている。そして、遺伝子組み換え食品が
人間の遺伝子が採り込まれる危険性は、無視できるレベルのものだが、完全に度外視できるものではな
いとまとめている。不信は完全に払拭されず、日本で遺伝子組み換え食品が普及するのは先になりそう
である。
2.グローバルとローカルからの視点
①マクドナルドのある国同士は戦争しない
前節で触れた、料理に対する関心、そして食の安全性に関する関心は、グローバル化の中での動きと
密接に関連する。料理の多様性は世界各国の料理を食べることができるからであり、そこから発する食
文化論は、日本と海外とを際立たせる役割を果たす。
食の安全はよりグローバル化と結びついている。BSE 問題が世界各国に飛び火したのは、飼育牛用の
飼料の中に異常プリオンを含む羊や牛の肉骨粉が含まれており、それが世界に販売されたからである。
グローバル化の本質は、コストの低減化と利潤の最大化にある。アメリカの農家は常に為替相場とシカ
ゴの穀物市場に注意を払っている。遺伝子組み換え食品もプリオン入りの飼料もコスト低減に不可欠な
要素であり、グローバル化でいずれ直面する課題であった。渡り鳥が介在したという説もある鶏インフ
ルエンザを除くと食の災厄(あるいはその可能性)を国境の内側にとどめておくことができないのは人
間の欲望のためなのかもしれない。
食のグローバル化での典型例はファストフードであろう。旧ソ連と東ヨーロッパ諸国の崩壊、中国の
改革開放の加速化など 1990 年代初頭にグローバル化(これまで資本も人も自由に参入できない東側が
開放され、晴れて世界が市場で一つになった)が実現して以来、その尖兵として乗り込んだ集団の一つ
がファストフードであった。
トーマス・フリードマンはグローバル化の本質を「マクドナルドのある国同士は戦争をしたがらない」
と言っている 1 。マクドナルドがアメリカの主導するグローバル化の要素であり、マクドナルドがある、
すなわちグローバル経済に組み込まれている国であること、それゆえその枠組みの外に出ることは当該
国にとって経済的な損失である。
1
トーマス・フリードマン(著)
草思社
東江一紀、服部清美(訳)『レクサスとオリーブの木(上下)』2000 年、
3
マクドナルドがグローバル化の象徴となっているのは、モスクワや北京に店舗があるからだけではな
い。マクドナルドの巨大なシステムが世界に拡張され、以前に当地にあった細々とした、そして多様な
食供給のシステムを崩壊させかねないからであり 2 、それは金融のグローバル化によりロンドンがウィ
ンブルドン化 3 したことと同様なのである。
だが、食のグローバル化の急速な動きに対し、懸念と嫌悪が表されている。1999 年にシアトルで開
催された WTO 総会では食糧の輸入の自由化をそのテーマとしていた。しかしそれが貧しい国々の食料
を奪うことになり、また伝統を破壊し、一部の国々の農業者のみに利益をもたらすとして、会場の外で
は世界各地から集まったデモ隊が激しく警官隊と衝突していたのである。
実際、世界の農産物の貿易を見ると、先進国が比較優位を持っている。穀物と大豆については、アメ
リカ、フランスを中心とする先進国と中国、タイ、アルゼンチン、ブラジルを合わせた輸出量のシェア
はほぼ 100%である。1960 年代はほぼ均衡していた貿易が、1995 年から 97 年にかけては先進国が 1.01
億トンを輸出し、途上国が 1.1 億トンを輸入する構造である。食料を買わざるを得ない途上国にとって
それは外貨の減少を意味する。さらに巨大な人口を持つ中国が食料の純輸入国に転じれば、食料の国際
価格が上昇し、途上国では食料の輸入ができない、という事態も発生しかねないのである。
グローバル化の象徴となったマクドナルドは憎悪の対象となり、1999 年にはフランスで建設中のマ
クドナルドの店が襲われるという事件までおきている。
②スローフードとローカル性
さて、マクドナルドに代表されるファストフードがグロー
バル化の代弁者であるならば、スローフードはローカル性を
強調する手段でもある。スローフードという言葉自体は、フ
ァストフードへの対抗として生まれてきたのである。
右はスローフードの故郷とされる、イタリアトスカーナ地
方の写真である。ポー川を有する大地からの豊かな自然の恵
みがスローフードを実現する背景であった。
日本でも、イタリアや南部フランスなどが理想的に紹介さ
れる中で、スローフードが取上げられ、エッセイや写真集な
どで紹介され、スローフードがゆっくり食べるというだけで
はなく、食の楽しみを与え、癒すという位置づけで捉えられ
るようになっている。
そして、日本では地産地消とも同義で捉えることもある。
地産地消は、「地域で生産された農林水産物、またそれを主
原料としている食品加工品をその地域で消費する」こととさ
れる。さらに生産者と消費者が協力して、食を取り巻く伝統
や文化など地域性を発揮する活動についても、地産地消とい
われることがある。
2
エリック・シュローサー(著)、楡井浩一(訳)『ファストフードが世界を食いつくす』2001 年、草思社
ロンドンのシティは世界の金融の中心であるが、そこで活躍するのは外国の企業であることを意味す
る。イギリスの銀行は国際競争に敗れ、買収されるか倒産したのである。場所を提供するが活躍するプ
レイヤーは外国人、というロンドン郊外で開催されるテニスのウィンブルドンに掛けて言われた。
4
3
熊本県の県民アンケートの結果を見ると、2003 年から 2005 年までの間に、地産地消への関心が高ま
っている様子が見て取れる。
表 1-1 熊本県民アンケート結果から見る地産地消への関心 4 (比率)
問
地産地消への関心
2003 年
2004 年
2005 年
とても関心がある
32.7%
29.0%
43.7%
ある程度関心がある
44.3%
48.0%
41.0%
あまり関心がない
13.0%
12.6%
7.4%
全く関心がない
1.5%
1.1%
0.8%
わからない
6.1%
6.8%
4.6%
無回答
2.4%
2.4%
2.6%
ところで、地産地消もまた食のグローバル化と無関係ではない。「地産地消」という言葉が、新聞紙
上に登場するのは 1985 年のこと。この当時、日本の農業を大いに揺るがしたのが食糧の自由化問題で
ある。実は食料の自由化は 1960 年代から断続的に実施され、麦、大豆、柑橘類などの輸入制限が緩和
されてきた。
表 1-2 農産物輸入自由化の経過
1955 年
日本、ガットに加入
1960 年
貿易為替自由化政策の決定
1961 年
大豆の自由化
ケネディ・ラウンド始まる
1963 年
粗糖の自由化
バナナなど 25 品目の自由化
1964 年
日本、IMF8 条国に移行、OECDに加盟
レモンなど 2 品目の自由化
1967 年
ケネディ・ラウンド妥結
1968 年
輸入自由化の促進決定
1971 年
グレープフルーツなど 20 品目の自由化
1973 年
米国、穀物禁輸措置
1978 年
日米農産物交渉妥結、高級牛肉・オレンジの輸入増へ
1983 年
1984 年
米国、日本の 13 品目をガット提訴
グレープフルーツジュース自由化
日米牛肉・オレンジ交渉、輸入枠拡大で決着
1984 年
韓国から米の緊急輸入
1986 年
米国、日本の 12 品目をガットに再提訴
1987 年
1988 年
ガット総会で 10 品目がクロ裁定
ガット裁定のうち 8 品目の自由化決定
牛肉・オレンジ、91 年度からの自由化決定
1989 年 4 月
非かんきつ果汁(濃縮)、プロセスチーズの自由化
1990 年 4 月
アイスクリーム、ぶどう糖など8品目の自由化
1991 年 4 月
牛肉・オレンジの自由化
1992 年 4 月
オレンジ果汁の自由化
しかし、この時期は日米間の貿易摩擦が激しさを増していた。第二次オイルショックからの不況をア
メリカへの輸出で脱出しようとしていた日本の製造業を中心とする財界側は、日米貿易摩擦の解消とし
4
熊本県の公式ホームページ(http://www.pref.kumamoto.jp/)より。
5
て農業の自由化を訴え始める。1982 年には牛肉とオレンジの自由化をアメリカ側が強く要求、この問
題は結局 1988 年に 1991 年からの自由化を決定した。また 1984 年には、米不足により韓国から米を緊
急輸入せざるを得なくなった事をきっかけに、聖域と見られていた米の自由化も問題の視野に入り始め
た。1985 年に政府は輸入の拡大のためのアクションプランを策定するが、その中で農産物等の市場開
放もふくまれていた。
1985 年ごろからはアメリカは農産物の貿易障壁について日本を次々と GATT に提訴するなど攻勢を
強める中、日本は輸入拡大を小出しに示すだけであった。当時、生産者側と消費者側には農業の自由化
には反対という共通の利益があった。
その一方で食料自給率は低下の一途をたどっている。これは農政の行き詰まりを意味していると考え
られる。輸入自由化の外圧と農政の行き詰まりの中で、消費者は必ずしも国産農産物にこだわらず、安
い商品を求める層は確実に増えている。
牛肉の輸入が自由化されて以来、牛肉価格は低下し、輸入牛肉が増大しているのである。
消費者側には、安い食品を買いたいという要求もあった。一方で、米価審議会のように食料品の統制
価格が残っていることへの反発も消費者側にあり、農家への「過保護」に対する反発も生まれていた。
さらに農協(JA)のあり方も問い直されている。食料自給率の低下の一方で米については過剰で古米、
古古米が問題視されていた。過剰でありながら安くならない米価格について、消費者と生産者によって
決定される米価審議会において、農協の甘え体質が批判の対象となったのである。
特に 1985 年からの円高で農産物の内外格差が明らかになると、農政そのものへの批判となって顕在
化してきたのである。この時期に地産地消運動が JA(農協)を中心として展開されていることに注目する
と、地産地消は「食」ばかりではなく、「政治」も関わることに注意が必要である。
3.地域活性化に向けて食の役割と研究目的
①地域と食
地産地消をもちろん否定的に捉えるつもりはない。
財団法人 21世紀ヒューマンケア研究機構地域政策研究所が2003年に、兵庫県加古川市周辺のJAの直売
所で実施したアンケート調査結果を表1-3に示す。
表1-3 地産地消による利点
度数
顔が見えて安心なこと
価格が安いこと
新鮮であること
農業の振興に繋がること
地元の誇り・地域振興
合計
欠損値
合計
169
137
664
54
66
1090
77
1167
パーセント
14.5
11.7
56.9
4.6
5.7
93.4
6.6
100.0
有効パーセント
15.5
12.6
60.9
5.0
6.1
100.0
結果を見ると地産地消の利点として60.9%が新鮮であることを回答しているが、興味深い点として、
農業の振興に繋がる、地元の誇り・地域振興という、商品を通してその背後にある地域へのインパクト
6
という点を評価する人が少なくないのである。
このことは食が地域の活性化や地域のアイデンティティ確立に役立つことを示している。食を通して
の地域づくり、である。奈良漬、京野菜など地域名が付けられる食も多い。こうした食を通しての地域
活性化の可能性を探る必要があるのではないか。
震災で大きな被害を受けた新長田地区では、まちづくりに食を取上げている。道場六三郎氏を招いて
の創作お好み焼き、100人分のそば飯づくりなど、様々な魅力的なアイデアで地域を盛り立てようとし
ている 5 。また、「料理はそもそも、その地域性や地域の文化、精神を抜きには考えられないものです。
猿人の時代からいろんな地域に人間が移り住むようになり、その土地で採れるものをその文化に合う方
法で調理してきた。これからの食はその土地に合うやり方を見つける必要があるんだと思います。」と
語るのは、かの料亭吉兆の徳岡邦夫氏である 6 。食そのものが地域のアイデンティティである、という
考えである。
NHKが放送した「たべもの新世紀」は、様々な食の産地の取組みを紹介していた。ここから食と地
域との関わりを考える上で重要な事例を一部抜粋してみる 7 。
静岡県の「しずおか棚田くらぶ」は棚田再生のために、棚田オーナー制度を取り入れた。棚田を地域
再生の起爆剤にしたいという住民の思いと、棚田を再生したいとの農家の希望が合致したのである。こ
こからわかるのは、消費者と生産者が経済のメカニズムでは市場でしか相対しないのに対し、地域とい
う同じ土俵であれば立場を超えて係わり合うことができる姿である。さらに香川県で開発したさぬきう
どん用の小麦、さぬきの夢2000は、小麦というグローバル商品に対し、地域に合った、地域の食べ物に
合致した小麦を作る、という逆転の発想である。そもそも地域の小麦(江戸時代、讃岐三白と呼ばれて
いた)を使って作っていたうどんが、いつの間にか原料が外国産になり、味が変わってしまったという
ことが発端なのである。そして岐阜県の明宝レディースは、減反で余った土地でトマト栽培を行い、そ
れをケチャップに加工する。地元食材を使うことで、農業を活性化し地元の雇用にも貢献する。こうし
た地元重視の姿勢でありながら、同時にビジネスとしても成功させている。農業は衰退し、政府に依存
しなければ続けられないという考えを覆し、地域活性化を成し遂げた事例である。
このように、地域と食との関わりを追求することは、すなわち新しい経済システムを考えることにも
なる。さらに、食べるということは私的な作業であるが、対象となる「食」は神との絆とみなされるこ
ともあり、また地域の象徴として扱われることもある。食と地域の関係はすなわち、人と地域との関係
を見直す契機にもなる。
②研究の目的と研究体制
本研究は兵庫県における食と地域のかかわり、特に食を使った活動が地域にどのような影響を与える
のかについて検討する。そのために、食に関する活動を担う団体に注目する。食を通し、あるいは食を
生かしての地域づくりを実践し、地域の食材を生かした新しい食を作る団体などが、それぞれの活動に
おいてどのような影響を地域へ与えているのか、検討することである。
最近の食に対する関心の高さから、政策的にも地域の活性化に食を用いるケースが多い。兵庫県は地
産地消を掲げて、認証制度をはじめとして多くの食に関する政策を実施している 8 。こうした政策を実
5
神戸ながたTMO『銭湯帰りに、お好み焼き~震災のまちから食のまちへ』2004 年、アスク
京都新聞 2004 年 12 月 20 日付記事
7 NHKたべもの新世紀取材班『NHKたべもの新世紀 食の挑戦者たち』
8 兵庫県の平成 17 年度当初予算案によると、農林水産ではその柱として「地産地消」の促進をあげて
7
6
際に担うのは、農家であり、地域住民である。それゆえ、それらの活動に注目することが求められる。
また、活動が順調ではない部分もある。食の供給が本来は市場メカニズムによって行われるものであ
り、その営利事業と行政施策、さらにまちづくりとの融合をどのように進めるのか抱える課題が多いの
である。
本研究では、まず兵庫県下で食に関する活動を行っている団体を収集し、データベースを作成すると
ともに、そうした団体が抱える課題や団体が及ぼす地域への影響をアンケート調査から明らかにする。
データベースについては活動が分かるよう一部を報告書内で公表しており、関心あるテーマ、活動があ
れば是非とも参考にして欲しいと思っている。
兵庫県は日本の縮図とも呼ばれる。そして京都から日本海を通しての食文化、瀬戸内海を通しての大
阪からの食文化が融合している。明治以降は神戸の開港に伴い、新しい食が紹介されるようになった。
こうした地理的、歴史的にも多様性と先進性を持つ兵庫県における研究から得られる知見は、全国にも
応用が可能であり、当報告書を通して食と地域の関わりの一端が伝わるならば幸いである。
なお、研究は以下の体制で実施した。
調査研究
田端
和彦
財団法人 21 世紀ヒューマンケア研究機構 地域政策研究所
兵庫大学経済情報学部
水野
正博
主任研究員
助教授
財団法人 21 世紀ヒューマンケア研究機構 地域政策研究所
主任研究員
(肩書きは、平成 17 年 3 月末のもの)
参考文献
岸
康彦『食と農の戦後史』1996 年、日本経済新聞社
いる。具体的には地元産の野菜、米などを学校給食に導入するため、メニュー開発の支援や試食会を開
くほか、調達費のコスト上昇分を補助。また、地元量販店への取引を支援するため、通年栽培できるパ
イプハウスや、野菜こん包機の導入費を 3 割助成するなど。(神戸新聞 2005 年 2 月 23 日付記事)
8
第2章
兵庫県下における食に関する活動
1.食に関する活動とその活動団体
①調査概要
地域において、自治体を含む多くの団体が食に関する活動を行っている。兵庫県下における食に関す
る活動、及びそれ実施している団体を抽出する。
調査の方法であるが、平成 16 年 10 月に県下各市町と県民局に対し、例えば地元食材を活かした独自
食の開発、伝統食の復活やブランド化、食育など、地域での食に関する活動の取り組み、取り組むグル
ープ等について、活動内容、連絡先についての紹介を依頼した。この調査の際には、それら団体や活動
の特徴として、活動の目的、活動の種類、活動の主体についても設問とした。
結果等をもとに、代表的な活動について分類し、以下、紹介する。
②行政が主導する認証活動
行政が主体となる活動である。代表的な活動として、地域にある食のブランド化への努力や認証制度
がある。
認証制度は 1990 年代からの動きである。当時、消費者の農薬や化学肥料に対する懸念から、無農薬
や有機栽培を謳う商品が出回るようになった。欧米では有機農産物については既に法規制体制ができて
いる(アメリカ:1990 年農業法)が、日本では 1993 年に農林水産省が「有機農産物等特別表示ガイド
ライン」を作っただけである。しかし健康ブームの中、無農薬、減農薬、減化学肥料など表示が乱立、
基準が明確ではないなど曖昧さをのこした。2001 年にガイドラインを見直し、特別栽培農産物に表示
を統一するなど改善を図った。こうした中で、生産地では自治体独自のガイドラインに従い、認証を行
うケースが増えてきている。
兵庫県では 2001 年から、残留農薬は国の安全基準の 10 分の 1 などとする独自の安全基準を守る生産
者団体を認定し、農産物を「ひょうご安心ブランド」と認証する制度をはじめた。その後も食の安全・
安心を求め、新しい認証制度も誕生している。
名
称
ひょうご食品認証制度
主
体
兵庫県農林水産部農政企画局
平成 16 年度の新規事業。昨今の BSE や鳥インフルエンザの発生、食品の偽装表示等の一連の食品事件を契機に、食品
に対する不安感や不信感が高まり、県産食品が持つ本来のおいしさ等が十分に評価されにくい状況が見受けられる。こ
うした状況に対応するため、県産食品(農・畜・水産物及び加工食品)を認証基準に基づいて審査し、認証した食品等
を積極的にアピールし、県産食品の消費を拡大し、地産地消(県産県消)を推進する。
認証主体:県内に住所を有する生産者団体等。
認証基準:①「個性・特長」、環境に配慮した生産方法や品質等の個性や特長を有すること。
②「安全性の確保」、食品衛生法等の法令基準が遵守されていること。
③「安心感の醸成」、生産者が生産履歴を開示する仕組みを整えること。
第 1 回認証:31 食品(農産物 21、畜産物 2、加工食品 8)
9
名
称
伝統野菜等ふるさと野菜ブランド化計画
主
体
兵庫県農林水産部農林水産局
伝統野菜は農家が育てた作物から種を採る自家採取を繰り返し、一定地域で栽培され、地域の気候風土が独特の風味を
醸し出している、素晴らしいものである。しかし、農家の高齢化や流通構造の変化などで、生産量の減少や消滅の危機
にある。そこで県では減少または消滅した種子を発掘して収集し、栽培実験などで種子の系統や品種の特性を確認して
増殖を行い、栽培方法を確立する。また生産者の組織化、販路の開拓を進めて栽培面積を広げ、特産物ブランド化に努
める。
兵庫の伝統野菜例:太市のたけのこ、姫路のレンコン、網干のメロン、妻鹿メロン、深志野メロン、網干水菜、姫路若
菜、海老芋、野田芋。
名
称
小野うまいもんブランド認証制度
主
体
小野市観光協会
経緯:優れた小野の農産物のしるしとしてブランド認証制度の正接が求められた。
内容:地元で作られた「こだわり」の農産物をブランドに値するか審査し、基準をクリアしている商品に対して認証す
る。平成 15 年から 1 年間で 17 品目を認証。
影響:温泉施設の売店など、市内の店舗での販売やイベント時などに「おすすめ」を公的に認証し、生産者の励みとな
っている。
③民間企業による食づくり
食づくりは民間の役割である。農家など農業生産者から始まり、流通事業者、加工業者、小売業者、
レストランと、消費者の口に届くまで基本的には市場メカニズムを通して提供される。主食である米も、
政府管理から 1995 年の食糧管理法の廃止、食糧法の施行をもって規制緩和を進め、民間流通、市場原
理による価格形成へと移行したのである。
また食関係の産業をフードビジネスと位置づけた場合、その多くが地場資本での企業であることから
地域経済への影響もある。九州ではフードビジネスを産業集積の一つの中核に据えるということも提言
されている 1。こうした点で、民間による食作りは重要な観点ではあるが、ここではビジネスではなく、
地域と食との関係に民間企業がどのように関わるのか、その事例を紹介する。
名
称
はりま海塩隊
主
体
はりま海塩隊
塩についてはミネラル分が豊富であり、効用も大きいが十分理解されていないところがある。そこで、姫路の食品関係
会社 10 社が平成 14 年に結成。かつては塩田が並んでいた瀬戸内海沿岸であるが、現在では塩の生産は行われていない。
平成 8 年ごろから無添加の塩作りに取り組んできた。韓国産の塩の開発などを手がけ、これまでに 8 アイテムを商品化、
ホームページで販売している。コンスタントに売上げているのは 3 アイテム程度である。食品会社が関わるがゆえに、
塩にこだわりすぎると、コストの面で食品会社での使用には限界もある。また企業側が飽きてしまう、という点もある。
今後は播磨の名物作りや、無添加の強みを生かして安全な食品作り、消費者サイドからの認定などに従事したい。
名
称
伊丹郷町(ごうちょう)物語・伊丹郷町御膳
主
体
伊丹郷町館・伊丹市観光物産協会
【伊丹郷町物語】伊丹市観光物産協会が市内の名所旧跡・特産品などにちなんだ創作弁当「伊丹郷町物語」を開発。観
光 PR と市内産業育成が狙い。荒牧バラ公園にちなみ食用バラの花びらを散らしたバラ寿司、伊丹の酒を使った魚のみそ
焼き、伊丹特産の南京桃にちなみ桃をかたどった生麩(ふ)
、神津地区の名物、ヒョウタンをかたどった煮物、柿衞文庫
にちなんだユズ柿など 12 品を組み合わせている。弁当の名前は、有岡城の城下町を中心にした村落群で、江戸時代に酒
造りで栄えた町の名を冠し「伊丹郷町物語」とした。
1
財団法人 九州経済調査会『フードアイランド九州 2004 年版九州経済白書』2004 年
10
【伊丹郷町御膳】江戸時代の俳人、呉春(本命・松村月渓)が催したグルメの会の献立を現代風にアレンジした料理「伊
