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自動車リコール制度に関する実態調査報告
資料１−２ 自動車リコール制度に関する実態調査報告 ― ユーザー目線によるリコール制度の運用を目指して 平 成 22 年 8 月 27 日 消費者委員会 ― まえがき 自動車は、消費者にとって身近で不可欠な移動手段であり、現在日本国内 に お け る 自 動 車 保 有 台 数 は 、 78,801,809 台 （ 平 成 22 年 ５ 月 末 現 在 、 国 土 交 通 省 ： 自 動 車 保 有 車 両 数 統 計 に よ る 。） と 広 く 普 及 し て い る が 、 そ の 特 性 か ら設計や製作上の欠陥により事故又は不具合が発生した場合、消費者の安 全・安心に与える影響は大きい。 道 路 運 送 車 両 法 （ 昭 和 26 年 ６ 月 １ 日 法 律 第 185 号 ） で は 、 自 動 車 製 作 者 等（自動車製作者及び輸入事業者。以下、これらを総称して「メーカー等」 と い う 。） が 、 自 動 車 の 構 造 等 が 設 計 ・ 製 作 に 起 因 す る 保 安 基 準 不 適 合 、 又 は そ の お そ れ が あ る 場 合 に 改 善 措 置 を 講 じ る 際 、国 土 交 通 省 に 届 け 出 る こ と と さ れ て お り 、 平 成 18 年 度 以 降 ３ 年 間 の 自 動 車 リ コ ー ル の 届 出 件 数 （ 対 象 台 数 ） は 、 平 成 18 年 度 300 件 （ 約 6,968 千 台 ）、 19 年 度 310 件 （ 約 4,267 千 台 ）、 20 年 度 295 件 （ 約 5,350 千 台 ） と な っ て い る 。 国 土 交 通 省 で は 、 平 成 16 年 に 自 動 車 メ ー カ ー に よ る リ コ ー ル 隠 し 等 の 不 正 行 為 が 問 題 と な っ て か ら 、メ ー カ ー や デ ィ ー ラ ー に 対 す る ユ ー ザ ー の 不 信 感 は 根 強 く 残 っ て い る と の 指 摘 も あ り 、 自 動 車 リ コ ー ル に つ い て 、 平 成 19 年 度 及 び 20 年 度 の ２ 年 間 で 検 討 を 重 ね 、 課 題 を 明 確 に し て き た 。 ま た 、 昨 秋 来 自 動 車 リ コ ー ル に 関 す る 報 道 が 数 多 く 取 り 上 げ ら れ た こ と に よ り 、自 動 車 リ コ ー ル 制 度 へ の 消 費 者 の 関 心 も 高 ま っ て い る 。 平 成 22 年 ２ 月 に は 、 国 土 交 通 大 臣 は 、国 内 自 動 車 メ ー カ ー の リ コ ー ル 問 題 に 関 連 し て 、国 に お け る 情報収集体制や技術検証の体制強化等、見直しの必要性を示した。 一 方 、 平 成 21 年 ９ 月 に 消 費 者 庁 が 設 立 さ れ 、 消 費 者 事 故 等 の 情 報 は 消 費 者 安 全 法（ 平 成 21 年 ６ 月 ５ 日 法 律 第 50 号 ）に 基 づ き 、行 政 機 関 の 長 等 か ら 内 閣 総 理 大 臣 に 対 し て 通 知 す る こ と と さ れ 、 平 成 22 年 ４ 月 か ら は 「 事 故 情 報データバンク」の運用を開始し、消費者からの情報の収集に努めており、 平 成 22 年 ８ 月 23 日 現 在 、自 動 車 の 事 故・不 具 合 に 係 る 情 報 は 約 700 件 ほ ど 集約されている。 また、上述のリコール検討会の審議結果、課題とされた施策については、 「 検 討 継 続 中 」と さ れ た も の が 多 く 、ま た 、実 施 済 み の 内 容 に つ い て も 効 果 的 な 施 策 と な っ て い な い 状 況 が み ら れ た 。こ の 課 題 の 中 で も 、自 動 車 の 不 具 合に係るユーザーへの情報提供の充実と不具合発生からリコールに至る過 程 の 透 明 性 の 確 保 に つ い て は 、メ ー カ ー 等 が 国 土 交 通 省 に 報 告 し た 事 故・火 災 情 報 に つ い て は 公 表 を 開 始 し た が 、不 具 合 情 報 に つ い て は 現 状 に お い て も 公 表 は な さ れ て お ら ず 、ユ ー ザ ー へ の 不 具 合 発 生 か ら リ コ ー ル に 至 る 過 程 の 透明性は図られていない状況がみられる。 1 これらの状況を踏まえ、消費者委員会は、自動車の使用者である消費者の 消 費 生 活 に お け る 被 害 を 防 止 し 、そ の 安 全 を 確 保 す る 観 点 か ら 、自 動 車 リ コ ー ル に 関 し 、自 動 車 の 事 故 ・ 不 具 合 情 報 の 収 集 ・ 分 析 ・ 公 表 や リ コ ー ル 等 の 改 善 措 置 の 実 施 等 へ の 国 等 の 対 応 が 適 切・迅 速 に な さ れ て い る か 、改 善 の 余 地 が な い か を 、検 討 審 議 す る た め 消 費 者 庁 及 び 消 費 者 委 員 会 設 置 法（ 平 成 21 年 ６ 月 ５ 日 法 律 第 48 号 ） に 基 づ く 調 査 を 実 施 し 、 取 り ま と め た 結 果 を 報 告 する。 2 ＜目次＞ １ . 事 故 ・ 不 具 合 情 報 の 収 集 及 び 公 表 ........................................ 4 （ １ ） 制 度 ・ 仕 組 み ..................................................... 4 （ ２ ） 不 具 合 情 報 の 適 切 な 収 集 ........................................... 6 ア ホ ッ ト ラ イ ン に お け る 収 集 情 報 の 不 足 .............................. 6 イ メ ー カ ー 等 へ の 事 実 確 認 に お け る 収 集 情 報 の 不 足 ................... 7 ウ メ ー カ ー 等 へ の 事 実 確 認 の 適 正 化 ................................. 12 （ ３ ） 事 故 ・ 不 具 合 情 報 の 公 表 .......................................... 14 ア 不 具 合 に 係 る 詳 細 な 情 報 の 非 公 表 ................................. 14 イ メ ー カ ー 等 か ら の 事 実 確 認 結 果 の 非 公 表 ........................... 15 ウ メ ー カ ー 等 か ら の 事 実 確 認 結 果 の リ コ ー ル 等 措 置 情 報 の 非 公 表 ...... 16 エ 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ の 事 故 ・ 火 災 情 報 の 公 表 時 期 ............ 17 （ ４ ） メ ー カ ー 等 か ら 報 告 さ れ る 不 具 合 情 報 の 収 集 及 び 公 表 ................ 18 （ ５ ） ホ ッ ト ラ イ ン の 認 知 度 ............................................ 20 （ ６ ） 消 費 者 庁 に よ る 事 故 ・ 不 具 合 情 報 の 効 果 的 な 収 集 及 び 公 表 ............ 22 ア 収 集 情 報 の 一 元 化 の 推 進 ......................................... 22 イ 事 故 ・ 不 具 合 情 報 の 消 費 者 へ の 積 極 的 な 公 表 ...................... 24 ウ デ ー タ バ ン ク に お け る 措 置 状 況 の 消 費 者 へ の 積 極 的 な 提 供 .......... 27 ２ . 事 故 ・ 不 具 合 情 報 や リ コ ー ル に 対 す る 分 析 ・ 検 証 ......................... 29 （ １ ） 制 度 ・ 仕 組 み .................................................... 29 （ ２ ） 再 リ コ ー ル の 実 施 ................................................ 30 ア 再 リ コ ー ル の 発 生 要 因 ........................................... 30 イ 再 リ コ ー ル に 対 す る 分 析 ・ 検 証 ................................... 31 ウ 再 リ コ ー ル に 対 す る 立 入 検 査 ・ 行 政 指 導 ........................... 32 ３ . リ コ ー ル 届 出 等 の 実 施 ................................................. 33 （ １ ） 制 度 ・ 仕 組 み .................................................... 33 （ ２ ） リ コ ー ル 届 出 (公 表 )の 迅 速 化 ...................................... 35 （ ３ ） リ コ ー ル 届 出 後 の 実 施 率 の 向 上 .................................... 38 ア リ コ ー ル の 実 施 率 の 全 体 的 な 傾 向 ................................. 38 イ 実 施 率 が 低 い 事 案 ............................................... 39 ウ 実 施 率 が 低 い 事 案 の 要 因 ......................................... 40 （ ４ ） リ コ ー ル と そ の 他 の 市 場 措 置 （ 改 善 対 策 ・ サ ー ビ ス キ ャ ン ペ ー ン ） .... 45 3 わ が 国 の 自 動 車 リ コ ー ル （ 以 下 「 リ コ ー ル 」 と い う 。） 制 度 は 、 昭 和 44 年 に 自 動 車 型 式 指 定 規 則 （ 昭 和 26 日 ９ 月 18 日 運 輸 省 令 第 85 号 ） の 一 部 を 改 正 し 、運 用 が 開 始 さ れ て 以 降 、平 成 ７ 年 に は 、道 路 運 送 車 両 法 に お い て 、自 動 車 メ ー カ ー 等 の 責 任 範 囲 を 明 確 に す る た め 、リ コ ー ル 勧 告 や 罰 則 の 適 用 等 に 関 す る 規 定 を 盛 り 込 む な ど の 法 制 化 が な さ れ た 。そ の 後 、平 成 10 年 に は 、 リ コ ー ル 届 出 義 務 違 反 に 対 す る 罰 則 の 強 化 が な さ れ 、 平 成 15 年 に は 、 リ コ ー ル 命 令 制 度 の 創 設 や 罰 則 の 強 化 、 さ ら に 、 平 成 18 年 に は リ コ ー ル に 係 る 技術検証体制の整備がなされた。 リ コ ー ル 制 度 は 、こ の よ う に 度 重 な る 法 整 備 の 経 過 に 伴 い 強 化 さ れ て き た 。 １. 事故・不具合情報の収集及び公表 （１） 制度・仕組み リ コ ー ル の 端 緒 と な る ユ ー ザ ー か ら の 自 動 車 の 事 故・不 具 合 情 報（ 火 災 情 報 を 含 む 。）の 収 集 に つ い て 、国 土 交 通 省 は 、一 般 社 団 法 人 日 本 自 動 車 工 業 会 や 日 本 自 動 車 輸 入 組 合 等 に 対 し て 、 道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の４第１項の規定に基づく「道路運送車両の構造・装置に起因する事 故 ・ 火 災 情 報 等 の 報 告 に つ い て 」（ 国 自 審 第 1621 号 、 国 自 審 第 1621 号 の ２ 及 び 国 自 審 第 1621 号 の ３ 平 成 21 年 １ 月 23 日 国 土 交 通 省 自 動 車 交 通 局 技 術 安 全 部 審 査 課 長 。 以 下 「 事 故 ・ 不 具 合 情 報 通 達 」 と い う 。） に お い て 、 メ ー カ ー 等 か ら 、 ⅰ ） 事 故 ・ 火 災 情 報 は 、「 道 路 運 送 車 両 の 構 造・装 置 に 起 因 し た 事 故・火 災 の 報 告 要 領 」 （ 注 １ ）、ⅱ ）不 具 合 情 報 は 、 「道路運送車両の不具合情報の定期報告要領」 （ 注 ２ ）に 基 づ き 報 告 を 求 めるとされている。 そ の 他 、 事 故 ・ 不 具 合 情 報 通 達 に お い て は 、「 改 善 措 置 等 を 行 っ た 車 両 に 係 る 不 具 合 情 報 の 報 告 要 領 」に 基 づ き 、リ コ ー ル 届 出 の 改 善 措 置 や 改 善 対 策 を 行 っ た 車 両 に お い て 、当 該 改 善 措 置 等 の 届 出 の「 不 具 合 部 位 」 と同じ部位における保安基準不適合等の状態が発生したものについて、 メーカー等に対してその報告を求めることとされている。 （注１） 「道路運送車両の構造・装置に起因した事故・火災の報告要領」にお いて、報告対象となる事故・火災情報については、以下のⅰ）∼ⅲ）に 該当するものの情報が報告対象とされている。 ⅰ ）運 行 中（ 駐 停 車 中 を 含 む 。以 下 同 じ 。）の 事 故 で あ っ て 、車 両 又 は 後 付自動車用部品・用品の構造・装置に起因した又は起因したおそれが あるもの ⅱ）交通事故以外の事故で、車両又は後付自動車用部品・用品の構造・ 装置に起因して人身に障害をあたえたもの（バックドア落下、座席の 倒れによる負傷、オートスライドドアによる指骨折等） 4 ⅲ）運行中の火災であって、車両又は後付自動車用部品・用品が発火源 である又は発火源であるおそれがあるもの（車両の熱源への可燃物の 付 着 に よ る 火 災 を 含 む 。） このうち、当該事故又は火災による、死者又は重傷者（自動車損害 賠 償 保 障 法 施 行 令（ 昭 和 30 年 政 令 第 286 号 ）第 ５ 条 第 ２ 号 又 は 第 ３ 号 に 掲 げ る 損 害 を 受 け た 者 を い う 。）が 生 じ た も の を「 重 大 な 事 故・火 災 」 とする。 報告時期等については、①「重大な事故・火災」に係る情報は、メ ーカー等の車両に係る重大な事故・火災が発生した事実を把握した日 （ 以 下 「 発 生 し た 日 」 と い う 。） か ら 30 日 以 内 に 国 土 交 通 省 に 報 告 、 ただし、これら重大な事故・火災が車両又は車両に取り付けられた後 付自動車用部品・用品の設計・製作に起因して発生したことが明らか である場合等、被害が拡大する危険性が高いと判断される場合、すみ やかに報告様式に従って国土交通省に報告するとされ、②①の重大な 事故・火災を除く事故・火災情報については、四半期毎（１月から３ 月 ま で 、 ４ 月 か ら ６ 月 ま で 、 ７ 月 か ら ９ 月 ま で 及 び 10 月 か ら 12 月 ま で）に、当該期間にメーカー等が発生したことを知った情報を報告様 式に従って翌月末までに報告するとされている。 （ 注 ２ ）「 道 路 運 送 車 両 の 不 具 合 情 報 の 定 期 報 告 要 領 」に お い て 報 告 時 期 等 は 、 四半期毎（１月から３月まで、４月から６月まで、７月から９月まで及 び 10 月 か ら 12 月 ま で ）に 、当 該 期 間 に 申 し 出 又 は 通 報 の あ っ た 情 報（ 車 両の原動機、操縦装置、制動装置、燃料装置などに係る安全上重要な不 具合の情報等）を、不具合情報報告書の様式に従って国土交通省に翌月 末までに報告することとされている。 