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第 1 講 音声変化と発音記号 初めに

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第 1 講 音声変化と発音記号 初めに
第1講
音声変化と発音記号
初めに、英語学習のポイントを整理しておこう。
まず第 1 に、インプットした分量以上にアウトプットはできない。だから、
「話
せるようになる」よりも、
「聞いたり、読んだりできるようになる」ことに多く
の時間をかけるべきである。
第 2 に、英文法を学んで、正しい英語の運用方法を身につけておくことは必
要である。英語圏で暮らしていても、英会話学校に通っていても、中学レベル
の(最低限の)英文法が分からないと、ついてゆけない。
第 3 に、中学レベル以上の語彙は必要に応じて増やしてゆくしかない。無理
に覚えても、使わなければ忘れるだけだ。
これまで、英語スクールに通ったものの、長続きしなかった人はずいぶんな
数に上るだろう。英語の勉強が続かない一番の原因は、
「英語ができるようにな
った」という実感がなかなか得られないことだ。
当たり前だが、自分が持っている知識以上に話すことはできない。英語学習
の出発点はまさにここにある。いきなり「英語が話せる」ようにはならない。
だから、とりあえずの目標を、「話せるようになること」ではなく、「聞いたり
読んだりできるようになる」ことにおくべきだ。
そして、
「聞いたり読んだりできるようになる」ために、まず中学生レベルの
文法をおさらいするわけだが、「聞く力」も同時に身につけることが望ましい。
だから、CD つきの教材が必要になる。
ところが、この“CD”に落とし穴があるのだ。
CD に収められている英語のスピードは、英語の教科書に書かれている文章を
一語一語読み上げるようなスピードのものから―まさに英語スクールの初級ク
ラスの授業―、ナチュラルスピードのものまで、いろいろある。
つまり、同じネイティブが読み上げた CD でも、個々の単語の発音がはっきり
聞き取れるようなものから、ネイティブの家族内での会話のようなものまであ
り、それはまるで違って聞こえるのだ。
1
確かに、英単語一つ一つの発音は知らなければならないけれども、その先に
「音声変化」の壁があって、ラジオや動画(テレビや映画)からのインプット
を妨げている。英語を読める(受験英語はできる)けれども、会話をしたり、
ラジオや動画を視聴できない、という人は以上のような問題を抱えているのだ
と思う。
もしそうならば、中学レベルの単語や英文法を思い出しながら、同時に、
「音
声変化のルール」を身につけて、ナチュラルスピードの英語についてゆくため
の準備をすれば、英語によるインプットの役に立つはずだ。
それでは、音声変化のルールを説明しよう。音声変化のルールには「混交ル
ール」と「消失ルール」がある。
混交ルールというのは、子音で終わる単語の次に、母音で始まる単語がくる場合
に、子音と母音がまるでローマ字読みのように結合してしまう、というものである。
例えば、
“Good afternoon”は、ゆっくりだと「グッド アフタヌーン」と聞こ
えそうだが、実際には「グダフタヌーン」と聞こえるはずだ。
なぜかと言うと、
“good” の最後の“d”と、
“afternoon”の“a”が結び付
いて、ローマ字読みの“da”のように聞こえるのである。
ところがみなさんの中には、 “Good afternoon”を「グダフタヌーン」では
なく「グラタヌーン」と聞いたことがあるという人もいるだろう。実際には、
「グ
ダフタヌーン」よりも、
「グラタヌーン」と耳にした人の方が多いかも知れない。
同じことはほかに、
“city”などにもあてはまる。
“city”を発音すると、
「シ
ティ」[]となるはずだ(日本人はの発音が弱いので、できるだけ強調し
て発音してほしい)
。これをさらに早く発音すると、
「シリー」に聞こえるのだ。
このように発音が変化するのは、を早く(弱く)発音すると、まるで日
本語の「ラリルレロ」のように聞こえるからだ。
下の口蓋図を見てほしい。
2
図は、子音のを発音するときの舌の位置を示している。実は、日本語の
「ラリルレロ」を言ったときの舌の位置も同じような位置にある。だから、
を早く(弱く)発音すると、日本語の「ラリルレロ」に聞こえるのだ。
ただし、日本語で「ラリルレロ」に聞こえるといっても、英語の“r”の音と
は違う。つまり、の音がになるわけではない。だから、自分で発音する
ときには注意が必要だ。
それではここで、
「結合ルール」と「ラリルレロ」のそれぞれについて、具体
例を挙げておこう。なお、語尾が“t”
“p”
“k”で終わる場合、語尾が消失ぎみ
になる点にも注意してほしい。“t”“p”“k”の音がなかったことになるのでは
なく、聞こえにくくなることと引き換えに、間が残るのである。
例
long ago

