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フィルムの統一基準制定など SC全体で状況改善を目指す
第1回コンバーティングの明日を考える会②・最終回 フィルムの統一基準制定など SC全体で状況改善を目指す コンバーティングの明日を考える会(田口 薫委員長、事務局:関東グラビア協 同組合、TEL.03-3622-1895)は、平成25年6月13日(木)午後1時半より、東京・す みだリバーサイドホールにおいて280名を集め、第1回セミナー「サスティナブルな 業界を目指して−良い職場環境と適正品質で安心安全なもの作り」を開催しました。 即現場対応を主眼に、産業医の立場からの作業環境、公正取引委員会から優越的地 位の濫用等の解説、フィルム品質の改善の提案、今後の電力需給など、幅広いテー マが取り上げられました。最終回の今回は、東包印刷の高橋昌男氏、東京加工紙の 原宗彦氏の講演を紹介します。 フィルムメーカー及び顧客を含めた いったクレームが発生すれば、我々もそれを不良 サプライチェーンへの提案と理解 として管理強化を行っていきます。 最近クレームになったものを見ると、シール部 昨今、食品業界が置か に異物が挟まっているもので大きさは約 れている厳しい社会情勢 0.15mm、背貼りシール部の印刷のピンホールで の中で、包装容器の品質 大きさは約0.15mm など。印刷のピンホールに 要求が年々高まっている ついては、我々は認識していましたが、これくら 状況です。微細なもので いは背貼りの位置だし大丈夫かなと思い、出荷し も、お客様の目に留まれ たところクレームになってしまいました。 その他、非常に薄いドクター線や、異物混入の ば NG と判断されます。 製品回収や返品、検品な ど、多大なコストが我々の 32 関東グラビア協同組合 東包印刷㈱ 品質管理部 高橋昌男部長 原因となる抜きのカス、光を斜めから当てること でなんとか目視で確認できる非常に薄い摺傷、印 重荷になっています。このような負荷がかからな 刷不良、網点が何個か抜けたようなインキ抜けな いように、各社欠点検出機等の設備を駆使して不 どがクレームとなっています。 良の流出を防いでいます。 従来はクレームではなかったレベルのものも異 お客様との間に品質に関する基準を定めても、 常報告として上がってきています。このように微 その基準とは関係なく、お客様の判断基準で OK 細なものまで NG とされる中で管理強化を行い、 / NG が判断される場合があります。結局、お客 現場で目を皿のようにして検品したり、欠点検出 様の現場で「これは異常じゃないか」となれば、 機の感度を上げたりすると、様々なものが検出さ クレームとして報告が上がってくる状況です。そ れます。フィルムメーカーでは良品とされていて れがお客様にクレームと認識されれば、今後同じ も、お客様の要求レベルでは除去しなくてはいけ ものが見つかればまたクレームとなります。そう ない状況です。我々の品質管理も過剰がちになっ GPJAPAN 2013.10 てきています。その結果、生産性ダウン、廃棄ロ うことでした。ただ、曖昧なまま出荷はできない スが我々の利益を圧迫する状況です。 ので目視による確認工程は必ず発生し、検品負荷 弊社の検品者に、どの程度のものを除去してい は非常に大きいです。ゲル、フィッシュアイが透 るのかサンプルをもらいましたが、0.1∼0.2mm 明でも多発すると、検品機は非常に多くの画像デ の有色のものは目立つ場所にあれば除去していま ータを取りますが、本来除去しなければいけない す。私はこれを見て、結構厳しいなと感じました。 異物を見逃してしまうリスクも高まっているかな 現場が品質管理より甘い基準だと、どんどん不良 と思います。品質要求が厳しすぎて適正な管理が が流れていってしまうので、これはこれでいいの しにくくなっているのかなと思います。 かなと思いましたが、厳しすぎるものに関しては 無地のラミフィルムを検品して、除去した不良 是正していかなくてはいけないと思いました。 