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環境・安全レポート

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環境・安全レポート
環境・安全レポート
三沢工場のレスポンシブル・ケア活動
かがくのチカラで、豊かな 明
私たちは「安全・環境・品質」
を守るため、
レスポンシブル・ケア活動を推進し、
人々の豊かな暮らしを支えます。
現在の私たちの豊かな暮らしは、多くの化学製品によって支えられています。
住友化学(株)三沢工場で生産される農薬、防疫薬、殺虫剤は、農作物の
安定的な供給、感染症の蔓延防止、衛生的で健康な生活の実現に世界規
模で貢献してきました。
しかし、こうした化学製品は、その製造において間違った取り扱いをすると、
健康に害を与えたり、環境問題を引き起こすおそれがあり、化学物質を取り扱
う企業には責任ある行動が強く求められています。
住友化学
(株)
三沢工場では、製品の開発から製造、物流、使用、そして廃
棄に至るまで、安全・環境・品質面の対策を実施する活動を展開しており、こ
れをレスポンシブル・ケア活動と呼び推進しています。
今後とも、地域の皆様やお取引先の皆様に信頼していただけるよう、モノづ
くりのこだわりを大切にしながら新たな価値創造の実現にチャレンジし続けます。
01
三沢工場概要
住友化学の原点 …………………………… 01
三沢工場の概要 …………………………… 05
レスポンシブル・ケア活動 ……………… 07
環境保全活動〈水質編〉
…………………… 09
RC
な 明日へ。
CONTENTS
環境保全活動〈大気編〉
……………………11
環境保全活動〈廃棄物編〉
…………………13
省エネルギー・CO2 排出量削減活動 ……15
環境保全
化学品安全管理……………………………16
労働安全衛生の取り組み …………………17
保安防災の取り組み ………………………18
品質保証の取り組み ………………………19
化学品安全
地域社会とともに ………………………… 20
国内拠点/アクセス ……………………… 21
労働安全衛生
保安防災
住友化学の原点
企業としての社会的責任
(CSR)
品質保証
住友化学の事業は1913年、四国の別子銅山における
銅の製錬の際に生じる亜硫酸ガスによる煙害問題の解決
に取り組んだことに始まります。亜硫酸ガスを使って硫酸
と肥料(過燐酸石灰)を生産したことが当社の事業の発祥
です。汚染物質の排出量を削減することで環境問題を緩
和しただけでなく、有用な肥料を提供することで農産物の
地域貢献
収穫量の増加にも貢献しました。
それ以来、当社は事業を通じて「豊かな暮らしづくり」
を目指すとともに、環境問題に配慮しながら継続して社
会貢献を行っています。このような取り組みが、当社の
企 業としての社 会 的 責 任(CSR=Corporate Social
国内拠点
Responsibility)
の基本となっています。
レスポンシブル・ケア
(RC)
住友化学ではCSRの一環としてレスポンシブル・ ケア
(RC)
活動に取り組んでいます。
レスポンシブル・ケアとは、化学物質の開発から製造、物
流、使用、最終消費を経て廃棄に至るすべての過程におい
て、安全・環境・健康を確保するとともに高い品質の維持・
向上を図り、対話を通じて社会からの信頼を深めていく、事
業者による自主的な活動です。
住友化学は、
「保安防災」
「
、労働安全衛生」
「
、環境保全・
エネルギー」
、
「化学品安全」および「製品責任」の分野ごと
に目標を設定してレスポンシブル・ケアに取り組んでいます。
02
守り続ける理念と行動。
私たちの原点がここにあります。
住友の事業精神
住友化学は、300年以上
の 歴 史 をもつ“住 友 家”
の事業に源をもっており、
現在もその事業経営の根
本精神を継承しています。
「営業の要旨」
第1条
わが住友の営業は信用を重んじ確実を旨とし、
もってその鞏固隆盛を期すべし。
きょう こ
第2条
わが住友の営業は時勢の変遷、理財の得失を計り、
弛張興廃することあるべしといえども、
いやしくも浮利にはしり軽進すべからず。
住友グループ各社に受け
経営理念
継がれてきた住友の事業
住友化学は、
精神を踏まえ、住友化学
1.技術を基盤とした新しい価値の創造に常に挑戦します。
としての基本精神や使命、
価値観を「経営理念」とし
2.事業活動を通じて人類社会の発展に貢献します。
て明文化しています。
3.活力にあふれ社会から信頼される企業風土を醸成します。
住友化学の従業員として
大切にすべき「こだわり」
や「誇り」、未来へ向けて
強化していくべきことなど
をつづっています。
コーポレートステートメント
私たち住友化学は、17世紀から続く住友の事業精神を引き継ぎ、1913年、銅の製錬
に伴い発生する排出ガスから肥料を製造し、環境問題克服と農産物増産をともには
かることから誕生しました。
創業から1世紀。私たちは、自社の利益のみを追わず事業を通じて広く社会に貢献し
ているという凛とした理念のもと、安全・環境・品質に細心の注意を払いながら、時
代とともに多様な事業を展開し、絶えざる技術革新で人々の豊かな暮らしを支えてき
ました。
これからも、様々な発想、価値観や技術を融合させて化学の枠にとどまらない新たな
価値を生み出すことで、身のまわりの快適な衣食住の実現から、地球規模の食糧問題、
環境問題、資源・エネルギー問題まで、積極果敢にチャレンジし続けます。
そのために社員一人ひとりが、高い使命感と情熱を持って、切磋琢磨し、日々新しい
可能性を追求しながら、課題を突破していきます。
世界中に信頼と感動の輪を
コーポレートスローガン
03
豊かな明日を支える 創造的ハイブリッド・ケミストリー
コンプライアンスと自己
責任に基づいた企業活動
を行うことを自らの社会
的責任と考え、
