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講義資料 - 経済産業省・資源エネルギー庁

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講義資料 - 経済産業省・資源エネルギー庁
平成26年1月26日
共に語ろう高レベル放射性廃棄物
地域ワークショップ 旭川
放射性廃棄物の地層処分
NPO法人パブリック・アウトリーチ
木村 浩
1
2
放射性廃棄物とは
• 放射性物質を含む廃棄物のこと
– ただし、ここで扱うのは、「事業から出た」放射性
廃棄物。
• 高レベル放射性廃棄物:ガラス固化体
• 低レベル放射性廃棄物:高レベル放射性廃
棄物以外の放射性物質を含む廃棄物
3
地層処分とは
• 放射性廃棄物の処分方法のひとつ
• 放射性廃棄物の種類によって、さまざまな処
分方法が実施・検討されている。
– 浅地中処分
• 浅地中トレンチ処分
• 浅地中ピット処分
– 余裕深度処分
– 地層処分
4
処分方法
処分方法
浅
地
中
処
分
トレンチ
処分
ピット
処分
余裕深度
処分
地層処分
概要
人工構築物を設けない浅
地中への埋設処分
コンクリートピットを設けた
浅地中への処分
廃棄物の例
コンクリート、金属
の廃棄物 等
廃液、フィルター、
消耗品(手袋等)等
の廃棄物
一般的な地下利用に対し 制御棒、炉内構造
て十分余裕を持った深度 物等の廃棄物
(地下50~100m)に処分
地下300mより深い地層 TRU廃棄物(一部)
中に処分
ガラス固化体
TRU : transuranic (transuranium)(超ウラン)
ウランよりも原子番号の大きい元素のこと
低
レ
ベ
ル
放
射
性
廃
棄
物
高レベル放射性廃棄物
浅地中トレンチ処分
5
浅地中ピット処分
0m
ウ
ラ
ン
廃
棄
物
長
半
減
期
低
発
熱
放
射
性
廃
棄
物
(
T
R
U
廃
棄
物
)
発
研電
究所
所廃
等棄
廃物
棄、
物
低
25m
50m
余裕深度処分
100m
300m
地下300mより深い地層
放高
射レ
性ベ
廃ル
棄
物
放
射
能
レ
ベ
ル
地層処分
高
原子力委員会新計画策定会議資料を一部修正
6
高レベル放射性廃棄物とは
原子力発電
再処理
ウ
プラ
ルン
トと
ニ
ウ
ム
燃料ペレット
高レベル放射性廃棄物
7
NUMO「公募関係資料」より抜粋
8
高レベル放射性廃棄物の特性
• 放射性物質のかたまり
– ただし、ウラン、プルトニウムは取り出されている
– 物質が外にでないようにするのが大切
• 強い放射能を持つ=強い放射線を出す
– できたてで、至近であれば、20秒で即死のレベル
– だんだん弱くなるが、自然のレベルには5万年程度
– 中性子線はほとんど出ないので、遮蔽しやすい
• できたときの表面温度は200℃
– できたのち、30年~50年は冷却(六ヶ所村)
9
放射能と放射線
放射線
放射性物質
||
放射能
(放射線を出す能力)
10
閉じ込めと遮へい
放射線
閉じ込め
遮へい
放射性物質
||
放射能
(放射線を出す能力)
11
12
現在、貯蔵中
貯蔵管理中
既に発生
1, 788本
約25,000本相当
(平成25年10月末現在) (平成25年10月末現在)
※1:「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画」
(平成20年3月14日閣議決定)における見込み。
※1
NUMO「公募関係資料」に加筆
13
地
層
処
分
地下300mより深く埋める
≒放射性物質を閉じ込める
NUMO「公募関係資料」に加筆
14
ウラン鉱石レベル
(目安)
数万年
隔離
最低でも1000年間は工学的に
「隔離」を保証しようとしている
希釈分散 ・・・処分概念
核燃料サイクル開発機構 (1999):わが国にお
ける高レベル放射性廃棄物地層処分の技術
的信頼性-地層処分研究開発第2次取りまと
め-, 分冊 2 地層処分の工学技術, に追記
15
補足:他の処分方法の検討も
NUMO「公募関係資料」に加筆
16
緩衝材
(ベントナイト)
NUMO「公募関係資料」に加筆
17
地上は1~2km2程度
地下は最大でも10km2程度
NUMO「公募関係資料」に加筆
18
六ヶ所村から輸送
NUMO「公募関係資料」より抜粋
19
順番につくり、置いて、埋める
NUMO「公募関係資料」より抜粋
20
閉鎖後
!?
