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平成26年9月19日 M M einan anagement R Vol.76 eview 名南コンサルティングネットワーク マネジメントコンサルティング事業部 真・自立型経営への転換 75 減税?増税? 4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比年率6.8% の減少と、東日本大震災以来の大きな落ち込みとなりまし た。その後、7~9月期での景気回復が期待されていますが、 台風、大雨などの異常気象が消費を冷やしています。まだ、 大筋では回復基調という判断に変化はありませんが、予断を 許さない状況と言えるでしょう。 そんな中、アベノミクスの三本目の矢、成長戦略の重要政 策である“法人税率の引き下げ”に関して、その財源(の一 部)を中小企業の優遇税制廃止により捻出しようという政府 の動きが、大きな波紋を呼んでいます。 政府の基本的な考え方は、黒字企業が負担する法人実効 税率(36%)を、ドイツ並みの29%程度にまで引き下げるとい うもの。その上で、課税ベースを広げる(要するにたくさんの 企業に薄く広く課税する)ことで、トータルの法人税収は維持 しようという考えです。実行税率を29%まで引き下げると、税 収は3兆円程度減ると予想されています。その不足分を、そ の他の優遇税制の廃止などによって捻出しようとするもの で、その中の一つとして、中小企業の優遇税制の廃止が槍 玉に上がっているわけです。 具体的には、法人事業税の外形標準課税の適用拡大、 800万円以下の所得に対する軽減税率(15%)の廃止、欠損 金の繰越控除の縮小、減価償却費の定率法適用廃止、同 族会社の留保金課税、特殊支配同族会社の役員報酬の損 金不算入制度の復活、等といった内容です。(2014年9月1 日時点) これにより、大きく儲けている企業の税負担は軽くなり、小さ く儲けている企業、ないし赤字の企業の税負担は重くなるこ とが予想されます。現在、実際に税金を払っている(黒字)企 業が三割程度でしょう。よって、ほんの一部の企業にとって は、税負担が軽くなり(減税)、より多くの企業に広く薄く税負 担を求めること(増税)になりそうです。大半が増税となるの に、法人減税というのも腑に落ちない話ですが、やはり大企 業目線なのでしょう。 これらが実行されれば、中小企業経営への負担が大きくな ることは必至であり、いまだ立ち直りのきっかけを掴めていな い企業にとっての負担は、無視できるものではないかもしれ ません。 企業は環境適応業 こうした環境の変化を、ただ一つの側面からだけで捉えて はいけません。アベノミクスの狙い通りの効果が得られるとす るならば、法人減税を好感した外資企業が日本の国内市場 に入ってくる可能性は高まります。そうなれば、そこには新た な市場、雇用が生まれる可能性も高まります。そして、それが 国内人口の減少に歯止めをかけるきっかけとなれば、再び経 済成長への期待感から更なる好循環が生まれることも十分考 えられるでしょう。経済が成長へと転換できれば、中小企業に とっての経営環境は成長への追い風となることでしょう。 このような環境の変化は、企業にとっては成長のチャンスに もなれば、衰退の原因にもなります。これをチャンスにするに はどうすればよいか。変化する環境に適応するほかありませ ん。環境が変化したなら、そこに適応していくことだけが、企 業の存続を約束してくれます。それこそ企業の本質であり、企 業であり続けるための条件なのです。 経営者の役割 経営者の役割とは何でしょうか。様々な意見があるでしょう が、ここでは敢えて、「組織の明るい将来を示し、社員に勇気 と希望を与えること」と定義しましょう。 たとえ悲観される環境や状況にあっても、一企業にはそこか ら抜け出すための方策を講ずる自由があります。組織によっ て生み出された柔軟で創造的な発想を、経営者の意思で実 行に移すことが出来るのです。そういう意思決定を行うことこ そ、経営者に求められる一つ目の役割なのです。企業の存 続と発展に責任を持ち、企業を取り巻く環境の変化を客観的 に見極め、将来の可能性を推察し、そこから自社にとって最 適なビジョンと戦略を、自らの意思で選択するのです。 