国 土 交 通 省 は 、上 述 の 事 故・不 具 合 情 報 通 達 に よ る メ ー カ ー 等 か ら の 事 故・不 具 合 情 報 の 収 集 の 他 、ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 、① 迅 速 な リ コ ー ル の 実 施 、② リ コ ー ル 隠 し 等 の 不 正 行 為 の 防 止 、③ 自 動 車 の 不 具 合 に 対 す る ユ ー ザ ー の 関 心 を 高 め 、適 切 な 使 用 や 保 守 管 理 及 び 不 具 合 発 生 時 の 適 切 な 対 応 が 促 進 さ れ る こ と な ど を 目 的 と し て 、「 自 動 車 不 具 合 情 報 ホ ッ ト ライン」 （ 以 下「 ホ ッ ト ラ イ ン 」と い う 。）を 設 置 し 、ユ ー ザ ー か ら の 自 動車に係る不具合情報を収集している。 な お 、国 土 交 通 省 は 、ユ ー ザ ー か ら ホ ッ ト ラ イ ン に 寄 せ ら れ る 不 具 合 情報から個人情報や誹謗中傷のような内容を除いた情報を国土交通省 のホームページ上で公表している。 ま た 、メ ー カ ー 等 か ら 収 集 さ れ た 事 故・不 具 合 情 報 の う ち 、ⅰ ）事 故 ・ 火 災 情 報 に つ い て は 、平 成 19 年 度 及 び 20 年 度 の ２ か 年 に わ た っ て 実 施 さ れ た リ コ ー ル 検 討 会 で の 議 論 を 踏 ま え 、上 述 の 事 故・不 具 合 情 報 通 達 に お い て も 公 表 す る 旨 が 記 さ れ て お り 、 平 成 21 年 １ 月 以 降 に メ ー カ ー 等 か ら 報 告 を 受 け た 事 故・火 災 情 報 を 21 年 ６ 月 11 日 よ り 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 公 表 し て い る が 、ⅱ ）不 具 合 情 報 に つ い て は 、公 表 す ることとなっていない。 5 （２） 不具合情報の適切な収集 ア ホットラインにおける収集情報の不足 ホ ッ ト ラ イ ン に は 、年 間 約 3,000 件 の 情 報 が 寄 せ ら れ て い る が 、こ の 情 報 の 中 に は 、ユ ー ザ ー が 入 力 画 面 に 直 接 書 き 込 む 情 報 と 、電 話 等 で寄せられる情報がある。また、これらの情報の内容には、①氏名、 ②性別 、 ③住所 、④電話番号、 ⑤車名 、 ⑥通称名 、 ⑦型式 、⑧原動 機型式、⑨車台番号、 ⑩登録番号 、⑪総走行距離、⑫初度登録年月、 ⑬購入年月日、 ⑭不具合発生箇所 、 ⑮不具合発生時期 、 ⑯不具合内 容の要約 、 ⑰不具合状況 等を入力する項目（注）がある。 （ 注 ）下 線 の 項 目 は 、ユ ー ザ ー が 入 力 画 面 に 書 き 込 む 場 合 、入 力 が 必 須 と さ れ ている項目を示す。 ホットライン不具合情報入力画面 ユーザー情報 氏 名： * 性 別： 男 性 ▼ * 住 所： 都道府県 ▼ （都道府県のみ公開） 電 話： （半角） 平日ご連絡が取れる電話番号 （例：123-456-7890） F A X： （半角） （例123-456-7890） E-MAIL： （半角） 注： システムの都合により、"＠"の前に「．」（ピリオド）があるもの、 "＠"の後に「−」（ハイフン）があるものは入力できません。 不具合発生自動車情報 * 車 名： 選択してください ▼ * 通称名： （半角） （例：ｸﾗｳﾝ） * 型 式： （半角） 原動機型式： （半角） 車台番号： （半角） * 登録番号： （例：品川330あ1234） 総走行距離： km （半角数字） 初度登録年月： （半角） （例：2000/09） 購入年月日： （半角） （例：2000/09/01） 改造していますか? 並行輸入車ですか? 改造した装置名 支払いで問題が発生していますか？ 自動車に備え付けられている自動車検査証を確認するなどして記入してください。 自動車不具合内容 * 不具合発生箇所： 選択してください ▼ * 不具合発生時期： * 不具合内容の要約： 例 * 不具合状況： 内容はできるだけ詳しく記入してください。 ▲ ▼ （ 注 ）国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ に 基 づ き 、消 費 者 委 員 会 が 作 成 し た 。 〔ホットライン不具合情報入力する際の留意点〕 ※項目の入力内容などが不足している場合、受付できないことがあります。 ※＊の項目は必ずご入力ください。 ※ 色の項目は、 国土交通省ホームページ で公開される項目です。それ以外は、公開されません。 ※公開にあたって、不具合内容の要約のみでは、不具合の現象が不明瞭であると思われる場合等に、文言を追加・修正することがあります。 ※受付した情報を用いて、メーカー等に問い合わせや調査指示を行うことがあります。等。 6 今 回 調 査 し た 平 成 21 年 ４ 月 か ら ９ 月 ま で の ６ か 月 間 に ホ ッ ト ラ イ ン に 寄 せ ら れ た 情 報 の 中 で 、車 名 、通 称 名 、型 式 、原 動 機 型 式 の い ず れ か が 不 明 な ま ま 表 示 さ れ て い る も の が 、 1,276 件 中 138 件 あ っ た 。 国土交通省のホームページ不具合情報 不具合情報ホットラインでの不明な箇所のあるもの【平成２１年度上半期】 受付日 車名 / 通称名 不具合装置 / 発生時期 性 別 / 住 所 初度登録年月 / 総走行距離 申告内容の要約 申告方法 型 式 / 原動機型式 2009年9月30日 ｽｶﾗﾍﾞｵ400 男性 東京 2008年8月 4,000 Km ﾌﾘｰﾀﾞｲｱﾙ 不明 不明 2009年9月22日 ボルボ 男性 東京 ＨＰ 2004年2月 34,310 Km LA-RB5254 2009年9月9日 ニッサン 男性 兵庫 不明 電話 不明 2009年8月26日 プジョー 男性 東京 2005年3月 電話 不明 2009年7月28日 トヨタ 男性 福岡 不明 ＨＰ 不明 2009年7月11日 ニッサン 男性 滋賀 不明 24時間電話 E51 B5254 ｳｲﾝｸﾞﾛｰﾄﾞ 0 Km 不明 0 Km 8140.43S ｴｽﾃｨﾏ 0 Km 不明 ｴﾙｸﾞﾗﾝﾄﾞ 0 Km 不明 かじ取り ２００８年 ステアリングのベアリングが固着したため、ハンドルがロックした 電気装置 初回：２００９年４月１２日、２回目：２０ ＣＥＭ（メイン制御モジュール）の不良により、走行中にＡＢＳ、トラクションコントロー ル、排気システム、エアバックなどの警告灯が次々に表示された後、全ての電気系統 が使用不能になった 保安灯火 不明 ヘッドライトの交換後、初の夜間走行時に、ヘッドライト配線から出火した 燃料装置 燃料タンクのホース差し込み部からホースが抜け、燃料が漏れた 2009年5月22日 車枠・車体 ２００９年 大雨で、サンルーフから大量に雨漏れした エンジン スロットルバルブの不具合により、エンジンを始動しても、すぐに止まる 2008年9月 （注）国土交通省のホームページに基づき、消費者委員会が作成した。 こ の よ う に 、必 要 な 情 報 が 適 切 に 収 集 で き て い な い た め 、ユ ー ザ ー が 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ を 閲 覧 し た 際 、知 り た い 情 報 を 入 手 で き ていないおそれがある。 イ メーカー等への事実確認における収集情報の不足 国 土 交 通 省 は 、ユ ー ザ ー か ら 寄 せ ら れ る 不 具 合 情 報 や 、メ ー カ ー 等 か ら 報 告 さ れ る 事 故・不 具 合 情 報 を も と に 、メ ー カ ー 等 に 対 し て 、車 両 の 欠 陥 の 疑 い の あ る 事 故 ・ 不 具 合 情 報 に つ い て 事 実 確 認 (メ ー カ ー 等 に よ る 不 具 合 の 原 因 究 明 結 果 や 注 意 喚 起 情 報 等 を 含 む 。 )を 行 っ て い る 。ま た 、国 土 交 通 省 は 、事 実 確 認 す る か 否 か の 事 案 の 選 別 に つ い て 、明 文 化 さ れ た 基 準 は な い も の の 、リ コ ー ル 対 策 室 の 技 術 系 の 職 員 の 知 見 及 び 経 験 に 基 づ き 、リ コ ー ル に 該 当 す る お そ れ が あ る か と い う 観 点 で 、各 種 不 具 合 情 報 が 収 集 さ れ 次 第 リ コ ー ル 対 策 室 に お い て す み や か に 内 容 を 確 認 し 、必 要 と 考 え ら れ る 事 案 に つ い て 事 実 確 認 等 を 実 施するとしている。 7 車両不具合等情報 発行日 xxxx/xx/xx xx:xx:xx 車両不具合等情報 受付日 件名 xxxx年x月x日 （●） xx時xx分∼ ●●● ●●● エンスト 車両欠陥等に係わる照会・情報 エンジン エンジン一般 エンスト 申告区分 情報提供 申告者 住 所 電 話 E-MAIL 管理番号 情報元 ユーザ情報 性別等 xxx-xxxx/xx/xx-xxx 開示の許諾 有 ●● 申告方法 HP 北海道 ＦＡＸ 備考 車 名 ●●● xx-xxxxxxx 型 式 車台番号 登録日 通称名 ＥＧ型式 初度登録年月 ●●● 登録番号 和泉xxx-●-xxxx 総走行距離 関係者１ 住所 関係者２ 住所 スロットルボディの故障により、走行中にエンストした。 最近、エンジンのチェックランプが、点灯しディーラーに見てもらいました。 すると、スロットルボディーの故障と言う事でした。早急に直す事は無いとのことで、 ディーラーを後にしましたが、２、３日後、突如エンストしました。 申 告 措 置 （注１）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が作成した。 （ 注 ２ ）「 車 両 不 具 合 等 情 報 」 と は 、 ユ ー ザ ー が 実 際 に ホ ッ ト ラ イ ン に 寄 せ た 元 デ ータのことをいう。 （ 注 ３ ）「 ス ロ ッ ト ル ボ デ ィ 」 と は 、 ガ ソ リ ン を 燃 焼 す る た め に 吸 入 す る 空 気 の 量 を制御する部分のことをいう。 8 車両不具合情報に関する事実確認依頼 平成xx年xx月xx日 ●●●●●株式会社 ●●● ●●●● 殿 国土交通省自動車交通局技術安全部 審査課リコール対策室 ●●● 車両不具合情報に関する事実確認依頼について 下表の不具合情報について、別紙の連絡書に記入のうえ、電子メールにて報告をお願いします。 また、報告内容によっては別途調査を依頼する場合があることをご承知おき下さい。 受付年月日 （受付番号） xxxx / x/ x- 登録番号等 xxx 和泉xxx●xxxx 車名 ●●● 型式 xx-xxxxxxx 通称名 - 初度登録年 走行距離 使用期間 月 （km） - - - 不具合内容等 最近、エンジンのチェックランプが、点灯し ディーラーに見てもらいました。すると、スロッ トルボディーの故障と言う事でした。早急に直 す事は無いとのことで、ディーラーを後にしま したが、２、３日後、突如エンストしました。 （注１）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が作成した。 （注２） 「 車 両 不 具 合 情 報 に 関 す る 事 実 確 認 依 頼 」と は 、ユ ー ザ ー か ら 寄 せ ら れ る 不 具 合 情 報 や 、メ ー カ ー 等 か ら 報 告 さ れ る 事 故 ・ 不 具 合 情 報 を も と に 、国 土 交 通 省 がメーカー等に対して、事実確認依頼をする際の書式のことをいう。 今 回 、 平 成 21 年 ４ 月 か ら ９ 月 ま で （ 194 件 ） 及 び 平 成 22 年 ４ 月 、 ５ 月 の ２ か 月 間 （ 518 件 ） に 国 土 交 通 省 が メ ー カ ー 等 に 対 し て 不 具 合 情 報 の 事 実 確 認 を 行 っ た 状 況 を 調 査 し た 結 果 、次 の よ う に 、不 具 合 情 報の事実確認が効果的に実施されていない状況がみられた。 「 車 両 不 具 合 情 報 に 関 す る 事 実 確 認 依 頼 に つ い て 」（ 通 知 ） 及 び こ れ ら の 依 頼 に 対 す る メ ー カ ー 等 の 回 答 が 示 さ れ て い る「 車 両 不 具 合 確 認連絡書」を調査したところ、その内容には、自動車の「車台番号」 又は「登録番号」が記載されていないものがあった。 こ れ ら の こ と に つ い て 、 メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） に ヒ ア リ ン グ を 実 施 し た 結 果 、国 土 交 通 省 か ら の 事 実 確 認 依 頼 の 際 に「 車 台 番 号 」が な い 場 合 は 、対 象 車 両 が 特 定 で き な い と し て 、事 実 確 認 は 行 え な い と の こ と で あ っ た 。 ま た 、「 登 録 番 号 」 の み の 情 報 で も 、 販 売 会 社 の 特 定 が 困 難 で あ り 、そ れ 以 上 の 車 両 の 特 定 な ど 事 実 の 追 跡 確 認 は 行 え な い と のことであった。 9 必要な情報が収集されていないため回答ができない事例① 車両不具合確認連絡書 連絡年月日 平成xx年xx月xx日 会社名・担当部署名 ●●●●●●●● ●●●●部 １．確認依頼年月日 平成xx年xx月xx日 ２．不具合内容 平成xx年xx月xx日夜間走行中、異音がし始めた後、車両から白煙が出て発火寸前 になり走行不能になった。原因について、尋ねたらはっきり分からない返事である。 その後、原因究明のための分解もしなくそのままだったので、修理を前提に分解調 査を依頼した。その結果は、トランスミッション内部の金属パッキン（オイルシール）が 見あたらないとのこと。 ３．不具合発生日 ４．車名・通称名 ５．型式 ６．原動機型式 ７．車台番号 ８．製作年月日 ９．登録番号 10．初度登録年月 11．走行距離 12．事故の有無 13．リコール等の有無 平成xx年xx月xx日 ●●●●● xx-xxxxxxx 14．不具合の発生原 因又は推定原因 当該車両に関する車台番号、登録番号情報が無く、該当する案件を確認する事が できませんでした。 Hxx.xx 15．当該不具合の最 終事象 16．同種不具合の発 生状況（過去3年間） 17．同種不具合車両 の生産台数 18．不具合に対する貴 社の見解 （注１）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が作成した。 （ 注 ２ ）「 車 両 不 具 合 確 認 連 絡 書 」 と は 、 国 土 交 通 省 か ら の 不 具 合 情 報 の 事 実 確 認 依頼に対して、メーカー等が回答する際の書式をいう。 10 必要な情報が収集されていないため回答ができない事例② 車両不具合確認連絡書 連絡年月日 平成xx年xx月xx日 会社名・担当部署名 ●●●●●●●㈱ ●●●●部 ●● ●● １．確認依頼年月日 平成xx年xx月xx日 ２．不具合内容 「車両不具合情報に関する事実確認依頼について」記載内容 最近、エンジンのチェックランプが、点灯しディーラーに見てもらいました。すると、スロットル ボディーの故障と言う事でした。早急に直す事は無いとのことで、ディーラーを後にしました が、２、３日後、突如エンストしました。 ３．不具合発生日 ４．車名・通称名 ５．型式 ６．原動機型式 ７．車台番号 ８．製作年月日 ９．登録番号 10．初度登録年月 11．走行距離 12．事故の有無 13．リコール等の有無 不明 ●●● xx-xxxxxxx xxxxx 不明 和泉xxx●xxxx 「車両不具合情報に関する事実確認依頼について」記載の登録番号から、車両を特定す 14．不具合の発生原因 ることができなかった。また、当該登録番号から、大阪府内の弊社ディーラーに確認したと 又は推定原因 ころ、当該車両の当該事象に係わる整備の入庫歴は確認出来なかった。 15．当該不具合の最終 事象 16．同種不具合の発生 状況（過去3年間） 17．同種不具合車両の 生産台数 上記記載の登録番号から車両を特定することができず、また大阪府内の弊社ディーラーに 18．