come on

in English

get back

look at

get off

right away

shut up

Take it easy.

混 交
(子音で終わる語+
母音で始まる語)
ロンガゴウ

カマン(カモン)

イニングリシュ

→
ルカット

ゲトォフ

ライタウエイ

シャタップ

→
ラリルレロ
→ (tとdが早く発
音される)
→
→
→
→ ゲッ(トゥ)バッ(ク)
→
→
→ ルカッ(ト)
語尾消失ぎみ
(語尾がtpk)
→ ゲロフ
→ ライラウエイ
→ シャラップ
→ テキリージー

3
→ シャラッ(プ)
以上の混交ルールには、実は、悩ましい問題がある。
混交ルールは、日本語で言えば、
「子音で終わる単語の次に、母音で始まる単語
がくる場合に、子音と母音がまるでローマ字読みのように結合してしまう」とである。
しかし、英語のつづりを見て発音しようとする場合、これでは十分に機能しな
いのだ。
たとえば、
“look at”は分かりやすい。Look の最後の子音である“k”と、at
の最初の母音である“a”がくっついて、
“ka”となる。
しかし、
“come on”や“in English”はどうだろう。
“come on”の場合、come のつづりは「子音で終わる単語」とはいえない。し
かし、come の実際の発音はカムであり、
「子音で終わる単語」である。
“in English”の場合、つづりから判断すると、in の“n”と English の“e”
がくっついて、
“ne”となり、ローマ字読みをすると「イネングリッシュ」と聞
こえることになってしまう。
しかし、English の発音は、エングリッシュではなく、イングリッシュ
であるから、実際には「イニングリッシュ」と聞こえる。
このように、混交ルールは、実際の発音に基づいて適用されなければならな
いのだ。
そこで問題になるのは、実際の発音をどう身に着けるか、である。例えば、
「葬
儀」といえば“funeral”だが、これをどのように発音できるようにするか、だ。
1つの方法は、インターネットや電子辞書で調べる。この方法は手っ取り早
い。最近では、私立の中学校の中に、電子辞書の購入を義務付けるところもあ
る。
ところが、聞き取りにくいことがあるのが難点だ。しかも発音している人の
4
国籍も不明である。よほど丁寧に発音してくれない限り、耳だけで聞こえる発
音をそのまま真似るのは、実際問題として、至難の業なのである。
もう1つの方法は、「発音記号」である。先ほど例に挙げた“funeral”を発
音記号で表すととなる。
は下唇の内側を上の歯で強くこすって出す音。の部分はおなじみの
“you”の強音(口の両側に力を入れて「イ」と出す音)
。はアクセントが
ない母音である。こうして、は「フューナラル」と発音することが分
かるし、英語圏に人にも十分通じるようになる。
発音記号は最初は難しく感じるが、中学1∼2年程度の語彙がある人であれ
ば、慣れると強い武器になる。ネイティブに直接教わらなくてもある程度は英
単語を発音できるようになるからだ。しかも、ネイティブの国籍に左右されな
い。極端な話だが、単語だけで話が通じるならば、辞書1つで世界旅行も可能
になるだろう。
英語が苦手な学生のほとんどは、発音記号をまともに覚える機会がないと言
っていい。発音記号を知らない学生は、テキトー読みで単語を覚えるか、何回
も書いて単語を覚えることになろう。大学受験に必要な単語を覚えるには、き
っと苦痛に違いない。
いま社会人の人も、決して遅くはない。発音記号をある程度は読めるように
して、必要な単語を必要なだけマスターし、音声変化のルールを使いこなして
ほしい。
発音記号の読み方については後述する。
話が脱線した。音声変化の2つめである「消失ルール」に進もう。
消失ルールというのは、「同じ子音が連続するときは、2つ目だけ発音する」
というルールである。
“Have a good day.”はどのように発音するかをみてみよ
