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御嵩町クリーンエネルギービジョン(案)

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御嵩町クリーンエネルギービジョン(案)
御嵩町クリーンエネルギービジョン(案)
平成 23 年2月
岐阜県御嵩町
目次
1.エネルギー活用状況調査
1.1 計画策定の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1.2 地球温暖化問題とエネルギー問題に対する取組み・・・・・・・・・・・・ 3
1.3 本計画の位置付けと目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2.地域特性調査
2.1 自然環境特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
2.2 社会環境特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
2.3 産業特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
2.4 関連計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
3.導入状況・支援内容等に関する調査
3.1 導入状況調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
3.2 普及促進を支援する国、県の補助事業・内容調査・・・・・・・・・・・・ 28
3.3 先進事例調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
4.町内意識アンケート調査
4.1 住民意識調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
4.2 事業者意識調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46
5.太陽光発電導入者へのモニター調査
5.1 モニター調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
5.2 導入シミュレーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
6.技術開発動向と面的拡大にむけた動向調査
6.1 技術動向調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64
6.2 面的拡大に向けた動向調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71
7.賦存量・利用可能量調査
7.1 簡易調査による賦存量・利用可能量の把握・・・・・・・・・・・・・・・ 82
7.2 実証調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90
7.3 専門調査(岐阜大学小林教授研究室実施調査の結果概要)・・・・・・・・ 93
8.基本方針・アクションプラン
8.1 基礎調査のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
8.2 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101
8.3 アクションプラン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・107
8.4 推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・111
【参考資料】
1.御嵩町クリーンエネルギー普及促進計画検討委員会
1.1 委員名簿
1.2 委員会開催概要
2.アンケート調査票
2.1 住民意識調査
2.2 事業者意識調査
2.3 参考資料
3.単位の説明
1.エネルギー活用状況調査
1.1 計画策定の背景
(1)地球温暖化問題
現在の私たちの暮らしは、便利で快適なものとなっていますが、こうした暮らしは石油
や石炭等の化石燃料を大量に消費することで成り立っています。しかしながら、化石燃料
の大量消費は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガス(1)を過度に排
出するため、それにともなう地球温暖化が大きな問題となっています。
IPCC (2)の第4次評価報告書では、世界の平均気温は過去 100 年(1906∼2005 年)に 0.74℃
上昇し、最近 50 年間の長期傾向は、過去 100 年のほぼ2倍であると示されています。
また、人為的な起源による温室効果ガスの増加が地球温暖化の原因とほぼ断定され、急
激な気候の変化が世界中の自然と社会に影響を与えていることが明らかになったと報告し
ています。
CO2 は、温室効果ガスの中で最も地球温暖化に影響を及ぼしているものです。今後も、化
石燃料の消費量が増加し続けた場合、それにともなう CO2 排出量が増加し、地球温暖化が進
行します。
地球温暖化のさらなる進行により、農業・食料供給への影響、洪水増加、海岸部・低地
の浸食、高潮被害、地滑り、伝染病を媒介する生物の増加、大気汚染の増加等の地球環境
に様々な影響が出ることが懸念されています(図1.1-1)
。
図1.1-1 地球温暖化による影響(例)
(出典:NEDO 技術開発機構新エネルギーガイドブック 2008)より抜粋
(1)
(2)
温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等の6種類のガスをさし、太陽からの熱
を地球に封じ込め、地表を暖める働きがあります。現在、地球の平均気温は 14℃前後ですが、もし大気中に温
室効果ガスがなければ、マイナス 19℃くらいになります。近年、産業活動が活発になり、二酸化炭素等の温室
効果ガスが大量に排出されて、大気中の濃度が高まり、熱の吸収が増えた結果、気温が上昇し始めています。
これが地球温暖化です。
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)とは、地球温暖化の
実態把握とその精度の高い予測、影響評価、対策の策定を行うことを目的に、世界気象機関と国連環境計画の
協力の下に昭和 63 年(1988 年)に設立されました。IPCC は、平成 19 年(2007 年)に4回目の報告書となる
第4次評価報告書をとりまとめました。
1
(2)エネルギー問題
石油や石炭等のエネルギーを起源とした CO2 排出量の増加が地球温暖化に大きな影響を
及ぼしていることから、エネルギー問題と地球温暖化問題には密接な関係があります。
国内における最終エネルギー消費量は、昭和 48 年(1973 年)を 100 とした場合、平成
20 年 (2008 年) 度は、運輸・旅客部門 252、民生・家庭部門 223、民生・業務部門 172、産
業部門 94 となっており、特に運輸・旅客、民生部門でのエネルギー消費量の抑制により CO2
排出量を削減し、地球温暖化防止へとつなげていくことが重要です(図1.1-2)
。
また、日本はエネルギー自給率が低く大部分を輸入に依存していることから、安定供給
という側面からのエネルギー問題への対応も課題となっています(図 1. 1-3)。
300
指数(1973年度=100)
252 運輸・旅客部門
250
223 民生・家庭部門
200
172 民生・業務部門
150
136
100
産業部門
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
50
94
運輸・貨物部門
図1.1-2 部門別最終エネルギー消費量の指数推移(昭和 48 年(1973 年)を 100 とした場合の指数)
(出典:エネルギー・経済統計要覧 2009 より作図)
1.83
ロシア
ブラジル
0.92
中国
0.92
0.81
英国
0.76
インド
0.78
アメリカ
0.51
フランス
0.40
ドイツ
日本
0.20
図1.1-3主要各国のエネルギー自給率(エネルギー生産量/一次エネルギー総供給量)(平成 18 年(2006 年))
(出典:Energy Balances of OECD Countries (2010)・Energy Balances of NON-OECD Countries(2009)より作図)
2
1.2 地球温暖化問題とエネルギー問題に対する取組み
(1)国の取組み
①京都議定書での温室効果ガス削減に関する公約
平成4年(1992 年)の地球サミットにおいて、気候変動に関する国際連合枠組条約への
署名が開始され、平成6年(1994 年)に発効しました。
平成9年(1997 年)12 月には、京都において気候変動に関する国際連合枠組条約第3回
締約国会議(COP3京都会議)が開催され、京都議定書が採択されました。また、平成 17
年(2005 年)2月には、ロシアの批准により要件が満たされ、発効しました。
京都議定書では、先進国全体の温室効果ガスの排出量を平成 20 年(2008 年)から平成
24 年(2012 年)までの期間中に、平成2年(1990 年)の水準より5%以上削減することを
目標に設定しており、日本は6%削減を世界に約束しています(図1.2-1)。
平成 21 年(2009 年)度の我が国の温室効果ガスの排出量は、12 億 900 万トン(速報値)
であり、京都議定書の規定による基準年の総排出量と比較すると、4.1%の減少となってい
ます。また、前年度の総排出量と比較すると、5.7%減少しています(図1.2-2)。
排出量が減少した原因としては、平成 20 年(2008 年)10 月に発生した金融危機の影響
による景気後退に伴う産業部門をはじめとした各部門でのエネルギー需要の減少が平成 21
年(2009 年)度も続いたこと等が挙げられます。
図1.2-1 京都会議で定められた主要国の温室効果ガス排出削減目標
(出典:全国地球温暖化防止活動推進センターホームページ
http://www.jccca.org/trend_world/kyoto_protocol/kyo01.html)より抜粋
3
図1.2-2 日本の温室効果ガス排出量
(出典:独立行政法人国立環境研究所記者発表資料「2009 年度(平成 21 年度)温室効果ガス排出量(速報値)
」
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2010/20101227/20101227.html)より抜粋
②温室効果ガス削減に向けた取組み
京都議定書の約束を達成するために、様々な国の取組みが開始されています。
平成 10 年(1998 年)6月には、地球温暖化対策推進本部において平成 22 年(2010 年)
に向けた「地球温暖化対策推進大綱」が決定され、平成 11 年(1999 年)4月には「地球温
暖化対策の推進に関する法律」が施行し、平成 17 年(2005 年)4月には「京都議定書目標
達成計画」が策定(平成 20 年(2008 年)3月に改定)されています。
平成 21 年(2009 年)1月には、温室効果ガスの排出削減の長期目標を達成していくため
の取組みを実施する環境モデル都市として、13 自治体が選定されています。鳩山政権発足
後には、温室効果ガスの削減目標として、平成2年(1990 年)比で平成 32 年(2020 年)
までに 25%削減を目指すことが表明されています。また、太陽光発電に関しては、国の住
宅用太陽光発電導入支援対策費補助金が再開するとともに、太陽光発電の余剰電力の買取
制度が新たに創設される等、導入促進に向けた流れが加速しています(表1.2-1)。
4
表1.2-1 温室効果ガス削減に向けた国の主な取組み
平成4年(1992 年)
○気候変動に関する国際連合枠組条約への署名開始。平成6年(1994 年)
発効
平成9年(1997 年)
○京都議定書採択
○新エネ法(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)施行
平成 11 年(1999 年)
○地球温暖化対策推進法施行
平成 15 年(2003 年)
○RPS 法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)施行
平成 17 年(2005 年)
○ロシアの批准により京都議定書が発効。先進国全体の温室効果ガス排出量
を、平成 20 年(2008 年)から平成 24 年(2012 年)までに、平成2年(1990
年)より5%削減する約束(日本は6%)
○京都議定書目標達成計画が閣議決定
平成 19 年(2007 年)
○Cool Earth 50 を提唱
*世界全体の排出量を平成 62 年(2050 年)までに半減という長期目標を
設定
平成 20 年(2008 年)
○新エネ法施行令改正 *水力発電(1,000kW 以下)
、地熱発電が追加
○京都議定書目標達成計画策定
○地球温暖化対策推進法一部改正*集約型・低炭素型都市構造の実現が追加
平成 21 年(2009 年)
○住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金の再開
○環境モデル都市 13 自治体選定
*低炭素社会実現に向け温室効果ガスの大幅削減を行うモデル都市
大都市:神奈川県横浜市、福岡県北九州市、京都府京都市、大阪府堺市
地方中心都市:北海道帯広市、富山県富山市、長野県飯田市、
愛知県豊田市
小規模市町村:北海道下川町、熊本県水俣市、高知県梼原町、
沖縄県宮古島市
東京特別区:東京都千代田区
○省エネ法改正
*企業全体へのエネルギー管理へ移行。年間 1,500kl 以上は届出が必要
○平成 32 年(2020 年)の温室効果ガス排出量を平成 17 年(2005 年)比 15%
減(平成2年(1990 年)比8%減)の中期目標を設定
○エネルギー供給構造高度化法(*新エネ導入拡大を電力・ガス会社に義務
づけ。FIT を含む)
・非化石エネルギー法(*石油以外のエネルギー利用促
進を目指す)成立
○鳩山政権が、温室効果ガスを平成2年(1990 年)比で平成 32 年(2020 年)
までに 25%削減する目標を表明
○太陽光発電の新たな買取制度が開始
平成 22 年(2010 年)
○「緑の分権改革」推進事業を実施
○スマートコミュニテイ・アライアンスを設立
○次世代エネルギー・社会システム実証地域として、神奈川県横浜市、愛知
県豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、福岡県北九州市が選定
*次世代エネルギー・社会システム実証とは、グリーン・イノベーションに
よる環境・エネルギー大国戦略における日本型スマートグリッドの構築と
海外展開を実現するための取組みとして位置づけられる事業
5
③太陽エネルギー導入推進に関する取組み
地球温暖化対策の一環として、国では特に太陽エネルギーの導入推進に向けた制度を創
設し、普及につとめています(表1.2-2)
。
表1.2-2 国における太陽エネルギー導入促進に向けた制度
住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金
補助金の
交付額
1kW 当たり 70,000 円
(上限は、699,300 円)
種類
○低圧配電線と逆潮流有りで連系すること。
○住宅の屋根等への設置に適した太陽光発電システムであること。
最大出力
10kW未満(上限9.99kW)
(公称の最大出力(日本工業規格または国際規格で規定)が10kW未満であること。)
性 能 ・ 品 質 ○変換効率が一定の値以上であるもの。
の
○「太陽電池モジュール認証」を受けていること。
確保
○性能保証、設置後のサポートがメーカーによって確保されているもの。
システムの
価格
65万円/kW以下
○「設置工事に係る費用」の中で特殊工事の費用は控除できます。
平成21年(2009年)1月∼平成22年(2010年)10月:261,767件
(件)
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
受付件数
5,000
H22.10
H22.9
H22.8
H22.7
H22.6
H22.5
H22.4
H22.3
H22.2
H22.1
H21.12
H21.11
H21.10
H21.9
H21.8
H21.7
H21.6
H21.5
H21.4
H 2 1 . 1∼ 3
0
(出典:一般社団法人太陽光発電協会(http://www.j-pec.or.jp/subsidy_system/)
固定価格買取制度
○太陽光発電で作られた電気のうち、余った電気をこれまでの2倍程度の価格で電力会社が買い取る
という制度であり、平成21年(2009年)11月からスタート。
○平成22年(2010年)度の買取価格
住宅用(10kW未満)
:48円/kWh(ダブル発電の場合、39円/kWh)
非住宅用
:24円/kWh(ダブル発電の場合、20円/kWh)
○買取りに要した費用は、電気利用者全てが、太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)として
負担する仕組み。平成21年(2009年)・平成22年(2010年)の買取りに要した費用は、一括して平
成23年(2011年)4月以降に負担することとなり、標準的な家庭で、1カ月あたり数10円∼100円
程度の負担となる見込み。
6
(2)岐阜県の取組み
岐阜県では、事業者、県民、行政などあらゆる主体が連携し、より実効性の高い地球温
暖化防止施策を推進することを目的として、平成 21 年(2009 年)3月に「岐阜県地球温
暖化防止基本条例」を制定し、同年4月から施行しています。
この条例に基づき、平成 22 年(2010 年)度には、「チャレンジぎふ 25 プロジェクト」
を掲げ、条例の5本柱を中心に施策を推進し、国の掲げる中期目標「平成 32 年(2020 年)
までに温室効果ガスを 90 年比 25%削減」に積極的に貢献していくことを目指しています
(表1.2-3)
。
具体的な取組みの一環として、次世代エネルギーパークが、平成 22 年(2010 年)5月
に「花フェスタ記念公園」、6月には「クックラひるがの」でオープンしています(表1.
2-4)
。
表1.2-3 「チャレンジぎふ 25 プロジェクト」
5本柱
25 施策
平成 25 年(2013 年)以降の
○「岐阜県地球温暖化対策実行計画」の策定
いわゆるポスト京都議定書を
○「チャレンジぎふ 25 推進連携会議(仮称)
」の設置・運営
見据えた中長期目標の設定
温室効果ガス排出量が多い
事業者対策として、
削減計画等の作成義務付け
○「温室効果ガス排出削減計画」等の作成・提出制度の創設
○新エネ・省エネビジネスモデル構築の支援
○新エネ・省エネ推進専門員の育成・派遣
○新エネ・省エネ県産品のデータベース化・PR
○事業者の自動車通勤対策支援
○環境配慮型ものづくり産業の支援
全国第2位の森林率を誇る
豊かな森林資源を活用した
CO2 吸収源対策
○「企業との協働による森林づくり」の推進
○森林整備・木質バイオマス利用による J-VER(3)制度活用の推進
○間伐の推進
再生可能エネルギーの
利用促進
○新エネルギー施策の推進
○次世代エネルギーモデルハウスの設置
○電気自動車急速充電インフラの導入支援
○クリーンエネルギー活用インフラ導入調査
○公共施設における省エネルギー化及び新エネルギーの導入
○市町村の取組みに対する支援
○木質バイオマス利用の推進
学校、民間団体、事業者、
市町村等と連携した
環境教育の推進
○「Change マイライフ」の取組み推進
○「ぎふエコサミット 2010(仮称)
」の開催
○エコドライブ講習会の開催
○「ごみ減量化の推進」(ポストレジ袋の取組み)
○地球温暖化防止教育の推進
○次世代エネルギー施設を活用したモデルツアーの企画実施
○NPO 等の地球温暖化対策支援
(出典:岐阜県まるごと環境パビリオン(http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/ecopavilion/))
(3)
J-VER とは、Japan Verified Emission Reduction の略称で、事業所等が自ら削減できない CO2 排出分を、クリ
ーンエネルギー関連事業等で相殺するカーボン・オフセットに用いるために発行される排出削減・吸収量を指
します。
7
表1.2-4 岐阜県の次世代エネルギーパークの取組み
花フェスタ記念公園
クックラひるがの
(出典:岐阜県ホームページ: http://www.pref.gifu.lg.jp/)
8
(3)御嵩町の取組み
①温室効果ガス削減に向けた取組み
御嵩町は、低炭素都市推進協議会の幹事都市として、地球温暖化防止に向けた取組みを
積極的に実施しています。
具体的には、平成21年(2009年)度から、低炭素地域づくり面的対策推進事業を実施し、
住民、事業者、行政等が参加する御嵩町低炭素地域づくり協議会を発足させて、地域にお
ける自家用車からの公共交通機関への転換を推進するためのシャトルバスの試験運行や周
辺住民の利用促進方策に関する調査・検討を行っています。
また、町が、住民や住民団体の中から「環境の保全と創造のために、環境に関する活動
と地域の環境学習の中心となる者」を環境マイスターとして認定したり、太陽光発電の仕
組み等を学ぶ夏休みエコ講座を開催する等、普及啓発活動も活発に行っています。
②太陽エネルギー導入推進に関する取組み
太陽エネルギー導入に向けた取組みとしては、平成15年(2003年)に御嵩町役場分庁舎
希らり館において、導入された太陽光発電(10kW)が最初の事例となります。
また、平成17年(2005年)に開設された知的障害者通所授産施設あゆみ館に、太陽で暖
められた熱を利用して、床暖房や給湯などに活用するソーラーシステムを導入しています。
さらに、平成22年(2010年)には、名鉄広見線・御嵩駅前の御嶽宿さんさん広場に、太
陽光発電(10kW)とLED照明(108基)を導入し、美濃焼セラミック足癒施設を併設して、
周辺住民や来街者の交流拠点として活用されており、太陽光発電の普及啓発の一翼を担っ
ています。また、同駅前から東に約100mの所にあり、もてなしと交流を図る施設である御
嶽宿わいわい館においても、太陽光発電(約3kW)を導入しています。
平成23年(2011年)には、あゆみ館作業棟に、太陽光発電(1.3kW)が導入されるなど、
公共施設における太陽エネルギー導入が順次拡大しています。
図1.2-3 御嶽宿さんさん広場の太陽光発電
9
1.3 本計画の位置付けと目的
クリーンエネルギーの活用は、エネルギー起源のCO2排出削減に寄与するという点で、地
球温暖化対策における重要な施策の1つとなっています。
こうした視点とは別に、『クリーンエネルギー等の地域資源を把握し、最大限活用する
ことにより、地域の活性化、絆の再生を図り、地域から人材、資金が流出する中央集権型
の社会構造から、分散自立・地産地消・低炭素型となる「地域の自給力と創富力を高める
地域主権型社会」への転換』(「緑の分権改革」)も求められています。
本計画は、「緑の分権改革」という国の方針を具体化するために実施する推進事業の一
環であり、岐阜県からの委託調査事業として、御嵩町の地域資源・地域特性を踏まえた太
陽光発電等クリーンエネルギーを活用した導入普及促進計画を策定するものです。
また、地域における太陽光発電等クリーンエネルギーの利活用モデルを模索し、企業や
住民など御嵩町全域に普及できる具体的な導入策を創出するとともに、環境問題や太陽光
発電等クリーンエネルギーに関する地域住民の意識向上や具体的な事業展開システムの構
築に必要な調査・検討を実施することを目的とします(図1.3-1)。
なお、本計画では、「御嵩町クリーンエネルギービジョン」を策定しますが、報告書の
まとめに際しては、これまでの既存の計画や施策、取組み等との整合を図りながらまとめ
ます。また、調査対象区域は、御嵩町地域全体とします。
【既存の計画】
御嵩町環境基本計画(平成17年3月)
御嵩町第4次総合計画(平成18年3月)等
【既存の取組み】
御嶽宿さんさん広場へのPV(10kW)設置
低炭素地域づくり面的対策推進事業
等
「緑の分権改革」推進事業(総務省事業)
太陽光発電等クリーンエネルギー導入に向けた
意向調査及び普及促進計画策定委託業務
(平成22
年度実施)
(平成22年度実施)
*岐阜県からの委託調査事業
調査
検討
整合
整合
御嵩町クリーンエネルギービジョン
御嵩町クリーンエネルギービジョン
実行
効果
太陽光発電等の
太陽光発電等の
クリーンエネルギーの
クリーンエネルギーの
利活用の推進
利活用の推進
御嵩町からの地球温暖化対策の
御嵩町からの地球温暖化対策の
さらなる推進
さらなる推進
効果
分散自立・地産地消・低炭素型
分散自立・地産地消・低炭素型
の地域主権社会の構築
の地域主権社会の構築
図1.3-1 本計画の位置付け
10
2.地域特性調査
2.1 自然環境特性
(1)位置・地勢
①位置
本町は、可茂地域の南部、中濃地方拠点都市地域の南東部に位置しており、可児市、美
濃加茂市、瑞浪市、土岐市、八百津町と隣接し、東西12km、南北8km、面積は約56.61km2
の町域を有しています(図2.1-1)。
また、中部圏の中心都市である名古屋市と県都岐阜市までは、ともに約35kmの距離にあ
ります。
図2.1-1 本町の位置
②地勢
本町の中央部を可児川が東西に流れ、北部には木曽川が流れています。
美濃太田盆地の一角を担う平坦地が西に広がり、南は緩やかな丘陵地、北は小高い山が
連なっています。
山林は、希少動植物が生育する貴重な里山であり、677haが保安林に指定されています。
11
(2)気象条件
①気温
年間平均気温の経年変化をみると、約 50 年前には 13 度前後でしたが、最近では 15 度前
後と、徐々に上昇しています(図2.1-2)
。
平均気温(℃)
18.0
17.0
16.0
15.0
14.0
13.0
H19
H17
H15
H13
H11
H9
H7
H5
H3
H1
S62
S60
S58
S56
S54
S52
S50
S48
S46
S44
S42
S40
S38
S36
S34
S32
S30
S28
12.0
*H19 はデータがありません。
図2.1-2 平均気温の推移
(出典:御嵩町統計書)
②降水総雨量
年間降水総雨量は、年により大きく変化していますが、最近3年ほどは、約 1,300∼
1,400mm となっています(図2.1-3)
。
降水総雨量(㎜)
2,500.0
2,000.0
1,500.0
1,000.0
500.0
H19
H17
H15
H13
H11
12
H9
(出典:御嵩町統計書)
H7
図2.1-3 降水総雨量の推移
H5
*S32 と H19 はデータがありません。
H3
H1
S62
S60
S58
S56
S54
S52
S50
S48
S46
S44
S42
S40
S38
S36
S34
S32
S30
S28
0.0
2.2 社会環境特性
(1)人口・世帯数
人口は、昭和 45 年(1970 年)以降、増加していましたが、平成7年(1995 年)をピー
クに減少に転じており、平成 22 年(2010 年)には 18,785 人となっています。
世帯数は現在も増加傾向にあり、平成 22 年(2010 年)には 6,333 世帯となっています
(図2.2-1)
。また、1世帯あたりの人数は減少傾向にあり、昭和 30 年(1955 年)の
5.05 人から、平成 22 年(2010 年)には 2.97 人まで減少しています。
人口
(人)
25,000
世帯数
(世帯)
6,333
7,000
6,000
20,000
5,000
15,000
4,000
3,154
10,000
19,980
18,785
15,930
3,000
2,000
5,000
1,000
0
0
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
H12 H17
H22
図2.2-1 人口・世帯数の推移
(出典:国勢調査。H22は速報値)
(2)土地利用
地目別土地利用状況は、山林が32.9%で最も広く、次いで雑種地(10.1%)
、宅地(7.4%)
となっています(図2.2-2)。
総面積(56.61km2)
田
7.7%
その他
38.8%
畑
2.2% 宅地
7.4%
池・沼
0.1%
山林
32.9%
雑種地
10.1%
原野
0.8%
図2.2-2 地目別土地利用状況(平成20年(2008年)1月1日)
(出典:御嵩町統計書)
13
(3)建築物利用
平成21年(2009年)時点で、16,465棟の建築物があり、57.6%(9,787棟)が用途地域内
に建設されています(表2.2-1)
。
表2.2-1 用途別建築物棟数
行政区域
住宅・共同住宅
店舗併用住宅
作業所併用住宅
業務施設
商業施設
宿泊施設
娯楽施設
遊戯施設
官公庁施設
文教厚生施設
運輸倉庫施設
重工業施設
軽工業施設
サービス工業施設
家内工業施設
危険物貯蔵施設
農林漁業施設
その他
合計
用途地域内
用途地域外
8,530
85
6
68
247
0
1
0
34
333
148
12
128
106
16
4
88
21
9,827
5,133
44
6
86
81
17
6
130
10
272
141
30
188
142
33
7
425
56
6,807
13,663
129
12
154
328
17
7
130
44
605
289
42
316
248
49
11
513
77
16,634
*用途地域とは、都市計画法で定められた地域地区の1つであり、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専
用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居
地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域の12種類があります。
(出典:平成21年度御嵩町都市計画基礎調査)
(4)住宅
①建て方別住宅数
建て方別住宅数は、一戸建が 87.9%(5,610 戸)
、共同住宅が 6.7%(430 戸)
、長屋建
4.5%(290 戸)
、その他 0.8%(50 戸)となっています。岐阜県と比較した場合、一戸建
の割合が高くなっています(図2.2-3)。また、持ち家比率は、全体で 85.1%です。
御嵩町(N=6,380)
岐阜県(N=712,600)
その他
0.8%
その他
0.3%
共同住宅
6.7%
長屋建
4.5%
共同住宅
22.2%
長屋建
2.1%
一戸建
75.4%
一戸建
87.9%
図2.2-3 建て方別住宅数(左:本町、右:岐阜県)
(出典:平成20年住宅・土地統計調査)
14
②構造別建築時期
建築時期は、昭和55年(1980年)以前(築年数30年以上)が、全体では38.2%、木造で
は50.8%を占めています(表2.2-2)
。
表2.2-2 構造別建築時期
全体
全体
(%)
木造
(%)
防火木造
(%)
鉄筋・鉄骨コンクリート造
(%)
鉄骨造
(%)
S45以前
S46∼55
S56年∼
H2
H3∼12
H13∼17
H18∼20
1,040
16.3
810
22.1
170
8.3
30
8.3
30
9.7
1,400
21.9
1,050
28.7
270
13.2
10
2.8
70
22.6
1,450
22.7
780
21.3
570
27.8
20
5.6
80
25.8
1,590
24.9
760
20.8
570
27.8
160
44.4
90
29.0
590
9.2
160
4.4
270
13.2
140
38.9
20
6.5
310
4.9
80
2.2
200
9.8
6,380
100.0
3,660
100.0
2,050
100.0
360
100.0
310
100.0
20
6.5
(出典:平成20年住宅・土地統計調査)
③1住宅あたり延べ面積
1住宅あたり延べ面積は、134.32m2となっています(表2.2-3)
。
表2.2-3 建築時期別1住宅あたり延べ面積(m2)
全体
S45以前
S46∼55
S56年∼
H2
H3∼12
H13∼17
H18∼20
134.32
160.26
127.70
124.19
138.32
136.49
99.55
(出典:平成 20 年住宅・土地統計調査)
④省エネルギー設備の設置状況
省エネルギー設備の設置状況は、
「太陽熱」が660戸(10.3%)、
「太陽光」が130戸(2%)
となっています(表2.2-4)
。
表2.2-4 省エネルギー設備の設置状況(戸数)
住宅総数
太陽熱を利用した
温水機器等
あり
6,380
660
なし
5,710
太陽光を利用した
発電機器
あり
130
なし
6,230
(出典:平成 20 年住宅・土地統計調査)
⑤町営住宅数
平成20年(2008年)時点で、町営住宅として240戸があります。
15
(5)交通
①自動車保有台数
自動車保有台数は、昭和 50 年(1975 年)以降、増加傾向にありましたが、平成 18 年(2006
年)をピークに減少に転じており、平成 20 年(2008 年)は 15,595 台となっています(図
2.2-4)
。
(台)
15,595
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
H 2 0
H 1 8
H 1 9
H 1 7
H 1 6
H 1 5
H 1 4
H 1 3
H 1 2
H 1 1
H 1 0
H 9
H 8
H 7
H 6
H 5
H 4
H 3
H 2
H 1
S 6 3
S 6 2
S 6 1
S 6 0
S 5 9
S 5 8
S 5 7
S 5 6
S 5 5
S 5 4
S 5 3
S 5 2
S 5 1
S 5 0
0
図2.2-4 自動車保有台数の推移
(出典:御嵩町統計書)
②公共交通機関利用状況
公共交通機関の1つである名古屋鉄道広見線の乗降客数の推移をみると、昭和 50 年代半
ばから徐々に減少しましたが、昭和 60 年(1985 年)頃から盛り返し始め、平成3年(1991