を要因別にまとめたものを見ると、例えば4万 m ゲルについては、基本的にフィルムメーカーさ のフィルムに、つなぎをゲルやごみで27回、繊 んでは透明ゲルは良品とされていることが多いで 維状の異物で7回入れています。ゲル、ごみで除 す。有色部分が0.08mm 程度しかなく、一般的 去していることが非常に多いです。フィルム起因 にはフィルムメーカーさんでは良品とされている と考えられるものが大きな割合を占めている傾向 レベルだと思いますが、我々では弾かざるを得ま が掴めます。ごみ、ゲルならその場所を除去すれ せん。 ばいいので、そんなにロスがないと思われるかも 繊維状の異物をラミネートしたものは20μ m しれませんが、50m、100m 間隔でゲルが出れば、 程度で、空気中の異物、塵、埃くらいのものです あまり短い間隔でつなぎは入れられず、まとめて が、こういったものをラミしてしまうと周りが浮 除去するので、フィルムロスも多く出ています。 いてサイズ0.3mm くらいの不良になってしまう 去年発行された工程異常報告書を見ると、異常 ので、除去しています。フィルムメーカーさんの 報告が192件。そのうちフィルム関係の異常が約 品質基準と我々コンバーターが実際に要求されて 100件。内容はたるみが一番多かったですが、異 いる品質はマッチしていません。現状ではフィル 物抜け、異物混入も多かったです。100件しかな ムメーカーさんの不良もコンバーターが除去して いと思うかもしれませんが、工程異常報告書が発 製品化しています。 行されるのは大きなトラブルが発生したときなの 欠点検出機の感度を上げていくと、いろいろな で、これは氷山の一角だと思っています。 ものを検出します。透明ゲルも沢山検出します。 異物関係の問題は当然原材料付近だけではなく、 ゲルは透明か有色かの判断が非常に難しく、我々 製造工程上でも入ることがあるので、我々もダク が苦慮しているところです。有色の場合は目視で トの中の清掃など、管理強化を行っています。ラ 確認しますが、それによる検品の負担も増えてい ミネーターのダクトの掃除で採取した異物を分析 るのではないでしょうか。フィルムメーカーさん して、こういった所にはどういう異物が入るのか の基準は少し甘いのかなと思っています。 など、赤外分光法による元素分析を行ったり、混 弊社の欠点検出機で検知した画像を見ると、 入のリスクを低減できるように管理しています。 16個のうち2個が有色、あとは透明。私では画像 コンバーターは異物に対して様々に取り組んで 判断は難しいですが、オペレーターに確認したと いますが、限界が来ています。ロスの発生原因が ころ、ぎりぎり有色か無色が判断できるかなとい 必ずしも自社の生産工程にあるとは限らないので、 GPJAPAN 2013.10 33 34 単独企業での取り組みでは限界があると思います。 で管理しているのか、合否基準、製膜工程、仕上 製品のライフサイクル全体での最適化、効率化を げ工程ではどのように管理しているのかなど、問 実現するための摺り合わせがサプライチェーン い合わせたことがあります。各メーカーさんの回 (SC)の企業間で必要な状況に置かれているので 答は様々でした。ただ、我々が今考えている基準 はないかと考えました。原材料メーカー、コンバ と比べると、やや甘いという状況でした。 ーター、顧客の SC 単位、業界単位で取り組むこ あまり品質の良くないフィルムを欠点検出機に とで製品ロスや返品費用、廃棄費用など、利益を 掛け、取った異物のサイズを7種類に区分けして、 圧迫する状況改善を目指すことが大きな目的にな 各ロールに平均何個ずつ入っているかを見ると、 っています。 1mm 未満のものは急激に個数が増えています。 コンバーター業界では、フィルムの品質以上の まだフィルムに改善の余地があるのではないでし 品質を保証することは難しいと思います。原材料 ょうか。