経営者のもう一つの役割は、ともにビジョンを実現してくれる 社員に勇気と希望を与えることです。とりわけ悲観的な状況に ある時ほど、そこに立ち向かう勇気と、その先にある希望を示 すことができなければ、組織は十分に力を発揮することができ ません。それどころか、場合によっては社員が会社を去って いくことにさえなるかもしれません。自分と家族の人生をかけ る会社であるからこそ、そこで働くことに夢や希望を見出した いと考えるのは当然のことであり、それは経営者の重要な役 割であるのです。 そのためにも、経営者は自らが何を実現するために経営を しているのか、社会に何をもって貢献しようと考えるのか、そこ への明確な指針を持つことが求められています。 名南コンサルティングネットワーク 永井 晶也 Meinan Management Review Vol.76 Page 2 【MANAGEMENT FOCUS】 中小企業におけるインターンシップのすすめ 【インターンシップに参加してよかったと思う点】 ①仕事内容を具体的に知ることができた ②業種について具体的に知ることができた ③企業・職場の雰囲気を知ることができた ④事業内容を具体的に知ることができた ⑤自分のスキルを見極めることができた ⑥自分自身のキャリア観を明らかにできた ⑦他の就職活動中の学生との人脈を作れた ⑧社会人との人脈を作れた ⑨インターンシップに参加した企業から 内定取得できた 【インターンシップを選ぶ際に重視したこと】 ①業種 ②インターン内容 ③職種 ④会場(地域・場所) ⑤日程・期間 ⑥企業名 ⑦企業規模 ⑧採用選考に直結するかどうか ⑨報酬 (出典:就職白書2014 リクルートキャリア社) 【気になる統計指標⑪】 図1 食料自給率の推移 大学生の夏休み期間を利用してインターンシップ(就業体験)を実施している企業 も多いことでしょう。弊社でも数年前からインターンシップを導入し、今年も多くの学 生さんを受け入れています。 リクルートキャリア社がまとめた「就職白書2014」によると、インターンシップを実施 する企業の数も、インターンシップに参加する学生さんの数も、年々増加傾向にあ ることがわかります。 同白書によると、インターンシップに参加した企業に就職を決 めた割合が全体の16.2%、インターンシップに参加した業種に就職をした割合が 25.5%と、就職先を決定する際に、インターンシップの影響は大きくなっています。 弊社のインターンシップに参加した学生さんに意見を伺ったところ、インターンシッ プの魅力は、実際の業務を間近で見ることができる点と、社員から直接会社のことを 聞くことができる点を挙げていました(職場の雰囲気や待遇面など)。入社してから、 「こんなはずではなかった・・・」と希望と現実のギャップに悩み、退職するケースも少 なくありません。そういったミスマッチを解消する意味でも、インターンシップは非常 に効果的だといえます。 しかしながら、中小企業においては、インターンシップを実施する企業はまだまだ 少ない状況です。そのひとつには、学生さんは大企業や有名企業を中心としたイン ターンシップを希望する傾向が強いことと、インターンシップを受け入れる企業側 は、プログラムをつくり、実際に業務に同行させたり、教えたりと、社員の負担が大き いことも要因のひとつでしょう。しかしながら、学生さんが知らないだけで、魅力的な 中小企業はたくさんあります。そういった知られざる中小企業の魅力を、インターン シップによって体験する機会を増やすことができれば、大企業偏重の就職活動も変 化する可能性があります。実際、学生自体、インターンシップを選ぶ際に重視する 項目は、企業名よりもインターンの経験や内容が上位であり、中小企業ならではの インターン内容を提示すれば、集まる可能性は高いかも知れません。 (村野 文洋) 食料自給率について 出典 農林水産省 ※供給熱量ベース総合食料自給率 =国産供給熱量/国内総供給熱量×100(熱量ベース) <ただし、畜産物については、飼料自給率を考慮して算出> ※生産額べースの総合食料自給率 =食料の国内生産額/食料の国内消費仕向額×100(生産額ベース) <畜産物及び加工食品については、輸入飼料及び輸入食品原料の 額を国内生産額から控除して計算> ※飼料自給率については、TDN(可消化養分総量)に換算して算出 ・TDN(可消化養分総量)とは、エネルギー含量を示す単位であ り、飼料の実量とは異なる。 