う。
5
“Have a good day.”を発音記号でみると、となる。すると、
前2つの単語は混交ルールによって「ハヴァ」という音になる。
後2つの単語は「グッド デエイ」とぶつ切りにはならない。通常は、
「グッ
デエイ」と聞こえるはずだ。このように、同じ子音である“d”が連続している
ときは、前の子音の部分が発音されず、その部分には間(溜め)が置かれるこ
とになる。
同じように、
“want to”は「ウォン
ゥ」という音になる。
トゥ」、get to は「ゲッ ト
もちろん、
「消失ルール」も、つづりだけで判断するルールではなく、発音が
スムーズになるためのルールである。だから、
「同じ子音が連続する」というの
は、「同じつづりの子音が連続する」ではなく、「同じ発音の子音が連続すると
き」を指す。
たとえば、take care はつづりのうえでは「同じ子音が連続」していない。け
れども発音は だから、発音は「テイ ケア」となるのだ。 
消失ルールには仲間がまだいる。と、と、と、と、と の
音が連続する場合だ。これらのペアのうち、どちらか前にある方の音が聞こえ
にくくなり、その分間(溜め)ができるのだ。
Can you lend them your bicycle?
 と→ )
Turn left at that corner. (と→ )
Sit down, please. (と→ )
I had a lot of fun at the party. と→ )
I'll let you know about it as soon as possible.(と→)
音声変化のルールが分かったところで、それを使いこなすための「発音記号」
の説明に進もう。まずは「母音」だ。
ただ、紙面やCDだけの説明には限界がある。そこで、これから説明する発
6
音記号の実際の発音は、ネイティブの口を真似たり、口蓋図を見ながら練習し
てほしい。
ネイティブに直接発音を教わるには、何も改まって英語スクールに通うだけ
が手段ではない。インターネットで「英語喫茶」とか「英会話喫茶」などと検
索してみると、案外安く利用できる施設が見つかるはずだ。
なお、発音記号の説明には、主に次の資料を参照した。特に、
「ニューヴィク
トリーアンカー英和辞典」のフォニックス式の説明には膝を打つ読者もきっと
多いだろう。
*「Pronunciation-English.com」
(http://pronunciation-english.com/)
*ニューヴィクトリーアンカー英和辞典(学習研究社)
それでは5つのポイントをみてゆこう。後掲の「母音一覧表」を見ながら読
み進めてほしい。
1 ∼□
15 の 15 個しかない。r母音も含めると 20
英語の母音には、番号をふった□
1 ∼□
15 の発音の特徴をつかんで、安定的に使い分けら
個になるのだが、まずは□
れるようにするのが目標だ。
2 、□
6 、□
8 、□
13 の4つである。記
特に訓練が必要なのは、□
号の上にチョンと乗っかっている記号は、そこを強く発音する(アクセントが
ある)という意味だ。


発音記号には、同じ音―厳密には舌の動きは違うが―に対して、2 通りあるも
7
のがある。r音、つまり、 と、と、と、と
である。辞書によって表記は違うが、どの辞書でも参照できるように、両方の
発音記号を覚えておくことに越したことはない。

8 の
また、同じ単語なのに、2 通りの発音記号が書いてある場合もある。□
である。どちらも耳にする以上は、
「2通りあるんだな」ということで、慣れて
8 の場合、dog(または)や father()のよ
ゆくしかない。ただし、□
うに、とのどちらかの発音のものもあるので、注意が必要だ。
2 のの発音は「エとアの中間音」と言われる。ところがいざ発音してみる
□
と、アヒルの鳴き声みたいになってしまうだろう。初めのうちは「一発で中間
音を出す」のではなく、
「エからアまでを連続して言う練習」だと思ったほうが
よい。