年)には昭和 50 年代前半の水準にまで達したものの、その後、再び減少傾向となり、平成
20 年(2008 年)には 113 万人となっています(図2.2-5)
。
御嵩駅
(万人)
御嵩口駅
顔戸駅
明智駅
240.0
220.0
200.0
180.0
160.0
140.0
120.0
100.0
80.0
60.0
40.0
20.0
H 1 9
H 2 0
H 1 8
H 1 7
H 1 6
H 1 6
H 1 5
16
H 1 4
(出典:御嵩町統計書)
H 1 3
図2.2-5 名古屋鉄道乗降客数の推移
H 1 2
H 1 1
H 1 0
H 9
H 8
H 7
H 6
H 5
H 4
H 3
H 2
H 1
S 6 3
S 6 2
S 6 1
S 6 0
S 5 9
S 5 8
S 5 7
S 5 6
S 5 5
S 5 4
S 5 3
S 5 2
S 5 1
S 5 0
0.0
2.3 産業特性
(1)産業別就業人口
産業別就業人口は、第三次産業が増加傾向にあり、平成17年(2005年)には54.8%を占
めています(表2.3-1)
。
表2.3-1 産業別就業人口の推移
合計
第一次産業
(%)
第二次産業
(%)
第三次産業
(%)
分類不能
(%)
S55
S60
H2
8,666
695
8.0
4,054
46.8
3,916
45.2
1
0.0
9,219
671
7.3
4,493
48.7
4,051
43.9
4
0.0
9,456
388
4.1
4,594
48.6
4,473
47.3
1
0.0
H7
H12
H17
10,318
572
5.5
4,583
44.4
5,142
49.8
21
0.2
10,062
372
3.7
4,456
44.3
5,234
52.0
0
0.0
9,830
300
3.1
4,096
41.7
5,391
54.8
43
0.4
(出典:国勢調査)
(2)農林業
①農業
農家数は減少傾向にあり、平成17年(2005年)は905戸と、昭和55年(1980年)に比べ約
3割減少しています
(表2.3-2)
。
表2.3-2 農家数・経営耕地面積の推移
農家数(戸)
経営耕地面積(ha)
S55
S60
H2
H7
1,267
546
1,257
509
1,130
469
1,035
430
H12
956
397
H17
905
265
(出典:御嵩町統計書)
②林業
昭和60年(1985年)以降、森林面積は減少傾向にあり、平成17年(2005年)は3,379ha
と、昭和60年(1985年)に比べ約15%減少しています(表2.3-3)。
表2.3-3 森林面積の推移
合計(ha)
官行造林(ha)
公有林(ha)
私有林(ha)
S55
S60
H2
H7
H12
H17
3,903
314
932
2,657
3,936
308
960
2,668
3,707
81
893
2,733
3,516
79
861
2,576
3,445
76
821
2,548
3,379
76
790
2,513
*官行造林:国が公有地又は私有地に造林をした分収林であり、林野庁が管理を行っているもの。
(出典:御嵩町統計書)
17
(3)工業
①事業所数・従業者員数・製造品出荷額等
平成 20 年(2008 年)の製造業の事業所数は 65 事業所、従業員数は 3,568 人、製造品出
荷額等は 1,062 億円となっており、従業者数と製造品出荷額等で前年を下回っています(図
2.3-1)
。
H 2 0
H 1 9
H 1 8
H 1 7
H 1 6
H 1 5
H 1 4
H 1 3
H 1 2
H 1 1
H 1 0
H 9
H 8
H 7
H 6
H 5
H 4
H 3
H 2
H 1
図2.3-1 工業(事業所数・従業者数・製造品出荷額等)の推移
H 2 0
1,200
H 1 9
H 1 8
H 1 7
H 1 6
H 1 5
H 1 4
H 1 3
H 1 2
H 1 1
H 1 0
H 9
1,062
(億円)
H 2 0
4,000
H 1 9
H 1 8
H 1 7
H 1 6
H 1 5
H 1 4
H 1 3
H 1 2
H 1 1
H 1 0
H 9
H 8
H 7
H 6
H 5
H 4
H 3
H 2
S 6 3
S 6 2
S 6 1
S 6 0
S 5 9
S 5 8
S 5 7
S 5 6
S 5 5
S 5 4
S 5 3
S 5 2
S 5 1
(出典:工業統計表)
H 8
H 7
H 6
H 5
H 4
H 3
H 2
H 1
S 6 3
S 6 2
S 6 1
S 6 0
S 5 9
S 5 8
S 5 7
S 5 6
S 5 5
S 5 4
S 5 3
S 5 2
S 5 0
18
3,568
従業者数
(人)
H 1
S 6 3
S 6 2
S 6 1
S 6 0
S 5 9
S 5 8
S 5 7
S 5 6
S 5 5
S 5 4
S 5 3
S 5 2
S 5 1
0
S 5 0
0
S 5 1
S 5 0
0
事業所数
(事業所)
140
120
100
80
60
65
40
20
3,600
3,200
2,800
2,400
2,000
1,600
1,200
800
400
製造品出荷額等(億円)
1,000
800
600
400
200
*H16・18・19は従業者数4人以上の事業所が対象、H20は従業者数5人以上の事業所が対象。
②産業中分類別製造品出荷額等
平成20年(2008年)の産業中分類別製造品出荷額等は、
「輸送用機械器具」
(26.5%)が
最も高く、次いで「プラスチック製品」(20.9%)、
「電子部品・デバイス」(15.9%)、
「窯
業・土石」
(10.9%)等が続いています(図2.3-2)
。
H20(1,062億円)
生産用機械器具 その他
0.6%
12.3%
食料品
2.2%
輸送用機械器具
26.5%
繊維工業
2.6%
電気機械器具
2.9%
金属製品
5.0%
窯業・土石
10.9%
プラスチック製品
20.9%
電子部品・
デバイス
15.9%
図2.3-2 産業中分類別製造品出荷額等(平成20年)
(出典:工業統計表)
(4)商業
平成19年(2007年)の商業統計調査では、商店数は155、従業者数は753人、年間商品販
売額は124億円であり、平成16年(2004年)の調査と比較した場合、商店数・従業者数は低
下している一方で、年間商品販売額は増加しています(表2.3-4)
。
表2.3-4 商業(事業所数・従業者数・年間商品販売額)の推移
H3
商店数
従業者数
年間商品販売額(億円)
243
794
116
H6
H9
212
670
106
H11
197
800
119
195
872
120
H14
188
873
107
H16
165
787
98
H19
155
753
124
(出典:商業統計調査)
(5)観光
本町には、飛騨木曽川国定公園「鬼岩公園」や、生活環境保全林「みたけの森」等、豊
かな自然を活かした観光資源や、町外からの利用客が多い6つのゴルフ場が立地していま
す。また、年間で約30万人の観光客数がありますが、殆どが日帰り客となっています。
19
2.4 関連計画
(1)御嵩町第4次総合計画
本計画は、平成 18 年(2006 年)3月に策定されました。計画期間は、平成 18(2006 年)
年度から平成 27(2015 年)年度までの 10 年間であり、将来像を「ひと・みどり・ものづ
くり いきいき十字路タウンみたけ」と掲げています。
また、分野別の施策では、自然・生活環境の中で、大施策として循環型社会を掲げ、そ
の中に「資源・エネルギーの有効活用 ②自然エネルギーの利用促進」を掲げています。
具体的には、
「太陽光発電、風力発電など、自然エネルギー利用に関する省エネ効果や補
助制度の情報提供を充実し、活用を促します。
」と掲げています。
(2)御嵩町環境基本計画
本計画は、御嵩町環境基本条例第7条に基づき、環境の保全と創造に関する施策を総合
的かつ計画的に推進するために策定するものであり、平成17年(2005年)3月に策定され
ました。
目指す環境像として「自然と共生し 歴史・文化を未来にひきつぐ 里山のまち みたけ」
を掲げ、4つの環境目標の中に「地球環境にやさしいまち[環境目標3]」を挙げていま
す。この環境目標3の中に、施策目標として「地球温暖化を防ぐ」を掲げ、具体的には、
①省エネルギーを推進する
②自然エネルギーの利用を促進する
③公共交通機関の利用を推進する
④自転車の利用や歩行による移動を推進する
を挙げています。また、②の施策内容を示したものが、表2.4-1です。
表2.4-1 環境基本計画内の自然エネルギーの促進に関する施策
施策名
施策内容
町民・事業者の自然エネル
ギー活用の普及促進
太陽光発電施設の設置に対する国の補助金制度の紹介や、その他の
自然エネルギー(風力など)に関する情報提供を行い、家庭や事業
所における自然エネルギーの活用を促進していきます。
公共施設の自然エネルギー活
用の促進
街路灯のソーラー化など、都市基盤整備を進めるにあたっては、公
共施設での自然エネルギーの利用を促進していきます。
(出典:御嵩町環境基本計画)
20
3.導入状況・支援内容等に関する調査
3.1 導入状況調査
(1)太陽光発電
①世界・日本
世界全体での太陽光発電の累積導入量は、平成 21 年(2009 年)時点で 20,381MW となっ
ており、市場は拡大傾向にあります。
日本の累積導入量は、平成9年(1997 年)∼平成 16 年(2004 年)までは世界第1位で
したが、平成 17 年(2005 年)にはドイツ、平成 20 年(2008 年)にはスペインに抜かれ、
第3位となっています(表3.1-1、図3.1-1)。ドイツとスペインでは、大規模な太
陽光発電施設の導入促進施策を実施した後に、導入量が急激に増加しています。
なお、日本では、平成 21 年(2009 年)1月から国の住宅用太陽光発電導入補助事業が再
開し、また、平成 21 年(2009 年)11 月からは固定価格買取制度が開始されたことから、
導入量の増加に弾みがつくことが推測されます。
表3.1-1 世界での太陽光発電の導入状況【世界全体と上位10ヶ国】
国名
世界全体
年
単年
累計
ドイツ
単年
累計
スペイン
単年
累計
日本
単年
累計
アメリカ
単年
累計
イタリア
単年
累計
韓国
単年
累計
フランス
単年
累計
オーストラリア 単年
累計
ポルトガル
単年
累計
カナダ
単年
累計
1992
103.0
3.0
19.0
43.5
8.5
1.5
1.8
7.3
0.2
1.0
1993
24.0
127.0
2.0
5.0
5.3
24.3
6.8
50.3
3.6
12.1
0.1
1.6
0.3
2.1
1.6
8.9
0.0
0.2
0.2
1.2
1994
24.0
151.0
1.0
6.0
1.0
6.9
31.2
7.5
57.8
2.0
14.1
0.1
1.7
0.3
2.4
1.8
10.7
0.1
0.3
0.3
1.5
1995
30.0
181.0
2.0
8.0
0.0
1.0
12.2
43.4
9.0
66.8
1.7
15.8
0.1
1.8
0.5
2.9
2.0
12.7
0.0
0.3
0.4
1.9
1996
38.0
219.0
3.0
11.0
0.0
1.0
16.2
59.6
9.7
76.5
0.2
16.0
0.3
2.1
1.5
4.4
3.0
15.7
0.1
0.4
0.7
2.6
1997
62.0
281.0
7.0
18.0
0.0
1.0
31.7
91.3
11.7
88.2
0.7
16.7
0.4
2.5
1.7
6.1
3.0
18.7
0.1
0.5
0.8
3.4
1998
74.0
355.0
5.0
23.0
0.0
1.0
42.1
133.4
11.9
100.1
1.0
17.7
0.5
3.0
1.5
7.6
3.8
22.5
0.1
0.6
1.1
4.5
1999
116.0
471.0
9.0
32.0
1.0
2.0
75.2
208.6
17.2
117.3
0.8
18.5
0.5
3.5
1.5
9.1
2.8
25.3
0.3
0.9
1.3
5.8
2000
207.0
678.0
44.0
76.0
0.0
2.0
121.6
330.2
21.5
138.8
0.5
19.0
0.5
4.0
2.2
11.3
3.9
29.2
0.2
1.1
1.4
7.2
2001
2002
2003
2004
2005
288.0
371.0
481.0 1,058.0 1,367.0
966.0 1,337.0 1,818.0 2,876.0 4,243.0
110.0
110.0
143.0
635.0
906.0
186.0
296.0
439.0 1,074.0 1,980.0
2.0
3.0
5.0
12.0
25.0
4.0
7.0
12.0
24.0
49.0
122.6
184.0
222.8
272.4
289.9
452.8
636.8
859.6 1,132.0 1,421.9
29.0
44.4
63.0
100.8
103.0
167.8
212.2
275.2
376.0
479.0
1.0
2.0
4.0
4.7
6.8
20.0
22.0
26.0
30.7
37.5
0.8
0.6
0.6
2.5
5.0
4.8
5.4
6.0
8.5
13.5
2.6
3.3
3.9
4.9
7.0
13.9
17.2
21.1
26.0
33.0
4.4
5.5
6.5
6.7
8.3
33.6
39.1
45.6
52.3
60.6
0.2
0.4
0.4
0.6
0.3
1.3
1.7
2.1
2.7
3.0
1.6
1.2
1.8
2.1
2.8
8.8
10.0
11.8
13.9
16.7
2006
1,440.0
5,683.0
832.0
2,812.0
99.0
148.0
286.6
1,708.5
145.0
624.0
12.5
50.0
22.3
35.8
10.9
43.9
9.7
70.3
0.4
3.4
3.8
20.5
2007
2008
2009
2,336.0 6,174.0 6,188.0
8,019.0 14,193.0 20,381.0
1,165.0 2,023.0 3,845.0
3,977.0 6,000.0 9,845.0
557.0 2,758.0
60.0
705.0 3,463.0 3,523.0
210.4
225.3
483.0
1,918.9 2,144.2 2,627.2
206.5
338.0
473.1
830.5 1,168.5 1,641.6
70.2
338.1
723.0
120.2
458.3 1,181.3
45.4
276.3
84.4
81.2
357.5
441.9
31.3
104.5
250.3
75.2
179.7
430.0
12.2
22.0
79.1
82.5
104.5
183.6
14.5
50.1
34.2
17.9
68.0
102.2
5.3
6.9
61.9
25.8
32.7
94.6
*単位はMW。並び順は平成21年(2009年)時点での累積ランキングによるもの。
(出典:TRENDS IN PHOTOVOLTAIC APPLICATIONS(Report IEA-PVPS T1-19:2010))
(MW)
12,000
ドイツ
スペイン
日本
アメリカ
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
0
図3.1-1 太陽光発電の累積導入量上位4ヶ国の推移
(出典:TRENDS IN PHOTOVOLTAIC APPLICATIONS(Report IEA-PVPS T1-19:2010)より作成)
21
②岐阜県
a)住宅用(民生家庭部門)
県内の住宅用太陽光発電の導入状況は、平成 20 年(2008 年)度の累計で、35,052kW と
なっています(全国 19 位)。単年では、平成 17 年(2005 年)度を境に減少に転じていま
したが、平成 20 年(2008 年)度、再び増加しています(表3.1-2、図3.1-2)
。
市町村別の住宅用太陽光発電の導入状況では、平成 20 年住宅・土地統計調査(総務省)
の結果からみると、池田町、安八町、大野町等で導入率が高くなっています。また、本町
は、導入率が 2.04%で岐阜県平均よりも 0.5 ポイント上回っています(表3.1-3)
表3.1-2 都道府県別の住宅用太陽光発電の導入状況(設置容量:累計)【上位 10 県と岐阜県】
都道府県
世帯数・順位
PV導入量(kW)
1 愛知県
94,423
2,724,476
4
2 福岡県
88,906
1,984,662
9
3 静岡県
81,776
1,346,952
10
4 埼玉県
78,670
2,630,623
5
5 大阪府
75,751
3,590,593
2
6 兵庫県
73,578
2,128,963
8
7 東京都
68,542
5,747,460
1
8 神奈川県
58,360
3,549,710
3
9 千葉県
57,845
2,304,321
7
10 熊本県
56,922
664,338
24
19 岐阜県
35,052
710,166
20
(出典:平成 20 年度住宅用太陽光発電システム導入状況に関する調査(一般社団法人新エネルギー導入促進協議会))
(kW)
(kW)
10,000
40,000
単年
9,000
累計
35,000
8,000
30,000
7,000
25,000
6,000
20,000
5,000
4,000
15,000
3,000
10,000
2,000
5,000
1,000
0
0
∼1996 1997
単位:kW
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
導入促進事業(2001年度まで導入基盤整備事業)
メーカー販売量調査
モニター
事業
1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度
実績
実績
実績
実績
実績
単年
実績
379
実績
390
実績
437
実績
825
1,483
1,409
2,531
3,421
4,660
販売実績 販売実績 販売実績 販売実績
6,644
5,293
3,085
4,495
累計
379
769
1,206
2,031
3,514
4,923
7,454
10,875
15,535
22,179
27,472
30,557
35,052
*モニター事業は、平成6年(1994年)度から平成8年(1996年)度までの3年間実施。平成17年(2005年)度
から平成19年(2007年)度は、太陽電池メーカー11社の販売実績を記載。平成20年(2008年)度は、太陽光発
電協会から提供された販売実績を記載。
図3.1-2 岐阜県での住宅用太陽光発電の導入状況(設置容量:累計)
(出典:平成20年度住宅用太陽光発電システム導入状況に関する調査(一般社団法人新エネルギー導入促進協議会))
22
表3.1-3 岐阜県内での省エネルギー設備等(太陽光発電)の有無と導入割合
太陽光発電(戸)
あり
なし
総数(戸)
岐阜県
池田町
安八町
大野町
揖斐川町
本巣市
恵那市
瑞浪市
垂井町
海津市
神戸町
中津川市
御嵩町
可児市
大垣市
羽島市
瑞穂市
笠松町
下呂市
多治見市
美濃市
岐南町
美濃加茂市
関市
土岐市
山県市
各務原市
岐阜市
養老町
高山市
郡上市
北方町
飛騨市
712,600
7,490
4,150
7,120
7,970
10,330
17,840
14,030
9,380
11,110
6,410
27,110
6,380
34,870
56,080
21,340
17,920
7,850
12,060
40,110
7,400
8,180
18,650
30,110
20,700
9,200
48,670
158,160
9,730
31,100
13,810
6,280
8,830
11,000
300
150
230
230
290
470
340
220
260
150
590
130
710
1,000
360
280
120
170
560
100
110
250
400
260
110
570
1,810
80
240
100
30
40
692,700
7,160
3,980
6,770
7,690
10,000
17,260
13,610
9,170
10,830
6,260
26,410
6,230
33,810
53,250
20,650
17,420
7,700
11,870
39,270
7,290
7,840
18,180
29,280
20,280
9,000
47,870
152,980
9,460
30,570
13,710
6,200
8,780
導入率
(%)
1.54
4.01
3.61
3.23
2.89
2.81
2.63
2.42
2.35
2.34
2.34
2.18
2.04
2.04
1.78
1.69
1.56
1.53
1.41
1.40
1.35
1.34
1.34
1.33
1.26
1.20
1.17
1.14
0.82
0.77
0.72
0.48
0.45
*並び順は、岐阜県の次からは導入割合ランキングによるもの。
(出典:平成20年住宅・土地統計調査)
b)民生業務部門・産業部門
民生業務部門及び産業部門で、国の補助事業の活用による太陽光発電の導入量は、確認
できた情報の合計値としては、3,418.6kW となっています(表3.1-4∼表3.1-6)。
23
表3.1-4 太陽光発電新技術等フィールドテスト事業の県内採択案件
年度
平成9年度
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成12年度
平成13年度
平成13年度
平成13年度
平成13年度
平成13年度
平成13年度
平成13年度
平成13年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成14年度
平成15年度
平成15年度
平成15年度
平成16年度
平成16年度
平成16年度
平成16年度
平成16年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成17年度
平成18年度
平成18年度
平成18年度
平成18年度
平成18年度
平成18年度
平成18年度
平成19年度
平成19年度
平成19年度
平成19年度
平成19年度
平成19年度
平成19年度
平成19年度
平成20年度
平成20年度
平成20年度
平成20年度
平成20年度
合計
市町村
高山市
高山市
金山町
関市
北方町
可児市
海津市
関市
関市
瑞浪市
大垣市
大垣市
中津川市
関市
岐阜市
山県市
神岡町
南濃町
美濃加茂市
美濃加茂市
美濃市
北方町
可児市
兼山町
美濃加茂市
可児市
岐阜市
美濃加茂市
美濃加茂市
福岡町
岐阜市
岐阜市
多治見市
大垣市
中津川市
中津川市
飛騨市
美濃加茂市
富加町
輪之内町
羽島市
可児市
岐阜市
恵那市
恵那市
美濃加茂市
美濃市
羽島市
各務原市
関市
岐南町
岐阜市
大垣市
飛騨市
美濃市
下呂市
関ヶ原町
岐阜市
川辺町
多治見市
設置場所
地ビール工房
㈱和井田製作所
金山町総合交流ターミナル施設
わかくさ・プラザ学習情報館
北方南小学校
可児市文化創造センター
伊藤内科・神経科
関市立緑ヶ丘中学校体育館
岐阜県博物館
瑞浪市学校給食センター
コスモ石油大垣SS
学校法人岐阜経済大学10号館
中津川市立南小学校
関市立安桜小学校体育館
岐阜環状線鵜飼い大橋
宇野クリニック医院棟及び住宅棟
国民健康保険ケアホスピタルたかはら
南濃町立城山小学校校舎
緑ヶ丘クリーンセンター
コスモ石油㈱セルフピュア美濃加茂SS
美濃市立美濃病院
北方中学校
可児市立旭小学校
兼山町立兼山小学校
美濃加茂市立古井小学校
㈱パネックス社屋
宗教法人生長の家岐阜県教化部会館
美濃加茂市立加茂野小学校
美濃加茂市立下米田小学校
健康保健福祉センター
ドッグカフェ
本社社屋
多治見市立滝呂小学校
本社ビル
中津川市養護訓練センター
㈱さのや
(仮称)新増島保育園
美濃加茂市立蜂屋小学校
介護老人保健施設センチュリー21
㈲小塚工業・倉庫棟
ジラソーレ光
可児市学校給食センター
岐阜プラスチック工業生産本部本社工場内第二工場
恵那市中央図書館
恵那市立明智小学校屋内運動場
美濃加茂市立山之上小学校
㈱桜井グラフィックシステムズ岐阜工場
岐阜県中古自動車販売商工組合JU岐阜羽島オートオークション会場
サンキョーヒカリ㈱岐阜工場
大豊化学工業㈱洞戸工場
マックスバリュ岐南店
日本ウェストン㈱本社工場
イビデン㈱
飛騨市立図書館
㈱桜井グラフィックシステムズ岐阜工場
日産工業㈱本社敷地内
㈱マキナ野上工場
㈱トーエネック岐阜支店
㈲富士屋
㈱丸モ高木陶器本館
24
容量(kW)
10.0
20.0
20.0
10.0
30.0
20.0
20.0
10.0
20.0
10.0
20.0
10.0
10.0
10.0
10.0
10.0
20.0
20.0
50.0
10.0
30.0
30.0
30.0
10.0
10.0
20.0
20.0
20.0
10.0
10.0
13.0
40.0
40.0
50.0
10.0
50.0
10.0
20.0
50.0
10.0
12.0
30.0
10.0
80.0
10.0
10.0
100.0
200.0
26.0
130.0
100.0
50.0
600.0
10.0
220.0
10.0
70.0
16.0
50.0
30.0
2,587.0
表3.1-5 新エネルギー等導入加速化支援対策事業(新エネルギー導入促進事業)の県内採択案件
年度
平成12年度
平成15年度
平成16年度
平成18年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
合計
市町村
多治見市
武芸川町
本巣市
岐阜市
本巣市
垂井町
瑞浪市
恵那市
恵那市
多治見市
岐阜市
本巣市
岐阜市
多治見市
関市
岐阜市
瑞浪市
中津川市
垂井町
設置場所
多治見中学校
町施設保育所及び中学校屋内運動場
本巣中学校
柳津小学校
幼児療育施設
新築病棟屋上
幼稚園
消防防災センター
火葬場屋根
駅通路屋上
施設
クリニック
(仮称)岐阜市大杉一般廃棄物最終処分場
JR多治見駅南北自由通路屋上
医療法人香徳会
社団法人岐阜県労働基準協会連合会
千寿の里西小田
中津川市付知公民館
不破ノ関病院病棟
容量(kW)
40.0
40.0
10.0
10.0
10.0
30.0
10.0
20.0
32.0
30.0
30.0
23.0
30.0
29.0
10.0
50.0
50.0
20.0
30.0
524.0
表3.1-6 新エネルギー等導入加速化支援対策事業(新エネルギー等事業者支援対策事業)の県内採択案件
年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成21年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
平成22年度
合計
市町村
上市白鳥町
飛騨市
大垣市
各務原市
高山市
(不明)
大垣市
岐阜市
(不明)
(不明)
岐阜市
岐阜市
富加町
神戸町
設置場所
サンテック㈱店舗屋上
神工電気㈱事務所屋上
大垣瓦斯㈱社屋
㈲トライアンフカンパニーデイサービス施設
㈱日本自然発酵工場
㈱マルエイ施設
岐阜精工㈱屋根
神山商事㈱倉庫屋上
川合完治賃貸住宅
長良化学工業㈱北方工場屋根
大岐阜ビル㈱屋上
㈱トオヤマ社屋
野田産業㈱本社駐車場
㈱クレーンタル野田工場屋根上
25
容量(kW)
10.0
10.0
10.0
20.0
20.0
26.0
98.0
30.0
14.0
10.0
10.0
20.0
10.0
19.6
307.6
(2)太陽熱利用
①世界・日本
世界での太陽熱利用機器の導入状況をみると、導入量は増加傾向にあります。
国別では、中国が世界の57.6%の導入量を占めており、次いで、アメリカ、ドイツ、ト
ルコと続き、日本は第5位となっています(表3.1-7)。
日本の導入量は、第2次石油危機を経て、昭和55年(1980年)には太陽熱温水器とソー
ラーシステムを合わせた年間導入量が80万台を超えていましたが、その後、年間導入量は
徐々に減少し、平成19年(2007年)には年間5万台にまで落ち込みました。
平成20年(2008年)には、下げ止まりの兆候が現れ始め、太陽熱温水器が60,000台、ソ
ーラーシステムが4,700台と僅かながら回復しています(図3.1-3)。
なお、平成20年(2008年)末時点での累積出荷台数は、前者が6,266,000台、後者が637,690
台となっています。
表3.1-7 世界各国での太陽熱利用機器の導入状況(集熱面積(m2))
【世界全体と上位10ヶ国】
国名
世界全体
中国
アメリカ
ドイツ
トルコ
日本
オーストラリア
ブラジル
オーストリア
ギリシャ
イスラエル
2004年
139,428,460
62,000,000
28,398,544
6,476,000
7,280,000
7,726,000
4,749,000
2,266,000
2,769,072
2,994,200
4,790,000
2005年
157,435,845
75,000,000
29,141,546
7,401,000
9,000,000
6,999,449
5,150,000
2,700,458
3,008,612
3,047,200
4,800,000
2006年
180,910,095
93,000,000
29,713,560
8,804,000
9,450,000
6,781,363
5,418,000
3,112,105
3,311,750
3,287,200
4,889,400
2007年
193,187,367
108,000,000
19,787,070
9,398,077
10,150,000
7,398,518
5,753,000
3,685,291
3,601,431
3,573,000
3,759,500
2008年
216,948,117
125,000,000
20,614,290
11,071,754
10,636,800
6,315,500
6,098,000
4,293,206
3,964,354
3,870,000
3,800,000
(出典:Solar Heat Worldwide, Markets and Contribution ton the Energy Supply, IEA-SHC)
(千台)
ソーラーシステム
太陽熱温水器
900
800
700
600
500
400
300
200
100
H20
H19
H18
H17
H16
H15
H14
H13
H12
H11
H10
H9
H8
H7
H6
H5
H4
H3
H2
H1
S63
S62
S61
S60
S59
S58
S57
S56
S55
S54
S53
S52
0
図3.1-3 国内の太陽熱利用機器の導入状況
(出典:
(社)ソーラーシステム振興協会ホームページ(http://www.ssda.or.jp/energy/result.html)より作図)
26
②岐阜県
a)住宅用(民生家庭部門)
市町村別の住宅用太陽熱利用機器の導入状況では、平成 20 年住宅・土地統計調査(総務
省)の結果からみると、安八町、中津川市、海津市等で導入率が高くなっています。
また、本町は、導入率が 10.34%で岐阜県平均よりも 0.63 ポイント上回っています(表
3.1-8)
表3.1-8 岐阜県内での省エネルギー設備等(太陽熱温水機器等)の有無と導入割合
総数(戸)
岐阜県
安八町
中津川市
海津市
本巣市
恵那市
神戸町
養老町
池田町
羽島市
揖斐川町
山県市
垂井町
瑞浪市
大野町
美濃加茂市
郡上市
御嵩町
美濃市
瑞穂市
岐南町
各務原市
関市
太陽熱温水機器等(戸)
あり
なし
712,600
4,150
27,110
11,110
10,330
17,840
6,410
9,730
7,490
21,340
7,970
9,200
9,380
14,030
7,120
18,650
13,810
6,380
7,400
17,920
8,180
48,670
69,200
860
5,190
2,070
1,700
2,800
990
1,450
1,100
3,120
1,140
1,260
1,280
1,800
860
2,240
1,540
660
760
1,720
770
4,360
634,400
3,270
21,820
9,020
8,590
14,920
5,420
8,090
6,360
17,880
6,790
7,850
8,100
12,150
6,140
16,190
12,260
5,710
6,630
15,980
7,170
44,080
30,110
2,630
27,050
12,060
56,080
34,870
7,850
20,700
6,280
158,160
1,050
4,670
2,700
570
1,500
410
9,930
10,990
49,580
31,820
7,240
19,040
5,820
144,860
多治見市
高山市
40,110
31,100
2,100
1,570
37,730
29,250
飛騨市
8,830
390
8,430
下呂市
大垣市
可児市
笠松町
土岐市
北方町
岐阜市
導入率
(%)
9.71
20.72
19.14
18.63
16.46
15.70
15.44
14.90
14.69
14.62
14.30
13.70
13.65
12.83
12.08
12.01
11.15
10.34
10.27
9.60
9.41
8.96
8.73
8.71
8.33
7.74
7.26
7.25
6.53
6.28
5.24
5.05
4.42
*並び順は、岐阜県の次からは導入割合ランキングによるもの。
(出典:平成20年住宅・土地統計調査)
b)民生業務部門・産業部門
民生業務部門及び産業部門で、国の補助事業の活用による太陽熱利用の導入件数は、確
認できた情報の合計値としては、2件となっています(表3.1-9)
。
表3.1-9 太陽熱利用の導入事例
事業名
年度
市町村
新エネルギー導入促進事業
平成16年度 御嵩町
新エネルギー等事業者支援対策事業 平成22年度 大垣市
27
設置場所
知的障害者通所授産施設あゆみ館
デイサービスセンターかがやき
規模(集熱面積)
133.21㎡
