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米洗う前を蛍が二つ三つ 上記の作者未詳の俳句を使って、5

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米洗う前を蛍が二つ三つ 上記の作者未詳の俳句を使って、5
☆秋(2学期)におススメの実践☆
俳句を通して言葉にこだわる授業
大阪教育サークルはやし 荒井賢一
米洗う前を蛍が二つ三つ
上記の作者未詳の俳句を使って、5年生で1時間の授業をしました。
暗唱および視写の後に、この句を詠んで分かったこと・気がついたこと・思ったこと
を書かせました。次のような気付きが出ました。
1)前に蛍がおる。
2)自然の中にいるみたい。
3)自然の近くだと思う。
4)数え方がおかしい。
5)蛍は、むしだから匹なのに三つって書いてる。
6)夏だと思う。
7)米洗うというのは昔っぽい。
8)米洗いをしている。
9)周りに川がありそう。
10)「蛍」が季語になっている。
11)蛍がおるということは、夏だと思った。
12)森とかくらいところにおるみたい。 13)台所の前にまどがあることがわかる。
14)二つ三つってかいてるけど、それいじょう蛍は、いないのか。
15)米洗う前を蛍が二つ三つ、そのまんま。
16)どんなふうに通ったのかなと思った。
17)蛍がいると、自然の中みたい。
18)食べ物を表す文字がある。
19)たぶん、これは、米を洗っていたら、その前を蛍がとおったときだと思う。
20)いなかみたい。
21)いなかの夜だと思う。
22)蛍がとおるという事は米を洗っている場所はどこかがあいている事だと思う。
23)米を洗っている前に蛍が飛んでいる。
24)米を洗っている時に蛍がいる。(松崎)
ノートに5つ書けた子から、私が指定して、1つ板書させました。24人学級なので、
上記が全員の気付きなのです。
板書の気付きを発表させ、それに対して問答しながら、詩のイメージをふくらませて
いきました。
「数え方がおかしい。」「蛍は、むしだから匹なのに三つって書いてる。」
この二人の意見を検討しました。「なんで二匹三匹と書かないか。」に対して、俳句
の文字数がオーバーすることの指摘が出ました。
に さんびき
「じゃあ、二三匹といえばいいじゃないのかな。」と、私。
その後の「森とかくらいところにおるみたい。」の気付きから、
「暗かったら、蛍は見えないんじゃないの?」(私)
「光ってる。」(子ども)
ここから、蛍の光を二つ三つと数えてるんだ、という気付きが、生まれてきました。
二匹三匹としないで、二つ三つとしたのは、蛍の光だったからなのです。「米を洗って
いる前に蛍が飛んでいる。」
この気付きから、「蛍は飛んでいるか止まっているか」の問いへつなげることができ
ました。
飛んでいるが14人、止まってるが10人。見事分かれました。
この後の発表で、
「止まっているから二つ三つと数えられる。」
「飛んでいるから二つ三つ四つと増えていく。」
などの意見が出されていきました。
「今の発表の中で、すばらしい発表をした人が3人いました。誰か分かりますか。」
それは、次のような発表です。
「蛍が止まっているなら、「前を蛍が」ではなく、「前に蛍が」になる。」
この後、次の例を紹介しました。
A 一番線に電車が、
します。
B 一番線を電車が、
の中に、何が入るか分かりますか。
します。
例えば、Aなら「到着」、Bなら「通過」が入ります。逆は変です。
10月の学力研ニュースに紹介されていた、伊東信夫先生のお話にありました。「場所
性の名詞+を」の後には「移動性の動詞」が来るという決まりが、日本語文法にあると
いうことです。
それゆえ「前を蛍が」であれば、蛍は移動しているので、飛んでいることになるので
す。
次の日のある子の日記です。
今日の五時間目に授業参観がありました。俳句の勉強で、米洗う前を蛍が二つ三 つという俳
句に、季節は春夏秋冬のどれ?で、ぼくは、夏にしました。季語が蛍だ なんて、気が付きませ
んでした。場所は自然がある所です。時刻は、夜で、蛍は見 えてなく、光だけだと思いまし
た。蛍はとんでいるか、止まっているか!!VS!!ぼ くは、とんでいるにしたけど、浅井さんや
藤田さん、高城さんは、すごいと思いま した。やっぱり、にとをを使えているっていうかんじ
がして、見習わないといけな いって思いました。にだと止まるに意味がありますが、をだと動
くに意味があると 思いました。かるたは砂山さんに7対10でまけました。おかあさんが弱って
いわ れてショック99.5%!!次がんばりたいです。
俳句の学習の後は、季節満載の俳句カルタで遊ぶといいかなと思います。
秋がテーマの俳句で授業していくのも楽しいかもしれませんね。
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