丹郷町(ごうちょう)御膳」を開発、江戸期の町屋「伊丹郷町館」で、伊丹の地酒とともに提供。呉春は京都生まれの俳
人・画家で、与謝蕪村の一番弟子。食通としても知られ、池田に住んでいたころ、グルメの俳人を集めた月例食事会「一
菜会」を主宰。その献立資料は財団法人柿衞(かきもり)文庫に残っており、これに着目した伊丹市文化振興財団が、
伊丹郷町館活用の一環として伊丹郷町御膳を開発した。
④生産者による新規食の開発
農業や漁業に従事する生産者が、農産物等の商品化を行う事例が報告されている。
生産加工による高付加価値化であるが、新鮮であることや、顔が見えるという安心を売り物に存在感
を増している。
これは二つの要素が関連する。第一にインターネットの普及により、広範囲に産地直品の存在をアピ
ールすることができる、という点である。社団法人兵庫みどり公社では、ひょうごの旬マガジン「ふる
さと特産館」というホームページを開設(http://www.shunmaga.jp/index.htm)こうした商品を紹介し
ている。第二に各地にできている道の駅や JA の直売所など、産直品を販売する店舗が増加しているこ
とである。平成 16 年に兵庫県が地産地消の取り組みの一環として県内 105 カ所の直売所でのスタンプ
ラリーを実施しているが、他に青空市や朝市も含めると、多くの販売拠点があることが想像される。
その中で農村部における生活改善グループなどが行う食の生産活動が各地で実施されている。
名
称
いちじくワイン(川西の朝露)の生産、他
主
体
JA 兵庫六甲川西営業支援センター
川西市は「いちじく」の特産地で、年間 600 トン(120 戸、20ha)の生産地であり、県下では、神戸市に続いて生産量
が多い。全国的にも 120 ほどの市町村において生産されているが、愛知県、和歌山県、ともども有数の生産地となって
いる。品種は桝井ドーフィンであり、昭和の初め頃広島県から萩原地区において栽培され、その後気候等の適した南部
地区でも栽培されている。従前は生のいちじくを 8 月初めから 10 月中旬まで販売していたが、平成 6 年から、JA を中
心としたいちじくワイン協議会を立ち上げ、「いちじくワイン」を生産し、販売している。また平成 10 年からは川西商
工会議所菓子組合と連携して、いちじくを使用したパン等も販売している。
名
称
都染いもっこ会
主
体
都染いもっこ会
加古川市にあるグループ。地元営農組合と会員が生産する野菜を使った加工品を製造・販売。平成 8 年頃からは、休耕
田でつくったムラサキイモをを使ったパン、クッキー、チップなどが目玉商品である。JA 直販所等で販売。また手作り
惣菜の生産も行っており、移動販売車で集落内を巡回販売している(火、木、土)。ビジネスとしての自律を願っており、
兵庫県が進めるコミュニティビジネス支援の一環であるコミュニティビジネス離陸応援事業にも応募、補助金を得て機
械設備等を購入している。
名
称
きらり加工グループ
主
体
きらり加工グループ
東条町にあるグループ。
(目的)町の活性化を図りたい。
四季の香りと味を多くの人に知ってもらいたい
地域の食材を活かし、行事料理、お母さんお味を次の世代へと伝えて生きたい
など。
(活動内容)
1 各種イベント(町、県、生産団体)への参加による商品等の PR。
2 手作り加工品(惣菜、菓子、ご飯物)の生産販売。(天神商店街にあるきらりのお店)
3 東条町特産加工品開発研究会の一員として商品開発、ほか。
11
⑤食育活動
食育は比較的新しい、食に関する活動である。2004 年末現在、国会に食育基本法案が提出されてお
り審議中である。その前文には「国民一人一人が「食」について改めて意識を高め、自然の恩恵や「食」
に関わる人々の様々な活動への感謝の念や理解を深めつつ、「食」に関して信頼できる情報に基づく適
切な判断を行う能力を身に付けることによって、心身の健康を増進する健全な食生活を実践するために、
今こそ、家庭、学校、保育所、地域等を中心に、国民運動として、食育の推進に取り組んでいくこと」
とあり、食育が自然との関わりで考えられていること、学校以外にも家庭など様々主体が関わることが
述べられている。
食育の代表的なものに、兵庫県ではいずみ会による活動がある。昭和 30 年代から保健所で栄養に関
する講習会を受けたリーダーがグループを作り、食生活改善推進員として食生活改善についての近隣の
相談相手となった。昭和 45 年には全国協議会が結成、兵庫県での協議会組織をいずみ会と呼んでいる。
いずみ会は「栄養は生命の泉・美の泉」ということから命名されたもので、具体的には各市町で組織さ
れ、活動している。下記は事例として揖保川町いずみ会を挙げているが、他地域でも活動は盛んである。
この他にも、食育については NPO など各種の団体や、行政が主導するものなど多様である。
名
称
揖保川町いずみ会
主
体
揖保川町いずみ会
活動目的:食生活を通じた健康づくりを進めるボランティア組織。会員数 161 人、11 のグループで構成される。
活動内容:グループのリーダーを中心に「地産地消」を心がけた健康づくり講習会を開催したり、会員による声かけ運
動を行ったり、家庭や地域での健康意識を高めている。
具体的な例:行政の連携の中で以下の例がある。
①行政が実施するイベントにおいて健康的なおやつの試食作り。
②離乳食教室や幼児の教室で提供される食事作りやおやつ作り。
③「食育」の普及のため実施している「栄養基礎講座」への協力など。
名
称
川西・猪名川地域活動栄養士協議会
主
体
川西・猪名川地域活動栄養士協議会
・栄養士としての、地域における栄養改善、食との関わりボランティア活動
・乳幼児栄養相談、介護支援、病態別栄養指導、調理指導、地域リーダー養成(食育)講座、子供クッキング
・川西市、猪名川町内に在住する在宅栄養士が集まって活動している。
・活動している中で食に対する関心度が高まり、定期的に行っている団体が増加して来ている。
・小学生~高校生の調理指導の中、食の大切さを理解出来るようになった(これまで親まかせの部分)。
名
称
子ども消費者教室
主
体
宝塚消費者協会
宝塚消費者協会は子どもたちの食育の一環として平成 2 年から、市内の小学 3 年生以上を対象に、夏休み期間中の一日
を使って、子ども消費者教室を開催している。教室では、地元産の食材を使って昔からの調理法で子どもたちと料理を
作り、同じテーブルで食事をし、料理を味わい、料理や食材について語り合います。子どもたちに調理法を伝え、食に
対する感性を養うお手伝いができたらと考えている。
平成 16 年度は、兵庫県産米と地元で生産された野菜、手作りの減塩梅干を使用して「おにぎりのいろいろ(10 種類)」
とおやつに「わらびきなこ」作り。あわせて食生活指針の「陸の産物」の中の野菜や果物の名前をいくつあてられるかを
子どもたちに挑戦してもらった。子どもたちは友達同士で仲良く相談しながらきちんと完成させてくれた。
しかし、きな粉、豆腐の原料が大豆であることを大部分の子どもたちが知らなかったことには驚いた。私たちが子ど
も消費者教室を実施する意義を改めて感じると共に家庭でも、もっと食について教えることが必要であろうと感じた。
12
⑥食を通じてのまちづくりやむらおこし
食は文化に通じる。食文化を通しての地域づくりが行われている。そもそも地域には固有の文化があ
り、固有の食があった。しかし戦後の高度成長の中で近代化と称された効率性が求められ、こうした固
有の食や文化はずいぶんと姿を消したのである。
固有性に関連して、池上淳教授はラスキンの唱えた、「もの」にある固有価値とそれを利用する能力
という固有価値の享受能力に注目し、これを文化経済学の基礎としている。ラスキンは、固有価値とそ
の享受能力を高めるためには、協同的な人間関係とその取引における情報公開の必要性を説く 2。さら
に池上教授は文化を活用した産業の活性化やまちづくりなどを紹介している。食が地域における文化で
ある。ならば食、すなわち文化を活用した地域おこしを考えることができる。
この点について、ラーメンは市民に根付いた文化であり、ストーリーを持つこと、多くの農産物に関
わる複合食品であること、世界やアジアに広がること、起業しやすく奥行きが深いこと、観光資源であ
ることを理由に、ラーメンでの町おこしは可能とし、例えば喜多方の事例などが挙げられている 3。
地域独自食によるまちづくり、むらおこしは、新規の食だけではなく、伝統ある農産物の復活などを
通して行われている。
名
称
尼いもクラブ
主
体
尼崎南部再生研究室
「尼いも」は江戸時代頃から昭和初期まで尼崎の臨海部で盛んに作られていたサツマイモの一種で、細長くて甘みが強
く、大阪や京都の料亭に高値で出荷される商品群であった。しかし工場進出で農地が減少し昭和 9 年の室戸台風南部の
畑が壊滅的なダメージを受け、その後一部の農家で細々と作られていた尼いもも、昭和 25 年のジェーン台風で絶滅した。
この「尼いも」を復活させ、尼崎の南部を再生させるため、種芋の発掘、栽培、試食会、苗の配布などの活動を NPO
「尼いもクラブ」のある尼崎南部再生研究室は、尼崎公害訴訟の和解金を一部活用して平成 13 年 3 月に設立された。尼
崎南部地域の再生を目的として、大学生、研究者、コンサル、行政、地域住民など様々なジャンルの会員が、地域情報
の発信、情報交換会の開催、地域の探索などを行っている。
「尼いもクラブ」の設立もその活動の一環であり、かつて尼
崎南部が工場であふれ、郊外の町へと変わる前の、尼いも畑が広がる田園地帯のような、郊外のない活気あるまちづく
りを目指して活動している。種芋発掘の際には、兵庫県農業改良普及センターや、筑波の農業研究センターの協力を得、
苗の栽培には市内の農家(元尼崎市職員)の土地、技術、労力の協力を得た。尼いもの歴史や重要性の普及には尼崎市
歴史博物館準備室が協力し、地域の小学校に苗を分けて、一緒に植えつけたり、収穫された尼いもを高校生に料理して
もらったりと、尼いも活動には様々な分野の人々が携わっている。
名
称
スローフード開発
主
体
北播磨県民局
北播磨ツーリズムネット(北播磨地域の公的宿泊施設及び北播磨県民局などが構成員)が、県から委託を受けて、食を
通じたツーリズム振興を図ることにより、北播磨地域への交流人の増加を促進するため、地域内の特産品を活用した、
スローフードを平成 16 年度に開発する
⑦伝統食の伝承と新しい付加価値の創造
文化に関連して伝統食の伝承が課題となるが、同時に最近の地産地消の動きとも関連して、これに新
たな価値を見いだし、あるいは付加する動きがある。特に健康によい、という伝統食については、多く
の取り組みがなされている。
2
3
池上淳『文化経済学のすすめ』1991 年、丸善ライブラリー
奥山忠正『ラーメンの文化経済学』2000 年、芙蓉書房出版
13
名
称
もち麦の活用
主
体
もち麦生産組合
福崎町にある「もち麦生産組合」は、福崎町の特産であるもち麦を栽培している営農組合や大規模農家で組織されてい
る。特産館「もち麦のやかた」が参加するイベントにも積極的に協力し、もち麦面の販売を行っている傍らで、餅つき
をしたり、もち麦餅のぜんざいやもち麦焼きそばなどのオリジナリティーあふれるもち麦食品の販売を行い、もち麦製
品の啓蒙活動に一役を買っている。また、町内の小中学校で総合学習の時間に生徒たちと一緒にもちむぎ麺づくりやも
ちむぎを使ったお菓子づくりなどを行い、地域特産物の普及啓発と食育の一環となる活動を行っている。
名
称
伝統食の復活
主
体
山崎町特産開発研究会
宍粟三尺きゅうりは、1960 年代に宍粟郡内で盛んに作られ、神戸市場へも出荷されていたが、長く箱詰めが大変で、曲
がりやすく、割り竹で添え木をするなど手間がかかり短系種の登場で 30 年ほど前から流通に乗らなくなっていた。近年、
全国的に地産地消の機運が高まる中、
「地域色豊かな特産野菜」を望む声が上がり兵庫県山崎農業改良普及センターが中
心となり、平成 13 年から復活に乗り出す。
名
称
いわしのくぎ煮の商品化と魚食普及、タケノコ利用法開発、伝統的な食事、料理法の伝達
主
体
姫路市内の生活研究グループ
【いわしのくぎ煮の商品化と魚食普及】播磨灘で水揚げされる県下での漁獲高 21%を占めるいわしを年中食べられるよ
う工夫を重ね「いわしのくぎ煮」の商品化をはかった。それとあわせて魚食の普及を図るためいわし料理の講習会や地
元の大豆や野菜を使った講習会などを行っている。また地域の高齢者に地元の商品を生かした食事会なども行っている。
【タケノコ利用法開発】太市はタケノコの生産が県下の 91%を占めている。そのタケノコは大半が一時加工され市場等
に出荷されるが、そのタケノコをもっと手軽に食べてもらうため、グループで研究し、若筍煮やたけのこご飯の具を開
発、伝統的なたけのこの消費と普及を図っている。
【伝統的な食事、料理法の伝達】地元の伝統的食事や料理法を伝えるため、幼稚園や小学生を対象に地元の野菜を生か
した行差作りや豆腐作りなどを行っている。また広く一般市民を対象に「パパと子どものふるさと料理教室」を開催し、
郷土色の伝達に努めている。
名
称
富松豆の保存
主
体
富松豆保存会
行基はインドの僧侶よりその栽培を勧められたソラマメを友行(現武庫之荘北部)の農家に試作させた。それが武庫一
寸ソラマメ栽培の始まりで、その後隣接する富松地区でも栽培されるようになったものをさして「富松一寸」と呼ぶよ
うになった。この地域の土壌がソラマメに適していたため味が良く柔らかで粒が大きく(一寸大)生育し、明治から昭
和 35 年ころまでは商品作物として盛んに栽培されていたが、都市化の進展に伴い減少し、自家用としてのみ栽培される
「幻の豆」となった。平成 9 年に、この豆を地域の特産品として復活させ、地域活性化に資するため「富松豆保存研究
会」が発足。地域の農家、都市住民の共同作業により、栽培農地の確保、種の確保、栽培、収穫、収穫、収穫祭り等が
行われている。(西宮市)
⑧都市と農村交流
食を通し、都市と農村の交流を図る活動である。1998 年に策定された、新しい国土総合開発計画で
ある、21 世紀のグランドデザインによれば、流域圏という考え方に基づき、「農山村と都市や消費者と
の交流、連携の推進」により、「農用地等の適切な管理及び担い手の育成を行う」と書かれている。少
子高齢化が進む中で、中山間地域では過疎問題が深刻化する思われる。自然や水資源、食料を支える中
山間地域の荒廃は、国土の保全を困難にする。そこで、交流人口を考えた政策を展開するのである。
兵庫県下では河川の下流域に大都市が広がり、上流部に中山間地がある。農村と都市との交流が、流
域を通してこれまでも行われてきた。農産物を通しての交流であり、また観光を通しての交流である。
14
名
称
たまねぎのオーナー制度
主
体
洲本市玉葱生産促進協議会
淡路の代表的な農産物である「たまねぎ」について、そのオーナーを募り、収穫を体験することにより、その PR 及び生
産者と消費者の交流を図ることを目的として実施している事業である。この制度はオーナー料金を支払い、オーナーと
なった区画のたまねぎを収穫する制度で、収穫までの管理を地元農家にまかせ、収穫期となる 5 月下旬から 6 月上旬に
収穫を楽しむものである。平成 16 年度は、オーナー料金は 1 区画当たり 1000 円(1 区画 1.35 ㎡で収穫量 10kg 以上)
で何区画でも申し込み可能。今年度は申込者数 39 組、申込区画 92 区画であった。
名
称
但東の味研究グループ
主
体
但東の味研究グループ
但東町内の 12 名の主婦で組織されている。地元の食材を使ったふるさと料理を後生に伝えること利からの交流人の交流
を主な活動としている。
5 月・・・都会からのふるさと会員を招いて「ふるさと料理交流会」を開催。
10 月・・・いろどりフェスタで「草もち」をつくり販売。
その他・・・京阪神での交流事業でふるさと料理の実践。
名
称
淡路ファームパーク
イングランドの丘
主
体
南淡路農業公園株式会社
平成 13 年4月、旧淡路ファームパークと新たに地域農業基盤確立農業構造改善事業等によって整備された農村型体験交
流施設を一体化した「淡路ファームパーク
イングランドの丘」が三原町に開園した。施設は町の第三セクター「南淡
路農業公園株式会社」が運営。イギリス北西部湖水地方の景観をイメージした公園などが観光の目玉である。農業公園
としては県内最大規模で、園芸講座等を楽しむことができ。また、イングランドエリアでは、ヨーグルトやチーズ、パ
ン、ソーセージなどを作る食の工房が並び、地元で生産された新鮮な材料を使って作る自家製品の数々が提供されてい
る。このように地元の豊富な農畜産物を生かした食の提供や、季節野菜の収穫など農畜産物の加工や動物とのふれあい
など体験型プログラムを充実させている。
2.活動・活動団体の特徴
①活動の目的・種類・主体による分類
各市町、県民局に対する活動団体に関する調査の中で、活動の目的、種類、主体についてその特徴を
設問としていた。具体的な選択肢であるが、その活動の目的では、1)人づくり、2)地域づくり、3)その
他、を選択肢とする。食育や伝統食の伝承など、人づくりを目的とするのか、あるいは地域の活性化な
ど地域づくりを目的とするのか、という意図での設問である。活動の種類は、対象とする食の種類であ
る。すなわち、1)伝統的、2)新規開発、3)従来の食、4)その他としている。最後の主体は活動をどこが
中心となって行っているか、である。1)市民団体、2)民間企業、3)行政、4)その他に分類した。
以下での分析では、選択肢について回答のあった 104 件を母数とする。なお、回答は一つだけを期待
していたが、主体が複数にまたがるものなどもあったためか、複数の回答があるケースもあった。
②活動の目的
活動の目的について、回答の件数を図 2-1 に示す。
最も多い回答は地域づくりであり、全体で 56.7%に及んだ。なお、複数回答であり比率の合計は 100%
にならない。人づくりは 33.7%である。自治体が把握する食に関する活動の 2/3 が地域づくりに関する
15
ものであり、食に関わる活動が地域活動として展開している様子がうかがえる。
図 2-1 活動の目的(件数)
70
59
60
50
回
答
数 40
35
件 30
26
(
)
20
10
0
人づくり
地域づくり
その他
③活動の種類
活動の種類では、新規開発が 46.2%で最も多く、次いで、伝統的の 31.7%、従来の食の 27.9%である。
新しい食を創ることが食の団体として認識されやすい。
図 2-2 活動の種類(件数)
60
48
50
回
答 40
数
33
29
30
(
)
件
18
20
10
0
伝統的
新規開発
従来の食
その他
活動内容について目的別に示したものが、下記表 2-1 である。
表 2-1 目的別・活動の種類
人づくり
伝統的
新規開発
従来の食
その他
合計
地域づくり
その他
合計
13
21
3
37
28.9%
27.6%
9.4%
24.2%
9
28
18
55
20.0%
36.8%
56.3%
35.9%
14
19
7
40
31.1%
25.0%
21.9%
26.1%
9
8
4
21
20.0%
10.5%
12.5%
13.7%
45
76
32
153
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(上段:件数、下段:列方向での比率)
16
なお、表の見方であるが、上段が件数、下段が比率である。比率は縦方向(列)の件数の合計を分母
とする計算である。また結果的に複数回答になっているが、複数の回答数に対する比率で総計が 100%
になっている。これを回答数比率と呼んでいる。そのため前述の複数回答の比率(合計が 100%を上回
るような計算で、これを回答者比率と呼ぶ)とは計算の分母が異なっているので注意を要する。
地域づくりを目的とする場合、新規開発が 36.8%であるのに対し、人づくりの場合は、新規開発は
20.0%と少なく、むしろ従来の食や伝統的な食に関する活動であることがわかる。地域の発展には新し
い食をつくることが、人を育てるにはその地域に固有の食を伝え育むことが重要視されるのである。
その他の目的では新規食の開発が多く、新規の食の開発は様々な目的を持っていることが窺われる。
④活動の主体
では、こうした活動を誰が担うのかについて図 2-3 に示す。
55.8%と過半数が市民団体で占められている。市民団体には NPO の他、任意での団体やいずみ会活
動なども含まれているため件数が多くなっている。民間企業は 8.7%である。自治体や県民局という「公
的な」機関が把握しているデータを元にしているためと思われる。また民間企業 9 件の内、3 件は行政
も主体として挙げられているため協働事業と思われる。行政は 22 件であるがこれは団体というよりも、
事業があげられるケースが多い。
図 2-3 活動の主体(件数)
70
60
58
回 50
答
数 40
29
件 30
(
)
22
20
9
10
0
市民団体
民間企業
行政
その他
活動の主体が、どのような目的とまた活動を行っているかのクロス集計を行った。表 2-2 に集計結果
を示す。
市民団体では、その目的は地域づくりが半数近くの 49.3%を占めるものの、全体と比べるとやや低く、
市民団体の活動は人づくりを比較的重視している、と考えられる。民間企業では地域づくりが 63.6%で
あり、地域の活性化などを目的としている。食育や伝統食の保存などの分野はまだ市場の価値が定まっ
ていないともいえる。行政は人づくり、地域づくり双方においてほぼ全体と等しい程度の比率を示して
おり、いわばバランサーとしての役割である。その他を目的とすることが多い点も特徴で、食による活
性化のような比較的新しい分野の場合、新たに切り開く部分を行政が担っているといえる。
活動についてみると、市民団体では伝統的、従来食といった人づくりに関わる活動の比率が比較的高
く、民間企業は新規開発が主なものとなっている。ただ、伝統的な食についても比率が高く、伝統食に
健康や歴史という付加価値をつけて市場を開拓する方向が見て取れる。
17
表 2-2 活動の主体別・目的、活動内容
市民団体
目
的
人づくり
地域づくり
その他
合計
活
動
伝統的
新規開発
従来の食
その他
合計
民間企業
行政
その他
合計
26
2
8
5
41
36.6%
18.2%
28.6%
16.1%
29.1%
35
7
13
16
71
49.3%
63.6%
46.4%
51.6%
50.4%
10
2
7
10
29
14.1%
18.2%
25.0%
32.3%
20.6%
71
11
28
31
141
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
23
4
6
5
38
29.1%
40.0%
22.2%
16.1%
25.9%
27
5
11
15
58
34.2%
50.0%
40.7%
48.4%
39.5%
18
1
5
8
32
22.8%
10.0%
18.5%
25.8%
21.8%
11
0
5
3
19
13.9%
0.0%
18.5%
9.7%
12.9%
79
10
27
31
147