例えば、cat を発音する場合、
「キェァトゥ」となるが、これを子音をはっき
り残しながら、
「ェァ」を早く言うように練習するのである。
6 のも同じであるが、これが案外難しい。例えば sit を発音する場合、単
□
に「シットゥ」ではなく、イとエの中間音、つまり「シィェット」の「ィェ」
を早く言うような音になるなのだ。
13 のの場合はどうか。house を発音してみてほしい。たぶん「ハウス」
□
と言ったのではないだろうか。ところが実際は違う。ネイティブならば「へァ
ウス」と言っているように聞こえるはずだ。
発音記号ではとなっているために、「アウ」と言ってしまうのが落とし穴
2 のと□
11 のを組み合わせた音なので、出
だ。実のところという音は、□
だしは「エ」で始まり、全体として「エァウ」を早く言ったような音になるの
だ。
8
発音記号に[]というものがあるのを見たことがあるだろう。中高生のとき、
「この記号は音をのばす」と習った人はいないだろうか。しかしそれでは正確
に音を聞き取ることはできない。
例えば、listと least
list
日本語的
リスト
英語的
リェスト
を比べてみよう。
least  来てください
リースト
きてください
リスト
きてください
聞いてください
きーてください
きてください
日本語では、「来てください」と「聞いてください」は別物である。つまり、
「きて」と「きーて」というように、長音の有無によって音を区別するのだ。
しかし、英語では長音の有無で音を区別することはない。だから、
「来てくだ
さい」も「聞いてください」も同じく「きてください」に聞こえるのだ。同じ
ように、
「リスト」と言っても「リースト」と言っても、同じく「リスト」とい
う音として伝わってしまう。
では英米人が listと least をどのように区別するのか。それは、
との違いがのばすかのばさないかの違いではなく、ととの音質の違
いによって区別するのである。

6 のはイとエの中間音である。live は「リブ」ではなく「リェブ」という
□
3 のは日本語の「イ」とほぼ同じ。feel は「フ
音なのだ。これに対して、□
ィール」ではなく「フィル」という音である。後者のように、母音が 2 つ連続
すると、後ろの母音は発音しないのである。
12 のや、□
15 のも、
同じように、□
「のばす」という理解は捨てて、本来の
発音をよく聞いてほしい。

12 のの場合は、
□
熱い食べ物や飲み物に「フーフー」するような口形で「ウ」
9
と音を出す。

15 のの場合は、オとアの中間音だから、law は「ロー」とか「ロウ」とい
□
うように口形はすぼまない。taught のようにつづりに“u”があったとしても、
「オウ」というように「ウ」を入れてはいけないのである。
これに対して、と、とでは音声学的な理由で表記が区別されて
いるが、日常使用する範囲ではがついていてもいなくても、発音はほぼ同じ
と考えてよい。
母音には 15 種類あるが、1つの単語に 2 個以上の母音が入っていることがあ
る。たとえば、a・bout には、
“a”と“ou”の 2 つの母音が入っている。
発音記号を見れば、後ろの母音である ou を強く発音することが分かる。では、
前にある母音の a の発音はどうなるのか。
ほかにも、fam・i・ly は、最初の母音であるを強く発音することが
分かるが、後ろの i の発音はどうなるのだろう。

発音記号を見ると、アクセントのない about の ou も、family の i も、
となっている。つまり、アクセントのない母音は、すべて弱く「ア」と発音す
るのだ。
about は「
(ァ)バウト」というふうに、ァはほとんど聞き取れない。family
は「ファミリ」ではなく「ファマリ」というふうに聞こえるのである。
10
【母音の発音記号一覧表】(アミかけのところは注意して練習が必要な発音)
つづり
a
e
er
i
ir
o
音(★印は表記が 2 通りあります)
1
□
2
□
3
□
4
□
例
エイ
date, fate, hate, mate
エとアの中間音
cat, hat, bag, camp, stamp
イ
feel, meet,seat,least
エ(日本語とほぼ同じ)
head, set, fell, met, (any)
★
her, serve, certainly, heard
5
□
6
□
アイ
five, mine, dine, bite
イとエの中間音
sit, live, list, big
★
bird, first, girl
7
□
オウ
boat, bowl, cold,old, folk,
don’t, won’t, most
8
□
下顎を下げてのどの奥からオ body, box, doctor, hot, not,
下顎を下げてのどの奥からア  job, stop