原材料の品質レベルを現状認識してもら の品質向上はフィルムメーカーさんの協力がない うことが必要だと思い、個別に来社していただい とできないことなので、協力を依頼して品質レベ た際に、こういったものがクレームになっていま ルを上げる話をさせていただいています。基本的 すよとサンプルを見ていただきます。また、印刷 に我々は、フィルムにインキを塗る、フィルムを をする上で高さのあるものはインキ抜けとなり得 貼り合わせる、フィルムを切り分ける、シールす るので、高さ等の管理も必要ではないかなど、今 るという、組み立て作業を行っているようなもの の品質基準にないところも指摘させていただいて なので、素材の品質以上の品質を補償することは、 います。その中で、フィルムメーカーさんも日々 やはりリスクが高いと思います。そういった意味 改善を重ねているとの説明をいただきました。実 で、素材の品質向上は必須ではないかと思います。 際ここ2、3年は、過去5、6年のものと比べると 以前、各フィルムメーカーさんに異物やゲル、 品質レベルも上がっていると感じています。ただ、 フィッシュアイ、汚れなどに関して、欠点検出機 我々がお客様から求められている品質にまでは達 GPJAPAN 2013.10 していませんので、素材の品質向上をという話は うので、これくらいのものは認めていただかない しています。今このくらいやってくれと指摘した と厳しいと話しています。なかなか理解を得られ からといって、明日からすぐ品質が上がるという ないお客様もいれば、理解の上、使用していただ ことではありません。 けるお客様もいます。 フィルム上に問題があって原因対策を出してほ こうした訴求活動は随時行っており、様々な不 しいと求めても、ミスの報告よりも現象面の説明 良サンプル、何 mm のゲルなどをお客様に持ち を受けることが多いです。これは、フィルムの特 込んで判定してもらいます。いくつかマルになっ 性や製造工程などに起因する問題が多いことを示 たものもありますが、それでも厳しいです。一度 唆するのかなと思います。そういった問題は程度 理解を得られると同様のものに対してクレームは に差はありますが、各メーカーで発生しているの ほぼなくなります。理解が得られないと、厳しい で、我々がフィルムレベルを上げてくれといった 管理の中で生産しなくてはいけませんが、どうし ところで、すぐ解決するのは難しいと思います。 ても流出のリスクは残ると思います。そういった 素材の改善でお客様の要求レベルを満たせない 中で生産していくと、再発クレームも発生するの のであれば、機能性に問題がないことを理解して ではないでしょうか。お客様へは、容器包装の品 使用してもらいたいと感じます。お客様を巻き込 質に関して適切な感覚を訴求していかなくてはい んで取り組みをしないと目的の改善は難しいと考 けないのかなと考えています。我々がこのくらい えました。 のたるみ、ゲルはしょうがないと対応することが お客様でもやや過剰品質になってきているのか あると思いますが、同じような感覚をもってもら なという事例もあります。例えば最近のクレーム えればと思います。 では、「不良が混入しているから、大至急検品し クレームの際、フィルムの品質を基準に説明し て不良の混入していないものをすぐ納品してくれ」 ていくと、フィルムによって基準が様々なため、 との連絡がありましたので、「今からすぐ検品し アイテムによって説明に差が出てしまうことがあ ますので、検品を確実化したいので不良の写真を ります。例えば、弊社の例では、ポリエチレンに 撮ってメールしてほしい」とお伝えしたところ、 印刷する製品でどうしてもゲルやフィッシュアイ お客様より「カメラでは写らない不良だから」と によるインキ抜けが発生してしまい、その指摘を いう回答がありました。最近のカメラは高性能で 受けますが、「こういうフィルムなのでインキ抜 すので、写せないレベルとはいささか厳しいので けが多少出てしまいます」といった説明をします。 はないかと思いました。こうした過剰気味の品質 「他のアイテムでは出ていない」と言われること を是正していけば、お客様にとっても我々にとっ もありますが、それは同じような印刷でも OPP ても大きなメリットになると思います。 