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
(上段:件数、下段:列方向での比率)
3.兵庫県内における食に関する活動・活動団体データベースの作成
①データベースの概要
自治体向けのアンケート調査及び、県民協力研究員からの情報、ボランタリープラザ等の登録団体、
新聞記事等から、兵庫県内において食に関する活動を行っている団体、事業を抽出し、データベースを
作成した。
データベースに含む内容は、以下の通りである。
自治体
名称
団体の立地する住所の自治体、活動の行われている自治体
団体名称、活動の名称
種別
団体、活動、場所、商品に分類
活動の種類
主な活動を分類(集計のため)
活動
活動内容について
主要産物
農産物、加工品等を生産している場合、その生産物
会員数
会員数、職員数等
年度
発足年、事業実施年
代表
代表者氏名
活動連絡先等
登録が活動の場合、それを実施している団体の名称、もしくは連絡先
郵便番号
団体の住所の郵便番号
住所
団体の住所
電話
団体の電話番号
FAX
団体の FAX 番号
E-mail
団体の E-Mail アドレス
URL
団体のホームページのアドレス
18
データベースに登録された件数は 414 件である。データはすべてエクセルをベースで作成しており、
必要に応じて分析が可能である。データベースの中身については、
「兵庫県下における食に関する活動、
及びその団体一覧」として章末に示すが、プライバシー等を考慮し、住所に関連する部分については表
示していない。
②兵庫県下の食に関する活動及び活動団体の実態――データベースの分析から
データベースを元に、兵庫県における食の活動及び、団体についての分析を行う。
(1)立地状況
立地状況については自治体の属する県民局毎に集計を行う。
図 2-4 食の活動団体・活動の立地
150
128
回 100
答
数
(
件
52
50
38
)
21
7
30
25
15
22
2
県外
淡路
丹波
但馬
西播磨
中播磨
北播磨
東播磨
阪神北
阪神南
神戸
兵庫県
0
38
36
最も多い件数は西播磨県民局管内で 128 件である。これは県民局からの回答において 80 件あまりの
生活研究グループを含むためである。生活研究グループは主に中山間地において、農産品等を使った新
たな加工品づくりなどに取り組んでいる。しかし西播磨県民局管内はエリアも広く、瀬戸内から中山間
地域までの多様な地域性を持っている。そのため食の種類も多く、食に関する活動も比較的盛んである。
また県民局も独自に食に関する取り組みを行っており、食による地域づくりにおいて先進的な地域とい
うことができる。
次いで、但馬県民局 52 件であり、豊富な食資源を背景にした活動や団体があると思われる。神戸は
21 件、阪神南 15 件と都市地域での件数は少なく、食の活動が都市部では比較的少ないことを示す。
(2)設立年度
団体の設立年度または活動の開始年度について見ると、図 2-5 の通りである。ただし 160 ケースにつ
いては年度が不明、もしくは商品等のため年度に関係がなく対象外とした。棒グラフが各年度での団体
設立件数、または開始した活動数を示し、折れ線グラフはその累積数である。
年度別では 1980 年代後半から、毎年 10 件程度の設立、開始があり、それ以前が 5 件以下であったこ
とと対照をなす。食に対する関心や食を用いての魅力作りという考え方が普及するのが 1980 年代以降
ということである。その契機としては、例えば大分県の一村一品運動なども影響しているのではないか。
平松知事が唱え、1979 年から開始されたこの運動は、村々の内発的な開発の具体的な事例として国際
19
的にも注目されているのである。2000 年以降は、年間 15~20 件になっている。BSE 問題や O157 の
問題などが世間を震撼させ、食の安全性を巡る関心が一部の人から多くの人へと拡大した時期である。
こうした時期に設立された団体、開始された団体が多いのである。こうして見ると 80 年代が村づくり、
2000 年以降は食の安全性への関心が活動を始めたきっかけとなっているのではないか。
図 2-5 食の活動団体の設立年・活動の開始年
30
300
25
250
件数
累数
20
200
件
15
数
累
150 数
10
100
5
50
0
0
04
20
02
20
00
20
98
19
96
19
94
19
92
19
90
19
88
19
86
19
84
19
82
19
80
19
78
19
76
19
74
19
72 前
19 以
年
70
19
(3)活動の種類
次に食に関する活動内容や、団体の主な活動について分類し、その件数を図 2-6 に示す。
なお、ここで活動については次のように分類している。
むらおこし、まちづくり
食の活動を通し地域づくりやまちの活性化、むらおこしといったことを目的とした活動
交流活動
特に、都市と農村の間での人々の交流を目的とした活動
情報発信・啓発・教育
食育や食に関する宣伝活動、食を通しての人間形成などを目的とした活動。
新規の食の創作
その地域にはこれまでになかった新規の食を創作・開発する活動
地元食品を使った加工
地元の食品を利用した新たな加工品の生産、販売
伝統食の保全・啓発
伝統食の継承や伝統の食品の復活や保全活動
農業・加工
農業生産及び、生産した製品の加工
その他
その他
最も多い活動は、地元食品を使った加工で 107 件、全体の 25.8%を占めている。地元での特産物を生
かした食の生産とそれを販売することによる地域の活性化を目指している。次が農業・加工で 100 件、
24.2%を占めている。農産品と加工であるが、各地にある生活研究グループ活動などがここに相当する。
上位の 2 者を合わせ、ほぼ半数の活動が、それぞれの地域での食品の加工と販売であることがわかる。
食を創り、供給することが主な食の活動とされているのである。
そして情報発信・啓発・教育が 89 件、21.5%である。食育などを地域からの発信として位置づけてい
る。他の活動として、ほぼ 30 件程度であり、余り多くはない。
20
図 2-6 食の活動団体の内容・食の活動内容
回答数(件)
0
50
むらおこし、まちづくり
100
150
15
交流活動
34
情報発信・啓発・教育
89
新規の食の創作
30
地元食品を使った加工
107
31
伝統食の保全・啓発
100
農業・加工
8
その他
活動内容とその開始年度、団体の設立年度との関係を検証する。
表 2-3 活動内容と年度
むらおこ
し・まちづ
くり
1970 年以前
1970 年代
1980 年代
1990 年代
2000 年以降
交流活動
情報発信・
啓発・教育
新規の食
の創作
地元食品
を使った
加工
伝統食の
保全・啓発
農業・加工
その他
総計
0
1
6
0
2
0
5
0
14
0.0%
7.1%
42.9%
0.0%
14.3%
0.0%
35.7%
0.0%
100.0%
0
0
11
0
1
3
11
1
27
0.0%
0.0%
40.7%
0.0%
3.7%
11.1%
40.7%
3.7%
100.0%
1
5
6
2
7
1
12
1
35
2.9%
14.3%
17.1%
5.7%
20.0%
2.9%
34.3%
2.9%
100.0%
4
11
12
5
23
5
22
3
85
4.7%
12.9%
14.1%
5.9%
27.1%
5.9%
25.9%
3.5%
100.0%
9
5
26
10
17
8
16
2
93
9.7%
5.4%
28.0%
10.8%
18.3%
8.6%
17.2%
2.2%
100.0%
(上段:件数、下段:行方向での比率)
この表では、行方向に 100%になるように比率を算出していることに注意。活動内容別に時代によっ
てどう変化するのかを検証する。
まず、むらおこし、まちづくり活動は 1970 年代までは 0 件であるが、その後増加しており、最近、
地域おこしを目的とする活動が多くなっていることがわかる。交流活動も最近、増加している。
情報発信・啓発・教育は 1970 年代までは 40%あまりを占めていた。これはいずみ会などの活動が主な
ものである。1990 年代まではむしろ低下する傾向にあったが、2000 年以降は増加している。食の安全
という新たな課題の中で、啓発や教育活動が必要となっているのである。
新規食の創作は 1980 年代以降の活動である。食のグローバル化により、多様な食に接する機会が拡
大し、新規食開発の余地が生まれたのである。また地元食品を使った加工についても、1990 年代で 27.1%
を占めるなど、実は 1980 年代から拡大している。一村一品運動などが地元独自性を打ち出すことを可
能にし、また各地に販売所が作られ、朝市などの開催も増え、こうした地方の産物を使った商品の開発
を後押ししている。これに対し、農業加工は 1970 年代に 40.7%を占めているが、その後は低下する。
これは食の活動が多様化したためである。
21
表 2-4 県民局別の活動内容
県民局
神戸
阪神南
阪神北
東播磨
北播磨
中播磨
西播磨
但馬
丹波
淡路
兵庫県
県外
総計
むらおこ
し・まちづ
くり
交流活動
情報発信・
啓発・教育
新規の食
の創作
地元食品
を使った
加工
伝統食の
保全・啓発
農業・加工
その他
総計
2
2
11
1
1
1
3
9.5%
9.5%
52.4%
4.8%
4.8%
4.8%
14.3%
1
9
0.0%
6.7%
60.0%
0.0%
0.0%
13.3%
0.0%
1
7
11
2
11
4
2
2.6%
18.4%
28.9%
5.3%
28.9%
10.5%
5.3%
1
6
15
3
10
1
36
0.0%
2.8%
16.7%
0.0%
41.7%
8.3%
27.8%
2.8%
100.0%
2
1
10
10
6
3
5
1
38
5.3%
2.6%
26.3%
26.3%
15.8%
7.9%
13.2%
2.6%
2
4
9
2
8
3
2
6.7%
13.3%
30.0%
6.7%
26.7%
10.0%
6.7%
2
21
0.0%
100.0%
3
15
20.0%
100.0%
0.0%
100.0%
38
100.0%
30
0.0%
100.0%
3
6
10
6
29
6
66
2
128
2.3%
4.7%
7.8%
4.7%
22.7%
4.7%
51.6%
1.6%
100.0%
1
3
7
4
26
6
5
1.9%
5.8%
13.5%
7.7%
50.0%
11.5%
9.6%
3
4
6
3
6
2
1
12.0%
16.0%
24.0%
12.0%
24.0%
8.0%
4.0%
52
0.0%
100.0%
0.0%
100.0%
25
1
5
1
2
5
1
6
1
22
4.5%
22.7%
4.5%
9.1%
22.7%
4.5%
27.3%
4.5%
100.0%
7
0.0%
0.0%
100.0%
7
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
2
0.0%
0.0%
100.0%
2
15
34
89
30
107
31
100
8
414
3.6%
8.2%
21.5%
7.2%
25.8%
7.5%
24.2%
1.9%
100.0%
(上段:件数、下段:行方向での比率)
次に地域別に活動を検証する。表 2-4 に県民局別での活動内容を示す。この際、最も下段にある総計
における比率よりも大きい活動をその地域(県民局管轄エリア)における特徴ある活動と考える。こう
した活動を中心に説明する。
神戸では情報発信・啓発・教育が 52.4%、阪神南で 60.0%、阪神北で 28.9%となっており、都市部に
ある地域では、情報発信や食育などが主な活動となっているのである。都市では農業生産活動が少なく、
こうした農産物を加工するグループなどは少ない。
東播磨では地元食品を使った加工が 41.7%を占めている。東播磨では地産地消の活動を進めており、
こうした政策が地元での農産物を利用した加工グループを後押ししている。北播磨では新規食の創作が
26.3%を占めている。加古川流域で接する両地域であるが、上流(北播磨)は新規食の開発で地域を売
り出し、下流部(東播磨)は豊かな農産物を背景とした加工を行っているといえる。
西播磨は農業・加工が 51.6%であるが、これは生活研究グループが多いためである。
但馬は地元食品を使った加工が 50.0%を占めている。そばや但馬牛など優れた食材を産する地域であ
り、こうした地元産品を売り出す活動が多いと思われる。
丹波はむらおこし・まちおこしが 12.0%を占めている。食を使ってのむらおこし・まちおこしであるが、
食だけではない文化的な魅力もあって可能な活動である。
22
淡路では交流活動が 22.7%を占めている。都市と比較的近いという特徴を活かし、都市住民との連携
や食の直売に繋げているのである。
以上のように、地域別に特に比率の高い活動の内容に差があり、地域別に食を巡る活動に特徴がある
ことがわかる。
(4)会員・職員数
会員数や職員数などについて、活動内容別にその特徴を見出す。
表 2-5 活動別の会員数(人)
総数
団体あたり平均
むらおこし・まちづくり
648
72.0
交流活動
591
65.7
12639
361.1
新規の食の創作
246
20.5
地元食品を使った加工
791
16.8
伝統食の保全・啓発
738
46.1
農業・加工
543
8.8
1336
190.9
17532
89.0
情報発信・啓発・教育
その他
全体
全ての団体の会員数を把握しているわけではないので、ここでは団体あたりの平均値の比較を中心に
分析する。
会員数が最も多いのは、情報発信・啓発・教育であり、平均で 361.1 人、全体も 12,639 人と多い。い
ずみ会のように草の根で活動する団体が多いためと思われる。会員間での情報のやり取りや啓発活動が
広がることで、地域の底力として、食育などで大きな活躍が期待されるのである。逆に、最も少ない活
動内容は農業・加工で、平均では 8.8 人である。生活研究グループなどの活動が多いからで、こうした少
人数でのグループ活動であるがゆえに、手作りという付加価値を生み出している。
むらおこし・まちづくりや交流活動は比較的人数が多く、地元食品を使った加工、新規の食の創作は
人数が少ない。つまり、啓発活動や食を起爆剤として地域を活性化させようとする地域売込み型の団体
など、食を機会とする考え方と食そのものを造るグループとで差があり、前者は多くへの情報発信の必
要性から会員の数を拡大するインセンティブが働き、後者は手作りの良さなどをアピールするために、
人数を抑える傾向にあるのではないか。
③兵庫県下の食に関する活動及び活動団体の一覧
分析に使用したデータベースから、名称と活動内容、活動場所について一覧として示す。なお、市町
の順になっている。また同一市町内では、種別(団体、活動等)でまとめている。
23
兵庫県下における食に関する活動、及びその団体一覧
NO
自治体
名称
種別
活動
年度
活動連絡先等
1
兵庫県
安全食品連絡会
団体
家族の健康を守り、次代を担う子どもたちが健
1971
全に育つよう、市販食品の安全確保を目指す
2
兵庫県
社団法人 兵庫県栄養士会
団体
栄養士のために栄養士が作った、栄養士免許
取得者唯一の職能団体
兵庫県
厚生省「食生活改善協会要綱(昭和 29 年)」に
社団法人 兵庫県食生活改
より県の指示で設立。 県民の食生活向上のた
1954
団体
善協会
めの普及啓蒙。料理教室、健康と栄養の相談、
生活習慣病の予防講習等
4
兵庫県
食の健康運動リーダーによる、幼児及び保護者
食育推進ボランティア育成・
活動
対象の調理実習、農業・食品加工体験事業
活動支援事業
農林水産部農政企画局総
合農政担当課長(おいしい
ごはんを食べよう県民運動
担当)
5
兵庫県
減少、消滅した種子を発掘、栽培方法を確立
伝統野菜等ふるさと野菜ブラ
活動 し、生産者の組織化、販路の開拓を進めブラン
ンド化計画
ド化
農林水産部農林水産局農
産園芸課野菜係
6
兵庫県
県産食品を認証基準に基づいて審査し、認証
ひょうご食品認証制度(平成
活動
した食品等を積極的にアピール
16 年度新規事業)
農林水産部農政企画局消
費流通担当課長消費対策
担当
7
兵庫県
県内産の原材料を使用し、製造等に特色ある
ひょうごブランド商品育成事
活動 加工食品の内認証基準を満たす食品をひょう
業
ごブランド商品とする
農林水産部農政企画局消
費流通担当課長消費対策
担当
8
北播磨県
スローフード開発
民局
9
消費者団体やいずみ会、商工会、行政関係者
中播磨県民局姫路農林水
中播磨県 中播磨地域食と農に関する
活動 等を構成員で設置、食と農のテーマで意見交 2002
産振興事務所農政課
民局
推進会議
換
10
地域食材の活用、伝承料理等の発掘、新たな
中播磨県 中播磨ふるさと料理認証・普
活動 郷土料理・加工食品の開発、これらを「中播磨
民局
及事業
ふるさと料理」として認証
3
活動
北播磨ツーリズムネットが食を通じたツーリズム
2004 北播磨県民局
のためスローフードを開発
ふるさとおいしいもの発掘委
員会
11 神戸市
JA淡河道の駅女性加工グル
道の駅・淡河内のレストランで、地元産のソバを
団体
2001
ープ
中心に手打ちの十割そばを提供
12 神戸市
NPO J Blue
13 神戸市
特定非営利活動法人 食の
食品の安全、健康向上のための企業倫理規
団体
2003
安全と健康ネットワーク
範、行動基準の制定、実践を促進
14 神戸市
一部食品を日常的に食べられない患者に、従
NPO 法人 食べられることで
団体 来品と品質、食感や嗜好的に遜色なく、健康に 2004
救える食べもの研究会
安心な食べものを提供
15 神戸市
神戸スローフード協会
団体
郷土料理や質のよい食品を守り、そうした生産
神戸国際調理製菓専門学
2003
者をサポート。子供、消費者への味の啓蒙教育
校
16 神戸市
ひょうごの食研究会
団体
生産から消費までの様々の分野の人が消費、
1992
生産、教育等について研究
17 神戸市
兵庫県県民政策部県民文
伝統的保存食や保存技術を見直し、先人の知
ふるさとひょうご創生塾 保存
2004 化局生活創造課生涯学習
団体
恵を学ぶことを提案
食チーム
事業係
18 神戸市
ふるさとむら支援センター
団体
農作業支援、地域の食材等伝統文化の保全、
兵庫県土地改良事業団体
2001
住民と協働した地域づくり
連合会
19 神戸市
ヘルシーママ・SUN
団体
神出オーガニックコテージ、グランメールを建
1997
設、有機農業実践、農業体験等
団体
アジアの伝統ある食文化を通し、健康的な生き
2004
方を広く社会に提案
24
20 神戸市
学校給食の完全米飯化推進するため講演会等
学校給食と子どもの健康を考
2003
団体
を開催
える会兵庫支部
21 神戸市
㈱神戸ながたTMO
22 神戸市
子どもたちとおいしい野菜を
お母さん中心に、食に関する情報の収集と子ど
団体
2001
食べる会
もが喜んで食べる野菜料理の研究
23 神戸市
神戸ブランド野菜育成推進
条例に基づき、神戸ブランド野菜育成推進事業
神戸市産業振興局農水産
団体
1998
委員会
の円滑な推進を図る
課
24 神戸市
神戸友の会
団体
雑誌「婦人之友」の読者が作っている団体で、
1928
「よい家庭から、よい社会をつくる」ため学習
25 神戸市
生協都市生活
団体
神戸大学生協を母体に食と環境を考える。食の
2002
安心・安全、食育等に取組む
26 神戸市
直売運営部会『大沢里づくり
農産物の加工研修や直売所運営方法につい
団体
地域協議会』
て研究。農業体験や水田の観察会
27 神戸市
特定非営利活動法人 輝か
高齢者への家事支援、給食等、また子ども料理
団体
2000
すみが丘
教室
28 神戸市
特定非営利活動法人 食と
都市と農村のネットワークづくり、食・農・環境に
団体
2003
農のデザインセンター
関する学習、情報提供、調査研究等
29 神戸市
有機農業を普及するために、生産者、消費者
特定非営利活動法人 兵庫
団体 が共に連携、有機農業の啓発、技術普及のた 1973
県有機農業研究会
めの講座開催等
30 神戸市
農・都共生ネットこうべ(略称:
都市と農の交流を深め、新たな共生関係を築
団体
1999
農都ネット)
く。田んぼの楽校、ビオトープモニタリング等
31 神戸市
農事組合法人勝雄営農生産
団体 地元食品を使った加工
組合
32 姫路市
播磨うまいもん会
食文化に関する情報発信、播磨の観光・文化・
特定非営利活動法人 コム
団体 産業の振興と業界の活性化、そして食文化の 1995
サロン 21 事務局
向上
33 姫路市
播磨スローフード協会
地場の食材や料理法などについての見識を深
団体 め、播州の食文化を世界にアピール、消費者 2003
に郷土の味を再認識してもらう
34 姫路市
はりま海塩隊
団体
35 姫路市
姫路食文化協会
食に関する組合や団体が、山の幸・海の幸に
特定非営利活動法人 コム
団体 恵まれた播磨の食材の紹介とそれを活かした 1995
サロン 21 事務局
名物料理の創作及び育成
36 姫路市
ひょうご在来種保存会
兵庫県の在来種・地域固有種の保存・栽培・採
団体 種・消費を通し、食文化の創出、農と食の自立 2003
を促進
37 姫路市
みねあい体験村
団体
集落ぐるみで毛野営農組合直営の観光農業
1996 毛野営農組合
「みねあい体験村」に取り組む
38 姫路市
株式会社本田商店
団体
播州杜氏が明治の育種家の意気に感じて酒米
を復活。百貨店、専門酒販店などで販売
39 姫路市
播州・酒・食・文化懇話会(播
播州における酒文化・食文化を研究し、地域の
団体
1988
酒懇)
発展に貢献する事を目的
40 姫路市
いわしのくぎ煮の商品化と魚
坂上グループを中心に「いわしのくぎ煮」の商
活動
食普及
品化。魚食普及のためいわし料理の講習会等
41 姫路市
タケノコ利用法開発
太市はタケノコ生産が県下の 91%を占めてお
活動 り、手軽に食べれるよう商品開発、タケノコの消
費と普及を図る。
42 姫路市
たにうち桃の会
活動
団体
地域にある店舗のそばめしやぼっかけなどを
2001
PR
1998
無添加の食品の基準を定めるなどを目的に関
2002
連事業者で結成
若筍煮グループ
ももを消費者に樹1本分、丸ごと販売するオー
1993 たにうち桃の会
ナー制度で本物の味を提供
25
43 姫路市
地元の伝統的食事や料理法を伝えるため、幼
伝統的な食事、料理法の伝
活動 稚園や小学生を対象に地元の野菜を生かした
達
豆腐作り等
姫飾地区生活研究グルー
プ
44 姫路市
太市たけのこ祭り
太市ふるさとづくり推進委員会が主催する地元
産「筍」をPR、直売するためのイベント
太市ふるさとづくり推進委員
会
45 尼崎市
特定非営利活動法人 健康
健康を学ぶ社会教育の場、健康食材の提供か
団体
2004
増進プログラムネットワーク
らの食育
46 尼崎市
あまがさき・食の研究会
食文化を通して地域や産地の交流を目的に、
団体 経営者らがワッフル教室や生ビールなどのイベ
ント
47 尼崎市