96㎡
3.2 普及促進を支援する国、県の補助事業・内容調査
(1)国
太陽エネルギーの導入・普及促進を支援するための、平成22年(2010年)度の国の補助
事業は、表3.2-1のとおりです。
表3.2-1 平成 22 年(2010 年)度の国における太陽エネルギー導入補助事業(1/2)
管轄団体名
一般社団法人太陽光発電協会
事業名
住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金
対象者
自ら居住する住宅にシステムを設置しようとする個人で、電灯契約者となる方
①太陽電池モジュールの変換効率が一定の数値を上回ること
要件
②一定の品質・性能が確保され、設置後のサポート等がメーカー等によって確保され
ていること
③最大出力が 10kW 未満で、かつシステム価格が 70 万円(税抜)/kW 以下であること
補助率、融資額・率
対象システムを構成する太陽電池モジュールの公称最大出力1kW 当たり7万円
管轄団体名
一般社団法人新エネルギー導入促進協議会
事業名
新エネルギー等導入加速化支援対策事業(地域新エネルギー等導入促進事業)
対象者
地方公共団体、非営利民間団体(一般枠)及び地方公共団体と連携して新エネルギー
等導入事業を行う民間事業者(社会システム枠)
新エネルギー等の導入のための計画に基づき実施する事業であって、設備導入事業を
要件
補助対象事業とする。太陽光発電、風力発電、太陽熱利用、バイオマス発電、バイオ
マス熱利用、バイオマス燃料製造、雪氷熱利用、温度差エネルギー、水力発電(1,000kW
以下)、地熱発電(バイナリー方式のみ)、天然ガスコージェネレーション、燃料電池
補助率、融資額・率
補助対象経費の1/2以内
管轄団体名
NEDO 技術開発機構
事業名
新エネルギー等非営利活動促進事業
対象者
特定非営利活動法人、公益法人等の法人格を有する者及び会員数が 10 名以上で定款に
準じる書類を整備している法人格を持たない非営利民間団体
補助対象事業者が、営利を目的としない新エネルギー等の導入・省エネルギーの普及
要件
に資する普及啓発活動(シンポジウム、講習会等の開催、イベントの主催及び出展な
ど)を行う事業であり、必要な経費(謝金、旅費、諸経費)に対して補助金の交付を
行う。ただし、パンフレット等の配布のみの事業は、対象としない。
補助率、融資額・率
補助対象経費の1/2以内を補助
管轄団体名
一般社団法人新エネルギー導入促進協議会
事業名
対象者
新エネルギー等導入加速化支援対策事業(新エネルギー等事業者支援対策事業)
*問い合わせ先は、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会
先進的な新エネルギー等設備の導入を行う民間事業者
先進的な新エネルギー等設備であって、要件を満たす設備を導入する事業の実施に対
し、導入設備費の一部を補助する。太陽光発電、風力発電、太陽熱利用、バイオマス
要件
発電、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造、雪氷熱利用、温度差エネルギー、水
力発電(1,000kW 以下)、地熱発電(バイナリー方式のみ)
、天然ガスコージェネレー
ション、燃料電池
補助率、融資額・率
補助対象経費の1/3以内
28
表3.2-1 平成 22 年(2010 年)度の国における太陽エネルギー導入補助事業(2/2)
管轄団体名
環境省
事業名
ソーラー環境価値買取事業
対象者
民間事業者、その他環境省が適当と認める者(国及び地方公共団体は対象としない)
電力事業者との電力供給契約が特定高圧連系もしくは高圧連系(みなし低圧連系を含
要件
む)することとなっている民間事業者が、国内において業務用太陽光発電設備(20kW
以上で 500kW 以下に限る。)を設置する事業
補助率、融資額・率
太陽光発電設備1kW 当たり 30 万円を上限
管轄団体名
環境省
事業名
地球温暖化防止・地域再生推進融資促進事業
対象者
民間企業
①地方公共団体から、出資等の関与を受けつつ、地域推進計画の実施及び地域の経済
要件
的・社会的発展に資する事業に対して低利融資を行う機関
②環境省に対し宣言を行い、地域の温室効果ガス削減及び地域の経済的・社会的発展
に資する低利融資を行う機関
補助率、融資額・率
通常の金利で貸し付けた場合の利子収入との差額の1/2(1%分を上限)について利
子補給を行う。
管轄団体名
環境省
事業名
地域協議会民生用機器導入促進事業
対象者
民間団体(地域協議会の構成員)
①高断熱住宅へのリフォーム
②省エネ設備の大規模導入
③民生用バイオマス燃料燃焼機器
要件
④民生用小型風力発電システム
⑤民生用太陽熱利用システム
:一般住宅等に対して、太陽熱利用システムを地域にまとめて導入する地域協議会の
事業
補助率、融資額・率
総事業費の1/3
管轄団体名
環境省
事業名
家庭用太陽熱利用システム普及加速化事業
対象システムをリース方式により利用者の住宅に設置(設置工事だけでなく、状態と
対象者
しての設置を含む)する民間事業者、もしくは設置事業者に対象システムをリースす
る民間事業者
①強制循環式ソーラーシステム(集合住宅にセントラル方式で設置される場合を含む)
であること。
要件
②財団法人ベターリビングの優良住宅部品(BL部品)の認定を受けた機器であること。
または、BL部品の認定を給湯器の分類で受けた製品を有する事業者の機器であり、
環境省が認めたものであること。
③集熱器の面積が 100m2 未満であること。
工事費の上限は住宅1戸(集合住宅にあっては1世帯)当たり120万円。
補助率、融資額・率
原則、住宅100戸(集合住宅の世帯数を含む)以上。
*申請時に、設置住宅を確定しておく必要はないが、事業期間内に設置が見込める戸
数とする。
29
(2)岐阜県・県内市町村
太陽エネルギーの導入・普及促進を支援するための、平成22年(2010年)度の岐阜県・
県内市町村の補助事業は、表3.2-2のとおりです。
表3.2-2 平成 22 年(2010 年)度の岐阜県・県内市町村における太陽エネルギー導入補助事業(1/2)
管轄団体名
岐阜県
事業名
経営合理化資金 (新エネルギー等支援枠)(平成 21 年(2009 年)度∼)
対象者
中小事業者
○省エネルギー機械設備等の導入に要する経費
要件
○新エネルギー利用機械設備等の導入に要する経費
○産業廃棄物の再資源化・工場排水等の再利用(リサイクル関連)等、省資源に資す
る機械設備等の導入に要する経費
補助率、融資額・率
融資上限:10,000 万円。融資利率年 1.3%(償還期間 10 年を超えるものは年 1.7%)
管轄団体名
岐阜市
事業名
太陽光発電システム設置整備事業補助(平成 21 年(2009 年)度∼)
対象者
要件
①市内の自らの住居(店舗、事務所兼用も可)に太陽光発電システムを設置した方
②市内に太陽光発電システムを設置した建売住宅を自ら住居として購入した方
いずれの場合も平成 21 年1月 13 日以降に国採択事業者が実施する補助事業(国の補
助)を受けている必要がある。
補助率、融資額・率
2万円/kW(上限6万円)
管轄団体名
下呂市
事業名
太陽熱利用システム設置事業(平成 16 年(2004 年)度∼)
対象者
住宅用太陽熱利用システムを設置する市民
要件
下呂市に住所を有していること。事業所は対象外
補助率、融資額・率
事業費の1/3(上限5万円)
管轄団体名
中津川市
事業名
住宅用太陽光発電システム設置整備補助事業(平成 20 年(2008 年)度∼)
対象者
住宅用太陽光発電システムの設置者(市民)
要件
1kW あたりのシステム価格が 70 万円(税抜き)以下であること
補助率、融資額・率
システム価格の5%(上限5kW)
管轄団体名
瑞浪市
事業名
住宅用太陽光発電システム設置費補助金(平成 21 年(2009 年)度∼)
等
①国の住宅用太陽光発電導入対策費補助金を受ける方
対象者
②自ら居住する市内の住宅に太陽光発電システムを設置する方または市内に自ら居住
要件
最大出力値 10kW 未満で、かつシステム価格が国の補助基準を満たす機器
補助率、融資額・率
3万円/kW(上限 12 万円)
管轄団体名
恵那市
事業名
住宅用太陽光発電システム設置費補助金(平成 21 年(2009 年)度∼)
対象者
個人住宅に太陽光発電システムを導入される方
する太陽光発電システム付住宅を購入する方
要件
補助率、融資額・率
○低圧配電線と逆潮流有りで連係し、太陽電池モジュールの最大出力の合計値が 10kW
以下のもの。システムの価格が kW あたり 70 万円(消費税を除く)以下のもの
5万円/kW(上限 20 万円)
30
等
表3.2-2 平成 22 年(2010 年)度の岐阜県・県内市町村における太陽エネルギー導入補助事業 (2/2)
管轄団体名
山県市
事業名
住 宅 用 太 陽 光 発 電 シ ス テ ム 設 置 事 業 補 助 金 (平成 21 年(2009 年)度∼)
対象者
自らが居住する市内の住宅にシステムなどを設置する方、自らが居住するために市内
にシステムなどの付いた住宅を建築または購入しようとする方
要件
低圧配電線と逆潮流ありで連系した太陽光発電システムであるもの
補助率、融資額・率
3.5 万円/kW(上限 10.5 万円)
管轄団体名
大垣市
事業名
グ リ ー ン 電 力 活 用 推 進 事 業 (平成 22 年(2010 年)度∼)
対象者
住宅用太陽光発電システムを設置した住宅に居住するもの
等
等
市が環境価値を購入するにあたり、自家消費された電力を計測していただくための、
要件
計量法に適合した(検定付)電力メーターの設置が必要なため、電力メーターの設置
補助(上限 20,000 円)も実施
一般家庭の太陽光発電設備から発電された電力のうち、自家消費された電力の環境価
補助率、融資額・率
値を市が1kWh あたり 20 円(上限 2,000kWh/年)で買い取り、その環境価値をグリー
ン電力証書化して、地元企業などに購入してもらう。
管轄団体名
土岐市
事業名
住宅用太陽光発電システム設置事業補助金(平成 22 年(2010 年)度∼)
対象者
市内に住所を有し、自ら居住する住宅に太陽光発電システムを設置した方
要件
国の補助金の額の確定通知を平成 21 年 10 月1日以降の日付で受けられた方
補助率、融資額・率
3.5 万円/kW(上限 14 万円)
管轄団体名
海津市
事業名
住 宅 用 太 陽 光 発 電 シ ス テ ム 設 置 整 備 事 業 補 助 金 (平成 22 年(2010 年)度∼)
対象者
市内住宅(店舗、事務所等と兼用を含む)に、住宅用太陽光発電システムを設置
要件
国の補助金の額の確定通知を受理
補助率、融資額・率
3.5 万円/kW(上限 14 万円)
管轄団体名
養老町
事業名
住宅用太陽光発電システム設置事業(平成 18 年(2006 年)度∼)
対象者
等
等
等
等
自己の居住の用に供する住宅にシステムを設置する方、またはシステム付きの住宅を
建築または購入する
要件
町税を完納している方
補助率、融資額・率
3万円/kW(上限 12 万円)
管轄団体名
安八町
事業名
住宅用太陽光発電システム設置事業(平成 14 年(2002 年)度∼)
対象者
お住まいの住宅に、太陽光発電システムを設置された方
要件
-
補助率、融資額・率
16 万円/kW(上限 48 万円)*三洋電機㈱製品を設置した場合。その他のメーカーは半額
管轄団体名
大野町
事業名
住宅用太陽光発電システム設置事業(平成 22 年(2010 年)度∼)
対象者
住宅や併用住宅に新たに太陽光発電システムを設置した個人
要件
国の補助金の額の確定通知を受理
補助率、融資額・率
3万円/kW(上限 12 万円)
31
等
3.3 先進事例調査
(1)滋賀県東近江市(東近江モデル)
滋賀県内では、昭和51年(1976年)頃から琵琶湖の水質悪化が深刻化する中で、家庭か
ら出る生活雑排水の問題を重視した消費者が中心となり、合成洗剤に代わりせっけんを使
う運動が広がりました。また、この運動に並行して家庭から出る廃食油を回収してせっけ
んを作るリサイクル運動も広がり、これらの長年の住民運動の積み重ねが、平成10年(1998
年)に旧・愛東町(現・東近江市)で始まった菜の花プロジェクトを誕生させました。
こうした環境保全に対する住民運動は太陽光発電の導入にも広がり、平成13年(2001年)
度に策定された旧・八日市地域新エネルギービジョンに基づき、市民、事業者、団体、市
とのパートナーシップにより設置された旧・八日市市新エネルギー推進会議(現・東近江
市新エネルギー推進会議)が主体となり、平成16年(2004年)12月、八日市やさい村(地
場の農産物販売所)の屋根に6kWの市民共同発電所が設置されました。
平成20年(2008年)度には、東近江市新エネルギー推進会議が主体となり、コミュニテ
ィ・ファンド等を活用した環境保全活動促進事業(環境省)の採択を受け、ひがしおうみ
コミュニティビジネス推進協議会(4)を設立し、同協議会により平成22年(2010年)1月、
FMひがしおうみの屋上にひがしおうみ市民共同発電所2号機(4.4kW)が設置されました。
この2号機の市民共同発電事業では、1口10万円の出資金を市民から募集し、28人から
290万円の出資を受けましたが、売電により得た利益は、出資者に年間8,000円分の市内・
期間限定の地域商品券(商工会議所発行の「三方よし商品券」
)として分配される仕組みが、
クリーンエネルギーの活用と地域活性化を結び付けた新たな取組みとして「東近江モデル」
と名付けられ、注目されています(図3.3-1)
。
ひがしおうみ
風と光の未来基金
新たな
市民共同発電事業
(地域の事業者や市民が自発的に
電力料金の1%を拠出。
今後の活動の原資)
(3号機、4号機・・)
ひがしおうみ
市民共同発電所
2号機出資組合
施設
設置
三方よし
商品券
売電
収益
出資
拠出金
ひがしおうみ
市民共同発電所
2号機
分配
出資者
(市民)
三方よし
商品券
発行
三方よし
商品券
買い物
商工会議所が
換金
三方よし商品券を
発行
市内
農商工業者
図3.3-1 東近江市モデル
(4)
市民共同発電事業の実施に際して、専門家として市民出資型市民共同発電所の第一人者である中川修治氏(日
本初の市民共同発電である太陽光・風力発電トラストを主催)を招聘し、助言・指導を得ています。
32
(2)滋賀県野洲市
平成11年(1999年)度に旧・野洲町では地域新エネルギービジョンを策定し、太陽、森
林、風力、廃食油、省エネ、普及促進等の部会を設置し、特に普及促進部会において住民
共同発電の仕組みづくりを検討しました。
平成13年(2001年)度に、太陽光発電の設置への寄付(1口、1,000円)を募り、その寄
付に対して地域通貨「すまいる」を発行(1口、1,100円分)し、地域内のすまいる市参加
店舗(地元で生産・加工された農産物を扱う店等)での購入代金の一部(5∼10%)にあ
てることができる、地域内経済循環の実験モデルを3ヶ月間実施しました。この実験モデ
ルにおいて、150万円の寄付を集うことができ、それを基に、文化ホール駐輪場屋根の2.1kW
の太陽光発電が設置されました。
平成17年(2004年)5月からは、これらの仕組みが本格的に稼動しています(図3.32)
。
地域通貨
スマイル
住民
寄付
(1口=
1,000円)
地域通貨
スマイル
商品・サービス購入代金の一部
(5∼10%)に利用可能
すまいる市
加盟店
発行
(1口=
1,100スマイル)
NPO法人
エコロカル ヤス
ドットコム
年間2,000円の参加費
すまいる市通信等の広報誌やHPに店舗情報を掲載
住民共同発電所
(太陽光発電)の設置
各種サポート、
売電収入の還元
設置場所の提供
野洲市
図3.3-2 地域通貨「すまいる」を活用した仕組み
33
(3)静岡県掛川市
静岡県掛川市立桜が丘中学校の学区(桜木、和田岡地区)の住民が、平成 15 年(2003
年)11 月、環境にやさしい地域社会づくりのために NPO 法人エコロジーアクション桜が丘
の会を設立しました。
同会では、地域住民の環境浄化や省エネに対する意識啓発の一環として、地区内での廃
品回収作業を行い、その売却金等を基に桜ヶ丘中学校に 10kW の太陽光発電を設置しました。
また、太陽光発電の導入にともない、同会と桜が丘中学校が連携して、生徒を対象にし
た環境学習やイベントの開催等も実施しています。
この取組みは市内の他地区への広がりを見せ、掛川市西郷地区の NPO 法人 WAKUWAKU 西郷
では、平成 19 年(2007 年)から地区ぐるみで古紙回収を開始し、その売却金と国の補助
事業の活用により、平成 20 年(2008 年)3月、西郷小学校に 10kW の太陽光発電を設置し
ました(太陽光発電は小学校にプレゼント)
。
これらの取組みの影響を受け、その後、掛川市内では同様の取組みが市内6地区でも始
まり、こうした取組みを支援するために市内の事業者と市が協定を締結し、事業場から排
出されるダンボール等の売却金を市に寄付するというダンボール基金が設立されるように
なりました(図3.3-3)
。
廃品回収作業の実施
NPO法人
エコロジーアクション
桜が丘の会
売却金
売却金等を基に地域の中学校に太陽光発電を設置、
環境学習の実施 等
市内の他の
NPO法人へ波及
【NPO法人WAKUWAKU西郷】
古紙回収の売却収益を基にした太陽光発電の設置事業を実施
さらに波及
上記2法人以外に市内6地区でも同様の取組みが開始
市内事業者と市が協定を結びダンボール基金を設立
図3.3-3 掛川市での取組みとその波及
34
(4)長野県飯田市
長野県飯田市では、平成8年(1996年)から、目指すべき都市像として環境文化都市を
掲げ、様々な先進的な環境政策を展開しています。
平成13年(2001年)には、市内での太陽光発電の普及啓発を目的としたおひさまシンポ
ジウムが市民を中心に開催されました。また、同時期に市内の飲食店組合では、環境負荷
低減のための廃食用油の適切な処理に向けた活動を開始しており、環境問題に対応する市
民グループと事業者グループが中心となり、平成16年(2004年)2月にNPO法人南信州おひ
さま進歩が設立されました。
平成16年(2004年)度、飯田市は「環境と経済の好循環のまちモデル事業(通称、まほ
ろば事業)」
(環境省)の採択を受け、太陽光発電、ペレットボイラ、ペレットストーブの
導入、商店街ESCOの実施、自然エネルギー大学の運営等の事業を実施することになりまし
た。この事業の推進母体としてNPO法人南信州おひさま進歩が受け皿となることが決まり、
同年12月におひさま進歩エネルギー有限会社が設立されました。
その後、おひさまファンドという市民出資の仕組みを構築し、個人・法人合わせて460
名から2億150万円の出資を集め、飯田市内の38ヶ所の幼稚園・保育園等の公共施設に合計
208kWの太陽光発電を設置しました。
この取組みに対して、飯田市では、おひさま発電所の設置場所として公共施設の屋根を
無償提供する際に行政財産の目的外使用という手続きにて20年間という長期間の許可を出
すとともに、それらの太陽光市民共同発電で発電された電力を20年間買い続ける電力需給
契約を締結するという支援を実施したことが特徴的です。
平成18年(2006年)∼20年(2008年)度には、メガワットソーラー共同利用モデル事業
(環境省)の採択を受け、合計で162ヶ所、1,281kWの太陽光発電を設置しました。
元々、地域住民が設立したNPO法人であったおひさま進歩エネルギー有限会社は、平成19
年(2007年)11月には、おひさま進歩エネルギー株式会社となり、現在も自然エネルギー
の導入を中心とした事業を展開しています。
同社では、平成22年(2010年)1月には、住宅用太陽光発電を初期投資費用の負担がな
く設置できる事業としておひさま0円システム(図3.3-4)を開始しています(30件の
募集は終了済み)。
図3.3-4 「おひさま0円システム」の事業スキーム図
(出典:おひさま進歩エネルギー株式会社ホームページ http://www.ohisama-energy.co.jp/cn44/pg300.html)
35
4.町内意識アンケート調査
太陽光発電等のクリーンエネルギーや地球温暖化問題に対する意識、クリーンエネルギ
ーの利用状況・今後の利用意向等を把握するために、住民・事業者を対象としたアンケー
ト調査を実施しました。
4.1 住民意識調査
調査対象者数は、性別・年齢・地域のバランスを考慮した無作為抽出による 1,000 名で
す。アンケート調査票の郵送発送・回収による自記入方式で、平成 22 年(2010 年)9月
10 日∼30 日(締切り)に実施しました。
有効回収票数は 466 票、有効回収率は 46.6%でした。
(1)回答者プロフィール
性別は男女比がほぼ半々、年齢は「60 代」「50 代」の割合が若干高くなっていますが全
ての年代から回答を得ています。職業は「会社員」
「主婦」が高く、世帯構成は「二世代世
帯」が最も高くなっています(図4.1-1)
。
また、居住地は、
「中地区」
(35.2%)が最も高く、次いで「伏見地区」
(26.0%)、
「御嵩
地区」(22.5%)、
「上之郷地区」
(11.2%)となっています。
年齢(N=466)
性別(N=466)
無回答
5.2%
70歳以
上
13.9%
10代
無回答
0.6%
5.6%
20代
7.7%
30代
12.4%
男性
44.8%
40代
13.3%
女性
50.0%
60代
26.9%
50代
19.5%
無回答
その他 7.3%
1.3%
無職
15.0%
職業(N=466)
世帯構成(N=466)
会社員
30.5%
夫婦のみ
23.6%
三世代
世帯
11.6%
学生
1.7%
主婦
20.8%
単身
4.3%
無回答
10.3%
その他
6.9%
自営業
8.2%
農林業
パートタイ 1.7%
二世代
世帯
43.3%
マー
13.5%
図4.1-1 回答者プロフィール
36
(2)地球温暖化問題・クリーンエネルギーの関心度
地球温暖化問題の関心度(「非常に関心がある」と「関心がある」の合計)は約8割、ク
リーンエネルギーの関心度は約7割を占めています(図4.1-2)
。
よくわか 全体(N=466)
無回答
らない
全く関心
0.2%
1.9%
がない
0.2%
あまり関
心がない
4.1%
よくわから 全体(N=466)
無回答
非常に関
全く関心 ない
4.5%
1.5%
心がある
がない
12.0%
0.2%
あまり関
心がない
6.7%
どちらとも
言えない
17.6%
非常に関
心がある
18.0%
どちらとも
言えない
13.7%
関心が
ある
57.5%
関心が
ある
61.9%
図4.1-2 【左】地球温暖化問題・
【右】クリーンエネルギーの関心度
(3)クリーンエネルギーの利用状況
既に利用しているクリーンエネルギーは、「太陽熱温水器」(10.9%)が最も高く、次い
で「太陽光発電」
(5.2%)、
「ソーラーシステム」
(1.9%)
、
「木質ペレットストーブ」
(0.4%)
となっています。また、検討中及び条件によっては利用したいクリーンエネルギーは、
「太
陽光発電」が約5割を占め最も高くなっています(図4.1-3)。
(利用状況・意向)
既に利用
太陽光発電(N=466) 5 . 2
太陽熱温水器(N=466)
ソーラーシステム(N=466)
検討中 条件による 利用しない わからない
2.6
1 0 . 9 0.6
0.6
1.9
49.4
21.2
28.1
35.4
36.9
15.5
16.3
30.0
無回答
20.4
6.2
8.6
10.1
0.4
木質ペレットストーブ(N=466) 0 . 4 18.2
0%
33.5
20%
40%
35.0
60%
図4.1-3 クリーンエネルギーの利用状況
37
12.4
80%
100%
(4)設置費及び燃料費との比較
クリーンエネルギーの設置に際して、「現在より安くなったら、利用したい」(60.4%)
が最も高く、
「現在より高くなっても、利用したい」は 5.3%にとどまっています(図4.
1-4)
。
全体(N=283)
利用したいと
現在より高くなって
無回答
思わない
も、利用したい
4.2%
1.1%
5.3%
現在と同程度なら、
すぐ利用したい
29.0%
現在より安くなった
ら、利用したい
60.4%
*クリーンエネルギーの利用状況で1つ以上「利用を検討中」
「条件によっては利用したい」に○をした方が対象
図4.1-4 設置費及び燃料費との比較
(5)「利用しようとは思わない」
「わからない」理由
クリーンエネルギーを「利用したいと思わない」「わからない」理由は、「初期投資費用
がかかるから」
(56.5%)が最も高く、次いで「内容を十分に知らないから」
(18.3%)、
「必
要性がないから」(15.3%)となっています(図4.1-5)。
全体(N=131)
初期投資費用がかかるから
内容を十分に知らないから
必要性がないから
集合住宅・借家等に住んでいるから
その他
56.5
18.3
15.3
13.7
16.0
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
*クリーンエネルギーの利用状況で全てに「利用しようとは思わない」「わからない」に○をした方が対象
図4.1-5 「利用しようとは思わない」「わからない」理由
38
(6)住民共同発電が行われた場合の寄付・出資の意向
住民共同発電が行われた場合の寄付・出資の意向は、「わからない」(47.9%)が最も高
く、次いで「寄付も出資もしたいと思わない」
(21.5%)、
「出資しても良い」
(18.5%)、
「寄
付しても良い」
(9.2%)となっています(図4.1-6)
。
また、金額については、
「寄付」の場合は 5,000 円以下が最も多く、
「出資」の場合は 10
万円以下が大半を占めています。
全体(N=466)
無回答
3.0%
寄付しても良い
9.2%
出資しても良い
18.5%
わからない
47.9%
寄付も出資もしたいと
は思わない
21.5%
図4.1-6 住民共同発電が行われた場合の寄付・出資の意向
(7)御嵩町がクリーンエネルギーを利用していくことに対しての評価
①全体評価
御嵩町がクリーンエネルギーを利用していくことに対して「積極的に取り組むべき」及
び「ある程度積極的に取り組むべき」の合計は 68.2%となっており、町がクリーンエネル
ギーを利用することに肯定的な評価が約7割を占めています(図4.1-7)
。
積極的に取り組まな
くて良い
1.7%
全体(N=466)
無回答
5.8%
積極的に
取り組むべき
18.7%
あまり積極的に取り
組まなくて良い
3.6%
どちらとも言えない
21.9%
ある程度積極的に
取り組むべき
48.3%
図4.1-7 御嵩町がクリーンエネルギーを利用していくことに対しての評価
39
②御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギー
御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギーとしては、「太陽の光」
(78.2%)が最も高く、次いで「太陽の熱」
(62.5%)
、
「木質系未利用資源」
(34.3%)、
「廃
食用油」
(34.0%)、
「風」
「農業残さ」
(25.6%)となっています(図4.1-8)。
全体(N=312)
78.2
太陽の光を活用したエネルギー
62.5
太陽の熱を活用したエネルギー
木質系の未利用資源を活用したエネルギー
34.3
廃食用油を活用したエネルギー(BDF)
34.0
風の力を活用したエネルギー
25.6
農業残さを活用したエネルギー
25.6
18.6
食品残さを活用したエネルギー
14.4
水の落差と流量を活用したエネルギー(中小水力)
10.9
エネルギー作物の活用(バイオエタノール)
8.7
家畜糞尿を活用したエネルギー
6.4
河川水等の温度差を活用したエネルギー
3.5
わからない
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
*「積極的に取り組むべき」「ある程度積極的に取り組むべき」に○をした方が対象
図4.1-8 御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギー
(8)自宅でのエネルギー利用状況
①用途別エネルギー
暖房は「灯油」
「電力」
、冷房は「電力」、風呂は「LP ガス」、炊事は「LP ガス」「電力」
が高くなっています(図4.1-9)。
暖房(N=466)
61.4
電力
LPガス
冷房(N=466)
(%)
電力
6.7
78.1
灯油
LPガス
0.4
灯油
0.9
その他
1.1
その他
0.6
わからない
0.0
わからない
0.0
風呂(N=466)
31.8
その他
わからない
灯油
4.1
0.2
75.3
3.0
その他
0.6
わからない
0.2
図4.1-9 用途別エネルギー
40
(%)
43.6
電力
LPガス
45.1
灯油
95.3
炊事(N=466)
(%)
23.8
電力
LPガス
(%)
②年間エネルギー消費量(平均)
年間の平均エネルギー消費量は、
「電力」が 5,822kWh、
「LP ガス」が 147m3、「灯油」が
375 リットルとなっています(表4.1-1)
。
表4.1-1 年間エネルギー消費量・金額(平均)
年間消費量(平均)
電力
5,822 kWh
130,550 円
147 m
3
74,932 円
375 リットル
48,004 円
LP ガス
灯油
年間金額(平均)
(9)自動車保有状況
自動車保有状況は、
「保有している」が約9割を占めます。
保有台数は、
「3台以上」
(44.1%)が最も高く、
「2台」を含めて複数台保有が約8割を
占めます(図4.1-10)。
なお、年間の平均ガソリン消費量は、1,709 リットルとなっています。
保有台数(N=426)
保有状況(N=466)
無回答
0.5%
保有して 無回答
いない
5.4%
3.2%
1台
17.1%
3台以上
44.1%
2台
38.3%
保有して
いる
91.4%
図4.1-10 自動車保有状況
41
(10)省エネルギーの取組み状況
省エネの取組み状況は、「冷暖房の不必要なつけっぱなしはしない」(77.9%)が最も高
く、次いで「まとめ洗い」(65.0%)、「急発進、急加速しない」(56.4%)、「テレビのつけ
っぱなしはしない」
(56.0%)となっています(図4.1-11)
。
全体(N=466)
77.9
冷暖房機器は不必要なつけっぱなしをしない
65.0
洗濯する時は、まとめて洗う
急発進、急加速をしない
56.4
テレビをつけっぱなしにしたまま他の用事をしない
56.0
53.6
シャワーはお湯を流しっぱなしにしない
51.1
冷蔵庫の扉は開閉を少なくし、開けている時間を短くする
47.4
アイドリングはできる限りしない
電気、ガス、石油機器などを買う時は、省エネタイプを選ぶ
46.8
冷蔵庫は壁から適切な間隔をあけて設置
46.4
暖房は20℃、冷房は28℃を目安に温度設定
45.5
39.1
お風呂は間隔をおかずに入る、追い焚きをしない
36.3
無駄な荷物を積んだまま運転しない
33.7
照明は、省エネ型の蛍光灯や電球型蛍光ランプを使用
27.9
電気製品は、使わない時はコンセントからプラグを抜く
27.5
冷蔵庫は温度調整をしたり、ものを詰め込み過ぎない
7.1
できるだけ公共交通機関を利用する
2.6
その他
1.1
取り組んでいない
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
図4.1-11 省エネルギーの取組み状況
(11)省エネルギー機器の利用状況
既に利用している省エネ機器は、
「ヒートポンプ給湯機」が 11.3%、
「クリーンエネルギ
ー自動車」が 6.7%、
「ガス高効率給湯器」が 3.3%となっています(図4.1-12)。
(利用状況・意向) 既に利用 検討中
クリーンエネルギー自動車(N=466) 6 . 7 6.4
自然冷媒ヒートポンプ給湯機(N=466)
1.3
ガス高効率給湯器(N=466) 3 . 2
0.6
家庭用燃料電池コージェネレーション(N=466) 0 . 2
27.0
27.7
0%
利用
しない
52.6
3.0
11.6
条件に
よる
20%
35.6
無回答
8.6 11.6
14.2
12.2
22.3
22.1
27.9
19.7
40%
60%
15.2
18.5
33.0
図4.1-12 省エネルギー機器の利用状況
42
わから
ない
18.7
80%
100%
【自由意見(クリーンエネルギーとして活用できるかもしれないと思われる未利用資源等)】
性別
女性
年齢
20代
女性
20代
女性
30代
女性
30代
女性
30代
女性
40代
女性
40代
女性
40代
女性
40代
女性
50代
女性
50代
季節毎に、何を利用したらいいのか考える。稲・もみがらは燃やすだけでなく、その物が
活きる方法などあったらいいと思う。未来のために、幸福になるためにも、皆で交流の場
もあると思う。
女性
50代
山の木(雑木も含めて)、休耕田等の雑草
女性
50代
川の淵に歩く道を作り、その道のエネルギーを。皆、安全で歩くところを待っていると思
います。皆が散歩で歩くエネルギーにならないのかな。川のふちに風力もつけ、エネル
ギーを作ってほしい。
女性
女性
50代
50代
太陽光(熱)
太陽光と太陽熱が活用できる。
女性
50代
町の事をあまり知らず、町の活動にもあまり協力していない自分が言うのもおこがましい
が、御嵩町は自然が多くあるので自然を利用したエネルギー、太陽、風、水、木等に力を
入れたらどうでしょう
女性
50代
女性
50代
女性
60代
家庭からでる庭木・草など枯した物を燃やす時の熱量。御嵩町の山の南側斜面へソーラー
パネルを。町民も出資した者が使用(利用)できる電気。アパート作りも大切かもしれな
いが、空いた土地にソーラーパネルを。その地区の人達のエネルギーに。
女性
女性
60代
60代
間伐材、雑木林
間伐材、剪定枝
60代
太陽光発電や太陽熱利用の新しい家をみると、我が家もと思うのですが、何と言っても資
金が必要です。そこが思い切れないところです。これから発展していく家庭は活用の意欲
もあるでしょうが、何年住めるのかわからないのでは思い切れないところです。(援助が
必要です)
女性
内容
山、川、穀物(米?)
