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N p個の電子

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N p個の電子
化学の目3
量子論の考え方
量子論…とびとび
Bohrの原子模型 p. 20
磁場
スピン運動
自転
公転
地球
電子
原子核
なぜ,電子は原子核にぶつからない?
太陽
なぜ,地球は太陽にぶつからない?
分子軌道法による分子の表し方
量子論入門
分子軌道法の前に
量子論 “ミクロな世界では,粒子が波の性質をもつ”
電子
原子核
n=1
n=2
n=3
ボーアの原子模型
なぜ,回っている電子は原子核に落ちて
こないのか?
恐らく,安定な特別な軌道があるはずだ。
現
既知の事実
象
仮定・理論的説明
実験による裏付け
新しい原理
現象(実験事実): バルマーは,水素のスペクトルの可視光領域にある線
の波長について,次の関係を発見した。
  R(
1 1
 ) nは整数
2 n
2
2
R = 109677.76 cm-1
仮定(ボーア):電子はある一定の条件を満足する軌道のみを通る。
2π・mvr = nh (n = 1, 2, 3,…)
各運動量の2π倍がplank定数の整数倍に等しい
既知の事実(古典力学):クーロン力と遠心力がつり合う。
ee
v2
m
2
r
(4 o )r
量子論の考え方による電子や原子・分子のふるまい
ド・ブロイの物質波
l
l
r
2r = nl
r
2r = nl
軌道の円周2rが,電子の波の整数倍になっている。
ここで l 
h
mv
とすると,ボーアの式と等しくなる。
量子論の考え方による電子や原子・分子のふるまい
量子論的な遷移条件
E2
光子
E1
原子核
原子核
n=1
n=1
n=2
n=2
軌道はとびとび,つまり量子化されている。
エネルギー状態もまた量子化されている
量子論的な遷移条件がある
原子中の電子の軌道は円ではない!
シュレーディンガーの波動方程式
微少な粒子の挙動は,波動(=シュレーディンガー
方程式の解)によって求められる。式自身の物理的
解釈は?
分子軌道法
ー分子中の電子の存在状態を描くー
分子軌道は原子軌道のたし合わせ(重ね合わせ)である。
原子軌道を描く。
内側から順にK殻,L殻,M殻,N殻(主量子数n)
さらに,s, p, d, f軌道(方位量子数)があり,それぞれ2個の電子が
収容される
量子数=電子の住所(「○丁目△番地□号」)
分子軌道を描く。
電子を配置させる。
ボーアの原子模型
シュレーディンガーの波動方程式
積分解:原子の中の電子の軌道
4つの量子数で決まる(n, l, m, s)
(1)電子の住所は4桁で表す
n
l
m s
(2)電子を配置させるときの約束1(Pauli’s exclusion principle)
電子はエネルギーの低い軌道に入る
各軌道は最高2個まで電子を収容できる
そのとき2個の電子のスピン量子数は異なっている
(3)電子を配置させるときの約束2(Hund’s rules)
電子は異なった軌道を占めようとする
そのときスピンを同じ向きにそろえようとする
Yes
No
電子殻と軌道
E
不安定
主量子数
軌道のもつエネルギー,カタチ,向き
方位量子数
N殻
M殻
L殻
3d軌道
3p軌道
3s軌道
五重縮重
三重縮重
2p軌道
三重縮重
2s軌道
K殻
安定
磁気量子数
1s軌道
電子殻と軌道
E
n
不安定
4
3
軌道のもつエネルギー,カタチ,向き
m
l
2
1
0
-2
-1
0
-1
0
0
+1
+1
+2
五重縮重
三重縮重
n=3; l=1; m=+1
2
1
安定
1
-1
0
0
0
0
0
+1
三重縮重
原子の中の電子軌道のエネルギーと
電子配置
電子の住所もまた量子化さ
れている
3d
4s
3p
方位量子数l
M殻
3s
軌道の形を決めている。
l = 0, 1, 2,・・・n-1
2p
n=1のとき l=0 (=s軌道)
n=2のとき l=0 (=s), 1 (=p)
n=3のとき l=0 (=s), 1 (=p), 2 (=d)
L殻
2s
1s
K殻
n=2
主量子数 n=1
図 原子の中の電子軌道のエネルギー
図 マグネシウム原子(第12元素)の電子配置
n=3
Question: ナトリウムおよび塩素原子の電子配置を例にならって書きなさい。ま
た,これらの原子がイオン化し易く,イオン結合を形成する理由を述べなさい。
例:
6C
1s22s22p2
2p
L殻
2s
1s
K殻
n=2
主量子数 n=1
分子軌道を描く 1
例題:水素分子 1s軌道からσ軌道ができる
“節 (node)”があ
ると反結合性
反結合性軌道
(s*)
1s
1s
H
H
1
1
結合性軌道
H2
(s)
分子軌道を描く2
異方性のあるp軌道からどんな分子軌道ができるか?
z
p:
x
y
原点=原子核
p軌道がつくる分子軌道
anti-bonding
+
2px
2px
bonding
+
2pz
2pz
2pz
2pz
結合性軌道
(π)
+
2py
反結合性軌道
(π*)
2py
分子軌道を描く3
結合軸に沿った原子軌道からできる‥シグマ(σ)軌道
結合軸に垂直な原子軌道からできる‥パイ(π)軌道
例題:酸素分子
どのようにしてO-O結合ができるか?
z
2pz
x
O
O
2px
結合軸
O
O
y
2py
まず,Oの原子軌道を描く
2px 2py 2pz
8O:
σ*
2s
1s
π 1*
px
py
π2*
pz
pz
Oの原子軌道
π1
π2
σ
O-Oの分子軌道
py
px
Oの原子軌道
z
H
C
C
H
分子軌道を描く4
H
x
H
例題:エチレン分子
どのようにしてC=C結合ができるか?
y
2pz
まず,Cの原子軌道を描く
2px 2py 2pz
6C:
2s
H
C
C
sp2
H
H
H
1s
2px 2py 2pz
+
+
-
2s
1s
混成
+
2pz
sp2
sp2
sp2
+
+
π*
+
-
1s
-
σ*
pz
pz
-
+
+
+
-
xy平面
+
-
sp2
sp2
C
sp2軌道:
-
π
-
C
σ
C‐C
Example: Formaldehyde
H
H
H
x
O
C
C
H
y
2px
sp2
O
電子はどこからどこに
励起されるか?
2py
2pz
sp2 sp2 sp2
6C:
2pz
2pz
z
σ*
σ*
π*
π*
1s
xy平面
2px 2py 2pz
π
O
sp2
π
2px 2py 2pz
2s
6O:
1s
n
C
σ
σ
C‐O
σ*-σ
sp2軌道:
π*-π
n
σ*-n
π*-n
2pz
Energy
Triplet
*
Triplet
n(2p)
s*
*
2pz
C
s
n(2p)
H
H
n

sp2
*
C
O
H

2px 2py 2pz
O
H
C
O

1(*)
yes
3(*)
no
C-O
Singlet
*
n(2p)
Singlet
*
n(2p)
H
Singlet
*
H
n(2p)
O

H
H
1(n*)
H
H
C
C
O
no
(振動準位 v = 0)
O

3(n*)
no

基底状態
C
励起状態
(振動準位 v’ = 1,2,3…)
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