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公益財団法人名古屋市教育スポーツ協会 (PDF形式, 233.10KB)

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公益財団法人名古屋市教育スポーツ協会 (PDF形式, 233.10KB)
監 査 種 別
出資団体監査
監 査 対 象
公益財団法人名古屋市教育スポーツ協会
(事務所所在地:南区東又兵ヱ町 5丁目 1番地の16)
(当該団体の事業に関係する所管局の事務を含む)
監 査 期 間
平成27年10月21日から
平成28年 4月25日まで
監 査 結 果
(公益財団法人名古屋市教育スポーツ協会分)
第1 監査結果の概要
教育委員会所管の出資団体である公益財団法人名古屋市教育スポーツ協会(以
下「スポーツ協会」という。)について、地方自治法第 199条第 7項の規定に基
づき、出納その他の事務の監査を実施した。
スポーツ協会の基本財産は 1億 2,000万円であり、そのうち本市の出えん額は
6,000万円である。
平成26年度において、本市はスポーツ協会に対して、教育スポーツ振興事業推
進等に対する補助金として 2億 2,268万円を交付している。
また、本市はスポーツ協会を、公の施設である総合体育館始め24施設の指定管
理者に指定している。
今回の監査は、スポーツ協会の事業運営は出資目的に沿って適正に執行されて
いるか、会計経理は適正に行われているか、財務諸表は基礎となる諸帳簿に基づ
いて適正に作成されているかなどについて、主として平成26年度(平成26年 4月
1日∼平成27年 3月31日)の事務について調査した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事業執
行にあたっては、これらの点に留意されたい。
(注) 文中では万円未満の端数を切り捨て、表中では千円未満の端数を切り捨て、
比率は実数により計算し計数ごとに小数点以下第 2位を四捨五入した。した
がって、内訳の計と合計が一致しない場合がある。
第2 事業の概要
スポーツ協会は、名古屋市民のスポーツ・レクリエーションの普及振興事業や、
名古屋市の体育施設の管理運営を行い、もって名古屋市民の心身の健全な発達と
明るく豊かな市民生活の形成に寄与することを目的として、昭和58年10月に「財
団法人名古屋市スポーツ振興事業団」という名称で設立された。その後、平成10
年 4月には、新たにトワイライトスクール等、教育の振興に資する事業を開始し、
名称も「財団法人名古屋市教育スポーツ振興事業団」へと変更された。また、平
成18年 4月には、財団法人名古屋市学校給食協会と統合して学校給食に係る事業
を開始し、さらに、平成22年 4月には、財団法人名古屋市体育協会と合併し、名
称を「財団法人名古屋市教育スポーツ協会」と改め、アマチュアスポーツの普及
促進に係る事業を開始した。平成25年 4月には、公益法人制度に基づく公益財団
法人に移行し、今日に至っている。
主な事業内容は、①アマチュアスポーツの振興、②スポーツ・レクリエーショ
ンの普及振興、③スポーツ大会及び講習会の開催及び協力、④スポーツに関する
調査・研究及び啓発・情報提供、⑤スポーツ功労者の表彰、⑥名古屋市から委託
を受けた体育施設等の管理運営、⑦名古屋市から委託を受けた学校施設の開放及
び野外教育活動、⑧学校給食の物資調達及び食育の推進等である。
これらの事業を運営するため、理事会、評議員会、監事及び事務局が置かれて
おり、事務局の職員数は 472人(嘱託員 363人を含む。)となっている。機構及
び職員配置状況は、次図のとおりである。
機構図
(平成27年 3月31日現在)
理事会
理 事 長( 1人)
事務局
事務局長
副理事長( 2人)
副理事長兼常務理事 ( 1人)
理
スポーツ事業部長
事(16人)
総合体育館長
監事( 2人)
瑞穂運動場
管理事務所長
総務課長
主
幹
(スポーツ企画室長兼務)
スポーツ事業課長
スポーツ事業課(18人)
スポーツ企画室長
スポーツ企画室 ( 3人)
管理課長
管 理 課(22人)
事業誘致課長
事業誘致課 ( 2人)
管理課長
管 理 課(20人)
総 務 課( 8人)
露橋スポーツセンター( 4人)
枇杷島スポーツセンター ( 4人)
稲 永 スポーツセンター( 5人)
港サッカー場
北 スポーツセンター( 4人)
中 村 スポーツセンター( 4人)