やナイロンに印刷するからです。フィルムが違え 今までお客様で不良と判定されたものでも、フ ば、管理できるレベルに差が出てきます。「こち ィルムメーカーで規格内のものは、お客様に説明 らはこの基準で管理するけど、こちらだと少し厳 して許容して使用して下さいとアナウンスしてい しいです」と説明しますが、これはお客様には分 ました。当然、フィルムメーカーの問題であれば、 かりにくいのかなと思い、統一基準の制定を考え 規格や基準を基に説明しますが、このフィルムで てみました。フィルムとしての統一基準であれば、 あれば1,000m に1mm のものが何個入ってしま すべてのアイテムでその基準を基に説明ができて、 GPJAPAN 2013.10 35 36 同じ基準でコンバーターがお客様に説明できるの こういった活動に理解を示してくれる賛同者を で理解しやすくなります。フィルム品質に対して どれだけ集められるかだと思っています。やはり 正しい認識を持ってもらうことで、過剰品質を抑 一企業単位で対応するには非常に厳しい状況なの 制し、適正な管理ができるようになると期待でき で、業界一丸となる形がベストだと思います。今 ます。 回はこういった趣旨に共感していただける、参加 統一基準は、フィルムメーカーさんに投げかけ していただけるコンバーターさんが多く出てくれ ているところです。難色を示されているところも ばいいかなと思い、この場を使わせていただきま ありますが、コンバーターとしてはメリットとな した。 るので、様々な取り組みができないか検討してい まず、コンバーター業界への呼びかけ、フィル る最中です。 ムメーカーさんへの協力要請から始めています。 訴求方法は、我々の説明だけで理解してもらう 5月16日に大手コンバーターさん、全グラさん、 のは難しいです。我々の会社はあまり大きな会社 フィルムメーカーさん、フィルム代理店さん等に ではないので、説明に行っても、「他社はそんな 集まっていただき、協力を呼びかけました。難し こと言ってないよ」などと言われることがありま い問題なので、今後も継続して議論していく必要 す。我々コンバーターの営業に、フィルムメーカ がありますが、得意先の要求と現在のフィルムメ ーの品質管理さんなどが同行して説明していただ ーカーの管理基準に乖離があることに対しては、 ければ、お客様の捉え方も変わってくると思いま 概ね共通認識が得られたと思います。また、サン す。そこで、フィルムメーカーさんに話したとこ プル等を持ち寄って、基準の差を埋め合わせてい ろ、協力いただけるとの回答が概ね多かったです。 くべきとの意見が出ています。 ただし、コンバーターの方にはフィルムメーカー こうした活動の効果として、フィルム品質に対 に責任転嫁しているように受け止められることも して正しい認識を持ってもらい、過剰品質を抑制 あります。 して適正管理ができるようになります。不良率が GPJAPAN 2013.10 低減することで、生産工程からの廃棄ロス削減、 ています。単独で動いても大きな力は出ませんの 資源生産性が改善され、省資源とコストダウンの で、皆さんに協力をお願いさせていただく次第で 推進が可能になると言えます。弊社のマテリアル す。 フローコスト会計での例では、年間数億円近い資 源を捨てている計算になります。これらが改善さ グリーンプリンティング認定取得にあたって れることで、大幅なコストダウンが期待できるの ではないでしょうか。 弊社は今年3月にグリ 5月29日の環境省のホームページで「第3次循 ー ン プ リ ン ティ ン グ 環型社会形成推進基本計画の策定に関する中央環 (GP)認定工場となりま 境審議会の答申について」では、資源生産性の向 した。1923年(大正12 上が目標とされています。また、基本的方向とし 年 )創 業、今 年 10 月 に て、リデュース・リユースの取り組みがより進む 90周年を迎える企業で 社会経済システムの構築が明記されています。今 す。