不具合に対する貴 確認したところ、当該車両の当該事象に係わる整備の入庫歴は確認出来なかった為、当 社の見解 該事象の詳細はわからず、発生原因についても確認することが出来ませんでした。 （注）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が作成した。 このようにホットラインでユーザーから寄せられる情報の中には、 適 切 か つ 必 要 な 内 容 が 得 ら れ て い な い こ と か ら 、そ の 内 容 が 事 実 と し て 発 生 し て い る の か 確 認 で き ず 、結 果 と し て ユ ー ザ ー に 対 し て 適 切 な 対応ができていない状況がみられた。 11 ウ メーカー等への事実確認の適正化 国土交通省がメーカー等に対して実施している事実確認において、 不具合情報を受け付けた時点からメーカー等に事実確認依頼をした 時 点 ま で に 数 か 年 の 期 間 を 要 し て い る 事 案 が あ り 、こ の よ う な 事 実 確 認 依 頼 に つ い て は 、メ ー カ ー 等 か ら の 事 実 確 認 が で き て い な い も の が あった。 適切な事実確認がなされていないため十分な回答ができない事例 車両不具合確認連絡書 連絡年月日 平成xx年xx月xx日 会社名・担当部署名 ●●●●●●●● ●●●●部 １．確認依頼年月日 平成xx年xx月xx日 ２．不具合内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、通常の走行が不可能で、ブレーキを踏んで停車すると 原動機が停止し、再始動に時間かかる。････････････････・・・・・・・・・・・・・・・・ ３．不具合発生日 ４．車名・通称名 ５．型式 ６．原動機型式 ７．車台番号 ８．製作年月日 ９．登録番号 10．初度登録年月 11．走行距離 12．事故の有無 13．リコール等の有無 14．不具合の発生原 因又は推定原因 15．当該不具合の最 終事象 16．同種不具合の発 生状況（過去3年間） 17．同種不具合車両 の生産台数 xxxx/xx/xx ●●●●● xxxxxxx xxx xxxxxxxxxxxxxxxxx xxxx/xx/xx ●●xxx●xx-xx xxxx/xx xxx,xxxkm ●● ●● ●● ●● ●● x,xxx 18．不具合に対する貴 ・・・・・・・・・・ また、当顧客の申し出から長期間経過しているため、ディーラー等 社の見解 への事情聴取、交換部品の技術調査なども不可能な状況です。 （注）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が作成した。 12 これらのことについて、メーカー等にヒアリングを実施した結果、 国土交通省が不具合情報を受け付けた時点とメーカー等に事実確認 を 依 頼 し た 時 点 に 数 か 年 の 期 間 を 要 し て い る 事 案 に つ い て は 、事 実 確 認 を 行 う メ ー カ ー 等 に と っ て は 、デ ィ ー ラ ー 等 へ の 事 情 聴 取 及 び 交 換 部品の技術調査なども不可能となり適切に対応できないとのことで あった。 こ の よ う に 、国 土 交 通 省 か ら メ ー カ ー 等 へ 適 切 な 時 期 に 事 実 確 認 が な さ れ て い な い こ と か ら 、メ ー カ ー 等 も 適 切 な 見 解 を 示 す こ と が で き ず 、ユ ー ザ ー へ の 注 意 喚 起 等 を 適 切 に 行 う こ と が で き な い お そ れ が あ る。 13 （３） 事故・不具合情報の公表 今 回 、 平 成 21 年 ４ 月 か ら ９ 月 ま で の ６ か 月 間 に 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 公 表 さ れ て い る 不 具 合 情 報 に つ い て 調 査 し た 結 果 、以 下 の よ う に 、ユ ー ザ ー が 自 動 車 の 不 具 合 に 対 す る 関 心 を 高 め 、発 生 時 の 適 切 な 対応を促すための情報が十分に公表されていない状況がみられた。 ア 不具合に係る詳細な情報の非公表 ホ ッ ト ラ イ ン に ユ ー ザ ー か ら 実 際 に 寄 せ ら れ た 不 具 合 情 報 (生 の 情 報 )の 内 容 に は 、不 具 合 発 生 場 所 (一 般 道 路 、高 速 道 路 、交 差 点 、坂 道 等 )や 走 行 速 度 な ど 不 具 合 の 発 生 時 の 状 況 を ユ ー ザ ー が 確 認 で き る 詳 細な情報が存在している。 し か し な が ら 、ユ ー ザ ー が 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 検 索 で き る 公 表 情 報 に は 、こ の よ う な 不 具 合 の 発 生 時 の 状 況 が 確 認 で き る 情 報 は記載されておらず、発生事象の要約だけとなっている。 国土交通省のホームページ掲載情報とユーザーから実際に寄せられた情報 国土交通省のホームページ掲載情報および実際にユーザーから提供された情報 国土交通省のホーム コンロッドが破断し、クランクシャフトがロック状態になったため、 走行中にエンジンが停止した ページ掲載情報 1 ユーザーからの提供 ・・・・30∼40km/hで走行中、突然エンジンルームから異音がし、エンジンが停止した。惰性で走行し 横道に入り停止、その後エ ンジンは全くかからなかった。・・・・ 情報 国土交通省のホーム 高速道路を一定速度で１時間程度走行すると、その後のサービスエリアなどで停車した際にエ ンス ページ掲載情報 トを起こす 2 ユーザーからの提供 ・・・・走行中のエンジンの不調は全くありません。・・・街中の走行ではエンストしません 。料金所 情報 （ETCレーン）で20キロ位まで速度を落としたとき エンジンが止まることがある・・・・ 国土交通省のホーム 走行中、変速機に不具合が発生し、勝手にシフトダウンが行われ、チェックランプが点灯後、加速で ページ掲載情報 きなくなった 3 ユーザーからの提供 ・・・・ディーラーに持ち込み、ＡＴギアのプログラムリセット、ＣＰＵのリプロ、オートマチックオイル交換 情報 をしてもらいました。・・ ・ ・メンテナンス後、同様のトラブルは見られていません。・・・・ 国土交通省のホーム ＣＶＴ（無段変速機）の不具合により、発進時に異常な振動が発生する ページ掲載情報 4 50,000km程から頻繁にジャダーが発生。信号待ち発進、 坂道発進がスムーズに行えない。坂道を ユーザーからの提供 低速でしか登れない 。走行中の不意なシフトダウンによる振動や速度低下。ディーラーからＣＶＴ 情報 フィールド交換を薦められ交換するが効果なし。・・・・ 国土交通省のホーム 発電機の固定金具が破損した ページ掲載情報 5 ユーザーからの提供 高速道路走行中、異音のため、エンジンルーム点検。オルタネータのステイの破損。 情報 （注）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が作成した。 14 こ の よ う に 、不 具 合 が 発 生 し た 際 の 交 通 状 況 、路 面 状 況 、天 候 や 走 行 速 度 な ど 具 体 的 な 情 報 が 省 か れ る こ と に よ り 、ユ ー ザ ー が 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ で 閲 覧 で き る 情 報 か ら 正 し い 判 断 が で き ず 、不 安 を あおったり、混乱を招くおそれがある。 イ メーカー等からの事実確認結果の非公表 ホ ッ ト ラ イ ン に 寄 せ ら れ る 不 具 合 情 報 に つ い て 、国 土 交 通 省 は 、メ ー カ ー 等 に 当 該 不 具 合 の 内 容 に つ い て 事 実 確 認 を 行 う が 、メ ー カ ー 等 か ら の 回 答 で あ る 車 両 不 具 合 確 認 連 絡 書 に は 、当 該 不 具 合 が 発 生 し た 車両に対する実車の調査分析の結果として、発生原因又は推定要因、 不 具 合 発 生 時 の 回 避 方 法 、 操 作 上 又 は 使 用 上 の 注 意 (取 扱 説 明 書 等 に 記 載 が あ る と い っ た 情 報 を 含 む 。 )が 記 載 さ れ て い る も の の 、 ユ ー ザ ー が 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 検 索 で き る 公 表 情 報 に は 、こ れ ら の情報は記載されていない。 国土交通省のホームページの不具合情報検索結果画面 不具 合装置 / 発生 時期 申告内 容の 要約 燃料 装置 ２００９年７月 燃料タンクにピンホールができていたためガソリンが漏れた メーカー等からの車両不具合確認連絡書（一部抜粋） 不具合の発生原因 又は推定要因 当該不具合の最終 事象 同種不具合の発生 状況（過去3年間） 同種不具合車両の 生産台数 返却された燃料タンクを調査解析した結果・・・・・以上のことから、ガソリン 漏れに至ったと推定する。 劣化ガソリン又は粗悪ガソリンの混入による燃料漏れ x件 xxx,xxx台 不具合に対する貴 劣化ガソリン又は粗悪ガソリンの混入により燃料タンク内側のめっき層が 社の見解 侵食されて錆が 発生し、ガソリン漏れに至ったと推定します。 （注）国土交通省のホームページ及び調査提出資料に基づき、消費者委員 会が作成した。 15 ユーザーが国土交通省のホームページで不具合情報を検索した際、 考 え ら れ る 不 具 合 の 要 因 や 回 避 方 法 、操 作 上 の 注 意 事 項 な ど を 知 る こ とで、より正確な注意喚起となる。 ウ メーカー等からの事実確認結果のリコール等措置情報の非公表 上述の国土交通省の事実確認に対するメーカー等からの回答には、 ⅰ ）当 該 不 具 合 情 報 の 車 両 に 対 し て メ ー カ ー 等 が 既 に リ コ ー ル 等 の 改 善 措 置 を 実 施 し て い た 場 合 、そ の 旨 の 記 載 が あ り 、ま た 、ⅱ ）当 該 車 両 の 不 具 合 が メ ー カ ー 等 の 対 策 に 対 し 、ユ ー ザ ー の 未 対 応 の た め に 発 生 し た と 推 定 さ れ る 場 合 に も そ の 旨 の 記 載 が あ る に も 関 わ ら ず 、ユ ー ザ ー が 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 検 索 で き る 公 表 情 報 に は 、こ れ らの情報は記載されていない。 国土交通省のホームページの不具合情報検索結果画面 不具合 装置 / 発生時 期 申告内 容の 要約 か じ取り ２００９年４月 パワーステアリングが故障したため、突然ハンドルが重くなり操作困難になった か じ取り ２００９年５月 パワーステアリングが故障し、走行中にハンドルが動かせなくなった か じ取り ２００９年５月９日 パワーステアリングの不具合により、走行中にアシストが無くなり、ハンドル操作が出来なく なった メーカー等からの車両不具合確認連絡書（一部抜粋） 不具合の発生原因 調査の結果・・・●●により●●●●するおそれがあることが判明しまし 又は推定要因 た。 当該不具合の最終 パワーステアリング警告灯点灯、ハンドル操作力増大 事象 同種不具合の発生 xxx件 状況（過去3年間） 同種不具合車両の xx,xxx台 生産台数 不具合に対する貴 当事案に対する市場措置が必要と判断し、平成xx年xx月xx日改善対策を 社の見解 国土交通省へ届出、翌xx日より市場措置を開始しました。 （注）国土交通省のホームページ及び調査提出資料に基づき、消費者委員 会が作成した。 16 ユーザーが国土交通省のホームページの不具合情報を検索した際、 ⅰ）当該不具合に対してメーカー等が対策を講じているか否か、ⅱ） 当 該 不 具 合 が メ ー カ ー 等 の 対 策 に 対 し 、ユ ー ザ ー の 未 対 応 に よ る も の な の か 否 か を 知 る こ と に よ っ て 、ユ ー ザ ー が 自 動 車 を 運 転 す る 際 の 不 安を取り払うことや対策への対応の促進につながることが期待され る。 エ 国土交通省のホームページの事故・火災情報の公表時期 国 土 交 通 省 は 、事 故・不 具 合 情 報 通 達 に 基 づ き 、メ ー カ ー 等 か ら 報 告 を 受 け て い る 事 故・火 災 情 報 に つ い て は 、当 該 報 告 月 の 翌 月 末 ま で に受理した後、国土交通省のホームページ上で公表している。 し か し な が ら 、こ れ ら の 情 報 を 国 土 交 通 省 が 受 理 し て か ら 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 に 公 表 さ れ る ま で 、概 ね 30 日 か ら 40 日 ま で の 間 に 処 理 さ れ て い る が 、 時 期 に よ っ て は 82 日 間 を 要 し て い る 。 国土交通省のホームページ上での事故・火災情報の公表状況 350 90 82日 304 293 80 290 289 250 60 件数 243 200 50 42日 150 70 35日 31日 30日 40 日数 300 30 100 20 50 10 0 0 平成21年 1月∼ 3月 4月∼ 6月 7月∼ 9月 公表件数 10月∼12月 平成22年 1月∼ 3月 更新されるまでに要した日数 （注）国土交通省のホームページの指標等に基づき、消費者委員会が作成した。 17 （４） メーカー等から報告される不具合情報の収集及び公表 国 土 交 通 省 は 、適 切 か つ 迅 速 な 改 善 措 置 の 実 施 や 不 正 行 為 の 防 止 を 図 る た め に 、事 故・不 具 合 情 報 通 達 に 基 づ い て 、メ ー カ ー 等 か ら 四 半 期 ご とに自動車に係る不具合情報を収集している。 今 回 、 平 成 21 年 ４ 月 か ら ９ 月 ま で に メ ー カ ー 等 か ら 国 土 交 通 省 へ 報 告 さ れ た 不 具 合 情 報 2,191 件 に つ い て 調 査 し た と こ ろ 、 以 下 の よ う に 、 メ ー カ ー 等 ご と に 記 載 内 容 に バ ラ つ き が あ り 、収 集 情 報 の 質 に 差 が み ら れた。 ① 不具合の概要について発生状況等の詳細情報を記載している会 社・記載していない会社がある ② メーカー等による不具合に係る調査結果を記載している会社・ 記載していない会社がある こ の よ う な 状 況 に お い て 、国 土 交 通 省 は 、不 具 合 の 概 要 に つ い て 詳 細 情 報 の 記 載 が な い も の や 調 査 結 果 の 記 載 が な い も の 等 に つ い て は 、改 め て メ ー カ ー 等 に 対 し て 事 実 確 認 を 行 っ た り 、原 因 究 明 結 果 や 見 解 を 求 め たりしているものもある。 ま た 、こ れ ら の 不 具 合 情 報 は 、ユ ー ザ ー が 実 際 に 直 面 し た 不 具 合 に 係 る 情 報 で あ り 、さ ら に 、メ ー カ ー 等 と し て 原 因 究 明 や 調 査 を 行 っ た も の で あ る に も か か わ ら ず 、ユ ー ザ ー に 対 し て は 公 表 さ れ て い な い 。こ の こ と に つ い て 、 国 土 交 通 省 は 、「 メ ー カ ー 等 か ら 報 告 を 求 め て い る 自 動 車 の不具合情報の大半はリコールに関係するようなものではなく商品性 に か か わ る も の で あ り 、現 時 点 に お い て 、公 表 す る 必 要 性・意 義 が あ る とは考えていない」としている。 