名 東 スポーツセンター( 4人)
千 種 スポーツセンター( 5人)
中 スポーツセンター( 4人)
南 陽 プ ー ル( 4人)
山 田 西 プ ー ル( 4人)
富 田 北 プ ー ル( 4人)
黒川スポーツトレーニングセンター( 4人)
青少年交流プラザ( 6人)
青少年 宿泊 センター( 7人)
中村生涯学習センター( 4人)
熱田生涯学習センター( 4人)
名東生涯学習センター( 4人)
港プール、中川プール、
熱田プール、楠プール
評議員会
評議員(22人)
学校事業部長
学校開放課長
企画調整専門監( 1人)
(トワイライトスクール等
学校開放事業担当)
学校開放課( 294人)
企画調整専門員 ( 1人)
(トワイライトスクール等
学校開放事業担当)
野外教育課長
野外教育課 ( 5人)
学校給食課長
企画調整専門監( 1人)
(学校給食担当)
学校給食課( 7人)
企画調整専門員 ( 1人)
(学校給食担当)
1 事 業 状 況
(1) アマチュアスポーツの振興
市内の小・中・高校生の優秀選手等に対し適切な指導を実施する競技団体の
ジュニア競技力向上事業及び市内の競技団体が実施する審判員・指導者養成事
業について補助等を行った。平成26年度の主な事業実績は第 1表のとおりであ
る。
第 1表 競技力向上事業等の実施状況
事 業 名
ジュニア競技力向上事業
及び審判員・指導者養成事業
事業実施
競技団体
参加者数
33 団体
4,822 人
(2) スポーツ・レクリエーションの普及振興
本市が策定した「名古屋市スポーツ推進計画」に沿い、スポーツ教室等、ス
ポーツ指導、スポーツ相談事業を開催し、市民の体力づくりに寄与するととも
に、スポーツ少年団の各種活動の支援を行った。スポーツ教室等の実施状況は
第 2表のとおりである。
第 2表 スポーツ教室等の実施状況
事 業 名
スポーツ教室等
スポーツ指導
スポーツ相談
実施状況
定 期 教 室
474教室
随時・体験型
279事業
トレーニング
延べ108,451人
水 中 運 動
延べ 14,918人
スポーツ医事相談
36人
スポーツ障害相談
225人
スポーツ実践相談
572人
(3) スポーツ大会及び講習会の開催及び協力
「第56回市民スポーツ祭」、「マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知2015」
等の市民が気軽に参加できるスポーツ大会やイベントの開催、「第28回全日本
小学生男子ソフトボール大会名古屋市予選会」等の競技会等への後援を行った。
(4) スポーツに関する調査・研究及び啓発・情報提供
施設の利用者に対するアンケートを実施し、その調査結果をもとに研究・分
析を行い、利用者ニーズを反映した、より親しまれる施設運営を行った。
また、スポーツ情報誌の編集・発行、ホームページでの情報提供等の情報提
供事業を実施した。
(5) スポーツ功労者の表彰
競技会等で優秀な成績を収めた選手や地域スポーツの発展・選手育成に功労
があったもの等、本市の体育・スポーツの向上発展に寄与し、協会の運営並び
に事業遂行に貢献した個人及び団体を表彰した。
(6) 名古屋市から委託を受けた体育施設等の管理運営
本市のスポーツ・レクリエーション施設の指定管理者として、平成26年度に
おいては、総合体育館始め24施設の管理運営を行った。さらに、市民のスポー
ツ施設に対する要望、生活意識や生活様式の変化に柔軟に対応するため、22施
設において、施設営業日の拡大や利用時間の延長を実施した。施設の利用者数
は第 3表のとおりである。
第 3表 施設の利用者数
施 設 名
平成24年度
人
平成25年度
人
平成26年度
人
総合体育館
1,915,953
2,006,398
2,059,179
瑞穂運動場
1,366,522
1,462,998
1,440,339
露橋スポーツセンター
241,000
254,096
248,532
枇杷島スポーツセンター
274,913
278,846
293,914
稲永スポーツセンター
214,746
227,790
239,062
北スポーツセンター
243,405
247,064
248,204
中村スポーツセンター
332,577
339,472
357,859
名東スポーツセンター
285,673
288,557
275,387
千種スポーツセンター
352,193
378,665
372,088
中スポーツセンター
249,447
255,590
274,157
南陽プール
87,393
94,338