富松豆保存会
団体
48 尼崎市
自然と文化の森協会
市民・事業者・行政との協働のまちづくりで、地
域の特産品であった里芋について農作業体験
1998
団体
講座(里芋オーナー制栽培)、自然と文化の森
里芋収穫祭の実施など
49 尼崎市
尼いもクラブ
団体
50 明石市
JA 兵庫南魚住支店女性会
団体 みそ生産
51 明石市
JA 兵庫南二見支店女性会
団体 みそ生産
52 明石市
アカシクリエイティブクラブ(玉
団体 明石玉子焼きの普及啓発
選組)
53 明石市
カーサメーコッコ
ふれ合いの家 Casa メーコッコを活動拠点に子
団体 育て、青少年育成、里親サポート、農事、食育 2003
等。隣地で野菜の栽培、山羊、鶏等の飼育。
54 明石市
ぐりーんぐらす
団体
55 明石市
はらぺこあおむし
団体 キャベツを中心とした明石の農産物の PR
56 明石市
魚の棚商店街事務所
団体 商店街の運営
57 明石市
有志により加工グループを結成し、たこめしの
西二見漁業協同組合 婦人
団体 素を商品化、また伝統料理「たこめし」調理方法 1999
部加工グループ
の実習や魚食の普及
58 明石市
明石市漁協婦人部連合会
団体
59 西宮市
お米の勉強会
都市と農山漁村との「食と職を通じての故郷村
団体 協定」推進。農業者・流通加工業者・消費者一 1986
緒の安心な食べ物作りの研究、普及
60 西宮市
生協都市生活
団体
61 西宮市
西宮の産業と文化の発展のためにスタートした
西宮酒ぐらルネサンス実行委
団体 「西宮酒ぐらルネサンス」を実行、西宮酒造家十 1997 西宮商工会議所
員会
日会による「宮水まつり」など
62 西宮市
特 定 非 営 利 活 動 法 人
管理栄養士・栄養士の資質向上を目指し、食
団体
2004
NSC2000
のサポート等
63 西宮市
管理栄養士、医師、教員等が健康に関する知
特定非営利活動法人 関西
団体 識、経験などを生かして活動、腎不全治療食講 2000
ウエルネス研究所
習及び調理実習会の開催等
64 西宮市
八寸の会
団体 懐石料理
1996
65 西宮市
和達の会
団体 共同購入グループ
1987
66 洲本市
淡路ごちそう館・御食国
場所 地元食材を使った料理の提供、特産品の販売
活動
尼崎商工会議所
富松一寸豆を地域の特産品として復活・地域活
1997
性化
「尼いも」を復活させ、郊外のない活気あるまち
2001 尼崎南部再生研究室
づくりを目指して尼崎の南部を再生させる
地元の野菜・果実使用の焼肉のたれなど開発
2002
し直売所で販売
2004
元水産物の消費拡大のため魚食普及活動や
1963
農山村との意見交換
神戸大学生協を母体に食と環境を考える新し
2002
い生協、食の安全、食育など
26
淡路島第一次産業振興公
社
地元の素材を使用したオリジナルアイスクリーム
2001 洲本市酪農農業協同組合
の製造・販売
67 洲本市
アイスクリーム工房「南風」
団体
68 洲本市
あぐり会
団体 地元食材を使った加工品生産
69 洲本市
生活改善 池田ジャンボにん
団体 洲本市内の酪農家の女性グループ
にくの会
70 洲本市
たまねぎのオーナー制度
淡路の代表的なたまねぎのオーナーを募り、収
活動 穫を体験することにより、その PR 及び生産者と
消費者の交流
71 洲本市
みかんの木オーナー制度
市民の農業への関心を高めるため、消費者と
活動 生産者のふれあい機会を拡大させることを趣旨 1991 洲本市果樹協会
に洲本市果樹協会が実施
72 芦屋市
芦屋いずみ会
団体 芦屋市における食生活改善の実践活動
73 芦屋市
安全性の問題や大量生産品など商品が多い
行動する環境グループ「葦の
団体 中、本物を作る生産者からの共同購入グルー 1993 山田宝飾店
風」 あしの会
プ
74 芦屋市
消費者活動セミナー
女性の視点から身近な生活課題に実践を。野
団体 菜グループ、なごみ会、グループが食品の安全 1995
性及び環境問題に取組む
75 伊丹市
伊丹市立伊丹郷町館
場所
76 伊丹市
伊丹いずみ会
会員相互の食生活改善を通した健康増進活
団体 動、市民に対する講習会等を通して、栄養や食
生活に関する助言・指導
77 伊丹市
伊丹郷町(ごうちょう)御膳
商品
78 伊丹市
伊丹郷町物語
商品 創作弁当「伊丹郷町物語」を開発
79 伊丹市
伊丹諸白
商品
80 伊丹市
江戸元禄の酒
商品 江戸元禄時代に飲まれていた酒を復元
小西酒造
81 伊丹市
「消費者学校」の開催
活動 消費生活に関する情報の収集、提供
伊丹消費者協会
82 相生市
コスモスの里
地元農産物の直売所「コスモスの里」を運営。
場所 農産物加工販売。生産者と消費者の顔の見え 2000
るふれあいの場
83 相生市
ゆずの里 おーご
場所 ゆずの栽培と加工、販売
1985 小河さつきグループ
84 相生市
相生グループ
団体 地域生産物の栽培と加工、販売
1983
相生市
85 赤穂市
上郡町
あさがおの会
団体 中核的農家女性の活動促進
1992
86 相生市
小河さつきグループ
団体 特産ゆずの栽培技術と加工
1991
87 相生市
コスモス会
団体
地元産の大豆と米、赤穂の塩を原材料の手作
JA 女性会 若狭野みそ加
1967
りみそ生産。年間約 5 トンのみそを仕込む
工グループ
88 相生市
羅漢里の店
団体
地域資源の利活用による羅漢里の店の効率的
1985
運営
89 相生市
特定非営利活動法人 NPO
農業者、消費者等のネットワークでの交流、安
団体
2001
ひょうご農業クラブ
全、安心な農産物づくりの推進
90 相生市
ゆず植栽
活動 ゆずの栽培と加工、販売
91 豊岡市
豊岡市いずみ会
食生活改善グループ相互の連絡を密にし、地
団体 域における食生活改善の実践活動を組織的に 1974
推進
1998
洲本市玉葱生産促進協議
会
1996
趣ある石橋家において、予約制で弁当を食文
化の空間演出として提供
伊丹郷町(ごうちょう)御膳を開発、一菜会を主
宰
伊丹郷町館
伊丹市観光物産協会
麹ともろみの両方に精白米を使用する「諸白仕
込」の伝統の技をつくして醸した清酒
27
小西酒造
相生市矢野町小河ゆず栽
培組合
92 加古川市
なのはな会
志方町産のイチジクを使った加工と販売。地元
団体 集落の成井、原、永室の女性生活研究グルー 1984
プを母体として結成
93 加古川市
フレッシュピックル
団体
94 加古川市
みとろフルーツ加工研究会
団体 県民局の事業を活用しすもものジャム加工
95 加古川市
都染いもっこ会
営農組合と会員の生産野菜の加工品を製造・
団体
1999
販売
96 加古川市
加古川和牛流通推進協議会 団体
97 加古川市
「加古川和牛」のブランド化
生産者、商業者、JA、行政が加古川和牛流通
活動 推進協議会を設立、市内肥育の但馬牛を加古 2001 兵庫南農業協同組合
川和牛と定義、ブランド商品化
98 加古川市
「女性会」の活動支援
活動
99 加古川市
「冬瓜」の栽培
活動 「根菜夢クラブ」を中心に冬瓜を栽培
100 加古川市
男のふるさと料理教室
活動
男のふるさと料理教室の開催。農村の郷土料
2004 別府生活改善グループ
理実習指導
101 加古川市
ひょうご安心ブランド「うこん」
活動
ひょうご安心ブランドとして認定された「春うこ
ん」を栽培
加古川市役所 農林水産課
102 加古川市
ひょうご安心ブランド「そば」
活動
ひょうご安心ブランドとして認定された「信州大
そば」を栽培
加古川市役所 農林水産課
103 加古川市
ひょうご安心ブランドとして認定された「こまつ
ひょうご安心ブランド「軟弱野
活動
な、しゅんぎく等」を栽培
菜」
加古川市役所 農林水産課
104 加古川市
ブランド米「ひのひかり」
活動
農家の協力で「ひのひかり」の栽培促進、地元
向けに販売し地産地消の推進
兵庫南農業協同組合
105 加古川市
ブランド米「鹿児の華米」
有機でコシヒカリを栽培、JA兵庫南、行政、農
活動 業改良普及センター、米穀商での加古川ブラ
ンド米推進協議会を通して販売
兵庫南農業協同組合
106 加古川市
県南特産「黒大豆」の産地づ
「大豆種丹波黒」を地元特産品とするため農家
活動
2003 兵庫南農業協同組合
くり
への栽培奨励及び普及・拡大
107 龍野市
あじさいグループ
団体 神岡町。環境美化と野菜づくり
1994
108 龍野市
アスターグループ
団体 揖保町。花づくりと販売
1991
109 龍野市
アップルグループ
団体 龍野町。身近な材料を利用した食生活改善
1979
110 龍野市
揖保農産加工グループ
団体
111 龍野市
追分生活研究グループ
団体 神岡町。集落の生活環境改善、加工品づくり
1980
112 龍野市
たんぽぽグループ
団体 龍野町。共同生産活動、及び米の消費拡大
1975
113 龍野市
つくしグループ
団体 揖保町。学習活動で仲間づくり
1991
114 龍野市
はまなすグループ
団体 龍野町。農産加工
1991
115 龍野市
ぼたんグループ
団体
116 龍野市
みつばグループ
団体 揖西町。野菜づくりと無人販売所
117 龍野市
れいんぼグループ
揖西町。乾燥させたモロヘイヤの粉末や、それ
団体 を練り込んだせんべいを商品化。龍野市内で 1996
市民向けの料理教室
118 龍野市
紫黒米加工研究グループ
「むらさきの舞」を原料とした、みそ、加工や菓
団体 子類、パン加工、めん類、染色等の商品開発に 2000
取り組む
119 龍野市
揖龍いずみ会連合会
団体 食生活改善を通じた健康づくりを
地場産の旬の野菜、米を使って漬物やおこわ
2003
を加工販売
みとろ生産組合
地域ブランドとして「加古川和牛 KAKOGAW
2004 (財)加古川食肉公社
A BEEF」を創設、販売
JA は各集落の女性組織「女性会」でみそ作り、
コスモスの栽培などの活動支援
兵庫南農業協同組合
加古川市役所 農林水産課
揖保町。野菜の生産と加工品づくり、花作り活
1991
動
龍野町。昭和 54 年設立。メンバーは 5 名。野菜
1979
の栽培と家族の健康管理
28
1997
1974
120 龍野市
地域の農産物を活かした農産加工品の開発や
揖龍地区生活研究グループ
1970
団体
郷土料理の掘り起こしなど
連絡協議会
121 龍野市
「むらさきの舞」委託栽培
活動 紫黒米の改良品種「むらさきの舞」の委託栽培
122 赤穂市
有年東部農村多目的施設
場所 地場農産物の利用拡大を目指す加工施設
2003
123 赤穂市
北畠営農組合婦人部
団体 地域特産物作りと青空市
1988
124 赤穂市
さつき会
団体 自家生産物を活用した特産品の研究
1994
125 赤穂市
サラダボールクラブ
団体
126 赤穂市
パンプキン会
団体 地場産小麦の活用研究、地域環境の美化
1989
127 赤穂市
東有年グループ
団体 自家生産物を活かした郷土食の見直し
1972
128 赤穂市
四つ葉会
団体 地域特産物を活かした特産品の研究開発
1977
129 西脇市
西脇商工会議所と西脇市観光協会を中心に設
西脇商工会議所特産品開
西脇市特産品開発研究委員
団体 置、西脇市の特産品の創造。にしわき うまいも 2002
発研究委員会
会
ん職人逸品ブランド等
130 宝塚市
宝塚いずみ会
団体
131 宝塚市
長谷加工研究会すずしろ
農地を活用して所得を上るため、転作田に黒大
団体 豆を栽培。その黒大豆と、赤穂産の塩を使用し
たみそ作り
132 宝塚市
子ども消費者教室
宝塚消費者協会が子どもたちの食育の一環と
して市内の小学 3 年生以上を対象に、夏休み
1990 宝塚消費者協会
活動
期間中の一日を使って、子ども消費者教室を開
催
133 宝塚市
宝塚朝市
地産地消を目指し西谷地区の生産者と宝塚消
活動 費者協会が宝塚朝市運営協議会を設立、毎月 1992 宝塚消費者協会
第 4 日曜日に宝塚朝市を開催
134 三木市
コープ志染ふれあい食事の
高齢者のふれあい食事の会開催。栄養士のメ
団体
1994 三木市ボランティアセンター
会 つくしの会
ニューに従い安全な食材を料理
135 三木市
三木市いずみ会
団体
136 高砂市
伊保漁業協婦人部
団体 地元食品を使った加工
137 高砂市
高砂にくてん喰わん会
「にくてん」は甘辛く味付けしたジャガイモを使う
高砂商工会議所内・高砂市
のが特徴。名物として売り出すため市商店連合
2004
団体
商店連合会事務局
会活性化委員会が結成。県立松陽高校の生徒
らが「にくてんマップ」を作成しPR
138 高砂市
浜のかあちゃん加工場
団体
地元で水揚げされる水産物を使った加工、販
売(JA 直売所など)
139 高砂市
お好み焼き開発
活動
漁協女性部が地元のタコを使った加工品(お好
み焼き)を開発
高砂漁協女性部
140 高砂市
料理教室
活動
漁協女性部では、約 10 年前より、魚食普及の
ための料理教室を開催(年 1 回)
高砂市漁協女性部
141 川西市
川西いずみ会
団体 地域における食生活改善ボランティア活動
142 川西市
いちじく茶
商品
143 川西市
いちじくワイン(川西の朝露)
いちじくワイン協議会(JA 兵
JA を中心にいちじくワイン協議会を設立、生
商品 産・販売。また菓子組合と連携、いちじくを使用 1994 庫六甲川西営業支援センタ
ー)
したパン等の販売
144 川西市
川西市南花屋敷生活学校
南花屋敷に住む主婦が中心。家族の健康、子
活動 どもために健全安全な食品や商品の学習、共 1970 川西市南花屋敷生活学校
同購入
龍野市役所
レンタルハウスを活用した特産品作り地場産小
1990
麦の活用研究
食生活改善を中心とした健康づくりを考えるボ
1968
ランティアグループ
健康づくりのための食生活改善についての活
動
川西市商工会議所が主体でいちじく茶「凛雫
2002
(りんだ)」を販売
29
小野市いずみ会
川西市
146
猪名川町
川西市、猪名川町内の在住栄養士が集まって
川西・猪名川地域活動栄養
活動。地域における栄養改善、食との関わるボ
団体
士協議会
ランティア活動、乳幼児栄養相談、病態別栄養
指導、調理指導、食育講座、子供クッキング等
147
川西市
猪名川町
川西地区給食研究会
団体
食生活改善活動を中心としたボランティア活
1987
動。健康づくりを実践
145 小野市
団体
給食関連施設の従業員相互の研鑽により給食
を向上させることを目的に活動
148 小野市
有限会社 陽子の手作りヨー
100%生牛乳を原料とする手作りヨーグルトの
団体
1990
グルト
製造・販売
149 小野市
小野うまいもんブランド認証
地元で作られた「こだわり」の農産物を審査し、
活動
2001 小野市観光協会
制度
基準をクリアしている商品に対して認証する
150 小野市
直売所で加工品が不足、特産品づくりの必要
小野市農産物特産品開発委
活動 性があり、安全・安心の農作物作り等の活動。
員会による特産品開発
地域おこし、食育に影響
151 三田市
パスカルさんだ
場所 JA 兵庫六甲による市場。直販、レストラン
152 三田市
日向牧場
場所
新たな農経営部門の開始。フレッシュチーズの
製造販売
153 三田市
蓬莱牧場
場所
肉用牛約400頭を飼育の他、イチゴ栽培など複
合的な経営を展開。農作業体験・加工体験
154 三田市
ほんまち旬の市
場所
農家の女性グループと関学の学生と一緒に運
1999
営。本町商店街の活性化
155 三田市
もち処 つくしの里
場所
高平地区は有数のもち米産地。餅つき体験・持
ちつき出前
156 三田市
永沢寺そば道場
場所
地域活性化に取り組み、そば栽培・加工・食堂
運営、そば打ち体験
157 三田市
三田・永沢寺 そば道場
場所
三田市内で栽培した「雲水そば」のレストラン、
そば普及活動、都市交流など
158 三田市
蓮工房
場所 自家生産物の米・もち米・蓮などを使い加工
159 三田市
(株)むぎ 工房むぎ
団体
160 三田市
だいこんクラブ(食生活と健康
障害者との料理教室、摘み菜の料理など、食と
団体
を考える)
健康に関する活動
161 三田市
高平加工グループ「味菜」
162 三田市
地元、高平産のもち米を使用し、もち類を製造。
羽束農産加工組合「つくしの
団体 都市との交流や食事処・もち製品直売所の経 1995
里」
営を通しもち文化の復活
163 三田市
三田いずみ会
164 三田市
三田市生活研究グループ連
伝統料理の掘り起こし、地元農産物を活用した
団体
絡協議会
料理の研究、小学校で料理や加工方法を指導
165 三田市
旬彩グループ(体験農園)
166 三田市
母子茶加工生産組合 ははこ
団体 母子茶生産、販売。事業主体は JA 六甲
草の里茶香房きらめき
167 三田市
JA 兵庫六甲三田女性会
活動 子ども達に農作業体験を実施
168 加西市
加西北部菜園グループ
地元産大豆を原料とした加工食品の製造・販
団体 売、休耕地を有効活用、女性・高齢者の社会参
加
169 加西市
純米酒「高峰」
商品
小野市農産物特産品開発
委員会
1999
三田の農産物による製品づくり、家庭料理教
1993
室、スローフード運動を推進
団体 昔ながらの漬物製造から、新たな漬物製造まで
団体
団体
「私達の健康は私達の手で」を合い言葉に、家
庭、グループ、地域の食生活を改善
農作業体験・加工体験など(大人から子供ま
で)
2001
兵庫六甲 JA 三田女性会
地域活性化のシンボルとして地酒造り。酒米
1999 畑第三営農組合
「山田錦」の醸造を市内の酒造会社に委託
30
170 篠山市
こんだ薬師温泉ぬくもりの郷
温泉に付帯する農産物加工処理施設でレスト
場所 ラン向け豆腐製品の製造。材料の白大豆は市 2004
内産
171 篠山市
黒豆の館
地域の食材をつかったレストラン、特産物、加
場所 工品の物販、黒豆のオーナー制度など体験イ 1998
ベント
172 篠山市
篠山市いずみ会
団体
旬の地域の食材を大切に生かした調理実習や
研修会
173 篠山市
花みどり会
団体
地元農家の女性グループで、自分たちで育て
農事組合法人 西紀ビーン
1994
た農産物を加工
ズジュース生産組合
174 篠山市
株式会社ささやまいきいき塾
団体
松下電工労組が設立した会社。保養施設、栗
1989
園、食品生産・販売
175 篠山市
篠山市いずみ会
団体
食を通して生涯における健康づくりを地域で進
1974
める
176 篠山市
食文化センター友の会
郷土の伝承料理を現在に生かす方法、特産物
団体 の調理方法の研究、食を通して都市住民との 1989
交流
177 篠山市
クッキング広場
料理を通しよい食習慣の確立、食への関心を
活動 高めることを目的に複数ヶ所で、親子クッキング
を実施
篠山市いずみ会
178 篠山市
小麦粉を米粉での代替
篠山産業高等学校東雲校にて小麦粉を米粉で
代用する研究。地元料理店と協働し米粉と黒豆
活動
や山の芋などの地元食材による商品開発、普
及活動
兵庫県立篠山産業高等学
校東雲校 農業科
179 篠山市
篠山町農業協同組合
活動
180 篠山市
丹波ささやま安心ブランド
市、 丹波ささやま農協、 県農業改良普及セン
篠山市役所産業経済部農
ターが安全な産地イメージを高めるため、栽培
2002
活動
政課
履歴の公開、認証要件をクリアする商品をブラ
ンド化
181 養父市
小佐小学校赤米献上隊
活動
学校と地域が一体となった取り組み。赤米献上
1990 小佐小学校
隊を組織し、毎年平城京へ献上
182 丹波市
丹波食文化発信機構
団体
たんばぐみが中心。丹波ブランドの認証、丹波
ブランド品のインターネット販売(たんばる)
183 丹波市
農事組合法人 丹波いちじま
農園として米生産やインターネット販売、農産
団体
ふぁーむ
物を媒介に人の交流にかかわる拠点づくりなど
184 丹波市
丹波復活プロジェクト
丹波復活プロジェクト~みんなで赤米をつくろう
丹波復活プロジェクト実行
活動 ~を実施。専業農家への委託、赤米パン製造、 2002
委員会
広報等
185 猪名川町
道の駅いながわ
場所
186 猪名川町
JA兵庫六甲いなの郷グルー
団体 町で収穫される野菜を使った加工品作り
プ
187 猪名川町
猪名川町いずみ会
188 猪名川町
水田転作田を利用して、白大豆を栽培しみそ
JA 兵庫六甲いなの郷グル
JA 兵庫六甲いなの郷グルー
活動 造り。地元のフキ、椎茸、山椒の佃煮の加工販 1990
ープ
プ
売
189 吉川町
西山牧場直営アイスクリーム工房。地元の野菜
ア イ ス ク リ ー ム 工 房
場所 や果物、ミルクを使ったアイスクリームの生産販
BOSS&MOM
売
190 吉川町
吉川町いずみ会
団体
家族、地域の健康づくり、関係機関へのイベン
1988
トの手伝い、食生活の改善と健康づくりの普及
191 吉川町
山田錦の館
団体
酒米「山田錦を紹介するミュージアム施設。吉
川町の特産物を提供
黒豆産地で地場企業の技術力を動員した豆お
かきを開発
町内の野菜、特産物販売の「農産物販売センタ
ー」、町内産そばを使う「食事処そばの館」
JA ささやま
特定非営利活動法人 たん
ばぐみ
(株)いながわフレッシュパ
ーク
団体 地域における食生活改善ボランティア活動
31
西山牧場
吉川まちづくり公社
吉川町内にある農地を使って、農作業のボラン
ティアを行う
吉川町役場企画調整課
192 吉川町
遊農・楽山活動ボランティア
活動
193 社町
小野加東いずみ会
団体 食生活改善を中心とした健康づくり
194 社町
有限会社ブリランテ
団体
195 社町
健康展(社町いずみ会コーナ
正しい食生活の啓発。郷土料理の継承のた
活動
ー)
め、郷土食の販売
社町いずみ会
196 社町
出前子育て講座(親子クッキ
子育て学習センターと保健センターの共催事
活動
ング体験)
業。正しい食生活の確立と、「食育」の推進
社町いずみ会(食改善ボラ
ンティア)
197 社町
社町伝統食の学習会
活動
社町いずみ会の研修会で、伝統料理、郷土料
理を後世に伝え実習
社町いずみ会(食改善ボラ
ンティア)
198 東条町
きらり加工グループ
地域の食材を活かし、行事料理など次世代へ
団体 伝えることを目的に、手作り加工品(惣菜、菓
子、ご飯物)の生産販売等
199 東条町
東条町特産加工品開発研究
東条町の地域資源を活かし、東条らしく、東条
団体
会
しかない特産品を開発
200 東条町
ふるさとの味料理集
東条いずみ会が作成。四季の食卓に暮らしの
活動 知恵を活かし、生活習慣病予防や子どもにふる 1996 東条いずみ会
さとの味を育て残す
201 中町
ふるさと工房 夢蔵
団体
中町の特産「山田錦」や「黒大豆」など地域の資
源を活かした商品を販売
202 中町
手づくり工房・那珂の里
団体
特産品がないことから婦人会のメンバーらが開
1997
発グループを結成、新規食を開発
203 加美町
ジェラテリアふれっしゅあぐり
地元牧場の牛乳やハーモニーパークの果物な
場所
2003
館
どを使用したアイスクリームの製造販売
204 加美町
そらまめ農場菓子工房
場所
自家製ケーキ、パンの生産と販売。「おいしく安
2002
全なものを」がモットー
205 加美町
かみ特産品クラブ
団体
特産品開発講座を受講された主婦中心の特産
2001 特産品開発センター