こ れ ら の 不 具 合 情 報 を 公 表 す る こ と に つ い て 、メ ー カ ー 等 に ヒ ア リ ン グ を 行 っ た と こ ろ 、メ ー カ ー 等 と し て は 、ⅰ ）ユ ー ザ ー に 対 し て 提 供 す る こ と を 目 的 と し て 記 載 し て い な い こ と か ら 、内 容 が 専 門 的・技 術 的 と な っ て 分 か り に く い も の と な っ て お り 、現 状 の ま ま ユ ー ザ ー に 提 供 し て も 、注 意 喚 起 情 報 に は な り 得 な い と 考 え る 、ⅱ ）ユ ー ザ ー が 注 意 す べ き こ と や 不 具 合 発 生 時 に 取 る べ き 行 動 、回 避 方 法 、そ し て 日 常 か ら ユ ー ザ ーが行うべき点検整備の必要性等を注意喚起として発信することこそ が 重 要 と 考 え る 、と の こ と で あ っ た 。こ れ ら の 意 見 の 他 、公 表 す る に あ た っ て は 、ユ ー ザ ー に 対 し て 公 表 の 目 的 を 明 確 に し て 公 表 す る こ と を 求 める声や事業者負担の増大に対する懸念も挙げられた。 な お 、国 土 交 通 省 は 、平 成 22 年 ４ 月 に 、21 年 中 に メ ー カ ー 等 か ら 報 告 の あ っ た 事 故・火 災 情 報 に つ い て 、統 計 的 な と り ま と め を 行 い 、調 査 結 果 を 報 道 発 表 等 に よ り 公 表 し 、こ れ ら の 公 表 情 報 に つ い て 、関 係 団 体 18 に対してユーザーへの注意喚起に関する協力依頼を行っている。 他 方 、一 般 製 品 の 分 野 に お い て は 、独 立 行 政 法 人 製 品 評 価 技 術 基 盤 機 構（ 以 下「 NITE」と い う 。）が 経 済 産 業 省 の 製 品 安 全 行 政 の 一 環 と し て 、 昭 和 49 年 か ら 暮 ら し の 中 で 使 用 さ れ る 製 品 に よ っ て 生 じ た 事 故 の 情 報 を収集、調査、分析、公表を行っている。 平 成 18 年 に 明 ら か と な っ た 瞬 間 湯 沸 か し 器 の 不 具 合 に よ る 一 酸 化 炭 素 中 毒 死 の 事 故 等 を 踏 ま え 、 19 年 に 消 費 生 活 用 製 品 安 全 法 が 一 部 改 正 さ れ 、重 大 製 品 事 故 の 発 生 を 知 っ た 製 造・輸 入 事 業 者 は 、国（ 当 時 は 経 済 産 業 省 、 平 成 21 年 ９ 月 か ら は 消 費 者 庁 ） に 対 し て 、 事 故 の 情 報 を 報 告することが義務付けられた。 NITE で は 、現 在 、こ れ ら 重 大 製 品 事 故 以 外 の 製 品 事 故（ 非 重 大 製 品 事 故 ）情 報 に つ い て 収 集 し 、ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 公 表 し て お り 、こ の 中 に は 事 故 原 因 を 究 明 中 の も の に つ い て は「 調 査 中 」と し 、ま た 、消 費 者 の 誤使用により発生した事故等についても注意喚起情報として公表して いる。 （※別紙２「製品事故に関する事故情報収集・公表制度」参照） こ れ ら の 状 況 を 踏 ま え 、先 ず は 、国 土 交 通 省 と し て メ ー カ ー 等 か ら 収 集 す る 不 具 合 情 報 に お い て 、適 切 な 検 証 に 資 す る だ け の 一 定 の 質 を 確 保 で き る よ う 報 告 要 領 等 に お け る 記 載 内 容 や 方 法 を 的 確 に 示 し 、ま た 、収 集 さ れ た 情 報 に つ い て は 、不 具 合 発 生 の 未 然 防 止 や 発 生 時 の 適 切 な 対 応 を 促 進 で き る よ う 、国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ を 活 用 し た 不 具 合 情 報 の 公 表 や 分 析 結 果 の 報 道 発 表 等 で の 発 信 な ど 、ユ ー ザ ー に 対 し て 注 意 喚 起 を効果的に実施していくことが必要と考えられる。 19 （５） ホットラインの認知度 国 土 交 通 省 は 、 平 成 20 年 度 、 自 動 車 リ コ ー ル 検 討 会 に お い て 、 国 土 交通行政に関心のあるモニターを活用し、 「ユーザーアンケート」 （イン タ ー ネ ッ ト ア ン ケ ー ト：有 効 回 答 者 数 973 人 ）を 実 施 し た 。そ の 結 果 に お い て 、「 自 動 車 不 具 合 情 報 ホ ッ ト ラ イ ン 」 に つ い て は 、「 知 っ て い る 」 が 11.1％ で 、「 知 ら な い 」 が 87.7％ で あ り 、 認 知 度 は 低 く 、「 よ り 一 層 ユーザーへの周知をする必要がある」とされていた。 自動車不具合情報ホットラインについて 1.2% 11.1% 知っている 知らない 無回答 87.7% （ 注 ） 国 土 交 通 省 の 平 成 20 年 度 リ コ ー ル 検 討 会 の 資 料 による。 今 回 、ホ ッ ト ラ イ ン の 認 知 度 な ど に つ い て 、国 土 交 通 省 の モ ニ タ ー で は な く 、広 く 一 般 の ユ ー ザ ー に 対 し 、ア ン ケ ー ト 調 査（ イ ン タ ー ネ ッ ト ア ン ケ ー ト：有 効 回 答 者 数 2.594 名 ）を 実 施 し た 結 果 、ホ ッ ト ラ イ ン に ついて、 ⅰ ）「 知 っ て い て 、 利 用 し た こ と も あ る 」 と 回 答 し た の は 全 体 の ２ ％ 、 ⅱ ）「 知 っ て い る が 、 利 用 し た こ と は な い 」 は 14.6％ 、 ⅲ ）「 存 在 自 体 、 知 ら な い 」 は 83.3％ で 、「 無 回 答 」 は ０ ％ と な っ て お り 、依 然 認 知 度 が 低 い 状 況 で あ る と と も に 、利 用 し た こ と が ある人はほとんどいないという状況が分かった。 20 （ ※ 別 紙 13「 自 動 車 リ コ ー ル 制 度 に 関 す る ユ ー ザ ー ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 報 告 書 」 参照） 自動車不具合情報ホットラインについて 2.0% 14.6% n=2594 83.4% 知っていて、利用したこともある 知っているが、利用したことはない 存在自体、知らない 無回答 （注）消費者委員会の調査による。 こ の よ う に 、リ コ ー ル 検 討 会 以 降 も 、未 だ に ホ ッ ト ラ イ ン の 認 知 度 は 低く、ホットライン自体、有効な情報収集の窓口となっていない。 21 （６） 消費者庁による事故・不具合情報の効果的な収集及び公表 ア 収集情報の一元化の推進 消 費 者 庁 の 消 費 者 事 故 情 報 等 の 収 集 機 能 と し て 、 平 成 22 年 ４ 月 か ら 運 用 が 開 始 さ れ た「 事 故 情 報 デ ー タ バ ン ク 」(以 下「 デ ー タ バ ン ク 」 と い う 。)に は 、消 費 者（ ユ ー ザ ー を 含 む 。以 下 同 じ 。）か ら 行 政 機 関 等 が 受 け 付 け た 生 命・身 体 に 係 る 消 費 生 活 上 の 事 故 情 報・危 害 情 報 が 集 約 さ れ て い る が 、こ の 中 に は 、自 動 車 に 係 る 事 故・不 具 合 情 報 も 寄 せられている。 デ ー タ バ ン ク に は 、消 費 者 安 全 法 に 基 づ き 、行 政 機 関 の 長 、都 道 府 県 知 事 や 市 町 村 長 等 か ら 通 知 さ れ て く る 重 大 事 故 等 の 他 、デ ー タ バ ン ク を 構 築 す る 際 に 、事 故 情 報 の デ ー タ ベ ー ス を 保 有 し 、か つ 、識 別 子 等 を 有 し 、オ ン ラ イ ン で デ ー タ を 統 合 す る こ と が 機 械 的 に 処 理 す る こ と が で き る 機 関 に 対 し 、参 画 の 協 力 を 求 め 、賛 同 を 得 ら れ た ９ 機 関（ 注 １ ） の 事 故・不 具 合 情 報 が 集 約 さ れ て い る 。し か し 、国 土 交 通 省 自 動 車 交 通 局 技 術 安 全 部 審 査 課 リ コ ー ル 対 策 室 は 、デ ー タ バ ン ク へ の 参 画 機 関 と な っ て い な い こ と か ら 、国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 の 不 具 合 情報はデータバンクに掲載されていない。 こ れ ら の 状 況 に つ い て 、消 費 者 庁 は 、デ ー タ バ ン ク の 運 用 を 開 始 す る に 当 た っ て 、国 土 交 通 省 と の 間 で デ ー タ バ ン ク の 運 用 を 検 討 し た 結 果 、ホ ッ ト ラ イ ン に ユ ー ザ ー か ら 寄 せ ら れ る 不 具 合 情 報 は 、そ の 内 容 が事実として発生しているのかについての事実確認ができていない 情 報 で あ る た め 、デ ー タ バ ン ク に 掲 載 す る 情 報 と し て 適 当 で は な い か ら と し 、現 状 に お い て も 、国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 の 不 具 合 情 報 はデータバンクで共有されていないとしている。 し か し な が ら 、今 回 調 査 し た 結 果 、国 土 交 通 省 は 、ホ ッ ト ラ イ ン に 寄 せ ら れ た 情 報 に つ い て 、 上 述 の １ .（ １ ） イ 「 メ ー カ ー 等 へ の 事 実 確 認 に お け る 収 集 情 報 の 不 足 」の と お り 、メ ー カ ー 等 に 対 し て「 車 両 不 具 合 情 報 に 関 す る 事 実 確 認 依 頼 に つ い て 」(通 知 )に よ り 事 実 確 認 を 行って不具合発生の事実を確認しているものがあることが分かった。 さ ら に 、国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ で 公 表 さ れ て い る 事 故・火 災 情 報 は 、メ ー カ ー 等 か ら 報 告 さ れ た 事 故・火 災 情 報 で あ り 、発 生 原 因 等 の事実確認結果も付記されている。 加 え て 、 消 費 者 安 全 法 第 12 条 の 規 定 に 基 づ き 、 行 政 機 関 の 長 、 都 道 府 県 知 事 及 び 市 町 村 長 等 か ら 消 費 者 庁 に 通 知 さ れ る 情 報 は 、消 費 者 安 全 法 施 行 令 （ 平 成 21 年 ８ 月 14 日 政 令 第 220 号 ） 第 ２ 条 に お い て 、 22 「商品等の使用等において、物品、施設又は工作物に、破損、故障、 汚 染 若 し く は 変 質 そ の 他 の 劣 化 又 は 過 熱 、異 常 音 そ の 他 の 異 常 が 生 じ て い た こ と 。」 と さ れ て お り 、 行 政 機 関 の 長 等 が 当 該 消 費 者 事 故 等 に ついてメーカー等に事実確認を行い発生した不具合が明らかとなっ た も の に つ い て は 、消 費 者 事 故 等 と し て 通 知 す る 情 報 の 範 囲 と さ れ て いる。 一 方 、 国 土 交 通 省 は 、 デ ー タ バ ン ク へ の 参 画 に つ い て は 、「 設 置 時 の 消 費 者 庁 と の 調 整 に お い て 、国 土 交 通 省 か ら 消 費 者 庁 に 対 し 、参 画 す る こ と は や ぶ さ か で は な い 旨 を 伝 え た 。し か し 、あ わ せ て 国 土 交 通 省 よ り 、デ ー タ バ ン ク の 主 旨 が 当 室 の 業 務 目 的 と は 異 な る も の で あ り 、 国土交通省が収集している情報をデータバンクの情報収集フォーマ ットにあわせて加工して逐一提供するのは職員のリソース等の問題 か ら 困 難 で あ る た め 、当 省 の ホ ー ム ペ ー ジ に 公 開 さ れ て い る 情 報 を 適 宜 収 集 し て 欲 し い と 伝 え た と こ ろ 、消 費 者 庁 の 判 断 と し て 、現 状 に 至 っ て い る も の 。」 と し て い る 。 ま た 、今 回 デ ー タ バ ン ク の 情 報 と ホ ッ ト ラ イ ン の 情 報 を 調 査 し た 結 果 、国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ で 公 表 さ れ て い る 事 故・火 災 情 報 を デ ータバンクの登録情報（注２）として共有することが可能となれば、 消 費 者 に と っ て 、自 動 車 に 係 る 事 故・火 災 の 原 因 や 措 置 状 況 な ど の 有 益 な 情 報 を 、消 費 者 庁 に 対 し て 効 果 的 に 提 供（ 公 表 ）で き る こ と が 分 かった。 （ ※ 別 紙 ４「 デ ー タ バ ン ク 掲 載 情 報 の 実 例 と 国 土 交 通 省 の ホ ー ム ペ ー ジ か ら デ ータバンクへ転載したイメージ」参照） （ 注 １ ） ９ 機 関 と は 、 ① 消 費 者 庁 （ 消 費 者 安 全 法 に よ る 通 知 情 報 ）、 ② 法 務 省 （ 日 本 司 法 支 援 セ ン タ ー に 寄 せ ら れ た 相 談 情 報 提 供 シ ス テ ム ）、③ 厚 生 労 働 省（ 食 中 毒 発 生 情 報 処 理 シ ス テ ム ）、④ 農 林 水 産 省（ 食 品 危 害 情 報 デ ー タ ベ ー ス ）、⑤ 消 費 者 庁 ・ 経 済 産 業 省 ・ 農 林 水 産 省（ 製 品 安 全 デ ー タ ベ ー ス ）、⑥ 国 土 交 通 省（ 都 市 公 園 に お い て 発 生 し た 重 大 事 故 情 報 ）、 ⑦国土交通省国土技術政策総合研究所（建築物事故情報ホットライン） ⑧ 独 立 行 政 法 人 国 民 生 活 セ ン タ ー 、各 消 費 生 活 セ ン タ ー（ 全 国 消 費 生 活 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク ・ シ ス テ ム PIO-NET） ⑨ 独 立 行 政 法 人 製 品 評 価 技 術 基盤機構（製品安全事故調査システム）である。 （ 注 ２ ）デ ー タ バ ン ク に お け る 事 故・火 災 に 係 る 登 録 情 報 の 項 目 は 、① 発 生 年 月 日 、② 発 生 場 所 、③ 商 品 な ど 分 類 、④ 商 品 な ど 名 称 、⑤ 型 式・ロ ッ ト 、 ⑥ 事 故 内 容 、⑦ 事 故 内 容 の 詳 細 、⑧ 傷 病 内 容 、⑨ 傷 病 の 程 度 、⑩ 被 害 者 23 人数、⑪被害者年代、性別、⑫事業者、⑬原因調査状況、⑭事故原因、 ⑮ 措 置 状 況 、⑯ 情 報 提 供 元 、⑰ 登 録 年 月 日 、⑱ 受 付 年 月 日 と さ れ て い る 。 国土交通省のホームページ掲載情報のデータバンクへの転載イメージ 種別 発生年月日 発生場所 商品など分類 商品など名称 型式・ロット 事故内容 事故内容の詳細 事故情報 xxxx/xx/xx 都道府県： 車両・乗り物−自動車 軽乗用自動車 ●●●● ●●● 火災事故 走行中エンジンルーム右前から白煙が出てきたので停車 したところ、出火した。通行人が消防に通報、消防が消火し た。 傷病内容 傷病の程度 被害者人数 被害者年代、性別 事業者 原因調査状況 事故原因 措置状況 事業者名： ●●●●株式会社 事業区分： 製造事業者 確定 ＣＶＴオイルクーラーホースが抜けて飛散したＣＶＴオイル が エンジン高温部にかかり、発火したものである。ホース 抜けの原因は当該車にリコール作業で外したホースを再組 付けする際にホースクリップを正しく装着しなかったためと 製品回収 詳細：製造事業者による製品回収 xxxx年xx月xx日、リコール届出（国-xxxx）にて対象車の回 収・改善措置を実施しています。 詳細な情報については、国土交通省「リコール・改善対策 の「届出」を参考してください。 