91,110
山田西プール
43,797
46,039
41,289
富田北プール
94,252
98,185
96,837
黒川スポーツトレーニングセンター
99,493
98,602
105,765
港サッカー場
34,144
43,207
36,144
(19,315)
17,019
12,503
中川プール
(7,019)
5,798
4,603
熱田プール
12,849
11,287
8,780
5,292
4,996
4,019
(117,287)
(130,920)
131,102
92,753
88,046
90,408
中村生涯学習センター
(87,751)
(88,712)
89,758
熱田生涯学習センター
(60,799)
(58,104)
63,400
名東生涯学習センター
(90,182)
(85,706)
81,114
港プール
楠プール
青少年交流プラザ
青少年宿泊センター
(注 1) スポーツ協会が平成26年度に管理運営していた24施設について、実績を表示し
ている(自主的に拡大した施設営業日の利用者数を含む。)。なお、青少年交流プラ
ザの平成26年度実績については、スポーツ協会を含む「名古屋ユースクエア共同事業
体」の運営管理による。
(注 2) ( )内の数字は、スポーツ協会以外の管理によるもので、港・中川プールの平
成24年度実績は他の指定管理者、青少年交流プラザ及び中村・熱田・名東生涯学習セ
ンターの平成24・25年度実績は本市の直営による。
(7) 名古屋市から委託を受けた学校施設の開放及び野外教育活動
子どもたちの遊びや学び、体験、地域の人々の知識や経験を生かした世代間
交流を図ること等を目的とするトワイライトスクール、トワイライトスクール
と留守家庭児童健全育成事業の良い面を取り入れながら子どもたちが豊かで健
やかに放課後を過ごすことができるトワイライトルームや、学校教育に係る体
育大会等の場として活用されている学校体育センター等、学校施設の開放を実
施した。平成26年度における学校施設の開放の実施状況は第 4表及び第 5表の
とおりである。
また、中津川・稲武野外教育センターで行われる市内小・中・特別支援学校
の児童・生徒の野外教育活動が円滑に運営されるよう、参加者のバス輸送及び
給食供給事業等を行った。
第 4表 学校施設の開放の実施状況
区
分
実施校数
校
トワイライトスクール
219
トワイライトルーム
24
第 5表 学校体育センターの利用者数
施 設 名
平成24年度
人
平成25年度
人
平成26年度
人
平田学校体育センター
81,371
81,361
69,816
天白学校体育センター
86,571
79,917
98,679
中川学校体育センター
98,430
108,008
110,343
(8) 学校給食の物資調達及び食育の推進
市内における学校給食の円滑な実施、運営及びその発展に寄与するため、学
校給食用物資の調達、給食を通じた食育の推進を行った。平成26年度における
学校給食用物資調達の対象校等は、第 6表のとおりである。
第 6表 学校給食用物資調達の対象
区
分
小学校(国立学校 1校含む)
特別支援学校、鳴海中学校
若松寮・稲武野外教育センター
・中津川野外教育センター
対
象
264校
5校
3施設
※若松寮・稲武野外教育センター・中津川野外教育センターは一部の物資を取扱
2 決 算 状 況
平成26年度及び平成25年度の比較正味財産増減計算書及び比較貸借対照表は、
第 7表及び第 8表のとおりである。
第 7表 比較正味財産増減計算書
科
目
I 一般正味財産増減の部
1 経常増減の部
①経常収益
(1) 基本財産運用益
(2) 特定資産運用益
(3) 受取会費
(4) 受取受託金
(5) 受取指定管理料
(6) 受取利用料金
(7) 事業収益
(8) 受取補助金等
(9) 受取負担金
(10) 雑収益
経常収益 計
②経常費用
(1) 事業費
(2) 管理費
経常費用 計
評価損益等調整前当期経常増減額
評価損益等計
当期経常増減額
2 経常外増減の部
①経常外収益
経常外収益 計
②経常外費用
経常外費用 計
当期経常外増減額
他会計振替額
当期一般正味財産増減額
一般正味財産期首残高
一般正味財産期末残高
Ⅱ 指定正味財産増減の部
(1) 基本財産運用益
一般正味財産への振替額
当期指定正味財産増減額
指定正味財産期首残高
指定正味財産期末残高
Ⅲ 正味財産期末残高
平成26年度 平成26年 4月 1日∼平成27年 3月31日
平成25年度 平成25年 4月 1日∼平成26年 3月31日