グラビア印刷を中心 回紹介した取り組みを進めることは、側面で環境 に、創業当初から蝋引き 問題に対する取り組みとすることができます。 紙の加工、ドライラミネー 食品廃棄ロスなどのニュースを聞いたことがあ ト、水性フレキソ印刷、スリットなどを行ってお ると思いますが、賞味期限前の食品でも店頭から り、たばこ、キャラメル、パン、石鹸などの包材 撤去されて廃棄されてしまう。一消費者としては、 を手掛けています。本社は東京の浜松町、工場は もったいないなと感じますが、賞味期限が長いも 茨城県の牛久市にあります。 のを選んでしまう傾向はあると思います。ただ、 2012年11月から、GP 認定に向けて取り組み こうしたことを消費者もある程度理解していくこ を始め、今年3月に認証をいただきました。当社 とで改善していかなければいけません。これとフ がこれまで取得したその他の主な認証は、01年 ィルムも同じだと思います。機能性に問題がなけ に ISO9001、04年にソニーのグリーンパートナ れば、ある程度使ってもらえるように仕向けてい ー、06年に森林 COC 認証、08年に ISO14001 くべきではないでしょうか。 を取得しています。これまで取得したものの多く このプロジェクトは、業界、会社の垣根を越え は、取引会社様からの要望で、会社が完全一体と なければ実現できない難しい活動だと思っていま なって取得にあたっていました。管理職以上の者 す。ただし、達成できれば大きなメリットが生ま を中心に委員会を立ち上げ、これを中心にマニュ れると考えていますので、業界が持続的に健全な アルや規定、その他の策定を行い、それを現場に 発展をするためには必要なことだと思います。こ 当てはめていました。現場からすれば会社で決ま ういった共通認識を持って、お客様に訴求してい ったことだからとりあえず守らなくてはいけない、 かなくてはいけない時期に来ているのかなと考え ISO だから、内容は分からないけどとりあえず従 ています。包装業界の未来と考えると、10年後、 わなくてはいけないという、やらされている感が 20年後、このままだとつらいなと思います。何 強かったと私は感じていました。そこで、モチベ かアクションを起こさなければ変わりませんし、 ーション向上のために作業者全員が自ら進んで取 大変なことですが、何かしていかなければと思っ り組める制度として、GP 認定制度の取得を始め 東京加工紙㈱ 取締役筑波工場 原宗彦工場長 GPJAPAN 2013.10 37 38 ました。 す。 取得にあたり、資料作りや測定、技術指導など ISO(国際標準化機構)は自社にあったシステ は製造課の課長に一任、課長の指示に基づいて、 ムを構築するので、シンプルで自由度は高いです 製造作業者がルールを決め、現場主体で PDCA が、PDCA の回し方や社内規定、監査関係の取り を回して、作業者自身が取り組める範囲で内容を 組み方法は必ずしも一定ではありません。規格の 決めました。それにより、自分達自身で実行運営 要求事項は、我々の作業に全て即しているわけで している気持ちが随所に見受けられるようになり はありませんので、サーベイランスや審査などの ました。 場合、審査員の評価内容に大きな隔たりがありま 現場での実績、取り組みの内容については、イ す。審査・監査の評価結果が野球の審判のように、 ンキキャップを廃棄するときは、プラスチックと 必ずしも一定基準でアウト、セーフのジャッジが 鉄に分け、それぞれリサイクルに出す。廃棄イン 明確にあるわけではないのが ISO の特徴のよう キの容器は従来専用の鉄の蓋で閉めていたが、嵌 な気がします。また、ISO 規格の文章は理解しづ 合がしづらく情けないことですが、蓋閉めがおろ らく、聞き慣れない専門用語が羅列しているとい そかになることがありました。それを容易に蓋が うことがあります。 できるようにすることで蓋閉めが徹底されるよう GP 認定は、日印産連が制定した印刷業界のた になりました。