特にないのですが、太陽や山など利用できるもので良いと思います。わざわざ無理に取り
組むとかより(財政的に無理をしたり)あるものを使う。誰でもわかりやすいものを。長
く続けれたり・・・の精神とかの方が個人的には好きです。
アンケートに、きちんと答えられずすみません。もう少し、クリーンエネルギーについ
て、町より、分かりやすい講義があってからだと、アンケートも書きやすくなると思いま
す。
まだまだよくわかりませんが、私の住んでいる所は平地で1日中、さんさんと太陽の光が
照りつけるので、太陽の光や熱を利用することは1番良いと思います。雨水を利用するこ
とや、畑や田んぼも多く、藁や草などが沢山出る家庭があるため、それらを有効に利用す
ることは大切だと思います。藁など燃やして苦情もあるようですが、農地をお持ちの方
は、やはり燃やさずにはおれないと思うので、それらを利用できれば、苦情も減り、良い
のではないかと思います。
太陽光ぐらい。
助成金が少なすぎたりなかったりすれば、積極的に活用しようと思っても金銭的に無理で
ある、お金持ちの人のためのものとしか思えない。関心のある方がスムーズに取り入れる
ことができるようにすることも大切だと思う。太陽光発電は一番取り入れやすいと思う
が、金額がはってくるのがネックだと思うので、個人負担を大きく軽減することで、ひと
りひとりの考え方や生活も変わってくるのではないか。ソーラーは良いが、屋根等に負担
がかかりデメリットの部分も多くあり、良くなかった。まずは助成金を多く出すことを望
む。
街灯
放置林が多く、近隣の方々は迷惑しています。そんな放置林をなくして、エネルギーとし
て利用してはどうかと思います。山も元気になり本来の役目も果たし、災害防止にもなる
と思います。美しい里山と美しいエネルギーを作ってほしい。
木、水、太陽熱
バイオエタノール(放置、休耕田等にエネルギー作物を栽培する)、廃食用油を活用→役
場の車に。
木質系の未利用資源
隣接する空地に風力発電の設備が欲しい。町・県・国等から補助が有れば、すぐにでも実
行したい。
女性
この地域も高齢者が増え、農業継続が困難となりつつあると思います。休耕田の利用(エ
70代∼ ネルギー作物)等はいかがでしょう。(作業、人材、苦しい事も・・・我家においても次世
代の子供(45∼46才)は農業離れですので、田畑を守る事は難しい!)
女性
男性
70代∼ 間伐材や水田の草等。太陽光、太陽熱。小規模水力発電。生ゴミや食品の余り。
20代 河川、池を活用した発電
43
性別
年齢
内容
男性
20代
個人住宅で太陽光発電設置したいと思っている人は、結構いると思いますが、設置費用が
高く、できない方が多いと思います。よく職場の人と、話すことがありますが、補助制度
を利用したとしても設置費用が高くて、なかなか設置できないので、設置時の経済的負担
を軽くしてほしいです。
男性
男性
男性
男性
20代
30代
30代
30代
男性
30代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
40代
男性
50代
男性
男性
男性
50代
50代
50代
男性
50代
男性
男性
男性
男性
男性
男性
50代
50代
60代
60代
60代
60代
男性
60代
男性
60代
男性
60代
雑草(立木)がクリーンエネルギーにならないかと思います。
休耕地を活用したエネルギー作物の栽培
川
太陽光発電
米を作っていない田んぼを利用して「エネルギー作物」を栽培し、バイオエタノールを製
造する。可児川や用水路に水車を設置する。小規模な水力発電。この前の様な大雨の際に
川の水域が上昇し、設備が損傷しない為に、水面から上げられる工夫や、頑丈なものが必
要。山林を間伐し、材木を利用するとともに、間伐による隙間に風車を設置し、風力発電
をする。露岩の温泉地に地熱を利用した発電施設を建設する。各学校、公民館など、公共
施設にソーラーパネルを取り付ける。各家庭にも国の補助とは別に町独自に補助制度を実
施し、普及させる。何か一つのクリーンエネルギーに特化するのではなく、多様化させる
ことにより、エネルギーの安定的な供給を実現させる。
その他のお願い。太陽光発電にすると、電気を売ることができ、とても良いのですが、難
点がありますので、町をあげて改善運動を中電に呼びかけてほしいです。オール電化扱い
にしないと使う分の電気代が高いので意味がないのでは?オール電化扱いにしなくても、
使う電気代も安く使えるようにする。オール電化にしても電気代が値うちに使えるのは
23:00∼翌朝7:00までだが、せめて21:00∼9:00くらいまで使えないと寝る時間に起
きて使わなくてはならないのでは?
可児川の水、みたけの森の木
御嵩町は自然豊で汚染を伴う企業も無い。従ってこれらは現状維持で良いと思う。クリー
ンエネルギーとしては、林業・農業にて排出される物で活用できる物があれば良いが、そ
れらの知識が無いのでわからない。一般的に得る事が出来る以下の物で活用できるので
は?太陽光、廃食用油、庭木をチップにした物
雑草
雑草などは利用できないでしょうか。その他、稲など。以前テレビで放送された様な気が
しますが。
太陽光 太陽熱
炭鉱で出来た地下の空調を利用した発電等、考えられないのか。政府、企業に出資及び協
力して頂き、御嵩工業団地を工業団地のCO2削減モデルとして企業誘致出来ないか。(実
験場)トヨタ自動車に出資して頂き、クリーンエネルギーによる発電所を建設し、ハイブ
リッドカー等のバッテリー充電を御嵩で行う(豊田市は近い)。名鉄広見線を太陽光発電
にて走る様にする。(実験場)バイオマスエネルギーの利用なら出来るのでは?(産廃場
を造るよりまし)
猪や猿など有害な動物を減らすため、動物の処分することを燃料とする。そうすることで
有害な動物を本気になり一生懸命殺すことができ、減らすことができる。雷・山林の木・
可燃ゴミ
風、竹、太陽光、地下水
てんぷらの油(廃油)の集積場を作り、集め、町のバスのエネルギーにする。お金は、最
初はかかるが長い目で見ればいいと思う。
刈り取った雑草
間伐材等があり、自宅ではこれを利用した薪ストーブを設置
山あいにあるため風力発電(民家が少ない)
私の育った地域で、メタンガスを取って、うどん屋さんを営んでいる方がおられました。
メタンガスは、にわとりの糞と残飯で発生させていました。
太陽光、間伐材、亜炭
木質系の間伐材
可児川を利用して中小水力
河川(小)水、
間伐材を活用する家づくり。
間伐材を利用し、温水として利用(公共施設、プール等)
現行の施策(行政)を前提とするのであれば、その活用はクリーンエネルギーではなく、
ダーティーマネーとして、消える可能性が大きく、当地域においての取り組みは不要。
御嵩町は可児川を中心に街を構成している。可児川に流れる水を何とか利用できるのでは
ないかと思うと、ミニ水力発電はどうであろうか。
御嵩町内の山で年間を通じて風の強い地域があるなら、風力発電を設置
44
性別
年齢
内容
資源が少なすぎて活用する程でないと思う。太陽光はいいと思うけど老人ばかりで難しい
と思う。
森林資源
水力発電
太陽光・太陽熱
男性
60代
男性
男性
男性
60代
60代
60代
男性
60代
地下水の利用。発電(水力)、飲料水、その他、作物育成。植物の油→一般燃料油の作成
の研究をする。未来への構想→色々な音(雑音を含む)によって発電する様な事が出来る
と良い。
男性
60代
農業残さ。食品残さ
男性
マイクロ水力発電の経費(コスト)効果等、研究見本を1機設置されたし。街路灯の消灯
を、もう少し早々してはどうか?町長の努力を期待します。エコのアンケートとは関係な
70代∼
いが、御嵩城址周辺の木を切り、どこからでも見える様にして御嵩を訪ずれた人が御嵩城
址を知る機会にもなります。見晴らしもよくして頂きたい。
男性
外国旅行した折に国道沿いにソーラーパネルを数kmにわたり設置していたのを見た。ソー
70代∼ ラーパネルは屋根の上だけでなく、空地などの有効利用に設置できるようにしたい。出力
が大きくなるが電力会社と話し合ってもらいたい。
男性
70代∼
男性
70代∼
男性
男性
無回答
無回答
70代∼
無回答
無回答
無回答
無回答
太陽の光と活用したエネルギーを使用するのはとても良いと思います。(今現在、猛暑最
中ですので、そう思うのかもしれません)やはり、自然が豊な町なので、活用しながらと
無回答 もに生きていける環境になれば良いと思います。もっと町民の方の関心を「環境問題」に
向けるためにも、これからぜひ積極的な取り組みを続けてほしいです。若者はみな、学校
で地球温暖化について学んでいます。きっと取り組みを支持するはずです。
固体燃料を作り各戸に木炭ストーブを設置すれば、間伐材の利用にもなるのではないか。
里山の利用も可能になる。
山林の雑木がいいと思う。山をある程度伐採すれば、いのしし減少ともなると思います。
上之郷地区はとにかく(いのしし)が多く出るために作物を作るのに困難です。
農業残さ、家庭の庭木の枝葉等を利用
農作物(休耕地)のエネルギー用作物の活用(バイオエタール)。中小水力
山森、川、田、畑から出る物
上之郷地区にて昔、小発電所が作られたと聞きます。検討に値すると思います。
45
4.2 事業者意識調査
調査対象者数は、御嵩町商工会にご協力いただき、従業員数等を考慮して抽出した 50 事
業者です。アンケート調査票の郵送発送・回収による自記入方式で、平成 22 年(2010 年)
9月 10 日∼9月 30 日(締切り)に実施しました。
10 月 14 日回収分までで、有効回収票数は 26 票、有効回収率は 52.0%でした
(1)回答事業者プロフィール
回答事業者を業種別にみると、「製造業」(57.8%)が最も高く、次いで「サービス業」
(19.2%)、
「卸売・小売業」(11.5%)となっています(図4.2-1)。
従業員数の平均は 99 名、延床面積の平均は 22,780m2 となっています。
全体(N=26)
サービス業(他に分
類されないもの)
19.2%
医療・福祉
3.8%
金融・保険業
3.8%
製造業
57.8%
卸売・小売業
11.5%
運輸業
3.8%
図4.2-1 回答事業者プロフィール
(2)地球温暖化問題・クリーンエネルギーの関心度
地球温暖化問題の関心度(「非常に関心がある」と「関心がある」の合計)は 80.9%、ク
リーンエネルギーの関心度は 61.6%となっています(図4.2-2)
。
よくわか 全体(N=26)
らない
あまり関 3.8%
無回答
心がない
3.8%
3.8%
どちら
とも言え
ない
7.7%
全体(N=26)
非常に関
心がある
30.8%
全く関心
がない
0.0%
よくわか 無回答
らない
7.7%
3.8%
非常に関
心がある
23.1%
あまり関
心がない
11.5%
どちら
とも言え
ない
15.4%
関心が
ある
38.5%
関心が
ある
50.1%
図4.2-2 【左】地球温暖化問題・
【右】クリーンエネルギーの関心度
46
(3)クリーンエネルギーの利用状況
既に利用しているクリーンエネルギーは、「太陽光発電」「太陽熱温水器」(3.8%)のみ
です。また、検討中及び条件によっては利用したいクリーンエネルギーは、
「太陽光発電」
が約7割を占め最も高く、次いで「太陽熱温水器」
「ソーラーシステム」が約4割を占めて
います(図4.2-3)
。
(利用状況・意向)
既に利用
太陽光発電(N=26) 3 . 8
3.8
69.2
3.8
太陽熱温水器(N=26)
3.8
ソーラーシステム(N=26)
3.8
0.0
.0
風力発電(N=26)00.0
検討中 条件による 利用しない わからない
11.5
38.5
23.1
38.5
34.6
34.6
30.8
0%
19.2
50.0
30.8
.0
中小水力発電(N=26)00.0
15.4 0.0
38.5
23.1
.0
温度差熱利用(N=26)00.0
11.5 0.0
38.5
38.5
.0
バイオマス(N=26)00.0
無回答
40%
3.8
30.8
0.0
30.8
0.0
46.2
20%
0.0
23.1
60%
80%
0.0
100%
図4.2-3 クリーンエネルギーの利用状況
(4)クリーンエネルギー利用に際して特に検討すべき事項
検討すべき事項は、
「初期投資額」
(93.8%)が最も高くなっています(図4.2-4)
。
全体(N=16)
93.8
初期投資額
68.8
採算性
50.0
維持管理経費
エネルギー供給の安定性
25.0
18.8
エネルギーコストの削減効果
メンテナンス
12.5
二酸化炭素排出量削減効果
12.5
6.3
償却期間
性能
0.0
広告効果(イメージアップ等)
0.0
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
*利用状況で1つ以上「既に利用」「利用を検討中」「条件によっては利用したい」に○をした事業者が対象
図4.2-4 クリーンエネルギー利用に際して特に検討すべき事項
47
(5)「利用しようとは思わない」
「わからない」理由
クリーンエネルギーを「利用したいと思わない」「わからない」理由は、「初期投資が大
きすぎる」
(5事業所)が最も多く、次いで「コスト削減効果が不十分である」
(2事業者)
となっています(表4.2-1)。
表4.2-1 「利用しようとは思わない」「わからない」理由
全体
10
100.0
初期投資が
大きすぎる
5
50.0
コスト削減
効果が不十
分である
2
20.0
情報が不足
性能が不十
している
分である
1
10.0
利用しても
メリットが
その他
無回答
ない
1
10.0
1
10.0
1
10.0
4
40.0
*上段は N 数、下段は%。
*クリーンエネルギーの利用状況で全てに「利用しようとは思わない」「わからない」に○をした事業者が対象
(6)クリーンエネルギー関連事業に関する取組み状況
クリーンエネルギー関連事業に関する取組み状況は、「まだ何もしていない」(53.9%)
が最も高く、次いで「検討する意向はない」(30.8%)、「事業化に向けて検討している」
(7.7%)、
「既に事業を行っている」
(3.8%)となっています(図4.2-5)
。
「既に事業を行っている」事業者の事業内容は「太陽熱や太陽光を利用したホーム分電
盤の製造販売」となっています。
全体(N=26)
無回答
3.8%
既に事業を
行っている
3.8%
事業化に向けて検
討している
7.7%
検討する意向はない
30.8%
検討したいが、まだ
何もしていない
53.9%
図4.2-5 クリーンエネルギー関連事業に関する取組み状況
48
(7)御嵩町がクリーンエネルギーを利用していくことに対しての評価
①全体評価
御嵩町がクリーンエネルギーを利用していくことに対して「積極的に取り組むべき」及
び「ある程度積極的に取り組むべき」の合計は 80.8%となっており、町がクリーンエネル
ギーを利用することに肯定的な評価が8割を占めています(図4.2-6)
。
全体(N=26)
どちらとも言えない
19.2%
積極的に
取り組むべき
34.6%
ある程度積極的に取
り組むべき
46.2%
図4.2-6 御嵩町がクリーンエネルギーを利用していくことに対しての評価
②御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギー
御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギーとしては、「太陽の光」
(76.2%)が最も高く、次いで「太陽の熱」
(52.4%)
、
「木質系未利用資源」
(33.3%)、
「風」
(28.6%)、「農業残さ」「廃食用油」(23.8%)となっており、住民調査とほぼ同様の結果
となっています(図4.2-7)。
全体(N=21)
76.2
太陽の光を活用したエネルギー
52.4
太陽の熱を活用したエネルギー
33.3
木質系の未利用資源を活用したエネルギー
28.6
風の力を活用したエネルギー
農業残さを活用したエネルギー
23.8
廃食用油を活用したエネルギー(BDF)
23.8
家畜糞尿を活用したエネルギー
14.3
エネルギー作物の活用(バイオエタノール)
14.3
食品残さを活用したエネルギー
14.3
水の落差と流量を活用したエネルギー(中小水力)
14.3
4.8
わからない
0.0
河川水等の温度差を活用したエネルギー
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
*「積極的に取り組むべき」「ある程度積極的に取り組むべき」に○をした事業者が対象
図4.2-7 御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギー
49
(8)ISO14001 取得状況・エコアクション 21 参加状況
ISO14001 を「既に取得している」が 26.9%、エコアクション 21 に「既に参加している」
が 3.8%となっています(図4.2-8)
。
エコアクション21参加状況(N=26)
ISO14001取得状況(N=26)
無回答
3.8%
既に取得
している
26.9%
取得する
予定は
ない
50.0%
既に参加
している
3.8%
参加を考
えている
19.2%
取得を申
請中
0.0%
参加する
予定は
ない
73.2%
取得を考
えている
23.1%
図4.2-8 ISO14001 取得状況・エコアクション 21 参加状況
(9)ESCO 事業の取組み状況
ESCO 事業の取組み状況は、「何も検討していない」(53.9%)が最も高く、「既に実施」
及び「実施を検討」は 3.8%にとどまっています(図4.2-9)
。
全体(N=26)
既に実施している
3.8%
実施を検討している
3.8%
わからない
38.5%
何も検討していない
53.9%
図4.2-9 ESCO 事業の取組み状況
50
(10)「グリーン電力」の利用状況
グリーン電力の利用状況は、
「何も検討していない」
(61.6%)が最も高く、
「購入を検討」
は 3.8%にとどまっています。
また、御嵩町の中で作られたクリーンエネルギーの環境価値分のグリーン電力証書への
対応については、
「検討してみたい」が 34.6%、
「検討するつもりはない」が 15.4%となっ
ています(図4.2-10)。
御嵩町のグリーン電力証書への対応
(N=26)
グリーン電力証書の購入状況(N=26)
既に購入
している
0.0%
購入を検
討して
いる
3.8%
無回答
3.8%
購入して
みたい
0.0%
検討して
みたい
34.6%
わから
ない
34.6%
わから
ない
46.2%
何も検討
して
いない
61.6%
検討する
つもりは
ない
15.4%
図4.2-10 【左】「グリーン電力」の利用状況・
【右】御嵩町の「グリーン電力証書」への対応
(11)年間エネルギー消費量(平均)
年間の平均エネルギー消費量は、
「電力」が 3,058,362kWh、
「LP ガス」が 82,345m3、「灯
油」が 2,471 リットル、
「軽油」が 66,685 リットル、
「重油」が 50,809 リットルとなって
います(表4.2-2)
。
表4.2-2 年間エネルギー消費量(平均)
年間消費量(平均)
3,058,362 kWh
電力
82,345 m3
LP ガス
灯油
2,471 リットル
軽油
66,685 リットル
重油
50,809 リットル
51
【自由意見(クリーンエネルギーとして活用できるかもしれないと思われる未利用資源等)】
業種
製造業
製造業
製造業
製造業
内容
太陽光発電を導入し、二酸化炭素排出量削減
処理には困っていませんが、運搬費が高額である。
ウレタン性廃液、廃プラスチック類
木質系資源の一部として、未使用木質ペレット、草刈り後の草、産業廃棄物となってしま
うプラスチック類(ポリプロピレン加工品)
サービス業
ペットボトルを専門業者に処理してもらうのではなく、御嵩町内の企業や自治体で再利用
化できるシステムを構築すべき。南山台の夜閉鎖している展望台あたりに風力発電装置を
設置してエネルギー団地としてPRすべき。
サービス業
芝刈カス、剪定枝、落葉、生活生ゴミ、廃油など。御嵩町は産廃反対の町なので、これら
が適用するには壁は高い。水や風は御嵩には難しい。太陽光熱は取り組むべきエネル
ギー!
