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パブリックドメイン増進法を考える
岡山大学大 学 院祉会文化科牛研究科紅要第31 号 ( 2 01 13) パブ リック ドメイン増進法 を考える A Pr opos alf or Publ i cDomal nEnha ncementAct "l nJapan 田 中 宏 和 TANAKA,Hi r okazu は じめに 1 バブ リ ノク ドメインの利用促進方策の前校 -3つの解決すべ き問題- 2 政策論で もって解決すべ き課題の整理 a) E l 本における著作権保護期 間延長間堪 b)並方式主我 と登鋳制の問題 C)パブ リック ドメインの利用促進 3 それぞれの問題 に対する解決策の ヒン ト a)著作権保護期間問題の考案 と提案する解決法 ∼Pu b l l CDo ma l nEn h a n c e me ntAc t ∼ b)Pu b l 】 cDo ma l nEn h a n c e me n tAc t を機能 させ るに必要な もの C)パブ リック ドメインの意義 4 パブ リック ドメイ ン噌進法の提案 おわ りに はじめに 著作権法の世界において、パブ リック ドメインとは主 として著作権保護期間が満了 した状態の著作 物 をい う。 これ らのパブ リック ドメインとなった著作物 は、これ まで ● 人類社会の文化の発展に寄与 する● -とい う意義があ るもの と して存在 して きた。保護期 間 とい う形で著作者の著作物に対する独 占 的権利の及ぶ期 間を区切 り、保護期 間満了後 は公衆の 自由な利用の下に置 くことが、人規の文化の発 展的な継承において必要だ と考 え られた結果である。 ところが、' . 文化の発展'とい う崇高 な E l 的のために存在す るに もかかわ らず、 国はこれまでパブ リ ノ ク ドメインに対 して、樵極的に政策的 アプローチを施す ことはなか った。著作権 法 とい うものが、そ 条にある ように 「文化の発展 に寄与する」 ことが E l 的の法律だ と考 える とすれば、その E I 的 を一 のl にするパブ リック ドメインを取 り込 んだ形での政策論が存在 Lて もまった く不 思議ではない。 確かに、 パブ リ ック ドメインとい う言秦の響 きには、国の影響 を受けていない状態その ものを指す意味合い も感 じ取れな くは無い。 しか し、文化の発展に寄与する E l 的に合致するのであれば、それは 61 パブリックドメイン増進法を考える E 】 ] r f I 宏和 政策対象 となって も良い存在 なのではなか ろうか.おそ ら く、パブ リック ドメインは、 " 著作権 とい う私的独 占権の対 の存在■ ■と して、政策的役割 を果たす可能性 を多分に秘めている。 一方で、現実的 な間謁 として、著作権法上のパブ リ ック ドメインには、多種多様 な課題が付随 して いることも理解 されつつあるO( 卦 1 著作権保護期間延長問題 は、著作物 をパブ リ ノク ドメインとし て公衆の 自由な利用 の下 に置 くことが文化の発展的継承 に青森があるとい う反面 、著作権保護期間満 了の瀬戸際 を迎 えて もなお、高い商業価値が持続する著作物の保護期 間を、法定の保護期間の満了 と い う形で強制的に打 ち切 ることに もなるという悩 ましい問題であるD E ]本においでは、著作権保護期 間を死後5 0 年か ら7 0年へ と延ばす ことが談論 されているが 、延長賛成論者 と反対論者が真 っ向か ら対 立 してお り、解決の糸口が見つか らない状態 に陥っている。 また、著作物が創作 された段階か ら何 ら かの方式の履行 を要 しないで著作権 を発生 させる⑧ " 触方式主義'については、著作権法上の保護が あるものか どうか を知 る上で必要 となる著作者の確認や権利放棄の有加の確認が困難になる とい う意 味で、パブ リック ドメインと関わる問題が発生 している。 ここでは無方式主義 に対す る 登録 制…の 導入 という視 貴が課題 となる。加 えて、( 8著作椎 に よる独 占権が な くなった " パブ リ ック ドメイン' を広 く利用することにつ き、 との ような促進 を回るが とい う根本的な課韻 も存在す るO 以上の ことを考 える と、パ ブ リ ック ドメインの政策的な利用について、検討す る意銘があるもの と 凍 えで も良 いので はなかろ うかO近年、 日本で も、平成20年 1 0月 1E lの r 文化審訊会著作権分科会 過去の著作物等の保護 と利用 に関す る小委員会 中間整理」 において、「公有 による文化創造サ イクル への影響の観点」か ら、 ( 1) ` パブ1 )yク ドメイン化 による利用の促進" 千 ( 2) パ ブ 1 )ノク ドメイ ン化 に よる再台I J 道の促進 とい った項 目が設け られ■ 、保護期 間延長 とパブ 1 )ノク ドメイン化の促進 を天秤 にかけつつ も、「パ ブ リ ック ドメ インとす るこ とに よ り、( 》利用の拡大 、②利用方法の革新, ③再創造、④取引数用の削減の 4つの効果があ る。 2」 ことや 「 ネ ノトワ- ク化の下で一億線 クリエ夕- と言われる中で、 カハ 一作 品、アナサース トー リーな どの再創造作品が生 じやす くなってお り、 ネッ トワーク化の下では、パブ リック ドメインの意義が高 まっている。 3 」 なとの " パブ リ ック ドメイ ンな らではの利用 メ リッ ト や ● パ̀ブ リック ドメインの存在意義" を説 く悪兄が多数示 されているO そ こで本稿では、上記( み∼⑥ と して掲けた問題 を検討 した後 に、これ らを解決する道の一つ として 米国における ● ● publ l CDomal nEnhancementAct ' '法案 を参考 に し、 パブ リ ック ドメインの利用促 進方策 を独 自に構成 検討 してい きたいO併せて、閉塞感のある著作権保護期 間延長問題の解決策 としての一石を投ず ることを 目指 したい と考 える。 1 文化審喜 薙会著作権分科会過去の著作物等の保言 責と利用に関する小委員会 r 文化審課金著作権分科会 過去の著作 物等の保護 と利用に関する小委月会 中T t T l 整理j 平 砿2 0年1 0月 1日 ht t p//ww\ Vbun kagoJ p / C ho s a ku ke n / 2 01 0年1 0月2 9日アクセス)8 8 1 91 貫参昭。 S ) ng l ka l / bunka ka l /2 6 /I nd exht ml( 2 文化審書 耗会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する′ ト委員会 前掲任 1)88頁. 3 文化審喜 苑会著作権分科会過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会 前掲旺 1)89頁。 6 2 岡山大学大t l ' 一 院制二 台文化科学研究科紀要第3 1 号 ( 2 01 I3) 1 バ フリック ドメインの利用促進方策 ∼三つの解決すべ き問題∼ バ ブ リ ノク ドメイ ンの利用促進方策 を考 える場合、その第-の課題は、 著作権保護期 間 を延長す ること'に関する ものである。 この著作権保護期間の問題 に関 しては、パブ リック ドメインの成否の 際 を決定付 ける軍資であることか ら、著作権保護期間の問題の解決 を図ることは " バプリック ドメイ ンを利用促進方策M を説 く上で不可避の問題 となろうO 第二の課題 は、ベルヌ条約上の ▲ 無方式主兼 2) に掲げ に係 る問題点であ る。ベ ルヌ条約 5粂 ( 7 粂 2項 で 「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行 を られ、 E l 本の著作権法で も1 も要 しない。」 と規定 されている ' 無方式主護p は、著作者の創作時 における保護の観点か らは合理 的であるが、創作 後における著作物 の保護の観点か らは相 当に問題 を学 んでいる。 " 権利の享有のた めに著作 ( 権)者 は何 もしな くていい- とい う原則は、作品創作後か ら日を追 うごとに著作権者の推 Or phanWorks ) J Mの間掛 二直結 してお り、これに 定が難 しくなってい く " オル フアン ・ワークス ( ついては棟 / Yな立法的解決 一 無方式主義 に反する形 での登録制導入 も含めて - が談論 されてい る5。 叔 後に、第三一 占日として解決 を図 るべ き課渇 は バ ブ リ ノク ドメイ ンとい う状態 いて、 どの ような促進 をE g I るか 領域の利用につ とい うことである。 ライセ ンスなどによる自由な利用 と比較 して、 著作稚法上の保護が な くなったパブ リック ドメイ ンによる自由な利用 は、二次創作 などの様 々なイ ン セ ンティブを引 き出す環境 と して有意であるのか どうか を確認する。 もちろん、著作者が著作柵 を自 ら放棄す ることで、 自己の著作物 をパブ リック ドメインとす る税種的な行為について も検討 を したいO 以上、本稲ではこの三つの課題 を解決すべ き間週 と設定 し、以下 において概観することにする。 2 バ フリ ノク ドメイン利用 に関わる解決すべ き課題の整理 a)日本における著作権保護期間延長問題 第-の課題 として, 日本における著作権保護期間延長に関わる論争の沿革か ら話 を始めたい。 E l 本 がベルヌ粂約に加盟 し、著作権保護期間を備 えたのは 1 8 9 9年の ことであるが、その当時か ら今 日にお 961 年か ら いて、大幅な著作権保護期 間延長 を目指 したのは二度 しかない ことが認め られる。一つは 1 1 9 7 0年の間の数回に分けて、著作権保護期 間をそれ までの作者の死 後30年か ら作者の死後50年へ と延 C O4 年の著作 長 し、映画の著作物の保護期 間な どについて も公表後5 0年 とした時である。 もう一つは2 0年へ と延長 した時である。そ 権法改正 で行われた、映画著作物の保護期間を公表後5 0年か ら公表後7 して.この映画著作物の保護期 間延長 と連動する形で、現在進行 中の談論 として、一般著作物につい 0 年への延長 を目指す ものがある。 ての著作権保護期 間を著作者の死後7 4 この他に、著作者不明の著啓を指して オルフアン 7'7クス ( Or pha nt xK ) k s )ー の問題という呼称もある。 5 林絃一郎 「 デシ ' タルはベl レヌを越える 血方式から自己登録へ」( 2 07 年)ht t p//t hl nk c op yT l ght . or g/Ha ya s hl r e g l S t r a t l OnP df( 2 01 0年1 2月2 2E ]アクセス)参照。 