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Carrier ワンハイラインズ
Carrier ワ ン ハ イ ラ イ ン ズ / P I L 新北 造米 船・ 整欧 備州 、航 修路 繕提 、携 タを ーア ミラ ナイ ルア 運ン 営ス でに も発 協展 力 リポート グランド・アライアンス(GA)、ザ・ニュー・ワールド・アライアンス (TNWA) 、CKYHグループの3大アライアンスに続いて、今年2月に第4の アライアンスが誕生した。2004年以来、北米・欧州航路で提携関係を続け てきていたワンハイラインズとパシフィック・インターナショナル・ライン ズ(PIL)が、改めて戦略的アライアンスの形成を発表。今後は東西基幹航 路でのサービス展開のみならず、新造船の船隊整備やターミナル運営、さ らには今後さらに逼迫が懸念されている修繕ヤードの手当てなど、より広 範囲にわたる提携関係へと発展させていく方針を固めた。折りしもハパッ クロイドとNOLとの合併交渉が報道され、太平洋航路ではマースクライン、 MSC、CMA-CGMが提携するなど、船社の合従連衡は新たな局面を迎え つつある。ワンハイ/PIL連合も、こうした流れの中で新たな軸の1つとな り得そうだ。 迷。こうした中、荷動き・運賃水準ともに に自社船を投入する形で太平洋航路に 成長・改善が著しい基幹航路に参入する 参入を果たす。アジア/欧州航路での提 ことで、採算の改善を図る狙いがあった。 携関係を北米にも広げたことで、ワンハ 欧州サービスは当初、2500TEU型船8 イ/PILは1ループずつながらも、北米と 一連の経緯を踏まえた今年2月、両社 には世界的に供給不足が懸念されている らちょうど4年前の04年4月にさかのぼる。 隻体制でスタートし、ワンハイとPILが4隻 欧州という東西主要航路で自社運航サー は10年間の「戦略的アライアンス(Stra- 修繕ヤードの分野でも連携して取り組ん 台湾に本拠を置くワンハイラインズと、シ ずつを投入する体制でスタート。上海起 ビスを展開する“メガキャリア”の仲間入 tegic Alliance)」の結成で合意したと発 でいく方針だ。ターミナルに関しては、PIL ンガポール船社のPILは、インド・中東な こしでシンガポールを経た後、ロッテルダ りを果たすこととなった。 表した。規模としては小ぶりだが、GA、 は大手ターミナルオペレーターのPSAと ど西アジアも含むアジア全域で、それぞ ム、ハンブルクなど北欧州の主要港をカバ TNWA、CKYHグループの3大アライア 提携し、シンガポール港で自社専用バー れが別個にサービスを展開していた。そ ーするサービスとなっている。06年には、 スで、2500TEU型船5隻を投入していた ンスに続く第4の船社連合の誕生となる。 スを確保する一方、ワンハイは台湾の高 の一方で、基幹航路への参入を検討して PILが新造整備していた4253TEU型船に が、このうち1隻をPILがリプレースする形 両社の首脳はMOUの中で、 「外航海運 雄・台中や日本の東京港大井埠頭で専用 いた両社は、まずアジア/欧州航路の開 投入船をリプレース。ワンハイも4252TEU で協調配船にシフト。PILにとっては、北 において顧客に対してより良いサービス 設で合意。ワンハイは、既に太平洋航路 型船である“Wan Hai 50-”シリーズを投 米航路への初の自社運航船投入となった。 を提供するためには、両社の持つリソー 08年3月現在の両社の運航規模は、自 に進出していたものの、欧州は初めて。ま 入し、サービスキャパシティを大幅に拡大 た、PILにとっては初の基幹航路サービス した。 04年に欧州航路で スタート ワンハイラインズとPILの提携は、今か であり、船隊やサービスネットワークなど、 ほぼ同規模の船社同士だった点も、新規 エリアへの進出に当たってパートナーシッ サービスの強化に過ぎないが、両社は提 携範囲を船隊整備やターミナル事業、さら ターミナルを運営している。 さらに同年11月には、中東欧・ロシア向 スをプールし、よりサービス競争力を高め 社船・用船合わせてPILが111隻・約17.3 けトレードの好調で急拡大するアジア/ ていく必要がある」とコメント。また、GA 万TEUで、船腹規模で世界19位。ワンハ 黒海航路にも協調配船の形で進出を果た やTNWA、CKYHなど既存アライアンス イが83隻・約14.2万TEUで20位と、順位 す。黒海航路は昨年1∼11月の西航荷動 について「船社にとって、長期の発展およ の上では非常に近い。現時点の運航船腹 きが、43.9%増の約48万TEUと前年同期 び相互の利益のために合理化、協調して 規模を単純合計すれば約32万TEUとな 比約1.5倍という勢いで伸びる新興エリ いく上での重要な戦略だった」との見解 り、12位の商船三井に次ぐ規模となる。も ない。当時、アジア域内航路は多数の船 同年3月、PILがワンハイの北米サービ ア。ここで、当初は4隻によるバイウィーク を示した。 ちろん、両社のサービスや船腹の大半は 社参入による過当競争で、運賃水準が低 」 ス「CTP(China-Transpacific Service) リーサービスとしてスタートしたが、今年 両社は、アライアンスの形成により、相 2月からは7隻体制による通常のウィーク 互の船隊やネットワークを活用してサービ リーサービスに移行。2800TEU型船を中 ス展開を積極化させる考え。両社とも西 両 社 の 発 注 残としては 、ワンハイが ワンハイ/PILの東西航路サービス FES(Far East Europe Service) FBS(Far East Black Sea Service) CTP(China Transpacific Service) CARGO APRIL 2008 また、これだけでは一般的な協調配船 両社の提携は07年から一気に加速する。 サービス名 44 北米・黒海にも 提携拡大 「CTP」はもともとワンハイの単独サービ 船隊整備・修繕など 多方面で協力 プを組む大きな要因となったことは間違い 表 ハンブルク港で寄港するトールロルト・ターミナル ワンハイ・PILの4000TEU型船、両社とも大型コンテナ船整備を進めている アジア航路に集中しているため、簡単な 比較はできない。 投入船 寄港地・ローテーション 心にワンハイが3隻、PILが4隻を投入し アジアも含むアジア域内では充実した航 1800TEU型船6隻、4250TEU型船7隻を 4253TEU型×8隻 上海/寧波/香港/蛇口/シンガポール/ポートケラ ン/ロッテルダム/ハンブルク/アントワープ/ポートサ イド/アデン/ポートケラン/シンガポール/上海 ている。 路網を有するが、一方で新造船発注を通 抱えている。今後の東西航路展開で重要 じた船隊整備と遠洋航路への進出が目下 と見られる4250TEU型のデリバリーは、 上海/寧波/蛇口/シンガポール/ポートサイド/イス タンブール/イリチェフスク/コンスタンツァ/シンガポ ール/上海 ロシア向けのゲートウェーの1つとして重 の取り組みとなっている。アライアンス提 10年から11年が中心だ。一方、PILは内 2226∼2824TEU型×7隻 要性が増しているイリチェフスクに寄港し 携による取り組みは、まずは東西航路を 訳は不明なものの、現時点で30隻・約9.7 4252TEU型×5隻 厦門/塩田/香港/高雄/ロングビーチ/オークラン ド/厦門 ている点も特徴の1つだ。 はじめ遠洋航路の進出・強化がファース 万TEUの発注残を有している。 イスタンブールやコンスタンツァに加え、 トステップとなりそうだ。 (小堺祐樹) CARGO APRIL 2008 45