品開発グループ(16 件)の連携を目的
206 加美町
さくらグループ
団体
かみ特産品クラブの一つ、りんごジャム等多くの
商品を開発
207 加美町
みつばグループ
団体
かみ特産品クラブの一つ、地元の百日鳥を使っ
1995
たまぜご飯
208 加美町
加美町むらおこし事業実行
団体 高タンパク、低カロリーの天然飼料で地鶏飼育
委員会
209 加美町
箸荷紅茶の会
団体
210 加美町
かみアグリビジネス養成講座
活動 グループづくりや新名物開発の取りくみの促進
211 八千代町
(協)特産センターやちよ
場所
伝統産物である凍り豆腐と特産品・有機栽培の
野菜を販売
212 八千代町
ファーミング倶楽部
団体
少量多品目の野菜栽培に取り組む。高齢者の
生きがいづくりや環境にやさしい農業を推進
213 八千代町
マイスター工房八千代
築後 20 年以上になる元農協店舗と元保育園を
団体 改装し加工・販売、喫茶店など整備。加工・販 1999
売部門は生活研究グループが運営
214 黒田庄町
JA みのり特産開発センター
場所 黒田庄牛肉の加工、販売
215 黒田庄町
かりんだ倶楽部
団体
216 黒田庄町
町が特産品開発に意欲のある人を募集、JA み
黒田庄特産品開発グループ
1994
団体
のり特産開発センターで活動
「黒っこマザーズ」
217 稲美町
JA 兵庫南女性会稲美連絡協
女性会の会員による加工グループで味噌作り
団体
議会
の他、商品を開発中
218 稲美町
JA 兵庫南稲美女性会
1978
酪農家であることにこだわって新鮮ジェラートを
生産。自店舗直売の他、卸売販売 12 か所
畑のあぜなどで茶を栽培、番茶で紅茶を生産、
2002
地域の活性化に役立てる
かりんの里「黒田庄」を演出する自由な企画集
団
団体 手作りみその生産
32
加美町役場産業課
219 稲美町
印南野そば倶楽部
自分たちの集落で栽培する「そば」を介して、地
団体 産地消による地域コミュニティ造りを目指して、 2003
加工活動
220 稲美町
コスモス工房
団体
221 稲美町
さわやかグループ
団体 出荷できない 2 級品をかす漬けに加工、販売
222 稲美町
琴池営農組合
町内契約農家の減農薬栽培大豆、町内産の
団体 米、赤穂の天塩を使用した手作りのこだわり味
噌。男性組合員が昔ながらの製法で生産
223 播磨町
JA 兵庫南播磨支店女性会
団体 弥生みその生産
224 夢前町
あざみグループが荕野地域において、地元の
地元の米、大豆を使った味噌
活動 米、大豆を使ったみそ作りを地域の子ども・女 2000 あざみグループ
づくり
性に伝える
225 神崎町
新田ふるさと村
226 神崎町
神崎農村公園・ヨーデルの森 場所
227 神崎町
神崎茶「仙霊茶」として知られ、270 年の歴史を
神崎ふれあい茶園・オーナー
活動 持つ。PRと茶園の維持を兼ねた、オーナー制 1993 神崎町役場産業課
制度
度による交流
228 市川町
河内営農組合
229 市川町
さとやまづくり推進協議会企
自治会・商工会・行政等 26 団体で構成、そば委
団体
2000 アルプフローラ小野農園
画運営会議
員会、しいたけ活性化委員会などの活動
230 市川町
にゅうにゅう工房
団体
自家製牛乳を使ったアイスクリームの生産と販
売
231 福崎町
もちむぎのやかた
場所
レストラン、製品販売の他、手延べもちむぎ麺の
製麺工程の見学コーナーなど
232 福崎町
かみしかいずみ会
団体 食生活改善を中心とした健康づくり
233 福崎町
ベジタブル会
団体
234 福崎町
もち麦生産組合
もち麦栽培の営農組合や大規模農家で組織。
団体 イベントやもち麦食品の販売、普及啓発と食育
活動
235 福崎町
生活研究グループもち麦会
当初、もち麦のお菓子作りを目的としたが、その
団体 後もち麦味噌作りを開始、レシピ作りなど普及 2000
活動も行う
236 福崎町
平成 15、16 年度に事業を実施。16 年度、幼児
食の健康チェック 1 万人大作
活動 期での食・健康生活の展開を広める事業として 2003 福崎健康福祉事務所
戦
パンフレット、食教育の実践
237 香寺町
㈱香寺ハーブガーデン
場所
ハーブの生産、ハーブの加工商品化、ハーブ
1985
ガーデン経営
238 香寺町
自然学校 野良の学び舎
団体
無農薬野菜を毎日直売及び郷土料理の発掘と
2001 香寺ハーブガーデン
伝承
239 新宮町
馬立グループ
団体
仲間づくり、自家生産物の加工利用。馬立で活
1989
動
240 新宮町
コスモスグループ
団体 地域の仲間づくりと加工活動。西地区で活動
1988 コスモスグループ
241 新宮町
人参グループ
団体 野菜栽培と加工生産活動。芝田で活動
1990
242 揖保川町
揖保川町いずみ会
食生活を通じた健康づくりを進めるボランティア
団体 組織、11 のグループで構成。地産地消を心が
けた健康づくり講習会など
243 揖保川町
浦部グループ
団体 自家生産物を活かした食生活。浦部で活動
場所
特産のいなみのメロンにつき、傷等で 2 級品とさ
2002 コスモス工房
れるメロンをメロンゼリー等に加工、販売
村おこしとして宿泊、遊戯、特産品開発。年間
売上 3,500 万円
アルプス地方の村をイメージした園内、手作り
2001
体験、クラフト体験など
団体 地元食材を使った加工品を手作り、販売
(有)高橋牧場
1974
小学校PTA仲間が集まり、もちむぎの消費拡
1998
大を図るため、もちむぎを使った弁当づくり
33
1976
244 揖保川町
生活研究グループ
団体
揖保川トマト、花苗、武道などの栽培農家の女
性たちにより、農産物の生産、直売
245 揖保川町
モモちゃんグループ
団体
地域生産物を活かした食生活、農産物加工研
1967
究
246 揖保川町
揖保川トマト塾
団体
トマトの栽培技術の向上を図るため結成、学習
1990 竹田農園
会、視察研修等を実施
247 揖保川町
栄養基礎講座
活動
揖保川町地域保険推進計画を平成 16 年 3 月
2004 揖保川町保健センター
に策定。4 月より計画に基づき実施
248 御津町
あすなろ会
団体 釜屋。農産物の加工研究と商品化
1995
249 御津町
うめっ子ファーム
団体 黒崎。地域農産物の加工と商品化
2000
250 御津町
高齢者グループ
団体 地域資源を活かした食生活
1983
251 御津町
中島グループ
団体 中島。技術の交流会、生産物の活用
1976
252 御津町
はぎの会
団体 碇岩。農産物の加工研究と商品化
1995
253 御津町
はつらつグループ
団体 黒崎。農産物の加工研究と商品化
1971
254 御津町
御津町生活研究グループ
団体
255 御津町
室津漁家グループ
団体 室津。漁家婦人の健康管理、魚食普及活動
1985
256 太子町
阿曽グループ
団体 自家生産物の活用。阿曽で活動
1973
257 太子町
あゆみの会
団体 旬の野菜を使った料理。鵤で活動
1995
258 太子町
石海園芸研究グループ
団体 家庭花卉栽培と健康管理。石海地区で活動
1977
259 太子町
石海生活研究グループ
団体 自家生産物の活用。石海地区で活動
1969
260 太子町
上太田グループ
団体
261 太子町
さわやかグループ
団体 加工品の研究。太田で活動。
262 太子町
太子町加工グループ
団体
商品価値の少ないイチジクや大豆を格安で仕
入れイチジクジャムや味噌を生産
263 太子町
竜田ふれあいグループ
団体
転作と稲作栽培、自家生産物の活用。竜田地
1969
区で活動
264 太子町
太子町いずみ会
団体
地域における食生活改善と保健思想の啓発を
1974
推進し、町民の健康増進のために寄与する。
265 上郡町
金出地ふれあい直売所
場所
金出地ふれあい直売所を開設、地元野菜を提
供
266 上郡町
梨ヶ原ふれあい直売所
梨ヶ原ふれあい直売所を開設、地元農産物や
場所 漬物、地元米「キヌヒカリ」のアイスクリームを販
売
267 上郡町
むかしの朝市
場所
むかしの朝市を開設、無農薬の野菜を提供。特
産品「上郡だんじ」の開発研究
268 上郡町
楽房円心
場所
手作り小物、楽房まんじゅうなど名産の販売、地
2004
元野菜の直売、
269 上郡町
YS24 農園グループ
団体
大特地区。直売所「むかしの朝市」を核とした地
1999
域おこし
270 上郡町
上郡加工研究グループ
団体
赤松地区。地域農産物を活かした特産品の研
1994
究
271 上郡町
大特グループ
団体 上郡地区。地域農産物と自家菜園の有効利用
272 上郡町
楽房円心グループ
団体
273 作用郡
作用郡4H クラブ
団体 青年農業者のグループ、仲間作りの促進
274 作用町
道の駅 宿場町ひらふく
場所 地域食材レストランなど
275 作用町
あさぎり茶部会 紅茶の会
団体
農・海産物の生産・加工・直売。地域資源を生
かした加工品を販売
会員相互の親睦、農産物の加工研究。上太田
1975
で活動
2003
太子町役場産業経済課
1996
地域農産物を活かした特産品の研究、加工販
2004
売、消費者との交流
あさぎり茶で紅茶を製品化。無農薬栽培として
安心安全の茶葉を生産
34
1968
(株)道の駅平福
こんにゃく加工、都市との交流。海内地区で活
1997
動
276 作用町
海内こんにゃく加工グループ 団体
277 作用町
作用グループ
団体 仲間づくり、農産加工。作用地区で活動
1989
278 作用町
ほほえみ会
団体 農産加工、野菜栽培。長谷集落で活動
1968
279 作用町
ホルモンうどんくわせ隊
町内に 10 店舗が営業。 昔からあるこの地域に
団体 しかない名物料理をみんなに食わせたいと発 2002 佐用町役場企画振興室
足
280 作用町
真盛グループ
団体 花づくり、農産加工。真盛集落
281 作用町
みうち若杉館・こんにゃく加工
地元で生産される「海内こんにゃく」を使った加
団体
1998
所
工品の生産
282 作用町
山平グループ
団体
生活環境整備(集落内の美化)、農産加工、野
1969
菜栽培。山平集落で活動
283 作用町
因幡街道平成福の市
団体
道の駅「平福」に隣接する平成福の市を運営す
る会員と地場産農産物を原料とした種々の加工
284 作用町
「まちづくり推進モデル市町支援事業」に基づ
佐用まちづくりワーキンググ
団体 き 、 官 民 協 働 に よ る 市 街 地 づ く り を 目 指 す 。 2000
ループ
「食」を切り口とした地域の活性化
285 作用町
佐用町生活研究グループ
団体 地元農産物を使った商品開発
286 作用町
長谷ふれあい調理センター
団体
287 作用町
長谷活性化女性部
食・農の他、教育・健康・福祉にも関心。ふれあ
団体 い調理センターの開設、地元食材を使った郷 2003
土料理の研究、等
288 上月町
上月町生活研究グループ
小中学生に特産のもち大豆の栽培から加工ま
団体 での作業体験、郷土料理のレシピの作成、紹 1991
介
289 上月町
すぎの子
団体
高齢者特に一人暮らしの方を対象に、健康で
1987 上月町社会福祉協議会
安心して暮らせることを目的に料理教室を開催
290 上月町
上月町特産物加工センター
団体
特産物加工センター施設と地場産「もち大豆」
の加工、販売
291 上月町
有限会社ふれあいの里上月
団体
特産の「もち大豆」の加工製品の生産、販売。
1997
独立採算制法人化を実現
292 南光町
ひまわり館
場所
地場産「ひまわりの種子」から搾油したひまわり
油を基にした加工品
293 南光町
あいす工房さなえ
団体 アイスクリームの加工販売
294 南光町
いも煮会
(株)神戸消費者クラブと契約、有機・無農薬野
団体 菜や加工品を出荷、交流いも煮会など都市との 1988
交流
295 南光町
なでしこの会
団体 多賀地区。特産品づくり。
2001
296 南光町
南光町特産加工研究会
団体 農産加工、特産品の育成
1994
297 南光町
ひまわり館加工グループ
団体 ひまわり館の運営、ひまわりの特産づくり
1995
298 南光町
三河グループ
団体 三河地区。野菜づくり、農産加工
1988
299 三日月町
三日月町生活研究グループ
団体 農産加工、野菜栽培、都市との交流
1993
300 三日月町
加工場、食堂、直売所を持つ食材提供施設の
味わいの里三日月(農事組
合法人 三日月特産加工組 団体 建設で、町内の生活改善グループを合併しこ 1989
れを運営。イベント開催、農業体験など
合)
301 三日月町
食の新規開発
1995
廃校を活用した加工場で地元農産物を使って
加工
町及び地元農業組合法人との共催でそば料理
活動 コンテストを行い、独創性の高い新メニューの開
発
35
2000
三日月町産業課
味わいの里三日月
302 三日月町
地産地消学校給食
小学校、農業組合法人、JA、教育委員会など
活動 で組織する三日月地産地消学校給食推進協
議会で推進。食育、みそ造り教室なども実施
303 宍粟郡
若草グループ
団体
304 山崎町
秋葉グループ
団体 上ノ。特産物の開発研究
2001
305 山崎町
コスモスグループ
団体 与位。生活環境整備、特産品加工研究
1973 コスモスグループ
306 山崎町
さつきグループ
団体 上寺。特産物の開発研究
2001
307 山崎町
しそう森林王国特産物販売
しそう森林王国内の特産品を「王国の恵み」と
財団法人しそう森林王国協
団体
2001
協働組合準備委員会
位置づけ、広く販売
会
308 山崎町
菖蒲グループ
団体 高所。特産物の開発研究
309 山崎町
ハッピーグループ
団体
310 山崎町
ビーンズクラブ
団体 上ノ。特産物の開発研究
311 山崎町
ひまわりグループ
団体
312 山崎町
みどり会
団体 川戸。家庭管理・特産物加工研究
1970
313 山崎町
百合の会
団体 高所。仲間づくり、自家生産物の有効利用
1994
314 山崎町
わらびの会
団体 塩田。特産物の開発研究
2001
315 山崎町
山崎町特産開発研究会
4グループ 20 名の会員。地産地消の考えのも
団体 と、安心して提供できるスローフードの特産品研 2000 山崎町役場商工林業課
究
316 山崎町
宍粟三尺きゅうりを明石市場と農作物直販所
地元食材を活かした特産品
活動 「旬彩蔵」に出荷。山崎町特産開発研究会が
の開発
様々な種類の漬物を開発
317 山崎町
伝統食の復活
318 安富町
ゆず加工品、餅類、菓子類製造販売。町内で
安富ゆず工房(安富町ゆず
2000
団体
収穫したゆずを使い製造
生産組合)
319 一宮町
レストランブラッセリー
場所 地域食材を使ったレストラン、地場野菜販売所
320 一宮町
家原の里グループ
団体 特産物の加工研究、福野で活動
1998
321 一宮町
白谷グループ
団体 有機野菜の加工、生産販売、山田で活動
1995
322 一宮町
ひろちゃんのポン菓子
団体 福祉まつり等の会場でポン菓子を作り配布
2000
323 一宮町
福田田毎グループ
団体 そばオーナー制度、加工研究、東河内で活動
2002
324 一宮町
福知かえで工房
団体 特産物の加工生産販売、福知で活動
2000
325 波賀町
(株)波賀メイプル公社
団体
326 波賀町
あじさいグループ
グループ単位で地元の特産品を使って作った
団体 加工品を販売。生産物を通じた消費者との交 1989
流。水谷で活動
327 波賀町
アップルグループ
団体
328 波賀町
小野ふれあい農園産品グル
特産物加工生産販売・ふれあい農園(オーナ
団体
1998
ープ
ー制度など)管理
329 波賀町
農産加工グループ
グループ単位で地元の特産品を使って作った
団体 加工品を販売。農産物の加工研究と商品化。 1989
飯見で活動
330 波賀町
野尻いずみ会
団体 給食サービスの調理が中心
活動
三日月地産地消学校給食
推進協議会
望ましい農家経営の研究、農家労働軽減対
1989
策、中核農家若妻の仲間づくり
2001
中野家庭管理・農家自給生活の向上、夏小菊
1981
生産
2001
野々上。転作作物の共同研究・生産環境改善・
1980
特産物加工研究
山崎町特産開発研究会
宍粟三尺きゅうりを山崎農業改良普及センター
2001 山崎町特産開発研究会
が中心となり、平成 13 年から復活に乗り出す
道の駅の管理主体。農林水産関係交流拠点施
設・第三セクター公社
原自治会にあるりんご園で商品にならず処分さ
1989 波賀町産業振興課
れるりんごをジャムに加工
36
2001
グループ単位で地元の特産品を使って作った
1978
加工品を販売。斉木で活動
331 波賀町
やまびこグループ
団体
332 千種町
グリーンハウス
団体 地元農産物販売・加工品販売・Aコープ併設
333 千種町
千種加工研究会
ふるさと産品の加工生産販売。悦子の工房、漬
団体 物工房 中野前、やたらグループいまい田舎農 2003
場など
334 千種町
千種グループ
団体 特産物の加工生産販売
1991
335 千種町
やたらグループ
団体 特産物の加工生産販売
1998
336 竹野町
郷土料理店「北野屋」
山間地域での伝統料理メニューを開発。但馬
場所 牛、花ハスなど旬の食材を活用し古くからの田 1993
舎料理に組み合わせて提供
337 竹野町
須野谷村おこし組合
「すのたにや」を拠点に、地元農産物を食材とし
団体 た郷土料理の提供、特産物の製造・販売、来訪 1998
者との交流等
338 日高町
日高振興公社 加工部
団体
町内で作られた野菜、山野草などを昔からの製
法で佃煮に、様々な食材をジャムに加工
339 日高町
マロニエ加工グループ
団体
農業改良普及センターなどの支援を受けキャロ
1988
ットジャム生産から初めイチゴジャムなどに拡大
340 出石町
出石皿蕎麦会
団体
伝統の味を守ること、磨くこと、そして次代へと
伝えることを使命とする生産者の団体
341 出石町
出石町農業と生活を考える会 団体
そば庄本店
学校給食食材提供、野菜生産や余剰野菜の加
1980 出石町役場農林課
工、販売
342 但東町
農村体験館『八平』
主楼谷(しゆろだに)地区におけるグリーンツー
リズム。農業とちりめんちりめんからの脱皮。そ
1997
場所
ば打ち、わら細工、豆腐やこんにゃく作りなどを
行い、都市との交流
343 但東町
JA たじま但東支店
バラ苗木産地で捨てていた花をジャムに加工。
団体 専業農家の女性グループが完成。但東シルク 1985
ロード観光協会で販売
344 但東町
赤花そばの郷生産組合
団体
幻のそばと呼ばれた「赤花そば」を年中提供。
そば栽培のオーナー制度
345 但東町
但東の味研究グループ
団体
町内の 12 名の主婦で組織されている。地元の
食材を使ったふるさと料理を後生に伝える
346 村岡町
ふるさと加工センター「むらお
団体 特産物の生産販売
か」
347 村岡町
ふるさと産品研究グループ
団体 地元の農産物を利用した商品開発と販売
村岡町・
美方町・
みかたキャベツ生産組合
348
温泉町・
浜坂町
団体 みかたキャベツの生産・出荷
349 村岡町
村岡町自然を食べ飲む会
団体
350 村岡町
村岡町特産物開発振興会
団体 特産物の販売
351 村岡町
地酒「村岡杜氏の郷」
商品
352 浜坂町
農山漁村の生活環境整備と食文化の発信、農
美方郡生活研究グループ連
団体 産物、海産物を通しての交流。郷土食を広く知 1971 浜坂農業改良普及センター
絡協議会
ってもらい、地域の食文化の大切さを伝承
353 浜坂町
浜坂町漁協婦人部
団体
354 美方町
みかたや
場所 「但馬牛」の郷土料理を提供
355 美方町
みかた食堂
場所 新鮮なスッポン料理を全国に産地直送
「村岡の野菜を食べる」など書籍執筆、講習会
など
但馬杜氏の里で同町産の山田錦を使い、町内
の杜氏が仕込んだ初めての地酒
ホタルイカの普及を目指して、「ホタルイカ料理
百選」の選定・開発
37
1987
香美町役場
奥但馬
357 美方町
久須部渓谷観光組合 滝見
場所 郷土料理の提供、交流施設
亭
358 美方町
小代物産館
場所
直売所・郷土料理。美方特産のカレー及びそ
ば等の販売
359 美方町
秋岡やってみよう会
団体
地元の材料ばかりで、昔ながらの混ざりのない
栃餅を生産
360 美方町
ニコニコ会
団体
保存食として農家で作られていましたものを加
工・販売
361 美方町
小代特産開発協会
団体 但馬牛の産地限定の肉を使ったカレーの開発
362 美方町
新屋ふるさと村管理組合
団体
363 美方町
美方野菜加工組合
団体 地元美方でとれた大根の加工など
364 美方町
スッポンを売り出す
活動
美方町料理組合が、町で養殖しているスッポン
を特産品料理としてフルコースを売り出し
365 温泉町
杜氏館
場所
酒造りの歴史を展示する「杜氏館」。温泉町に
は 60 人以上の杜氏がおり杜氏の里をアピール
366 温泉町
すずしろグループ
地元で生産される農産物、山菜等を利用した自
団体 然食品の加工販売や郷土食の見直しと子供た 1986
ちへの伝承
367 温泉町
やっ樽会
団体 添加物を使用しない手作り漬け物の生産
368 温泉町
温泉町果樹園芸組合
団体 20 世紀梨の販売
369 温泉町
熊の芋生産組合
団体
温泉町の特産として栽培され、品質の改良し栽
培
370 温泉町
春来そば生産組合
団体
地元産そば粉100%のこだわりそばや山菜を
使った田舎料理、またそば打ち体験
371 温泉町
春来そば生産組合
団体
そば処を核に“そば+加工”で集落ぐるみの活
性化
372 温泉町
生産者・販売者が、安全・安心の牛肉を消費者
湯村温泉但馬ビーフ流通振
団体 へ届けるため但馬牛の振興、流通経路の確 2003 温泉町役場
興協議会
立、ブランド化
373 大屋町
おおや高原有機野菜部会
374 大屋町
大屋町商工会むらおこし実
大屋町で採れた新鮮なよもぎを使用、添加物を
団体
行委員会
使わない健康食品の生産、販売
375 関宮町
大谷校区管理組合
団体
あいす工房 らいらっく
飼養するジャージー種の牛乳で自家製アイスク
リーム生産販売。厳しい経営環境で酪農を続け
団体
るため、加工施設建設とジャージー種への切り
替え
377 和田山町
山城の郷振興協会
地元の素材のレストランや特産物の販売、資料
展示、地元の特産品を製造。和田山町が整備
2001
団体
した都市農村交流施設「山城の郷」を地域住民
が運営するという趣旨で設立
378 和田山町
但馬ヤーコン友の会
団体
全国的な組織であるヤーコン研究会の地方組
2001
織。ヤーコンの普及
379 和田山町
南但いずみ会
団体
食生活改善推進員がリーダーとなり「自分の健
1975
康は自分で守る」という自覚と認識を広める
380 山東町
朝来郡与布土生活研究加工
団体 地元産の米、大豆を原料としたみそづくり
グループ
376 和田山町
場所
厳選されたそば粉を使用し、美方製麺所独自
の製法でそばを生産
356 美方町
団体
宿泊施設・農園等・体験交流。コテージに宿泊
し、高原野菜づくりと年間地主制度
有機野菜栽培に先駆け的に取り組み、技術の
1991
確立や新規就農者の受入れ
関宮町高齢者生産活動センターの一角で、地
2002
元産の青大豆を使った「青大豆みそ」の製造