コンプライ
アンス体制の拠り所とな
る基本的精神として10カ
条を制定しています。
住友化学企業行動憲章
1.住友の事業精神を尊重し、世の中から尊敬される「よき社会人」として行動する。
2.国内外の法令を守り、会社の規則にしたがって行動する。
3.社会の発展に幅広く貢献する、有用で安全性に配慮した技術や製品を開発、提
供する。
4.無事故、
無災害、
加えて、
地球環境の保全を目指し、
自主的、
積極的な取り組みを行う。
5.公正かつ自由な競争に基づく取引を行う。
6.健康で明るい職場づくりを心がける。
7.一人ひとりが、それぞれの分野において、高度な技術と知識をもったプロフェッ
ショナルになるよう、研鑚していく。
8.株主、取引先、地域社会の方々等、企業をとりまくさまざまな関係者とのコミュ
ニケーションを積極的に行う。
9.国際社会の一員として、
世界各地の文化・慣習を尊重し、
その地域の発展に貢献する。
10. 以上の行動指針に基づく事業活動を通じ、会社の健全な発展に努める。
住友の事業精神や企業行
動憲章を踏まえて、CSR
基本方針を制定しました。
この基本方針のもとで、具
体的な取り組み目標を制
定しCSR活動を実施して
います。
CSR基本方針
住友化学は、これまで世の中になかった新しい有用な技術や製品を生みだし、提供し
つづけることによって、企業価値を向上させ、人々の豊かな暮らしづくりや、私たちの
社会や地球環境が抱える問題の解決に貢献してまいります。
そのためには、当社は経済性の追求、安全・環境・品質保証活動、社会的活動のそれ
ぞれにバランスよく取り組み、また株主、社員、取引先、地域社会の方々等、関係する
あらゆるステークホルダーの皆様の関心に配慮しながら、CSR活動を推進してまいり
ます。これらの取り組みを通じて、社会の持続可能な発展に大きな役割を果たし、同
時に自らも発展を続け、当社が21世紀に目指す姿である
「真のグローバル・ケミカル
カンパニー」
となることを実現したいと思います。
事業活動のあらゆる段階
安全、環境、品質に関する基本方針
において、安全・ 環境・
当社は、住友の事業精神にのっとり、人類生存の基盤を支え、社会の発展に幅広く貢
品 質 に 関して 最 優 先 に
取り組む事項を基本方針
として定め、周知徹底を
図っています。
献する製品を開発、生産、供給することを使命とし、
「安全をすべてに優先させる」こ
とを基本に、
「無事故無災害」、
「顧客重視」、
「社会との共存共栄」を経営の基本理念と
して活動している。
この理念に基づいて、当社は研究開発、生産、物流、販売など事業活動のあらゆる段
階において、安全、環境、品質に関し以下の事項を最優先事項として取り組む。
(1)無事故・無災害の操業を続け、従業員と地域社会の安全を確保する。
(2)原料、中間品、製品の安全性を確認し、従業員、物流関係者、顧客、一般消費者な
どの関係する人々への健康障害を防止する。
(3)顧客が満足しかつ安心して使用できる品質の製品とサービスを提供する。
(4)製品の開発から廃棄に至るまで製品の全生涯にわたり、環境負荷の評価と低減を
行い、環境保護に努める。
全部門、全従業員はこの方針の重要性を認識し、法令および規格を遵守することはも
とより、常に改善に努められたい。
04
三沢工場の概要
三沢工場概要
絵でみる
工場
住友化学三沢
すみ
え
すみ
とも
がく
か
み
とも
か
がく
み
さわ
こう
じょう
住友化学三沢工場って、
どんなところ?
こ う じょう
さわ
しき
ち
ひろ
と う きょう
敷地の広さは東京ドーム
やく
こ
ぶん
の約20個分あるんだ!
の うじょう
農場
りょく ち
緑地
しゅ びょう じ ぎょう
にんにく種苗事業
よ うえ き し せ つ
用役施設
せ いぞ う し せ つ
か んきょう し せ つ
製造施設
環境施設
そう こ
倉庫
かん り
し せつ
管理施設
た い い くか ん
体育館
さくら が い け
桜ケ池
グラウンド
の う じょう
いけ
た い いく か ん
農場や池、体育館や
りょく ち
緑地
グラウンドもあるよ!
すみ
とも
か
がく
み
さわ
こう
じょう
こんなところに住友化学三沢工場
み
さ わ こ う じょう
さ っ ちゅう ざ い
三沢工場では殺虫剤など
のもととなる有効成分(原
体)を作っているんだ。
ゆう こう せ い ぶ ん
たい
つく
げん
い りょう よ う ぼ うちゅうざ い
衣料用防虫剤
よう
ひ
だ
じょう お ん き は つ せ い
よう
むし
(常温揮発性)虫よけ
(タンス用・引き出し用)
えんざ い
くん煙剤
み
さわ
こ う じょう
げん たい
原体
三沢工場
メーカー
か
げん たい
原体は各メーカーで
いろんな製品に使わ
れているよ。
せい ひん
05
と
せ ん こう
蚊取り線香
かく
つか
エアゾール
よう
くび
か
わ
ペット用ノミとりシャンプー・首輪
と
蚊取りリキッド
ごあいさつ
三沢工場概要
住友化学三沢工場は1978年(昭和53年)の操業開始以来、今年で35周年
を迎えることができました。これもひとえに皆様方のひとかたならぬご支援の賜と心
から感謝申し上げます。 引き続き、家庭防疫用・農業用殺虫剤の世界への供給
工場としての役割を担ってまいる所存ですので、よろしくお願い申し上げます。 さて、今日私たちは地球温暖化をはじめとする環境問題や資源・エネルギー・
食糧確保の問題など、数多くの克服すべき課題を抱えるようになっております。 世
界規模で深刻化するこのような問題を解決するために「化学の力」が果たすべき
住友化学株式会社
三沢工場長
河村 憲男
役割と期待は一層大きくなっております。
住友化学では長年培ってきた技術力を生かし、高機能・高品質で信頼性の高い
製品を、環境に優しいかたちで提供することにより、世界的な諸課題の解決に取り
組むと共に、人々の豊かで快適な暮らしの実現に貢献して参りました。