6 3 バブ1 )ノクドメイン増進法を考える 田l l J 宏和 <1961- 1970年間 の著作権保 護期間論争 > 国会審講の談事 録 を見 る限 り、ベ ルヌ条約 プ ラ ッセ ル規 定 に基準 を合 わせ る ことを 目標 に、現行著 作権 法の制定 を 目指 した昭和 36年 か ら著作権保護期 間延長論争 は始 まってい るr ' o 昭和3 6年 1 0月27日 に行 われ た第39回国会 衆訊院文教委員会 では、委員会理事 であ った山中吾朗 よ り国際条約重視 と著作 者保護 の観点か ら 「 現在 日本 の著作権保護 は、国際的水準 か ら非常 にお くれてお る とい うことが常識 にな って お ります。 <中略 > 現在 の著作権 法 は、 その稚 者 の死 後30年 だけが保護期 間にな っ てお ります けれ ども、 これは国際条約 その他 の関係か らい って も、 L L r 界 の趨勢が死後50年 、これ は当 然 で あ る とい うこ とが いわれ てお ります。 この点 につ いての政市 の御意 見 を承 りたい7 」 との質問が 出 され 、文部省大 臣官房長であ った天城勲が 「 著作権 の保護期 間の問題 で ござい ます けれ ども、現行 法 で は著作者 の生存期 間及びその死後30年 とい うこ とに なってお りま して、 <中略 > 著作者 の死後50年 の保護期 間に改正 す る とい うこ とが談題 に上 ってお ります ことは私 も承 知 いた してお りま す. ただ著作権 の保護期 間につ きま して は、原則 として著作 晶の問題 で ご ざい ますが 、そのほか写真 の著作 権 、翻訳 の著作権 、これ は現行 法では保護期 間が1 0年 にな ってお りますが 、 こ うい う他に関連 す る保護 期 間の問題 もこざい ま して、御指摘 の ような世 界の状 況 もあ りますので、あわせて検討 いた したいS 」 と してい る。 その 後、 この談論 は旧著作権 法の全 面改正 へ と向 けた談論 に発 展 し、その経過措 置巧 のため に昭和 37年 の暫定措置 に よって原則 的保 護期 間の死後30年 の規定 を33年 に延 ば した ことをは じめ、昭和40年 に死 後35年 、昭和42年 に死後37年 、昭和44年 に死 後38年 、 とい う計 4回の暫定延長 を挟 む ことで 、昭 和45年 4月に ようや く現在の著作 者 の死 後50年 の規定 とな った。 この著作権保 護期 間延長 につ いて特徴 的 なの は、現 行著作権 法制定 とい う作業 を行 ったが故 に8 年 とい う歳 月 を要 したが、保護期 間に関 しては " 延長あ りき' で制定作業 が進め られた ことであるo プ ラ ッセ ル規定 に加盟す る とい う大 きな 目標 があ った こ ともあ るが 、昭和40年 の段 階で、「 延 長 中の著 作権 が消滅 す る ことの ない ように、その ときはその ときでの事 情 を考慮 いた しま して何 らかの措 置 を とる必要 があ るの で はなか ろ うがo 」 と、当時の文部大 臣であ る愛知挟 -か ら答弁 があった こ とか ら 6 1 9 4 5年に終城 を迎えた日本では、1 9 4 8年に採択 されたベル・ ヌ灸的フラ ノセル規定に加盟することを目標とした 著作権保護糊F 叩延長論が展開されていた.実際に、当時の大臣官房長である天城勲が 「 現在著作権に関 します 国際条約にはフラ ノセル , 規定がございまして.プラ ノセル, 規定によりますれば、死後五十年ということに相な るわけでございますが、ちょうど前の大戦の過程で.このプラ ンセル規定の灸約の際に日本は招待されてお り ませんで、その縁もこのプラ ノセル集約に加盟いたしておらない串情がございます.」と述べているように ( 第 3 9回国会雅言 来院文教委員会譲録第1 0号 ( 昭和3 6年1 0月2 7E l ) 9貢)、日本はプラ ノセル規定が作られた1 9 4 8年当 時はまだ国際社会に複帰 しておらず、条約に参加できていなかった実情がある0 7 第3 9回B] 会衆講院文教安貞会議録第1 0 号 前掲注6)9頁。 8 第3 9匝I B] 会衆謙院文数委月全書 托録第1 0 号 前掲任6) 91 1 0頁。 9 加戸守行 r 著作権法逐粂講轟 五訂新版J( 著作権情報センター 2 0 C 6年)3 3 2 頁o l O 第4 8回国会衆喜 薙院文数委月余演緑第2 0 号 ( 昭和4 0年5月1 2E i )3頁。 6L l 岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要常3 1 号( 2 01 13 ) も、早期 の段 階で保護期 間の延長が行 われ る大勢 だったこ とが 見て取 れ よう1 。 <日本 における現代の著作権保 護期間延長論争 > 映画 の著作物保護期 間について 、2 C K 的年 に ▲ 公表後 5 0年Mか ら " 公表 後7 0年' 1へ と延長 された経緯 は存在 す るが Z 、それ以外 の一般著作 物 の保諏糊 r 削 こついて も今 日で は大 きな課題 となっている。 現在 、日本が その著作権保護期 間 を作者 の " 死後 5 0年' か ら 死後 70年' ■へ と延長 したい理 由は、 様々 な著作 者 団体 か らの要求が あ る他 に、 " 国際的ハーモ ナ イゼー シ ョン' 'とい う考 え方 に重 きを泣 いて い る こ とにあ る。 これ は 、1 99 3年 1 0月の 「著作椎 と著作 隣接 権 の保 誰期 間 に関す るデ ィ レクテ ィブ ( Councl lDl r e Ct ) Ve93 / 98 /EECof2 9Oct ober1 99 3har monl zL ngt het er m ofpr ot e ct 1 0 nOfc opyr ] ght a L l dcer l al nr el at edr l ght s ) 」 に対応 す る形 で ヨー ロッパ各賃が 自El 法 における著作権保護期 間 を作者 の死 後 7 0年 へ と延 長す る中 、1 9 98年 には 7 メ リカ も著作権保 護期 間延 長 法 ( Sor L nyBon oCopyr l ht g 3 、 ロシアも2 C X h年 に遡 及効 な しで著作権保護期間 を7 0年 に Ter m Ext e ns L OnAct'CTEA) を制定 し1 延 ば した背景 か ら、 日本 も国際協 調 をk g I るため に保護期 間 を5 0年か ら7 0年 に延 ばす必要があ るl J ので はないか とす る訊論 であ る。実際 に, こ うい った国際状況 を受 けて か 、1 999年 の 1 2月公表の 「著作権 審議会 第 1小委員会審訊の まとめ■ 5 」 ですで に著作権保護期 間延長 の検討 を行 ってお り、現在 まで相 当な回数の ' 著作権保護期 間延 長'へ の検討が行 われている。 しか し、今 回の著作権保護期 間延長 の放論 に関 して は、前述 した 1 961 年 ∼1 9 70年 までの著作権保護 期 間延 長論 と比較 して 、保護期 間延長への反対論が根強 い ことも託み耽 れ る。 この反対論の急先鉢 と して あ るのが ◆ ▲ 著作権 保諏期 間の延 長 問題 を考 える フ ォー ラム ( t h】 nkC)1r ' と呼 ばれ る組紙 で 、同 組織 は現役 の作家 やア-テ イス ト、学者 、弁護士 な どで組鼓 され、悪 見怨 な どの手投 に よって政府 に 1 1 但 し、この著作権保護期間延長についてはず成する者ばかりだったわけではなく、笹森l 行 違のように 「これは l 本が3 0年あるいは3 3年.それ以 国際条約ですから、そのきまったことに従うのは当然の志です。ところが、E 0 上 日本の国が長 くしてこれを保護する必要はない。日本のものが3 0年あるいは3 3年であるならば.向こうの5 年保護の法律をヨーロッパのある国が持っておっても5 0年保護する必要はない。これは条約なんです。つまり その国の国内法を尊韮 して、その国内法によってのみ条約が生 きているのですから、どうもいまの括だけでは 不1 荷足なんで <中略> そういう考えであるということだけは承知 して、必ず しもそれで私は納得して 8回国会参害 燕院文教委月会言 集録第 6号 ( 昭和L I 0 年 3月1 1日) おらぬということだけは申し添えておきます。 」( 第4 5頁)と.かなり明硝な姿勢でもって著作権保護糊1 1 り延長に拒否感を示す者も存在 していた。また.典型的な u l だけではなく.写共や映画、夢 三 浦といったものの保護相川l l にr Wしては拭論が紛糾 してお り、 著作物の保護抑r 必ず しも当時の著作権保護朋F Z F l 延長が平穏に行われたわけではないC 1 2 拙稲 「 Pu b l L CDo maL nの著作物を利用することのリスク - 「シェーン」すり牛とチャ yプリン邸件の比較から分 0 号 ( 2 01 0 年)参照。 かること-」岡山大学大学院社会文化科学研妃科紀要 第3 1 3 この法律は、通常の著作物ないし職務著作物の保言 垂朋F L F F を更に2 0 年州延長することを目的にしていた。 1 4 甲野正道 r著作権行政をめぐる最新の動向について」コt = ライ ト2 ( X旭年 9月号 ( 2 0 0 6年)1 8 一 】 9 頁。 会 r 著作梅香識会第 1′ ト委BL 会審議のまとめ」平成 1 1 年1 2月 h t t p ノ/ wwwc r l CO r J P / 1 5 著作権審講会第 1小委BL h o u k o k u / hl l 」2 a / hl l _1 2 a ー mal n . ht mJ H3( 著作権情報センタ-ウェブサイ ト) ( 2 01 0 年 9月9E l アクセス) 。 t h l n k C)ウェブサイ トh t t p ノ/ t h l n k c o p yr 】 ht g o r g / l n d e . T ( h t mt 1 6 著作権保護期間の延長間苛を考えるフォーラム ( ( 2 01 0 年 9月 9日7ク七ス)参E g。 6 5 バブリノクドメイン増進法を考える l I 沖 宏和 積極 的 な意 見表 明 を して いるt 7 。 また、 これ に関連 して 、パ ブ リ ノク ドメイ ンとなった著作物利用 に 関 して非常 に影響力 が ある " 青 空文庫 ' 'も、著作 物 の利用が現行 よ りも制 限 され る ことになるため、 著作権保 護期 間延 長反対 のキ ャ ンペ ー ンを打 ち出 し、署名活動 を行 うな どの積極 的 な反対姿勢 を示 し てお りは, この政策 的課題 の解 決 は杜 しい状 況 にあ る。 b) 無方式主義 と登言責制 の問題 第二 の課題 は、著作権 者が著作 物 をパ ブ リック ドメイ ンの状態 に しようとす る こ とを考 える際、一 番の ネ ノク となるベ ルヌ条約上 の無方式主義の原則 についてであ る. -つの問題 と して挙 げ られるの は、 ● ' 無方 式' 'であ るが故 に、権 利取 得後 の著作権 者 の推 定 を困難 にす る とい うこ とであ るo また、 もう一 つの問題 と して 、著作権 に よる保護 を望 まない者 に も,自動 的 に 創作物 が著作物 になる瞬 間 ■ か ら著作権 法上 の保護が施 されて しまう点 も挙 げ られ るO結果 、その保護 か ら抜 け出 しパ ブ リック ド メイ ンの状 態 にす るには、` ● 作 者 の死 後5 0 年 間' 'とい う基本 的 なパ ブ リック ドメイ ンの要件 を満たす まで待つ か 、著作権者 自 らが 一̀ 著作権 の放棄' 'を行 ってそれ を大衆 に周知 す る しか ない。 