比較
前年度
平成26年度 平成25年度
増△減
対比
千円
千円
千円
%
1,032
3,457
5,094
2,299,843
1,587,743
1,708,598
5,770,596
224,068
17,929
15,029
11,633,393
1,605
4,579
5,144
2,298,737
1,961,835
1,111,563
5,715,218
227,840
17,956
38,355
11,382,836
△ 572
△ 1,121
△ 50
1,105
△ 374,091
597,034
55,378
△ 3,772
△ 27
△ 23,326
250,556
64.3
75.5
99.0
100.0
80.9
153.7
101.0
98.3
99.8
39.2
102.2
11,576,027
16,912
11,592,940
40,453
△ 2,632
37,821
11,314,140
19,495
11,333,636
49,200
△ 4,199
45,001
261,886
△ 2,582
259,304
△ 8,747
1,567
△ 7,180
102.3
86.8
102.3
82.2
62.7
84.0
―
―
―
―
―
―
―
37,821
1,055,995
1,093,816
―
―
―
45,001
1,010,994
1,055,995
―
―
―
△ 7,180
45,001
37,821
―
―
―
84.0
104.5
103.6
1,032
△ 1,032
―
120,000
120,000
1,213,816
1,605
△ 1,605
―
120,000
120,000
1,175,995
△ 572
572
―
―
―
37,821
64.3
64.3
―
100
100
103.2
第 8表 比較貸借対照表
平成26年度 平成27年 3月31日現在
平成25年度 平成26年 3月31日現在
科
目
Ⅰ資産の部
1 流動資産
現金預金(現金)
現金預金(普通預金)
未収金
前払金
棚卸資産(商品)
流動資産合計
2 固定資産
(1) 基本財産
投資有価証券
基本財産引当預金
基本財産合計
(2) 特定資産
退職給付引当預金
退職給付引当有価証券
退職給付積立預金
退職給付積立有価証券
都市間交流スポーツ大会積立預金
生涯学習環境向上事業積立預金
特定資産合計
(3) その他固定資産
諸準備積立預金
諸準備積立有価証券
建物
建物附属設備
什器備品
電話加入権
リース資産
その他の固定資産合計
固定資産合計
資産合計
Ⅱ負債の部
1 流動負債
未払金
未払金(受託金収入等精算金)
前受金
預り金
賞与引当金
リース債務
流動負債合計
2 固定負債
退職給付引当金
リース債務
固定負債合計
負債合計
Ⅲ正味財産の部
1 指定正味財産
(うち基本財産への充当額)
(うち特定資産への充当額)
2 一般正味財産
(うち基本財産への充当額)
(うち特定資産への充当額)
正味財産合計
負債及び正味財産合計
千円
千円
比較
増△減
千円
7,667
1,701,807
359,914
9,120
4,069
2,082,581
5,251
1,595,673
330,430
9,403
4,507
1,945,266
2,416
106,134
29,484
△ 283
△ 437
137,314
146.0
106.7
108.9
97.0
90.3
107.1
119,867
132
120,000
119,883
116
120,000
△ 16
16
―
100.0
114.5
100
341,085
343,401
2,077
70,207
2,500
14,000
773,271
142,878
541,174
2,143
70,360
2,000
―
758,557
198,206
△ 197,773
△ 66
△ 153
500
14,000
14,713
238.7
63.5
96.9
99.8
125.0
―
101.9
81,412
324,872
436
3
25
137
2,449
409,337
1,302,608
3,385,189
17,386
389,764
549
8
36
137
4,514
412,395
1,290,953
3,236,220
64,026
△ 64,891
△ 113
△ 4
△ 10
―
△ 2,064
△ 3,058
11,654
148,969
468.3
83.4
79.4
45.9