NUMO「公募関係資料」に加筆
21
別の廃棄物も地層処分へ
NUMOホームページより抜粋
22
地層処分を行う
低レベル放射性廃棄物とは
原子力発電
地廃 低
層棄 レ
処物 ベ
分の ル
放
へ 一射
部
性
を
再処理
ウ
プラ
ルン
トと
ニ
ウ
ム
燃料ペレット
高レベル放射性廃棄物
23
具体的には
平成20年3月末
ドラム缶145,000本分
NUMO「公募関係資料」に加筆
24
同時に地層処分することも選択可能
NUMOホームページより抜粋
25
処分事業の進め方
①文献調査
過去の地震、
噴火等に関す
る記録、文献
から適性地域
を評価する
②概要調査
ボーリング調
査、地質調査
等を行い適性
地域を評価す
る
精
平密
成調
20 査
年
代地
中区
頃を
選
定
③精密調査
地表からの調
査 に 加え 、 地
下施設におい
て調査、試験
を行い適性地
域を評価する
平建
成設
40 地
年
前を
後選
※
概
要
調
査
地
区
を
選
定
※
国
か
ら
の
申
入
れ
全
国
市
町
村
か
ら
の
応
募
定
申
請
・
安
全
審
査
・
建
設
へ
概要調査及び精密調査地区及び建設地の選定にあたっては、
知事及び市町村長の意見を聞き、反対の場合は次の段階に進まない
「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(2000年施行)に基づく立地選定プロセス
※調査地区選定等の時期については、最終処分計画(2008年3月閣議決定)による
26
諸外国の高レベル放射性廃棄物処分の進捗状況
(2013年5月時点)
文
献
調
査
公
募
中
韓国
日本 固
概
要
調
査
スイス 固 直
建
設
地
選
定
精
密
調
査
フランス 固
(ビュール近傍)
英国
中国 固 直
申請
方
法
検
討
段
階
フィンランド 直
(オルキルオト)
ドイツ※1
(ゴアレーベン)
米国※2
建
設
・操
業
へ
安
全
審
査
スウェーデン 直
(フォルスマルク)
固直
カナダ 直
直 使用済燃料を地層処分
する国(直接処分)
ドイツ※1
英国※3
固直
固 ガラス固化体を地層処分
する国(再処理)
米国※2
(ユッカマウンテン)
固直
※1 ゴアレーベンの探査活動を一旦中止し、新たなサイト選定手続きを定めた法案を2013年中に制定し、新たにサイト選定を行っていく方針。
法律では、24名の委員で構成される委員会を設置し、安全要件などを含むサイト選定基準を2015年末までに提案すること等を規定。
※2 ネバダ州の反対を受けて、オバマ政権は2009年にユッカマウンテン計画を中止。2013年1月エネルギー省が、同意に基づくサイト選定の
下、2048年までに地層処分場を建設する等の新たな処分戦略を発表。
※3 英国は関心表明していたカンブリア州及び同州の2つの市が2013年1月の議会投票の結果、選定プロセスから撤退
27
参考資料
28
25年12月31日時点全機運転停止中
エネルギー白書2012に一部加筆
平成25年3月31日現在においても変化なし
29
エネルギー白書2013
30
エネルギー白書2013
31
エネルギー白書2012
32
原子構造と放射線
重粒子線
アルファ線
(ヘリウム原子核)
陽子線
原子構造
中性子線
ベータ線
(電子線)
陽子
X線
中性子
電子
ガンマ線
33
放射線の遮へい
34
放射線の生き物への影響
X線を照射された様々な生物の半数致死線量
ゾウリムシ
アメーバー
酵母
大腸菌
うさぎ
ラット
マウス
サル
ヒト
イヌ
3,500 (Gy≒Sv)
1,000
300
56
8.4
6.8
7.0
5.3
4.0
3.7
35
放射線の
人体影響
放射線影響協会「放射線がわかる本」 http://www.rea.or.jp/