だが 、 誰̀が著作権 者 が 'とい うこ とや ■ 著作権 を放棄 した ■とい うこ とを著作物利用者 に公示す る方 法 とは、著作 物 の権利処理 を明 らか にす る登録制 を導入す る以外 に との よ うな ものが考 え られ る だ ろ うが 9.登録 制 とい うもの は、現 行 のベ ルヌ条約 の解釈 にお いて、著作 権 の成立要件 と しての権 能 を備 えた場合 に、ベ ルヌ条約 上 の無方式王尭原則 と乗離 をす るシステ ム となるが ,同機能 を備 えな い登緑 制度 であれ ば、ベ ルヌ条約 に反 しない形 で十分 に導入可 能 な もの もある と考 え られる∼. しか しなが ら、登録制 を導 入す る とい った際 に、最 も重要 な問題 となるのはその コス トであ るo E l 本 の デ ジ タ ル コ ン テ ン ノ政 策 に つ い て、 様 々 な 調 査 や 提 言 を 行 っ て い る DCAJ ( DI G工 TAL CONTENT ASSOCI ATI ON ofJAPAN、( 醐デ ジ タル コ ンテ ン ツ協 会 ) が 号E 5 1 1 行 す る DCAJNews No1 29の 「アメ リカの著作権登 録 シス テ ム を探 る2 [ 」 とい う レポー トに よる と、GDPの 5%をコ ンテ ンツ蓬莱 が 占め るア メ リカの著 作権 産業 を支 え る著作権 登録 シス テ ムは、 コ ピー ライ ト ・オフ ィス 1 7t hmk Cの報告によると、 「 2 0 07 年度文化審≡ 詫会内に設散された「 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」 でのヒアリン' / ' でも、延長に対する危供や懸念は延長を求める想見を大 きく上回」ったと述へられており ( 普 作権保護期州の延長間A E L を考えるフォーラム ( t hl nk C)ウェブサイト前掲技1 6)新怒情報 ( 2 01 0 / 0 2 / 0 9 )( 2 01 0 年9月9E lアクセス) ) 、この組織が著作権保護期間延長の反対論者としては相当な影響力を持っていることが読 み取i l . る. , t p/ /wWwa o z o r agr l p / ユ 8 育空文E F 三ウェブサイ ト 「 著作権保護期間の延長を行わないよう求める請願署名」ht 2日アクセス) 。 s h omel /( 2 01 0年1 0月1 1 9 拙稿、「 著作権の放棄制度についての一考察」岡山大学大学院社会文化科学科紀巽 第3 0 号 ( 2 0 0 9年)参照0 2 0 世界知的所有傑r 娼( WI PO)著 著作権情報センター訳 r WT POが管理する著作権及び隣接権諸条約の解説並 1 7 J 1 9貫。 びに著作権及び隣接権用語解説」( 著作権情報センター 2 0 0 7 年)L 2 1 財El 法人 デジタルコンテンy協会 ( DCAJ )「アメリカの著作権登録システムを探る」DCAJNe WsNo1 2 9( 2 0 07 年 1月号)h〔 t p/ /wwwdc a ) or g′ d ca LneWS / no1 2 9 / or e po r t / ar t 】 c l e Olht ml( 2 01 0年 9月1 0E 1 7ク七ス)参蛸0 6 6 岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要第31 号 ( 2 01 13) ( Uscopyrl h tOf g f l Ce) 2 2を中心 に、「 利 用者側 の視 点で コ ンテ ン ツの真正性 ( 私が著者で あ り、著作 物 は これです) を主張 す る当 た り前 の仕組 み と して運用 され、年 間約6 0 万件 、ほ とん とすべての商業 コ ンテ ンツや個 人作 品の多 くが登録 されて いる。 2 3 」 と説 明 され るO だが 、「コ ピー ライ ト オフオス は読会 図番真 名へ の著作 物 の義務 的納付 剛度や郊外倉庫 での保 管機 能 とリンク し、500名以上が働 く巨 大組織 となって い る。 2 1 J と述べ られてい る こ とか らも分 か る ように、一旦 、米 国 と同 じレベ ルでの 登録 剛 を 日本 の著作権政策の 中に取 り込 んで しまえば、その人件数 も含めて相 当 コス ト高 なシステム となって しまうこ とも否 めないだろ う. そ こで再 度 、 これ ら撫方式主義の欠点の一つ を補 う登録 制 とい うものが本 当 に必要 なのか どうか を 検討 して、 この システ ムの導入 につ いて談論 を行 う必 要が あ るO この点 につ いて は、後掲 す る本稿 3 b)で具体 的 な検討 をす る こととしたい。 C)パ ブ リック ドメインの利用促進 第三 と して、パ ブ リ ック ドメイ ン ー つ ま り、著作権 法の保護期 間が満了す るか、著作権が放棄 さ れた著作物 を広 く利用す る ことについて 、 どの ような促 進 を図 るか とい う課題 を考 える必笑がある。 実際 、 誰 もが 自由に撫制 で使 える もの とい うパ ブ リック ドメイ ンとい う言葉 の響 きは、ク リエ イター や利用者 か ら見 て も魅力的 に映 るの は間違 い ない。実l : / 削 二、1980年代以降 の コ ンビュ- 夕界において は H publ l CDomaL n( バ ブ リ ノク ドメ イン)' 'とい う語 が頻繁 に用 い られて いた撞蹄 もある。 マーク クー クが 「コ ンピュー タ メー カーは、販売 した システム を動 かすの に必要 なソフ トウェ ア を顧 客 に供給 し、 顧客 は 自分 の好 きな よ うに 自由 にソフ トウェア を帽正 して いた。 また、当時のマー ケ ッ トにおいてず ば抜 けて大 きな消貿者であ った米 国政府 は.オープ ンな標準 を抹 唱 し.独 占的 な ( プ ロプ ライエ タ 1 )な)事業 が発達す るの を桔梗 的 に妨 げていた2 5 」 と説 明す る ように、かつて米凱 二お いて コ ンピュー ター ソフ トウェアはそのほ とん どが無料 で 自由である とい う認識があ った。 しか し 2 2 権利としての著作権を登録する横関であるだけでなく.著作権料の徴収についての契約条項を含t Jライセンス についても管理を行っている機関。言 発会に米国著作権法上の改正について勧告 し.立法案や立法レポー トの草 案作成の役割 も担っている。 また、言 耗会のための研究機関でもあ り、国務省、米国通商代表と連動 して活動す ることもある ( USCo pyr 】 ghtOf f i c eHpUnL t e dSt a t e sCo pyr 】 ghtOf f J C eA Bl l e fl nt r o du c [ 1 0na ndH) s t or yRo l eoft heCo pyr l ghtOt i l c e hlt p/ /WWWc o pynghtgo v/ c l l C S / C l r Cl aht ml( 2 01 0 年1 0月2 9日アクセス) ) 。 2 3 財E Z ] 法人 デジタJ レコンテンツ協会 ( DCAJ)前 掲 圧)21 【 米国の著作権登録剛度概要】( 2 0ユ 0 年 9月1 0E け ク 七ス) a 2 4 財E i 怯 人 デジタル, コンテンノ協会 ( DCAJ)前 掲 圧)21 【 米国の著作権登録剛度概要】( 2 01 0 年 9月1 0日アク 0 セス) 2 5 Mar kKo ek著 ASHマルチメディア研究全訳 「71 )-ソフ トr ' /エ7のライセ ンス」( ライ7 1 1 ' ン大学修士論文) 】 日程 Ll nu エ( 1 9 9 9)ht t p/ / 1 】 nuxnl kke l bpc oj P/ c o l umn / < l S h/ l l C e nS e /Fr e eLL C enS eht m ( 2 05年 3月 6日アクセス) a バプリ/クドメイン増進法を考える r n中宏和 984年 に起 こった AT&Tベ ル研 究所 分割 に端 を発す る UNI X有刺 化3 3 に よって、政府公認 ア メ リカで 1 の `自由" な環境 に慣 れ親 しんで いた研 究者や コ ンピュー タ マニ アたちは困惑 す る ことになるD この ような UNI X問題 に対抗 しようとしたのか 、多 くの研究者や コ ンピュー タ ・マニア達 は 「ソフ トウェアは無料 で 自由 に使 える もの」 とい う価値観 を守 ろ う と、 " pL l bl l CDomal nSof t war e( PDS)I とい う概念 を生 み 出 した。著作権 法上 のパ ブ リ ック ドメイ ンに ソフ トウェアを置 く行為 を推奨す る運 動 を展 開す る こ とに よって、「ソフ トウェアは無料 で 自由に使 える もの」 とい う価値観 を守 ろ うと し たのであ る。 この Publ I cDomal nSof t war eとい う概 念 は 瞬 く間 に世 界 を席 巻 したD 日本 の 国 産 OSで あ る TRON打を作 った東京 大学 の坂村健 も、1 987年 に発刊 された TRONに関す る 自著 で 「ほ とん どすべ て の情報 はパ ブ リ ック ドメイ ンと して全世 界 に公 開 され る予定 であ る出」 と述べ て いる ことか ら考 え て も、 当 時 の Publ l CDomal nSof t war eに対 す る期 待 が 伝 わ って くる2 ㌔ と こ ろが 、残 念 な こ とに Publ l CDomal nSof t war eとい う概 念 は厳密 な普味 でのパ ブ リック ドメイ ンを希 求 している ものは少 な く、実際 に Publ l CDor nal nSof t war eの ク リエ イ タ- らの 一 書r i に は、 ソフ トウェア をパ ブ リ ック ドメ イ ンに置 くと自 らの持 つ著作権 が完全 に消失す る こ とを理耶 していなか った者 もいた。結 局、 この よ うな状 況下 に よって明 らか になったの は、著作者 が 「 Publ l CDomal l lと して 自由 に利 用 して よい」 と 表明す れば ' ' 誰 もが 自由 に利 用す る ことが で き、更 にそれ を利用 して創作 され た新 たな著作物 も自ら 自由 な利用 に供 し,他 人 に利 用 させ る こ とが で きる よ うにな る" とす る Publ L CDomal nSof t war e創 設 当初 の考 え方 へ の理解不足 か らPubl ) cDomal nSof t war eとい う単語 だ けが独 り歩 きをす る状況 で あ り、時が経 つ につれ PL l bl l CDomal nSof t war eは開発 されな くなってい る3 0 。 