38
美方町料理組合
381 山東町
山東町梁瀬生活改善実行グ
団体 山東の高原でとれた大根を加工
ループ
382 山東町
湯~トピアさぽーと倶楽部
383 朝来町
有限会社朝来農産物加工所 団体 黒大豆入り味噌の開発・販売
384 朝来町
規格外品の豆に付加価値をつけるため味噌作
有限会社朝来農産物加工所 団体 り。丹波黒豆のブランド力で経営自立し消費者 1996
への直接販売
385 朝来町
岩津ねぎ学校給食
岩津ねぎを町内の幼稚園、小中校の学校給食
活動 の食材として使用。毎月 26 日を「朝来町の日」
と定める
386 氷上町
氷上町つたの会加工部
団体
387 氷上町
氷上町生活研究グループ連
町おこしや地元農業の振興を図るため、地元農
団体
1993
絡協議会
産物等を使った加工品の開発や販売
388 青垣町
そば処せせらぎ園
389 青垣町
青垣町あざみ菜生産加工組
青垣の特産になるものをつくりたいと生産し、道
団体
1991
合
の駅当で販売
390 青垣町
青垣町東芦田地区
むらおこしグループ「ごりんかん」を発足、休憩・
団体 交流施設の整備し都市住民との農村体験交流 2003 ごりんかん
事業、宿泊施設、情報発信
391 春日町
春日あぐり研究会
団体
春日町内の若手の専業農家が農業のあり方を
1995
研究
392 春日町
丹波・食の会
団体
有機栽培の農作物・無添加の加工食品を生
2002
産、販売
393 市島町
食ネットグループ
農村地域とニュータウンに「食ネット有機野菜直
売所」を設置し、その後市島町にて有機肥料に
団体 よる栄養豊かな土壌で野菜栽培。それらを原料 1997
にお漬物、佃煮、みそ、ジャム、お菓子など生
産
394 市島町
持続可能な循環型の社会づくりを目標に地元
有志で組織。地元の農産物の販売、加工品の
特別非営利活動法人 いち
団体 開発、都市との交流企画など。町の施設である 2001
じま丹波太郎
「まちおこし会館」を地域づくりの拠点として活
用
395 市島町
減農薬米酒造り
活動
農薬や化学肥料に頼らない有機農法で栽培し
た酒米とこうじのみで"本物"の純米酒造り
396
ゆずの会
団体
農産物を使った料理の研究と普及、伝承料理
1975
の掘り起こし
397 淡路町
淡路食文化研究会
健康づくりの基本である正しい食生活と淡路の
団体 食文化を後世に伝えて行くために結成。島内 2003
各地に残る郷土料理の普及、伝承
398 淡路町
淡路町農産加工研究会
団体
399 北淡町
北淡町地域特産品開発推進
団体 特産品開発
事業委員会
400 一宮町
直販いちのみや
場所 町が直売所を建設、貸与し運営
401 一宮町
東桃川村おこし協議会
地域住民が休耕田に菜の花を植栽、菜種油を
団体 採油しイベントでてんぷらなど製造、都市住民と 2002
交流
402 五色町
合鴨研究会
寿子米の産地鮎原地区でブランド化、食の安
団体 全を図るため、合鴨を使用した無農薬有機農
法を推進
団体 ハスを用いた新たな地域振興の取組み
2004
1994
朝来町立学校給食センター
町内で収穫した農産物を使い、昔ながらの加工
食品を、現代風にアレンジ
農事組合法人・今出せせら
ぎ園
場所 自然薯、そば粉など地元産に生産
山名酒造株式会社
淡路特産のびわから、無農薬・無添加の手づく
り
39
2000
403 五色町
五色町商工会むらおこし研
団体 ごしきワインの生産
究会
404 東浦町
東浦町消費者団体エプロン
安全で安心してくらせる消費生活運動、食の安
団体
1968
会
全の表示のチェックなど
405 緑町
特定非営利活動法人 ふるさ
食と農の関係を見直し地域の農を中心とした文
団体
2003
と応援隊
化の価値を再発見して地域活性化。朝市
406 西淡町
西淡町商工会 阿那賀支部
407 三原町
地域農業基盤確立農業構造改善事業等で整
淡路ファームパーク イングラ
場所 備された農村型体験交流施設。地元で生産さ 2001 南淡路農業公園株式会社
ンドの丘
れた材料による自家製品の提供
408 三原町
おかめクラブ
団体
転作作物として黒大豆を栽培、味噌づくりと漬
物作り
409 三原町
玉にしきグループ
団体
地元特産物である玉葱を使った漬物を開発し
販売
410 三原町
南あわじ野菜研究会
団体 農産物の提供
411 三原町
ほりべの淡路たまねぎ
商品
412 南淡町
北阿万園芸グループ
団体 玉ねぎ一個漬けた「玉三郎」という漬物を生産
413
全国
広域
414 京都府
地産地消の推進と地域の活性化の活動。平成
団体 10 年から魚彩館で西淡とれたて日曜朝市を開 1960
催
自家産野菜のネット販売。「淡路たまねぎ」をブ
ランド化
手づくり企画「ジャーニー・ト
食料に関する NGO。地域の自立を促す適正技
団体
1997
ゥ・フォーエバー」
術の情報提供とネットワーキング
三たん地方開発促進協議
丹後、丹波、但馬の三たんが県域を越えて協
京都府企画環境部企画総
活動
1964
会・『三たん事典』発行
力、1999 年『三たん事典』発行
務課
40
第3章
食に関する活動を行う団体の現状と課題
1.アンケート調査
①概
要
食に関する活動を行っている団体の現状と抱える課題を明らかにするために、アンケート調査を実施
した。アンケートの対象は、前章にてデータベースに示した、兵庫県内において食に関する活動を行っ
ている団体の中で住所等が明らかな 290 団体である。
アンケートは平成 17 年 4 月に実施。手法は郵送にてアンケート票を送付、郵送にて返送するという
郵送法である。ただし、時間の制約等から送付にあたっては簡略なものとして、往復はがきを使用して
いる。
アンケート対象:
食に関する活動を行っている兵庫県内 290 団体
アンケート調査時期:
アンケート調査法:
平成 17 年 4 月
郵送法(往復はがき)
表 3-1 アンケート対象団体の活動地域
県民局
兵庫県
5
送付件数
中播磨
26
神戸
阪神南
19
西播磨
阪神北
16
但馬
50
29
丹波
48
21
北播磨
32
淡路
18
東播磨
26
総計
290
団体の活動地域を示すが、これはほぼ送付先の地域的分布である。なお兵庫県というのは広域活動を
行う団体のことである。県民局単位で見ると、自治体数が多く、また食に関する活動の盛んな西播磨が
50 件、但馬が 48 件と比較的多い。
②アンケートの内容
アンケートは事前に選択肢を指定する、プレコード型である。
アンケートの内容であるが、最初に活動の実態と課題を知ることを目的とした次のような設問を用意
した。
まず、(1)活動の内容を明らかにする。一つの団体であっても、複数の活動があるため、データベース
で分類しただけではない活動を把握する。これは同時に活動団体の多様性を示すことにもなる。(2)活動
の目的を明らかにする。活動団体が NPO の他、第三セクター、任意団体、民間と多様な形式であり、そ
の目的も多様と考えられるからである。(3)活動が地域にどのような影響を与えているのかを明らかにす
る。活動によって地域にどの程度の影響を与えているのか、その自己分析である。ここまでは現状に関
する設問であり、さらに、(4)活動を続ける上での課題を把握することを目的とする設問を用意した。以
上の設問は複数回答である。
41
第二には、活動団体の属性を示すものとして、(1)主な活動地域、(2)会員(または従業員)の規模を
問う。
第三の問題として、団体が活動において、他の団体と連携を行っているのかを課題としている。地域
活動において連携のあり方は重要な課題でもある。ここで連携の相手としては、(1)自治体、及び(2)関
連する団体を想定している。
それぞれの設問及び選択肢について、下にアンケート票を示す。なお選択肢の設定に当たっては、前
章でのデータベースの内容を踏まえている。
配布したアンケート票
貴団体(貴社)の活動について伺います。(複数回答)
1.活動の内容をお教え下さい。
①生産 ②食材加工 ③商品開発
⑦食の伝承 ⑧宣伝・PR ⑨認証
④販売 ⑤レストラン ⑥食育
⑩食の体験 ⑪その他
2.活動において重視していることは何ですか。
①売上・利潤 ②組織・活動の拡大 ③評価・評判 ④先進性
⑤食の質の向上 ⑥仲間の連帯 ⑦地域への還元 ⑧その他
3.活動されている地域にどのような影響がありますか。
①経済の活性化 ②地域の知名度向上 ③人の結びつきの強化
④地域に誇りを持つ ⑤認識の高まり ⑥他の地域との関係
4.活動を続ける上での問題点は何ですか。
①活動が縮小 ②知名度が低い ③資金不足 ④人間関係
⑤高齢化 ⑥技術・ノウハウが未熟 ⑦その他 ⑧問題は無い
貴団体(貴社)のことについて伺います。1 つ選んで下さい。
5.活動されている主な地域はどこですか。
①神戸
②阪神
③播磨
④但馬
⑤丹波
⑥淡路
⑦その他
6.会員(従業員)の規模はどのくらいですか。
①10 人未満
②50 人未満
③100 人未満
④100 人以上
7.県や市町と連携をしていますか。
①連携している
②今後連携したい
③連携を考えていない
8.活動地域内の他の団体と連携していますか。
①連携している
②今後連携したい
③連携を考えていない
③回収率
290 件を配布後、アンケートの回収は 143 件であり、回収率は 49.3%である。
郵送法による回収率としては比較的高いと見ることができる。アンケート票がプレコード型であるこ
とと、設問が少ないため比較的回答し易いためと思われるが、それ以上に活動団体の意識の高さも影響
しているのではないか。
42
2.活動団体の実態と課題
①属性
主な活動地域は以下の通りである。
表の説明をすると、パーセントは回答数 143 件に対する比率である。有効パーセントは無回答などの
欠損値を除いた件数に対する比率である。以下、説明では有効パーセントを使うことになる。
表 3-2 主な活動地域
回 収 状 況
度数
パーセント
配 布
有効パーセント
配布数
回収率(%)
比率(%)
神戸
7
4.9
5.0
21
7.2
33.3
阪神
24
16.8
17.0
46
15.9
52.2
播磨
67
46.9
47.5
135
46.6
49.6
但馬
22
15.4
15.6
49
16.9
44.9
丹波
8
5.6
5.7
21
7.2
38.1
淡路
8
5.6
5.7
18
6.2
44.4
その他
5
3.5
3.5
合計
141
98.6
100.0
システム欠損値
2
1.4
143
100.0
290
100.0
49.3
有効
合計
活動する地域として比率が最も高いのは播磨であり、46.9%と半数近くを占めている。次いで、阪神
が16.8%、但馬が15.6%である。都市部よりも地方部で活動する団体が多いことを示す。対象とした団
体において農業を基礎とする活動が多いためと思われる。
この差は配布先数とも関連するため、アンケートを送付する際の住所をベースとし、配布先の数を上
記地域に合わせて再計算し、右側に示す。配布数に比例するように回収されていることが分かる。ただ
し神戸、丹波は配布数に対し、回収が少ない。それらを除くと地域による回収率は、40~50%程度と全
体の比率とほぼ一致する。アンケート結果が母集団を反映した標本集団として考えることができる。
次に、会員(団体によっては従業員)の人数による規模別の回答数は以下の通りである。
表3-3 会員(従業員)規模
度数
有効
有効パーセント
10人未満
51
35.7
36.2
50人未満
48
33.6
34
100人未満
11
7.7
7.8
100人以上
31
21.7
22
141
98.6
100.0
2
1.4
143
100.0
合計
システム欠損値
合計
パーセント
43
10 人未満の小さな団体が 51 件、36.7%であり、次いで 50 人未満が 33.8%である。合計すると 70%
近くを占めており、食に関する団体のそのほとんどが 50 人未満の規模の団体ということができる。
逆に 100 人以上という回答も 21.6%を占めており、会員規模の大きな団体も 1/5 を占めており、この
ことから団体の規模は、少人数か、もしくは大規模なものか、になると思われる。
表3-4 活動している主な地域別・会員(従業員)数による団体規模
活動している主な地域
神戸
会員・従業員規模
10人未満
50人未満
100人未満
100人以上
%
合計
その他
3
3
2
51
28.6
8.3
38.8
59.1
37.5
37.5
40.0
36.2
3
9
26
6
0
4
0
48
42.9
37.5
38.8
27.3
0.0
50.0
0.0
34.0
1
3
4
1
1
1
0
11
14.3
12.5
6.0
4.5
12.5
12.5
0.0
7.8
1
10
11
2
4
0
3
31
14.3
41.7
16.4
9.1
50.0
0.0
60.0
22.0
7
24
67
22
8
8
5
141
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
度数
合計
淡路
13
度数
%
丹波
26
度数
%
但馬
2
度数
%
播磨
2
度数
%
阪神
表3-4に主な活動地域別に会員規模別の団体数を示す。
阪神では100人以上が43.5%と半数近くを占めており、規模の大きな団体が多い。播磨は100人以上の
団体数は15.2%であり、10人未満が39.4%を占めるなど規模は比較的小さい。但馬は10人未満が59.1%
と6割を占めており、小さな団体が多数存在している。生活研究グループなどの団体が多いためと思わ
れる。丹波は100人以上が50%と半数を占めるなど、規模の大きな団体が多い。
都市部では規模の大きな団体が、地方では規模の小さな団体が多く、播磨などはその中間に位置する。
②活動の内容
次に、団体の活動内容を示す。結果は複数回答である。
表 3-5 活動の内容(複数回答)
度数
回答数比率
回答者比率
生産
45
10.7
31.7
食材加工
52
12.4
36.6
商品開発
37
8.8
26.1
販売
62
14.7
43.7
レストラン
13
3.1
9.2
食育
50
11.9
35.2
食の伝承
52
12.4
36.6
宣伝・PR
30
7.1
21.1
認証
12
2.9
8.5
食の体験
48
11.4
33.8
その他
20
4.8
14.1
421
100.0
296.5
合計
44
複数回答の場合の表の見方であるが、回答数比率とは、複数で答えている回答件数に対する比率でそ
の合計は 100%になる。回答者比率とは、141 件の回答者数を分母とする比率であり、少なくともその
比率だけの回答をする団体があった、ということである。ここでは主に回答数比率を用いて分析する。
最初に回答者比率の合計に注目すると、293.6%で、1 団体が平均して 2.9 件の活動を行っている。
活動の内容でもっとも多い回答は、販売であり回答数比率で 14.6%(回答者比率 42.9%、以下同様)
を占めている。つまり半数近くの団体が、何らかの販売活動を行っているといえる。販売には自家製の
農産物や地元産品の加工などがあると思われる。
次いで、食材加工、食の伝承がそれぞれ 12.4%(36.4%)である。食材加工が比較的多いことは、加
工・販売をまとめて 1 つの団体が行っているケースが多いためと思われる。生産も 10.7%(31.4%)を
占めており、生産や加工したものを販売するという団体が多いと思われる。食の活動において、そこに
ある食材や農産物を経済的な資源として活かしたい、という団体が多いためである。
食の伝承についても比率が高い。特産物の販売という経済的利益だけではなく、地域独自食の保存を
目指している活動が多いからと思われる。そして、続く回答数のある食育 11.9%(35.0%)、及び食の
体験 11.4%(33.6%)とあわせると、1/3 以上が地域のおける食を活かした教育や情報の発信に関する
活動に従事していると見ることができる。
活動について、団体の規模別での状況を表 3-6 に示す。
表 3-6 団体規模別・食に関する活動内容(複数回答)
10 人未満
生産
食材加工
商品開発
販売
レストラン
食育
食の伝承
宣伝・PR
認証
食の体験
その他
合計
50 人未満
100 人未満
100 人以上
合計
20
15
3
7
45
12.8
11.9
9.4
6.7
10.7
25
17
3
7
52
16.0
13.5
9.4
6.7
12.4
17
14
2
4
37
10.9
11.1
6.3
3.8
8.8
28
21
3
9
61
17.9
16.7
9.4
8.6
14.6
6
4
2
1
13
3.8
3.2
6.3
1.0
3.1
11
11
7
21
50
7.1
8.7
21.9
20.0
11.9
15
10
6
20
51
9.6
7.9
18.8
19.0
12.2
10
13
0
7
30
6.4
10.3
0.0
6.7
7.2
7
3
0
2
12
4.5
2.4
0.0
1.9
2.9
15
15
3
15
48
9.6
11.9
9.4
14.3
11.5
2
3
3
12
20
1.3
2.4
9.4
11.4
4.8
156
126
32
105
419
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
45
表は上段が件数、下段は回答数比率(%)であり、縦方向に合計すると 100%になる。そのため横方向
で比較すると、団体規模による特色を見出すことができる。
販売については 10 人未満の団体で 17.9%を占めており最も高く、次いで 50 人未満では 16.7%とな
っている。以下、団体の規模が大きいほどその割合は低下する。食材加工についても同様で、10 人未満
では 16.0%であるが、50 人未満で 13.5%など規模が大きい団体ほど低くなる。生産も同様の傾向が見
られる。
一方、食の伝承では、100 人以上で 19.0%、100 人未満では 18.8%と比率が高いものの、10 人未満
では 7.1%を占めるだけである。食育では 100 人以上で 21.0%、100 人未満で 21.9%と高い比率である
が、10 人未満では 7.1%と低い。団体の規模が大きいほど、食育や食の伝承などの活動を行う団体が多
いといえる。
食の商業化に関する活動と、食の情報発信に関わる活動において、団体の規模により差があると思わ
れる。そこで、生産、食材加工、商品開発、販売、レストラン、という食の商業活動に関わるものを合
算し「食品加工・販売等経済活動」のグループとする。さらに、食育、食の伝承、宣伝・PR、認証、食
の体験、という食の情報発信に関わるものを合算し「食の伝承、食育、情報発信等」のグループとして、
団体の規模別でそれぞれが占める比率を図 3-1 に示す。
図 3-1 活動別・団体規模別の構成比率(%)
100
食品加工・販売等経済活動
食の伝承、食育、情報発信活動
その他
90
80
70
構 60
成
比 50
率 40
30
20
10
0
10人未満
50人未満
100人未満
100人以上
団体規模
食品加工・販売等経済活動は、団体の規模が大きくなるほど低下し、食の伝承、食育、情報発信活動
は規模が大きいほどその比率が高いことが分かる。規模の大きな団体には、いずみ会など会員間の親睦
や情報の交流により、食に関わる活動を行う団体が多い。
次に、地域別に活動を見ると、表 3-7 の通りである。
販売については、淡路が 21.1%で最も高い比率を占めている。次いで、播磨(15.2%)、丹波(15.0%)
である。これに対し神戸は 5.9%、阪神が 12.0%とやや低い。また食材加工では淡路が 21.1%、丹波が
17.5%であるが、阪神で 6.0%であるなど都市部ではその活動は少ない。農産など地方での食材を加工、
販売していると考えられる。
これに対し、食の伝承では、阪神で 20.0%、播磨で 13.7%と高く、また食育に関しては神戸で 29.4%、
阪神で 20.0%と他地域の場合よりも高い。こうした食の情報発信は都市部での活動といえる。
46
表 3-7 地域別・食に関する活動内容(複数回答)
神戸
生産
その他
合計
5
4
1
45
11.8
5.5
9.4
17.5
12.5
21.1
4.3
10.7
0
3
28
9
7
4
1
52
0.0
5.5
13.9
14.3
17.5
21.1
4.3
12.4
0
1
18
11
3
2
2
37
0.0
1.8
8.9
17.5
7.5
10.5
8.7
8.8
1
7
31
9
6
4
3
61
5.9
12.7
15.3
14.3
15.0
21.1
13.0
14.6
0
0
6
4
2
1
0
13
0.0
0.0
3.0
6.3
5.0
5.3
0.0
3.1
5
11
24
3
5
0
2
50
29.4
20.0
11.9
4.8
12.5
0.0
8.7
11.9
2
11
27
4
4
0
3
51
11.8
20.0
13.4
6.3
10.0
0.0
13.0
12.2
3
3
13
4
2
2
3
30
17.6
5.5
6.4
6.3
5.0
10.5
13.0
7.2
認証
1
1
6
1
0
0
3
12
5.9
1.8
3.0
1.6
0.0
0.0
13.0
2.9
1
9
25
4
5
2
2
48
5.9
16.4
12.4
6.3
12.5
10.5
8.7
11.5
2
6
5
3
1
0
3
20
11.8
10.9
2.5
4.8
2.5
0.0
13.0
4.8
17
55
202
63
40
19
23
419
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
食の体験
合計
淡路
11
レストラン
その他
丹波
19
販売
宣伝・PR
但馬
3
商品開発
食の伝承
播磨
2
食材加工
食育
阪神
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
そこで、前述したように活動を食品加工・販売等経済活動、食の伝承、食育、情報発信分類して地域
ごとに図 3-2 に示す。
図 3-2 活動別・地域別の構成比率
100%
11.8
2.5
12.0
4.8
2.5
0.0
4.8
13.0
21.1
25.4
80%
40.0
48.2
60%
70.6
45.6
56.5
70.0
40%
78.9
69.8
57.5
51.8
20%
17.6
49.6
30.4
28.0
0%
神戸
阪神
播磨
食品加工・販売等経済活動
但馬
丹波 淡路
その他
食の伝承、食育、情報発信活動
47
合計
その他
食品加工・販売等経済活動については、神戸、阪神では低く、それぞれ 17.6%、28.0%である。これ
に対し、但馬で 89.8%、丹波で 57.5%、淡路で 78.9%であり、都市部で低く、農漁村部で高いことが
分かる。農漁村の産物を加工し販売するという活動が多いことを示す。食の伝承、食育、情報発信活動
では、神戸で 70.6%、阪神で 70.0%など、都市部で高い傾向がある。その他については、都市部でやや
多く、都市住民の持つ多様なニーズへの対応が行われている。都市と農村の両者の特徴を有する播磨の