【自由意見(特に重点を置いている省エネルギー活動)】
業種
製造業
製造業
製造業
製造業
製造業
製造業
製造業
卸売・小売業
卸売・小売業
金融・保険業
内容
エアコン温度:26℃迄、照明灯:不使用時の消灯
工場内照明間引(電力量削減)、不用照明(不在箇所)の消灯
省エネの啓蒙活動。照明・空調の無駄削減。エアコンのメンテナンス。
節電の徹底
電気使用量の管理(削減)
電力量の使用量削減に取組む
MOTTAINAI活動(省エネ、省資源、廃棄物削減、リサイクル)、クールビズ活動(冷房時
の設定温度28度)
年に数回江戸時代の生活スタイルに戻り1日を過ごす。習慣的には節電・節水・コピー用
紙など、事務用品の再利用
不用な電灯の消灯、冷房のこまめな調節
①電気量の削減…18年度比5年間で6%の削減。②店舗周辺の清掃活動…月2回実施
サービス業
現場への乗り合わせ(商用車で座席の付いたタイプに変えたこと)。裏面利用(A4用紙の
み)。他社から来た封筒の再利用。スタッフに古着や古タオルなどを持参してもらい、雑
布として再利用。
サービス業
電力に関して自家発と併用して使用してます。自家発の熱を利用しています(コージェ
ネ)。電球などは省エネタイプに交換。 大きな施設なので、業務に支障がでない範囲で
省エネに従業員一同努めています。
52
5.太陽光発電導入者へのモニター調査
5.1 モニター調査
本町で既に太陽光発電を導入しているユーザーに対して、町のホームページや広報誌等
を通じて、モニター募集を行いました。その結果、16名の応募があり、発電量や導入した
感想等、ユーザーの意見を収集しまとめました。
(1)出力・購入価格
今回のモニター調査の回答者の平均出力は 4.5kW であり、世帯人数・類型別でみても、
概ね3∼5kW 程度の出力となっています(表5.1-1)
。
サンプル数が少ないので参考値となりますが、1kW あたりの購入金額を、設置年度別、
既築・新築別でみると、この 10 年程で購入価格は低下傾向にあると考えられ、直近の2年
間では、既築・新築ともに1kW あたり 60 万円を下回る価格となっています(表5.1-2)。
なお、モジュールメーカーは、シャープ㈱が最も多く、次いで、京セラ㈱、三洋電機㈱、
三菱電機㈱、㈱長府製作所、㈱サニックスとなっています。
表5.1-1 平均出力
世帯人数・類型
全体
世帯人数2人・夫婦のみ
世帯人数3人・二世代世帯
世帯人数4人・二世代世帯
世帯人数5人・二世代世帯
平均出力(kW)
4.5
3.1
5.3
3.9
4.1
表5.1-2 平均購入価格(1kW あたり:万円)
H10
既築
新築
H11
-
H12
-
96.7
83.3
H13
70.7
63.0
H14
63.6
-
H15
84.5
-
H16
H17
-
H18
66.8
-
55.0
H19
H20
-
-
60.5
H21
57.0
51.2
H22
43.5
-
(2)電気料金・売電額・発電量
導入前後の電気料金を比較すると、年間平均で約 25,000 円抑えられています。
また、1kW あたりの年間平均売電額は約 16,000 円となっています(表5.1-3)
。
なお、1kW あたりの年間平均発電量は 1,063kWh であり、月別では4月、5月、8月が高く
なっています(図5.1-1)。
表5.1-3 導入前後の電気料金・売電額(年間・1kW あたり)
電気料金(設置後−設置前)
年間平均売電額
-24,672 円
1kW あたり年間平均売電額
65,259 円
15,748 円
(kWh)
120
108
108
98
100
102
99
103
91
86
74
80
64
66
65
11月
12月
60
40
20
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
図5.1-1 月別平均発電量(1kW あたり)
53
(3)購入のきっかけ
購入のきっかけは、「光熱費を節約するため」(68.8%)が最も高く、次いで「国の補助
制度があったため」
(50.0%)と経済的要因がトップ2を占めています(図5.1-2)
。
全体(N=16)
68.8
電気・ガス・灯油代等の光熱費を節約するため
50.0
国の補助制度があったため
地球環境や地球温暖化問題に対する配慮のため
43.8
オール電化住宅にするため
43.8
31.3
余剰電力の買い取り制度があったため
18.8
建築・住宅販売事業者の話しを聞いて
12.5
友人・知人の話しを聞いて
地震等の災害時での非常用電力の確保のため
6.3
設備・システムのセールスマンの話しを聞いて
6.3
テレビ・新聞・雑誌等での番組・記事等をみて
6.3
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
図5.1-2 購入のきっかけ
(4)購入後の感想
購入後の感想は、「光熱費が節約できた」(87.5%)が最も高く、購入のきっかけで最も
高い「光熱費の節約」が実際に体感できているユーザーが最も多いことが伺えます。
また、次いで「地球環境に貢献」「省エネを心がける」(ともに43.8%)等、環境意識の
高まりも二次的な効果として表れていることが考えられます(図5.1-3)。
全体(N=16)
87.5
電気・ガス・灯油等の光熱費が節約できた
地球環境に貢献している実感が持てる
43.8
省エネルギーを心がけるようになった
43.8
31.3
以前よりも快適になった
12.5
予想よりも発電量が少ない
6.3
維持費がかかる
予想よりも費用回収年数が長くなりそう
0.0
あまり効果が感じられない
0.0
その他
0.0
6.3
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
図5.1-3 購入後の感想
54
(5)満足度
購入後の満足・後悔の度合いは、「非常に満足」「ほぼ満足」合わせて約7割となってい
ます(図5.1-4)。
非常に満足
している
18.8%
全体(N=16)
どちらでも
ない・わから
ない
31.3%
ほぼ満足し
ている
50.0%
図5.1-4 満足度
(6)他のクリーンエネルギー等の導入状況
他のクリーンエネルギー等の導入状況は、「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」(81.3%)が
最も高くなっています(図5.1-5)
。
全体(N=16)
81.3
自然冷媒ヒートポンプ給湯機
12.5
クリーンエネルギー自動車
6.3
ソーラーシステム(強制循環型)
太陽熱温水器(自然循環型)
0.0
木質ペレットストーブ
0.0
ガス高効率給湯器
0.0
家庭用燃料電池
0.0
その他
6.3
他にはない
6.3
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
図5.1-5 他のクリーンエネルギー等の導入状況
55
(7)購入した際のエピソード(成功談・失敗談)等
回答者 回答者
性別
年齢
意見
世帯
人数
世帯
構成
購入時はモニターということで、ある程度値引きはあったが、補助
金制度前の購入であったため、購入時期を失敗したかなと後悔して
います。屋根の形状によっては、パネルの形が複雑になるため、費
用がかかってしまう場合があります。新築で設置するなら、効率良
く発電できるように屋根の形状を考慮するといいかと思います。
女性
30代
3人
二世代
世帯
きっかけは飛び込みセールスでしたが、その後3社から見積りを
取ったり、相場や性能等をしっかり比較・検討しました。結局、高
効率なパネルは高額で回収に時間がかかり過ぎることから、費用対
効果の最も良いものを選びました。父親の付き合いがある業者さん
にかなり安い価格で入れていただけることになり、10年以内での回
収が可能で、銀行にお金を預けておくより得だと思い、設置を決め
ました。太陽光発電は、設置して何か便利になったりする訳ではあ
りませんが、設備費を現金回収できることと、回収した後の売電効
果の大きさは他にはない素晴らしいメリットではないでしょうか。
また、電気代に関しての意識が高くなるので、節電や省エネを心が
けるようになったことも大きなメリットで、設置して本当に良かっ
たと思っています。
男性
30代
3人
二世代
世帯
導入時、予定は3.25kWであったが、他店より価格が高いと業者に連
絡したら、0.5kW追加してくれた。予定の発電量が計画より少ない
と業者に連絡したら、月3,000円、2ヶ月補助金が入金され、それ
以降、入金されないため、本社に連絡すると、営業トークと言われ
たため、「御社は営業が言った言葉に責任を持たないのか」と言う
と、「会社の上司と話して後で連絡する」とのことで、後日、30万
円返却してくれた。この会社は、言えば言っただけ儲けられると
思った。
男性
50代
3人
二世代
世帯
設置当初は、この地区で最初ということで、ハウスメーカーの担当
者が見学に来ていた。最初の設置は3kWであったが、今年10月のリ
フォームで6kWに増設した。
男性
40代
4人
二世代
世帯
取り付け業者はA社、メーカーはB社。故障した時に、B社に状況を
伝えたところ、取り付け業者へ中部電力の方がみえて調べて、コン
バーターを取り替えることになった。A社と中部電力の対応はすご
く良かった。A社においては、故障時、発電しなかった分の商品券
か、4年点検(2万円分)を無料にするかとのことでした。A社・
中部電力の方は、時間を作って何度か見に来てくださいました。B
社の方は電話だけの対応でしたが無愛想でした。取り付けたきっか
けは、電気代を払うくらいで付けられるとのこと、全然、損はして
いないと思います。
女性
40代
4人
無回答
購入後1年間は、毎月1回、設置後の様子を販売店が確認に来てい
ただけた。子供が節電に積極的になり、カレンダーにその日の天気
と発電量を記入するようになった。
男性
30代
4人
二世代
世帯
太陽パネルはとても経済的で買い取り電気価格も上がったので、良
いと思います。施工業者はとても親切でした。
女性
40代
4人
二世代
世帯
はじめは6人家族でソーラー(太陽熱温水器)を取り付け、お湯を
節約していました。ところが、人数が減り、お湯を作っても使いき
れずに「もったいないなあ」と思っていたところ、オール電化の話
がきて、「これはいい」と乗り換えました。計算すると400万円ほ
どかかり、電気代400万円をうかすには20年以上経たないともとが
取れないと思いましたが、夏のクーラーをつける時、電気代を使わ
なくて良いのが快感。安心して涼しく過ごせます。ただ、冬、雪が
積もると電気を作ってくれないので寂しい。
女性
40代
3人
二世代
世帯
56
回答者 回答者
性別
年齢
意見
今まで電気を無駄使いしていたが、太陽光発電を付けてから、ス
イッチをまめに消すようになった。晴れの日は発電するが、曇りや
雨の時は発電しないので、曇りでも発電するシステムになって欲し
い。意外と、真夏よりも、春の方が発電量が多い。
平成14年に導入する以前、家族が多いことから電気料金が非常に高
額で家計を圧迫していたため、思い切って導入。家族全員の環境・
省エネ意識も高まり、節約がかなりできた。3年前にガス、灯油の
値上がりから、オール電化にしたことから、より効果が上がった。
昨年から買取価格が48円/kWhの効果もあり、これ以上のことはな
い。現在は、照明をLEDに交換したり、ハイブリッドカーを購入し
て、意識を高めている。
太陽光発電を利用するならぜひ新築時にオール電化を含めて検討す
ることを薦めます。飛び込みの営業がみえた時、買取電力が2倍に
なると言われました。(平成13年度時点で)その時はそのような予
定はなかったようなので、すぐに真に受けず、調べた方いいと思い
ます。
うちは、家を建築してくれたのと同じ業者にやってもらったので、
信用して間違いはなかったけど、訪問販売業者など、悪徳業者もい
るという話を聞いたので、業者選びはしっかりした方がいいと思い
ます。太陽光パネルによって発電状況が全然違うという事を前まで
私も知りませんでした。メーカーが有名だから、値段が高い、安い
からというだけで選んではいけないという事は意外と知らない人が
多いと思います。電気を売る事ができる、消費するとお金がかかる
から節電しないといけないという事が子供達にも、モニターを見れ
ばわかり、とても良い効果だと思います。
友人が家を建てる際、太陽光発電、オール電化住宅にしたことが大
きく影響しました。それまでは深く考えてみることもなかったので
すが、これをきっかけに身近な問題としてとらえるようになりまし
た。友人からは「光熱費が0になるとか、元がとれるとかそんなこ
とは考えない方がいいよ」とアドバイスされておりました。ハウス
メーカーさんも、太陽光発電を扱ったことがなく、メンテナンスや
費用対効果、補助金などの面からも(私が新築するときには、補助
金は打ち切られていました。)メリットは少ないからやめた方がい
いのではないかと言われましたが、地球環境を考えて、クリーンエ
ネルギーの採用を決めました。と言うことで覚悟はありましたが、
日々送られてくる連絡票に、時にはがっかりすることもありまし
た。ただ一度、100円程度ではありましたが、使用料金を上回った
月があり、とても嬉しく思いました。これも再びクリーンエネル
ギーが見直されてきた結果かと思います。今後も国や地方がいろん
な面で、情報を伝えたり、費用の面でのバックアップが増えていけ
ば、もっと太陽光発電は広がっていくことと思いますし、そうすべ
きだと考えます。太陽の恵みをもっといろんな面で活用していかな
いと、もったいないと思います。現在、このシステムを採用したこ
とに満足しておりますが、先日思わぬ所で、指摘されたことがあり
ます。それは太陽光のパネルに光が反射して、西日が以前より強く
当たるようになってしまったと、近所の人に言われたことです。こ
のような影響があることも、多少は頭に入れておいた方がいいので
はないでしょうか。幸いきさくな方ですので、トラブルの種になる
ほどのことではありませんでしたが。それから、これは気のせいか
もしれませんが、カラスがよくとまってイタズラ(つつく)してい
るような感じです。カラスは光るものが好きだと言いますので、そ
のせいなのかなとも思います。また新築する際、友人からアドバイ
スをもらったのですが、パネルに雪が積もるとすべりやすく、一度
にドサッと落ちてくることがあるから、屋根に雪止めをつけておく
とよいと言われました。今後は、地震等の災害時での非常用電力と
しての機能や、蓄電システムの向上を願っております。
57
世帯
人数
世帯
構成
男性
40代
4人
二世代
世帯
男性
50代
4人
二世代
世帯
女性
40代
3人
二世代
世帯
女性
30代
4人
二世代
世帯
女性
40代
2人
夫婦の
み
回答者 回答者
性別
年齢
意見
世帯
人数
世帯
構成
我が家で太陽光パネルを検討したのは、12年前になります。新築を
機会にその後の光熱費を考えて絶対にソーラー発電を設置しようと
思っていました。その頃は今みたいに太陽光発電もメジャーではな
く、モデルハウスをいろいろまわって最終的には、一番営業の対応
が良く太陽光発電の実績を考えてA社に決めました。ハウスメー
カーの指示で発電効率や汚れが雨で流れることを考慮して屋根の傾
斜は普通より急勾配にすることなど、教えていただきました。おか
げで、テレビのアンテナの設置は怖くて業者に頼みました。発電量
は3kWタイプを設置しましたが、実際にはMAXでも2.6kWが限度で
す。最近設置した知人は、しっかりと3kW発電するそうなので、新
しいものはさすがに、発電効率が良くなっているんだと実感してい
ます。内心、「ちょっと早すぎたのかな」とも思いましたが、10年
間何のトラブルも無く発電しているので、それはそれでよかったと
思っています。雪が積もった時は、発電しませんが、急勾配とガラ
スで出来ているおかげで、すぐに雪が解けて流れるため、雪が止め
ば意外と早く発電してくれます。これからはソーラー発電だけでな
く、地熱利用とかと併用して電気を使わない工夫も必要だと思いま
す。
男性
50代
4人
二世代
世帯
オール電化にしなければ、電気代が安くならないという事でガスを
はずしましたが、IHは電圧を200Vにしなければならず、余分でし
た。なお、IHは使っていても、体に負担を感じ、毎日使っているか
らわかる事ですが、時折ではわからないと思います。そうでない負
担のないものをやっとみつけ、今は高電圧は使わずに済んでいま
す。エコキュートはなかなかよい感じです。(ガス、灯油に比べる
と)オール電化の使用電気代が安くてとても助かっている時間帯が
PM23:00∼AM7:00までですが、せめてあと1時間づつ長いと
(PM10:00∼AM8:00)ありがたいです。せめて11時までに済ませて
眠りたいからです。朝も8時までが使いたい時間だからです。町と
して電力会社に伝えて下さい。ソーラーローンで借りたのですが、
ローンの利率が高く、その返金の手数料に売電代があてられるくら
いな感じで困惑しています。できれば、太陽光に対し、手数料なし
で借りられるようなシステムにならないとお金がない人には向かな
いと思います。
男性
40代
5人
二世代
世帯
58
5.2 導入シミュレーション
(1)太陽光発電
町民アンケート調査やモニター調査の結果等を踏まえて、本町の一般家庭で太陽光発電
を導入する場合の設置費用、回収年数、CO2 削減効果等を、世帯人数別に整理しました。
どのケースも回収年数は約 20 年となっていますが、電気料金節約額や余剰電力売電収入
が多い世帯の場合には、回収年数はさらに短縮されます。また、御嵩町の家庭部門での CO2
排出量から推計した1世帯あたり(平均世帯人数 2.8 人)の CO2 排出量は約 3,900kg-CO2 で
あり、以下の②3人世帯のケースの場合、約半分の CO2 排出量が削減できると考えられます。
①2人世帯
年間平均電力消費量・想定設置容量
4,181kWh・3.1kW
設置費用
【既築】179 万円、
【新築】161 万円
補助金
18.9 万円(1kW あたり6万円(見通し))
回収年数
【既築】21.6 年、【新築】19.2 年
CO2 削減効果
1,585kg-CO2/年
②3人世帯
年間平均電力消費量・想定設置容量
5,194kWh・3.9kW
設置費用
【既築】223 万円、
【新築】200 万円
補助金
23.5 万円(1kW あたり6万円(見通し))
回収年数
【既築】23.1 年、【新築】20.5 年
CO2 削減効果
1,970kg-CO2/年
③4人世帯
年間平均電力消費量・想定設置容量
5,418kWh・4.1kW
設置費用
【既築】232 万円、
【新築】209 万円
補助金
24.5 万円(1kW あたり6万円(見通し))
回収年数
【既築】23.4 年、【新築】20.7 年
CO2 削減効果
2,055kg-CO2/年
④5人世帯
年間平均電力消費量・想定設置容量
5,706kWh・4.3kW
設置費用
【既築】245 万円、
【新築】220 万円
補助金
25.8 万円(1kW あたり6万円(見通し))
回収年数
【既築】23.7 年、【新築】21.0 年
CO2 削減効果
2,164kg-CO2/年
*御嵩町の家庭部門の CO2 排出量は地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアルより算出。
*年間平均電力消費量は、町民アンケート調査で、世帯人数と年間電力消費量(kWh)に記入があった票を世帯人
数別に集計した結果です。
*想定設置容量は、モニター調査結果の年間平均発電量(1,063kWh)を用いて、80%まかなえる容量としました。
*設置費用は、モニター調査の平成 21 年(2009 年)の値を用いました(1kW あたり、既築 57.0 万円、新築 51.2
万円)。
*補助金(国)は、平成 22 年(2010 年)度までは1kW あたり7万円です。また、補助金のほかに、経済的イン
センティブとして、余剰電力の買取制度があります。平成 22 年(2010 年)度時点では余剰電力1kWh あたり 48
円、平成 23 年(2011 年)度以降は1kWh あたり 42 円となります。
*回収年数は、①(設置費用−補助金)÷②((設置後電気料金−設置前電気料金)+1kW あたり年間平均売電額)
としました。(②の値はモニター調査結果より)
*CO2 削減効果は、太陽光発電による年間発電量(想定設置容量×1,063kWh)に、中部電力㈱の平成 21 年(2009
年)度の実排出原単位(1kWh=0.474kg-CO2)を用いて算定した値です。
*上記の試算はおおよその目安であり、実際に導入する際には、各家庭でのエネルギー消費状況等を十分に考慮
する必要があります。
59
【国における住宅用太陽光発電のコスト回収の試算(例)
】
前ページでは、御嵩町の実情に即した住宅用太陽光発電の導入シミュレーションを示し
ましたが、ここでは、参考までに、国が示したコスト回収の試算(例)を示します(図5.
2-1、図5.2-2)。
国の試算では、電気料金節約額を年間 3.5 万円、余剰電力での売電収入を年間約 10 万円
(1kW あたり約3万円)と設定しているほか、各自治体での補助制度による補助金を約 20
万円と想定し、また、国の支援として補助金のほか、新築の場合は住宅ローン減税、既築
の場合は省エネ改修を同時施工した場合の減税を含めていることから、御嵩町での実情に
合わせたシミュレーション結果よりもかなり短い回収年数で回収が可能という試算がなさ
れています。
このように、回収年数の試算については、前提条件や各家庭のエネルギー消費動向によ
り、かなりの差が生じる可能性があることを留意する必要があります。
図5.2-1 新築住宅に 3.5kW の設置した場合のコスト回収試算(例)
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(第 34 回)配布資料)
60
図5.2-2 既築住宅に 3.5kW の設置した場合のコスト回収試算(例)
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(第 34 回)配布資料)
61
(2)太陽熱利用
太陽熱利用については、全国の値から、設置費用、回収年数、CO2 削減効果等を整理しま
した。
御嵩町の家庭部門での CO2 排出量から推計した1世帯あたり(平均世帯人数 2.8 人)の
CO2 排出量は約 3,900kg-CO2 であり、①太陽熱温水器(自然循環型)を導入する場合、約 13
∼14%の CO2 排出量が削減でき、また、②ソーラーシステム(強制循環型)を導入する場合、
約 25∼28%の CO2 排出量が削減できると考えられます。
①一般家庭で太陽熱温水器(自然循環型)を導入する場合
システム外観
設置費用
30 万円
集熱面積
3m2
貯湯量
200∼250 リットル
補助金
一般家庭用では補助制度はありません。
年間発熱量
6,531MJ(=156 万 kcal)
年間節約額
【LPG 代替の場合】47,433 円
【灯油代替の場合】16,805 円
回収年数
【LPG 代替の場合】6.3 年
【灯油代替の場合】17.9 年
*設置費用÷年間節約額で算定しています。
CO2 削減効果
【LPG 代替の場合】489kg-CO2
【灯油代替の場合】553kg-CO2
*システム外観、年間発 熱 量、節約額 、 CO2 削減効果は、(社)ソーラーシステム振興協会ホームページ
(http://www.ssda.or.jp/)より。
*上記の試算はおおよその目安であり、実際に導入する際には、各家庭でのエネルギー消費状況等を十分に考慮
する必要があります。
62
②一般家庭でソーラーシステム(強制循環型)を導入する場合
システム外観
設置費用
90 万円
集熱面積
6m2
貯湯量
300 リットル
補助金
一般家庭用では補助制度はありません。
年間発熱量
13,063MJ(=312 万 kcal)
年間節約額
【LPG 代替の場合】94,575 円
【灯油代替の場合】33,687 円
回収年数
【LPG 代替の場合】9.5 年
【灯油代替の場合】26.7 年
*設置費用÷年間節約額で算定しています。
CO2 削減効果
【LPG 代替の場合】975kg-CO2
【灯油代替の場合】1,108kg-CO2
*システム外観、年間発 熱 量、節約額 、 CO2 削減効果は、(社)ソーラーシステム振興協会ホームページ
(http://www.ssda.or.jp/)より。
*上記の試算はおおよその目安であり、実際に導入する際には、各家庭でのエネルギー消費状況等を十分に考慮
する必要があります。
63
6.技術開発動向と面的拡大にむけた動向調査
6.1 技術動向調査
(1)太陽光発電
①技術動向
太陽電池市場の主流は結晶系シリコン太陽電池ですが、太陽光発電の急激な需要拡大に
対して、原料となるシリコン不足が懸念されており、太陽電池メーカー各社では、シリコ
ンの使用量を抑えた太陽電池の新技術の開発に力を注いでいます(表6.1-1)。
また、岐阜県内では、岐阜大学に未来型太陽光発電システム研究センターが設置されて
おり、同センターにおいて関連技術の研究・開発が進められています(表6.1-2)。
表6.1-1 太陽電池の種類と特徴
種類
特徴
変換効率
実用化
主な国内
状況
メーカー
○200μm(ミクロン)程度の薄い単結晶シリ
単結晶
シ
シャープ
∼20%
○特長:性能・信頼性
実用化
○小さい結晶が集まった多結晶の基板を使用
多結晶
三洋電機
(HIT)
○課題:低コスト化
結晶系
リ
コ
コンの基板を用いる。
○特長:単結晶よりも安価
シャープ
∼15%
実用化
京セラ
ン
○課題:単結晶よりも効率低い
三菱電機
系
○アモルファス(非晶質)シリコンや微結晶
シャープ
薄膜系
シリコン薄膜を基板上に形成
○特長:大面積で量産可能
∼9%
アモルファス
実用化
○課題:効率低い
三菱重工業
カネカ
富士電機
○銅・インジウム・セレン等を原料とする薄
CIS 系
物
○特長:省資源、量産可能、高性能の可能性
ソーラーフロンティア
∼12%
実用化
∼11%
実用化
集光時
研究
シャープ
∼42%
段階
大同特殊鋼
ホンダソルテック
○課題:インジウムの資源量
化
合
膜型
○カドミウム・テルルを原料とする薄膜型
CdTe 系
○特長:省資源、量産可能、低コスト
○課題:カドミウムの毒性
系
国内無し
First Solar
○Ⅲ族元素とⅤ族元素からなる化合物に多接
集光型
合化、集光技術を適用
○特長:超高性能
○課題:低コスト化
○酸化チタンに吸着した色素が光を吸収し発
色素増感
有
電する新しいタイプ
○特長:低コスト化の可能性
アイシン精機
∼11%
研究
シャープ
段階
フジクラ
○課題:高効率化、耐久性
機
系
ソニー
新日本石油
○有機半導体を用いて、塗布だけで作製可能
有機薄膜
○特長:低コストの可能性
∼8%
○課題:高効率化、耐久性
研究
パナソニック電工
段階
住友化学
三菱化学
(出典:NEDO 再生可能エネルギー技術白書)
64
表6.1-2 岐阜大学未来型太陽光発電システム研究センターでの研究部門・概要
研究部門
部門長
概要
薄膜シリコン系
太陽電池
研究開発部門
伊藤 貴司
太陽電池の高効率化を目指し、シリコン系薄膜の作製とその評
価、透明電極の開発、ナノ領域での特性評価技術の開発ならび
にヘテロ接合薄膜シリコン系太陽電池の研究開発を推進。
薄膜シリコン系太陽電池は、少ない原料で作製可能、低価格で
大面積化が用意などの利点があり、結晶シリコン系太陽電池と
ならびその普及が進んでいる。しかし、その普及を進めるには
高効率化が必要で、そのためにはクリアすべき課題が多く残さ
れている。
発電量評価技術
研究開発部門
小林 智尚
大気や雲などの動きを再現して、太陽光発電量に直結する日射
量を推定する技術に関する研究を進めている。
【研究開発内容】
①シュミレーションモデル開発
局地気象モデル:太陽光発電の発電量に関わる日射量を予測す
るためには、日射をさえぎる雲や大気中の粒
子を把握する必要。局地気象モデルを用いて
実際の気象を再現している。
分光日射モデル:様々なタイプの太陽光発電パネルに対応する
ために、太陽からの日射量をスペクトル成分
ごとに推定する分光日射モデルを開発中。こ
れによって、日中の明るい太陽からの日射か
ら、夕暮れ時の赤い空からの光まで推定でき
るようになる。
②モデル検証のための計測システム開発・計測
色素増感太陽電池
研究開発部門
吉田 司
創造的な新技術、酸化亜鉛薄膜の電気化学析出(電析=電解め
っき)を利用した、色素増感太陽電池の研究開発を推進。
高効率化や長寿命化を目指した新しい無機、有機材料の研究開
発、低価格化や高機能化に貢献するデバイス製造技術開発、得
られた太陽電池を精密に評価する光電気化学研究、さらに LCA
(ライフサイクルアセスメント)手法によってその環境負荷低
減効果を予測する研究などを推進するスタッフで構成される。
太陽電池モジュール
評価技術
研究開発部門
藤原 裕之
モジュール構造を評価するために、エリプソメトリーと呼ばれ
る光学測定法を用いた評価技術の開発に取り組んでいる。
2008 年 10 月からは、大日本スクリーン製造と共同研究を開始
し、大日本スクリーン製造が開発した大面積型エリプソメトリ
ー評価装置を使用して薄膜シリコン太陽電池モジュールを評価
する研究開発を進めている。
ハイブリッド
エネルギーシステム
研究開発部門
上宮 成之
太陽光発電と他の発電技術を組み合わせた電気供給システムを
ハイブリッド発電システムと名付け、太陽光発電を補間する発
電などに関する要素技術の研究開発を行うとともに,太陽光発
電とそれに関わる材料、技術の環境負荷の調査を実施。
①燃料電池、②環境負荷低減、③環境負荷評価をキーテクノロ
ジーと位置付け研究を進めている。
(出典:岐阜大学未来型太陽光発電システム研究センターホームページ
http://www1.gifu-u.ac.jp/ solar/member.html)
65
②国内メーカーの生産・販売動向
各社、生産増強やメガソーラーへの対応、住宅用太陽光発電の販売強化等の取組みが進
められています(表6.1-3)。
表6.1-3 国内メーカーの太陽電池生産・販売に関する最近の動向(1/2)
堺市臨海部におけるメガソーラー発電計画の推進 (平 成 20年 (2008年 )6月 23日 ニュースリリース)
堺市、関西電力株式会社、ならびにシャープ株式会社は本日、大阪府堺市臨海部におけるメ
ガソーラー発電計画を共同で推進することに合意しました。
(1)「堺第 7−3 区太陽光発電所(仮称)」[発電出力:約 10MW]
(2)「堺コンビナート太陽光発電施設(仮称)」[発電出力:最大約 18MW、当初約9MW]
(2)については、シャープと進出企業によるコンビナートの各工場の屋根上等に、シャープ
と関西電力グループが共同で太陽光発電施設を設置し、コンビナート内で自家消費電力とし
て使用します。また、本発電施設には、シャープが平成 22 年(2010 年)3月までに稼動を
シャープ(株)
予定している太陽電池新工場で生産する薄膜シリコン太陽電池モジュールを採用する予定
です。
ルーフィット設計対応 住宅用太陽光発電システムを全国で発売(平成22年(2010年)3月16日
ニュースリリース)
シャープは、様々な屋根の形状や限られた設置スペースに、効率良く太陽電池を設置できる
ルーフィット設計対応太陽電池モジュール4機種(切妻/寄棟対応)と、同じくルーフィット
設計対応のパワーコンディショナ3機種を、平成22年(2010年)5月から全国で発売します。