今後も、グローバルな事業展開を通じて、地域社会や行政、幅広いステークホ
ルダーの皆様とも連携しながら、レスポンシブル・ケア(RC)活動を推進していくとと
もに、社会の持続可能な発展に寄与する「サステイナブル・ケミストリー」※の実現
を使命と考え、事業活動を推進いたします。
三沢工場では 「安全を全てに優先させる」との基本理念のもと、無事故・無
災害による安定操業と環境に配慮した工場運営継続を目標とし、皆様により安心・
信頼される工場をめざして参ります。
本レポートは当工場の生産活動を環境や社会とのつながりの視点にたち、昨年
度の実績を中心にまとめたものです。ご一読のうえ、皆様の率直なご意見・ご要
望をお寄せ頂ければ幸いです。 皆様にご指導を頂きながら、今後も改善を重ねて
行く所存です。
※
「サステイナブル・ケミストリー」
化学の力を通じて、人々の生活に有用なものを環境や社会により望ましい形で継続して提供していくという考え方。
三沢工場の主な製品
屋内・屋外で使用する
「家庭用殺虫剤」、
「虫除け樹脂製剤」 等に用いられるピレ
スロイド系薬剤、衣料防虫剤用薬剤、シロ
アリ用薬剤、動物薬用原料などを製造して
います。三沢工場で生産した製品は、各製
剤メーカーにおいて商品化され、皆様の
ご家庭で幅広く使われています。
◦蚊取り線香
家庭用 ◦エアゾール
◦蚊取り器
殺虫剤
(リキッド、
マット・ファン式)
◦薫煙剤
衣料用 ◦押入れ・クローゼット用
防虫剤 ◦タンス用
人・動物用
◦ダニ・ノミ駆除剤
駆除剤
三沢工場製品が使われている商品例
06
レスポンシブル・ケア活動
私たちは、一人ひとりが「安全・環境・品質」を守るという高い
使命感を持ち、
「安全をすべてに優先させる」の基本理念のもと、
RC
レスポンシブル・ケア
(RC)※活動を推進しています。
人に安全で環境にやさしく、より良い品質の製品を安定的に
提供し、地域の皆さまから安心・信頼していただけるように、ま
た工場で働くすべての人々が快適に働けるように、全力を尽く
して参ります。
※レスポンシブル・ケア
(RC)
化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄に至るすべての過程において、安全・環境・健康を確保す
るとともに高い品質の維持・向上を図り、対話を通じて社会からの信頼を深めていく、事業者による自主的な活動です。
三沢工場のレスポンシブル・ケア活動概要
三沢工場では、
「環境保全」
「保安防災」
「労働安全衛生」
「化学品安全」および「品質保証」の分野ごとに目標を設定し
てレスポンシブル・ケア活動に取り組んでいます。
環境保全
労働安全衛生
製品の開発から廃棄までの全ライ
保安防災
「安全をすべてに優先させる」
プラントでの保安事故を未然防
フサイクルにわたり、環境負荷を
を基本理念とし、あらゆる面か
止すると共に自然災害等からプ
低減し、
環境保全に努めています。
ら労働災害ゼロを目指します。
ラントを守り安全を確保します。
エネルギー・資源の一層の効率的利用
と、排ガス
(温室効果ガスを含む)
、排水、
廃棄物といった環境中に排出される一
連の環境負荷物質の発生量低減を目
指し、運転方法の改善、設備・機器効
率の改善、さらにはプロセスの合理化な
どに取り組んでいます。
事故の未然防止、働く人の安全と健康の確保を目指し、設備の改善などに取り組んでいます。
化学品安全
品質保証
原料から製品までの化学品の性
お客様が満足し、かつ安心して
状と取扱方法を明確にし、お客
使用できる品質の製品とサービ
様も含めた全ての取扱者の安全
スを提供いたします。
と健康を守ります。又、輸送時の
事故未然防止に努めます。
科学的な根拠に基づく化学物質の管理
を推進し、リスクの概念に基づく化学品
の適切な管理に積極的に取り組んでい
ます。
07
「製造物責任」の考え方に基づいて多
面的なリスク評価を実施し、対策を講じ
ることで、安全性の高い製品の開発・
製造に努めています。
Responsible Care
三沢工場のマネジメントシステム
RC
三沢工場では、レスポンシブル・ケア活動の実施項目のひとつである「環境保全」を推進するためのツールとし
て環境マネジメントシステム(I
SO14001)を、お客様に安定した品質の製品とサービスをお届けするためのツー
ルとして品質マネジメントシステム(I
SO9001)を取り入れ、PDCAサイクル※を回しながら、環境保全および品
質保証体制の継続的改善を図っています。
※PDCAサイクル…計画
(P
l
an)
を立て、実行
(Do)
し、そのプロセスおよび結果の評価
(Check)
をもとに、改善
(Ac
t
i
on)
を行い、次の計画
(P
l
an)
に生かしていくプロセス。
環境マネジメントシステム
I
( SO14001)
環境に関するマネジメントシステム
の要求事項を規定した国際規格。
品質マネジメントシステム
(ISO9001)
品質に関するマネジメントシステム
の要求事項を規定した国際規格。
認証取得
ISO9001 1994年
ISO14001 1999年
最終更新
2011年11月
三沢工場 品質方針
三沢工場 環境方針
1.「無事故無災害」、「お客様重視」、
「地域社会との共存共栄」
1.「無事故無災害」、「お客様重視」、「社会との共存共栄」 と
という経営の基本理念に則り、 事業活動に伴う環境への影
いう経営の基本理念のもと、世界への防疫薬・農薬供給工
響を認識し、 その評価と低減を行い、 環境保護に努めます。
場としての役割を認識し、製品品質に関する法令・条例・協
2. 環境側面に関係する法令・条例・協定等を順守すると共に、
定等を遵守すると共に、レスポンシブル・ケアの精神に則り、
レスポンシブル ・ ケアの精神に則り、 自主的に環境の汚染予
お客様の信頼と満足を得られる品質の製品を安定的に供給し
防に努めます。
ます。
3. 工程の改善及び操業の安定化等により環境負荷の低減に努
2.