http://www.milt.go.jp/jidosha/recall/recall10/recall_.html 情報提供元 登録年月日 受付年月日 関係機関 国土交通省ホームページ xxxx年xx月xx日 xxxx年xx月xx日 （ 注 ）国 土 交 通 省 が メ ー カ ー 等 か ら 報 告 を 受 け 、ホ ー ム ペ ー ジ で 公 表 している事故・火災情報に記載されている内容に基づき、消費者 委員会がデータバンクの公表フォーマットに反映した。 イ 事故・不具合情報の消費者への積極的な公表 デ ー タ バ ン ク に 掲 載 さ れ て い る 事 故・不 具 合 情 報 は 、一 つ の 情 報 に ついての記載事項が「一般消費者向けサイト」と「行政向けサイト」 24 に 分 け ら れ て お り 、「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」 は 、 事 故 の 内 容 と し て 事 故 の 見 出 し 程 度 を 記 載 し た も の で あ り 、一 方「 行 政 向 け サ イ ト 」は 、 「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」の 記 載 内 容 に 加 え 、不 具 合 が 発 生 し た 経 緯 や原因などを記載したものとなっている。 な お 、 デ ー タ バ ン ク を 所 管 し て い る 消 費 者 庁 は 、「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」 に 掲 載 す る 情 報 の 内 容 に つ い て は 、「 行 政 向 け サ イ ト 」 の 情 報から個人情報を除いた情報であるとしている。 ま た 、 PIO-NET（ 全 国 の 消 費 生 活 セ ン タ ー に 寄 せ ら れ た 相 談 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク ）や 日 本 司 法 支 援 セ ン タ ー が 運 用 し て い る 法 テ ラ ス 等 を 通 じ た 一 般 消 費 者 か ら の 申 し 出 情 報 等 に つ い て は 、事 実 確 認 を 経 て い ない情報も含まれることから、 「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」に お い て は 、 事業者や商品が特定できる情報は掲載していないとしている。 し か し な が ら 、「 行 政 向 け サ イ ト 」 の 情 報 の 中 に は 、 個 人 情 報 が 含 ま れ て い な い 、自 動 車 の 不 具 合 に 係 る よ り 具 体 的 な 事 故 発 生 の 原 因 や 状 況 等 、消 費 者 に と っ て 有 益 な 情 報 が 記 載 さ れ て い る 状 況 が 見 受 け ら れる。 デ ー タ バ ン ク の「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」 ・ 「 行 政 向 け サ イ ト 」記 載 内 容 の 比 較 【一般消費者向けサイト】 種別 危険情報 発生年月日 【行政向けサイト】 種別 危険情報 発生日時 発生場所 施設用途：道路 発生場所 施設用途：道路 商品など分類 車両・乗り物−自動車 商品など分類 車両・乗り物−自動車 商品など名称 自動車の不具合 商品など名称 自動車の不具合 事故内容 機能故障 型式・ロット・生産国 ●●●● ７年前に購入した新車。３年前に不具合で、点検する 事故内容 機能故障 も異常なしと回答。 ７年前に購入した新車。３年前に不具合で、点検するも異常なしと回答。 年明けに同様症状が再発したが店は不具合認めず 年明けに同様症状が再発したが店は不具合認めず不納得。 事故内容の詳細 ３年前もアクセルの減速がきかず、急ブレーキで止まるしかなかった。 不納得。 事故内容詳細 メーカーに点検して貰ったが異常なし。その後、１ヶ月前に同様症状が 被害者年代、性別 国民生活センター おきた。再度、販売店に点検依頼したが前回と同様回答。 全国消費生活情報ネットワーク・システム（PIO−NET） 他車リコールと同じ状態なのに対応しないメーカー販売店に不満。 情報提供元 登録年月日 2010年3月24日 傷病内容 受付年月日 2010年2月 傷病の程度 措置状況 情報提供元 受付年月日 国民生活センター 全国消費生活情報ネットワーク・システム（PIO-NET) 2010年2月4日 （注）事故情報データバンクに基づき、消費者委員会が作成した。 25 ま た 、デ ー タ バ ン ク に 掲 載 さ れ て い る す べ て の 自 動 車 の 事 故・不 具 合 情 報 に つ い て 調 査 し た 結 果 、「 行 政 向 け サ イ ト 」 の デ ー タ バ ン ク に 掲 載 さ れ て い る 自 動 車 の 事 故・不 具 合 情 報 が 1,133 件 あ る に も 関 わ ら ず 、「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」 の デ ー タ バ ン ク に 掲 載 さ れ て い る 情 報 は 、 704 件 し か 公 表 さ れ て お ら ず 、 残 り 429 件 の 情 報 に お い て は 、 消 費 者 が 情 報 を 知 る こ と が で き な い 。（ 平 成 22 年 ８ 月 23 日 現 在 ） データバンクにおける「一般消費者向けサイト」と「行政向けサイト」の自動車の事故・不具合情報の公表件数 行政向けデータバンク 情報機関 1,133 件数 情報機関 件数 一般消費者向けデータバンク 一般消費者向けには公表されていない情報 704 429 （ 注 ）事 故 情 報 デ ー タ バ ン ク に 基 づ き 、消 費 者 委 員 会 が 作 成 し た 。 （ 平 成 22 年 ８ 月 23 日 現 在 ） 消費者庁は、この現状について、以下のように回答している。 PIO-NET に 登 録 さ れ た す べ て の 情 報 は 、 国 民 生 活 セ ン タ ー に 一 括 して集約され、その後データバンクに転載されるようになっている。 こ れ ら の 情 報 に つ い て は 、デ ー タ バ ン ク に 掲 載 さ れ て い る 1,133 件 の 事 故 ・ 不 具 合 情 報 の う ち 、「 一 般 消 費 者 向 け サ イ ト 」 に 掲 載 （ 公 表 ） さ れ て い る 704 件 の 情 報 は 、現 在 、全 国 に あ る 消 費 生 活 セ ン タ ー の う ち 66 か 所（ 国 民 生 活 セ ン タ ー 、各 都 道 府 県 及 び 18 政 令 指 定 都 市 ）の メ イ ン セ ン タ ー の PIO-NET 登 録 情 報 で あ る 。一 方 、デ ー タ バ ン ク に は 公 表 さ れ て い な い 残 り 429 件 の 情 報 は 、全 国 約 800 か 所 の 市 区 町 村 に あ る セ ン タ ー 等（ メ イ ン セ ン タ ー 以 外 の セ ン タ ー ）の 情 報 で あ る と している。 消 費 者 庁 は 、メ イ ン セ ン タ ー の 運 用 状 況 を 見 て 、今 後 市 区 町 村 の セ ン タ ー 等 の 情 報 の 公 表 も 検 討 し た い と し て い る も の の 、各 市 区 町 村 の セ ン タ ー 等 に 対 し て PIO-NET 登 録 情 報 を デ ー タ バ ン ク へ 掲 載 す る こ と ( 公 表 す る こ と ) に つ い て 理 解 を 得 る に は 、 PIO-NET 登 録 情 報 が 元々消費生活センターの相談員同士の情報共有及び参考情報という 認 識 が 強 く 、事 実 確 認 さ れ て い な い 情 報 を 公 表 す る こ と に つ い て 抵 抗 の あ る セ ン タ ー も あ る こ と か ら 、相 当 な 時 間 を 要 す る と し 、現 在 、こ れ ら の 作 業 は 進 ん で お ら ず 、年 度 内 に お け る 公 表 範 囲 の 拡 充 等 の 具 体 的な計画もないとしている。 （注１） 「危 し か し な が ら 、デ ー タ バ ン ク の シ ス テ ム は 、 「事故情報」 険情報」 （ 注 ２ ） を 広 く 収 集 し 、消 費 者 の 事 故 防 止 に 役 立 て る た め の デ 26 ー タ 収 集・提 供 シ ス テ ム で あ る こ と か ら 、現 在 消 費 者 庁 が 把 握 し て い る事故・不具合情報については、公表することが望ましい。 （注１）けが人などが発生している事案に関する情報をいう。 （注２）けが人が発生していないものの、けが人が発生するおそれがあった 事案等に関する情報をいう。 ウ データバンクにおける措置状況の消費者への積極的な提供 今 回 調 査 し た 結 果 、デ ー タ バ ン ク に は 、相 談 事 案 や 事 故 等 の 情 報 に 係 る「 措 置 状 況 」の 記 載 区 分 が あ る 。し か し 、デ ー タ バ ン ク の 情 報 の う ち 、PIO-NET の 登 録 情 報 に つ い て は 、 「 措 置 状 況 」の 内 容 が 記 載 さ れ て い な い 状 況 が 分 か っ た 。こ れ は 元 々 相 談 事 案 に 対 し て 措 置 が な さ れ て い な い わ け で は な く 、 PIO-NET を 所 管 し て い る 国 民 生 活 セ ン タ ー に は 、各 地 方 消 費 生 活 セ ン タ ー 等 で あ っ せ ん な ど の 措 置 が な さ れ た 情 報 が 集 約 さ れ て い る 。ま た 、い く つ か の 消 費 生 活 セ ン タ ー に 対 し て PIO-NET 登 録 情 報 の 「 措 置 状 況 」 に つ い て 事 実 を 確 認 し た と こ ろ 、 相 談 内 容 に 対 し て メ ー カ ー 等 及 び 自 動 車 販 売 会 社 へ の あ っ せ ん や 、関 係 機 関 へ の 案 内 を 行 っ た な ど の「 措 置 状 況 」を 記 し た 内 容 が 見 受 け ら れた。 27 PIO-NET 登 録 情 報 の あ っ せ ん 等 の 措 置 が 記 載 さ れ て い る 事 例 件名 自動車同士の衝突事故で車が横転したがエアバッグが開かず胸を打つケガをし た。エアバッグの欠陥なので調べて欲しい。 相談概要 ・・・・・・ センターを通して苦情を申し出し、欠陥について報告をしてほしい。車は 保管してある。 ・・・・・・ メーカーに対応させてほしい。 購入契約先 ●●●● 製造者 ●●●● 完結年月日 処理結果 ２.助言（自主交渉） ・・・・・・・ メーカーによると衝突の速度が遅かったり方向によっては開かない 処理結果概要 場合がある。車の取り扱い説明書を確認。リコール情報なし。センターよりメー カーと販社に連絡し、原因究明等の対応を約束し相談者の納得を得た。 （ 注 ） PIO-NET の 登 録 情 報 に 基 づ き 、 消 費 者 委 員 会 が 作 成 し た 。 消 費 者 庁 は 、 平 成 19 年 ３ 月 に 取 り ま と め た 「 苦 情 相 談 情 報 の 効 果 的 活 用 の た め の 検 討 会 議 報 告 書 」の「 国 の 行 政 機 関 が 閲 覧 で き る 苦 情 相 談 情 報 の 範 囲 」 の 検 討 に お い て 、 PIO-NET 登 録 項 目 の う ち 、 処 理 結 果 （ 措 置 状 況 ） に 関 す る 情 報 に つ い て は 、「 相 談 員 の 相 談 処 理 業 務 の 参 考 に 資 す る た め に 、各 地 の 消 費 生 活 セ ン タ ー が 入 力 を 行 っ て い る と い う 位 置 付 け が 強 い こ と な ど 」か ら 、処 理 結 果（ 措 置 状 況 ）に 関 す る情報のみが閲覧可能な情報から除かれたとしている。 （ ※ 別 紙 ３「 苦 情 相 談 情 報 の 効 果 的 活 用 の た め の 検 討 会 議 報 告 書（ 抄 ）」参 照 ） ま た 、そ の 後 も 処 理 結 果（ 措 置 状 況 ）の 閲 覧 に 関 す る 議 論 は な さ れ ておらず、データバンクの公表内容についても、国の行政機関での PIO-NET 登 録 情 報 の 処 理 結 果 （ 措 置 状 況 ） を 閲 覧 不 可 と し て い る こ とを受けて、同様の取扱いとしたとしている。 こ の よ う な 状 況 で は 、デ ー タ バ ン ク に 収 集 さ れ た PIO-NET 登 録 情 報 に つ い て 、消 費 者 が デ ー タ バ ン ク を 閲 覧 し た 際 、事 故・不 具 合 に お け る「 措 置 状 況 」が 記 載 さ れ て い な い と 、同 様 の 事 故・不 具 合 が 生 じ た 場 合 、消 費 者 が ど の よ う な 行 動 を 取 る べ き か 等 を 容 易 に 知 る こ と が で き ず 、そ の 結 果 、消 費 者 に 対 し て 安 全 に 係 る 注 意 喚 起 情 報 等 を 伝 え ることができないおそれがある。 28 ２. 事故・不具合情報やリコールに対する分析・検証 （１） 制度・仕組み 国 土 交 通 省 は 、ホ ッ ト ラ イ ン を 通 じ て ユ ー ザ ー か ら 寄 せ ら れ る 不 具 合 情 報 や メ ー カ ー 等 か ら 報 告 さ れ る 不 具 合 及 び 事 故・火 災 情 報 、そ の 他 警 察 等 関 係 機 関 か ら の 事 故・火 災 情 報 等 を 収 集 し 、収 集 し た 不 具 合 情 報 や 事 故・火 災 情 報 に つ い て メ ー カ ー 等 に 対 し 事 実 確 認 等 を 行 っ て い る 。さ ら に 、そ れ ら の 情 報 に つ い て 事 案 内 容 の 技 術 的 な 困 難 さ 等 を 考 慮 し て 技 術 的 に 検 証 す る 必 要 が あ る 場 合 、又 は 、メ ー カ ー 等 か ら 届 け 出 ら れ た 改 善措置の内容が適切であるか疑義が生じ技術的に検証する必要がある 場 合 は 、道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の ２ 第 ６ 項 又 は 第 63 条 の ３ 第 ５ 項 の 規 定 に 基 づ き 、① 自 動 車 の 構 造 、装 置 若 し く は 性 能 又 は 特 定 後 付 装 置 が 保 安基準に適合していないおそれの原因が設計又は製作の過程にあるか ど う か 、又 は ② 自 動 車 の 構 造 、装 置 若 し く は 性 能 又 は 特 定 後 付 装 置 に つ いて保安基準に適合させるために行う改善措置の内容が適切であるか ど う か に つ い て 、 独 立 行 政 法 人 交 通 安 全 環 境 研 究 所 (以 下 「 交 通 研 」 と い う 。 )の リ コ ー ル 技 術 検 証 部 に 技 術 的 な 検 証 を 依 頼 し て い る 。 な お 、 国土交通省は、交通研に検証を依頼するか否かの事案の選別について、 明 文 化 さ れ た 基 準 は な い も の の 、リ コ ー ル 対 策 室 の 技 術 系 の 職 員 の 知 見 及 び 経 験 に 基 づ き 、必 要 と 考 え ら れ る 事 案 に つ い て 、検 証 を 依 頼 す る と している。 今 回 の 調 査 に お い て 、 平 成 20 年 ４ 月 １ 日 か ら 平 成 22 年 ５ 月 31 日 ま での間に国土交通省から交通研へ検証依頼を行った際の依頼書を確認 し た 結 果 、同 期 間 に お い て 、ホ ッ ト ラ イ ン を 通 じ て ユ ー ザ ー か ら 寄 せ ら れ た 不 具 合 情 報 に つ い て 171 件 、リ コ ー ル 等 の 改 善 措 置 内 容 の 妥 当 性 に つ い て 29 件 、 警 察 か ら 入 手 し た 情 報 に つ い て 144 件 、 そ の 他 （ メ ー カ ー等からの四半期毎の報告、後述のメーカー等への立入検査での情報 等 ） に つ い て 78 件 、 計 422 件 （ 注 ） の 事 案 に つ い て 技 術 的 な 検 証 を 実 施していることが確認できた。 （ 注 ）分 析 ・ 検 証 の 事 案 数 に つ い て は 、同 一 の 事 案 に つ き 複 数 回 の 分 析 ・ 検 証 を 行 っ て い る 場 合 も 、「 １ 件 」 と し て 整 理 し て い る 。 