69.8
100
54.3
99.3
100.9
104.6
1,276,671
14,469
93,842
41,291
61,762
1,224
1,489,262
1,173,052
24,659
76,176
40,292
62,622
2,064
1,378,869
103,618
△ 10,189
17,665
998
△ 860
△ 840
110,392
108.8
58.7
123.2
102.5
98.6
59.3
108.0
680,886
1,224
682,110
2,171,372
678,905
2,449
681,355
2,060,224
1,980
△ 1,224
755
111,148
100.3
50.0
100.1
105.4
120,000
(120,000)
(―)
1,093,816
(―)
(92,385)
1,213,816
3,385,189
120,000
(120,000)
(―)
1,055,995
(―)
(79,651)
1,175,995
3,236,220
―
(―)
(―)
37,821
(―)
(12,733)
37,821
148,969
100
(100)
(―)
103.6
(―)
(116.0)
103.2
104.6
平成26年度
平成25年度
前年度
対比
%
第3 指 摘 事 項
1 現金及び金券類の管理について
スポーツ協会では、経理要綱において、金銭の収支については発生の都度これ
を記録し、現金の残高は、出納担当者が毎日実地に調査し関係帳簿と照合しなけ
ればならないとされている。また、金券類を含む物品の受払いについては、備品
出納簿及び金券類出納簿等を設け、残高を明確にしておかなければならないとさ
れている。
現金及び金券類の管理について調査したところ、以下のような事例が見受けら
れた。
(1) 名東生涯学習センターにおいて、各出納簿と現金残高を確認したところ、帳
簿上は小口現金が43,852円、現金が68,310円となっていたが、実際の残高は小
口現金が44,176円、現金が68,635円と一致していなかった。
(2) 瑞穂運動場管理事務所において、金券類等出納簿と切手残高を確認したとこ
ろ、帳簿上は82円切手が16枚となっていたが、実際の残高は 6枚と一致してい
なかった。
(3) 瑞穂運動場管理事務所において、回数券の枚数管理を行っているシステムと
回数券の残高を確認したところ、システム上はアーチェリー場の回数券(高齢
者・半日)が 156枚となっていたが、実際の残高は 161枚と一致していなかっ
た。
スポーツ協会にあっては、金銭や金券類の収支があった場合、発生の都度記録
し、帳簿と現物が一致するよう徹底されたい。
また、経理要綱に定められた現金残高に対する毎日の調査及び関係帳簿との照
合が行われていなかったと思料される事例が見受けられたことから、その適正な
実施について周知徹底されたい。
2 学校給食用牛乳供給協定書について
スポーツ協会は、本市、供給人(企業)、愛知県学校給食牛乳協会(以下「牛
乳協会」という。)、公益財団法人愛知県学校給食会(以下「学校給食会」とい
う。)との五者で、学校給食用牛乳供給協定書を締結しており、第 7条第 3項に
よると「牛乳代金の授受は、牛乳納入の翌月に丁(牛乳協会)の適法な請求書の
提出があった日から30日以内に行う」とされている。
牛乳代金の授受について確認したところ、牛乳代金の未納があった場合には、
実際に供給された牛乳数量に対する代金から未納分だけ少ない金額が各中学校か
らスポーツ協会へ入金され、スポーツ協会はその同額を学校給食会へ支払ってい
た。なお、この取扱いについては関係団体と協議の上、行っているとのことであ
った。
スポーツ協会は学校給食会からの請求額どおり支払っておらず、債務が完全に
は履行されていないように見えることから、スポーツ協会にあっては、協議内容
の明確化や紛争の防止を図るため、関係団体と協議の上、協定書等において、各
中学校からの徴収実績額を限度として牛乳代金の授受を行う旨を明確にすること
を検討されたい。
また、牛乳協会の請求書の提出先が協定書上明確になっていないことから、関
係団体と協議の上、協定書等において、各団体間の請求関係を明確にすることも
併せて検討されたい。
3 自主財源で取得した備品の管理について
スポーツ協会では、経理要綱において、備品の受払いについては備品出納簿を
設け、残高を明確にすることとされており、スポーツ協会が定める「物品等取扱
いの手引き」において、備品には品名、備品番号、受入年月日、所属が記載され