三沢工場は、 お客様の満足とは何かを常に考え改善に努める
めます。また、すべての部門において省エネルギー・省資源
と共に、品質目標と管理計画の設定、実施、定期的見直し、
に努めます。
および社内外の品質監査の受査により、品質管理業務と品
4. 三沢工場は、環境改善への目的 ・ 目標 ・ 計画を設定し、か
質マネジメントシステムの継続的な維持向上に努めます。
つ定期的に見直し、環境の継続的な改善を図るとともに、内
3.品質に関する教育・工場内広報活動を実施し、 全従業員が
部環境監査により、環境マネジメントシステムの維持向上に努
品質方針について理解を深め、品質に関する意識を向上す
めます。
るよう図るとともに、関係会社および協力会社へも理解と協力
5. 環境に関する教育・工場内広報活動を実施し、工場で働く
を要請します。
すべての人が環境方針について理解を深め、環境に関する
この品質方針は、社内外に公表します。
意識を向上するよう図るとともに、工場のために働く関係会社
トピックス
●2011年11月
複合審査に移行
(9001と14001の同時審査)
2013 年 4 月 1 日
住友化学株式会社
三沢工場長
および協力会社の従業員へも環境方針を周知させます。
6. 世界への防疫薬 ・ 農薬供給工場としての役割を認識し、責
任をもって安定的な供給を維持します。また、地域に十分配
慮した工場運営を行うとともに、関係諸官庁、地域住民との
コミュニケーションを図り、地域社会に貢献します。
この環境方針は、社内外に公表します。
●移行による効果
①効率的運用
2013 年 4 月 1 日
住友化学株式会社
三沢工場長
②一元管理
リスク管理への転換
三沢工場では、リスク・クライシス委員会を設置し、リ
従来のリスク管理
新しいリスク管理
スクへの意識浸透、リスクの早期発見と顕在化の未然防
経営層
止を目的に、毎年リスクの抽出・評価を行い、そのリスク
経営層
顕在化防止に向けた対策を講じることにより、包括的に
総務部 製造部
RC部
RCリスク
ているか、またリスクの大きさに応じた軽減のためのコ
リスク一元管理
製造リスク
監査」とは、経営理念の実現や工場を運営するうえで障
害となる課題や問題点が抜けなくリスクとして捉えられ
(事務局)
総務リスク
れ、2012年8月から運用を開始しました。
「リスクベース
RCリスク
具体化するツールとして、
「リスクベース監査」を取り入
製造リスク
このリスク・ クライシス管理におけるリスクをさらに
リスク一管理部門
総務リスク
リスクの低減を図っています。
ントロール策・態勢が適切かどうかを監査する手法です。
今後もこの「リスクベース監査」の浸透およびリスクの
見極め・対処力の向上を図りながら、三沢工場の包括的
なリスク管理体制を維持していきます。
各部門
各部門
部 分 最 適
全 体 最 適
08
環境保全活動[ 水質編 ]
絵でみる
かがく教室
え
みず
わたし
よご
水を汚さないために
しつ
きょう
い
たいせつ
みず
私たちが生きていくために大切な水。
みず
よご
は い す い しょ り ※
こ う じょう
その水を汚さないために工場では排水処理を
環境保全
みず
うみ
もど
したきれいな水を海に戻しています。
よご
みず
みず
は い す い しょ り
よ
※汚れた水をきれいな水にすることを排水処理と呼びます。
じ
こ うじょう
む しょ
事務所
工場
よご
みず
かい
わ
汚れた水を3回に分けて
排水処理
きれいな水にする処理をします。
は い す い しょ り
みず
よご
みず
しょ
り
汚れた水
は いえ き
排液
ね んしょうせ つ び
燃焼設備
さん じ
三次
しょ り
処理
い ち じ しょ り
に
一次処理
じ しょ り
二次処理
フィッシュ
モニター
ルーム
さかな
はい
ぶんせき けい
分析計
すい そう
魚の入った水槽にきれ
いになった水を入れて、
魚の状態を見守ります。
みず
さかな
じょう た い
み
とく べ つ
き
かい
つか
特別な機械を使って
きれいになっている
ことを確認します。
い
まも
かく に ん
は いす いか ん
排水管
かく に ん
みず
きれいになったことが確認できた水を
太平洋(淋代海岸) 太平洋(淋代海岸)へ流します。
たい へ い よう
さ び しろ か い が ん
たい へ い よう
09
さ び しろ か い が ん
なが
Responsible Care
◆ 住友化学の取り組み
住友化学は、水を貴重かつ重要な資源と位置づけ、その効率的な利用の促進に努めています。
(対2000年度比)
全社数値目標 【水使用原単位の改善】2015年度の水使用原単位を9%削減
環境保全
◆ 三沢工場の取り組み
三沢工場では、地下水、温泉水を汲み上げて様々な用途に利用しています。工場内で使用した後の水(排水)は以下
に示す排水処理工程にて汚れを分解・浄化したのち、自然(海)にかえしています。
製造工程から発生する排水は二次処理
(微生物分解)
での処理性に応じて処理系統を分けて処理しています。
(下図参照)
排水処理のしくみ
油水分離・中和
微生物難分解性
排水貯槽
事務所
排液燃焼設備
次工程での障害とならないよう中和および油分を分離し
た後、排水貯槽へ送液します。
微生物での分解性が
悪 い 排 水は、 排 液 燃
焼 設 備( 燃 焼 炎 の 中
に排水を噴霧し有機物
を酸化分解します)で
完全に無害化します。
イメージ図(設備断面)
易分解性
臭気対策:臭気が外へ漏れな
いように貯槽を屋根で覆って
います。
焼却処理
一次 処 理
製造
二次処理
活性汚泥処理※1
有機物分解:微生物による分解処理を行います。排水と
活性汚泥を攪拌・曝気(微生物の活動に必要な空気を吹
き込む)により、排水中の有機物が酸化分解されます。
汚泥沈降:曝気槽で増殖した活性汚泥を沈降分離し、上
澄み液を次工程へ送液します。
曝気槽
三次処理
浮遊物質などの除去
モニタ リ ン グ
水質監視
凝集沈殿槽
※ 1:活性汚泥処理
「活性汚泥」とは、
水中の有機物を吸着、
分解しながら、呼吸・増殖を続ける微
生物の集まりのことです。主としてバク
テリア(細菌類)
、原生動物、後生動物
などから構成されています。この「活
性汚泥」を利用して排水を浄化する手
法を活性汚泥処理と言います。
砂ろ過:装置内に充填した一定粒径の砂の層に通水し微
細の浮遊物質を除去します。
活性炭吸着:排水中の微量な汚濁成分を吸着除去します。
分析計:処理後の排水を各種分析機器で連続監視して
います。
フィシュモニター:魚を入れた水槽に処理後の排水を通 水し、魚の状態監視により綺麗な水となっていることを
確認したのち、海域へ放流しています。
活性炭吸着塔
太平洋(淋代海岸)
放流口
フィッシュモニター
水資源の有効利用
今後の取り組み
▶水使用量の削減
▶効率的な水利用の推進
10
環境保全活動[ 大気編]
絵でみる
かがく教室
え
きょう
くう
き
まも
きれいな空気を守りたい
しつ
はい
き
しょ
り
しょ
り
ぶ つ しょう きゃく
ろ
おも
はい
すい
廃棄物焼却炉では主に排水
はっ せ い
よ
ぶん
お
で い※
環境保全
処理で発生した余分な汚泥を
こ うじょう
しょ
り
か
てい
処理しています。処理の過程
工場
はっ せ い
はい
で発生した排ガスはきれいな
じょう た い
たい
き
だ
状態にして大気へ出します。
みず
よご
ぶ んか い
び せ いぶ つ
あつ
ふ
あま
※水の汚れを分解する微生物の集まりで、
増えすぎて余ったもの
よご
しょう きゃく しょ
よ
ぶん
お
でい
焼却処理
※
余分な汚泥
ど
どろ
こう お ん
も
汚れた泥を高温で燃やし、ダイオキシン
り
ゆう が い ぶっ しつ
はっ せ い
おさ
など有害物質の発生を抑えます。
い じょう
800度以上で
燃やすんだ!