場合、その中間にあることがわかる。
③活動で重視するもの
次に、団体の活動の目的として、活動で重視するものを示す。結果は複数回答である。
表 3-8 活動で重視するもの(複数回答)
度数
回答数比率
回答者比率
売上・利潤
25
7.3
17.6
組織・活動の拡大
44
12.9
31.0
評価・評判
26
7.6
18.3
9
2.6
6.3
食の質の向上
77
22.6
54.2
仲間の連帯
70
20.5
49.3
地域への還元
78
22.9
54.9
その他
12
3.5
8.5
341
100.0
240.1
先進性
合計
最も多いものは、地域への還元であり、22.9%を占めている。これは回答者比率では 54.9%であり、
過半数の団体が地域還元を目的に掲げているのである。食に関する団体が地域への還元を重要視してお
りこの点は高く評価されるべきであろう。次いで、食の質の向上であり、22.6%である。
そして、仲間の連帯の 20.5%である。食を通し仲間同士の交流を深める、ということである。さらに、
組織・活動の拡大が 12.9%と、経済的な指標となる売上・利潤よりも上位である。このことは何を意味す
るのか。仲間同士で共通する価値を持ち、情報を共有し、なんらかの制約を設けて(例えば会費を徴収
するなど)排除性を設けているため、その有する資源はある種のクラブ財ということができる。クラブ
財は公共財ではないが、多くのクラブ財が重なり合う多層性の中で公共財化していく。食の活動団体を
クラブ財の担い手とし、地域貢献を踏まえ、より公共財化する「仕掛け」を行政が繰り出すことも考え
られる。
これを団体規模別で表 3-9 に示す。
地域への還元は、10 人未満の団体で 26.1%である。規模が大きくなるとやや比率が低下する傾向が
見られる。規模が大きい組織では、特定の地域(例えば集落など)を想定することが難しいため、地域
への還元という考えが生じにくいと思われる。食の質の向上は 100 人未満の団体で 31.3%と高い。次い
で 10 人未満で 26.1%である。団体規模での差は少ない。
仲間との連帯は 50 人未満で 27.1%であるが、比較的規模の大きな団体でもその比率は高い。さらに、
組織・活動の拡大は 10 人未満では 7.0%で、規模の小さい団体は拡大よりも小規模での活動の維持を期
待している。しかし規模の大きな団体ほど、比率が高く規模の拡大で自分たちの機能を広めていく方向
48
を重視している。この点より、前述したようなクラブとしての機能を持ち、公共財の提供者としての位
置づけも可能になるのではないか。
売上・利潤、評価・評判は規模の小さい団体で比率が高く表れている。小さい団体には、販売など経済
的な活動内容が多いためこれらの点が重要視される。
表 3-9 団体規模別・活動で重視するもの(複数回答)
10 人未満
売上・利潤
組織・活動の拡大
評価・評判
先進性
食の質の向上
仲間の連帯
地域への還元
その他
合計
50 人未満
100 人未満
100 人以上
合計
12
9
2
2
25
10.4
8.4
6.9
2.3
7.4
8
13
6
17
44
7.0
12.1
20.7
19.5
13.0
14
7
1
3
25
12.2
6.5
3.4
3.4
7.4
3
4
1
1
9
2.6
3.7
3.4
1.1
2.7
30
16
9
22
77
26.1
15.0
31.0
25.3
22.8
16
29
6
18
69
13.9
27.1
20.7
20.7
20.4
30
25
4
18
77
26.1
23.4
13.8
20.7
22.8
2
4
0
6
12
1.7
3.7
0.0
6.9
3.6
115
107
29
87
338
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
次に、団体の活動別に、重視するものを検討する(表 3 -10)。
地域への還元については、レストランで 28.6%、食の体験で 23.0%、食育で 22.1%、食材加工で 22.0%
であるなど、どのような活動でも 20%を上回る。農産物を加工し販売するなど、経済的に「食」を通し
ての地域への還元もあり、また食に関する人々のレベルを向上させることによっての地域への還元もあ
りうるのである。
食の質の向上という選択肢は、食育などを通し、地域の全体の食の向上を図るという状況を想定して
いた。実際に、食育で 30.0%、食の伝承で 26.9%、食の体験で 24.4%など高いことから、こうした情
報発信を行う団体が、食の改善、向上を目的としていることが分かる。
仲間の連帯についてみると、食の伝承で 24.4%、宣伝・PR で 24.1%、商品開発で 24.1%と比較的、
専門性があり、人と人とが「しょっちゅう顔を合わせていないと進まない」という活動である。こうし
た分野では連帯感の強さが力となる。組織・活動の拡大は、認証で 17.5%、宣伝・PR で 16.9%、食の
伝承で 16.0%など、情報の発信による広がりを期待している活動分野である。食の活動は、人とのつな
がりを重視する方向(求心性)と同時に、拡大する方向(遠心性)を持っているのである。
売上・利潤は、レストラン、生産がそれぞれ 14.3%と高く、販売、食材加工が次いでおり、これらは
10%を越える比率であるが、食の伝承、食育、情報発信活動である、認証などは、ほとんど重視されて
いない。しかし、評価や評判となると、認証で 15.0%、宣伝・PR で 12.0%と高く、同じように情報発
49
信を目指す、食の伝承、食育で低いこととは対照的である。前者が、「外へ出て行く」のに対し、後者
は「内へ迎え入れる」という活動であることが、この差に繋がる。出て行く場合、その結果としての評
価は重要であるが、迎え入れる場合は、その活動を既に知ってある程度評価して参加することが前提と
なるからである。評価は活動のベクトルと関連するのである。
表 3-10 活動内容別・活動で重視するもの(複数回答)
売上・利潤
組織・活動の
拡大
評価・評判
先進性
食の質の向上
仲間の連帯
地域への還
元
その他
合計
その他
1
4
1
3.6
2.5
3.0
1.9
6.9
14
7
18
9
168
16.9
17.5
13.3
17.3
13.9
宣伝・
PR
5
4
3
14.3
3.6
2.6
2
22
25
4.8
15.7
16.0
商品開
発
19
15
6
19
6
14.3
10.6
5.6
10.7
16
19
14
22
12.0
13.5
13.0
12.4
販売
食の体
験
食の伝
承
レストラ
ン
食材加
工
生産
食育
認証
合計
83
14
9
10
17
5
6
7
10
6
10
2
96
10.5
6.4
9.3
9.6
11.9
4.3
4.5
12.0
15.0
7.4
3.8
8.0
6
5
5
5
3
2
3
2
1
3
0
35
4.5
3.5
4.6
2.8
7.1
1.4
1.9
2.4
2.5
2.2
0.0
2.9
25
31
24
39
7
42
42
14
9
33
11
277
18.8
22.0
22.2
22.0
16.7
30.0
26.9
16.9
22.5
24.4
21.2
22.9
27
30
26
36
6
27
38
20
8
30
9
257
20.3
21.3
24.1
20.3
14.3
19.3
24.4
24.1
20.0
22.2
17.3
21.3
24
31
21
37
12
31
34
18
8
31
13
260
18.0
22.0
19.4
20.9
28.6
22.1
21.8
21.7
20.0
23.0
25.0
21.5
2
1
2
2
1
5
3
2
0
6
7
31
1.5
0.7
1.9
1.1
2.4
3.6
1.9
2.4
0.0
4.4
13.5
2.6
133
141
108
177
42
140
156
83
40
135
52
1207
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
④地域への影響
食の活動団体が、地域への還元を重要なものと考えていることは先に示したとおりである。では、具
体的にどのような効果や影響が地域にあったのかを明らかにする。
表 3-11 地域への影響(複数回答)
度数
回答数比率
回答者比率
経済の活性化
40
12.8
28.4
地域の知名度向上
61
19.6
43.3
人の結びつき強化
81
26.0
57.4
地域に誇りを持つ
45
14.4
31.9
認識の高まり
51
16.3
36.2
他の地域との関係
34
10.9
24.1
312
100.0
221.3
合計
人の結びつき強化が 26.0%で最も高くなっている。活動を通じて地域での人が関連する。食は直接人
50
と関わるだけに、関連する活動は、人と人を結びつける効果を持つ、ということである。次いで地域の
知名度向上が 19.6%である。食のブランド化により、その産地の知名度は高くなる。また新規食の開発
や伝統食の復活により知名度を高める活動は、神戸市の長田や西播磨の千種町などで見られた。当初、
想定していた地域への影響であり、これが上位にある。
では、地域でこれら及ぼす影響に差があるのかを検討する。
表 3-12 地域別・地域への影響(複数回答)
神戸
経済の活性化
地域の知名度向上
人の結びつき強化
地域に誇りを持つ
認識の高まり
他の地域との関係
合計
阪神
播磨
但馬
丹波
淡路
その他
合計
1
6
17
7
4
2
2
39
7.7
13.3
11.0
14.9
16.7
14.3
20.0
12.7
3
4
33
11
3
4
2
60
23.1
8.9
21.4
23.4
12.5
28.6
20.0
19.5
2
14
44
11
7
2
0
80
15.4
31.1
28.6
23.4
29.2
14.3
0.0
26.1
1
5
19
10
5
2
3
45
7.7
11.1
12.3
21.3
20.8
14.3
30.0
14.7
4
9
26
4
2
3
2
50
30.8
20.0
16.9
8.5
8.3
21.4
20.0
16.3
2
7
15
4
3
1
1
33
15.4
15.6
9.7
8.5
12.5
7.1
10.0
10.7
13
45
154
47
24
14
10
307
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
人の結びつき強化、は阪神が 31.1%で高く、丹波で 29.2%、播磨で 28.6%と続く。都市部で比率が高
いことは、食を通し失われた人のつながりの回復を願ってのことと思われるが、都市部である神戸は必
ずしも高い比率ではない。神戸は回答数が少ないため誤差範囲とも考えられる。しかし、都市部、地方
部を問わず、地域における人の結びつきを考える場合、その範囲や影響力は多様であり、必ずしも都市
-地方の差で生じるものではないはないと考えられる。
地域の知名度向上は、淡路で 28.6%、但馬で 23.4%、神戸で 23.1%であり、ブランドを持つ神戸で
比較的高率である点が興味深い。おしゃれで、ハイカラな神戸ブランドには関係が薄い、地方の食や食
文化が神戸に多いことを示している。播磨、但馬は広域であり、個々の市町の知名度が小さいため、食
を通し、町を売り出す効果を狙っている。
都市-地方の差が表れているのは、認識の高まりで、神戸では 30.8%、阪神で 20.0%であるが、但馬
8.5%、丹波 8.3%と低くなっている。逆に、経済の活性化では神戸の 7.7%に対し、但馬 14.9%、丹波
16.7%である。目には見えない食に対する認識を影響とする都市部と、実質である経済的な効果を見込
む地方部の違いがある。これは都市部の経済的な余裕を示していると思われる。また、地域に誇りを持
つは神戸で 7.7%であるが、但馬で 21.3%、丹波で 20.8%となっており、地方部が誇りを回復すること
を願っているのである。
表 3-13 には活動別の地域への影響を示す。
人の結びつき強化については、食の体験で 30.0%、食育で 29.0%、食の伝承で 27.2%と、人と人と
が対面する活動で高い比率を示す。人を通し地域への影響を与える、という考えである。地域の知名度
の向上は、レストランが 32.4%と高く、集客施設として地域の知名度を向上させている。生産や商品開
51
発も 20%以上を占めており、特産品や地域食を開発し、生産し販売することで地域ブランド力を向上さ
せる効果がある。また宣伝・PR が 26.3%と高いことは、商品や活動の知名度だけではなく、地域の知
名度の向上を重視する考えであることを示す。
経済の活性化は、食品加工・販売等経済活動になる販売で 17.9%、商品開発で 16.8%と高く、食の伝
承、食育、情報発信活動である食の体験 10.0%、食育 8.0%と地域への影響は小さいと判断されている。
地域に誇りを持つについてみると、商品開発で 20.0%、宣伝・PR で 18.8%、認証で 18.4%と専門的
な活動で高くなっている。これは地域をよく知り、地域を売り出す方向を示す活動である。
表 3-13 活動内容別・地域への影響(複数回答)
生産
経済の活性化
地域の知名度
向上
人の結びつき強
化
地域に誇りを持
つ
認識の高まり
他の地域との関
係
合計
食材加
工
商品開
発
販売
レストラ
ン
食育
食の伝
承
宣伝・
PR
認証
食の体
験
その他
合計
21
20
16
25
6
10
16
16
4
12
4
150
17.9
15.0
16.8
16.2
17.6
8.1
11.8
20.0
10.5
10.0
9.5
14.0
26
27
20
32
11
16
21
21
8
19
8
209
22.2
20.3
21.1
20.8
32.4
12.9
15.4
26.3
21.1
15.8
19.0
19.5
29
34
19
38
6
36
37
13
7
36
9
264
24.8
25.6
20.0
24.7
17.6
29.0
27.2
16.3
18.4
30.0
21.4
24.6
19
24
19
25
5
15
14
15
7
16
5
164
16.2
18.0
20.0
16.2
14.7
12.1
10.3
18.8
18.4
13.3
11.9
15.3
11
12
11
19
4
30
29
8
5
22
10
161
9.4
9.0
11.6
12.3
11.8
24.2
21.3
10.0
13.2
18.3
23.8
15.0
11
16
10
15
2
17
19
7
7
15
6
125
9.4
12.0
10.5
9.7
5.9
13.7
14.0
8.8
18.4
12.5
14.3
11.6
117
133
95
154
34
124
136
80
38
120
42
1073
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
表 3-14 には団体規模別での地域への影響を示している。
表 3-14 団体規模別・地域への影響(複数回答)
10 人未満
経済の活性化
地域の知名度向上
人の結びつき強化
地域に誇りを持つ
認識の高まり
他の地域との関係
合計
50 人未満
100 人未満
100 人以上
合計
13
15
1
10
39
12.3
13.9
4.3
14.3
12.7
26
24
4
6
60
24.5
22.2
17.4
8.6
19.5
29
22
7
22
80
27.4
20.4
30.4
31.4
26.1
16
18
3
8
45
15.1
16.7
13.0
11.4
14.7
11
17
7
15
50
10.4
15.7
30.4
21.4
16.3
11
12
1
9
33
10.4
11.1
4.3
12.9
10.7
106
108
23
70
307
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
52
人の結びつき強化は、10 人未満で 27.4%、団体規模が大きいほどその比率が高くなり、100 人以上
では 31.4%となっている。大きな団体ほど、その抱える会員の活動により、地域における人の結びつき
に大きな影響を発揮すると思われる。同じく、大規模な団体ほど比率が高いこととしては、認識の高ま
りがある。これも大きな団体ほど影響力を発揮しやすい、ということを示す。
これに対し、地域の知名度向上は、10 人未満で 24.5%であるが、団体の規模が大きいほど、その比率
は低下し 100 人以上では 8.6%である。小さな団体が、地域独自食などの生産を通し、きらりと光る活
動をしていると考えられる。地域に誇りを持つ、ということも小さい団体の方がその比率が高い。小さ
い団体はその活動の内容や地域の独自性で、地域を積極的にアピールする役割を持っている。
ところで、活動で重視することが地域への影響として表れているかどうかを、以下に示す。
表 3-15 活動で重視すること別・地域への影響(複数回答)
売上・利
潤
経済の活性化
地域の知名度向上
人の結びつき強化
地域に誇りを持つ
認識の高まり
他の地域との関係
合計
組織・活
動の拡大
評価・評
判
食の質の
向上
先進性
仲間の連
帯
地域への
還元
その他
合計
15
16
10
1
20
24
22
3
111
21.4
12.4
14.5
4.2
10.9
13.0
11.5
12.5
12.7
15
26
18
5
30
32
39
4
169
21.4
20.2
26.1
20.8
16.4
17.4
20.4
16.7
19.3
17
33
14
5
50
53
46
4
222
24.3
25.6
20.3
20.8
27.3
28.8
24.1
16.7
25.4
11
21
13
5
25
27
30
5
137
15.7
16.3
18.8
20.8
13.7
14.7
15.7
20.8
15.7
7
17
9
4
38
27
30
5
137
10.0
13.2
13.0
16.7
20.8
14.7
15.7
20.8
15.7
5
16
5
4
20
21
24
3
98
7.1
12.4
7.2
16.7
10.9
11.4
12.6
12.5
11.2
70
129
69
24
183
184
191
24
874
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
これは縦方向(列)で検討する。つまり活動で重視していることが、その目論見どおり地域に影響と
して現れているかに注目するのである。
まず、地域への還元を活動において重視しているとの回答がある場合、影響としては人の結びつき強
化が 24.1%、地域の知名度向上が 20.4%となっており、地域への還元とは地域内のネットワークと地域
外への知名度という無形の成果となっている。
仲間の連帯を重視している場合、地域への影響として人の結びつき強化が 28.8%で、他よりもかなり
高い。活動で重視していることが、地域の影響として現れている。つまり、地域に影響力がある活動を
していると言い換えることができる。
食の質の向上では、影響として期待されている認識の高まりは 20.8%と比較的高く、質の向上を目指
した結果、地域で食に対する認識が高まったといえる。しかし、人の結びつき強化が 27.3%となってお
り、地域内でのネットワーク強化が、食の質向上の影響として表れている。
組織・活動の拡大では、人の結びつき強化が 25.7%であることから、地域内での活動を重視している
といえるだろう。また、売上・利潤向上についてみると、経済活性化は 21.4%であり、ある程度の効果
があると考えられる。また評価・評判では知名度向上について 26.1%となっており効果があった。先進
53
性では他地域との関係が 16.7%であるなど、先端を切ることを重視した結果、他地域より先んじている
といえる。
このように、団体の活動の目的は地域への影響として現れており、食の活動が地域と密着しているこ
とを示す。
⑤活動における課題
活動を続ける上での課題について検討する。
表 3-16 活動における課題(複数回答)
度数
回答数比率
回答者比率
11.6
活動が縮小
16
7.1
知名度が低い
27
12.1
19.6
資金不足
52
23.2
37.7
人間関係
16
7.1
11.6
高齢化
67
29.9
48.6
技術・ノウハウが未熟
24
10.7
17.4
その他
14
6.3
10.1
問題はない
合計
8
3.6
5.8
224
100.0
162.3
課題として最も多くあげられているのが高齢化で、29.9%である。地方で活動が多く、地域の高齢化
の影響を受けていること、また婦人部などの名称で呼ばれる旧来からの活動団体では若い人が加入しに
くい状況がある。その他、食に関する活動に限らずNPOのスタッフや会員の高齢化は多くの団体で共通
して課題とされている。例えば、平成 14 年に兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所が、兵庫県内にお
ける食事サービスの実態を把握するために、各市町の社会福祉協議会にアンケート調査を行い、その中
で運営の課題として、地域ボランティアの力だけ運営を続けることについて、活動ボランティアスタッ
フの高齢化や資金繰りについての限界をあげる回答が多かった、という結果を得ている 1。
次いで、資金不足が 23.2%となっている。資金不足も多くのNPO等の団体で共通する課題である。
平成 12 年に東京都が行った市民活動団体 95 件に対するアンケートでは、活動資金の不足が 45.3%で
活動メンバーの確保の 52.6%に次ぐ課題として挙げられていた 2。
この他、10%を越えているのは、知名度が低い(12.1%)
、技術・ノウハウが未熟(10.7%)、である。
団体の規模別に表 3-17 に示す
高齢化の問題は 10 人未満の団体と 100 人以上の団体で最も高い比率を占めている。10 人未満の団体
が地方部に多かったことから、地域の高齢化の影響を受けている。大規模な団体は歴史ある団体が多く、
大きな団体で世代交代が進まない状況が窺える。資金不足は 10 人未満の団体で 18.3%であるが、100
人以上では 26.5%となっており、団体規模が大きいほどその割合が高くなっている。規模が大きい団体
ではその活動を維持するための費用がかかることが予想される。知名度が低いは 10 人未満で 20.7%で
あり、団体の規模が大きいと比率は低く、小さい団体の課題となっている。
2)-高齢者・障害者への食事サ
ービスからみた地域施設に関する研究-』平成 15 年度版 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所報告集
2東京都生活文化局コミュニティ文化部
『特定非営利活動促進法施行後の市民活動団体の現状と課題に関
する調査』平成 12 年 7 月
54
1大野拓也、杉山勇『福祉のまちづくりの面的な展開に関する研究(その
表 3-17 団体規模別・活動における課題(複数回答)
10 人未満
活動が縮小
知名度が低い
資金不足
人間関係
