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対日直接投資の促進について - 関東経済産業局
対日直接投資の促進について 平成26年9月 経済産業省 貿易経済協力局 1.現状と背景①<我が国への対内直接投資の現状> ○ 企業が国を選ぶ時代となっている中、対内直接投資の高低は、海外から見たその国の 市場の魅力度・開放度を測るバロメーターと言える。 ○ しかし、我が国の対内直接投資は、国際的に極めて低いレベルにとどまる。 (※)対内直接投資残高GDP比率において、日本は198か国中192位。193位以下は東ティモール、ネパール、アンゴラ、 ブータン、キリバス、ブルンジ。(UNCTAD STAT:2012年) 対内直接投資GDP比率 国際比較(2012年末) 100 262.3 対内直接投資残高とGDP比率 (兆円) 30 10 対内直接投資残高(兆円) 残高は前年より0.2兆円増加 GDP比率は横ばい GDP比率 80 8 政府目標 60 54.3 20 対日投資会議 (議長:総理大臣) の開催時期 26.4 24.8 11.9 16.9 20 6.0 3.8 7.4 12.4 / GDP 1.3 EU域外からの対内直接投資残高 / GDP 【出典】 <FDI(簿価)> 日:財務省 「対外資産負債残高統計」 英・独・韓・星:IMF 「International Financial Statistics Yearbook 2013」 米:Bureau of Economic Analysis 「Surbey Of Current Business」 仏:Banque of France 「The French of Balance Of Payments And International Investment Position」 <GDP、レート> IMF 「International Financial Statistics Yearbook 2013」 【※】「EU域外からの対内直接投資/GDP」は全て2011年末実績 0 6 12.8 4 3.7 3.9 3.6 3.7 3.8 3.8 6.6 1.9 1.9 2.0 17.5 17.5 17.8 18.0 15.1 10.1 9.4 9.6 10 0 対内直接投資残高 18.5 18.4 概ね 達成 37.4 40 増加傾向にあったが、 リーマンショック後伸び悩み、 目標未達 2.4 2.5 3.0 2 第一回対日直接投資推 進会議(2014年4月25日) 0 推計値 (出典)財務省「本邦対外資産負債残高」、内閣府「国民経済計算」 1 1.現状と背景②<対内直接投資の意義> ○ 対内直接投資(※)の拡大は、資本面でのメリットのみを追求するのではなく、海外からの 経営ノウハウや技術等の経営資源の取込みを促すことにより、我が国の生産性を向上 させ、雇用やイノベーションを生み出す源泉となり得る。 (※)対外資産負債残高統計(ストック統計:財務省)では、日本企業に対して10%以上の株式取得をする場合で、かつ出資を 受け入れた日本企業の資本金が10億円以上の投資案件につき、「対内直接投資」としてカウント。 ○ 企業がグローバルな選択肢の中で拠点立地を決定し事業を展開する時代となり、日本 においても産業空洞化が叫ばれて久しい。そのような状況において日本で事業活動を 行う外資系企業は、生産性向上効果や雇用創出効果等により、日本経済を支えてきた 側面があると言える。 <通商白書2013抜粋> 外資系企業と我が国企業のTFP水準比較 • OECD(International Investment Perspectives 2007)は、対内直接投 資のマクロ経済的な利益として、「対内直接投資は、技術波及効果な どを通じて全要素生産性(以下「TFP」という。)を高めることにより、投 資受入国の経済成長を促進する。たとえ対内直接投資が雇用者数 に及ぼす影響が小さいとしても、熟練労働者、技術者、科学者への需 要を増やすことなどにより雇用の構図に影響を与えることができる。」 と指摘している。 • 対内直接投資には、生産性の高い外国企業の参入が経済全体の生 産性を高める効果や、外国企業の参入が技術やノウハウの移転など を通じて我が国企業の生産性を向上させる効果が期待される。 (出典)通商白書2013 2 1.現状と背景③<対内直接投資の意義> 外国企業が各地域に進出すると、 ・経営ノウハウや技術等の経営資源が海外から流入 ・進出先での中小企業との連携により、各地域の中小企業の生産性や技術が向上 ・地域の雇用が増加 ・日本の拠点からの輸出にもつながる(次ページ) 【主な事例】 ○BASF(ドイツ) 〔兵庫県尼崎市〕 ・2014年2月、既存の尼崎研究開発センターを約 600 m2 拡張し、バッテリー材料に特化した研究施設を開設。 ・総投資額は数億円。 ○IKEA(スウェーデン(発祥地)) [宮城県仙台市] ・2011年9月、復興を目的とした「仙台ミニショップ」を開店。 ・面積約600坪。従業員約25名。(2012年時点) ・また、震災後は大規模な物資寄付や、被災地の子供達への 「遊び」を通じた長期サポート「東日本こどもプロジェクト」も 約55施設で実施。 ・2014年には規模を拡大したIKEA仙台をオープン予定。 ○ダウ・イー(シンガポール) 〔広島県庄原市〕 ・2011年、フィルム液晶ディスプレイの製造・R&D 拠点を設置。初期投資額10億円。 ・「庄原市では海外企業の立地は初めてのことで大 変歓迎している。工場を再利用し、30名の雇用も 確保され、地域貢献の面でも非常にありがた い。」(庄原市) ○スミスヘルスケア [東京] ○ロレアル [静岡県御殿場市] ○Mikwang Envitech [大阪府大阪市] ○HTM株式会社(オーストラリア) [北海道倶知安町] ・2003年、当時、日本では数少ない新しいコンドミニアム スタイルの施設を開発、販売、管理するため設立。 ・管理施設は約60棟、200ユニット(2013年4月現在)。 ○ユミコア(ベルギー) 〔愛知県常滑市〕 ・2013年、自動車のディーゼルエンジンに使う触媒の研 究開発を開始。 ・日本触媒と共同で愛知県常滑市に研究所を設けた。 投資額は34億円、100人程度の研究者を置く。 ○ジョンソンコントロールズ(米国) [神奈川県横浜市] ・横浜市に実験・試作センターを新設。自動車用シート、 自動車内装部品の研究開発、試作・実験施設及び量 産ライン設計のためのパイロットプラント機能を整え る。投資額は約38億円。 ○インダストリエ・デノラ [神奈川県藤沢市] 出典:各社HP, ジェトロHP 3 1.現状と背景④ <対内直接投資の意義> 対内直接投資は、日本の拠点からの輸出にもつながる。 【主な事例】 出典:各社HP, ジェトロHP, 経済産業省HP ○ロレアル(フランス) ・2012年に日本のリサーチ&イノベーション(R&I)センター(神奈川県川崎市)をアジアの研究開発の中核拠 点として機能・規模ともに拡張し、日本の優れた原料や技術、美白やアンチエイジングなどの多機能製品を 日本やアジア向けに開発。 ・また、ロレアルグループにおいてアジアで唯一、アジア向けのラグジュアリ製品を製造するコスメロール工場 (静岡県御殿場市)では、高まるアジアの市場ニーズに対応すべく、今後5年で体制を拡張する予定。 ○インダストリエ・デノラ(イタリア) ・電解槽及び金属電極製造のインダストリエ・デノラ(イタリア)は、アジア人によってアジア市場を攻略するた め、金属電極製造のペルメレック電極(神奈川県)を完全子会社化した。ペルメレック電極の製品の開発・製 造は従来通り藤沢市で行い、中国等への海外販路を拡大した。 ○ スミスヘルスケア(ロシア) ・2012年8月、ロシアのサンクトペテルブルクに本社を置くスミスヘルスケア(医療機器の輸出入販売及び各 種コンサルティング業務)が東京都に子会社を設立。2008年の創業以来、ロシア国内で事業を拡大し、当該 子会社は同社にとって初めての海外拠点。日本の医療機器、製薬機器及び生活消費財をロシア向けに輸 出する調達拠点として業務を展開する。 ○Mikwang Envitech(韓国) ・韓国のLED照明製品の開発・販売を行うMikwang Envitech Co.,Ltd.