今までヤレのフィルムはリサイク めの制度で、グラビア、オフセットなど業種ごと ルに出していましたが、廃棄していた PP バンド に評価方法が異なりますので、印刷工場に大変マ やプラスチックの容器を細かく分類することによ ッチしています。認定基準が明確で、VOC の排 り、有価物として扱うようになりました。これら 出量を把握しているか、インキ缶、タンクへのカ は今回の現場作業者が自主的に取り組んだ内容で バー取り付けを行い VOC 発生を抑制しているか GPJAPAN 2013.10 など、はっきりと書かれています。文章も日本の どの位の量、金額を使用して、どの位廃棄したか 印刷会社のために作られているので分かりやすい 把握する。生産活動が仕様書や手順書などに基づ です。 き、適正に行われているか確認する。このような ISO の場合、コンサルタント料や認定後の毎年 PDCA を回していくことで、環境配慮に繋がり、 の審査など費用がかかります。審査員の交通費、 見直しによりコスト削減、生産向上にも繋がるメ 宿泊費なども有料。GP 認定は、コンサルタント リットがあります。 料が無料、分かりやすくコンサルタントしていた 取得の感想は基準内容がはっきりしていて、現 だきました。また、認定費用も安く、更新も3年 場に即して取り組みやすい制度であり、印刷業界 に1回と手頃になっています。審査員の交通宿泊 が作った印刷会社のための環境配慮への制度だと 費も無料です。 思いました。まだ、取得されていない会社様にお GP 認定への活動内容については、まず環境方 いては、環境配慮、あるいは社員のモチベーショ 針を掲げる。続いて、環境目標を設定して目標管 ン向上の観点からも、この認定制度の取り組みを 理を行う。どのような法律で生産活動が行われて お勧めします。問い合わせ等ありましたら、関東 いるか、法令を遵守しているか確認すること。原 グラビア協同組合事務局までお願いします。 材料や燃料、消耗品など生産活動に必要なものが Infor m ation 富士特殊紙業の杉山社長、EY EOY 2013 Japan の東海・北陸地区を代表する 4人の起業家の1人に決定 新日本有限責任監査法人は、9月26日、EY アントレプレ ナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン(EY Entrepreneur Of The Year Japan、以下「EY EOY Japan」)第2回東海・北 陸大会アワードレセプション(名古屋で開催)において、東 海・北陸アントレプレナー賞受賞者13人の中から、東海・ 北陸地区を代表する下記の4人の起業家を決定した。 水野泰三氏 ㈱アルペン代表取締役社長(愛知県名古屋市) 岡田贊三氏 飛騨産業㈱代表取締役社長(岐阜県高山市) 近藤典彦氏 会宝産業㈱代表取締役社長(石川県金沢市) 杉山仁朗氏 富士特殊紙業㈱代表取締役社長 (愛知県瀬戸市) 東海グラビア印刷協同組合の名誉理事である富士特殊紙業 ㈱の杉山仁朗社長が東海・北陸地区の代表4人のうちの1人 に 選 ば れ、今 年 11 月 に 東 京 で 開 催 さ れ る EY EOY 2013 Japan の選考に臨む。 EY ア ン ト レ プ レ ナー ・ オ ブ ・ ザ ・ イ ヤー (EY Entrepreneur Of The Year、以下 EY EOY)とは、活躍す る起業家の姿をロールモデルとして紹介し、後に続くアント レプレナーの輩出を支援するため、1986年にアーンスト・ アンド・ヤングによって創設された起業家表彰制度。現在、 世界約60カ国で実施されている。日本においては、EY EOY Japan として、日本のアントレプレナーを国際的なステー ジに輩出する唯一の起業家表彰制度として、2001年より実 施しており、今年で13年目を迎える。EY EOY Japan は、 アントレプレナーシップのロールモデル選出に取り組むとと もに、本プログラムを通じ、世界に進出する起業家の支援、 起業家コミュニティの形成など、次代を担う起業家のサポー トを推進してゆく。 GPJAPAN 2013.10 39