いち
ね ん しょう
ろ
え ん し ん りょく しゅう
しょ
排ガス処理
に
ち
じ
ね ん しょう
ろ
あとねんしょう ろ
(サイクロン)
(後燃焼炉)
けむり
煙じゃないよ!
すい
水やアルカリ水をふきつ
けて、ばいじんや酸性ガ
スなどの大気汚染物質
を取り除きます。
り
そう
遠心力集じん装置 二次燃焼炉
(ロータリーキルン)
みず
はい
じ
一次燃焼炉
も
さん せ い
たい
と
き
お
せ ん ぶっ しつ
のぞ
じ
どう ぶん せき
き
自動分析器
はい
排ガスがきれい
になったかどうか
24時間チェック
します。
じ
きゅう れ い と う
じょ
急冷塔
きゅう しゅう と う
除じん吸収塔
(ベンチュリースクラバー)
ど
い
か
80度以下に
冷やすよ!
ひ
11
えん とつ
煙突
かん
しろ
み
す い じょう
白く見えるのは水 蒸
気 。きれいな 空 気と
水だけが出ています。
き
みず
くう
で
き
Responsible Care
◆ 住友化学の取り組み
住友化学の各工場では、大気汚染防止法の排出基準よりも厳しい基準
(協定基準)
を自治体
(県・市)
と締結しています。
工場ではこれら基準を遵守するためにさらに厳しい自主管理値を設定し、環境負荷の一層の低減に努めています。
全社目標
自主管理基準値
以下の維持・継続
取り組み 大気環境負荷および水域環境負荷の削減など各面での積極的な対策を
推進し、環境パフォーマンスの継続的な改善に向けて取り組んでいます。
概況
環境保全
◆ 三沢工場の取り組み
廃棄物焼却炉における排ガス処理のしくみ
活性汚泥
処理
余剰
汚泥※1
廃油
製造
燃焼設備(ばい煙発生施設)
焼却対象物 : 主に排水処理工程で
発生した余剰汚泥※1
使 用 燃 料 : 製造工程から発生す
る廃油を再利用
ロータリーキルン
(一次燃焼炉)
機能:高温燃焼(800℃以上)
効果:ダイオキシン類※2 抑制
焼却処理工程
貫流ボイラー 役割:蒸気製造
サイクロン
機能:遠心分離
効果:粉じん除去
ロータリーキルン(一次燃焼炉)
後燃焼炉 ( 二次燃焼炉)
機能:高温燃焼 (800℃以上)
効果:完全燃焼、NOx 低減
ダイオキシン 類分解
ガスタービン・コージェネレーションシステム
急冷塔
役割:自家発電、蒸気製造
排ガス処理工程
機能:冷水噴霧
(80℃以下冷却)
効果:SOx、NOx、
ダイオキシン 類再合成抑制
ばいじん※3 除去
ベンチュリースクラバー
機能:高圧冷水噴霧
効果:ばいじん除去
後燃焼炉
急冷塔
ベンチュリースクラバー
白く見えているのは
水蒸気です。
様々な処理によって
排ガスを無害化し、大気
に排出しています。
吸収塔
機能:アルカリ水通水
効果:酸性ガス除去
排液燃焼設備
分析計
※1:余剰汚泥
活性汚泥処理などの生物学的処理にお
いて過剰に増加した汚泥のことを言
い、処理系統での微生物濃度を一定
に調整・維持するために不必要な汚泥
(余剰分)は引き抜かれ処分されます。
※2 :ダイオキシン類
※3 :ばいじん
排ガスに含まれる有害物質
プラスチックやビニールな
どを燃やすと生成される、 の1つで「スス」や「燃え
かす」など、粉のように非
毒性の強い物質のひとつ
常に細かい粒子状の物質
です。ごく微量でも人体に
(微粒子状物質)
です。
重大な影響を与えます。
役割:排水焼却
▶燃焼効率の良い設備の導入
今後の取り組み ▶ばい煙抑制対策
▶良質燃料の選択、転換検討
12
環境保全活動[ 廃棄物編]
絵でみる
かがく教室
え
わたしたちのリサイクル
しつ
きょう
じ
環境保全
いっ ぱ ん はい
き
む しょ
さ ん ぎょう は い
ぶつ
じ
む しょ
き
けん せつ はい
ぶつ
産業廃棄物
一般廃棄物
はい き ぶつ
こ うじょう
(事務所などの廃棄物)
はっせ い
はい き ぶつ
せつび
(工場で発生した廃棄物)
ぶん
き
ぶつ
建設廃棄物
ほ しゅうなど
はっせい
はい き ぶつ
(設備補修等で発生した廃棄物)
べつ
分 別
うめ たて
しょうきゃく
焼却
埋立
リサイクル
はい
灰・
断熱材
あぶら
み
さわ
はい
き
油
こ う じょう
三沢 工 場では
ぶつ
廃 棄 物(ゴミ)
さく げ ん
と
こ う じょう な い
く
しょう きゃく ろ
みながら、発生
ぶつ
せき
てき せ つ
しょ
さい
り
よう
げ ん りょう
セメントの原料として
再利用
さい
り
む
よう
がい
か
さい
てつ
任で適 切に 処
鉄
ステンレス
ブリキ等
り
理しています。
か
こ
こ う じょう
へいきん
(過去3年間の平均)
82%
13
よう
でん ち
など
こ
し
など
りつ
三沢工場のリサイクル率
ねんかん
し
け い こう とう
分別回収してリサイクル
さわ
り
蛍光灯
電池
古紙等
ぶ ん べ つ か い しゅう
み
しょ
無害化の処理を
して再使用
かん
べて工 場 の責
にん
ぶつ
ドラム
缶
した廃棄物はす
こ う じょう
き
うご
ね ん りょう
はっ せ い
き
はい
工場内の廃棄物
焼却炉を動かす
燃料として再利用
の削減に取り組
はい
だん ねつ ざい
かぎ
し
げん
じょう
ず
限りある資源を上手
つか
まわ
じゅん
かん
に 使い 回し( 循 環 )
か ん きょう
まも
環境を守ります。
Responsible Care
◆ 住友化学の取り組み
住友化学は、廃棄物の発生量抑制とその再使用(リユース)および再利用(リサイクル)の推進に向けて数値目標を
掲げ、その確実な達成に努めています。
全社数値目標
(対2000年度比)
【産業廃棄物埋立量】・埋立量を2015年度までに80%削減
・国内全工場の廃棄物発生量に対する埋立量の割合を2015年度までに3%未満
環境保全
◆ 三沢工場の取り組み
三沢工場では、循環型社会の実現に向けて3R(リデュース、リサイクル、リユース)を推進し、廃棄物の削減に
取り組んでいます。工場から発生する廃棄物はすべて工場の責任で処理することを基本とし、新増設・補修工事な
どで発生する建設廃棄物についても三沢工場の廃棄物として責任を持って処理する体制へと変更しました。今後も
引き続き分別徹底によるリサイクルの推進に努めていきます。
産業廃棄物の管理とリサイクル推進
基本姿勢
取組み内容
生産プロセスの変更
❶ 廃棄物の発生抑制
工場で発生する廃棄物は、全て