ルーフィット設計は、サイズの異なる太陽電池モジュールを組み合わせて屋根に敷き詰める
ことにより、より多くの太陽電池が設置できる方式です。
英国の太陽電池 年間生産能力を500MWに拡大(平 成 22年 (2010年 )7月 29日 ニュースリリース)
イオンと京セラの業務提携について(平成21年(2009年)5月11日ニュースリリース)
従来京セラが一般住宅に対して訪問販売を中心に展開してきた住宅用太陽光発電システム
の販売に加えて、今後両社は、全国のイオンのショッピングセンター(SC)での販売活動や、
イオンカード会員への案内等を通じ、住宅用太陽光発電システムによる環境に配慮した新た
な生活を提案してまいります。
国内最大級 東京電力メガソーラーシステム向けに京セラ製多結晶太陽電池モジュール約
13MW分を供給(平成21年(2009年)12月14日ニュースリリース)
九州最大級の九州電力メガソーラー発電所向けに京セラ製多結晶太陽電池モジュール3MW
分を供給(平成22年(2010年)1月26日ニュースリリース)
滋賀県野洲市の太陽電池セル新工場竣工(平成22年(2010年)3月2日ニュースリリース)
稼動開始は本年6月の予定です。本拠点は、滋賀県東近江市の滋賀八日市工場に続き、高い
要素技術を誇る太陽電池セルの第2の生産拠点となります。新工場は、生産性を大幅に向上
京セラ(株)
した生産ラインで、量産レベルの多結晶シリコン型では最高クラスの高効率セルを生産して
まいります。
四国地区最大の設置容量 四国電力メガソーラーシステム向けに京セラ製多結晶太陽電池モ
ジュール約1.7MW分を供給(平成22年(2010年)5月7日ニュースリリース)
業界初 太陽光発電システムの顧客満足プログラム『シスピー』の運用開始
(平成22年(2010年)6月29日ニュースリリース)
京セラ株式会社の子会社で、国内向けに太陽光発電システムを販売する株式会社京セラソー
ラーコーポレーションは、全てのお客様の様々なニーズに対して質の高いサービスが提供で
きるよう、独自の顧客満足プログラム『シスピー(Customer Satisfaction Program)』を全
国の京セラソーラーフランチャイズ(FC)店110店舗全てに導入し、本年7月上旬までに本
格運用を開始いたします。これにより、住宅用太陽光発電システムの導入時の契約からアフ
ターフォローに至るまでのサービス品質を高水準で一元管理できるようになります。
北海道電力メガソーラー発電所向けに京セラ製多結晶シリコン太陽電池モジュール1MW分
を供給(平成22年(2010年)8月24日ニュースリリース)
(出典:各社ホームページより情報収集・整理)
66
表6.1-3 国内メーカーの太陽電池生産・販売に関する最近の動向(2/2)
クリーンエナジー社会実現へのシンボル「ソーラーアーク」が立地する岐阜事業所(岐阜県
安八町)に「先進太陽光発電開発センター」を新設(平 成 19年 (2007年 )12月 5日 ニュースリリース)
薄膜太陽電池合弁会社の設立について(平成21年(2009年)1月23日ニュースリリース)
三洋電機と新日本石油は、薄膜太陽電池合弁会社「三洋ENEOSソーラー株式会社」を設立。
当初80MW規模で平成22年(2010年)度内の生産・販売を開始した後、順次生産規模の拡大を
図り、国内外を合わせ平成27年(2015年)度に1GW規模、平成32年(2020年)度には2GW規模
の生産・販売を目指してまいります。
島根三洋電機にHIT太陽電池セルの生産ラインを増設(平 成 21年 (2009年 )6月 23日 ニュースリリース)
島根三洋は、平成13年(2001年)にHIT太陽電池セルの生産を開始し、現在、第2工場、第
三洋電機(株)
3工場を合わせて130MWの生産能力を有しています。今回の90MWの能力増強により220MWとな
ります。
淡路市の「メガワット級ソーラー集積事業」を受注(平 成 22年 (2010年 )3月 30日 ニュースリリース)
HIT太陽電池モジュール化工場 「二色の浜工場」「滋賀工場」の生産能力を増強
(平成22年(2010年)6月15日ニュースリリース)
三洋電機は、太陽電池の需要が旺盛な国内市場に対応するため、二色の浜工場(大阪府貝塚
市)、滋賀事業所(滋賀県大津市)の「HIT太陽電池モジュール」生産能力を増強します。二
色の浜工場は、40MWの生産能力となります。 滋賀工場は、250MWの生産能力を実現します。
HIT 太陽電池モジュール工場 「滋賀工場 新棟竣工」(平成 22 年(2010 年)9月 29 日ニュースリリース)
環境配慮型工場「加西グリーンエナジーパーク」が完成(平成22年(2010年)10月18日ニュースリリース)
太陽電池セル第2工場完成のお知らせ(平成22年(2010年)3月1日ニュースリリース)
三菱電機株式会社は、中津川製作所飯田工場(所在地:長野県飯田市)に建設していた太陽
電池セル第2工場の建屋が2月 18 日に完成しました。完成を受けて、飯田工場の太陽電池
セル年間生産能力を現在の 220MW から、平成 22 年(2010 年)度中に 270MW へ増強します。
また、飯田工場に単結晶シリコン太陽電池セルの製造設備を新たに導入し、平成 22 年(2010)
年度中に生産を開始します。太陽電池モジュールの組み立てを行う中津川製作所京都工場
三菱電機(株)
(所在地:京都府長岡京市)にも単結晶シリコン太陽電池モジュールの生産ラインを新設し
ます。
スマートグリッドの実証実験を開始(平成22年(2010年)5月17日ニュースリリース)
○約70億円を投資し、スマートグリッドの実証実験設備を自社内に構築
○尼崎地区:送配電網の将来像を想定した電力流通システム全体を実証
(メガソーラーシステム4MW等を導入)
○和歌山地区:太陽光発電システムに関する広域監視の実証
○大船地区:実証ハウスでシステム連携による住宅のエネルギー管理を実証
ソーラーフロンティア株式会社宮崎第3工場におけるメガソーラー設置事業についてのお
知らせ(平成22年(2010年)4月28日プレスリリース)
現在建設中の宮崎第3工場(国富工場)において、CIS 薄膜太陽電池を使用した2MW
(2,000kW)相当の大規模太陽光発電設備を設置することを決定しました。
住宅向け太陽光発電システム「フロンティアパック2400」を発売
(平成22年(2010年)6月18日プレスリリース)
「フロンティアパック 2400」は、太陽光発電システム(太陽電池モジュール、周辺機器、
ソーラーフロン
および施工一式)を統一規格で総合的に提供する国内メーカー初の商品です。コストを重視
ティア(株)
したシステム構成と施工の一括発注により、kW当り500,000円以下での販売が可能となりま
した。これにより、商品をご購入いただいたお客様の投資回収期間は従来の約2/3 に短縮さ
れます。
新潟雪国型メガソーラー運営開始について(平成22年(2010年)8月31日プレスリリース)
宮崎ソーラーウェイのメガソーラー発電所にソーラーフロンティアのCIS薄膜系太陽電池を
採用(平成22年(2010年)9月7日プレスリリース)
GEとCIS太陽電池モジュールの供給で提携(平成22年(2010年)10月13日プレスリリース)
IBMとCZTS太陽電池の共同開発で合意(平成22年(2010年)10月19日プレスリリース)
(出典:各社ホームページより情報収集・整理)
67
③導入費用
住宅用太陽光発電の1kW あたりの導入費用は、平成9年(1997 年)度には 106.2 万円で
したが、太陽電池の価格低減等に伴い、平成 20 年(2008 年)度には 66.9 万円となってい
ます(図6.1-1)。
また、平成 20 年(2008 年)度の新築・既築別導入費用は、新築が 54.7 万円、既築が 73.5
万円であり、新築の方が1kW あたり約 20 万円安くなっています(図6.1-2)
。
(万円)
120.0
100.0
14.9
15.2
26.1
24.8
設置工事
付属機器
太陽電池
12.4
80.0
10.3
8.7
21.7
7.9
7.6
7.4
7.4
9.0
9.7
8.9
16.9
16.3
16.0
15.9
16.0
16.3
15.5
48.1
46.2
45.1
44.1
42.8
43.3
43.6
42.5
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
19.9
60.0
19.0
40.0
67.4
65.2
59.8
54.2
20.0
0.0
1997年度
1998年度
1999年度
2000年度
1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度 2008年度
106.2
107.4
93.9
84.4
75.8
71.0
69.0
67.5
66.1
68.3
69.6
66.9
全体
図6.1-1 住宅用太陽光発電の導入費用(1kW あたりの価格)の推移
(出典:平成 20 年度住宅用太陽光発電システム導入状況に関する調査
(一般社団法人新エネルギー導入促進協議会))
(万円)
120.0
107.2
105.5 107.0 107.8
新築
既築
95.8
92.2
100.0
85.683.6
80.0
78.1
69.8
73.5
61.3
60.0
71.8
71.1
69.7
72.2
74.1
73.5
56.8
54.7
54.2
55.7
57.1
54.7
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
40.0
20.0
0.0
1997年度
1998年度
1999年度
2000年度
2001年度
2002年度
図6.1-2 住宅用太陽光発電の導入費用(1kW あたりの価格:新築・既築別)の推移
(出典:平成 20 年度住宅用太陽光発電システム導入状況に関する調査
(一般社団法人新エネルギー導入促進協議会))
68
(2)太陽熱利用
①国内メーカーの生産・販売動向
太陽熱利用機器メーカーは、最盛期には数百社あったと言われますが、現在では、(社)
ソーラーシステム振興協会に加盟しているメーカーは、8社となっています(表6.14)。しかしながら、最近では、太陽光発電の注目度が増すとともに、太陽光発電よりも
エネルギー変換効率が高い太陽熱利用も再び脚光を浴びつつあり、ガス事業者が独自にソ
ーラーシステムを開発する動きが出始めています。
なお、
(社)ソーラーシステム振興協会によると、岐阜県内での太陽熱利用機器販売事業
者は11事業者となっています(表6.1-5)。
表6.1-4 太陽熱利用機器メーカー
ソーラーシステム
太陽熱温水器
OM ソーラー㈱
○
×
㈱サンジュニア
○
×
㈱長府製作所
○
○
㈲チリウヒーター
○
○
㈱ノーリツ
○
○
矢崎総業㈱
○
○
長州産業㈱
○
○
長府工産㈱
×
○
*○:取扱いあり、×:取扱いなし
(出典:(社)ソーラーシステム振興協会ホームページ(http://www.ssda.or.jp/service/002/index.php))
表6.1-5 岐阜県内での太陽熱利用機器販売事業者
会社名
住所
取扱メーカー
㈱吉田住設本社
岐阜県山県市中洞 446-2
㈱長府製作所
㈱吉田住設岐阜支店
岐阜県岐阜市溝口上 146-1
㈱長府製作所
㈲グローブ
岐阜県岐阜市細畑塚浦 38 番地の 1
矢崎総業㈱
㈲スギ設業
愛知県一宮市北方町北方字下本郷一 62-6
-
㈱長府製作所滋賀工場
滋賀県野洲市野洲 1473-1
㈱長府製作所
伊藤建設㈱
岐阜県岐阜市上材木町 423
OM ソーラー㈱
ざいまん建設㈱
岐阜県本巣郡北方町北方 1787
OM ソーラー㈱
大幸住宅㈱
岐阜県各務原市那加昭南町 88-3
OM ソーラー㈱
大幸住宅可児工房
岐阜県可児市下恵土字野林 2989-1
OM ソーラー㈱
㈲和田建築
岐阜県高山市清見町三日町 1105
OM ソーラー㈱
共和ライフ㈱岐阜ショールーム
岐阜県多治見市大薮町字八反田 432
㈱ノーリツ
(出典:(社)ソーラーシステム振興協会ホームページ(http://www.ssda.or.jp/service/001/index.php))
69
②導入費用
太陽熱利用機器には、太陽熱温水器(自然循環型)とソーラーシステム(強制循環型)
の2種類があります(図6.1-3)。
太陽熱温水器(自然循環型)は、設置費用が約30万円、貯湯量200∼250リットル、集熱
器の面積3∼4m2のものが主流です。他の太陽エネルギー利用機器に比べて設置時の経済
的負担が軽く、太陽熱利用機器の約8割はこのタイプです。
また、ソーラーシステム(強制循環型)は、設置費用は約90万円、貯湯量300リットル、
集熱器の面積6m2(集熱器3枚)のものが主流です。
図6.1-3 左:太陽熱温水器(自然循環型)、右:ソーラーシステム(強制循環型)
(出典:(社)ソーラーシステム振興協会ホームページ(http://www.ssda.or.jp/energy/index.html))
70
6.2 面的拡大に向けた動向調査
太陽光発電等の面的拡大という観点から、市民共同発電、住宅街(住宅団地)・集合住
宅、商店街・自治会、メガワット級太陽光発電導入事業、の4分類において、Web・文献調
査により、情報を収集・整理しました。
(1)市民共同発電(太陽光発電)
①全国・都道府県別の取組み状況
太陽光発電の市民共同発電所は、平成 22 年(2010 年)10 月現在、188 箇所、出力合計
が 1,367.9kW となっています(1箇所平均 7.3kW)。
都道府県別では、長野県(46 箇所)が最も多く、次いで岡山県(19 箇所)、兵庫県(18
箇所)、京都府(17 箇所)、大阪府(15 箇所)、滋賀県(13 箇所)となっています。
長野県と岡山県では、長野県飯田市と岡山県備前市において、環境省「環境と経済の好
循環のまちモデル事業(まほろば事業)」が採択され、数十箇所規模の面的な太陽光発電の
市民共同発電所の導入が行われているため、設置箇所が多くなっています。
また、兵庫県や京都府では、特定の財団法人や NPO 法人が、寄付や出資による資金調達
の事業スキームを確立しており、これらの団体が複数の施設において太陽光発電の市民共
同発電所を設置しています。
なお、岐阜県内での取組み事例は確認されていません(表6.2-1)。
表6.2-1 都道府県別の市民共同発電(太陽光発電)の取組み状況
都道府県
長野県
岡山県
兵庫県
京都府
大阪府
滋賀県
神奈川県
鹿児島県、東京都
大分県
福井県、福岡県、和歌山県
宮崎県、山梨県、静岡県
熊本県、佐賀県、奈良県
愛知県、愛媛県、香川県、高知県、埼玉県
山形県、新潟県、福島県、北海道
設置箇所
46
19
18
17
15
13
7
6
5
4
3
2
1
②設置場所
全国で 188 ある太陽光発電の市民共同発電所の設置場所を、公共施設・民間施設という
区分でみると、公共施設 87 箇所(46.3%)、民間施設 101 箇所(53.7%)となっています。
なお、「おひさま太陽光市民共同発電」事業を実施している長野県飯田市では、事業主
体であるおひさま進歩エネルギー(株)(事業開始時は NPO 法人)に対して、「行政財産
の目的外使用」という手続きにて 20 年間という長期間の許可を出し、公共的な施設の屋根
を無償で提供しています。また、太陽光市民共同発電を設置した施設では、同社と太陽光
発電による電力を 20 年間買い続ける電力需給契約を締結している等、行政側のサポート
が市民共同発電事業の実施において、重要な役割を果たしています。
71
③事業規模・事業費
太陽光発電の市民共同発電所の事業規模をみると、「5∼6kW 未満」が最も多く、次い
で「10∼11kW 未満」となっています。NEDO 等の補助事業を活用する場合、10kW 以上が条
件となることから、こうした補助事業の活用を想定した場合は 10kW が1つの目安となるこ
とが想定されます(図6.2-1)。
また、事業規模(出力)と事業費が明確な事業について1kW あたりの事業費を算出した
ところ、全体が 101.5 万円、事業規模が 1∼4.9kW の場合は 96.5 万円、5∼9.9kW の場合は
109.0 万円、10∼20kW の場合は 97.8 万円となっています。
住宅用太陽光発電の導入費用と比較すると割高になっていますが、その理由としては、
普及啓発用として、太陽光発電以外の付属設備(発電電力量の表示盤や測定機器等)を設
置しているケースが多いことが推測され、それらの費用が上乗せされていることが考えら
れます(図6.2-2)。
7
1kW未満
4
1∼2kW未満
10
2∼3kW未満
16
3∼4kW未満
18
4∼5kW未満
31
5∼6kW未満
4
6∼7kW未満
7∼8kW未満
1
8∼9kW未満
1
5
9∼10kW未満
27
10∼11kW未満
6
11∼15kW未満
10
16∼20kW
0
5
10
15
20
25
30
35
(箇所)
図6.2-1 市民共同発電(太陽光発電)の事業規模
101.5
全体
96.5
1∼4.9kW
109.0
5∼9.9kW
97.8
10∼20kW
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
120.0
(万円)
図6.2-2 市民共同発電(太陽光発電)の事業規模別の1kW あたりの事業費
72
④事業費調達方法
事業費の調達方法については、「出資」「寄付」に大別され、どちらの方法でも「補助
金」を活用した事業形態が多くなっています(図6.2-3)。
「出資」については、「共同所有方式」と「法人・会社方式」に分類されますが、市民
共同発電では「共同所有方式」の事例が多くなっています(表6.2-2)。また、「共同
所有方式」の殆どの事例では、利息のない借入金という形で資金調達をしています。
長野県飯田市や岡山県備前市等の事例を除くと、数 kW∼10kW 程度の規模で太陽光発電の
市民共同発電事業を実施する場合には、「寄付+補助金」型、もしくは「出資(共同所有
方式)+補助金」型による資金調達が最も多い資金調達方法となっています。
74
出資+補助金
46
寄付+補助金
34
寄付
16
出資
18
その他
0
10
20
30
40
50
60
70
80
(箇所)
図6.2-3 市民共同発電(太陽光発電)の事業調達方法
表6.2-2 「出資」の分類
分類
特徴
共同所有方式
複数の出資者が一定額を拠出し発電設備の共同所有者となり、
売電量に応じた分配を受ける。
法人・会社方式
出資を募集する組織は株式会社、有限責任中間法人等の形態を
取り、一定の利率・期間の中で出資金を償還する。
(出典:市民共同発電所 全国調査報告書 2007)
73
(2)住宅街(住宅団地)・集合住宅
戸建住宅の集合体やマンション・団地等の集合住宅への一定地域内に集中して、太陽光
発電や太陽熱利用を導入する事例が全国各地で見られます(表6.2-3、表6.2-4)。
国の補助事業を積極的に活用し、環境配慮型という付加価値とともに、従来よりも光熱
費の削減が可能であることをメリットとして示し販売しているケースが多くなっています。
また、東京都日野市では、「日野市エコひいきな住宅事業実施要綱」を平成20年(2008
年)12月に制定し、太陽光発電を設置する等した環境配慮型住宅を増やすために、市有地
の分譲を行っています(表6.2-5)
。
表6.2-3 住宅街(住宅団地)への面的な太陽光発電・太陽熱利用の導入状況(1/2)
名称
導入場所
戸数
種類
概要
全棟に太陽光発電を搭載(1,500kW 予定)。ヒー
ヒルズガーデン清田
北海道
札幌市
503
太陽光発電
トポンプ方式による暖房システムや、リサイク
ル断熱材・木材、エネルギーマネージメント等
を採用。ミサワホーム北海道(株)
ハーモニータウン
杜のまち
パルタウン城西の杜
宮城県
大和町・
100 年街区の名称で、エコキュート設置、高気
300
太陽光発電
富谷町
群馬県
太田市
密・高断熱工法等で省エネルギーを図る。
(株)アー・スリー
太田市土地開発公社が販売した分譲地。全棟に
650
太陽光発電
太陽光発電・エコキュートを設置。NEDO 中連系
型太陽光発電システム実証研究実施
平成 20 年(2008 年)度街区まるごと CO220%削
減事業採択。太陽光・太陽熱・地中熱・空気熱・
つつじが丘
栃木県
ニュータウン
矢板市
58
太陽光発電
風力の組み合わせ、及び太陽光集中連携による
地域融通、エコキュート、エコウィル、潜熱回
収型ガス給湯器、断熱性能の強化等も備える。
栃木県住宅供給公社
ティアラコート春日部
埼玉県
春日部市
コスモタウンきよみ野
埼玉県
彩's
吉川市
ヴィラガルテン新松戸
Eco・La 村上
Eco・La 天台
ソーラータウン久米川
ベイビレッジ金沢
千葉県
松戸市
千葉県
八千代市
千葉県
千葉市
東京都
東村山市
石川県
金沢市
太陽光発電システム 2.88kW を標準装備。住宅竣
35
太陽光発電
工: 平成 10 年(1998 年)10 月。
(株)中央住宅・シャープ(株)
3.0kW の屋根材一体型太陽光発電システムを住
79
太陽光発電
宅 79 棟全戸に標準装備した分譲住宅団地。
(株)博進
2.86kW を 13 棟に、3.10kW を 23 棟に標準装備。
36
太陽光発電
住宅竣工:平成 11 年(1999 年)1月。
(株)中央住宅・シャープ(株)
19
太陽光発電
7
太陽光発電
19
太陽熱利用
10
太陽光発電
太陽光発電とオール電化を標準装備
(株)住宅販売センター
19 戸に太陽熱利用機器を設置している。
OM 研究所、相羽建設(株)
全棟に太陽光発電システムと省エネ給湯器を標
準装備。大和ハウス工業(株)
環境省「チャレンジ 25 地域づくり事業」採択案
エコライフスクエア三島
静岡県
きよずみ
三島市
22
太陽光発電
件。同分譲地開発により削減された CO2 排出量相
・燃料電池
当分の排出権は静岡ガスが買い取る(家庭用分
野での CO2 排出権取引)。
74
表6.2-3 住宅街(住宅団地)への面的な太陽光発電・太陽熱利用の導入状況(2/2)
名称
導入場所
戸数
種類
概要
名古屋市住宅供給公社が主体となり整備。公社
志段味循環型
愛知県
モデル住宅
名古屋市
4
太陽光発電
等
の賃貸住宅として使用。燃料電池システムとガ
スコージェネレーションシステム、エコウィル、
エコキュート、外壁緑化技術、両面型太陽光電
池を採用
平成 21 年(2009 年)度住宅・建築物省 CO2 推進
モデル事業(国土交通省)採択案件。
①街区には、池に浮かべた太陽光発電システム
や、自然エネルギー(太陽光・風力)を利用
した照明灯を設置し、街全体で省 CO2 化
②地域特性を活かし、池の涼風を取り込めるよ
うな環境と共生する「緑のコリドー(散歩道)」
を形成
近鉄あやめ池住宅地
奈良県
奈良市
-
太陽光発電
③戸建住宅においては、外断熱工法や LED 照明、
・燃料電池
家庭用燃料電池コージェネと太陽光のダブル
発電システムなどを採用し、近鉄が取り組ん
できた環境共生住宅を更に進化。
集合住宅においては、各住戸の全開口部に真
空二重ガラスを導入して断熱性能を高め、潜
熱回収型給湯暖房機などの省エネ設備を採用
するほか、共用部には太陽光発電パネルや LED
照明を設置し、省 CO2 化を図る。
近畿日本鉄道(株)、近鉄不動産(株)
太陽光発電システムを採用した一戸建ての賃貸
奈良市大森西町住宅地
奈良県
奈良市
住宅。3LDK の 12 棟の住宅には、それぞれ 2.5∼
12
太陽光発電
2.9kW の太陽光発電システムを登載。各戸の屋根
で発電した電力は入居者が使用することができ
る。家賃は 9 万円前後。
全 258 区画で太陽光パネルを設置。「環境共生
型住宅街の実現」をコンセプトに全区画に太陽
ジョータウンりんくう
大阪府
ハワイアンビレッジ
田尻町
光発電システムを標準搭載し、オール電化また
258
太陽光発電
はガス発電システムと組み合わせ、経済性に優
れた住環境を提供している。
(株)ジョーコーポレーション、(株)さくら
不動産
パナホームシティ
兵庫県
西神南
神戸市
パナホームシティ
兵庫県
西神南2
神戸市
サンシャインコート
兵庫県
清和台
川西市
エコウィルやエコキュート等の設備ともあわせ
100
太陽光発電
て、街全体で年間 250t の CO2 排出量が削減。パ
ナホーム(株)
神戸市が宅地造成した市有地をパナホーム(株)
68
太陽光発電
が分譲。1戸あたり年間光熱費を 14 万 7,000 円
削減できる。
34
太陽光発電
太陽光発電とオール電化の組み合わせ
吉永建設(株)
全戸に太陽光発電を標準設置。標準設置する太
ラ・プエルタ十川
香川県
Part2
高松市
25
太陽光発電
陽光発電システムは2kW 分で、差額を負担すれ
ば発電パネルを拡張することもできる。
(株)ユーリックホーム
75
表6.2-4 集合住宅への面的な太陽光発電・太陽熱利用の導入状況(1/2)
名称
導入場所
戸数
種類
概要
平成 18 年
(2006 年)度環境省補助事業「街
越谷レイクタウン
埼玉県
越谷市
区まるごと CO220%削減事業」採択。太陽
500
太陽熱利用
熱給湯・暖房システムを面的導入し、CO2
排出量を 20%以上削減。
UR 都市機構、大和ハウス工業(株)
発電電力は施設内の共用部の動力、電灯
シーズガーデングリーン
埼玉県
パティオ
鳩ヶ谷市
レーベンハイム
埼玉県
光が丘公園
和光市
世田谷区
東京都
深沢環境共生住宅
世田谷区
170
太陽光発電
負荷の一部として供給。また、1階エン
トランスホールに液晶表示装置を設置
し、発電状況を表示(10kW)
フォート北野
東京都
八王子市
112
太陽光発電
132kW。各部屋に 1.2kW 分を割り当て。JX
日鉱日石エネルギー(株)
平板形集熱器 18 パネル 57.42m2、蓄熱槽
-
太陽熱利用
1.5m3 を設置。床暖房、給湯に利用。世田
谷区
-
太陽熱利用
平板形集熱器 75 パネル、143.25m2 を屋上
に設置。給湯に利用。
一括高圧受電と太陽光発電を組み合わせ
て導入。一括高圧受電は、管理組合が電
力を一括して電力会社から高圧で受電
パークハウス駒込染井
東京都
豊島区
50
太陽光発電
し、高圧を低圧に変電した上で各戸に受
電する方式で、建設コストも低減される。
国土交通省「新たな温室効果ガス削減環
境事業モデル」採択案件
三菱地所(株)
全戸に太陽光発電(合計 54kW)を設置。
(仮称)武蔵野市
東京都
関前3丁目計画
武蔵野市
53
太陽光発電
また、発電量・消費量・売電量・買電量・
自給率がわかるモニターを各戸に設置。
オリックス不動産(株)
ライオンズたまプラーザ
神奈川県
美しが丘テラス
横浜市
ロイヤルハイツ白山
石川県
金沢市
高圧一括受電タイプの太陽光発電(79kW)
70
太陽光発電
を採用。NTT ファシリティーズ(株)大
京が開発したシステムを採用。
29
太陽熱利用
集熱器 3.4m2、貯湯槽 0.23m3 を 29 戸のバ
ルコニーに設置。給湯に利用。
分譲住宅のバルコニーに設置。集熱器
アヴニール三好丘
愛知県
三好市
(1.06m2/戸)とガス給湯暖房機の全自動
48
太陽熱利用
給湯システムの組み合わせ。昼間の 5 時
間稼動で年平均 35.6%の給湯エネルギー
の削減。UR 都市機構
賃貸住宅屋上に平板型集熱器(96m2)を
設置。中央式強制分間間接加熱方式を採
鳴海団地
愛知県
名古屋市
36
太陽熱利用
用。250 リットル/戸・日とし、不足エネ
ルギーは個別設置のガス給湯器で追焚。
夏季は 89%、冬季は 40%をソーラー給湯
に依存。UR 都市機構
北助松第一次団地
大阪府
泉大津市
真空管形集熱器 4.48m2、蓄熱槽 0.3m3 を
-
太陽熱利用
85 戸に設置。給湯に利用。
大阪府住宅供給公社
76
表6.2-4 集合住宅への面的な太陽光発電・太陽熱利用の導入状況(2/2)
名称
導入場所
グランディアソラーレ千
大阪府
里中央けやき坂
箕面市
水島マンション
岡山県
倉敷市
戸数
種類
概要
133.569kW(住居部分 1.377kW×97 戸)の
97
太陽光発電
太陽光発電を設置。エコキュートを採用。
(株)丸美
-
太陽光発電
1階売店内の年間使用電力量の一部をま
かなう。
4 階建、1 棟 8 戸、4 棟全 32 戸マンショ
アドバンス 21 貴船
山口県
下関市
32
太陽光発電
ン。屋上に 51kW の太陽電池を設置し、半
数の 16 戸に 3kW、共用部分の照明等にも
電力を供給。(株)原弘産
太陽、風、雨等自然エネルギーの有効活
マテール穴生
福岡県
北九州市
用を図る環境共生住宅。太陽熱利用の給
-
太陽熱利用
湯器・外灯、風力発電、雨水の散水利用
等人と地球にやさしい住宅のモデルケー
ス。北九州市住宅供給公社
八幡東田
福岡県
アーバンレジデンス
北九州市
ニューガイア
福岡県
四季彩の丘
北九州市
ニューガイア上石田
ニューガイア高野
福岡県
北九州市
福岡県
北九州市
平成 20 年
(2008 年)度環境省補助事業「街
200
太陽光発電
区まるごと CO220%削減事業」を採択。
(株)新日鉄土地開発
170.442kW(住居部分 1.53kW×109 戸、共
109
太陽光発電
用部分 1.836kW×2)の太陽光発電。エコ
キュート採用。芝浦特機(株)
66.165kW(住居部分 1.5kW×43 戸、共用
43
太陽光発電
部分 1.665kW×1)の太陽光発電設置。エ
コキュート採用。芝浦特機(株)
53.38kW(住居部分 1.57kW×33 戸、共用
33
太陽光発電
部分 1.57kW×1)の太陽光発電設置。エ
コキュート採用。芝浦特機(株)
93.636kW(住居部分 1.53kW×60 戸、共用
グランディア空港ソラー
福岡県
レ
福岡市
60
太陽光発電
部分 1.836kW×1)の太陽光発電設置。エ
コキュート採用。(株)グランディア(芝
浦特機(株)と提携)
231.795kW(住居部分 1.377kW×167 戸、
グランディアソラーレ博
福岡県
多の杜
志免町
167
太陽光発電
共用部分 1.836kW×1)の太陽光発電設置。
エコキュート採用。(株)グランディア
(芝浦特機(株)と提携)
ニューガイア空港通り
ニューガイア大刀洗
福岡県
志免町
福岡県
大刀洗町
60
太陽光発電
全戸に太陽光(合計 93.636kW)設置・エ
コキュート採用。芝浦特機(株)
25.12kW(住居部分 1.57kW×15 戸、共用
15
太陽光発電
部分 1.57kW×1)の太陽光発電設置。エ
コキュート採用。芝浦特機(株)
66.555kW(住居部分 1.071kW×25 戸、
ニューガイア博多東
福岡県
粕屋町
36
太陽光発電
1.224kW×31 戸、共用 1.836kW×1)の太
陽光発電設置。エコキュート採用。
芝浦特機(株)
グランドニューガイア新
福岡県
栄町駅前
大牟田市
シャイニー中山
鹿児島県
鹿児島市
63
太陽光発電
30
太陽光発電
77
全戸に太陽光発電を設置
芝浦特機(株)
全戸に太陽光発電を設置
(株)富士土木エンヂニアリング
表6.2-5 東京都日野市「エコひいきな街づくり街区」の取組み(概要)
○日野市では、地球温暖化の原因となっている CO2 削減に向け、なるべくエネルギーを使わない環境
に配慮した住宅を普及させるため、エコひいきな街づくり事業を進めている。
○エコロジーとエコノミーの両立を目指したエコ住宅を建ててもらうモデル街区として市有地を分
譲している。
○エコひいきな街づくり街区に日野市エコ住宅仕様書に基づく住宅を建てることを条件に、特典が