日常生活と
放射線
36
人工放射線
自然放射線
放射線の
(ミリシーベル
量
ト)
ブラジル・ガラパリの
放射線(年間、大地などから)
胸部X線コンピュータ断層
撮影検査 (CTスキャン)(1
回)
宇宙から 0.39
1人当たりの自然
放射線(年間)
大地から 0.48
(世界平均)
一般公衆の線量限度(年間)
(医療は除く)
食物から 0.29
神奈川
岐阜
吸入により1.26
(主にラドン)
国内自然放射線の差(年
間)
(県別平均値の差の最
胃のX線集団検診(1
回)
大)
胸のX線集団検診(1
回)
原子力発電所(軽水炉)周辺の線
量目標値(年間)
東京-ニューヨーク航空機旅行(往復)
(高度による宇宙線の増加)
人工放射線
TRU廃棄物からの地下水等
の媒介による年間最大線量
※処分後約1万年後に最大
六ヶ所再処理工場から
の放出により、施設周
辺で受ける線量評価値
(年間)
高レベル放射性廃棄物からの地下
水等の媒介による年間最大線量
※処分後約80万年後に最大
資源エネルギー庁「原子力2008」に一部加筆
使用済み燃料の貯蔵状況
37
(軽水炉のみ)
資源エネルギー庁 第33回総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(平成24年11月14日)資料4より
38
これまでの公募に係る検討の状況※
報道開始
時期
自治体
動機
検討期間
2003.4
福井県和泉村
財政再建、地域振興
2003.12
高知県佐賀町
(不明)
2004.4
熊本県御所浦町
議会からの要請
1日
2005.1
鹿児島県笠沙町
財政再建、地域振興
2日
2005.7
長崎県新上五島町
(不明)
(不明)
2005.10
滋賀県余呉町
(不明)
約4ヶ月
2006.8
鹿児島県宇検村
財政再建、地域振興
4日
2006.8
滋賀県余呉町(再)
財政再建、地域振興
約3ヶ月
2006.9
高知県津野町
財政再建、地域振興
約2ヶ月
2006.9
高知県東洋町
財政再建、地域振興
約9ヶ月
2006.12
長崎県対馬市
(不明)
約1ヶ月
2007.2
福岡県二丈町
(不明)
(不明)
2007.3
鹿児島県南大隅町
財政再建、地域振興
(不明)
2007.7
秋田県上小阿仁村
財政再建、地域貢献
5日
※本資料作成の後、2009年3月に福島県楢葉町で、2010年12月に
鹿児島県南大隅町で、それぞれ応募に関する報道がなされている。
6日
約9ヶ月
日本原子力学会 2009年春の年会 古川匡ら
各国の状況(2013年5月時点)
国
名
廃棄物形態
実施主体(形態)
39
処分地
操業予定
(候補地)
米国
使用済燃料、
ガラス固化体
DOE OCRWM
[エネルギー省民間放
射性廃棄物管理局]
(国<連邦政府>)
フィンランド
使用済燃料
Posiva
[ポシヴァ社]
(民間会社)
ユーラヨキ
自治体オル 2020年頃
キルオト
スウェーデン 使用済燃料
SKB社
[スウェーデン核燃料・
廃棄物管理会社]
(民間会社)
エストハン
マル自治体
2025年頃
フォルスマ
ルク
フランス
ガラス固化体
ANDRA
[放射性廃棄物管理機
関](商工業的性格を有
する公社)
候補サイト
となる区域
(ZIRA)を特
2025年頃
定(ビュー
ル地下研
究所近傍)
ドイツ
使用済燃料、
ガラス固化体
BfS
[連邦放射線防護庁]
(国<連邦政府>)
ニーザーザ
クセン州ゴ 2035年頃
アレーベン
スイス
使用済燃料、
ガラス固化体
NAGRA
[放射性廃棄物管理共
同組合](発生者出資
の共同組合)
未定
2050年頃
英国
ガラス固化体
(今後、使用済
燃料も対象と
なる可能性が
ある)
NDA
[原子力廃止措置機
関](国<外郭公共団
体>)
未定
2040年頃