た備品小票を貼付することとされている。
備品の管理について確認したところ、自主財源で取得した会計処理用のコンピ
ュータ98台について、備品番号別の所在について把握されていなかった。また、
そのうちの 1台である名東スポーツセンターに設置されている会計処理用のコン
ピュータを確認したところ、備品小票が貼られていなかった。
スポーツ協会にあっては、実地調査等により備品の設置状況及び備品小票の貼
付を確認するとともに、備品番号別の所在について把握し、帳簿と現物との照合
ができるよう改善されたい。
4 会計処理に関するもの
(1) 損害保険料及び収納代行業務委託料の計上区分について
スポーツ協会では、本市より受託しているトワイライトスクール事業等を実
施するにあたり活動中の事故等に備えて損害保険に加入しており、参加児童の
保護者より保険関係費を徴収し、損害保険料及び収納代行業務委託料を契約先
に支払っている。
財務諸表を確認したところ、徴収した保険関係費を経常収益に計上し、支払
った損害保険料及び収納代行業務委託料を経常費用に計上していた。
保険関係費の徴収、損害保険料及び収納代行業務委託料の支払いは、スポー
ツ協会のサービス提供の対価及びコストではなく、手続等の代行を行っている
ものと考えられることから、スポーツ協会にあっては、預り金又は立替金の処
理を行い、年度末における差額のみ費用又は収益処理を行うよう改められたい。
(2) 取得した備品の計上区分について
スポーツ協会では、経理規程において、取得した備品について取得価額が10
万円以上の場合は固定資産として計上することとされている。
備品出納簿を確認したところ、平成25年 5月に取得価額が 194,250円の AED
を自主財源で取得していたが、固定資産へ計上しておらず、取得時に費用とし
て処理していた。
スポーツ協会にあっては、取得した備品について適正な区分に計上されたい。
(意 見)
今回の監査では、複数の事務所において帳簿と現金や金券類が一致しない事例
や備品が適切に管理されていない事例が見受けられ、指摘を行ったところである
が、これらは団体の定める財務会計のルールが順守されていなかったものと言え
る。帳簿と現物の不一致が日々の点検によって適時発見できていない現状につい
ては、物品の不正使用等の不適正な会計処理につながることも懸念されるところ
である。
ところで、スポーツ協会はこれまでの複数の団体との統合等によって、その度
に取り扱う事務事業の範囲は拡大し、それに伴い組織の規模も大きくなってきて
いる。さらに、平成26年度には本市施設のうち24施設の指定管理業務を受託して
いるが、各施設でおおむね 4年ごとに指定管理者が変動しうる機会が訪れること
を鑑みると、組織の拡大や管理する施設の変遷によってスポーツ協会本部による
内部統制が働きにくくなっているものと思料される。
スポーツ協会にあっては、この機会を捉え、定められたルールやチェック体制
が組織全体で順守され機能しているか、今一度点検を行い、財務会計事務に係る
内部統制の強化に努められたい。
(教育委員会関係分)
第1 監査結果の概要
スポーツ協会に対する監査に併せて、地方自治法第 199条第 5項の規定に基づ
き、教育委員会所管の財務に関する事務のうち、スポーツ協会に対する事務の執
行について監査を実施した。
監査の結果、以下のとおり一部に不適切な事例が見受けられた。今後の事務執
行にあたっては、これらの点に留意するとともに、必要な措置を講じられたい。
また、措置を講じた場合は、その旨を通知されたい。
第2 指 摘 事 項
指定管理者が指定管理料で購入した備品に係る事務処理について
教育委員会スポーツ振興課が定める「指定管理者による備品管理の手引き」に
よると、指定管理者が指定管理料で備品を購入した際の事務処理として、指定管
理者は年度末までに物品関係内訳書を本市に提出し、本市は受入手続き及び備品
番号の決定を行い、指定管理者に通知することとされている。
平成27年11月の実地検査日時点において、平成26年度中にスポーツ協会が指定
管理料で購入した備品について確認したところ、スポーツ振興課所管分31件につ
いて、いずれも本市の受入手続き、備品番号の決定及び備品番号の通知がなされ
ていなかった。
教育委員会にあっては、備品を適切に管理するため、規定に従った事務処理を
適時に行われたい。
(スポーツ振興課)
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