ある。
【日野市エコ住宅仕様書の概要】
(1)断熱層の設置
(2)複層ガラスの設置
(3)国内産材(中低温乾燥)、自然素材の使用
(4)化学物質を極力使わない
(5)宅地内緑化、接道部緑化
(6)雨水浸透施設の設置
(7)国土交通省の「超長期住宅先導的モデル事業」採択されたもの及びこれに準ずるもの
【特典の内容】
(1)土地価格の3%割引き
(2)住宅ローン金利優遇制度
(3)太陽光発電システム設置
(出典:日野市ホームページ(http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/14,53548,251,html))
78
(3)商店街・自治会
地域での面的導入としては、商店街や自治会単位での太陽光発電や太陽熱利用の導入事
例が挙げられます。商店街では地域活性化の一環としての導入が主流であり、自治会では
環境問題や地域づくりの一環として導入が主流です(表6.2-6、表6.2-7)。
なお、神奈川県横浜市では、平成 21 年(2009 年)度から「自治会・町内会館太陽光発
電システム設置費補助事業」を実施しており、この事業を活用した導入が平成 21 年(2009
年)度には5件ありました(表6.2-8)。
表6.2-6 商店街での太陽光発電の導入状況
名称
導入場所
巣鴨駅前商店街
東京都
振興組合
豊島区
牛込中央通り
東京都
商店会
新宿区
導入時期
種類
概要
METI 平成 19 年(2007 年)度少子高齢化等対応中小
平成 20 年
(2008 年)
太陽光発電
4月
平成 20 年
(2008 年)
8月
商業活性化事業と豊島区 TMO 構想推進事業を採択。
総事業費 1 億 7000 万円の半額は国・区の助成。商店
街使用電力 10%相当分を削減。188 枚のパネル。
商店街活性化の取り組みの一環。小型風力発電と太
太陽光発電・ 陽光発電のハイブリッド街路灯 12 基と、通常のもの
小型風力発電 より消費電力の少ないエコ街路灯 32 基の計 44 基を
設置。
10kW。「環境ポイント」(エコマネー)の試行。商店
弘明寺商店街
神奈川県
横浜市
街のポイントカードシステムを活用。ポイント対象
平成 18 年
(2006 年)
太陽光発電 は、①商品購入時にレジ袋をもらわない、②飲食店
において食べ残しをしない、③自動車ではなく公共
5月
交通機関(地下鉄)に乗って商店街を利用する。
厚木なかちょう
大通り商店街
振興組合
四日市諏訪商店
街
神奈川県
厚木市
三重県
四日市市
伏見大手筋商店
京都府
街
京都市
千日前道具屋筋
大阪府
商店街
大阪市
平成 15 年
(2003 年)
2月
老朽化した古い街路灯 45 基を撤去し、12 基の風力・
太陽光発電・ 太陽光を利用した「ハイブリット街路灯」を設置。
小型風力発電 総事業費のうち NEDO が 47%、厚木市が 21%の補助
を行い、商店街側の負担は 32%。
平成 22 年
(2010 年)
太陽光発電
5月
平成9年
(1997 年)
駐車場屋上に太陽光発電システム(10kW)を設置す
るとともに、駐車場の照明設備を完全 LED 化
出力 30.6kW。発生した電力は、空調、照明等の電源
太陽光発電 として利用されており、余剰電力が発生した場合は、
3月
関西電力に売電する。
平成 22 年
(2010 年)
太陽光発電 6.12KW の太陽光発電と LED 照明を設置
4月
40kW。年間約 110 万円の節電効果を見込んでおり、
旭通・新旭町通・
大阪府
錦通商店街
吹田市
平成 22 年
(2010 年)
発電電力の売却益を基金として積み立て、エコポイ
太陽光発電 ント制度など環境に配慮した取り組みを展開。エコ
3月
商店街として PR する。設置費約1億 3000 万円は、
国の臨時交付金を充てる。
神戸元町商店街
魚町銀店街
下通商店街
兵庫県
平成 16 年
神戸市
(2004 年)
福岡県
北九州市
熊本県
熊本市
出力 31.28kW。年間 27,500kWh の発電量。太陽光で発
太陽光発電 電した電気は、商店街の照明電灯設備などに利用し、
余剰電力は関西電力に 18.7 円で売電。
平成 22 年
(2010 年)
太陽光発電
3月
太陽光発電と LED 照明を設置(2つの商店街をつな
ぐ「魚町エコルーフ」)。
平成 21 年
(2009 年)
太陽光発電 太陽光発電、ミスト発生装置、LED 照明を設置
5月
79
表6.2-7 自治会での太陽光発電の導入状況
名称
下鉢石町自治会
さくら堤自治会
野村港南台自治
会・港南つつじヶ
丘自治会
あざみ野自治会
導入場所
栃木県
平成 14 年
日光市
(2002 年)
埼玉県
平成 18 年
川越市
(2006 年)
神奈川県
横浜市
神奈川県
横浜市
加 賀 原 一 丁 目 自 神奈川県
治会
横浜市
仏 向 町 睦 ヶ 丘 自 神奈川県
治会
横浜市
平安町会
上延沢自治会
加治区自治会
小南自治会
妙見坂自治会
導入時期
神奈川県
横浜市
種類
概要
太陽光発電
出力 3.98kW。設置費用約 270 万円の半分を自治会費
太陽光発電 から工面し、残りは市の補助金で賄った。年間電気
3月
代約 38 万円を約 25 万円に抑える見込み。
平成 22 年
(2010 年)
陽光発電設備を設置。
太陽光発電 集会所に 3kW を導入
平成 22 年
(2010 年)
NPO 法人エコと下鉢石町自治会が公民館に 5.2kW の太
太陽光発電
3月
出力 4.34kW。設置工事費は約 262 万円。市と自治会
が半額ずつ出資
平成 22 年
(2010 年)
太陽光発電 出力 4.94kW
3月
平成 22 年
(2010 年)
太陽光発電 出力 4.16kW
3月
平成 22 年
(2010 年)
太陽光発電 出力 3.36kW
3月
神奈川県
平成 16 年
開成町
(2004 年)
愛知県
平成 15 年
田原市
(2003 年)
滋賀県
平成 16 年
野洲市
(2004 年)
大阪府
平成 17 年
交野市
(2005 年)
太陽光発電 自治会館に 4.22kW を導入
太陽光発電
加治区自治会館の屋上 150m2 に 5.8kW の太陽光発電設
備を設置。まちづくり活動の一環。
5.22kW。NEF 補助金を利用。自治会費 1 世帯あたり年
太陽光発電 間 4 万円。早くから地域ぐるみでゴミ問題等の環境
問題に取り組んでいる。
太陽光発電
自治会館の既築建屋上部に 10.0kW を設置。発生電力
は施設内で使用し、余剰電力は売電する。
表6.2-8 (神奈川県横浜市)自治会・町内会館太陽光発電システム設置費補助事業の概要
【対象となる町内会等】
①自ら所有する横浜市内の会館に太陽光発電システムを設置し、自ら電力受給契約を締結する町内
会等。
②設置した太陽光発電システムを利用した、地球温暖化対策に対する普及啓発活動を実施する町内
会等。
【補助金額】
(次の①、②のどちらか低い方の金額(上限 140 万円まで))
①設置費用の2分の1。(上限 140 万円)
②発電容量(太陽電池の公称最大出力)1kWあたり 35 万円。(上限 140 万円)
【補助件数】
約 13 件 (※ただし、予算の範囲内での募集)
(出典:神奈川県横浜市ホームページ(http://www.city.yokohama.jp/me/kankyou/ondan/chokai/))
80
(4)メガワット級太陽光発電の導入状況
出力 1,000kW 以上のメガワット級の太陽光発電の導入状況は、国の実証試験のほか、製
造業での自社工場内で既に導入されている事例があるほか、平成 23 年(2011 年)∼平成
24 年(2012 年)にかけて各電力会社でのメガソーラー導入プロジェクトが目白押しとなっ
ています(表6.2-9)。
表6.2-9 メガソーラーの導入状況・計画
発電所名
稚内メガソーラー
設置場所
事業主体
北海道稚内市
NEDO、北海道電力(株)
出力(kW)
事業開始
5,000
2008年度
伊達ソーラー発電所
北海道伊達市
北海道電力(株)
1,000
2011年6月
八戸火力発電所内メガソーラー
青森県八戸市
東北電力(株)
1,500
2012年度
工場内メガソーラー
宮城県大和町
東京エレクトロン(株)
1,000
2010年度
仙台火力発電所内メガソーラー
宮城県仙台市
東北電力(株)
2,000
2012年度
福島矢吹工場メガソーラー
福島県矢吹町
レンゴー(株)
1,535
2010年5月
原町太陽光発電所
福島県南相馬市 東北電力(株)
1,000
2013年度
工場内メガソーラー
茨城県坂東市
トステム(株)
3,750
2009年度
四輪R&Dセンター内メガソーラー
栃木県芳賀町
本田技研工業(株)
1,170
2010年度
物流センター内メガソーラー
千葉県柏市
柏プロパティー特定目的会社
1,485
2011年度
羽田太陽光発電所
東京都大田区
東京電力(株)
2,000
2010年10月
浮島太陽光発電所
神奈川県川崎市 東京電力(株)
7,000
2011年度
扇島太陽光発電所
神奈川県川崎市 東京電力(株)
13,000
2011年度
米倉山太陽光発電所
山梨県甲府市
東京電力(株)
10,000
2012年1月
北杜サイトメガソーラー
山梨県北杜市
NEDO
2,000
2008年度
新潟石油製品輸入基地内メガソーラー
新潟県新潟市
昭和シェル石油(株)
1,000
2010年8月
新潟東部太陽光発電所
新潟県阿賀野市 新潟県
1,000
2011年度
堤工場内メガソーラー
愛知県豊田市
トヨタ自動車(株)
2,007
平成19年度
メガソーラーたけとよ発電所
愛知県武豊町
中部電力(株)
7,000
2011年度
メガソーラーいいだ
長野県飯田市
中部電力(株)
1,000
2011年2月
志賀メガソーラー発電所
石川県志賀町
北陸電力(株)
1,000
2011年度
珠洲メガソーラー発電所
石川県珠洲市
北陸電力(株)
1,000
2012年度
富山メガソーラー発電所
富山県富山市
北陸電力(株)
1,000
2011年度
三国メガソーラー発電所
福井県坂井市
北陸電力(株)
1,000
2012年度
亀山工場内メガソーラー
三重県亀山市
シャープ(株)
5,150
平成17年度
堺第7-3区太陽光発電所
大阪府堺市
関西電力、シャープ(株)
10,000
2010年11月
18,000
2011年度
4,000
2012年度
堺コンビナート太陽光発電所
大阪府堺市
関西電力、シャープ(株)
尼崎地区メガソーラー
兵庫県尼崎市
三菱電機(株)
淡路市メガワット級ソーラー
兵庫県淡路市
兵庫県、淡路市、三洋電機(株)、(株)NTTファシリティーズ
1,000
2010年度
福山太陽光発電所
広島県福山市
中国電力(株)
3,000
2012年度
EV工場内メガソーラー
鳥取県米子市
(株)ナノオプトニクスエナジー
3,000
-
松山太陽光発電所(一期)
愛媛県松山市
四国電力(株)
1,700
2011年
松山太陽光発電所(二期)
愛媛県松山市
四国電力(株)
2,300
2020年
若松総合事業所内メガソーラー
福岡県北九州市 電源開発(株)
1,000
平成19年度
港太陽光発電所
福岡県大牟田市 九州電力(株)
3,000
2012年
工場内メガソーラー
熊本県長洲町
トステム(株)
3,750
2009年度
宮崎第2工場・第3工場内メガソーラー 宮崎県国富町
ソーラーフロンティア(株)
2,000
2011年
リニア実験線高架上メガソーラー発電所 宮崎県都農町
国際航業ホールディングス(株)
1,000
2011年7月
離島マイクログリッドシステムメガソーラー 沖縄県宮古島市
沖縄電力(株)
3,000
2010年1月
81
7.賦存量・利用可能量調査
7.1 簡易調査による賦存量・利用可能量の把握
(1)賦存量・利用可能量推計のまとめ
本町におけるクリーンエネルギーの賦存量と利用可能量の推計(簡易調査)をまとめた
ものが、表7.1-1となります。
本町のクリーンエネルギーの賦存状況をみると、太陽エネルギーが最も利用可能性が高
く、太陽エネルギーを中心としたクリーンエネルギーの導入推進が最も効果的であると考
えられます(図7.1-1)
。
表7.1-1 クリーンエネルギーの賦存量・利用可能量推計のまとめ
種別
利用可能量
賦存量
(GJ/年)
太陽光発電
太陽熱利用
農業資源
木質資源【合計】
林地残材
製材所廃材
果樹剪定
公園剪定
建築解体廃材
新・増築廃材
食品残さ
合計
発電利用
熱利用
(MWh/年)
(GJ/年)
216,922
134,962
7,450
16,670
8,502
892
221
154
5,050
1,851
3,545
22,349
6
173
17
2
5
3
107
39
87
33,220
171
5,296
510
61
144
93
3,285
1,204
1,122
396,219
22,787
45,106
*本町の気象条件や地域特性等から、雪氷熱利用、温度差熱利用、地熱発電は検討対象外としています。
発電利用(MWh)
熱利用(GJ)
太陽熱利用
太陽光発電
建築解体廃材
107
22,349
3,285
建築解体廃材
食品残さ
87
新・増築廃材
1,204
新・増築廃材
39
食品残さ
1,122
林地残材
17
林地残材
510
農業廃棄物
6
農業廃棄物
171
果樹剪定
5
果樹剪定
144
公園剪定
3
公園剪定
93
製材所廃材
2
製材所廃材
61
33,220
図7.1-1 クリーンエネルギー利用可能量:
【左】発電利用・
【右】熱利用
82
(2)エネルギー種別の賦存量・利用可能量の推計
①太陽光発電
【賦存量・利用可能量の考え方】
賦存量
利用可能量
本町の建築物に規模に応じて太陽光パネルを設置したと仮定した場合のエネルギー量
賦存量に、意識調査での設置意向率等を考慮したエネルギー量
【推計結果】
216,922
賦存量
22,349
GJ 利用可能量
MWh
*1MWh=1、000kWh
【推計方法】
=Σ(月別最適傾斜角日射量×月日数×用途別建築物棟数×必要面積×想定出力×補正係数
賦存量
×単位換算)
〔項目〕
〔数値・単位〕
月平均水平面日射量
参考を参照
用途別建築物棟数
13,804 棟
:住宅
:公共施設、事業所
〔出典・備考〕
NEDO 全国日射関連データマップ
*現時点では、多治見観測所の値を代用
御嵩町都市計画基礎調査調書
2,742 棟
必要面積
想定出力
:住宅
9m2/kW
-
3.5kW
経済産業省の新エネルギー等導入加速化支援
:公共施設、事業所
10kW
対策事業〔地域新エネルギー等導入促進事業〕
の要件
補正係数
利用可能量
0.065
NEDO 新エネルギーガイドブック 2008
=賦存量×設置意向率
〔項目〕
〔数値・単位〕
設置意向率:住宅
:事業所
設置意向数:住宅
〔出典・備考〕
57.2%
住民意識調査
76.8%
事業所意識調査
7,854 棟
:事業所
38 棟
公共施設設置想定数
7棟
御嵩町都市計画基礎調査調書の住宅数の中で
設置意向がある住宅数
意識調査対象 50 事業所の中で設置意向がある
事業所数
御嵩町役場、町内小中学校6校
*住宅は、住宅・共同住宅、店舗併用住宅、作業所併用住宅の合計。
*公共施設、事業所は、業務施設、商業施設、宿泊施設、娯楽施設、遊戯施設、官公庁施設、文教厚生施設、運
輸倉庫施設、重工業施設、軽工業施設、サービス工業施設、家内工業施設、農林漁業施設の合計。
*設置意向率は、住宅・事業所とも、意識調査の中で「太陽光発電」を「既に利用している」
「利用を検討中」
「条
件によっては利用したい」の合計値。
【参考(年間最適傾斜角日射量(kWh/m2・日)
)】
月
年間最適傾斜角
1月
3.03
2月
3.41
3月
4.12
4月
4.18
5月
4.45
6月
3.92
7月
4.04
8月
4.12
9月
4.01
10月
3.52
11月
3.07
12月
2.82
*8∼10 月は、2010 年8∼100 月のさんさん広場での計測値。その他の月は、計測値をもとに、御嵩
町に最も近隣で日射量データがある多治見の月別日射量データを参考に推計した値
83
②太陽熱利用
【賦存量・利用可能量の考え方】
賦存量
利用可能量
本町の住宅に太陽熱温水器(自然循環型)、公共施設と事業所にソーラーシステム(強
制循環型)を設置したと仮定した場合のエネルギー量
賦存量に、意識調査での設置意向率等を考慮したエネルギー量
【推計結果】
134,962
賦存量
33,220
GJ 利用可能量
GJ
【推計方法】
賦存量
=Σ(月別最適傾斜角日射量×月日数×用途別建築物棟数×集熱面積×集熱効率×単位換算)
〔項目〕
月平均水平面日射量
用途別建築物棟数
:住宅
:公共施設、事業所
〔数値・単位〕
前ページ
参考を参照
13,804 棟
〔出典・備考〕
NEDO 全国日射関連データマップ
*現時点では、多治見観測所の値を代用
御嵩町都市計画基礎調査調書
1,375 棟
集熱面積
3m2
:住宅
太陽熱温水器(自然循環型)を想定
ソーラーシステム(強制循環型)を想定
20m2
:公共施設、事業所
*経済産業省の新エネルギー等導入加速化支
援対策事業〔地域新エネルギー等導入促進事
業〕の要件
集熱効率
利用可能量
0.4
(社)ソーラーシステム振興協会
=賦存量×設置意向率
〔項目〕
設置意向率:住宅
:事業所
設置意向数:住宅
〔数値・単位〕
〔出典・備考〕
39.6%
住民意識調査
42.3%
事業所意識調査
5,466 棟
:事業所
22 棟
公共施設設置想定数
7棟
御嵩町都市計画基礎調査調書の住宅数の中で
設置意向がある住宅数
意識調査対象 50 事業所の中で設置意向がある
事業所数
御嵩町役場、町内小中学校6校
*住宅は、住宅・共同住宅、店舗併用住宅、作業所併用住宅の合計。
*公共施設、事業所は、熱利用の可能性があると考えられる業務施設、宿泊施設、官公庁施設、文教厚生施設、
重工業施設、農林漁業施設の合計。
*設置意向率は、住宅の場合、意識調査の中で「太陽熱温水器」を「既に利用している」「利用を検討中」「条件
によっては利用したい」の合計値。事業所の場合、意識調査の中で「ソーラーシステム」を「既に利用してい
る」「利用を検討中」「条件によっては利用したい」の合計値。
84
③風力発電
風力発電の賦存量・利用可能量を推計する際には、1,000∼2,000kW 級の大型風力発電の
導入に際して、事業性を確保していく上で最低限必要とされる地上高 30m における年平均
風速が6m/s 以上の地域にどのくらいの風力発電を導入するのかを仮定して、エネルギー
量を推計します。
そこで、NEDO の風況マップで確認すると、本町の地上高 30m での年平均風速は、3.0∼
3.5m 及び 3.5∼4.0m であり、中型∼大型風力発電の導入に必要な風況ではないことから(図
7.1-2)
、賦存量・利用可能量の推計は行わないこととしました。
なお、数百 W∼数 kW 級の小型風力発電については、普及啓発・PR 効果を目的とした導入
が考えられることから、本町においても導入可能性はあると考えられますが、導入可能性
がある特定地点の選定が困難であり、小型風力発電の発電量が推計できる風況データがな
いことから、小型についても賦存量・利用可能量の推計は行わないこととしました。
3.5∼4.0m
3.0∼3.5m
(m/s)
*図内の点線が、本町の境界線。斜線部分は、国定公園。
図7.1-2 本町付近の風況(地上高 30m での年平均風速(m/s))
(出典:NEDO 局所的風況予測モデル(LAWEPS)H18 年度版)
85
④バイオマス発電・熱利用・燃料製造
a)農業資源
【賦存量・利用可能量の考え方】
対象を稲わらとし、直接燃焼による発電・熱利用を前提。町内で1年間に発生する稲
わら全量を利用したと仮定した場合のエネルギー量
賦存量をもとに、稲わらの利用可能率、発電効率・ボイラー効率を考慮した場合のエ
ネルギー量
賦存量
利用可能量
【推計結果】
7,450
賦存量
GJ 利用可能量
(発電利用)
(熱利用)
6
171
MWh
GJ
【推計方法】
賦存量
=水稲収穫面積×発生原単位×発熱量
〔項目〕
〔数値・単位〕
水稲収穫面積
利用可能量
94ha
〔出典・備考〕
御嵩町統計書(平成 17 年(2005 年)の値)
発生量原単位:
5,410kg/ha
NEDO バイオマス賦存量・利用可能量の推計
発熱量(低発熱量)
14.65MJ/kg
NEDO エネルギー量の推計方法(改訂版)
(発電利用)=賦存量×利用可能率×発電効率×単位換算
(熱利用)=賦存量×利用可能率×ボイラー効率
〔項目〕
〔数値・単位〕
〔出典・備考〕
農林水産省資料による国産稲わらの用途別利
利用可能率
2.7%
用状況(平成 18 年度)から、
「飼料用」「敷料
用」「堆肥用」「加工用」「すき込み・その他」
等を除いた、「焼却」の 2.7%としました。
発電効率
0.1
ボイラー効率
0.85
NEDO エネルギー量の推計方法(改訂版)
b)畜産資源
農林水産省「平成 19 年畜産統計調査」によると、本町の畜産の現状は、乳用牛と肉用牛
の飼養戸数が各2戸、採卵鶏の飼養戸数が1戸であり、エネルギーとして利用可能な潜在
的な畜産資源量はさほど多くはないと推測されます。また、飼養頭羽数は秘匿値となって
おり、畜産資源の賦存量・利用可能量の推計では飼養頭羽数が不明であると推計ができな
いことから、今回の調査では畜産資源の賦存量・利用可能量の推計は行わないこととしま
した。
c)木質資源
木質資源の推計に関しては、NEDO バイオマス賦存量・利用可能量の推計 GIS データベー
ス(http://www.nedo.go.jp/library/biomass/index.html)を踏襲し、同データベースで
推計されている本町の木質資源(林地残材、製材所廃材、果樹剪定、公園剪定、建築解体
廃材、新・増築廃材)の賦存量・利用可能量をもとに、直接燃焼による発電・熱利用を前
提として、それぞれのエネルギー量を推計しました。
86
【推計結果】
木質資源
合計
賦存量
林地残材
賦存量
16,670
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
8,502
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
製材所廃材
賦存量
892
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
果樹剪定
賦存量
221
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
公園剪定
賦存量
154
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
建築解体
廃材
賦存量
新・増築
廃材
賦存量
5,050
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
1,851
(発電利用)
GJ 利用可能量
(熱利用)
173
5,296
17
510
2
61
5
144
3
93
107
3,285
39
1,204
MWh
GJ
MWh
GJ
MWh
GJ
MWh
GJ
MWh
GJ
MWh
GJ
MWh
GJ
【推計方法】
賦存量
利用可能量
=各資源賦存量×発熱量
〔項目〕
〔数値・単位〕
〔出典・備考〕
資源賦存量:林地残材
544.99t/年
:製材所廃材
57.16t/年
:果樹剪定
27.82t/年
:公園剪定
19.34t/年
:建築解体廃材
635.22t/年
:新・増築廃材
232.85t/年 NEDO バイオマス賦存量・利用可能量の推計
発熱量(低発熱量)
:林地残材、製材所廃材、
15.6GJ/t
建築解体廃材、新増築廃
材
:果樹剪定、公園剪定
7.95GJ/t
(発電利用)=各資源利用可能量×発熱量×発電効率×単位換算
(熱利用)=各資源利用可能量×発熱量×ボイラー効率
〔項目〕
〔数値・単位〕
〔出典・備考〕
資源利用量:林地残材
38.43t/年
:製材所廃材
4.59t/年
:果樹剪定
21.25t/年
:公園剪定
13.79t/年
NEDO バイオマス賦存量・利用可能量の推計
:建築解体廃材
247.74t/年
:新・増築廃材
90.81t/年
発電効率
0.1
ボイラー効率
0.85
87
d)食品残さ
【賦存量・利用可能量の考え方】
町内で1年間に発生する食品残さをメタン発酵により発電・熱利用すると仮定した場
合のエネルギー量。
*食品残さは、家庭等から排出される生ゴミ、食品の製造や調理過程で生じる動植物性残さ、
食品の流通過程や消費段階で生じる売れ残りや食べ残し等に分類されます。
①家庭等から排出される生ごみ
①家庭等から排出される生ごみ
賦存量
食品残さ
食品残さ
①+②+③
①+②+③
②食品製造・加工業から排出される動植物性残さ
②食品製造・加工業から排出される動植物性残さ
③食品小売業、食品卸業、外食産業における食品由来の残さ
③食品小売業、食品卸業、外食産業における食品由来の残さ
利用可能量
賦存量をもとに、利用可能率、発電・ボイラー効率等を考慮した場合のエネルギー量
【推計結果】
3,545
賦存量
GJ 利用可能量
(発電利用)
(熱利用)
87
1,122
MWh
GJ
【推計方法】
賦存量
=食品残さ発生量×全固形物割合×有機物割合×バイオガス発生率×メタン含有率×発生量
〔項目〕
食品残さ発生量
〔数値・単位〕
〔出典・備考〕
1,666t
①+②+③
平成 19 年度御嵩町一般廃棄物処理実施計画
①生活系ごみ(ちゅう芥類)
612t
(案)の生活系ごみ(可燃ごみ)排出量に、
組成調査のちゅう芥類の割合を掛けた値
②食品製造・加工残さ
③食品小売・卸売・
全固形物割合
15.0%
有機物割合
75.0%
メタン含有率
全国の食品小売・卸売・外食産業での残さ発
生量を国と町との関連事業所数で按分
880Nm3/t
NEDO バイオマス賦存量・利用可能量の推計
57.8%
0.03718GJ/Nm3
発熱量
利用可能量
の製造品出荷額等の県と町との比率で按分
757t
外食産業残さ
バイオガス発生率
岐阜県の動植物性残さ発生量を食料品製造業
298t
(発電利用)=賦存量×利用可能率×発電効率×単位換算
(熱利用)=賦存量×利用可能率×ボイラー効率
〔項目〕
利用可能率①生活系
〔数値・単位〕
0.0%
〔出典・備考〕
広域処理であり現時点での利用可能性は低い
リサイクルデータブック 2009(クリーンジャパ
②食品製造・加工残さ
41.0%
ンセンター)の食品残さの再生利用率を除いた
割合
③食品小売・卸売・
外食産業残さ
61.3%
発電効率
0.25
ボイラー効率
0.9
88
平成 19 年食品資源循環の再生利用等実態調査
より再生利用率を除いた割合
NEDO バイオマス賦存量・利用可能量の推計
e)廃食用油
【賦存量・利用可能量の考え方】
賦存量
利用可能量
-(賦存量という概念があてはまらないため、推計はしません)
家庭から回収される廃食用油全量を BDF に精製した場合のエネルギー量
*BDF(Bio Diesel Fuel:バイオディーゼル燃料)とは、廃食用油等から作られる軽油代替燃料
のことをさします。
【推計結果】
利用可能量
(軽油代替燃料として利用)
5.3
kl
*軽油に混合しない BDF100%で利用すると想定した場合の数値。
【推計方法】
利用可能量
=年間廃食用油回収量(家庭から)×BDF 精製換算値
〔項目〕
〔数値・単位〕
年間廃食用油回収量
5t
BDF 精製換算値
0.9
〔出典〕
平成 19 年度御嵩町一般廃棄物処理基本計画
BDF 精製メーカー
⑤中小水力
中小水力は、一定の落差と流量が確保できれば発電が可能であり、本町では河川、農業
用水路等への導入が考えられますが、賦存量・利用可能量の推計には、年平均流量や平水
流量(年間を通し、185 日間はこれを下回らない流量)等のデータを収集するために詳細
な調査が必要となることから、本調査では賦存量・利用可能量の推計は控えます。
89
7.2 実証調査
(1)調査概要
名鉄御嵩駅前ロータリーにある御嶽宿さんさん広場に導入されている 10kW の太陽光発
電システムを利用して、日射量等データを収集するための実証調査を平成 22 年(2010 年)
8∼11 月の4ヶ月、実施しました。
計測機器として、日射量計測器、気温計測器、太陽光発電システムの電力量計測器を設
置し、データ収集を行いました(図7.2-1)。
日射量
計測器
気温
計測器
図7.2-1 計測機器
90
太陽光発電
システムの
電力量計測器
(2)結果概要
①日別発電量・日射量
発電量と日射量の関係をみると、ほぼ相関関係にあると考えられます(図7.2-2)。
また、発電量・日射量ともに、この4ヶ月間では0という日はなかったものの、日別変
動は大きくなっています。発電量の場合、高い日には1日で 50∼60kWh の発電がされてい
ますが、低い日には2∼3kWh の発電にとどまっています。
御嶽宿さんさん広場は、南面での遮蔽物がなく、山陰の影響等もない、太陽光発電の設
置においては比較的条件が良い場所と考えられますが、こうした好条件の場所であっても、
太陽光発電の不安定性という課題は残ります。
こうした課題に対応していくためには、今後、蓄電システムを設置することで平準化を
することや、近隣地域でネットワーク化を図りエネルギー需給の制御を行うこと等が重要
です。
(kWh)
60.0
発電量(kWh)
日射量(kWh/㎡)
(kWh/m2 )
7.00
6.00
50.0
5.00
40.0
4.00
30.0
3.00
20.0
2.00
10.0
1.00
0.0
0.00
9/30
9/29
9/28
9/27
9/26
9/25
9/24
9/23
9/22
9/21
9/20
9/19
9/18
9/17
9/16
9/15
9/14
9/13
9/12
9/11
9/10
9/9
9/8
9/7
9/6
9/5
9/4
9/3
9/2
9/1
8/31
8/30
8/29
8/28
8/27
8/26
8/25
8/24
8/23
8/22
8/21
8/20
8/19
8/18
8/17
8/16
8/15
8/14
8/13
8/12
8/11
8/10
8/9
8/8
8/7
8/6
8/5
8/4
8/3
8/2
8/1
図7.2-2 日別発電量・日射量①(8月・9月)
(kWh)
60.0
発電量(kWh)
日射量(kWh/㎡)
(kWh/m2 )
7.00
6.00
50.0
5.00
40.0
4.00
30.0
3.00
20.0
2.00
10.0
1.00
0.0
0.00
11/30
11/29
11/28
11/27
11/26
11/25
11/24
11/23
11/22
11/21
11/20
11/19
11/18
11/17
11/16
11/15
11/14
11/13
11/12
11/11
11/10
11/9
11/8
11/7
11/6
11/5
11/4
11/3
11/2
11/1
10/31
10/30
10/29
10/28
10/27
10/26
10/25
10/24
10/23
10/22
10/21
10/20
10/19
10/18
10/17
10/16
10/15
10/14
10/13
10/12
10/11
10/10
10/9
10/8
10/7
10/6
10/5
10/4
10/3
10/2
10/1
図7.2-2 日別発電量・日射量②(10 月・11 月)
91
②時間帯別発電量
時間帯別では、6∼7時台から発電が始まり、10∼14 時台でピークにさしかかり、17 時