が、販路拡大、市場調査及び日本からの 部品調達のため、大阪市に支店を設立した。電子製品の塗装技術を活かして、LED製品の放熱部品である 4 ヒートシンクにカーボンナノチューブ(CNT)塗装をした製品を開発・販売している。 2.政府の方針 ①<日本再興戦略> ○ 日本再興戦略(-JAPAN is BACK-) 平成25年6月14日閣議決定 ~抜粋~ 三.国際展開戦略 3.我が国の成長を支える資金・人材等に関する基盤の整備 国内のあらゆる企業や人材がグローバル経済の利益を享受できる環境を整備するとともに、海外の優れ た人材や技術を日本に呼び込み、雇用やイノベーションの創出を図るため、日本国内の徹底したグローバル 化を進める。2020 年における対内直接投資残高を35 兆円へ倍増(2012 年末時点17.8 兆円)すること を目指す。 また、我が国企業による内外一体のグローバルな経済活動を下支えするため、分厚いグローバル人材層 の育成・活用や、海外からの高度人材の積極的な受入れ等を促進する。 ①対内直接投資の活性化 ○特区制度の抜本的改革 ・海外の資金や技術等を更に我が国に呼び込むため「国家戦略特区」を活用し、世界で一番企業が活 動しやすいビジネス環境を整備していく。こうした環境整備は海外に移転した日系企業の国内回帰に もつながる。 ○政府の外国企業誘致・支援体制の抜本強化 ・グローバル企業のエグゼクティブ層と同等の目線に立ち、個社の経営戦略を踏まえて有望な外国企 業を発掘・誘致するため、JETRO における産業スペシャリスト機能の強化、グローバル企業向けの 支援措置の整備等を通じて誘致体制を強化する。 ・我が国への投資計画の策定に必要な制度・行政手続等に関する相談や規制改革要望をJETRO が 一括して受け付け、関係府省庁との連携のもとに個別に対応するなど、外国企業に対する包括的な サポート体制を強化する。 5 2.政府の方針②<日本再興戦略> ○「日本再興戦略」改訂2014 平成26年6月24日閣議決定 ~抜粋~ 三.国際展開戦略 (3)新たに講ずべき具体的施策 ①対内直接投資残高倍増の推進体制強化 2020年における対内直接投資残高を35兆円へ倍増するという意欲的な目標を達成するた めには、外国企業のニーズを踏まえた我が国の投資環境の改善に必要な体制構築を含む政 府の推進体制の整備が不可欠であり、「対日直接投資推進会議」を司令塔として、投資案 件 の発掘・誘致活動、必要な制度改革の実現に政府横断で取り組む。 在外公館・JETRO が連携して、外国企業経営者への働きかけや広 報・情報発信など海外 現地における誘致案件創出活動を強化すると ともに、個別案件の推進では、関係府省庁と 連携した JETRO のワン ストップ支援機能の強化や、我が国中堅・中小企業と外国企業との 投 資提携機会の創出等に取り組む。また、JETROと連携しつつ外国企業の誘致に積極的な地方 自治体の取組を全面的に支援する。さらに、 総理・閣僚によるトップセールスを先進的な地方 自治体とも連携し つつ、戦略的に実施する(年 10 件以上)。 「対日直接投資推進会議」では、進捗管理を通じてこれらの発掘・ 誘致活動を推進すると ともに、外国企業経営者の意見を直接吸い上 げ、経済財政諮問会議、産業競争力会議、規 制改革会議、国家戦略 特区諮問会議等と連携し、投資環境の改善に資する規制制度改革や 投資拡大に効果的な支援措置など追加的な施策の継続的な実現を図 っていく。あわせて、 対内直接投資促進のための情報基盤整備とし て、我が国の法令外国語訳を促進する。 6 3.対日直接投資の推進体制の強化 ○ 在外公館・ジェトロ、閣僚レベルによる政府一体での外国企業への働きかけを抜本的 に強化。 ○ 外国企業のニーズを踏まえた対日投資拡大に資する制度改革を行うため、「対日直接 投資推進会議」を設置(本年4月25日)。 対日直接投資の案件発掘・誘致活動 在外公館・ジェトロによる 案件発掘・誘致活動の展開 総理・閣僚のトップセールス 外資系企業の誘致に積極的な 地方自治体との連携 対日直接投資推進会議 <会議の構成員> 経済財政政策担当大臣、規制改革担当大臣、外務大臣、経済産業大臣 ※総理は随時出席可能。