農林水産省が発表した平成25年度食料自給率(図1参照) によると、供給熱量ベースの総合食料自給率は平成22年以 降4年連続で39%となり、低い水準が続いています。また、食 料自給率のもう1つの指標である生産額ベースの総合食料自 給率は前年の67%から2%低下し過去最低の65%となりまし た。いずれの自給率も平成17年度以降はほぼ横ばいで改善 しておらず、わが国の食料の輸入依存度は低下していないと いう状況があらためてわかります。 供給熱量ベースの食料自給率の計算において、牛・豚・鶏 などの畜産物の国産供給熱量については、輸入飼料の餌で 育成した畜産物の国産供給熱量を含めずに計算するため、飼 料自給率が影響します。飼料自給率は、昭和50年度から60 年度にかけて大きく低下し、昭和60年度以降25~27%と低 水準のままです。 生産額ベースの総合食料自給率も、畜産物及び加工食品 の国内生産額は輸入飼料や輸入食品原料の額を差引いて計 算しますが、供給熱量ベースよりも高い数値になっています。 輸入飼料が低価格の割に供給熱量が大きいことが要因と考え られ、供給熱量ベースの自給率と生産額ベースの自給率の両 方で食料供給状況を判断する必要がありそうです。 農林水産省は発展途上国の人口増加による食料需要増加 や異常気象による農産物の減産等の理由から、食料自給率 向上を重要課題としており、平成32年度には供給熱量ベース の総合食料自給率を50%に、生産額ベースの総合食料自給 率を70%に引き上げる目標を立てています。 (奥田 康博) Meinan Management Review Vol.76 【コンサルタントお勧めの1冊】 「買いたい!」のスイッチを押す方法 (小阪 裕司著) それまで買いたいと思って い な か っ た「モ ノ」が、あ る きっかけで買いたくなる。そ の動機が起こるカギとは? 本書では、ワクワク系マー ケティン グを提唱する筆者 が、ビジネスの現場で検証し て き た「動 機 付 け」の 正 体 を、脳 科 学の 知見 を織 り交 ぜながら、分かりやすく解き明かしています。 「買うまでの2つのハードル」「感性情報×購買 行動モデル」などの考え方は、非常にシンプル ですが、「なるほど!」と思わず膝を打つような 気付きがあります。そして、売り手がお客様の 【セミナー・研修案内】 「買いたい!」を創り出すための具体的な方 法について、豊富な事例を交えながら説明 しています。 筆者は、「商品が売れない理由は、商品の 良し悪しだけではなく、売り手からの十分な 動機付けができていないことにある」と述べ ています。自社の「商品が売れない」本当の 理 由 を 見 つ け、解 決 策 を導 き 出 す た め に は、お客様が「どのように動機付けされ、買う に至るのか」のプロセスを理解することが、近 道となります。 「商品に自信はあるけれど、イマイチ売上が 伸びない」と悩まれている方は、ぜひご一読 下さい。 (寺西 崇) 第21期 真・管理者力養成講座 多くの中小企業では年功序列的な役割付け 【研修内容・開催日】 平成26年11月20日 が行われています。また、仕事ができる人や ①リーダーシップ力 営業成績の良い人が、その実績を認められて ②コミュニケーション力 平成26年12月18日 平成27年 1月15日 管理者になるということが頻繁に行われていま ③部下指導力 平成27年 2月19日 す。しかし、ここに大きな誤算があります。確か ④目標達成力 平成27年 3月19日 にここで任命された社員は仕事ができる社員 ⑤計数管理力 ※全日程とも、10:00~18:00 です。しかし、「自分の実績をあげる能力」と 【開催案内】 「人を管理する能力」は全く別物です。 当社研修室 名南経営コンサルティングの『真・管理者力 ◆場所 20名 養成講座』では、講義と演習を通じて管理者と ◆定員 して必要な「5つの力」を習得し、真の管理者 ◆受講料(消費税抜・テキスト、食事代込) になっていただくことをねらいとしています。参 ・MBC特別会員の方 1講座 20,000円 (5講座通期の場合 80,000円) 加をご検討の方は、是非この機会をご活用下 ・一般の方 1講座 25,000円 さい。 (5講座通期の場合 100,000円) ※詳細は、同封のチラシをご覧下さい。 【知って得する情報】 新連携支援 【知って得する情報】 国の中小企業向け支援施策の一つとして 「新連携支援」というものがあります。新連携と は、「その行う事業の分野を異にする事業者が 有機的に連携し、その経営資源(設備、技術、 個人の有する知識及び技能その他の事業活 動に活用される資源をいいます) を有効に組 み合わせて、新事業活動を行うことにより新た な事業分野の開拓を図ること」と定義されてい ます。簡単に言いますと、複数の企業が連携 して取り組む新事業に対して行われる支援策 ということになります。 「新連携支援」を活用するには、異分野の中 小企業者が2者以上で連携し、共同で作成し た「新連携計画」を国に申請して、主務大臣の 認定を受ける必要があります。その認定要件 及び認定後の支援策は、次の通りとなってい ます。 認定要件 1. 異分野の中小企業2者以上がそれぞれの経営資源を持ち 寄り取り組む事業であること 2. 新事業分野の開拓であること 3. 相当程度の需要が開拓されること 4. 新事業活動により一定の利益を上げられること 支援策 事業化・市場化支援事業(限度額:通常2,500万円/ 技術開発有の場合3,000万円、補助率:2/3以内) 融資 政府系金融機関による融資制度 高度化融資制度 信用保証 信用保証の特例(普通保障等の別枠設定、新事業 開拓保障の限度枠拡大) その他 中小企業投資育成株式会社の特例 特許料の減免措置 補助金 Page 3 デール・カーネギーの 名言・格言 ミスを改めさせるには、 「人」ではなく、「問題」に 焦点を合わせる (デール・カーネギー『D・カーネ ギーの指導力』より) どんな優秀な社員でも人である 以上、時にはミスをしてしまうことが あります。経験・年齢の若い社員で あれば尚更のことです。社員がミス をしてしまった際に指導するのは 管理職の役目ですが、ではどのよ うに指導すればよいのでしょうか。 ミスを目の当たりにすると感情が乱 れることもあるかもしれませんが、 そこで感情的に指導しても良い結 果(ミスを素早く収束し、今後同様 のミスが起きることを防ぐ)を得るこ とは出来ません。D・カーネギー氏 は、以下の9ステップで指導するこ とが大切であると述べています。 ①調査 なぜミスが起きてしまったのか を背後関係も含めて調査し、 客観的に捉える ②信頼関係を築く ミスをした社員と穏やかに話を する。大勢の前で罵倒したりし てはいけない ③問題に焦点を合わせる 事実と情報を収集してなぜそ れが起きたのかを判断する。 行動を起こした人ではなく、行 動そのものに焦点を当てる ④成績の回復 自責で考えるように仕向け、同 様のミスを犯さないよう対策を 考え、業績を取り戻させる ⑤自信の回復 自身の価値と組織での存在意 義を伝え、前向きな気持ちに させる ⑥離職を防ぐ ⑤を首尾よく行う ⑦再通告 改めて自責で考えるよう伝え、 自己改革の機会を与える ⑧譴責 ⑦で改善が見られない場合 は、厳しく叱責する ⑨異動・解雇 ①~⑧を繰り返し行った上 で、改善の見込みがない場合 は、最後の手段として、担当変 え又は解雇を検討する 他者と連携して新たな取り組みをしようとお 考えの企業様等、ご利用を検討されてはいか がでしょうか。詳しくはHPをご覧下さい。 http://j-net21.smrj.go.jp/expand/ 皆さんの会社でもミスの指導方 shinrenkei/index.html (工藤 稔之) 法について振り返って下さい。 名南コンサルティングネットワーク マネジメントコンサルティング事業部 Meinan Management Review Vol.76 平成26年9月19日発行(通巻第76号) 発行人:永井晶也 編 集:渡邉圭蔵、加藤直子 執 筆:永井晶也、村野文洋、奥田康博 寺西崇、工藤稔之、伊藤淳 蓑島知里 名南コンサルティングネットワーク マネジメントコンサルティング事業部 〒460-0003 名古屋市中区錦二丁目4番15号 ORE錦二丁目ビル5階 TEL 052(229)0758 FAX 052(229)0754 ホームページもご覧下さい http://www.meinan.net/ 名南経営 で検索! 