前後まで発電が継続しています。また、8月、9月、10 月、11 月と徐々に夕刻の発電終了
時間が早まっています(図7.2-3)
。
(kWh)
6.0
8月
9月
10月
11月
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
2 3時 台
2 2時 台
2 1時 台
2 0時 台
1 9時 台
1 8時 台
1 7時 台
1 6時 台
1 5時 台
1 4時 台
1 3時 台
1 2時 台
1 1時 台
1 0時 台
9時 台
8時 台
7時 台
5時 台
6時 台
4時 台
3時 台
2時 台
0時 台
1時 台
0.0
図7.2-3 時間帯別発電量
③発電量・消費電力量・買電電力量・売電電力量
一日平均の発電量・消費電力量・買電電力量・売電電力量をまとめたものが、図7.24です。御嶽宿さんさん広場では、消費電力の中心が夜間照明であることから、昼間、太
陽光発電で発電した電力の大半を電力会社へ売電しています。
このように、一日の中で電力を消費する時間帯(昼間か、夜間か)により電力会社への
売電電力量が大きく変化することから、例えば、家庭で太陽光発電を導入する場合、昼間
を中心にエネルギーを消費する家庭と、夜間を中心にエネルギーを消費する家庭では、後
者の方がより売電電力量が大きくなることが考えられます。
(kWh)
50.0
45.0
電力会社からの
買電電力量 5.4
消費した電力量
8.0
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
太陽光発電に
よる発電電力量
41.8
電力会社への
売電電力量
3 9 .3
15.0
10.0
5.0
0.0
電気を創る側
電気を使う側
図7.2-4 発電量・消費電力量・買電量・売電量(一日平均)
92
7.3 専門調査(岐阜大学小林教授研究室実施調査の結果概要)
(1)太陽光発電量マップ作製の概要
御嵩町は太陽光発電システムの導入に積極的で、全国 19 位の導入率である岐阜県でも県
内で平均以上の導入率となっています。町民の環境へのより高い関心や地球温暖化防止を
目指した政府・自治体の後押しにより、今後もさらに太陽光発電システムの普及が進むと
思われます。
しかし、本町は町の東部や北部に丘陵があり、起伏のある地形となっています。一般に
山間部は山陰などの影響で日射量が少なく、太陽光発電には不適と言われています。この
ため、本町は場所によっては太陽光発電に適していない可能性があります。
そこで、町内のいろいろな場所に太陽光発電システムを設置した場合に、将来期待でき
る発電量を地図の形でまとめた「太陽光発電量マップ」を作成しました。
この太陽光発電量マップの作成手順は図7.3-1の通りです。
まず、地形を知るために東西、南北方向に 50m 間隔の標高データを使いました。ここか
ら町内様々な地点から見える地平線の高さを求め、天空率(5)や可照時間(6)を求めました。
次に、岐阜大学局地気象予報システムで計算された平成 18 年(2006 年)の天気や雲の
様子も使いました。この局地気象データと1時間ごとの太陽の位置から、1時間ごとの太
陽光発電パネルに入る日射量を計算しました。そして、平成 18 年(2006 年)の1年間を
通した太陽光発電システムでの発電量を計算しました。計算された発電量は地図の形式で
「期待発電量マップ」として表示しました。
図7.3-1 太陽光発電量マップ作製の流れ
(5)
(6)
天空率とは、それぞれの地点での空の見える割合です。山がない大平原で見る空を 100%、まわりに急峻な山
ばかりでまったく空が見えない場合を0%とした、空の占める割合です。
可照時間とは、日の出から日の入りまでの時間。いわば昼間の長さの時間です。山陰があると短くなります。
93
(2)太陽光発電量マップ
太陽光発電システムでの発電量を計算するもととなる地形図(標高マップ)は図7.32の通りです。このように上之郷や町北部では起伏の大きい地形になっています。特に、
上之郷北部の町境には木曽川があり、非常に切り込んだ地形になっています。一方、伏見
には平地が広がっていることが、改めてわかります。
図7.3-2 御嵩町の標高マップ
次に、町中に太陽光パネルを設置した場合に将来期待できる発電量の地図(期待発電量
マップ)は図7.3-3と図7.3-4です。ここでは定格1kW の太陽光発電パネルを設置
した場合としています。実際に設置する太陽光パネルの定格を掛け合わせれば、その場合
の発電量が計算できます。
図7.3-3は、太陽光パネルを真南に向けて、35 度の傾斜角度で設置した場合の太陽
光発電量マップです。この傾斜角度は本町での理想的なパネル設置角度です。
また、図7.3-4は 20 度の傾斜角度で設置した場合の発電量マップです。一般家庭の
屋根の勾配が約 20 度ですので、それに合わせた発電量マップです。
図7.3-3や図7.3-4を見ると、本町の中央付近では、南斜面で特に発電量が多く
なっています。逆に、上之郷北部の木曽川付近では期待できる発電量は特に少なくなって
います。一般に起伏のある上之郷に比べて、平地が多い伏見での発電量が多くなっていま
すが、太陽光発電パネルを最適傾斜角度の 35 度で設置すれば、図7.3-3のようにその
差は小さくなります。
年間を通して7月は梅雨で天気が悪いために発電量が少なくなりますが、夏は発電量が
多く、冬は発電量が少なくなります。この差はパネルの設置傾斜角度が低い場合により顕
著になります。また、本町では冬に比べて夏の天候が良いため、理論的な最適設置角度の
35 度より、30 度の方が年間発電量は多くなりました。設置角度 20 度での年間発電量は、
94
設置角度 30 度の時に比べて、平均で約3%少なくなります。
本町全体の太陽光発電エネルギーの賦存量は 83 ページの通り、概算で 216,922 GJ です
が、
このマップから計算した具体的な値は 436,529 GJ とほぼ倍の値になっています。
また、
伏見など町西部の平地では、図7.3-3より、年間およそ 1,600kWh の太陽光発電が期待
できることがわかります。この数字から、天気の変化や昼夜を考えた太陽光発電の発電効
率は 18.3%、太陽光発電システム内部の損失が 15%あるとしても、この効率は 15.5%に
なります。日本では一般にこの発電効率は 14%といわれているので、本町では日射量が多
く、日本の平均より1割程度も多く発電することが期待できます。
この期待発電量マップ(7)では、御嵩町全体が太陽光発電に適しているか否かだけではな
く、町内での太陽光発電適地・不適地を把握することができます。また、将来にわたって
の総発電量も推定することができ、太陽光発電システム導入の促進にもつなげることがで
きます。
*太陽光パネル設置傾斜角 35 度、方位真南、パネル定格出力1kW。
図7.3-3 年間期待発電量(太陽光パネル傾斜角 35 度)
(7)
実際の太陽光発電システムではシステム全体での損失もあるため、ここで求めた発電量より実際の発電量は 10
∼15%程度少なくなるといわれています。
95
*太陽光パネル設置傾斜角 20 度、方位真南、パネル定格出力1kW
図7.3-4 年間期待発電量(太陽光パネル傾斜角 20 度)
96
8.基本方針・アクションプラン
8.1 基礎調査のまとめ
本町においてクリーンエネルギーの利活用を進めていくための計画立案に向けた基礎調
査として、町民・事業者アンケート調査や賦存量・利用可能量調査等を実施しました。
各調査結果等から、
「太陽エネルギー」が、本町で特に重点的に普及促進していくクリー
ンエネルギーであると考えられます。
(1)住民意識調査まとめ
既に利用しているクリーンエネルギーは、「太陽熱温水器」(10.9%)が最も高く、次い
で「太陽光発電」
(5.2%)となっています。
また、利用を検討中及び条件によっては利用したいクリーンエネルギーとしては、
「太陽
光発電」が最も高くなっています(図8.1-1)
。
さらに、御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギーとしては、
「太陽の
光」
(78.2%)が最も高く、次いで「太陽の熱」
(62.5%)となっています(図8.1-2)
。
既に利用している(N=466)
5.2
太陽光発電
太陽熱温水器
10.9
1.9
ソーラーシステム
木質ペレットストーブ
0.4
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
(%)
利用を検討中 条件によっては利用したい(N=466)
太陽光発電 2.6
太陽熱温水器
0.6
ソーラーシステム
0.6
木質ペレットストーブ
0.4
0.0
49.4
28.1
36.9
18.2
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
(%)
図8.1-1
クリーンエネルギーの利用状況
全体(N=312)
78.2
太陽の光を活用したエネルギー
62.5
太陽の熱を活用したエネルギー
木質系の未利用資源を活用したエネルギー
34.3
廃食用油を活用したエネルギー(BDF)
34.0
25.6
風の力を活用したエネルギー
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
図8.1-2
御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギー(上位5位)
97
(2)事業者意識調査まとめ
既に利用しているクリーンエネルギーは、
「太陽光発電」
「太陽熱温水器」
(ともに 3.8%)
となっています。
また、利用を検討中及び条件によっては利用したいクリーンエネルギーとしては、
「太陽
光発電」が最も高くなっています(図8.1-3)
。
さらに、御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギーとしては、
「太陽の
光」
(76.2%)が最も高く、次いで「太陽の熱」
(52.4%)となっています(図8.1-4)
。
既に利用している(N=26)
太陽光発電
3.8
太陽熱温水器
3.8
ソーラーシステム
0.0
風力発電
0.0
バイオマス
0.0
温度差熱利用
0.0
中小水力発電
0.0
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0
80.0
(%)
利用を検討中 条件によっては利用したい(N=26)
太陽光発電 3.8
69.2
太陽熱温水器 3.8
38.5
ソーラーシステム 3.8
38.5
風力発電 0.0
23.1
バイオマス 0.0
30.8
温度差熱利用 0.0
34.6
中小水力発電 0.0
0.0
30.8
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0
80.0
(%)
図8.1-3
クリーンエネルギーの利用状況
全体(N=21)
76.2
太陽の光を活用したエネルギー
52.4
太陽の熱を活用したエネルギー
33.3
木質系の未利用資源を活用したエネルギー
28.6
風の力を活用したエネルギー
23.8
農業残さを活用したエネルギー
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
図8.1-4
御嵩町が利用していくことがふさわしいクリーンエネルギー(上位5位)
98
(3)賦存量・利用可能量調査まとめ
①簡易調査
本町でのクリーンエネルギーの賦存量・利用可能量の推計結果から、
「太陽エネルギー(太
陽光発電・太陽熱利用)
」が最も利用可能性が高いと考えられます(図8.1-5)
。
発電利用(MWh)
熱利用(GJ)
太陽光発電
建築解体廃材
太陽熱利用
107
22,349
3,285
建築解体廃材
食品残さ
87
新・増築廃材
1,204
新・増築廃材
39
食品残さ
1,122
林地残材
17
林地残材
510
農業廃棄物
6
農業廃棄物
171
果樹剪定
5
果樹剪定
144
公園剪定
3
公園剪定
93
製材所廃材
2
製材所廃材
61
33,220
*本町では、風況が良くないため、風力発電の利用可能性は非常に低いと考えられます。
図8.1-5
クリーンエネルギー利用可能量:【左】発電利用・【右】熱利用(再掲)
②実証調査(御嶽宿さんさん広場)
太陽光発電の設置において好条件の場所であっても、太陽光発電の不安定性という課題
は残ることから、今後、蓄電システムを設置することで平準化をすることや、近隣地域で
ネットワーク化を図りエネルギー需給の制御を行うこと等が重要です。
また、家庭で太陽光発電を導入する場合、エネルギーの消費動向(どのようなエネルギ
ーを、いつ使うことが多いのか等)により、売電電力量が異なります。
③専門調査(岐阜大学小林教授研究室実施調査)
本町の中央付近では、南斜面で特に発電量が多くなっています。逆に、上之郷北部の木
曽川付近では期待できる発電量は特に尐なくなっています。
一般に起伏のある上之郷に比べて、平地が多い伏見での発電量が多くなっていますが、
太陽光発電パネルを最適傾斜角度の 35 度で設置すれば、その差は小さくなります。
伏見など町西部の平地では、年間およそ 1,600kWh の太陽光発電が期待でき、天気の変化
や昼夜を考えた太陽光発電の発電効率は 18.3%、太陽光発電システム内部の損失が 15%あ
るとしても、この効率は 15.5%になります。日本では一般にこの発電効率は 14%といわれ
ているので、本町では日射量が多く、日本の平均より1割程度も多く発電することが期待
できます。
御嵩町では冬に比べて夏の天候が良いため、理論的な最適設置角度の 35 度より、30 度
の方が年間発電量は多くなりました。設置角度 20 度での年間発電量は、設置角度 30 度の
時に比べて、平均で約3%尐なくなります。
99
(4)岐阜県の太陽エネルギー期待可採量
本町の太陽エネルギー期待可採量は県内の他市町村と比較しても上位に位置しており、
太陽エネルギーは有力なクリーンエネルギーであると考えられます(図8.1-6)
。
岐阜県内の市町村別(太陽エネルギー)期待可採量(GJ)
太陽光発電
太陽熱利用
4, 500, 000
4, 000, 000
3, 500, 000
3, 000, 000
2, 500, 000
2, 000, 000
1, 500, 000
1, 000, 000
500, 000
0
岐 大 高 多 関 中 美 瑞 羽 恵 美 土 各 可 山 瑞 飛 本 郡 下 海 羽 羽 養 不
阜 垣 山 治 市 津 濃 浪 島 那 濃 岐 務 児 県 穂 騨 巣 上 呂 津 島 島 老 破
市 市 市 見
川 市 市 市 市 加 市 原 市 市 市 市 市 市 市 市 郡 郡 郡 郡
市
市
茂
市
岐 笠 養 垂
市
南 松 老 井
町 町 町 町
不
破
郡
関
ヶ
原
町
安
八
郡
神
戸
町
安
八
郡
輪
之
内
町
安
八
郡
安
八
町
揖
斐
郡
揖
斐
川
町
揖
斐
郡
大
野
町
揖
斐
郡
池
田
町
本
巣
郡
北
方
町
加
茂
郡
坂
祝
町
加
茂
郡
富
加
町
加
茂
郡
川
辺
町
加
茂
郡
七
宗
町
加
茂
郡
八
百
津
町
加
茂
郡
白
川
町
加
茂
郡
東
白
川
村
可
児
郡
御
嵩
町
大
野
郡
白
川
村
*県の期待可採量推計と、本調査で実施した賦存量・利用可能量推計では、推計方法が異なるため、両調査の値
の整合は取れません。県の値は、岐阜大学局地気象予報システムにより算出された全太陽光エネルギー量です。
図8.1-6
岐阜県内の市町村別太陽エネルギー期待可採量
(出典:岐阜県資料)
100
8.2 基本方針
(1)将来的なまちづくりの全体像
エネルギー需給については、現状では、殆どのユーザーが一方的に供給されるエネルギ
ーを消費するだけという状況ですが、将来的には、例えば、家庭では太陽エネルギー等に
より自らが創り出した電力や熱を自己消費することで、各家庭がエネルギーの地産地消を
実践できる状況に変化することが考えられます。
また、自立的なエネルギー利用形態に変化するだけでなく、省エネルギーを推進したり、
余剰電力や熱を地域内で融通したりする等により、地域全体で効率的にエネルギーを利用
する取組みが広く浸透することが考えられます。
こうした取組みは、家庭にとどまらず、事業所、行政、運輸部門等にも展開され、また、
それぞれが連携していくことで、スマートコミュニティ(8)のような概念を取り入れたまち
づくりへと進展していくことが考えられます(図8.2-1)。
送電系統
地域での
排熱利用等
送電系統広域監視制御
観光施設
観光施設でのクリーンエネルギー導入、
ソフト施策による観光振興・活性化
配電系統(需要地)
製造業・
業務事業所等
EV
EV
・PHVバス
・PHVバス
れ
エネルギーマネジメントシステム
公共施設等
情報の流れ
EV Charging Station
(区域内での
電力・熱の融通)
産業・業務部門での
低炭素化
電力の流
充電インフラ
電力供給
融通
運輸部門での低炭素化
(地域内での最適化)
スマートハウス
住宅地
(PV/太陽熱/燃料電池(エネファーム等)/ (PV/太陽熱/燃料電池(エネファーム等)/
EV/高効率機器/HEMS/蓄電システム等)
スマートメーター/EV等)
家庭部門での低炭素化
家庭部門での低炭素化
*PV:Photo Voltaicの略称で、太陽電池(太陽光発電)をさします。
*EV:Electric Vehicleの略称で、電気自動車をさします。
*HEMS:Home Energy Management Systemの略称で、家庭でのエネルギー管理システムをさします。
*スマートメーター:情報通信機能付きの電力量計・ガス量計をさします。今後、スマートメーターを活用する
ことで、家庭での消費電力量・ガス量等をリアルタイムで「見える化」し省エネ活動に結
び付けるとともに、それらの情報をもとに、無線通信でつなげた家電機器(照明、エアコ
ン、テレビ、給湯システム等)のON・OFFやエアコンの温度設定を調整することで電力負荷
を調整する役割を果たすこと等が期待されています。
図8.2-1
(8)
将来的なまちづくりの全体像(スマートコミュニティ)
スマートコミュニティとは、
「再生可能エネルギーの大量導入や需要制御の観点で次世代のエネルギーインフラ
として関心が高まっているスマートグリッド(従来からの集中型電源と送電系統との一体運用に加え、情報通
信技術の活用により、太陽光発電等の分散型電源や需要家の情報を統合・活用して、高効率、高品質、高信頼
度の電力供給システムの実現を目指すもの)及びサービスまでを含めた社会システム」と示されています(出
典:スマートコミュニティ・アライアンス(JSCA)ホームページ)。
101
①家庭の将来像
家庭での将来像としては、太陽エネルギー(9)や燃料電池(エネファーム等)
、電気自動車、
蓄電システムの利用に加え、高気密・高断熱住宅や地中熱利用、LED照明等の省エネルギー
機器、家庭内でのエネルギー管理システム(HEMS)
、DC家電(10)、日本古来の自然配慮型の伝
統技法(漆喰等)等を利用したスマートハウス化に進むことが考えられ、こうした方向性
に向け、各家庭でできることから始めていくことが重要です(図8.2-2)。
図8.2-2
家庭の将来像
(9)
太陽エネルギーの利用には、電気に換えて使う太陽光発電と熱のまま使う太陽熱利用がありますが、創り出し
たエネルギーの利用形態(例.照明に使う、お湯を作る等)や各家庭のエネルギーの利用状況により、どちら
を選んだ方がより効率的かは異なります。こうした点を踏まえながら、各家庭の状況に応じて、電力や熱を今
まで以上に効率的に利用することが期待されます。
(10)
DC 家電とは、直流の電気で動く家電製品です。太陽光発電で発電された電力は直流ですが、現在はインバータ
ー(パワーコンディショナー)により交流に変換されて利用されています。将来的には DC 家電が普及するこ
とにより、直流の電気のまま利用することで、より効率的にエネルギーを利用できる可能性が高まります。
102
②事業所の将来像
事業所での将来像としては、太陽エネルギーや蓄電池の利用、コージェネレーション、
ビルエネルギー管理システム(BEMS)の普及、排熱利用等が期待されます(図8.2-3)
。
また、複数の事業所が集積している工業団地等では、地域の中で電力や熱を効率的に利
用するための取組みが浸透していくことが期待されます。
図8.2-3
事業所の将来像
103
③行政での取組み
行政では、クリーンエネルギーを先導的に導入している御嶽宿さんさん広場を、クリー
ンエネルギーの普及促進の中心的な施設として位置づけ、次世代のまちづくりを体感でき
る情報発信拠点として、イベント開催(例.子ども向けのソーラーカーレース等)や急速
充電器の導入、災害時の非常用電源として活用する等、太陽光発電を多面的に利用するこ
とにより、クリーンエネルギーのPRを図ります(図8.2-4)。
図8.2-4
行政での取組み
104
④運輸部門での取組み
運輸部門での将来像としては、従来の公共交通機関のさらなる利用促進とともに、電気
バス等の利用、自家用車や公用車等のEV化(電気自動車やプラグインハイブリッド車の利
用)による低炭素型の交通網の構築に向けた取組みを進めます(図8.2-5)。
EV Charging Station
EV Charging Station
電力
供給
自家用車
電力
供給
公用車
公共施設
(役場、学校等)
商業施設
EV Charging Station
工業団地
電力
供給
社用車
住宅地
EV・PHVバス
EV・PHVバス
交通結節点
電力供給
EV Charging Station
御嶽宿さんさん広場
御嵩駅
など
EVタクシー
*交通結節点とは、異なる交通手段(場合によっては同じ交通手段)を相互に連絡する乗り換え
・乗り継ぎ施設です。交通結節点は、移動の一連の動きの中のひとつの重要な要素であり、
「つなぐ空間」と「たまる空間」としての役割を有しています。具体的には、鉄道駅、バス
ターミナル、自由通路や階段、駅前広場やバス交通広場、歩道などが挙げられます。
(出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp))
図8.2-5
運輸部門での取組み
105
(2)計画期間・位置付け
本ビジョンの計画期間は、計画策定(平成23年(2011年)3月)後10年を想定しています。
また、本期間の前半は、主に、町民・事業者への意識啓発を中心とし町域全体での急速
な普及促進に向けた土台づくりの期間と位置づけ、後半は、主に、実際の導入の輪を着実
に広げていくための期間と位置付けながら、(1)で掲げる将来的なまちづくりの全体像へ
より近づけていきます(図8.2-6)。
なお、前半は意識啓発を中心としながらも、導入促進に向けた経済的なインセンティブ
の制度や仕組みの構築等についても、前半でできることは積極的に推進していくこととし
ます。
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
平成27年
平成28年
平成29年
平成30年
平成31年
平成32年
(2011年) (2012年) (2013年) (2014年) (2015年) (2016年) (2017年) (2018年) (2019年) (2020年)
【後半は主に】
クリーンエネルギーを無理なく活用した
低炭素型のまちづくりを実現
【前半は主に】
クリーンエネルギーの導入促進に向けた
情報提供と仕組みの構築
図8.2-6
本ビジョンの計画期間と位置づけ
106
8.3 アクションプラン
基礎調査結果、将来的なまちづくりの全体像、計画期間・位置づけ、基本方針を踏まえ
て、本町でクリーンエネルギーを普及促進するためのアクションプランを以下に示します。
(1)“みたけ”型クリーンエネルギー導入サポートプラン
本町でクリーンエネルギーを普及させていくための導入推進サポートプランとして、以
下の3つの段階での施策を展開します(図8.3-1)。
Plan1:より認知・理解してもらうためのプラン(最重点)
→PV マップの提供、イベント・セミナー開催、パンフレット作成・提供 等
Plan2:導入に興味を持っている方を対象にしたプラン
→みたけ ECO 診断士の育成・診断の実施、PV モニターとの意見交換会開催
Plan3:導入しようとしている方を対象にしたプラン
→固定資産税の軽減、補助制度の創設、初期投資0円事業の説明会開催
図8.3-1
本プランの展開イメージ
107
等
等
(2)クリーンエネルギーを活用した交流促進プラン
名鉄広見線・御嵩駅前の御嶽宿さんさん広場では、太陽光発電(10kW)が導入されてお
り、美濃焼セラミック足癒施設を併設し、周辺住民や観光客の交流拠点として活用されて
います。
本プランは、この既存施設をさらに多面的に活用することにより、クリーンエネルギー
の意義や重要性等の理解を広めながら、交流拠点としてさらなる活気を創り出すことを目
指します。また、さんさん広場での取組みをきっかけとして、町域全体への展開を図り、
クリーンエネルギー等の普及を目指します(図8.3-2)
。
【リーディング・プラン】
さんさん広場の太陽光発電を活用した展開プラン
③非常用としての活用
①イベントの開催
○地場産品利用のイベント
○EV/PHVの試乗
○ソーラーカー工作教室
○災害対応の蓄電システム設置
・照明、テレビ、ラジオの電源
・緊急医療テントを設置した際
の医療機器の電源
等
等
②急速充電器の導入
④電動サイクルのレンタル
○EV需要の掘り起こし・PR
○県外・県内のEV利用者の
結節点の1つとして機能
○ふれあいバスのEV・PHV化 等
○観光案内所において、電動
サイクルのレンタル事業を
展開。町民や観光客が気軽
に回遊できる環境を整備
町域全体へ波及・展開
ふれあいバスへの
ふれあいバスへの
クリーンエネルギー
クリーンエネルギー
自動車導入
自動車導入
EV・PHVバス
EV・PHVバス
電気自動車・
プラグインハイブリッド車
利用者の流入
体験ツアーの実施
電動サイクルの
電動サイクルの
レンタルサービス
レンタルサービス
エコツアー・
エコツアー・
ウォーキング
ウォーキング
御嶽宿さんさん広場
公用車の
公用車の
EV化
EV化
電動サイクル、EV/PHV用
電動サイクル、EV/PHV用
急速充電器の導入
急速充電器の導入
(太陽光発電等)
(太陽光発電等)
御嶽宿わいわい館
太陽光発電3kW・
高気密高断熱構造
交通要衝地点へ充電器を設置
広域連携により交流・利用促進
電気自動車・
プラグインハイブリッド車
利用者の流入
図8.3-2
本プランの展開イメージ
108
低炭素型エコ住宅
低炭素型エコ住宅
のセミナー開催
のセミナー開催
(3)町民・事業者参加型で創り・活かすクリーンエネルギー導入プラン
本プランは、住民共同発電事業や、既存の制度や仕組みを組み合わせた事業により、町
民・事業者参加型のクリーンエネルギー導入スキームを新たに構築するものです。
具体的には、例えば、以下のような2事業が考えられます(図8.3-3)
。
①町民・事業者からの出資による住民共同発電事業
②町民・事業者等からの寄付にもとづく「ふるさと納税」制度を財源として、公民館・
自治会集会所の建て替え時の補助制度とも連携させた事業
なお、公民館・自治会集会所は、災害時の地域防災対策拠点として活用されることが見
込まれることから、災害時の防災対策としてより効果的に機能させるために、太陽光発電
に加え、蓄電機能等を併設することで、災害時の安全・安心な緊急電源供給場所とするこ
とが考えられます。
例1.
例1.町民・事業者からの出資型で地域振興券を活用した共同発電事業
町民・事業者からの出資型で地域振興券を活用した共同発電事業
みたけ
住民共同発電所
出資組合
分配
施設
設置
みたけ
住民共同発電所
地域振興券
売電
収益
出資
出資者
(町民・事業者)
地域振興券
発行
地域振興券
買い物
御嵩町商工会が
発行
換金
地元商店、
農産物販売所等
*自宅に太陽光発電が導入できなくても、比較的容易に地球温暖化対策に貢献できます。
例2.
例2.「ふるさと納税」を財源にした町民・事業者参加型の導入事業
「ふるさと納税」を財源にした町民・事業者参加型の導入事業
町民・事業者
寄付
建て替え時の
補助制度
「ふるさと納税」制度
公民館・自治会集会所の
公民館・自治会集会所の
建て替え時に
建て替え時に
太陽光発電等を導入
太陽光発電等を導入
小中学校等へ
小中学校等へ
クリーンエネルギーを導入
クリーンエネルギーを導入
【用途】
【用途】
○自己消費
○自己消費
○表示パネルの設置・PR
○表示パネルの設置・PR
○環境学習会の開催
○環境学習会の開催 等
等
【用途】
【用途】
○自己消費
○自己消費
○表示パネルの設置・PR
○表示パネルの設置・PR
○災害時の防災拠点化
○災害時の防災拠点化
*蓄電機能との併用も検討
*蓄電機能との併用も検討
図8.3-3
本プランの事業(例)
109
(4)次世代の低炭素型のまちづくりプラン
本町は、低炭素都市推進協議会の幹事都市であり、町民、事業者、行政等が参加する御
嵩町低炭素地域づくり協議会を発足させ、「低炭素地域づくり面的対策推進事業」を実施
する等、次世代につながる低炭素型のまちづくりを進めています。
本プランは、こうした動きと連動させながら、都市計画等のまちづくりの中でも低炭素
化への取組みを進めるとともに、日射条件の良いエリアでの大量一括太陽光発電の導入に
あわせたEV・PHV導入やスマートメーター設置、家庭でのエネルギー管理システムの活用等、
スマートコミュニティに関しての調査研究を進めていきます(図8.3-4)
。
また、スマートコミュニティに組み込むことが難しい山間部では、例えば、里山保全活
動と組み合わせたクリーンエネルギーの利用や、山間部の特性を活かしたエコハウスのあ
り方等について、調査研究を進めながら、導入促進を図ります(図8.3-5)
。
図8.3-4
スマートコミュニティのイメージ図
(出典:NEDO 資料)
図8.3-5
山間部での導入(例)
【左:ペレットストーブ・中:薪ストーブ・右:自然採光】
(出典:環境省エコハウスモデル事業ホームページ(http://www.env.go.jp/policy/ecohouse/index.html)
)
110
8.4 推進体制
今後、本ビジョンをより実効性の高いものとするためには、町民・事業者・行政の連携
をさらに強化しながらクリーンエネルギーの導入促進に向けた取組みを進めていく必要が
あります。また、そのための受け皿として、今後の活動において中心的な役割を果たす推
進組織を設立することが重要です。
そこで、次年度以降に、御嵩町クリーンエネルギー普及促進計画検討委員会の委員を中心
に構成する「みたけクリーンエネルギー推進協議会(仮称)
」の設置を目指します。
同協議会には、統括・管理担当として、町の担当部署が中心となり、町民・事業者それ
ぞれに WG(ワーキンググループ)を設置することで、各主体が自発的に活動できる体制を
構築することが考えられます。
また、同協議会の活動内容や環境・クリーンエネルギーに関する情報発信を行うための
拠点・仕組みもあわせて構築し、将来的には町民・事業者と情報共有・交換していく中で、
新たな活動・展開につなげていくことを目指します(図8.4-1)。
なお、機器導入やソフト施策の実施に向けた財源確保については、国や岐阜県等の支援・
助成制度を有効に活用します。
図8.4-1
推進体制と今後の展開イメージ
111
Fly UP