❷ 工場の責任で適正な処理を行う
2003年度より
廃棄物の管理体制を変更。
❸ 可能な限りリサイクルを実施
新増設・補修工事等から発生する建設廃棄物
を工場が責任を持って処理する体制へ変更。
リサイクル例
副生油
内部燃料化(サーマルリサイクル)
廃 酸
リユース(中和剤等)
焼却灰
リサイクル(セメント原料)
内部処理(無害化)
リサイクル
分別回収
リユース
蛍光灯・電池
分別回収
リサイクル
古 紙
分別回収
廃ドラム缶
裁断
リサイクル
産業廃棄物管理票(マニフェスト)の電子化推進
事業者が産業廃棄物を外部に委託する場合、産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)または電子情報を活用する「電子マニフェスト」
の使用が法律で義務付けられています。
当社はマニフェストに関する事務効率化、コンプライアンス徹底、さらにはデータの透明性といった観点から、マニフェストの電
子化を推進しています。
14
Responsible Care
省エネルギー・CO 2 排出量削減活動
◆ 住友化学の取り組み
住友化学は低炭素社会および循環型社会の早期実現に向けて、一層の省エネルギーおよびCO2 (二酸化炭素) 排出
削減に向けて数値目標を掲げ、その確実な達成に努めています。また、CO2排出量などは発生源別に正確に把握するこ
とで、改善点を明確にするとともに全般的な管理向上につなげています。
環境保全
【省エネルギー】
全 社
数値目標
エネルギー消費原単位を2015年度までに10%改善(対2005年度比)
【 CO2 排出 】
エネルギー起源CO2 排出原単位を2020年度までに15%改善(対2005年度比)
◆ 三沢工場の取り組み
三沢工場では、全社目標を達成するために省エネ推進部会を設置し、省エネルギー・CO2排出削減に取り組んで
います。また、省エネルギー・CO2 排出削減の取り組みは、製造部門に限らず、事務・間接部門においても取り組
んでいます。
省エネ推進部会
活動内容
具体的な取組み事項の検討・対策立案
活動計画の進捗管理
・ 省エネ意識高揚
・
・
製造部門の省エネ対策
製造部門における省エネ対策については、
事務・間接部門における省エネ対策は、省エネ意識向上と啓
前年度消費エネルギー(原油換算)の1%改善
蒙活動を中心に実施しており、不要な照明の消灯は習慣化され
を年度目標として設定し、計画的に改善諸施策
継続しています。
に取り組んでいます。
また省資源対策としては、2012年度より
「オフィス・メタボバ
活動実施例
スターズ(OMB)」
と称して、各部署における事務、事務機器等に
❶プロセス合理化によるエネルギー使用量削減
ています。
❹両面印刷、印刷物モノクロ化の推進
(OMB活動の一環)
E
RS
❸使用済みコピー用紙回収リサイクル
IC
▶ ③、④はDATA BOOK p7-8参照
❷省エネタイプの事務機器の導入
OFF
❹蒸気配管断熱改善による放熱ロス削減
❶離席時と昼休み時間の照明消灯
ME
TE
❸地熱利用による融雪
要です
か
に必
当
活動実施例
?
削減
まつわるムリ・ムダ・ムラの徹底排除に取り組む活動を展開し
本
❷高効率型設備導入によるエネルギー使用量
15
事務・間接部門の省エネ対策
U
TABO B
S
Responsible Care
化学品安全管理
◆ 住友化学の取り組み
化学物質管理とリスクコミュニケーション
国際的な化学物質管理強化の動きを受け、
「エコ・ファーストの約束」の中で、当社が年間1トン以上製造あるいは販
売している全製品について、2020年度までに適切なリスク評価を実施することを約束しました。
リスク評価では、化学物質の「危険・有害性(ハザード)」と、
「人や環境への曝露(取扱量や用途など)」の両面から、
化学物質の全ライフサイクルにおける人や環境に対する影響について評価を行います。
リスク評価の結果は、その物質を取扱い・使用する際の、適正なリスク管理(リスク削減、リスク対応)に活用する
とともに、安全な取扱いに関する概要として分かりやすく文書にまとめ(「GPS/JIPS安全性要約書」)、ICCAのウェブ
ページ上で、広く一般社会に向けて公開していきます。
化学品安全
◆ 三沢工場の取り組み
化学物質の大気中濃度の把握(自主管理測定)
三沢工場では、大気汚染防止法に基づく
「有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質:248物質」、
PRTR法「第
1種指定化学物質:462物質」および日本化学工業協会PRTR対象物質の中から、
『工場で使用している物質で長期曝
露により人の健康を損なう恐れのある物質』※を対象に調査しています。
工場の排出実態を正しく把握し今後の管理に役立てるため、自主的に測定しています。
※…トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
メチルイソブチルケトン、
メタノール、ピリジン、
トリエチルアミン、,塩化アリル、アセトン、酢酸エチル、モルホリン=11物質
検査、研究部門での化学物質(薬品)の管理
工場で生産した製品の検査部門や製造プロセス
接触による破損防止対策を行っています。
の合理化等の研究部門では、多くの薬品を取り扱っ
また、薬品等の取り扱いにおいては、局所排気装置
ています。取り扱う薬品は、全てリスト化し、使用量
(ドラフト)内での作業を徹底し、作業者の健康保護に
や在庫量などの管理を行うとともに、地震に対する
努めるとともに、局所排気装置(ドラフト)からの排気
安全対策として薬品保管棚の固定や棚内での転倒・
は除害設備等で処理した後、大気に排出しています。
薬品保管棚
循環無害化装置
(カプトエア)
局所排気装置
(ドラフト)
16
Responsible Care
労働安全衛生
◆ 住友化学の取り組み
住友化学は、
安全衛生の管理システムでPDCAを回すことに
全社安全の日の制定、運用
よって安全を確保するとともに、
「安全をすべてに優先させる」
全社で一斉に安全を考える日として、2011年度から、
という理念を全従業員が徹底するための「安全文化の深化」に
毎月第1月曜日を
「全社安全の日」
として設定しました。
取り組んでいます。
「全社安全の日」には、全事業所において全従業員が安