ま た 、 道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の ４ 及 び 第 100 条 に お い て 、 国 土 交 通 大 臣 は 、メ ー カ ー 等 に 対 し て 業 務 に 関 す る 報 告 を さ せ る と と も に 、国 土 交通省の職員に当該メーカー等の事務所その他の事業場に立入検査を させることができるとされている。 29 さ ら に 、同 法 第 64 条 第 １ 項 に お い て 、同 法 第 63 条 の ４ の 規 定 に 基 づ き国土交通省の職員が立入検査を実施する場合には、国土交通大臣は、 前述の技術的な検証のために必要な調査を交通研に行わせることがで きるとされている。 （２） 再リコールの実施 今 回 、平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 の ２ 年 間 の リ コ ー ル 届 出（ 599 件 ）の 実 施 状 況 を 調 査 し た 結 果 、同 一 車 両 に お い て 、同 一 の 又 は 関 連 す る 原 因 （注１）による不具合を理由として届け出られている複数回のリコール が み ら れ た た め 、更 に 検 討 範 囲 を 拡 大 し て 、平 成 17 年 度 か ら 19 年 度 ま で の リ コ ー ル 届 出（ 919 件 ）に つ い て も 確 認 し た 結 果 、合 計 ５ 年 間（ 1518 件 ）に お い て 、ⅰ ）同 一 車 両 に お い て 、同 一 の 又 は 関 連 す る 原 因 に よ る 不 具 合 を 理 由 と し て 届 け 出 ら れ て い る 複 数 回 の リ コ ー ル 、ⅱ ）対 象 車 両 の 範 囲 を 拡 大 し て 、同 一 の 又 は 関 連 す る 原 因 に よ る 不 具 合 に つ い て 届 け 出 ら れ て い る 複 数 回 の リ コ ー ル 等（ 以 下 、こ れ ら を 総 称 し て「 再 リ コ ー ル 」 と す る 。） の 事 案 が 、 140 事 案 （ 注 ２ ） み ら れ た 。 （ ※ 別 紙 ５ 「 再 リ コ ー ル 事 例 一 覧 （ 平 成 17 年 度 か ら 21 年 度 ）」 参 照 ） た だ し 、こ れ ら の 事 案 に は 、ⅰ ）及 び ⅱ ）が 複 合 的 に 発 生 し て い る 事 案もある。 （ 注 １ ）「 同 一 の 原 因 」と は 、過 去 に 届 け 出 た リ コ ー ル の 原 因 と 同 一 で あ る と 認 め ら れ る も の を い い 、「 関 連 す る 原 因 」と は 、過 去 に 届 け 出 た リ コ ー ル の 原因と同一ではないが、関連する部位や関連する作業等が原因とされて いるものをいう。なお、これらは、リコール届出一覧表の「基準不適合 状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因」欄に記載 されている内容による。 （注２）上述の再リコールの事案については、例えば、同一車両において、同 一 の 又 は 関 連 す る 原 因 に よ る 不 具 合 を 理 由 と し 、 平 成 15 年 度 、 19 年 度 、 20 年 度 の ３ 回 に わ た っ て リ コ ー ル が 届 け 出 ら れ て い る 場 合 は 、 こ の ３ つ のリコールを「１事案」として整理した。 ア 再リコールの発生要因 ① 同一車両において、同一の又は関連する原因による不具合を理 由として届け出られている複数回のリコールの事案の発生要因 再リコール事案のうち、同一車両において、同一の又は関連す 30 その発生要因について、リコールの届出に関連してメーカー等 か ら 国 土 交 通 省 に 提 出 さ れ た 参 考 資 料（ 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 ）、 及 び メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） へ の ヒ ア リ ン グ を 通 じ て 確 認 し た 結 果 、 「検証技術の進歩や新たな情報の入手等により、真の原因が後に な っ て 判 明 し た こ と 」「 リ コ ー ル 作 業 の 実 施 に 伴 い 、新 た な 不 具 合 が発生することが判明したこと」 「当初の技術検証の条件設定が不 十分だったこと」 「本国メーカーからの改善措置の作業指示内容に 不 備 が あ っ た こ と（ 輸 入 事 業 者 ）」等 の 要 因 に よ る も の で あ る こ と が判明した。 ② 対象車両の範囲を拡大して、同一の又は関連する原因による不 具合について届け出られている複数回のリコールの事案の発生要 因 再 リ コ ー ル 事 案 の う ち 、対 象 車 両 の 範 囲 を 拡 大 し て 、同 一 の 又 は関連する原因による不具合について届け出られている複数回の リコールの事案については、２度目以降のリコール届出一覧表に おいて、再度届出を行う理由として「対象車両の選定漏れがあっ た」等とされている。 その発生要因について、リコールの届出に関連してメーカー等 か ら 国 土 交 通 省 に 提 出 さ れ た 参 考 資 料（ 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 ）、 及 び メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） へ の ヒ ア リ ン グ を 通 じ て 確 認 し た 結 果 、 「市場措置対象車両の抽出手順が不適切だったこと」 「部品メーカ ー に お い て 、製 造 工 程 に 係 る 情 報 の 把 握 に 誤 り が あ っ た こ と 」 「車 両データの管理システムの運用にミスがあったこと」等の要因に よるものであることが判明した。 （※別紙６「再度届出を行う理由の記載例（リコール届出一覧表（届出番号 2325 及 び 外 − 1570））」 参 照 ） イ 再リコールに対する分析・検証 今 回 の 調 査 に お い て 、 平 成 20 年 ４ 月 １ 日 か ら 平 成 22 年 ５ 月 31 日 ま で の 期 間 、及 び 再 リ コ ー ル の 事 案 に 関 連 し て は 、更 に 期 間 を 遡 っ て 、 31 国土交通省から交通研へ検証依頼を行った際の依頼書を確認した結 果 、再 リ コ ー ル の 事 案 の う ち 、直 近 の 届 出 が 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 内 に 届 け 出 ら れ て い る も の の 中 で 、５ 事 案 に つ い て は 、国 土 交 通 省 の 依頼を受けて交通研が改善措置の内容等について技術的な検証を実 施していることが判明した。 なお、上記５事案のうちの１事案については、当該検証において、 対象車両の範囲外の車両についても市場措置の要否を引き続き検討 す る よ う メ ー カ ー 等 に 指 示 し た こ と に よ り 、後 日 、対 象 車 両 の 範 囲 を 拡大して同一の原因による不具合について再度リコールが届け出ら れ る こ と と な っ た が 、上 記 ５ 事 案 の う ち の 他 の ２ 事 案 に つ い て は 、当 該 検 証 を 経 て 届 け 出 ら れ た リ コ ー ル に つ い て 、後 日 、１ 事 案 に つ い て は 新 た な 不 具 合 要 因 が 判 明 し 、も う １ 事 案 に つ い て は リ コ ー ル 作 業 に 伴 い 新 た な 不 具 合 が 生 じ る こ と が 判 明 し た こ と に よ り 、同 一 車 両 に お い て 、同 一 の 又 は 関 連 す る 原 因 に よ る 不 具 合 を 理 由 と し て 再 度 リ コ ー ルが届け出られている。 ウ 再リコールに対する立入検査・行政指導 今 回 の 調 査 に お い て 、国 土 交 通 省 が 平 成 17 年 度 か ら 21 年 度 ま で の 間 に 、 道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の ４ の 規 定 に 基 づ く メ ー カ ー 等 に 対 す る立入検査の結果やメーカー等からのリコールの届出を受けた内容 を も と に 、メ ー カ ー 等 に 対 し て 実 施 し た 文 書 に よ る 行 政 指 導 の 内 容 を 確 認 し た 結 果 、① リ コ ー ル の 改 善 措 置 を 実 施 し た 車 両 に つ き 、当 該 リ コ ー ル と 同 種 の 不 具 合 が 再 発 し て い る 事 案 に 関 連 し て 、原 因 究 明 や 市 場 措 置 要 否 の 検 討 を 要 す る 旨 に つ い て ４ 件 、② リ コ ー ル の 改 善 措 置 を 実 施 し た 車 両 と は 異 な る 範 囲 の 車 両 に つ き 、当 該 リ コ ー ル と 同 種 の 不 具 合 が 発 生 し て い る 事 案 に 関 連 し て 、市 場 措 置 要 否 の 検 討 を 要 す る 旨 に つ い て ５ 件 、③ 再 リ コ ー ル 事 案 に 関 連 し て 、不 具 合 の 原 因 究 明 や 対 象車両精査の取組みを強化すべき旨について８件の行政指導を実施 していることが判明した。 再 リ コ ー ル に つ い て は 、改 善 措 置 を 実 施 し た は ず の 車 両 や 、本 来 で あ れ ば 改 善 措 置 を 実 施 す べ き 車 両 が 、結 果 と し て 、同 一 の 又 は 関 連 す る原因による不具合発生の可能性を長期間にわたって抱えることと なり、安全の確保に支障が出るおそれがある。 32 ３. リコール届出等の実施 （１） 制度・仕組み 自 動 車 リ コ ー ル に つ い て は 、 道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の ３ 第 １ 項 に お い て 、「 自 動 車 製 作 者 等 は 、 そ の 製 作 し 、 又 は 輸 入 し た 同 一 の 型 式 の 一 定 の 範 囲 の 自 動 車 の 構 造 、装 置 又 は 性 能 が 保 安 基 準 に 適 合 し な く な る お そ れ が あ る 状 態 又 は 適 合 し て い な い 状 態 に あ り 、か つ 、そ の 原 因 が 設 計 又 は 製 作 の 過 程 に あ る と 認 め ら れ る 場 合 に お い て 、当 該 自 動 車 に つ い て 、 保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため又は保安基準に適合 さ せ る た め に 必 要 な 改 善 措 置 を 講 じ よ う と す る と き は 、あ ら か じ め 、国 土 交 通 大 臣 に 届 け 出 な け れ ば な ら な い 。」 と さ れ て い る 。 な お 、 道 路 運 送 車 両 法 に 基 づ く リ コ ー ル に つ い て は 、 平 成 20 年 度 に は 295 件 、平 成 21 年 度 に は 304 件 が 、国 土 交 通 省 に 届 け 出 ら れ て い る 。 ま た 、国 土 交 通 大 臣 は 、道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の ２ 第 １ 項 に お い て 、 構 造 、装 置 又 は 性 能 が 保 安 基 準 に 適 合 し て い な い お そ れ が あ る と 認 め る 同 一 の 型 式 の 一 定 の 範 囲 の 自 動 車 に つ い て 、そ の 原 因 が 設 計 又 は 製 作 の 過 程 に あ る と 認 め る と き は 、当 該 基 準 不 適 合 自 動 車 を 保 安 基 準 に 適 合 さ せ る た め に 必 要 な 改 善 措 置 を 講 ず べ き こ と を 勧 告 す る こ と が で き 、当 該 勧 告 に 従 わ な い と き は そ の 旨 を 公 表 す る こ と が で き （ 同 条 第 ４ 項 ）、 当 該 公 表 の 後 に お い て も 、正 当 な 理 由 が な く そ の 勧 告 に 係 る 措 置 を と ら な か っ た と き は 、そ の 勧 告 に 係 る 措 置 を と る べ き こ と を 命 ず る こ と が で き る （ 同 条 第 ５ 項 ）。 な お 、 平 成 20 年 ３ 月 に 、 国 土 交 通 大 臣 は 株 式 会 社 グ ロ ー バ ル に 対 し て 、上 記 の リ コ ー ル 勧 告 を 行 い 、同 社 が 当 該 勧 告 に 従 わ な か っ た こ と か ら 、同 年 ４ 月 に そ の 旨 を 公 表 し 、そ の 後 も 同 社 が 正 当 な 理 由 が な く 当 該 勧告に係る措置をとらなかったため同年４月に上記のリコール命令を 行った。 ま た 、リ コ ー ル 以 外 に も 、以 下 の ２ 種 類 の 市 場 措 置 が「 リ コ ー ル の 届 出 等 に 関 す る 取 扱 要 領 に つ い て (依 命 通 達 )」 (自 審 第 1530 号 平 成 ６ 年 12 月 １ 日 。 以 下 「 依 命 通 達 」 と い う 。 )に 基 づ き 運 用 さ れ て い る 。 ① 改善対策 リコールとは異なり道路運送車両の保安基準に規定はされていな いが、不具合が発生した場合に安全確保及び環境保全上看過できな い状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認め 33 られるときに、メーカー等が改善のための措置を行うものであり、 国土交通省に届け出ることとされている。 な お 、今 回 の 調 査 に 伴 い 、国 土 交 通 省 か ら 提 供 を 受 け た 資 料 に よ れ ば 、 平 成 20 年 度 に は 12 件 、 平 成 21 年 度 に は 14 件 の 改 善 対 策 が 届 け出られている。 ② サービスキャンペーン リコールや改善対策に該当しないような不具合で、安全確保及び 環境保全とは直接関係ないものについて、必要な改善措置を行うも のであり、国土交通省に通知することとされている。 なお、今回の調査に伴い、国土交通省から提供を受けた資料によ れ ば 、 平 成 20 年 度 に は 259 件 、 平 成 21 年 度 に は 200 件 の サ ー ビ ス キャンペーンが通知されている。 34 （ ２ ） リ コ ー ル 届 出 (公 表 )の 迅 速 化 今 回 、平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 の ２ 年 間 の リ コ ー ル 届 出（ 599 件 ）の 実 施 状 況 を 調 査 し 、 あ わ せ て 、 メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） へ の ヒ ア リ ン グ を 実 施 し た と こ ろ 、各 社 と も 入 手 し た 自 動 車 の 不 具 合 情 報 等 を 分 析・検 証 の 上 、社 内 で リ コ ー ル 実 施 を 決 定 し た 場 合 は 、ⅰ ）対 象 車 両 の ユ ー ザ ー 情 報 を 確 認 し 、ⅱ ）ユ ー ザ ー へ の リ コ ー ル 通 知 の 作 成 や 、ⅲ ）販 売 会 社 へ の 案 内 を 行 い 、ⅳ ）国 土 交 通 省 へ の リ コ ー ル 届 出 の 事 前 相 談 等 を 実 施 し 、ⅴ ）す み や か に 国 土 交 通 省 へ の 届 出 を 実 施 す る 方 針 で あ る と の こ と で あ っ た 。最 近 の 事 案 に お い て も 、ユ ー ザ ー へ の 注 意 喚 起 の た め に 、リ コールの改善措置の実施に必要な部品の準備が整うまでの間の定期点 検 整 備 時 や 運 転 時 の 注 意 事 項 を 付 記 し た 上 で 、早 期 に 届 出 を 実 施 し て い る事案がみられた。 （ ※ 別 紙 ７ 「 リ コ ー ル 届 出 一 覧 表 （ 届 出 番 号 2379 及 び 2540）」 参 照 ） 他方、以下のように、届出が迅速に行われていない状況がみられた。 国 土 交 通 省 に リ コ ー ル の 届 出 が な さ れ る 際 に は 、国 土 交 通 省 の ホ ー ム ページやメーカー等のホームページ等で公表されている届出フォーム の 情 報（ 不 具 合 及 び 改 善 措 置 の 内 容・対 象 車 両 等 の 基 礎 的 な 情 報 ）だ け で は な く 、リ コ ー ル に 至 る 経 緯 等 が 参 考 資 料 と し て 添 付 さ れ る が 、平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 の 国 産 車 の リ コ ー ル （ 416 件 ） に つ い て 、 当 該 参 考 資 料 を 確 認 し た と こ ろ 、メ ー カ ー が リ コ ー ル の 実 施 を 決 定 し た 日 か ら リ コ ー ル 届 出 日 ま で の 期 間 が 明 ら か に ２ か 月 以 上 か か っ て い る も の が 、少 な く と も 34 件 あ っ た 。 （ ※ 別 紙 ８ 「 国 産 車 の リ コ ー ル （ 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 416 件 ） の う ち 届 出 者においてリコールの実施を決定してから届出に至るまで明らかに２か月 以 上 か か っ て い る 事 例 一 覧 （ 34 件 ）」 参 照 ） さ ら に 、 こ の 34 件 の リ コ ー ル に お い て 、 当 該 決 定 か ら 届 出 ま で の 期 間にリコールの原因となった不具合と同様の不具合が発生している事 案が８件みられた。 ま た 、輸 入 事 業 者 は 、日 本 で 実 際 に 不 具 合 が 発 生 し た 場 合 、リ コ ー ル 等 の 市 場 措 置 を 実 施 す る か 否 か に つ い て 、不 具 合 情 報 の 一 定 の 分 析・検 35 証 を 経 た 上 で 、輸 入 事 業 者 と し て の リ コ ー ル 等 の 要 否 に 係 る 見 解 を 本 国 の メ ー カ ー に 通 知 し 、通 知 し た 内 容 に つ い て 、本 国 の メ ー カ ー が リ コ ー ル 等 の 要 否 の 判 断 を し た 上 で 、輸 入 事 業 者 に 対 し て リ コ ー ル 等 の 改 善 措 置 の 実 施 指 示 を 通 知 す る こ と と な っ て い る 。ま た 、日 本 以 外 で 実 際 に 不 具 合 が 発 生 し た 場 合 は 、本 国 の メ ー カ ー が 日 本 以 外 の 市 場 か ら 入 手 し た 不 具 合 情 報 等 を も と に 分 析・検 証 を 経 て 、リ コ ー ル 等 の 要 否 の 判 断 を し た 上 で 、日 本 の 輸 入 事 業 者 に 対 し て リ コ ー ル 等 の 改 善 措 置 の 実 施 指 示 を 通知することとなっている。 こ れ ら の 通 知 を 受 け た 後 、輸 入 事 業 者 は 、リ コ ー ル 等 の 対 象 車 両 や 改 善 措 置 の 内 容 を 確 認 し た 上 で 、指 示 内 容 に 従 っ て 国 土 交 通 省 へ リ コ ー ル の 届 出 を 行 う と し て い る 。こ の よ う に 、輸 入 事 業 者 の リ コ ー ル 等 の 届 出 ま で の 過 程 は 、リ コ ー ル 等 の 判 断 を 本 国 の メ ー カ ー で 行 う こ と か ら 、届 出までの期間に輸入事業者と本国のメーカーとのやり取りなどが必要 と な っ て く る 点 で 、国 内 自 動 車 メ ー カ ー の リ コ ー ル 等 の 届 出 ま で の 過 程 とは異なっている。 こ れ を 踏 ま え て 、 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 の 輸 入 車 の リ コ ー ル （ 183 件 ）に つ い て 、届 出 の 参 考 資 料 を 確 認 し た と こ ろ 、本 国 の メ ー カ ー か ら 市場措置の実施について通知があった日からリコール届出日までの期 間 が 明 ら か に ４ か 月 以 上 か か っ て い る も の が 、少 な く と も 32 件 あ っ た 。 （ ※ 別 紙 ９ 「 輸 入 車 の リ コ ー ル （ 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 183 件 ） の う ち 、 届 出 者 が 本 国 メ ー カ ー か ら 市 場 措 置（ リ コ ー ル 等 ）決 定 の 通 知 を 受 け て か ら 届 出 に 至 る ま で 明 ら か に ４ か 月 以 上 か か っ て い る 事 例 一 覧 （ 32 件 ）」 参 照 ） さ ら に 、 こ の 32 件 の リ コ ー ル に お い て 、 当 該 通 知 か ら 届 出 ま で の 期 間にリコールの原因となった不具合と同様の不具合が発生している事 案が３件みられた。 こ の よ う な 、① リ コ ー ル の 実 施 の 決 定 か ら 届 出 に 至 る ま で に 期 間 が か か っ て い る 事 案 、又 は 、② 本 国 の メ ー カ ー か ら 市 場 措 置 の 実 施 に つ い て 通知を受けてから届出に至るまでに期間がかかっている事案について、 そ の 理 由 を 、 届 出 の 参 考 資 料 や メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） へ の ヒ ア リ ン グ を 通じて確認したところ、 ⅰ） 「 対 象 車 両 の 製 作 時 期 が 古 く 、か つ 、対 象 車 両 の 台 数 が 多 い こ と で 、 リコールの決定後、ユーザー情報（通知の送付先）の精査に期間を 要したため」 36 ⅱ ）「 リ コ ー ル の 決 定 後 、 当 初 決 定 し た 改 善 措 置 の 内 容 に つ い て 、 一 部 の販売会社で、設備上、実施できないことが判明したことで、改善 措置の内容を変更し、その検討に期間を要したため」 ⅲ ）「 本 国 か ら の 通 知 後 、 改 善 措 置 の 内 容 に つ い て 、 実 車 で 確 認 し た と ころ、本国から送られてきた作業要領書の不備が判明し、その修正 に つ い て 本 国 と の や り と り に 期 間 を 要 し た た め （ 輸 入 事 業 者 ）」 ⅳ ）「 同 時 期 に 、 よ り 迅 速 な 処 理 が 必 要 な 他 の リ コ ー ル 事 案 （ 安 全 性 に 問題のあるものや市場で実際に不具合が発生しているもの）が発生 し、そちらの手続を優先したため」 等 の よ う な 理 由 が 挙 げ ら れ 、届 出 ま で に 期 間 を 要 し た こ と に つ い て 、一 定の理由があったことが分かった。 一方、これらの届出に至るまでに期間がかかっている理由の中には、 ⅰ ）「 本 来 す み や か に リ コ ー ル を 届 け 出 る は ず で あ っ た が 、 担 当 者 の 退 職や担当部署の移転により、案件の処理が滞ったため」 ⅱ ）「 リ コ ー ル 以 外 の 業 務 （ 予 算 計 画 立 案 等 ） が 急 務 と な り 、 届 出 準 備 が停滞したため」 ⅲ） 「リコールが必要となる不具合の内容が本国から通知されてきたが、 当該通知が本国の言語によるものであったことから、詳細を把握で きなかったため」 等 の よ う に 、届 出 ま で に 期 間 を 要 し た こ と に つ い て 、合 理 的 な 理 由 を 欠 いている事案もみられた。 リ コ ー ル の 届 出 の タ イ ミ ン グ に つ い て は 、依 命 通 達 に お い て 、届 出 の 必要性を認めたときは、すみやかに届け出るべき旨が規定されており、 ま た 、今 回 、国 土 交 通 省 が 平 成 17 年 度 か ら 21 年 度 ま で の 間 に 、メ ー カ ー等に対する立入検査の結果やメーカー等からのリコールの届出を受 け た 内 容 を も と に 、メ ー カ ー 等 に 対 し て 実 施 し た 文 書 に よ る 行 政 指 導 の 内 容 を 確 認 し た 結 果 、リ コ ー ル 届 出 が 迅 速 に 行 わ れ て い な い こ と に つ い て５件の行政指導を実施していることが判明した。 し か し な が ら 、上 記 の と お り 、未 だ に 、迅 速 な 届 出 が な さ れ て い な い 事 案 が 見 受 け ら れ て お り 、こ の よ う な 事 案 は 、メ ー カ ー 等 に お い て 、リ コ ー ル の 必 要 性 が 正 式 に 認 識・決 定 さ れ て い な が ら 、リ コ ー ル に 係 る 情 報がユーザーに提供されない期間が長期化していることを意味してお り 、そ の 分 、当 該 車 両 の 改 善 措 置 が 遅 れ る こ と と な り 、安 全 の 確 保 に 支 障 が 生 じ る お そ れ が あ る た め 、当 該 期 間 を で き る だ け 短 く し 、よ り 迅 速 な届出を促進することが必要と考えられる。 37 （３） リコール届出後の実施率の向上 ア リコールの実施率の全体的な傾向 リ コ ー ル の 実 施 状 況 に つ い て は 、 道 路 運 送 車 両 法 第 63 条 の ３ 第 ４ 項 及 び 道 路 運 送 車 両 法 施 行 規 則 第 51 条 の ２ 第 １ 項 に お い て 、 メ ー カ ー 等 は 国 土 交 通 省 に 対 し て「 三 月 ご と 」に 報 告 す る こ と と さ れ て い る 。 当 該 報 告 の 運 用 に つ い て は 、依 命 通 達 に よ り 、毎 年 １ 月 、４ 月 、７ 月 、 10 月 の そ れ ぞ れ 20 日 ま で に 、そ の 前 月 末 日 ま で の リ コ ー ル の 実 施 状 況について報告することとされている。 今 回 平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 の ２ 年 間 の リ コ ー ル 届 出 （ 599 件 ） に ついて、その実施状況を調査したところ、３回目の報告（届出から、 その後約６か月ないし９か月の時点で報告されたリコールの実施率） ま で に 80％ を 超 え て お り 、 概 ね 高 い 水 準 で 進 捗 し て い る こ と が 判 明 した。 （ ※ 別 紙 10「 リ コ ー ル 実 施 率 の 状 況 」 参 照 ） な お 、車 種 (普 通・小 型・軽・大 型 特 殊・小 型 特 殊・二 輪 )・用 途 (貨 物 ・ 乗 用 ・ 乗 合 ・ 特 種 )別 の 実 施 状 況 も 確 認 し た が 、 車 種 又 は 用 途 に よって実施率に大きな違いはみられなかった。 平均実施率の推移（1回目報告∼8回目報告） （平成20年度・21年度 リコール届出） 100 90 80 70 60 ％ 50 40 30 20 10 0 84.3 80.2 86.6 87.8 87.9 88.3 71.6 39.3 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目 （届出後の実施報告） （注）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員 会が作成した。 38 イ 実施率が低い事案 上 述 ア の と お り 、リ コ ー ル の 実 施 率 は 全 体 と し て は 概 ね 高 い 水 準 に あ る が 、個 別 の 事 案 に よ っ て は 、実 施 率 が 低 い も の が み ら れ る 。例 え ば 、 平 成 20 年 度 の リ コ ー ル 届 出 （ 295 件 ） の う ち 、 届 出 か ら ５ 回 目 の 報 告 に お け る 実 施 率 (届 出 か ら 、 そ の 後 約 12 か 月 な い し 15 か 月 の 時 点 で 報 告 さ れ た リ コ ー ル の 実 施 率 ) が 50％ に 達 し て い な い も の が 17 件 （ 全 体 の ５ ％ ） み ら れ る 。 （ ※ 別 紙 10「 リ コ ー ル 実 施 率 の 状 況 」 参 照 ） 届出後５回目の報告における実施率 （平成20年度 リコール届出） 17件 5% 9件 3% 21件 6% 31件 9% 50％未満 50％以上60％未満 60％以上70％未満 70％以上80％未満 195件 56% 80％以上90％未満 74件 21% 90％以上 （注）国土交通省の調査提出資料に基づき、消費者委員会が 作成した。 ま た 、 平 成 19 年 度 以 前 の リ コ ー ル に つ い て も 、 今 回 ヒ ア リ ン グ を 実 施 し た メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） に つ い て 、 実 施 率 を 調 査 し た 結 果 、 平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 で の 実 施 率 が 50％ に 達 し て い な い も の が 48 件 み られる。 （ ※ 別 紙 11「 平 成 19 年 度 以 前 に 届 け 出 ら れ た リ コ ー ル の う ち 、 平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 の 実 施 率 が 50％ 未 満 の 事 例 （ 48 件 ）」 参 照 ） こ れ ら の 事 案 に つ い て 、リ コ ー ル の 措 置 が 未 実 施 で あ る 車 両 の 中 に は 、登 録 形 態 が「 一 時 抹 消 」と な っ て お り 現 時 点 で は 走 行 し て い な い 39 も の も 少 な く な く 、リ コ ー ル の 実 施 率 が 低 い こ と が 、必 ず し も 、現 在 走 行 し て い る 車 両（ 車 検 証 を 有 す る 車 両 ）の 多 く に つ い て リ コ ー ル の 措置が未実施であることを意味するものではない。 し か し な が ら 、事 案 に よ っ て は 、数 千 、数 万 台 以 上 の 車 検 証 を 有 す る 車 両 が 、未 だ に リ コ ー ル の 措 置 が 実 施 さ れ て お ら ず 、保 安 基 準 不 適 合又はそのおそれがある状態で、現在も走行している可能性がある。 国土交通省のホームページにおいて公表されている自動車の事 故・ 火 災 情 報（ 平 成 22 年 ８ 月 16 日 現 在 で 1,457 件 ）の う ち 、過 去 の リ コ ー ル 等 の 届 出 と の 関 連 性 に つ い て 記 載 が あ る も の （ 35 件 ） を 確 認 し た と こ ろ 、 そ の う ち 14 件 が 、 リ コ ー ル 届 出 後 、 ま だ ユ ー ザ ー が ディーラー等に車両を入庫せず措置が実施されていない状態で発生 し た 事 故・火 災 で あ る こ と が 分 か っ た 。こ の こ と か ら も 、リ コ ー ル 届 出 以 降 、措 置 を 迅 速 に 実 施 し 、実 施 率 を 向 上 さ せ る 必 要 性 が 高 い と 考 えられる。 （ ※ 別 紙 12「 リ コ ー ル 等 の 届 出 後 、改 善 が 未 実 施 の 状 況 で 事 故・火 災 が 発 生 し た 事 例 一 覧 （ 14 件 ）」 参 照 ） ウ 実施率が低い事案の要因 今 回 メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） に ヒ ア リ ン グ を 実 施 し た 中 で 、 リ コ ー ル の 実 施 率 が 低 い 事 案 に つ い て そ の 要 因 を 確 認 し た と こ ろ 、「 対 象 車 両 の 製 作 時 期 が 古 い 場 合 は 、リ コ ー ル の 通 知 が ユ ー ザ ー に 届 か ず に 戻 っ て く る こ と が 多 い が 、そ の 理 由 は 、ユ ー ザ ー が 転 居・移 転 し た り 車 両 を 売 買 し た り し た 際 に 、ユ ー ザ ー が 変 更 登 録・移 転 登 録 を 実 施 し て い な い た め と 思 わ れ る 。」 