しか し、だか らと言 って、「如= 判 で 自由 に使 って欲 しい」 と、パ ブ リ ノク ドメイ ンの状態 に 自らの 2 6 UNI Xは1 9 7 0年代初頭に完放したOSの一種であるが、「 AT&Tベル研究所で開発された UNI Xは当初商品では なかったO独占禁止法によって、巨大な通信会社である AT&Tはコンピュータ業界に参入することを禁止さ Xを商品として売ることができず、世界中の大草や研究所にほとんど姫科 れていたのである。そのため、UNI 9 84 で配 られた。 ノースコー ドも、改良に協力 して くれそうな/ /ループと共有 していたo Lか し、AT&Tは1 年の分割によってコンビュ-夕業界に参入をE , 7 L ' められた頃から、UNI Xの商用版のF 3 t l発とライセンソン' /に力 Xの著作権が AT&Tにあるために,以前 UNI X開発に協力した大草や を入れるようになる。 く中略 > UNI 立川 研究' /ループは、自分達が協力 して作った OSにライセンス料を払わなければならなくなってしまった」( 新潮社 2 0 0 0年)2 91 貢)とい 隆/南谷 崇/橋本毅彦/児玉文雄/安E E l浩/立川隆ゼミ r 新世紀デジタル試薬l ( う歴史を持つ。 t e m Nuc l e usの略。「制御用のマイクロプロセ ッサーから汎用掛 二至る共通の標 2 7 TheRe a lt i meOper a t i ngSys OS)をE ]指 して、硬京大学の坂村怪氏が主唱 して.E l 本電子工業振興協会、 準的オペ レーティングシステム ( その他日本のマイクロプロセ ノサーのメ-カ-の支接により開発が進められている。」(日本コンピュータ用語 0 01 年)1 3 81 頁) a 辞典霜礁委月会婿 r 和英コンピュータ用語大辞典 節 3版」(日外アソシエーツ 2 2 8 坂村健 r TRONを創るJ( 共立出版株式会社 1 9 8 7年)11頁. 2 9 この TRONというOSに関わる坂村鯉の、ある吾味反利益行為ととれる行動の源泉については、坂村健 r ユビ 太陽企画出版 2 0 04 年)1 1 2 1 1 5貢参相。 キタス社会は じまる一 すへてのモノにコンビュ- 夕をj( 3 0 現在ではPu bl L CDoma l nSof t War eという語に代わって.Fr e eSof hvar eという語がよく使われているが、この Fr e eSo f t war eという言熊の意味を巡っても● 何が Fr e eなのか として、コンビ ' ユータ界では様/ 1な試論があるO 6 8 阿川J 大学大学院社会文化科E l J 研究科紀要第3 ユ 号 ( 2 01 13 ) 創作物 を置 くとい う需要が完全 に消失 したわけで はない。 それ ところか現在の 日本 においては、 コ ン ピュー タ界 に限 らず 、他 の分野 の著作物 で も ◆ ● パ ブ リック ドメイ ン' 'とい う領域 に、 自らの創作 した 著作物 を置 くとい う需要 や イ ンセ ンテ ィフは確実 に存在 しているのであ る 3】。 3 それぞれの問題 に対 す る解決策 の ヒン ト a)著作権保 護期 間問題 の考察 と提案 す る解決法 ∼Publ i CDomal nEnhancementAct ∼ 本稿 2a) に掲 げ る著作権保護期 間延長問題 を解決す る一つ提案 と して 、アメ リカの下 院課員 ゾエ ロフグ レンとジ ョン ドー リ y トル らが アメ リカ読会 に提 出 した Publ L CDomal n EnhancementAct 1 が参 考 に なる と蟹者 は考 えて いる。 この Publ l CDor nal n ( PDEA、パ ブ リ ック ドメイ ン促進 法) 法案3 EnhancementAct法案 は著作 物 の公表 か ら50年後 に、手段 と して 1 ドルの著作 権維持 費の支払 い を 著作者 に薮務付 け、同手段 が とられ ない場合 には、その著作物 は Publ l CDoma】 nになる とい う内容 に なっている ( 頼初 の手段 が取 られた著作物 には 、1 0年毎 に同 じ手段 を課す) 3 3 。 この法案の核 を作 ったの は 、Cr eat i veCommonsの提唱者 であ る ロー レンス ・レッシグであ る。彼 は白曹 " FREECULTURETHENATU】 モEAND FUTUREOFCREATJ VT TY' 'の 中で 「エル ドレ ノ ド判 決 ( El dr edv As hcr of t .537US 1 86} 1 ) で敗訴 した直 後に New Yor kTl meS誌 に掲 載 したアイデ アで 、 まさにエ リ ノク エ ル ドレ ッ ド法 とも呼べ る法案 であ る3 F ' 」 と述べ てお り、 同法案の必要性 を 提唱 しているO 31 例えば、日本吉 吾版のウイキペデイアなどに使用されている画像はパ7' リノク ドメインとして公開されているも 01 0年 9月2 7日の段階で6 45 5件登録されているoまた、これ以外にもCr e at L VeCommo nsが授供す のも多く、2 bl l CDomal n登録システムなどに登録されている著作物なども加味すれば相当数の L 著作権の放棄によっ るPu てバブリノクドメインとなったコンテンy' がE l 本にも存在 しているものと巴われる。 3 2 Co ngr e s sWoma nZo eLof gr e nHPI Re psLof gr e nandDo oI L t t l eAnn o un c et hePubl i cDor na l nEnha n c eme nt Ac tt oAddr e s st h eNe e df orCopyr ht t pノ/ l o f gr e nh ou s ego v/ mde xphp? opt I O n=C Om_ C O nt e nt &〔 a s k-vl eW&1 d =1 0 6 &l t em】 d=9 7( a c c es s edSe pt emberl l2 01 0) 3 3 HR 2 6 01 1 0 8t hCong l ら tSe s s( 62 52 0 0 3)ht t p// wwwpubl L C knowL e dgeor g/pdf / HR2 6 01pdf( . 1 c c e S S e d Sept en l be rユ2 01 0) 3 4 通称 ソニー ポ ノ法 と呼ばれる著作権保護期 間延長法 ( SonnyBon oCo pyr 】 ghtTe r m Ex t e ns l OnAc t u J が延長されたがために、Pu b】 l CDomal nに入ることを予定 してデータベース CTEA)によって著作権保護期r 化 していた著作物が使えなくなったとして、原告であるエ リノク エル ドレノドによって起こされたCTEA の退寮訴訟O合衆国懲法の著作権条項上にある r o rL l ml L e dt l me Sの解釈をめぐって争われ、エル ドレノドb f orL L ml t edt 】 mes )日の は① 「 すでに存在する著作権保護期間の延長は、愈法の著作権条項にある' ' -定期聞 ( 0年の期間延長は幡正 1粂に反する」と王張 し、「たび重なる延長によって、作品が 文言に反し」.( 診「 更なる2 公領城におちる時期は引き延ばされ.一部の著作権者が商柴的利益を得る一方で、ユーザーに謹満的な負担千 使那 牛可を得るという負担を課 し、かえって表現活動が妨げられている」と王張 した.この間掛 二ついて、米 】 m】 t e d十という言兼の意味は、原告が主張するほど厳格な解 国連邦殺満載判所は 「 著作権条項が翠求 している 1 釈をするべきものではない」と判断 し、7対 2で遠藤ではないとの判断を下 した。 3 5 La Wl e nC eLe s s l g FREE CUL' 1 、 と / 尺ETi l e NATURE AND FUTURE OF CREATIVIT,2 L 1 8( PENGUI N BOOKS2 0 04)なお、ここに出て くる記事とは、NewYol kTl me S誌の 2 0 03 年 1月 1 8日記串のことである0 6 9 バブリノクドメイン増進法を考える E 1 1中安和 しか し、 このゾエ ・ロフグ レンの Publ l CDomal nEnha nc e me ntAct 法案 には、疑問 を呈 さずにい られない部分がい くつか存在 しているの もまた事実であるOそれは、事実上の 「 公表後5 0年か らの年 2) に掲 げている柾方式主轟 と 更新制」 を掲 げて しまっていることか ら、第- に、ベルヌ条約 5粂 ( 粂 ( 1 ) は紫低 限の保護期 の整合性の問題 を全 く回避で きていないことである.第二に、ベルヌ条約 7 0年 としてお り、法案 にあるような 「公表後 5 0年」 とい う期間設定 は、ベルヌ条約 と 間を作者の死後5 は整合 していないO レ ノシグらはこの問題提起 に対 し、 この法案が意図 しているのはベ ルヌ条約が禁 t a x)'を課す ことだか ら同条約の原則 とは 止する方式主義的 な ` 手̀続" を課す ことではな く、" 税 ( 矛盾 しない と解 し、米国国内での批判 を回避 しようとした灘。 しか し、筆者か ら見れば、この理解 に は撫理がある と考 えるOつ ま り、ベルヌ条約の払方式主義の原則 は、著作者の権利 を維持す るために t ax) であろ 面倒 な全ての方式 を排 除す る とい う規定であって、それが著作権 を維持するための税 ( f e e/ char ge) であろうが、やは りそれはベルヌ条約が認めていない方式主糞のそれで うが、手数料 ( あることに間違 いはないか らである。結論 として ,Publ l CDo mam Enhanc eme ntAct法案 は、この ままではベルヌ条約 に抵触する と判断せ ざるを得 ないであろう。実r 掛 二、同法案はその後、米B] 下院 に提出はされた ものの採択 には至 っていない。 だが、ベルヌ条約 ブラ ッセル改正会談で も 「 粂釣上 の保護期 間はつねに萩低 限にす ぎないO各国が さらに寛大 さを示す こ とは 自由である3 7 」 と述べ られた ように、ベ ルヌ条約 7粂 ( 6 )が 「同盟国は、 前記の保 護期 間 よ りも長 い保護期 間を許与する株 能 を有す るO」の規定か ら、ベルヌ条約 の血方式主 0年 まで と解釈 し、それ以降の著 義の法的拘束力の範閲 を萩低 限の著作椎保護期間である作者の死後5 作権の存続 についてはベルヌ粂約 の影響力の範囲外で各国が 自由に設定で きる と解す ることは可能で L CDomal nEnha nc eme n〔Act 法案は ある。 この理解 に基づ きベルヌ条約 との整合性 を図るな ら、Publ h 原則著作物の公表後5 0年 か らの適用' 'ではな く、著作権保誰期 間満了後 となる ' 著作者の死後5 0年 よりも後においての適肝 'とはなるが、ベルヌ条約 に反す る もことな く十分に逆用が可能 となる。