住友化学における安全文化とは、
『
「安全をすべてに優先
全に関する活動や行事を優先して行うこととし、事業
させる」という人間尊重の理念をベースとして、すべての組織
所長やラインの長の出張を伴う会議を原則として計画
せず、可能な限りこの日に事業場安全衛生委員会、職
(職場)、すべての個人(従業員)がその理念の重要性を正しく
認識し、それを基点として考え、自律的に行動する文化』
です。
場安全会議を開催することとしました。
◆ 三沢工場の取り組み
PDCAサイクルを利用した
安全衛生活動
安全衛生管理組織
RC委員会
労働安全衛生
三沢工場では、
「安全をすべてに優先さ
総括安全衛生管理者
(工場長)
せる」という基本理念に基づき、労働災害
ゼロを目指した取り組みを行っています。
リスクアセスメントを活用した年度方針、
総括安全衛生管理者代理者
(RC部長)
目標設定と活動計画(P)、実施・運用(D)、
点検・改善(C)、システム見直し
(A)を一連
のサイクルとする継続的な安全衛生活動
安全衛生委員会
安全衛生委員長
(RC部長)
を展開しています。
安全管理者
また、事故・ 災害のない工場作りには、
産業医
従業員
(労働組合)
衛生管理者
従業員や協力会社社員が心身共に健康で、
安心して働ける快適な職場環境作りが重
要です。当工場では、安全衛生管理組織の
安全衛生技術指導員
様々な活動を通じて、安全で快適な職場作
安全衛生推進員
りに日々取り組んでいます。
RC 委員会
安全衛生管理に関する重要事項の審査
安全衛生委員会
安全衛生施策の労働組合への諮問、苦情処理
安全衛生推進会議
工場の安全衛生施策の点検・審査
安全衛生協議会
協力会社への安全指導・支援(工場と同レベル)
安全衛生推進会議
安全衛生協議会
従業員の健康管理
作業環境の把握
従業員が健康面や病気に関していつでも相談が行える様、
三沢工場では、法令に基づき定期的に作業環境測定を実施
保健師が診療室に常駐しています。日頃の健康管理について
し、従業員の職業性疾患予防と快適な作業環境確保に努め
は、月に1度、保健師が直接各職場を巡回して血圧・体脂肪
ています。
測定などを行い、一人ひとりに適切なアドバイスをしたり、相
作業環境中に有害な因子(有機溶剤など人に対して有害な
談を受け付けています。
化学物質) がどの程
また、産業医が来場する際には、社員本人と直接面談し、
メ
度存在し、労働者がど
ンタル面も併せて自分の健康や病気について相談したり指
の程度さらされてい
導を受ける事ができます。更には、全国衛生週間の取り組み
るかを科学的に測定
のひとつとして、
『健康教室』を開催しています。主に生活習
し、 その結果に基づ
慣病予防のための食生活や効果的な運動などについて講話
いて、 設備改善や作
や実技を行い、自分自身の生活習慣を見直すきっかけになる
業方法の改善を行い、
と共に、今後の健康維持管理にとても役立っています。
労働者の健康障害の
防止に努めています。
作業環境測定
17
協力会社
Responsible Care
保安防災
◆ 住友化学の取り組み
住友化学は、すべての人の安全を最優先に考えた、万全な保
❶
安防災体制の構築を進めています。保安防災管理の最大の使
新規プロセスの
評価
命は、プロセスの安全性と設備の健全性を確保してプラントで
の保安事故を未然防止するとともに、自然災害等からプラント
を守ることで、従業員と地域社会の安全・安心を確保すること
プロセスの安全に関する
情報の収集・整備
です。そのためにプラントのリスク評価を徹底し、安全対策の
継続的強化や自主保安管理体制の充実を図っています。
❷
既存プロセスの
定期的レビュー
プロセスの安全管理
プロセス危険性評価
プロセス安全検討会議
運転前の安全審査
住友化学は、 新規プロセスの研究開発からプラントの設計・建設
❸
変更の管理
運転
を経て運転・維持、さらには廃棄に至るまで、製品開発・工業化の各
ステージにおける安全性の評価を行い、環境への配慮と無事故・無
災害の継続に努めています。
(右図参照)
◆ 三沢工場の取り組み
保安防災体制
保安防災
三沢工場では、プラントの事故を未然に防止するとともに、万一事故
が発生した場合、化学消防車等の各種設備によって被害を最小限に食
い止めるための保安防災体制の充実を図っています。
緊急事態に備え、緊急処置や汚染の拡大防止措置を的確に行えるよ
う定期的に手順書に基づいた総合防災訓練を実施しています。
各種訓練は、夜間や冬季などリスクアセスメントを実施した上で行っ
ており、火災を想定した訓練では被災者の救助訓練や工場周辺地域へ
の広報訓練なども行っています。
三沢市消防署との合同防災訓練
自然災害(地震・台風・大雪等)への備え
三沢工場では、自然災害(地震・台風・大雪など)に対し、被害を最少限に防ぐための措置や、万一被害が発生した
場合の緊急時措置などを手順化し、定期的に訓練を行っています。 また実際に地震等が発生した場合には、構内放
送で一斉連絡し、それぞれの事態に応じた措置を実施します。
設備
対応
地 震
建物の耐震補強、地震計設置、自動放送(震度,対応指示)
設備・備品等の転倒防止対策
強 風
高所作業等の中止指示、物品飛散防止対策
停 電
非常用発電機、UPS(無瞬断電源供給装置)、自動放送(対応指示)
大 雨
調整池(一時的豪雨の雨水貯留施設)、系統ごとの排水路整備
積 雪
【設備】耐荷重設計 【配管】断熱保温材 【人】融雪道路
融雪道路
18
Responsible Care
品質保証
◆ 住友化学の取り組み
製品のリスク評価
住友化学では、
「安全、環境、品質に関する基本方針」の下、お客様が満足し、かつ安心して使用できる品質の製品と
サービスを提供することに努めています。開発、製造、物流、使用、廃棄の全ライフサイクルにわたる製品安全に関す
る社内の具体的な取り組み事項を定め、各段階で法規制を順守するだけでなく、
「製造物責任」の考え方に基づいて多
面的なリスク評価を実施し、対策を講じることで安全性の高い製品の開発・製造に努めています。
お客様とのコミュニケーション
住友化学では、お客様が安全に当社製品を取り扱っていただくために、製品の安全性に関して自ら試験を実施する
とともに、一般に公開されている安全性についてのデータを調査し、その結果を、安全データシート