7 +r
□
or
★
ar
★ □
8 +r
car, start, far, heart
9
□
10
□
イとユの中間音
cute, tube
口に力を入れないア
cup, cut, luck
u
or, for, door, fork, four
11 と同じ発音になる full, pull、□
12 と同じ発音になる blue がある。
このほか□
ur
oo
★
fur, curve
11
□
ウとオの中間音
book, cook, foot good, look,
took, wood, wool, (woman)
ものを冷ます口でウ
cool, food, fool, moon, pool,
roof, room, school, soon,
shoot,tool
12
□
10 と同じ音になるものもある(blood, flood)
ただし、□
ou,ow
oi,oy
au,aw,
al
13
□
エァウ(□
2 +□
11 )
out, house, hour, how, town
7 と同じ音のものも多い(blow, grow, snow)
ただし、□
14
□
15
□
オイ
coin, voice, boy, toy
(□
8 とほぼ同じ音)
taught, law, call, walk, ball
bought, brought も同じ音である。
11
子音の発音は母音ほど難しくはない。ただ、発音記号の中には見慣れないも
のがあるので、初めは苦しいかも知れない。また、実際に会話をしてみると、
思っていた以上に子音を強く発音しないと相手が聞き取れないことが多い。
この 2 点に注意して、前掲の発音サイトや英語辞書を参考にしながら、練習
してほしい。
【子音の発音記号一覧表】
つづり
音
b

つづり
音
big 
t

tree 

city 
v

very 

cook 
w

Swi, 
d

dog 

box 
f

fat 

example 
y

year 
c
例
x
 bridge 
g
例

give 
z

quiz z
h

hat 
ch

child 
j
 just 
ck

back 
k
 milk 
dg

judge 
ph

photograph

gh

laugh 
ng,nk

l(注 1)

long 
m
 map 
n

noon 
p

pencil 
qu
r
S
 question 

read 

season 

(注 2)
sh
th
music 
long longer 
sink 

shop 

think 

father 

(注 1)
“l”は、舌先を上の前歯の裏につけたまま、舌の両側から音を出すよう
12
にして発音する。
(注 2)long の「ング」は鼻と口から息を出すだけだが、longer 
の「ング」は鼻と口から音が出る。sing のように、もともと鼻と口
から「ング」の音を出さない単語は、singer のように語尾が変化し
ても鼻と口から「ング」の音は出ない。hanger も同じだ。これに
対して、finger やanger はもともと鼻と口から「ング」
の音を出す単語である。
高校受験で発音問題は、もちろん出る。自分が中学生のころ、高校受験の英
語で、発音問題に目をつぶってきた人も多いだろう。
中学や高校で習う英語が実際の英会話で使えないというのは、半分当たって
いるが、半分は間違いである。文法を知っていたほうが、英語の応用力がつく
のは間違いない。だから半分は当たっている。
けれども、発音を正確に理解していないと、英語は使い物にならない。だか
ら、中学や高校で、発音記号も含めて、正確な発音を勉強すれば、今、中学生
や高校生が勉強している英語は、英語を実際に使いこなす上でとても役に立つ
はずだ。
これから紹介する「高校受験に出る発音問題」は、私が大手塾で難関高対策
をしていたときに扱った単語を発音記号別にまとめたものである。実際に、多
くの中学生がこれで、難関高校受験で栄冠を勝ち取った。
こう言っては失礼だが、塾の英語の先生で発音を得意とする先生は案外多く
はないのではないだろうか。ならば、ご家庭でぜひ教えてあげてほしい。受験
生に残された時間は少ない。
後掲の「高校受験に出る発音問題」の表には、スベルと発音記号を左右に並
べてある。発音記号を見てスペルを書き、その後に、スペルを見て発音記号を
書く。この作業を数回繰り返せば、読めない単語はなくなるはずだ。
13