但 I CDomal n し、 この場 合 の徴 収 す る更 新 手 数 料 の性 質 は ● ◆ 著 作 権 法 に よる もの で は な く、PubL Enha nc eme ntActとい う国内法 に よる もので、与 え られ る保護期 間は著作権法に よるもの と同等で はあるが性質を異 にする もの と宣言する必要 はあろ う。 】 bl 】 cDomaL nEnha nc eme ntAc t法案 は、著 幸 いなことに、上記 の ような帽正 を加 えれば、 この Pt 作椎保護期間延長問題 で論争 となる、一郎の ` 商用 と して息が長いコンテ ン ノ' 'に、多 くの " 名 も如 きコンテ ン ノ ー ただ し、後世の人間が見れば非常に有用であるか もしれない もの - ' 'が引 きず ら れる形 で保護期間が延 び、後者の コンテ ンツをパブ リ ック ドメインとして人々が 目にす る機会 を返 し 3 6 La wr e n c eL e s s l g. Th eEr l CEL dl e dAc tFAQ h t t p/ / WWWL e s s L gO r g / b l o g / a r c h l V e S / EAFAQh t m日a c c e s s e d S e p t e mb e r1 0 . 2 01 0 ) 7 0 記 念 -J( 文化庁 1 96 8年) 1 1 4頁。 附L i J 大学大学院1 1会文化科学研究科紀要第3 1 号( 2 01 13 ) て しまうとい う問題3 8 を もうま く回避するとい う効果 を持つことになる。 要するに、ベ J レヌ条約の法的拘束力の範囲を作者の死後50年に限定 し、その後においてはベルヌ条 約 を推れる形で、著作権の延長希望者 には著作権法以外の別法によって特権的に有償 での更新 を認め ることで、有力なコンテ ンツは更新料 を支払 う限 り保護 され、更新料 が支払われない コンテ ンツは単 にパブ リック ドメイ ンとなるとい う状況が生み出 されることになる。想像の域 を脱 しないが 、Pu b l l C 法案 をベースに した筆者の提案 は、強い著作権保護 を求めるコンテ ンツ薬 Do ma l nEnh a n c e me ntAc t 界の要求 と、パブ リック ドメイ ンの重要性 を説 く詮者 との折衷案になる と考え られるのである。 b)publ l CDomaL nEnbncemen tAc tを機能 させるに必要 なもの それではベルヌ粂約が定める最低限の著作権保護期間である 作者の死後50年 の保護期間満了後 に、有位の更新制で もって著作権保護期間 を延長 させ るとい う修正版の Pu bl l CDo ma l nEnh a nc e me nt Ac tを日本 におけるパブ リック ドメインの利用促進方策 と して用いる場合、 どの ような要素が必要に なるであろ うか.本節ではこの 卓について論 じてみたい。 <登録制の必要性 > 傾正版の PL l b l 】 cDo ma l nEnha nc e me ntAc tを日本で機能 させ ることを考 える場合、第- に必要 と なって くるのは,著作物利用者か ら見て、● ● どの著作物が保 護州間の延長 を申請 しているのか とい うことが即座 に分かる登録制の導入である。何故な ら、この登持 システムの不備 を想定 した場合、利 用者は ■ ● 利用 したい作品に対す る著作権上の保諸州r H 】 が利用者の主観か ら見て満了 していた" として も、" 権利者 に よる保護期 間延長の有無● ●が分か らな くなるか らである。実際 に,パブ リック ドメイ ンではない とを ■ 知 らずに利用 した 、あるいは 〝 パ ブ リック ドメイ ンである と誤信 して利用 した 場合、その リスクは相 当に巨大 な ものになるとい うことは、「シェー ン」事件 ( 最三小判平 1 9 1 2 巻 9号3 4 60頁)、チ ャップ リン事件 ( 長一小判平 2 1・1018 判時2 0 64 号1 2 0頁) を通 じた判例 1 8民塊61 によってすでに明 らかになって いる3 9 。 この点か ら考 えて も、著作権 法の保護期 間 を引 き継 ぐ形 で, Publ l CDo r n a l nEnh a nc e me ntAc t に よって保護期 間 を延長更新す る場合 は、その ことを示 す登録刺 が必要 となるであろ う。 むろん、 この登録 システムは、誰 もが 自由にアクセスで きる必要があること か ら、イ ンターネ ッ トなどを通 じて提供す る必要 もある。 一方で、この登技 システムは、上記 に掲 げた利用のみ な らず、著作権 法による保護期間よ りもさら 3 8 ケンプリュ- マクロ- ド著 田畑晩生訳 r 表現の自由VS知的財産権 一著作権が自由を殺す ' -」 (青土社 2 05年)) 6 貢。同氏は米E] の議論として.「 1 9 2 3 年から4 2 年までに製作された作品のうち、南桑的な価値を持 つものは2%にすぎない。これは、われわれの文化史の大部分が、ごく少数の人々の利益に沿った形で.閉じ 込められ、朽ちるに任されていることを意味する 」と表現 し.保護期糾延長に反対する重要な横松とする。 3 9 拙稲 .7 m掲注 1 2 )参昭。 7 1 バブリノクドメイン増進法を考える E E l 中宏和 に短 い保護期間 を望む権利者か らの ` 著̀作権の放棄' lの登録 に もイ 更えるとい うメ リッ トもある. 現代の著作権保護期 間論争 を概税 した場合 、本稿2a)で も紹介 した " 著作権保護期間の延長問題 を 考 えるフォー ラム ( t hl nkC)'に名 を連ねるアーティス トの中には ` ベ̀ル, ヌ条約 や著作権法が定める 死後50年 という著作権保護期 間 よ りも短 い保護で構 わない `という主張 をする者 もいる。具体例 と し て、同組織 に所属する寮美千子が、平成1 9年 5月1 6日に行 われた著作権分科会 「 過去の著作物等の保 」に捷 出 した 「r 延長 に憤重 な創作者」 とい う立場か ら」 とい う 護 と利用に関する小委員会 ( 第 3回) 意見智が挙げ られ ようO同暫で彼女 は保護期間について、 「 避 された子が 自立すべ き年齢に達するまで、 猶予期 間を見て も2 5年間。それだけの期間、著作権が保護 されれば、子 どもは自立すべ き年齢 に達 し ている.それ以上の不労所得 は明 らかに 「 特権」O現行の保護期 間5 0年 は.すでに充分以上の家族へ 」 と述べて いるO更 に、保護期間延長論者 の保 r 琴であ る。I D 」 と して、「 遺族 の保護 は2 5年間で充がl の側か ら挙が っていた 保護期 間を7 0年 と し、 5 0年 に縮めたい人は登録せ よ"との意 見については、 「 延 長は、万人の利益 に反 して、特定個人の特権的な利益 を追求す る もの05 0年に縮 めたい人は登録せ よ とい うのは間違 っているoその論 であj tば、7 0年 に延 ば したい者が登録すべ きであるが、そ もそ も、 その ような 「 特権」が認め られ ること自体がおか しいo著作権保譜期 間は一律死後2 5年に して、5 0年 L 1 2」 と してお り、見解 としては非′ 削 こ興味深い。 に したい人が登録すべ き。 しか しなが ら、著作椎保誰期 間が死後2 5年で十分である と言 って も、死後50年 とい う期間はベルヌ 条約で ◆ 最低基輝の保護期 間 として決め られているものであるとい うことをここで再度確認する必 要があ るだろうO同氏が 「欧米 の選択 が人類の利益 につ なが る とは限 らない。 <中略 > 文化 の発展にふ さわ しい選択 は何 か よ く考 え、 日本が竿先 して謂国 に示 すべ き0 4 3 」 と主張 し、子の 自立 まで とい う保護期 間死後2 5年論 を展開す る考 えは、乾者 としては分 か らないことではないが、これを 認めると国際著作権条約であ るベ ルヌ条約上の東低 隈の兎務 を反故にするばか りでな く、本稿3 a)で 説明 したオ リジナ ルの Publ l CDomai nEnhanc eme ntAct法案 と同 じ轍 を踏 む こ とになる。や は り、 著作権法上の保護期 間よ りも短 い保護期 間で良いとする主張 を行 う権利者 に対 しては、著作権の放棄 と登録制に基づいた 自由な保言 斐期 間設定 を権利者 自身に行 って もらう必要があ ると考 えられるO 難者が提案す る修正版 Publ l CDomai nEnha nc e mentActとは.著作権保護期 間を死後5 0年 を超 え て延ば したい権利者 に,延長 を登録 させ ることで以 って更新 を認めるシステムであ り、それは金銭の 支払い とい う代伯の上で成 り立つ システムであるO これは、ベ ルヌ条約の触方式主義の原則 を貫徹す る考 え方に立つ ならば、本稿3a)で説明 した過 り、ベルヌ条約 に反す るとい う解釈 もあ りうるが、笹 延長に恨重な創作者」 という立場から」文化庁文化審言 発会著作権分科会 「 過去の著作物等の保護 4 0 寮美千子 「r と利用に関する′ ト委員会 ( 第3回 ) 」配布資料 資料5 4( 2 C O7 年 5月1 6E ])h t t p/ / Ww、 vme x t g oJ p / b r me n u / 2日アクセス)3頁. s h 】 n g l / b u n k a / g l J 1 r O ku / 0 21 / 0 7 0 51 6 2 7 / 0 0 2p df( 2 01 0 年9月1 41 索美千子 前掲任4 0)3頁0 4 2 無実千子 前掲注4 0 )3頁。 4 3 繋美千子 前掲控4 0 )3頁. 7 2 岡l J l 大与! ' 大学院社 会文化科学研究科紀要 第3 1 号 ( 2 0 1 13 ) 者 はベ ルヌ条約 の適用範 囲 を限定解釈 し.修正版 Pubi l CDomaL nEnha nc eme ntActの適用 を作 者 の 0 年 よ りも後に実施す る こ とで、同条約違反の回避 を提案 している。つ ま り、 この解釈 に よj tば 死 後5 " 登緑 ■ とい う方式 に基 づ いた保 護期 間の " 延長更新' が可 能 なの であ り、それが 有依' ●であ る こ とも可能 なの であ る。 それ は保 護期 間延長 反対論者 が指摘 す る よ うに、 u 保護期 間 を経過 して なお商 業価 値 を有す る著作物 の権利 者 ●に与 え られた 特権 H と見 る こ とも可 能であ ろ う。 しか しなが ら. l l CDomal nEnha nc eme ntActに よる特権 的構 成 を採 逆 に、 " ベ ルヌ条約 か ら切 り離 された修正版 Pub る- か らこそ、保護 期 間が延長更新 される著作物 を、食 後は絶対 にバ ブ 1 )yク ドメインになる よ うに 仕向け るこ ともまた可能 なのであ る。 これ につ いて は、例 えば、更新 す るための手数料 を 1年毎 に累進的 に引 き上 げ る制度 とす る こ とが 挙 げ られ る。 