(SDS)
として、お
客様にお渡ししています。
特に取り扱い上の注意が必要な製品については、輸送途上での緊急事態に対応するため、SDSを簡略化した「イエ
ローカード」を作成して物流関係者へお渡ししています。
◆ 三沢工場の取り組み
安定した品質の製品とサービスの提供
三沢工場では、お客様に安定した品質の製品とサービスの提供を目指し、品質保証体制の強化に努めています。
お客様からの当工場製品への品質に関するお問い合わせ、ご要望、苦情等は、品質保証担当が情報整理・分析し、
製品ごとに確実な再発防止に向けた取り組みを行っています。
品質保証
また、お客様から得た様々な情報を工場内各部門で共有し、品質マネジメントシステム(ISO9001)の活用により、
組織的に品質保証活動を展開しています。
品質マネジメントシステムを活用した継続的改善
情報の流れ
経営者の責任
顧客
顧客
測定、分析
及び改善
資源の運用
管理
要求事項
インプット
価値を付加する活動
製品実現
製品
情報の流れ
分析室
(ガスクロマトグラフィー)
満足
アウトプット
情報の流れ
分析室
(液体クロマトグラフィー)
19
地域社会とともに
◆ 三沢工場の取り組み
地域社会への貢献活動
三沢工場では、日々の情報開示と地域の皆様とのコミュニケーション、未来を担う子供たちの育成を目的として、地
域のニーズにあわせた様々な活動に取り組んでいます。
当工場の活動を正しく理解していただくとともに、地域の皆さまとの良好な関係を築きながら、より一層親しまれる
工場づくりを目指し努力して参ります。
活動内容
◎工場見学 ◎地域環境美化活動 ・工場周辺の清掃活動
◎地域イベントへの参加・協力 ・花いっぱい運動の実施
・三沢まつり流し踊りへの参加
◎小・中学校への出前授業の提供
・化学実験教室の開催 ◎各種スポーツ大会への支援
・少年野球
・ジュニアアイスホッケー
・小学生バレーボール
・国際車いすテニス
周辺地域の生活環境保全
騒音・振動・臭気対策 土壌・地下水汚染の防止[観測井戸での水質調査]
三沢工場は、市民の皆さまの居住区域から離れた場所に立
三沢工場では、製造設備周辺に降った雨水は機械油などで
地していますが、工場周辺には農地があり、そこで作業され
る方々の作業環境保全を目的に、法規制区域外ですが、公害
防止協定で騒音・振動についての基準を定めています。
当工場では、日頃から騒音・振動、さらには臭気について
も様々な対策を実施するとともに、定期的な測定を行いなが
ら良好な生活環境の維持に努めております。
当工場の活動を正しく理解していただくとともに、地域の
場づくりを目指し努力して参ります。
量集水して排水処理設備で処理しています。また、構内道路
に降った雨水も同様に集水し、水質監視を行いながら放流し
ています。
このように土壌・地下水汚染対策には細心の注意を払って
いますが、排水貯槽の底部など通常では監視が難しい箇所か
ら汚水等が滲み出すなどのトラブルも想定されます。このよ
うなトラブルを早期に検知し迅速な対応を図るため、工場内
地域貢献
皆さまとの良好な関係を築きながら、より一層親しまれる工
汚れている可能性があるため、周囲を舗装し導水管により全
の要所に観測井戸を設置し、定期的な水質調査を行い問題が
ない事を確認しています。
20
国内拠点
三沢工場
1949年、除虫菊に含まれる殺虫成分の類縁化合物ピレスロイドを工業的に合
成する技術を確立、旧酉島工場
(大阪府)
に
「ピナミンⓇ
」
の製造設備を建設しました。
その後の需要拡大に対応するため、1978年、青森県三沢市で新工場の操業を
開始。以来、三沢工場は、家庭用、防疫用、農業用など、幅広いピレスロイド系
殺虫剤を、世界各国に輸出する供給拠点として、重要な役割を担っています。
1977年 三沢工場全景
(建設当時)
三沢工場
筑波開発研究所
先端材料探索研究所
名古屋支店
健康・農業関連事業研究所
東京本社
岐阜プラント
大阪本社
岡山プラント
福岡支店
1998年 三沢工場全景
千葉工場
石油化学品研究所
工業化技術研究所(千葉)
大分工場
大阪工場
工業化技術研究所(大阪)
生物環境科学研究所
基礎化学品研究所(大阪)
森
北青
至上
工業化技術研究所(愛媛)
情報電子化学品研究所(大阪)
基礎化学品研究所(愛媛)
小田内沼
やすらぎ荘
郵便局
三沢空港
桂温泉
三沢基地
(正面ゲート)
道
郵便局
GS GS
三沢市役所
至 八戸
至 下田・八戸
第 2みちのく
三沢製作所
JA三沢
岡三沢温泉
338
至八戸
和田市
至十
駅
三沢
古牧温泉
木崎野温泉
マクドナルド
サークル K
アイスアリーナ
森鉄
青い
21
淋代
住友化学
三沢工場
森
至青
国内拠点
三沢空港からタクシー利用12分
JR三沢駅からタクシー利用20分
やすらぎ苑
市民の森
情報電子化学品研究所(愛媛)
アクセスマップ
斗南藩
記念観光村
駐車帯
生産安全基盤センター(愛媛)
寺山修司記念館
歴史民族資料館
至 六ケ所むつ
有機合成研究所
大江工場
湖水浴場
小川原湖
愛媛工場
な 明日へ。
住 友 化 学 CSRレ ポ ート http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/report/
事業所版 環境・安全レポート http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/report/facilities_report.html
22
環境・安全レポート
三沢工場のレスポンシブル・ケア活動
発行日:2013年8月
編集・発行:住友化学株式会社 三沢工場
〒033-0022 青森県三沢市大字三沢字淋代平
http:// www.sumitomo- chem.co.jp /
ご意見・お問い合せがありましたら下記までご連絡ください。
三沢工場 総務部(総務チーム)
TEL.0176-54-2111 FAX.0176-54-2163
事業所版 環境・安全レポート http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/report/facilities_report.html
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