cake
came
face
lake
place
safe
same
afraid
April
baby
break
day
dangerous
famous
great
lady
lazy
mail
paid
paint
paper
radio
rain
station
stay
strange
train
wait





























album
animal
apple
accident
back
bad
bag
began
black
cap
carry
cat
catch
camera
capital
drank
family
glad
hand
happy
happen
January
Japan
language
map
marry
perhaps
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ran
sad
Saturday
sang
stand
swam
thank
14
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要注意!
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wash
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watch
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believe
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dream
each
even
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Japanese
leave
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these
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already
anything
bread
breakfast
dead
death
friend
head
health
heavy
many
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read(過去形)
ready
said
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weather
15
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fine
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wide
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high
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busy
business
children
driven
pretty
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women
要注意!
manage
language
guitar
16
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blow
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old
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drove
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moment
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October
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rose
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college
doctor
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clock
college
doctor
doll
fond
hospital
hot
shop
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17
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18
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注意!
Caution!
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注意!
Caution!
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small
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tall
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19
要注意!
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thought
abroad
lost
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merchant
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serve
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first
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third
thirsty
nurse
purse
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Thursday
要注意!
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Caution!
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hard
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star
start
要注意!
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20
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□
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要注意!
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Caution!
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その他
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air
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chair
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dear
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near
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tear
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beer
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これまで「音声変化」と「発音記号」をみてきた。そこで、今度は実際の英
語の歌の歌詞と発音記号を見ながら、音声変化のルールを確認しよう。
ここで取り上げる歌は、カーペンターズの「トップオブザワールド」だ。心
苦しい限りだが、音源はみなさん自身で手に入れてほしい。
なお下線部を引いてある部分は、波線は結合を、太線は消失をそれぞれ示し
ている。また、曲の 1 番だけに無理を承知でカタカナで読みをふってあるが、
これは英語に苦手意識のある読者に少しでも親しんでもらいたいという私の願
いである。
The Carpenters - Top Of The World
Such a feelin’s comin’ over me
(feelin’s comin’=feeling is coming)

サッチャ
フィーリンズ・カミン・オゥヴァ・ミー
There is wonder in most everything I see

ゼアリズワンダリン・モウスト・エヴリシンナーィシー
Not a cloud in the sky

ナーラクラウ・ディニンスカイ
Got the sun in my eyes And I won’t be surprised if it’s a dream

ゴッ・ザ・サン・イマイアイ・ザンダイ・ウオンビサプライズド・イフイッツアドリーム
Everything I want the world to be

エヴリシンガ・ウオン・ザ・ウォールトゥビー
Is now coming true especially for me

イズナウカミン・トゥルー・イスペシャリー・フォーミー
And the reason is clear It’s because you are here

アンジリーズニズクリー・イッツビコージュアーヒー
You’re the nearest thing to heaven that I’ve seen

ユアザ・ニーリスシン・トゥ・ヘヴン・ザァラィヴ・シーン
21
(*) I’m on the top of the world lookin’ down on creation And the

アイムオンザ・トッポオブザウォー・ルッキン・ダウノンクリエイショ・ナンディ
only explanation I can find

オウンリーエクプレイショ・ナイ・キャン・ファイ
Is the love that I’ve found ever since you’ve been around

イ・ザ・ラーヴ・ザラ―ヴファウ・エヴァー・シンシュー・ビーヌァラウン
Your love’s put me at the top of the world

ヨーラブズ・プッ・ミ・アッザ・トッポオブザウオー
Something in the wind has learned my name

And it’s tellin’ me that things are not the same

In the leaves on the trees and the touch of the breeze

There’s a pleasin’ sense of happiness for me

There is only one wish on my mind

When this day is through I hope that I will find

That tomorrow will be just the same for you and me

All I need will be mine if you are here

(*) Repeat twice
22
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