この点 につ いて 、 オ リジナルの Pub l l CDoma J nEnha nc ementActにおいては、公表 後 50年 か ら開始 され る1 0年毎 の著作権 維持 を確 認す るための手数料 は単 に 1ドルで あ ったが、 この修正 版 Publ l CDomal nEnha nc ementActは更新初 年の手数料 を 1万 円 と し、 2年 目を 2万 円 、3年 E lを 4万 円 、4年 目を 8万 円 とい うよ うに、延長期 間に対 して累進 的 に値段 を上 げてい くとい う方式 を採 りたい と矩者 は考 えてい るJ l 。 もちろん、様 々な シ ミュ レー シ ョンに基づ いて、延長 期f Z I 】 に対 す る手数料価 額の累進性 をよ り穏 や か に設定す るこ とは可能であ る。 だが 、少 な くとも料 金 を延 長期 間に対 して累進 的 に上 げてい くとい う原則 に稚 すれ ば、「 作 品は万 人が継承 し享受すべ き r 文化 的刑 産Jd著作権保護期 間の延長 は、それ を特 定個 人や 団体 の 「程 済 的特権 」 と して拭い こむ行 剃 こ他 な らない。 4 5 」 とす る著作権延 長反対 論 者 の普兄 も十分 に吸収 してい る こ とになるので はなか ろ うか。 この更新手数料 累進制度に よって 、権 利者 は将来的 には ` 保護期 間延 長 を諦 め る こととな り、「文化 の発 展 に寄与す るこ と」 を 目的 とす る著作権 法 一 引 いて はそれ を実現す るためのパ ブ リック ドメ イ ンの利 用促進 一 に も適合す る方策 となる と思 われ る。 責制 の運営資金確保 とその性 質 > <董主 登録 制実施 におけ る問題 は、それ を機能 させ るための資金 を どこか ら捻 出す るか とい うこ とであ る。 b)で米 国の例 を挙 げた よ うに、著作 権 の公示 制 度 を横 有巨させ る登録 制 を実施す るに は、 シ 本 稿2 ステム を構 築す るための美大 な資金 と.シス テムを維持 す るための莫大 な人件費がかかる。 それ は " 米 国の コ と ' - ライ ト オフ オス は5 ( 刀名 以上が働 く巨大租総 と説 明 され る点か らも分 かることであ ろ う。 t cDomal nEnha nc eme ntAct 法案 は, この コ ピー ライ ト オ フィスの存在 を 米 国で唱 え られた Publ 4 4 この計掛 こよると、例えば保護期R L ) を1 0年延ばした段階で 1年延ばすのに逆・ 要な金領は51 2 万円となり.1 1 年 目に至っては1 02 4 万円に連する。そ して、作者の死後7 0 年- つまりは2 0年の更新を必要とする- まで保護 2 位円を軽 く超えることになる。 期糊を延長 しようと考えれば、それに必要な溌金は 1年当たり5 4 5 賛爽千千 前掲注4 0 )2貫。 7 3 バブリノクドメイン増進7 7 1 : を考える r T r q] 宏利 前提 と し、かつ 、1 9 8 9 年 まで方式主義 を採 っていた名残 りもあって、" Bl 民 自身が著作物の登録 机 を 国が介入 して作 ることに理解 を示 しやすい● l文化形態 をその基盤 として作 られていることを考慮 しな 】 bl l CDomal n けれ ば な らないの で あ る。 だ とす る な らば、米 国の よ うな登録 制 の基 盤 が な く、PL Enhanc eme ntActを機 能 させ るに足 る登録 システムを持 っていない 日本 において、同 システムの構 築 ・維持準用 はどこか ら賄えば良いのであろうか。 8 8 9 年のヘルヌ条約加盟時 よ り無方式主義 を採用 は しているが、登録制に関わるもの とし E ] 本 は、1 5 粂以下の第 2章第1 0節 に ' ' 登録' 'の節がある。 これ は、実名 の登録 ( 同法7 5 粂)、 て は、著作権 法7 同法76条の 2)、著作権の登録 ( 同法77粂)、 第一発行年月 日の登録 ( 同法76粂)、創作年 月 日の登録 ( 8 粂)、著作隣接権の登録 ( 同法 1 0 4 粂)が可能な登録制度であ り、文化庁長官が 出版権の登錦 ( 同法8 8粂 l項)o Lか し,この制度 著作権登録原簿に記敬 し、又は記録 して行 うことになっている ( 同法7 00 8年 に著作権譲渡に関わる有名アーティス ト は長 らく実務家以外の国民の間には浸透 してお らず 、2 の巨碑詐欺事件4 G が発覚す るまで、その利用 にスポ ッ トライ トが当たるこ とはなか った。つ まり、こ l CDoma】 n こ日本 においては、一時 よりは周知度が上が っているものの、現行の登録制 を修正版 Publ 民の理解 を得 ることは、 Enhanc eme ntActを機 能 させ るまで に システムを拡張す る ことにつ いてBl 本家米国以上 に、よ り難 しい状況だ と考 えさるを得 ないのであるO 著作椎保護欄 間延長のための登茅 哀別 を、仮に国が税金 を投入 して運用す るな らば、` 国民の税金 を 用いて一部のク リエ イターや稚利者たちのためだけに巨大で コス トのかかるシステムを構築する と 想定 されることにな り、その, 6か らの批判が なされるおそれがあ る。 しか し、' ' 国民か らの税金 を使 l CDomal nEnhanc eme ntAc tの構築 ・維持費の側面 に関 しては制度内で完結 する わず、修正版 Publ 閉鎖的な資金循環 システムを探 る"場合 、この登録肌のコス トの問題 を解決することは可能になろ うO l CDomal nEnha nc eme ntActにおける登録制 を維持するために必要 そ して、筆者 は この修正版 Publ な資金源 を,仮 に 制度運営者である国が徴収するもの として、次の とお りに考えているO その資金源は、著作物の保護期 間延長のために権利者か ら徴収する " 更新手数料 で充当する もの とす る。前述 した ように、 この手数料 は年毎 の更新期 間に対 して累進的に価旗が上昇することか ら、 ある程r lの資金は徴収可能だ と思われる。 もっとも、まった く更新希望者が出な くなる料金体系では 意味がないので、累進的な更新料 の実額 については、経演学等 に基づいた実現可能性の高い額面 を設 l CDomal nEnha nc ementActを機能 させ るに足 る資金 定す る必要があるが、少 な くとも修正版 Publ を賄 うことを前提 に額面 を調整すれば良い とい うことになろ う。 この方式 ならば、国民か らの血税 を 使 うことはほ とん どな く,資金面 の問差 引ま解決するのではなかろうが 7 O 4 6 大阪地判平21 5 l l( 叔高裁判所ウェブサイト 赦判例情報 ( 判例検索システム) ) 0 4 7 制鑑が軌道に来るまでの当面の運転資金として税金の投入はありうるが、これは最終的に制度から余剰金が出 た場合に退避すれば良い。また税金を投入せずとも、私的録音録画補低金利度などが徴収し、● 著作権思想の 普及卒業 などで使われる資金を、一時的にこのシステム構築のために借 り入れるという方法もありうるかも 知れないC 7 ・ l 畔HL J 大学大学院社会文化科学研究科紀要第31 号( 2 01 I3) 以上 の検 討 か ら、修正版 Publ l CDomaE nEnhanc ementActに必 要 な登録制 の構 築 維持 資は,煤 護期 間延長 を望 む権 利者か ら徴収 した更新手数料 で賄 うことが可 能に なる とい うことがで きる。都合 が良い こ とに、昨今 、 こうい った システムの イニ シャル コス トや運営 コス トな どは, クラウ ド ・コ ン ビ ' ユー テ ィ ングL Wの推進 も合 わせ て徐 々に低 下 して いる事実 もあ る。 こ うい った技 術革新 に よる要素 を精確 に把握 し. よ り効率的で合理的 な登録制 システムを構 築す る ことに よって .筆者が唱 える修正 版 Publ 】 cDomal nEnhancementActとい うパ ブ リック ドメイ ンの利用促 進 方策 は、低 コス トで よ り 実現可 能性 が高 い ものへ と発展 す るであろ う。 当然 、その選択肢 の中には、現在 、様 々な分野の著作 者 実演家協会 な どが構 築 して いる独 自の登録制 システム との情報共有 もあ りうる と思われる。 C)バ ブ リ ノク ドメイ ンの意義 では第三 の問題点 と して .この よ うな修正版 Publ 忙 Domal nEnhanc ementActの実現 を唱 える際 、 それ を利用す る著作権者 や利用者 に どの よ うなメ リッ トが生 じる制度 にすれば よいの だろ うか。 バ ブ リ ノク ドメ イ ンな らではの メ リッ トを考 える際 、それ らは往 々に して、著作物 を自由に利用 し、 新 た な 創 作 の イ ンセ ン テ ィ ブ - とつ な げ る とい う、 ● ●自由 な 文 化 ' の 享 受 を 目指 す Cr eat i ve Dとい った ライセ ンス と共通 した ものであ ることが予想 で きるoこの場合 、′, ' プ リソ commonsりゃGNUS ク ドメイ ンに よる 自由 な文化の享受 を推す ためには、著作物 をパブ リック ドメイ ンとす ることが ライ セ ンス を用 い た場合 よ りもメ リ ノトが あ る とい うことを証明 しなければ な らない。本節 では、" バブ 1 )ック ドメイ ンの利 用 を促進 す る こ とが 、なぜ ライセ ンスでは実現不可 能 なのか lとい う点について 説明す る。 4 8 ネットワー' /の内.王にはインターネットをペ-スとしたコンビ. 1-タの利用形態のこと。このシステムを利 用するユーザーは.コンピュータ処理をネ yトワーク経由でサービスとして利用することになる。近年、この システムを利用 して作 られた有名なサービスとして.鐙滴産兼省の`ェコポイント の登多 義システムがある ( 約 3週附で完成) 。 4 9 ' Cr e a t l V eCommons 'は米EI スタンフォー ド大学のロ-レンス レブシJ /が提唱するライセンス方式である。 Cr e auv eCommonsの基本スタンスは` Al lRJ hL g sRe s er v e d( 著作権法に属する全ての権利を主張すること) NoRl ght sRe s er ve d( 著作権法に属する全ての権利を放棄すること.要するに Publ a cDoma l nに自己の創 とl 作物を位くこと)-の中間領域に属する権利関係をライセンスという形で保障 しようとするものである。 5 0 ' GNU ( GNUNorUNI X( GNUはUNI Xではない E) )"は.かつて MI Tに所属 していたプログラマーである 9 8 0年代後半から捷唱する運動の一つで.当初は血倍で使えていたが.その後有 リチャー ド ス トールマンが1 Xに対抗するため、UNI X互換のソフ トウェ7環境を全てフリー 料化 されてしまった歴史を持つOSであるUNl GNU Ge n er a JPubl E CLE C e nS e) や CNU ソフ トウェ7で実美 しようとするプロジェク トである。