カナダ
使用済燃料
NWMO
[核燃料廃棄物管理機
関](非営利法人)
未定
2035年頃
未定
2020年頃
経緯・状況
・1983年よりサイト選定開始(実施主体による候補地絞り込み)、2002年処分地が決定、2008年建設認可申
請、しかし、2009年ユッカマウンテン計画は中止(2010年代替案の検討開始)
・2012年1月、オバマ大統領指示で発足した有識者会議(ブルーリボン委員会)が、エネルギー長官に対する
8つの勧告を含む最終報告書を提出。地層処分が科学的により望ましいアプローチとし、同意に基づく、段
階的なサイト選定が必要と提言。
・2013年1月、同勧告を踏まえ、DOEが、同意に基づくサイト選定の下、2048年までに地層処分場を建設・操
業開始する等の新たな処分戦略を公表。
・1983年よりサイト選定開始(実施主体による候補地絞り込み)
・2001年議会承認により処分地が決定
・2004年より、地下特性調査施設の建設を開始、精密調査等を実施中
・2012年12月に実施主体Posiva社が処分施設建設許可を申請。現在、安全審査中。
・1992年よりサイト選定開始(公募と申し入れ方式の組合わせ)
・2002年より、処分候補地を含む2自治体で調査を実施中
・2009年にSKB社が処分場をフォルスマルクに決定
・2011年3月にSKB社が最終処分施設の立地・建設許可を申請。現在、安全審査中。
・1980年代よりサイト選定を開始するも、反対運動により中断
・1991年放射性廃棄物管理研究法により、地層処分、核種分離・変換、長期地上貯蔵の3研究を実施
・2006年に地層処分を基本方針とする放射性廃棄物等管理計画法を制定(地下研究所による調査対象地
層でのサイト決定を規定)
・2011年、実施主体ANDRAがビュール近傍に「詳細調査を行う区域」を提案し政府が承認。これについて、
2013年5月から10月にかけて公開討論会を開催。
・1979年ゴアレーベン・サイトでの適合性調査
・2000年適合性調査一時中断
・2009年政府が適合性調査凍結撤廃の方針を提示
・2013年4月、処分場のサイト選定手続き等を定めた法律を2013年中に制定し、新たにサイト選定を行って
いく方針を発表。法律では、24名の委員で構成される委員会を設置し、安全要件などを含むサイト選定基準
を2015年末までに提案すること等を規定。
・1970年代後半よりNAGRAが、処分の可能性調査を開始
・2008年4月に連邦政府がサイト選定基準や手続を定めた特別計画「地層処分場」を策定
・2008年10月にNAGRAが候補サイト地域を提案しサイト選定を開始
・2008年NAGRAの検討結果に基づいて、連邦政府が3つの候補サイト地域を公表し、審査等を実施中
・2011年、政府が提案を承認。
・2006年CoRWMによる管理方法検討・勧告、政府による管理方針案の決定
・2008年管理方針に係る白書によりサイト選定開始(公募方式)
・2008~9年にかけ、カンブリア州と同州内の2市が関心表明を政府に提出し、初期選別を実施。
・2010年英国政府が英国地質調査所(BGS)による初期選別結果の報告書を公表。
・2013年1月 カンブリア州と同州内の2市が次段階のプロセスには行かないことが決定。
・2002年に核燃料廃棄物法に基づきNWMO設立、廃棄物管理アプローチの検討開始
・2007年廃棄物管理アプローチを「適応性のある段階的管理(APM)」に決定
・2010年、実施主体NWMOがサイト選定を開始。処分施設受け入れに関心を示している22地域に対して、初
期スクリーニングを実施。良好との結果が得られた21地域の内、現在17自治体が第3段階第1フェーズに
入っている。
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