と の 回 答 が 得 ら れ た 。 変 更 登 録 及 び 移 転 登 録 に つ い て は 、 道 路 運 送 車 両 法 第 12 条 に お い て 、 自 動 車 の 所 有 者 は 住 所 等 に 変 更 が あ っ た と き は 15 日 以 内 に 変 更 登 録 の 申 請 を し な け れ ば な ら な い と さ れ 、 ま た 、 同 法 第 13 条 に お い て 、 自 動 車 の 所 有 者 の 変 更 が あ っ た と き は 、 新 所 有 者 は 15 日 以 内 に 移 転 登 録 の 申 請 を し な け れ ば な ら な い こ と と さ れ て お り 、国 土 交 通 省 も 、 自 動 車 登 録 等 適 正 化 推 進 協 議 会 （ 自 動 車 関 連 13 団 体 で 構 成 ） と 連 携 し て 、変 更 登 録 及 び 移 転 登 録 手 続 を 訴 求 す る た め 、自 動 車 登 録 等 適正化推進運動を実施している。 40 し か し な が ら 、 国 土 交 通 省 が 平 成 20 年 に 同 省 の イ ン タ ー ネ ッ ト モ ニ タ ー を 対 象 に 実 施 し た 前 記 の ユ ー ザ ー ア ン ケ ー ト に お い て 、「 リ コ ー ル の 通 知 が 確 実 に 届 く た め に は 、自 動 車 の 使 用 者 や 住 所 が 変 わ っ た 場 合 の 変 更 登 録 が 必 要 で す が 、あ な た は 自 動 車 の 変 更 登 録 を 知 っ て い ま す か 」と の 質 問 に 対 し 、35.4％ の ユ ー ザ ー が「 知 ら な い 」と 回 答 し て い る 。ま た 、今 回 の 調 査 に 伴 い 実 施 し た ユ ー ザ ー ア ン ケ ー ト に お い て も 、自 動 車 の 所 有 者 や 住 所 が 変 わ る 場 合 に す み や か に 変 更 登 録 を 行 っ て い る か 、と の 質 問 に 対 し 、８ ％ の ユ ー ザ ー が「 所 有 者 や 住 所 が 変 わ る 場 合 で も 、特 に 変 更 登 録 は 行 っ て い な い 」と 回 答 し て お り 、変 更 登録及び移転登録の制度の周知がまだ十分ではないと考えられる。 （ ※ 別 紙 13「 自 動 車 リ コ ー ル 制 度 に 関 す る ユ ー ザ ー ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 報 告 書」参照） リ コ ー ル 等 の 際 に は 、メ ー カ ー 等 は 、自 ら 又 は 販 売 会 社 が 把 握 し て い る ユ ー ザ ー 情 報 の 他 、ユ ー ザ ー が 登 録 し た 自 動 車 の 登 録 情 報 を も と に 、ユ ー ザ ー 宛 の 通 知 を 発 送 し て い る が 、ユ ー ザ ー が 変 更 登 録 及 び 移 転 登 録 を 怠 っ た 場 合 は 、リ コ ー ル 等 の 通 知 が ユ ー ザ ー に 届 か ず 、結 果 と し て 、リ コ ー ル の 実 施 率 の 向 上 を 妨 げ る 要 因 と な り 得 る た め 、変 更 登 録 及 び 移 転 登 録 に つ い て よ り 一 層 の 周 知・徹 底 が 必 要 と 考 え ら れ る 。 41 問 24 リ コ ー ル の 通 知 が 確 実 に 届 く た め に は 、自 動 車 の 使 用 者 や 住 所 が 変 わった場合の変更登録が必要ですが、あなたは自動車の変更登録を 知っていますか。 自動車の変更登録について 1.0% 35.4% 知っている 知らない 63.6% 無回答 （ 注 ） 国 土 交 通 省 の 平 成 20 年 度 リ コ ー ル 検 討 会 の 資 料 に お け る回答状況の記述から消費者委員会において作成したもの。 Ｑ９．自動車の所有者や住所が変わる場合、あなたはすみやかに変 更登録を行っていますか。 自動車の変更登録について 自動車の所有者や住所が変わる場合、あなたは速やかに変更登録を 行っていますか 8.0% 30.8% 30.2% 13.5% 8.0% 9.5% n=2594 自ら速やかに行っている ディーラー側で速やかに行っている 自動車税の納税通知書がきちんと届くように3月末までには行っている 所有者や住所が変わる場合でも、特に変更登録は行っていない 所有者や住所が変わったことがない よく分からない （注）消費者委員会の調査による。 42 ま た 、 メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） に 対 す る ヒ ア リ ン グ に お い て は 、 実 施 率 が 低 い 事 案 の 要 因 と し て 、「 リ コ ー ル の 通 知 が ユ ー ザ ー に 届 い て い て も 、安 全 性 に 大 き な 影 響 が な い よ う に 見 え る 事 案 等 で は ユ ー ザ ー 自 身 が デ ィ ー ラ ー 等 に 車 を 入 庫 さ れ な い 場 合 も あ る 。」「『 車 検 を 通 っ た から大丈夫だろう』と勘違いされているユーザーもいるのではない か」という意見もあった。 こ の 点 に つ い て 、 道 路 運 送 車 両 法 第 62 条 第 １ 項 の 規 定 に 基 づ き 実 施 さ れ る 継 続 検 査（ 車 検 ）に お い て は 、検 査 時 点 に お け る 車 両 の 保 安 基 準 へ の 適 合 性 が 確 認 さ れ る の で あ っ て 、「 将 来 的 に 保 安 基 準 に 不 適 合 と な る お そ れ 」ま で は 確 認 さ れ ず 、ま た 、継 続 検 査 は 有 効 期 間 中 の 保 安 基 準 適 合 性 を 保 証 す る も の で も な い こ と か ら 、自 動 車 の ユ ー ザ ー に お い て も 、リ コ ー ル の 通 知 を 受 け 取 っ た 際 に 、車 検 を 通 っ た か ら（ デ ィ ー ラ ー 等 に 車 を 入 庫 し な く て も ）大 丈 夫 だ ろ う 、と い う 誤 っ た 認 識 を持たないことが重要と考える。 上 述 の「 イ 実 施 率 が 低 い 事 案 」の と お り 、今 回 ヒ ア リ ン グ を 実 施 し た メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） に つ い て 、 平 成 19 年 度 以 前 に 届 け 出 た リ コ ー ル の 実 施 率 を 調 査 し た 結 果 、 平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 で の 実 施 率 が 50％ に 達 し て い な い も の が 48 件 み ら れ た が 、 こ の 中 に は 、「 平 成 19 年 度 以 前 に 対 象 台 数 約 1,500 台 の リ コ ー ル が 届 け 出 ら れ た が 、 平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 の 実 施 率 が 11.6％ で 、 改 善 措 置 が 未 実 施 の 車 両 の う ち 車 検 証 を 有 し て い る 車 両 が 約 1,400 台 」 と い う 事 案 や 「 平 成 19 年 度 以 前 に 対 象 台 数 約 15 万 台 の リ コ ー ル が 届 け 出 ら れ た が 、平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 の 実 施 率 が 2.8％ で 、改 善 措 置 が 未 実 施 の 車 両 の う ち 車 検 証 を 有 し て い る 車 両 が 約 14.5 万 台 」 と い う 事 案 が み ら れ た 。 （ ※ 別 紙 11「 平 成 19 年 度 以 前 の リ コ ー ル 届 出 事 案 の う ち 、平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 の 実 施 率 が 50％ 未 満 の 事 例 （ 48 件 ）」 参 照 ） こ れ ら の 事 案 に お い て 、 平 成 22 年 ３ 月 末 時 点 で 改 善 措 置 が 未 実 施 で か つ 車 検 証 を 有 し て い る 車 両 に つ い て は 、リ コ ー ル 届 出 後 も 継 続 検 査（ 車 検 ）を 経 て い る が 、ユ ー ザ ー に リ コ ー ル の 通 知 が 届 い て い な い 、 リコールの通知がユーザーに届いているがユーザーがディーラー等 に車両を入庫しない等の事由により、改善措置が実施されておらず、 な お 、保 安 基 準 に 不 適 合 の お そ れ が あ る 状 態 の ま ま で あ る こ と を 意 味 している。 43 今 回 実 施 し た メ ー カ ー 等 （ 15 社 ） に 対 す る ヒ ア リ ン グ に お い て 、 国 土 交 通 省 は 立 入 検 査 の 際 、リ コ ー ル の 実 施 率 が 低 い 事 案 に つ い て の 指 摘 や 改 善 措 置 等 に つ い て 事 実 を 確 認 し て い る と の こ と で あ っ た 。こ の こ と に つ い て 、今 回 国 土 交 通 省 が 平 成 17 年 度 か ら 21 年 度 ま で の 間 に 、メ ー カ ー 等 に 対 す る 立 入 検 査 の 結 果 を も と に 、メ ー カ ー 等 に 対 し て 実 施 し た 文 書 に よ る 行 政 指 導 の 内 容 を 確 認 し た 結 果 、実 施 率 が 低 い 事案について対策を講じるよう３件の行政指導を実施していること が分かった。 し か し な が ら 、上 述 の と お り 、未 だ に 実 施 率 が 低 い ま ま と ど ま っ て いる事案が見受けられる。 こ の よ う な 状 況 か ら 、リ コ ー ル の 届 出 以 降 、実 施 率 が 進 捗 し な い 事 案 に つ い て は 、リ コ ー ル 等 の 通 知 が ユ ー ザ ー に 届 か な い 、当 該 通 知 が 届 い て も ユ ー ザ ー が デ ィ ー ラ ー 等 に 車 両 を 入 庫 し な い 等 、複 合 的 な 要 因 が 想 定 さ れ る が 、リ コ ー ル の 改 善 措 置 が 実 施 さ れ ず 保 安 基 準 に 不 適 合又はそのおそれがある状態のまま走行している車両を放置するこ とは、安全の確保に支障が生じるおそれがある。 44 （４） リコールとその他の市場措置（改善対策・サービスキャンペーン） 上述の３． （１） 「 制 度・仕 組 み 」に 記 載 し た 、改 善 対 策 及 び サ ー ビ ス キ ャ ン ペ ー ン の ２ つ の 制 度 は 、リ コ ー ル と は 異 な り 道 路 運 送 車 両 法 に 基 づ く 制 度 で は な い た め 、ⅰ ）前 述 の 国 土 交 通 大 臣 に よ る 勧 告 、公 表 及 び 命 令 の 対 象 に は な っ て お ら ず 、ⅱ ）国 土 交 通 大 臣 に 対 す る 実 施 状 況（ 実 施率）の報告義務もなく、ⅲ）同法における罰則の適用もない。 ま た 、 前 述 の 事 故 ・ 不 具 合 情 報 通 達 に お い て 、「 改 善 措 置 等 を 行 っ た 車 両 に 係 る 不 具 合 情 報 の 報 告 要 領 」の 中 で 、リ コ ー ル 及 び 改 善 対 策 の 事 案 を 対 象 と し て 、改 善 措 置 等 を 行 っ た 車 両 に お い て 、ⅰ ）リ コ ー ル 又 は 改 善 対 策 を 届 け 出 た 際 と 同 様 の 不 具 合 が 発 生 し た も の 、及 び 、ⅱ ）改 善 措 置 等 が 原 因 で 新 た な 不 具 合 が 発 生 し た も の の 情 報 に つ い て 、発 生 の 都 度 、す み や か に 国 土 交 通 省 に 報 告 す る こ と が 求 め ら れ て い る が 、こ の よ う な 報 告 は 、サ ー ビ ス キ ャ ン ペ ー ン の 事 案 に つ い て は 特 に 求 め ら れ て い ない。 今 回 の 調 査 に 伴 い 実 施 し た ユ ー ザ ー ア ン ケ ー ト に お い て 、リ コ ー ル ・ 改善対策・サービスキャンペーンの３つの制度の違いを知っているか、 と の 質 問 に 対 し 、14.8％ の ユ ー ザ ー が「 全 て よ く わ か ら な い 」と 回 答 し 、 49.5％ の ユ ー ザ ー が「 ３ つ の 制 度 の 中 で 知 っ て い る 制 度 と 知 ら な い 制 度 が あ る 」と 回 答 し 、22.4％ の ユ ー ザ ー が「 ３ つ の 制 度 に 違 い が あ る こ と は 知 っ て い る が 具 体 的 に 何 が 違 う の か は 知 ら な い 」と 回 答 し て お り 、制 度の違いについて理解が浸透していない状況がみられた。 （ ※ 別 紙 13「 自 動 車 リ コ ー ル 制 度 に 関 す る ユ ー ザ ー ア ン ケ ー ト 調 査 結 果 報 告 書 」 参照） 45 リコール、改善対策、サービスキャンペーンの違いについて 13.3% 14.8% 22.4% 49.5% 3つの制度の違いを具体的に知っている 3つの制度に違いがあることは知っているが、具体的に何 が違うのかは知らない 3つの制度の中で、知っている制度と知らない制度がある 全てよくわからない 無回答 （注）消費者委員会の調査による。 ま た 、メ ー カ ー 等（ 15 社 ）に 対 す る ヒ ア リ ン グ に お い て 、リ コ ー ル ・ 改 善 対 策・サ ー ビ ス キ ャ ン ペ ー ン の ３ つ の 制 度 に つ い て 運 用 上 の 違 い の 有 無 を 聴 取 し た と こ ろ 、３ つ の 制 度 の 区 分 に よ っ て 運 用 上 の 違 い は な く 、 届出に至る期間や実施率についても区分による違いはないとのことで あ っ た 。ま た 、事 案 に よ っ て は 、安 全 確 保 又 は 環 境 保 全 に 関 わ る 不 具 合 に つ い て 、保 安 基 準 に 不 適 合 の「 お そ れ 」の 範 囲 の 解 釈 に よ っ て 、リ コ ー ル な の か 改 善 対 策 な の か 迷 っ た り 、あ る 不 具 合 に つ い て 、安 全 確 保 又 は 環 境 保 全 に 関 わ る か 否 か の 解 釈 に よ っ て 、リ コ ー ル 又 は 改 善 対 策 な の か サ ー ビ ス キ ャ ン ペ ー ン な の か 迷 っ た り 等 、３ つ の 制 度 の い ず れ の 区 分 で 届 け 出 る べ き か 迷 う ケ ー ス も あ る が 、届 出 前 の 国 土 交 通 省 へ の 事 前 相 談 に お い て 最 終 的 に 決 定 し て お り 、市 場 措 置 の 届 出 区 分 が ３ つ に 分 か れ て い る こ と に つ い て 、実 務 的 な 弊 害 は あ ま り 感 じ ら れ な い 、と の こ と で あった。 こ の 点 に つ い て 、平 成 20 年 度 及 び 21 年 度 に 国 土 交 通 省 に 届 出 又 は 通 知された改善対策及びサービスキャンペーンの参考資料において届出 又 は 通 知 に 至 る 経 緯 を 確 認 し た と こ ろ で も 、届 出 又 は 通 知 に 至 る 期 間 に つ い て 、上 述 の ３ ． （２） 「 リ コ ー ル 届 出（ 公 表 ）の 迅 速 化 」に 記 載 す る 46 リ コ ー ル の 実 施 状 況 と 比 べ て 、特 段 時 間 を 要 し て い る よ う な 状 況 は み ら れなかった。 47 【内閣府 消費者委員会 自動車リコール制度に関する実態調査】 担当委員 中村 雅人 佐野 真理子 櫻井 敬子 事 務 局 （調 査 担 当 ） 前田 直樹 遠藤 信一郎 松田 有美子 手塚 拓郎 多田 綾希子