GNUGPL ( LCPL ( GNU Le s s erCe ne r a lPub J I CLI C enS e)、GNU FDL ( GNU Fr e eDo cume nt a t l OnLI C e nS e)など.主に GNU FDLはテキス トなt' の一枚著作物 はコンビユータ ソフ トr Jエ7を取 り放 うためのライセンスを捷供 ( A Fr e eSof t l Var eFounda t l O n (フリーソフ 用のライセンスでもある) し、同 じくス トールマンが提供するFSF ( トウェア財団) )の協力によって法的にも、経請的にサボ- トされている。 7 5 バブリノクドメイン噌進法を考える Ⅰ 月中安和 <ライセ ンス方 式 が生 み出す u 確認 の文化 ' ■> ライセ ンス に よる 自由な利 用 よ りもパ ブ リック ドメイ ンが勝 るこ と - それ は、紛 れ もな く " 利用 者 に とっての利用 の安全性' 'にあ るoCr eat l VeCommonsに しろ、GNUに しろ、 ライセ ンス に供 され た著作物 を用 いる とい うことは、 もれな く利用者が ライセ ンス とい う契約苔 を熟読す ることを前提 と す る。 しか しなが ら、 この契約 とい うベースがあ るが故 に、 ライセ ンス に供 された著作物 とい うのは 利用者 に とって安全性 が明確 に確保 されている もので はない とい うこ ともまた言 えるのであ る。 例 えば GNU とい う連動 は 、Ll nuX5 ) とい う有名 な OSをライセ ンス している こ とか ら、著作物 の ' ◆ 自 由 な利 用' ■か ら考 えて、それ な りの成功 を収 め て いる と評価 を して も良 い だ ろ う。 しか し、GNU と い う活動 に よって誰 もが ソフ トウェア を自由 に使 える ようになってい るか とい うと,そ うだ とは言 い 難 い節があ る。GNUが探 る ライセ ンス方 式であ る GNUCPLは、いわゆる コ ピー レフ トの思想 に則 り 「 GPLで ラ イセ ンス され た ソフ トウェアか ら派生 した ソフ トウェアは、GPLで再 ライセ ンス しなけれ ばな らない と規 定5 2 」 して い る。GPLは ソフ トウェア利用者が 「ソース コー ドを入手 出来 る ことを保 障㍊」す るこ とか ら、 ソフ トウェアの製作者 が GPLで ライセ ンス され てい るこ との意味 を理解 してい なか った場 合 、 も しくは、あ る ソフ トを作 る為 に使 った ソフ トが GPLで ラ イセ ンス され てい る こと を知 らなか った場合 であ って もソ-ス コー ドの公開 を求め られ るの は必至 となる.諸外国では実際 に 知 らず に' '使 ったがために、第三者 に ソ-ス コー ドの公開 この GNU GPLに関 わ る ソフ トウェア を 一̀ を求 め られ応 じさる を得 なか った事 例 や、 ドイツで は GNU GPL違 反 を理 由 に裁 判 で敗訴 す る事 例 51 等 も存在 す る。米 国では 、GNU GPL下 にあ るオー プ ンソース を法律面 で支揺 す るSof t war eFr eedom GNU GPL( Ver2)で ライセ ンス されていた Bus yBoxとい うユ ーテ ィリテ ィー Law Cent er( SFLC)が 、 ツー ル を無 断 で製 品 に組 み込 んだ と して 、韓 国 Sams ung El ect r onl CS等 家屯 メー カー 1 4社 を提訴 し、 その内の West l nghous eDl gl t alEl ect r onl CS社 に対 して は、販売禁止命令 を勝 ち耽 る とい う事件5 5も発 生 して いる。 どの例 も、一 見す る と 「無料 で 自由 に使 って くだ さい」 と詣 った ソフ トウェアを、「どんな ライセ 」「その ライセ ンス は とん な もの なの か」 とい うこ とを一切気 にせずに使用 ンスが施 され てい るのか して しまう為 に起 きてい る事 例 で あ る。 こ うい った例 は GNUだけ に留 ま らず 、同 じ ● ライセ ンス' ' 51 「 UNI Xシステムの一種。ヘルシンキ大学の Ll nUSBTo va 】 ds氏によって作成 されたo カーネル ( 堆着任 Ker n eI とは、 OSの基本機能を実美 したソフトウェ7。システム リソースを管理 L ハー ドウェ7とソフトウェ 5 2 5 3 5 4 5 5 7 6 t e mⅤ互換で1 BM/ PC9 8でも動 ア コンポーネントのや りとりを管理することなどを目的としている. )はSys 7)1 3 2 7貢) 0 作するO」( 日本コンビュ-夕用語辞典浦典委月会箱 前掲注2 立川隆/南谷 崇/橋本毅彦/児玉文雄/安田 浩/立川隆ゼミ前掲注2 6)2 92 貫0 立川隆/南谷 崇/橋本毅彦/児玉文雄/安田 浩/立川隆ゼミ前掲圧2 6)2 92頁。 CNET ne wsc om Ll nuXPr o gr ammerWl nSl e ga lvi c t o r y ( r el e a s e dApr l I1 42 0 0 5)ht t p/ / ne wsc om c om/ 21 0 07 3 4 4 _ 3 5 671 2 0 9ht ml( a c c e s s e dDe c emb er2 52 01 0) Sof t Wal eFz e e dom Cons e r van c yr n cvBes tBuyCoI n°. 0 9CI VI O1 5 5 剛山大と J ' t 大学院社会文化科学研光村妃要第3 1 号 ( 2 01 I3 ) 方式 を探 る Cr eat l VeCommonsであって も同様の問題 を引 き起 こ しているのである5 6 。 Cr eat 1 VeCommonsを率いる ロー レンス レッシグは 「ク リエイターたちが ク リエ イティブな活動 にかかわる前 に常 に許可 を取 り付 けなければな らない状況 を作 ることで、われわれはクリエ イティビ テ ィに負担 を負 わせている5 7 」 と通常の著作権法 に則 った 許可の文化● ●を批判 していた。 しか し、 彼 ら自身 もCr eat l VeCommonsや GNU とい う運動 を通 じて、コモ ンズ証 やGNUGPLとい うライセ ン ス方式 を探 ることで、● ● クリエ イターたちが ク リエ イテ ィブな活動 にかかわる前 に、常に利用 してい るソフ トウェアや素材 のライセ ンス を確認 し、法的知識が求め られる難解 な契約書 を読 まなければな らない- とい う 確認の文化H を生み出 して しまっていることに気付 いていない。結果 として、ライ セ ンス上の著作物 とい うのは、籍 じて利用者が安心 して利用で きる著作物ではない とい うことになる。 < パブリック ドメインとなった著作物 のメリ ノト> 自らの著作物 に対 して 自らの意思で著作権保護期間等 を終了 させ 、パブ リ ック ドメインとした場合、 著作権法による財産的な保護が復活することはない。つ ま り、著作権の放棄 などに よって,一旦バプ リック ドメインとなって しまった ものについては、特段 の非情がない限 り、権利 の復活 一 要するに、 作者の翻意 - を認めるべ きではない。 それでは、著作権 を放棄 して、自らの著作物 をパブ リック ドメインに置 くことがで きる制度を設け る場合 、 どの ようなメ リッ トが生 じるだろ うか。 これについては表1に示すパブ リ ノク ドメインの著 eat l VeCommonsや GNU GPLの ライセ ンスに よって 自由な利用 に供 された著作物 との比 作物 と、Cr 較表で示す ことで明 らか となって くるであろ う。 これを見ると,著作物 をパブ リ ック ドメインにするメリ ノトは、ライセ ンス と比較 して権利の制限 が少 な く、一 一 利用者 に とっての権利処理確認 な どの負担が少 な くなる' ●ことにある。 また、根拠が契 約ではな く法に よるため、著作物の権利処理 と しての安定性 も高い点 も指摘で きよう。その意味にお いて、パブ リック ドメインの著作物 は最 も利用者に とっては利用 しやすい性 質を備えている と言 える。 だが、このメ リッ トは一見す ると、単に利用者のみ に刺 し、権利者に過剰 な制限を加えている1 1け ' プ リ ノク ド だと考 えることがで きるか も知れない。実際、表 1に掲げた形質を見 る限 り、権利者が/, メインに著作物 を置 くメリッ トはない ように も思 える。 しか し、この ▲ 利用者 にとっての負担が少 な くなる ことこそ、以下に示す ように権利者に とってのF L 大の メリッ トにな りうるのである。 著作物 をパ ブ リック ドメインにす ると利用者 に とっての利用のハー ドルが低 くなるとい うことは、 cr eat l VeComr nonsなどの ライセ ンス処理がな された コンテ ンツと、 それ と同質の著作権の放棄によっ 5 6 CNETne 、 v sc om ` Cr e a【 l V eCommonsl Z C e nS eup hel dbyc or r( r e l e a s e dMar ch212 0 0 6)ht t pノ/ ne l 、 SC n eL c or n / 21 0 01 1 0 3 0 _ 31 6 0 52 2 9 2ht mI( a c c e s s e dDec emb er2 52 01 0) 5 7 クリエイティブ コモンズ ジヤ′く ン堀 口-レンス レブシグ′林紘一郎′梅山敬士′若槻絵美/上村圭介/土 」( NTT出版 2 0 0 5年)2 9頁。 屋大洋著 r クリエイティブ コモンズ ー デジタl レ時代の知的財産権u 7 7 バプリンクドメイン噌進法を考える u ]中宏和 衷1 \ GNU GPL 著作 財産権 の状態 放 棄 か消滅 著作財 産権 は留保 著作 財産権 は留保 著作物利用料 無料 無料/ 非営利 のみ無料 な ど選択 で きる 無料 であ るこ とを必須 条件 と しない謎 コ よる権利 ピー レフ の承継 ト5 9 に なし コ ピーで レフ きる トも選択 コ ピー レフ ト 権利 の確 認 著作 財産権 の放棄 .潤 液 につ いての確認 のみ ライセ ンス を確認 す る必 要あ り ライセ ンス を確認 す る必要あ り 根拠 法律 あ くまで利用者 との あ くまで利用者 との てパ ブ リ ノク ドメイ ン となった コ ンテ ンツが存在 した場合 に、利用者 は後者 の方 をで きるだけ利用す る とい う予想 が成 り立 つO要す るに、 これは ライセ ンス に よる 自由 な利用 よ りも著作権 を放棄 した方 が一般大衆 に浸透 しやす くなる とい う作用 を持 っている とい うこ とで もあ り、 自分の作 品 を ■ ■ 単 によ り多 くの人間に見て欲 しい と考 えるク 1 )エ イ ダーや権利 者 の イ ンセ ンテ ィブ を考 えるに当たっては この要繁 は魅力 的 な もの になる. こういったパ ブ リ ノク ドメイ ンの性 質 を利用 して、基幹 システムは パブ 1 )ノク ドメ イ ンと して射 技で公 開す る ことで市場 シェア を確保 し、その上 に乗せ るオプシ ョン的 なサ ー ビス を有侶化 して成立 させ る ビジネスモデ ル も考 え うるのか も知 れない。 