必要に応じ、関係大臣が出席。対日直接投資に関する有識者がアド バイザーとして出席 ○ 国内の制度改革等に向けた司令塔機能としての取組 ・外国企業経営者からの直接意見聴取、制度改革実現 ○ 対日投資案件の発掘・誘致活動における司令塔機能としての取組 ・外資系企業誘致に積極的な地方自治体と連携し、効果的な対日投資 案件の発掘・誘致活動を推進 連携 経済財政諮問会議、産業競争力会議、規制改革会議、国家戦略特区諮問会議 等 出所: 「経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議」(4月4日) 提出資料を基に作成。 7 4.政府と自治体の連携(トップセールス) 「ロンドン対日投資セミナー」(主催:ジェトロ) ○安倍総理訪英の機会に合わせ、”A Regional Roadmap”と題して開催し、 自治体の首長が参加。総理が挨拶するとともに、4名の首長(神戸市長、 福岡市長、三重県知事、広島県知事)がプレゼン。 ○各地域の優位性、ビジネス環境及び投資インセンティブ等に関する最新 の情報を提供し、各地域への投資を呼びかけ。 ○日程、場所 :2014年5月1日(木) 英国・ロンドン 来場者数 :約120名(英国企業・団体、日本企業・団体等) (出典)官邸HP 4つの自治体首長が地域の魅力をアピール ・久元 神戸市長 神戸市が240社以上の外国企業が立地する国際都市であることや市が進 める医療産業都市プロジェクトを紹介。 ・高島 福岡市長 福岡市が古くから日本とアジアを結ぶ拠点として発展し、ITやデジタル産業 等をはじめとするサービス産業が盛んなこと等を紹介。 ・鈴木 三重県知事 三重県が大阪や名古屋に近くビジネスに優位な立地であり、多様な産業集 積が強みであることを説明。 ・湯崎 広島県知事 広島県が自動車、先端技術など日本有数の産業集積地であり、外国人に 住みやすい県であること等を説明。 「シティ主催歓迎晩餐会」では、安倍総理が挨拶の中で日本への投資を呼び掛け。 上記の首長も参加。 (出典)ジェトロHP 8 【参考】 経済産業省において現在取り組んでいる施策(概要) ○対内直接投資の拡大は、海外からの経営ノウハウや経営資源(人材、技術)の取り込み を促すことにより、我が国の生産性を向上させ、雇用やイノベーションを生み出す。 ○ 経済産業省では、対内直接投資を活性化させるため、①投資先としての日本の魅力向 上(「商品力」の強化)、②発掘・誘致・支援体制の強化(「営業力」の強化)に取り組んでい る。 投資先としての日本の魅力向上 (「商品力」の強化) (対応策) ○グローバル企業の日本への呼び 込みを促進するため、各種インセ ンティブ措置を講じる。 ○行政手続等の制度改善による参 入障壁の低減を図る。 発掘・誘致・支援体制の強化 (「営業力」の強化) (対応策) ○有望な外国企業を発掘し日本へ呼び込む 「攻めの営業」のための体制を整備する(ジェ トロの産業スペシャリスト機能の強化)。 ○ジェトロが水先案内人となって外国企業を支え る包括的サポートを行うことにより、外国企業 の日本でのビジネス展開を支援する。 9 投資先としての日本の魅力向上(「商品力」の強化) ○グローバル企業の日本への呼び込みを促進するため、各種インセンティブ措置を講じる。 インセンティブ措置 誘致成功事例 ダウ・イー 〔シンガポール→広島県庄原市〕 高付加価値拠点整備補助 研究開発拠点・地域統括拠点に係る施設工事費や設備費等 の一部を補助。日本法人設立前の外国企業でも公募申請可 能。( 25年度予算:5.0億円、26年度予算:9.0億円) 法人税軽減等 アジア拠点化推進法の認定 企業に対し、法人税負担軽 減(実効税率約7%引き下 げ)、特許料軽減等。 法人実効税率 (東京都の場合、復興 特別法人税終了後) 35.6% 約7% 通常 ・最先端のフィルム液晶ディスプレイの製造・R& D拠点。 ・初期投資額10億円をかけ開設。 ・「庄原市では海外企業の立地は初めてのことで 大変歓迎している。工場を再利用し、現時点で 30名の雇用も確保され、地域貢献の面でも非常 にありがたい。」(庄原市) 28.9% 特例適用 ○行政手続等の制度改善による参入障壁の低減を図る。 手続の整備 例: 日本に住所を有しない外国人によ る株式会社等の設立要件の緩和 (外国法人が本国の外国人だけで日本 子会社の代表者を構成する場合) 「代表者が日本に居住していない→日本法人を設立できない」、一方、 「日本に居住するために就労ビザを取得しようとすると日本法人の設立 証明を求められる」、という制度となっており、当該子会社を設立すること ができないという問題が生じている。 ジェトロに寄せられた要望をもとに、経済産業省及びジェトロで問題提起 し、規制改革会議(貿易・投資等WG)において議論。 10 発掘・誘致・支援体制の強化(「営業力」の強化)① ○有望な外国企業を発掘し、日本へ呼び込む攻めの営業のための誘致体制を強化する(ジェトロに産 業スペシャリストを増員配置) 。 ジェトロの産業スペシャリスト機能の強化 ジェトロに外部コンサルタントも活用した産業スペシャリストを60名相当配置し、大型案件を中心とする能動的な発 掘・誘致活動を展開するための体制を整備。 発掘 ターゲット企業 ターゲット企業 (キーパーソン) (キーパーソン) 決定 誘致 ターゲット企業 (キーパーソン) (海外) 突破口 現地 戦略コンサルタント等 拠点設立 突破口 支援 (国内) 産業・業界に 経験の深い個人 国内産業・立地事情 に精通したコンサル企業 連携 自治体 海外事務所 ○産業スペシャリスト(海外)のイメージ(例) ・特定の産業分野に精通しているコンサルタント ・グローバル企業の経営層に対し、経営・財務会計・ グローバル事業戦略等のコンサルティングを実施 国内外の産業スペシャリストが インセンティブを含めた具体的提案、来日支援等を実施 ※併せて、産業スペシャリストの活動に資する情報を収集・提供すべく、我が国の中堅・中小企業と外国企業との提携に関 する成功事例を分析した「海外事業者との投資提携事例集~協業で未来を拓く~」を平成26年4月公表。 11 発掘・誘致・支援体制の強化(「営業力」の強化)② ○ジェトロが水先案内人となって外国企業を支える包括的サポートを行うことにより、外国企業の日本で のビジネス展開を支援する。 ジェトロの包括的サポート 外国企業が日本への投資に際して必要となる事項の明確化や問題解決等を支援する包括的サポートを昨年9月に開始。 Questions Requests 対日投資相談ホットライン ・対日投資に関する相談 ジェトロが ○相談等受付 一括して受付。 (行政手続、規制・制度の内容) ・規制改革要望 ○内容の整理 ジェトロ 誘致担当者 ※日本語以外での相談も可能 外国企業 関係府省庁へ 面談の申し込み 相談への対応 ② 担当課室との面談の実施 規制改革推進室へ 要望提出 ○外国企業の要望に応 じ、各種補助金等の申 請書を翻訳。 答 担当課室 職員 申請書 面談による相談対応 補助金等の 申請を支援 申請書の翻訳 ① 面談日時等の調整(ジェトロ↔担当課室) (ジェトロ職員が同行し外国語等を支援。) 問 Q (必要に応じて和訳) ※回答可能な案件は即対応。 Application 翻訳 ジェトロが関係府省庁との面談の調整、外国語等、 包括的なサポートを実施。 規制改革要望への 対応 ⑴ 規制改革推進室による 内容精査、関係府省庁 への検討要請 ⑵ 規制改革会議への報告 ⑶ 公表内容の伝達 要望提出から結果報告まで 各案件をフォロー。 12 平成26年度予算 対内直接投資等促進地域経済活性化事業 25.0億円(新規) 事業の内容 事業のイメージ 事業の概要・目的 ○対内直接投資等の拡大は、経営ノウハウ、技術、高度人材の 流入による我が国の生産性の向上や雇用創出をもたらし、地 域経済活性化に貢献しています。 対内直接投資等を促進する ためには、我が国での拠点立地をコスト面で支援するとともに、 誘致体制を強化することが必要です。 ○本事業では、以下を実施します。 ① グローバル展開企業による地域経済活性化事業(9.0億円) 日本を含む複数の国において実態のある事業活動を行ってい る企業、又は日本国内に拠点を置き、海外市場を目掛けて事 業を行う企業(グローバル展開企業)を対象に、拠点整備(施設 工事費や設備費等)を支援します。 ② 対内直接投資促進体制整備事業(16.0億円) 各業種に関する知識・ノウハウ・ネットワークを有する産業スペ シャリストを国内外に配置するなど、有望な外国企業の発掘・ 誘致体制を整備します。また、我が国や諸外国の投資環境に 関する調査を実施します。 外国企業 外国企業 外国企業 外国企業 ①グローバル展開企業による地域経済活性化事業 外国企業 発掘・誘致 産業 スペシャリスト 経営ノウハウ、 技術、高度人材 日本 国内 企業 国内 企業 国内 企業 グローバル展開企業の立地 国内 企業 条件(対象行為、補助率等) 国 海外 国内 企業 期待される効果 民間企業等 補助(1/2以内) ②対内直接投資促進体制整備事業 国 委託 (独)日本貿易振興機構、 民間企業等 経営資源の流入(経営ノウハウ、技術、高度人材等) 立地競争力の強化、高付加価値産業の集積 雇用創出、イノベーション創出、生産性の向上 13 平成25年度補正予算 機密性○ 外国企業提携促進事業 ※平成25年度補正予算:中小企業・小規模事業者海外展開支援事業(8.0億円の内数) <事業の概要・目的> ○国内の中小企業が外国企業の有する販路や技術等 を活用するとともに、外国企業の日本進出及び日本 での事業拡大を支援する。このため、医療・観光等 の有望分野で優れた技術・製品・ビジネスモデル等 を有する国内中小企業、及びこれらの企業とのネッ トワークを有する業界団体等と、これらの分野で世 界をリードしている外国企業が面談等を行う場を設 け、国内中小企業と外国企業との事業提携を促進す る。 優れた技術・製 品・ビジネスモ デルを有する 国内中小企業 ミッション ・ 訪問 海外マッチング 交流会 世界をリードして いる外国企業 〇具体的には、外国企業を我が国に招聘し、国内中 小企業や業界団体等との交流会等を開催する。 また、国内の中小企業や業界団体等を海外に派遣 し、海外にて外国企業との交流会等を開催する。 <支援対象> 日本貿易振興機 構 国 補助 交流会等 参加募集 ・外国企業との 事業提携を希望 する中小企業 ・外国企業 優れた技術・製品・ビ ジネスモデルを有す る国内の中小企業 国内マッチング 交流会 ミッション ・ 訪問 世界をリー ドしている 外国企業 14 「海外事業者との投資提携事例集」の概要 背景 1.海外事業者との投資提携は、特に中堅・中小企業にとって、「漠然とした不安感」等を背景として、 提携に至る経営判断が難しい一方、厳しい環境の打破や事業拡大の方法の一つとして有益である。 2.このため、中堅・中小企業の海外事業者との投資提携事例を収集し、ポイントや留意点等と併せて 取りまとめを行った。これを「事例集」として公表・普及することにより、海外事業者との投資提携に関 する理解の促進を図るとともに、経営手法の選択肢を増やす一助とする。 3.また、これにより、海外事業者との投資提携の我が国での定着に資するとともに、「日本再興戦略」 に掲げられた目標(対日直接投資残高を2020年に倍増(2012年17.8兆円→35兆円))達成の基盤強 化を図る。 事例集の概要 1.中堅・中小企業による海外事業者との投資提携の具体例(30事例)を収集。 2.個別の事例を基に、海外事業者との投資提携により得られたメリット及び投資提携により生じる 可能性のあるリスクを集約。 メリット 国内外販路の拡大、商品・サービスの品質向上及び新規開発、コスト削減、経営管理手法の高度化 など リスク 海外事業者からの厳しい要求、従業員の流出、重要な技術・ノウハウの流出 など 3.海外事業者との投資提携に際してのポイント及び留意するべき事項を取りまとめ。 ポイント 目的の明確化、相乗効果の理解・検証 など 留意点 トップ同士の信頼関係構築、文化等の違いの理解、重要事項の契約文書化、統合プロセスの検証 など 15