【主任研究員のコラム】 業務改善による生産性向上 業務の生産性向上を図るためには、「視える化による標準化」、「社内環境の整備」、「社 員のスキル向上」、「タイムマネジメント」等、様々なアプローチ方法があります。 しかし、これらの手法を用いても成果があがらない場合には、業務改善というアプローチ が有用です。業務改善を行うには改善の4原則である「イクルス(ECRS)」に基づき、業務を 見直すと効果的です。 □ 排除(E) そもそも業務そのものを無くせないかという視点で す。前任者が行っていたからという理由で業務を継続 しているケースがありますが、実は目的に照らし合わ せると既に必要でない可能性があります。このような場 合、止めてしまうのが一番効率的な改善方法です。 E=Eliminate(排除) C=Combine (結合) R=Rearrange (入れ替え) S=Simplify(簡素化) □ 結合(C) 一緒に纏められないかという視点です。例えば月曜日と水曜日に同じ地区に営業に行く のなら、いっそう纏めて同日に行けないか、また目的は異なるが、同一内容の記載が多い 二種類のシートの場合、必要項目を纏めて一緒にできないかと検討する改善方法です。 □ 入れ替え(R) 変更や入れ替えができないかという視点です。例えば、この業務は部長が行っているが、 課長に権限を委譲し、本来の部長の業務に注力できないかといった改善方法です。 □ 簡素化(S) 簡単にできないかという視点です。例えば業務分担を行い、一つ一つの方法を簡素化す るといった改善方法です。 この中で最も効果が高く優先的に考えるべき点が「排除(E)」です。この排除が無理な場 合には、次のC→R→Sと視点を移していくこととなります。 改善はなかなか進まないのが実情です。しかし、このECRSの視点を理解することで、改 善活動がスムーズに進む可能性があります。参考にしてみてはいかがでしょうか? (伊藤 淳) マネジメントコンサルティング事業部 ~中途社員紹介~ ■心の余裕が当然の信頼を生む 蓑島 知里(みのしま ちさと) 【プロフィール】 岐阜県岐阜市出身。名 古 屋市在 住。名古屋大学経済学部経営学科 卒業後、女性総合職としてメガバン クへ入行。渉外として、業績不芳先 を中心に融資先約60社を担当し、 企業再生支援やリストラ業務を経 験。担当先の倒産を機に、「もっとお客様に寄り添った仕事が したい」と思い立ち、2014年7月より名南経営コンサルティング へ入社。 経営改善計画策定支援業務等に従事。 <私が大切にしていること> ■飄々と日々を過ごす 私が仕事に取組む上でのモットーは、「飄々と日々を過ご す」事です。「飄々」という言葉だけを聞くと、言動が世間離れ していて、捉え所の無いような、奇特な人をイメージされる事 が多いと思いますが、私が考える「飄々とした人」とは、「いつ も悠然と構え多少の事では動じず、流れるように物事をすり抜 け、常に人間関係のしがらみの外にありながらも、人心をつか む機微を心得ている人」の事です。 仕事が人と人との関係の上に成り立っている以上、大抵、 何かしらのジレンマが付き纏うものです。そんな中でも、何 かに追われ、唸りながら仕事をしている人と、涼しい顔で 淡々とこなす人、傍から見てどちらが状態として美しいかは 明らかだと思います。焦りや苛立ちを他人に悟られるのは不 本意ですし、それによって相手を不安にさせてしまっては元 も子もありません。ましてや、お客さまに対しては尚更です。 「安心して」を通り越して、「当然の事として」仕事を任せられ る状態になる為には、日頃から心の余裕を感じさせる立ち 居振る舞いをする事が大切だと思います。 ■空気のように相手に馴染む 但し、いくら飄々としているとは言えども、自分に与えられ た事だけをやっていては、「人心をつかむ機微を心得てい る」とは言えません。それを身に着ける為には、周りへの配 慮と共に、ここでもやはり、相手を受け止められるだけの心 の余裕が必要だと思います。日頃は特段、気に留める訳で はないけれど、いざという時、「そういえば、あの人がいた」と 思わせる存在こそ、実は一番、相手の懐にしっくりと馴染む のではないでしょうか。そんな、知らず知らずの内に頼られ る、空気のような存在となれるよう、私は日々、飄々と、着実 に、目の前の仕事と向き合っていきます。 (蓑島 知里)