また 、 自己の著作物 をパブ リック ドメイ ンに置 くこ とで 人類社 会 に貢献 し、文化 の発 展 に寄与す る スに比 して効果 的 な ■ \ 名誉 の イ ンセ ンテ ィブ とい う、 ライセ ン を得 る こ とも可 能に なる0 ) o この ように考 えて い くと、パブ リ ノク ドメイ ンにはパ ブ リ ノク ドメ イン特有 の、 ライセ ンスにはラ イセ ンス特 有の イ ンセ ンテ ィブが生 じている ことは疑 いが ない事実 の ようであ る。 そ して両 者 には類 似す る部分 もあ る よ うに思 えるが 、その効 果の面 で差異 も多 く、その ことが パ̀ ブ リ ック ドメイ ン独 自の創作 の イ ンセ ンテ ィブ を生み 出す一 一ことに繋 が って いる と考 え られ る。 かつ て、 レイ ・テ ンプル トンは PL l bl l CDomal nSor t war eの隆盛 期 において 見出すべ き価値観 につ いて こ う述べ て いた。 「自由 に流通 してい るプログラムが沢 山存在 す る とい うだけで な く、 どこかで 5 8 GNUは加科 ( Fl e e)であることではなく、ソフトウエアとして自由 ( Fr e e dom)であることに重 きを置いた プロジェクトであ り、その 日的はソースコー ドの公開によって満たされている。つまり、このことからGNU のライセンスは フリーなソフトウェアを、手数料を耽って頒布することも自由 とするO 5 9 コピーレフ ト ( c opyl ef t )とは、著作権 ( c o pyr l ght )に対する造語で.GNUやCr e a t 】 v eCommo 1 1 Sにおいては 原著作物の著作権をそのまま保持することで、二次的著作物の製作 も含め、すべての者が著作物を利用 再配 布 改変することを可能にするという考え方である.但 し、この域合.二次的著作物にも原著作物と同じライ センスが維持されることを条件とすることになる0 6 0 実施にW WW を開発 し,それをPubl l CDoma l nとして公開 したティム バーナーズ=リーは棟/ 7な大学から名 誉博士号を授与さ) 1、2 0 0 4年には英国においてナイ ト コマ ンダー ( 英国の騎士叙勲 としては上から2番目) の称号を授与されているC 7 8 岡山大学大学院社 会文化科学I r X究科紀 要第3 1 号 ( 2 0113) 誰かがそこに作品 を投 じた とい うことを心 に留めることに価値があるのだ。6 1 」 と。 4_パフ リ ンク ドメイン増進法の提案 食後に、本章で筆者が述べて きた 日本 におけるパブ リック ドメインの利用促進方策について、その 仕様 を以下の ように まとめる。 ( a) 本箱では当該問題 をQ) 著作権保護期 間の間貸 、◎ 無方式主兼 と生抜別の問題、③バプ リ yク ドメ インを新たな創作の イ ンセ ンティブ とする必要性 と有用性 とい う3つ を設定 した。 ( b) まず① 、② の問題 についての解決策 となる方策 と して、2 004年 に米 国下院に提 出 された Pubt l C Doma】 nEnhanc eme ntAcL法案が参考 になると した。 これはすべての著作物 について公表後50年 よ り後の著作権保護期 間延長 を望 む場合 は、毎年 1ドルずつの更新税 を求めるものである。実際にこ れ を検討す ると.オ リジナルの Publ l CDomal nEnhanc eme ntAct法案はベルヌ条約違反になる可 能性 が 苗 いが、繁 者 は これ を基礎 にベ ルヌ条約 違 反 とは な らない ■ 修正版 i cDomaL n の Publ Enhanc eme ntActを日本において実施することを捷唱 した。 ( C) 修正版Publ l CDomal nEnha nc eme ntAct のベルヌ灸的迎反回避 目的の修正 とは以下の通 りである。 ( 1 ) 修正版 Publ l CDomal nEnhanc e me ntActの適用時期 をオ リジナ) i , の L ' 公表後5 0年● ●か ら ● 作 者の死後5 0年"へ と変更 し、ベルヌ条約7粂 ( 1 )が定める伯低 限の著作権保護糊 閃満了後か ら適 用 されるとする。 ( L l ) 修正版 Publ l CDomam Enha nc ementActによって延長 される著作権保護期 間は著作権 法上の L bl l CDomaL nEnhanc eme ntActとい う国内法に もの と同等の効果 を持つが 、あ くまで修正版 PL 基づ くものである。 ( I l l ) よって、修正版 Publ l CDomal nEnhanc ementActに基づいて徴収す る更新手数判 は、ベルヌ 条約上禁止 される … 方式' ではな く、著作権法 とは切 り離 された要素 として考膚 される。 ( l V ) そのため、保護期 間延長 申請者に与 えられる保護期間は、更新手数料 とい う代償 によって得 ら れる 一 一 特権-的な構 成が な され、延長 を行 ったこ との証明 として登享 景義務が課 される。 ( V) この登録 システムは、バブ リ ノク ドメイ ンを増進す る 目的に窪み、著作権 を放棄す ることや、 自己の著作物に対 してよ り短い保護期間を望む者が、「 死後〇〇 年で著作権 を放棄する。」などと す る著作権の放棄 を行 うタイミングを登録で きる。 なお.この場合の登緑料 は基本的に無料 とす べ きだが、よ り低 コス トで済 むように,申言 古物がデジタル著作物の場合には電子署名な どを利用 した 自己登録方式 なども考慮すべ きと思われる。 ( v l ) 保護期r Z f J 延長希望者 に課す更新手数料 は、更新年数に対する累進的な価額設定にする必要があ 61 T hyTe mp l e 【 o nPt l b I L Cdont at l l ' s o /l Z u Or e3 5As I I bPr ∝e e dl ng s . 4 4 0( 1 9 8 3) バブリノクドメイン増進法を考える 中宏和 E 11 る。国家は、著作物の権利者 に、最終的には ● ● A著作物の更新にかかる価鋲 よ りも、A著作物 に よる 1年間の収入の方が下回る と判 断 させて、著作物 を将来的にはパブ リック ドメインとする ように差 し向けなければな らない。 ( d) 上 記( C) に挙 げた帽正版 PubI I CDomal nEnha nc eme ntActは登緑制 を基礎 に運用する必要がある。 しか し.現在の E ] 本には米国の コピーライ ト オフィス と適 って、ペース となるような登録 システ ムは存在 しない。 よって、それ を最初 か ら構築することになるが、その システムの構築 ・維持掛 ま、 bl l CDomal nEnha nc eme ntAct が徴収す る更新手数料 を 国民 か らの税金 を極力用 いず ,修正版 Pu その まま運用升に充てることを提案する。 ( e) 最 後に、( 卦パブ リック ドメイ ンを新たな創作のイ ンセ ンテ ィブ とす ることの必要性 と有用性 につ いては、Cr eat l VeCommo nsや GNUの ライセ ンスでは充足 しえない要素 として、 著作物利用者の 利用 リス ク低減● ●が挙げ られる。 また、聾者が強調 したい もの として、 パブ リック ドメインは金 銭的 なメ リッ トには直接結 びつかないが、人類社会に貢献するとい う名誉 には結 びつ くか も知 れな いH とい う要繋があるb もちろん、ライセ ンスであ って も、この ■ 名誉のインセ ンテ ィブ の実現 は成 しうるが、蟹者の感光 と してパブ リック ドメイ ンに よる場合 とライセ ンスによる場合では、そ の実現可能性 は異 なって くると思われる。事実、パブ リック ドメイ ンの著作物 はライセ ンスが施 さ れた著作物 と比較 して、著作権者の財産的権利が完全 に切 り離 されていることで、利用者が より安 心 して利用 しやすいこともあ り、 伝播性ではライセ ンスに勝 る。その意味では-̀ 名誉のインセ ンティ ブ はバ ブ リ ノク ドメインと結 びつ き易 く、独 自のイ ンセ ンティブ としては十分 に価値があると巴 われる。 I I CDomal nEnha r ) c ementActをペ-スにす る 以上の ことを考慮すれば、筆者が唱 える修正版 Pub パブ リ ック ドメイン利用促進方策 は、 うま く棟能す るように見 える。 もっとも、" 根本的にベルヌ粂 約 に反 している● ●とい うような原理 ・原則的な批判 もあ り得 るが、少 な くとも、現在 において閉塞的 な問題 となっている著作権保護期 間延長問題 などを解決す る手段 としては有効 な政策モデルとして機 能するのではなかろ うか。 r 刷I L l 大 学大 学 院社 会文化 科学 研 先 杵紀 要 第3 1 号 ( 2 01 13 ) ◆修正版 Publ l CDomal nEnhanc ementActモデル国 事作種の発生 規定による暮作書 tの消減 あわ りに 著作権意識が向上 し、■ ■ クール ジャパ ン と呼ばれるコンテ ンツの認知度が世界規模 で向上す る一 方で、枚が国は諸外国 との 「 知 を使 う肘 】 2 」の嬢争 に さらされている。繋美千子が 「欧米の選択が人 類の利益 につなが る とは限 らない。 著作権 を有す る企業の利益 を優先 して、 人類の文化的利益 を謂 なっ ているQ文化の発展 にふ さわ しい選択 は何 か よ く考 え、 日本が率先 して諸 国に示すべ き。G 3 」 と訴 え るように、錐者がパ ブ リ ノク ドメインの存在 を敢 えて強調 し、これ を用 いた方策 を唱えるの も、まさ にこういった世界的な競争 を生 き抜 くためなのである。 日本 におけるパブ リック ドメインは、すでに ' 批判 で 自由に使 える魅力あるコン 青空文庫や国立 国会図昏館のデ ジ タルアーカイブな どを通 じて、 ' テ ンツ' 'として流通 してお り、今後の 日本の コンテ ンツ政策の起爆剤 となる可能性 を秘めているC l bl l CDomal nEnhancementAct 最後 に、繁者が本稿 に対 して行 うべ き作業 として,この帽正版 PL に和名 を与 えることとしたい。 このパブ リ ノク ドメイン利用促進方策が、まさに世界に先駆けて採用 された パブ リ ノク ドメイン増進法' 'とならんことを - 。 6 2 知 的 財 産 本 部 r知 的 財 産 推 進 計 画 2 01 0 1 2頁 ( 2 0ユ 0年 )h t t p/ /W、 V、 vka nt el gO) P / s l ng l / t L t ekL 2 / 2 01 0 2月2 6日7クセス) 。 c hl Z a 】 S u l S l n _Pl a I I Pdf( 2 01 0年 1 6 3 寮美千子 前掲 圧L 1 0)3頁。 81