高齢化
技術・ノウハウが未熟
その他
問題はない
合計
50 人未満
100 人未満
100 人以上
合計
5
6
3
2
15
6.1
8.0
17.6
4.1
6.8
17
6
1
3
27
20.7
8.0
5.9
6.1
12.3
15
19
5
13
52
18.3
25.3
29.4
26.5
23.6
5
6
0
5
16
6.1
8.0
0.0
10.2
7.3
28
19
4
16
66
34.1
25.3
23.5
32.7
30.0
7
11
1
5
23
8.5
14.7
5.9
10.2
10.5
4
5
1
3
13
4.9
6.7
5.9
6.1
5.9
1
3
2
2
8
1.2
4.0
11.8
4.1
3.6
82
75
17
49
220
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
次に地域別で、活動における課題を表 3-18 に示す。
表 3-18 地域別・活動における課題(複数回答)
神戸
活動が縮小
知名度が低い
資金不足
人間関係
高齢化
技術・ノウハウが未熟
その他
問題はない
合計
阪神
播磨
但馬
丹波
淡路
その他
合計
0
5
4
4
2
1
0
16
0.0
13.5
3.8
10.5
13.3
8.3
0.0
7.2
4
5
10
7
0
1
0
27
40.0
13.5
9.5
18.4
0.0
8.3
0.0
12.1
2
7
26
9
5
1
2
52
20.0
18.9
24.8
23.7
33.3
8.3
33.3
23.3
1
3
8
0
1
3
0
16
10.0
8.1
7.6
0.0
6.7
25.0
0.0
7.2
1
11
31
13
5
3
3
67
10.0
29.7
29.5
34.2
33.3
25.0
50.0
30.0
0
3
17
1
1
2
0
24
0.0
8.1
16.2
2.6
6.7
16.7
0.0
10.8
2
2
5
3
1
0
0
13
20.0
5.4
4.8
7.9
6.7
0.0
0.0
5.8
0
1
4
1
0
1
1
8
0.0
2.7
3.8
2.6
0.0
8.3
16.7
3.6
10
37
105
38
15
12
6
223
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
55
高齢化の問題は、阪神で 29.7%、播磨で 29.5%であるが、但馬で 34.2%、丹波で 33.3%と高齢化が
進む中山間地域での比率がやや高い。活動団体の高齢化が、地域の高齢化と関係することを示している。
資金不足については、神戸で 20.0%、阪神で 18.9%と低いものの、丹波で 33.3%と高く現れている。
都市部では資金調達が比較的容易と考えられる。
ところで、知名度が低い、は意外にも神戸での比率が高い(40.0%)。神戸ブランドの知名度を持ち、
メディアの露出も高いと思われるためである。神戸の団体が知名度の向上を活動において重視している
割合が高いことは先に述べたが、知名度向上を目指しながら十分にその成果が上がっていない、という
こともできる。神戸は規模が大きく、市民のニーズも多様であるため小さな団体では注目されないとい
うこともあるかも知れない。
表 3-19 活動内容別・活動における課題(複数回答)
生産
活動が縮小
知名度が低い
資金不足
人間関係
高齢化
技術・ノウハウが
未熟
その他
問題はない
合計
食材加
工
商品開
発
販売
レストラ
ン
食育
食の伝
承
宣伝・
PR
認証
食の体
験
その他
合計
4
5
4
7
1
8
8
2
1
4
3
47
5.1
5.7
6.3
6.9
4.2
10.1
9.2
4.2
4.8
5.1
11.1
6.8
12
8
5
12
4
7
7
8
3
7
3
76
15.4
9.1
7.9
11.8
16.7
8.9
8.0
16.7
14.3
8.9
11.1
10.9
20
25
16
24
6
20
18
14
4
19
6
172
25.6
28.4
25.4
23.5
25.0
25.3
20.7
29.2
19.0
24.1
22.2
24.7
5
6
5
6
0
7
7
3
2
7
1
49
6.4
6.8
7.9
5.9
0.0
8.9
8.0
6.3
9.5
8.9
3.7
7.0
24
28
20
31
5
20
30
10
7
28
8
211
30.8
31.8
31.7
30.4
20.8
25.3
34.5
20.8
33.3
35.4
29.6
30.3
7
11
7
13
4
9
7
4
1
6
0
69
9.0
12.5
11.1
12.7
16.7
11.4
8.0
8.3
4.8
7.6
0.0
9.9
4
3
3
6
3
5
5
4
2
4
6
45
5.1
3.4
4.8
5.9
12.5
6.3
5.7
8.3
9.5
5.1
22.2
6.5
2
2
3
3
1
3
5
3
1
4
0
27
2.6
2.3
4.8
2.9
4.2
3.8
5.7
6.3
4.8
5.1
0.0
3.9
78
88
63
102
24
79
87
48
21
79
27
696
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
高齢化の問題は、レストランが 20.8%、食育が 25.3%、宣伝・PR が 20.8%であることを除く他の活
動は、全て 30%を越える率となっている。レストランは若い経営者が多く、食としては若い人が参入し
やすい分野である。食育は最近、食の活動の中では大きな流れの一つとなっている。食育の必要性が謳
われながらも、学校教育のみでは対応が難しく、NPO などに委託するケースがある。多くの場合、生
徒、学生など若年者をその対象としており、体力が要求される。また食育の重要性が理解されているか
らこそ、若い人からの参加への意欲もあると思われる。同様なことは宣伝・PR にも当てはまる。
逆に、高齢化を課題として大きく取上げているのは、食の伝承 34.5%、食の体験 35.4%である。食を
伝承とはこれまで引き継いできた食を残す活動であり、高齢化の中で若い人にバトンタッチを進める工
夫が求められる。
資金不足の問題は、活動内容を問わず、ほぼ 25%以上を占めており、活動によらず資金の問題で頭を
痛めている様子が窺われる。知名度が低いという課題は、レストランで 16.7%、宣伝・PR で 16.7%、
56
生産で 15.4%、認証で 14.3%である。レストランは集客施設であり、知名度の低さが問題となるのは理
解できる。宣伝・PR、認証については、広範囲の知名度があって始めて成り立つものである。安心・安
全という食のブランドを創るためには、メディアを用いた広告ではなく、パブリシティーを重視する必
要がある。課題を克服するためには、団体のネットワークを重視する必要があるだろう。
活動の目的と、課題の関係を示す。活動の目的を十分に果たしているのかを検証するためである。
表 3-20 活動で重視するもの別・活動における課題(複数回答)
売上・利
潤
活動が縮小
知名度が低い
資金不足
人間関係
高齢化
技術・ノウハウが
未熟
その他
問題はない
合計
組織・活
動の拡大
評価・評
判
食の質の
向上
先進性
仲間の連
帯
地域への
還元
その他
合計
3
5
1
0
10
7
9
2
37
6.5
7.2
2.2
0.0
8.1
5.7
6.9
14.3
6.5
8
4
12
1
17
8
14
1
65
17.4
5.8
26.7
5.0
13.8
6.5
10.7
7.1
11.4
9
19
7
6
27
30
34
4
136
19.6
27.5
15.6
30.0
22.0
24.4
26.0
28.6
23.8
4
3
5
4
10
10
6
1
43
8.7
4.3
11.1
20.0
8.1
8.1
4.6
7.1
7.5
9
26
10
4
37
42
39
1
168
19.6
37.7
22.2
20.0
30.1
34.1
29.8
7.1
29.4
8
4
2
3
12
15
12
2
58
17.4
5.8
4.4
15.0
9.8
12.2
9.2
14.3
10.2
4
4
6
2
4
7
12
3
42
8.7
5.8
13.3
10.0
3.3
5.7
9.2
21.4
7.4
1
4
2
0
6
4
5
0
22
2.2
5.8
4.4
0.0
4.9
3.3
3.8
0.0
3.9
46
69
45
20
123
123
131
14
571
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
(上段:件数、下段:回答数比率(%))
活動で重視する項目別に列方向で分析する。それぞれについて、合計における比率と比べて、相対的
に高い比率を示す活動における課題を中心に検証する。
地域への還元を重視するという回答についてみると、高齢化が 29.8%、資金不足が 26.0%であり、こ
れら二つの課題が地域への還元においてネックとなっている。地域への還元、すなわちクラブ財の公共
財化を進めるため、資金の点は補助金など政策により対応することが可能である。
食の質の向上については、活動が縮小するという回答が相対的に多いことがわかる。食の向上を目指
すことだけでの限界ともいえるかもしれない。
仲間との連帯では、高齢化が 34.1%と大きな課題である。連帯を深めることが、新たな加入者の排除
に繋がっていないか、団体個々でも考える必要がある。
組織・活動の拡大については、高齢化が 37.7%、資金不足が 27.5%と高い比率となっており、この両
者が量的な拡大のネックとなっている様子が窺える。
売上・利潤という経済的要素を重視する活動では、技術・ノウハウの不足、知名度が低いがそれぞれ
17.4%で高い。質の向上とそのパブリシティーが経済的な利益に繋がる。
評価・評判では知名度が低いことが課題であり、評価・評判を重視するのであれば、知名度は重要な評
価基準となるためである。
57
3.他団体との連携について
①自治体との連携
自治体(市町、県)との連携を持っているか、についての結果である。
表3-21 県や市町との連携について
度数
有効
連携している
今後連携したい
パーセント
124
86.7
88.6
13
9.1
9.3
3
2.1
2.1
140
97.9
100.0
3
2.1
143
100.0
連携を考えていない
合計
システム欠損値
合計
有効パーセント
自治体との間で連携しているという回答は 124 件で、88.6%にも及ぶ。団体によっては第三セクター
など設立時において、自治体と関連が深い団体も多いためである。また今後連携をしたい、という回答
も 9.3%あり、連携を考えていないという回答は 2.1%に過ぎない。食の活動団体が、自治体との連携を
重視していることがよく分かる。
本来、食の関係では、食品メーカーや食料品店、料理店、農業者など市場をベースとする活動である
が、ここで対象とする団体は、市場性よりも公共性や地域性がより大きく反映している。そのため自治
体との連携がかなりスムーズに実施されている。
表 3-22 に地域別での自治体との連携の状況を示す。
表3-22 地域別・県や市町との連携について
活動している主な地域
神戸
県や市町との連携
合計
連携している
今後連携したい
連携を考えていない
度数
%
度数
%
度数
%
度数
%
阪神
播磨
但馬
丹波
淡路
その他
合計
5
19
62
18
8
8
4
124
71.4%
79.2%
93.9%
81.8%
100.0%
100.0%
80.0%
88.6%
2
3
4
3
0
0
1
13
28.6%
12.5%
6.1%
13.6%
0.0%
0.0%
20.0%
9.3%
0
2
0
1
0
0
0
3
0.0%
8.3%
0.0%
4.5%
0.0%
0.0%
0.0%
2.1%
7
24
66
22
8
8
5
140
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
地域別に自治体との連携についてみると、丹波、淡路では 100%の団体が連携を行っており、一方、
都市部の神戸で 71.4%、阪神で 79.2%とやや低い。地方では、自治体との連携により、活動を円滑に進
めることが可能になり、また自治体側も地域の活性化などに団体との連携を活用していることが考えら
れる。
では、団体の規模により差があるのか、表 3-23 に示す。
58
表3-23 団体規模別・県や市町との連携について
会員(従業員)規模
10人未満
県や市町との連携
%
9
27
124
88.2%
91.5%
81.8%
87.1%
88.6%
5
4
1
3
13
9.8%
8.5%
9.1%
9.7%
9.3%
1
0
1
1
3
2.0%
.0%
9.1%
3.2%
2.1%
51
47
11
31
140
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
%
度数
連携を考えていない
%
度数
合計
%
合計
100人以上
43
度数
今後連携したい
100人未満
45
度数
連携している
50人未満
連携するという回答が多いため、団体規模での差は必ずしも有意とはいえないものの、傾向としては
規模が小さな団体で連携をしていると思われる。
②他の団体との連携
それぞれの団体が活動する地域内における他の団体との連携について検討する。
表3-24 活動地域内の他の団体と連携
度数
有効
パーセント
有効パーセント
102
71.3
73.4
今後連携したい
27
18.9
19.4
連携を考えていない
10
7.0
7.2
139
97.2
100.0
4
2.8
143
100.0
連携している
合計
システム欠損値
合計
連携しているとの回答は 73.4%であり、ほぼ 3/4 が他の団体と連携している。これは自治体との連携
よりも少ない。食による活動を地域活性化に生かすには、団体間の連携は不可欠で、他団体の情報を公
開する、マッチングを行うなど中間支援的な拠点を必要とする。
これを地域別に示すと表 3-25 の通りである。
表3-25 地域別・活動地域内の他の団体と連携
活動している主な地域
地 域 内 の他 団 体 と
連携
神戸
連携している
今後連携したい
連携を考えていな
い
合計
度数
%
度数
%
度数
%
度数
%
阪神
播磨
但馬
丹波
淡路
その他
合計
4
19
47
16
8
5
3
102
57.1%
79.2%
72.3%
72.7%
100.0%
62.5%
60.0%
73.4%
3
3
14
3
0
2
2
27
42.9%
12.5%
21.5%
13.6%
.0%
25.0%
40.0%
19.4%
0
2
4
3
0
1
0
10
0.0%
8.3%
6.2%
13.6%
0.0%
12.5%
0.0%
7.2%
7
24
65
22
8
8
5
139
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
59
連携しているとの回答は、丹波が 100.0%で最も高く、次いで阪神が 79.2%である。地方部では但馬
が 72.7%、淡路が 62.5%とやや低いのに対し、都市部の阪神の高いことが分かる。これに対し、神戸は
57.1%と低く、今後連携したいが多くなっている。
表3-26 団体規模別・活動地域内の他の団体と連携
会員(従業員)規模
地域内の他団体と
連携
10人未満
連携している
今後連携したい
連携を考えていない
合計
度数
%
度数
%
度数
%
度数
%
50人未満
合計
100人未満
100人以上
37
35
9
21
102
75.5%
72.9%
81.8%
67.7%
73.4%
9
9
0
9
27
18.4%
18.8%
0.0%
29.0%
19.4%
3
4
2
1
10
6.1%
8.3%
18.2%
3.2%
7.2%
49
48
11
31
139
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
団体規模別に示すと、比率が最も高いのは 100 人未満で 81.8%である。ある程度の規模であれば、活
動を広げるためにも、他団体との連携が必要になるためである。ただ、100 人以上の団体では 67.7%で
あり、規模が大きいほど連携が多いということではない。
60
第4章
結論と提言
1.調査結果の概要
以上の調査結果から得られた概要を以下に示す。
本研究では、食に関する活動を行っている団体を対象として調査を行った。県下にどれだけの団体が
あるのか、そしてどのような活動を行っているのかを明らかにする。
第一に、行政が把握する食に関する団体や活動についてその概要を示す。まず、それら活動や団体の
目的は、地域づくりが 56.7%、人づくりが 33.7%を占める。食を生かした地域づくりが、積極的に行わ
れているのである。活動の内容は、新規開発が 46.2%、伝統的の 31.7%、従来の食の 27.9%であり、新
しい食を創ることで、地域に食が関わっているのである。人を育てるという目的に注目すると、地域固
有の食を伝え育むことが重要視されている。なお、活動の担い手は 6 割が市民団体で占められ、食を活
かすまちづくりは、民間企業や行政主導ではなく市民活動が担う。
第二に、兵庫県下で活動する、食に関する活動や担い手の団体に関するデータベースを作成した。分
析の結果、以下の知見が得られた。
まず団体の設立年度または活動の開始時期は 1980 年代から拡大しており、高度成長後、地域への関
心から食を使っての地域づくりの側面が大きく現れている。しかし 2000 年以降はむしろ食の安全など、
食への関心が高まったことをきっかけとして活動が増加している。地域づくりから食そのものを対象と
する、というように変化しているのである。
活動では、食材の加工と販売という経済的な分野が半数を占める。食育などを地域からの発信はそれ
に次いでいる。ただし地域差が大きく、都市部では情報発信や教育などの活動が過半数を占めている。
中山間地域では、むらおこし・まちおこしなどを行う団体が相対的に多いことがわかった。
第三に、こうした食に関わる団体を対象としたアンケート調査を行い以下の点を明らかにした。
こうした団体の行っている活動は平均して 2.9 件であり、その最も多い内容は販売である。ほぼ半数
近くの団体が、自家製の農産物や地元産品の加工品を販売している。データベースでの結果同様、食品
加工・販売等経済活動は都市部で低く、農漁村部で高い。
活動の目的をみると、過半数の団体が地域還元を掲げている。食に関わる活動の、地域への影響が大
きいと考えられる。また興味深い点として、食の質の向上や仲間との連帯という目的が、経済的な目的
よりも上位にある。食の活動団体という資源は、公共財ではないが、公共財的な役割を果たす、ある種
のクラブ財ということができるのではないか。
地域への影響という面では、都市と農村での相違が明らかになった。都市部では目には見えない食に
対する認識を地域への影響と考え、地方部は実質である経済的な効果を見込んでいる。そして、目的と
地域への影響とはリンクしており、地域への影響があることを、言い換えるならば地域における課題の
存在を知っており、食を使って課題を解決するための目的を掲げているのである。
しかし高齢化と資金不足という団体の抱える問題がある。高齢化は地方の高齢化が影響していること、
若い人の参加を排除することがあると思われる。これはクラブ財の公共財化や地域への還元を阻害する
可能性がある。
61
2.提言
地域に対して食に関わる団体のあり方に関する以上の研究から、次のような提言を行う。
①食に関わる団体の価値を高める
食に関わる団体は地域に対し大きな影響を与える。過半数が目的に地域還元を掲げ、実際に影響を与
えていると自らも判断している。それゆえに、食に関わる団体を地域における新しい資源として捉える
必要がある。地域資源を磨くことは個々の団体に課されているだけでなく、地域住民や自治体もそれを
考慮すべきである。具体的には、団体のアンケートで課題とされた資金不足への対応などが考えられる。
助成だけではなく、融資保証などにより安定して経営ができるような組織への転換を図る。
②食に関わる団体の持つ資源はクラブ財と考え、多層的なクラブ財による公共財化を図る
クラブ財は一種の社会財である。それは会員制の導入など排除性があるために、公共財とは言い切れ
ない。しかしこうしたクラブ財をお互いに重ね合わせる多層性により公共財に近いものになるのではな
いか。そのためには食に関わる団体のネットワークを築き、互いの情報交流などを進める必要がある。
アンケートでは、自治体との交流よりも団体間の交流の方が少ないという結果を得ている。これを解消
するためにも、ネットワークを築くノード(結束点)となる中間支援型の団体の育成などが課題となる。
③団体間でのオープンな競争の導入を考える
食に関わる団体がクラブ財的であることは、閉じた存在になりやすいことでもある。それが高齢化の
一因でもある。硬直化を避けるためにはオープンな関わりを持つことが必要である。そのために団体の
意識改革も求められる。ただし、競争を市場での競争に限るのではなく、市場以外の評価(住民の評価
や、あるいは寝たきり率や死亡率の低下など健康指標の導入)を取り入れる必要がある。オープンな競
争の環境を整えるために、情報公開の積極化、定款の整備など制度面での問題を少なくする。
④地域づくりの専門家の育成など人づくりにも力を入れる
新規食の開発による地域の売り出しは目に見えるために多くの地域で実施され、地域活性化に寄与す
ると思われる。しかし、活動を継続するためには人材の育成が必要である。食に関しては、健康や栄養
指導のための人づくりだけではなく、地域マーケティングなどにも詳しい、食と地域を結ぶ専門家の育
成が望まれる。
⑤食の安全など住民意識の高まりが活動を活性化する
食の団体が増加している背景には食への国民の意識の高まりがある。多様な団体が地域にあることが、
食の安全を確保し、食を充実させるという意識を住民が持つことを必要とする。グローバル化した資本
の論理とは別に地域での住民の論理も併せて持つのである。輸入野菜を全て排除せよとか、ファストフ
ードを無くせなどというのではない。グローバルな巨大資本と住民とでは情報に非対称性がある。そこ
が不安を呼ぶのであり、食の安全と充実のためには非対称性を埋める食の団体が育つことが重要である。
こうした団体が集まることで、グローバルな流通と並行するように、地産地消の確立も図ることができ
るのである。
62
住民主体の地産食材、地域独自食の売出し効果
平成 17(2005)年 3 月発行
編集・発行:財団法人21世紀ヒューマンケア研究機構 地域政策研究所
〒651-0073
神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5-2
ひと未来館6階
TEL.078-262-5577
印刷:株式会社千葉出版
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