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3(1) 環境保全措置について
3-(1) 3(1) 環境保全措置について 3-(1) 赤土流出防止対策 3-(1) 知事意見への対応方針 知事の意見 土砂による水の濁り(陸域)の環境保全措置について 陸域の造成に伴い発生する陸域での水の濁り に係る予測においては、施工区域から流出する 濁水の SS 濃度の予測結果で、 「締固めによる表 土保護工では約 30%の除去効果が見込まれる」 としているが、環境保全措置の中で「施工場所 周辺で降雨に関する注意報・警報が発令された 場合には工事を一時中止し」 との記載内容から、 降雨があっても注意報等が発令されるまでは工 事を継続し、裸地面は転圧締固めが施されてい ない状況であると考えられる。このような状況 下における締固めによる表土保護工の効果の程 度について明らかにする必要がある。また、注 意報・警報が発令されない場合のゲリラ豪雨等 に対する具体的な応急対策が示されていない。 対応方針 造成工事の施工段階においては、できる限 り転圧・締固めによる表土保護工を行うこと とするものの、ご指摘のとおり、降雨時にお いて、全ての箇所に転圧・締固めが施される ものとは限らないと認識しています。 しかしながら、濁水に係るSS 濃度の予測に 当たっては、安全を考慮し、法面での流出値 である16,000mg/Lを基本(平面は4,500mg/L) としていること、転圧・締固めより濁水除去 率が高い浸食防止剤散布も実施することか ら、施工区域から流出する濁水のSS濃度が予 測値(11,200mg/L)を超えることはないものと 考えています。 なお、本予測には不確定要素が含まれてい ることから、濁水のSS濃度及び放流水質に ついて事後調査することとします。 また、ゲリラ豪雨等に対する応急対策につ いては、「赤土等流出防止対策マニュアル (案) 」等に基づき緊急用資材等を用いて適切 に対処することとしております。 ご指摘の台風時における浸食防止剤散布に 陸域での工事実施中の環境保全措置として、 「台風時は工事を中止し、台風接近前に施工中 ついては、できる限り造成裸地面を減らす発 の造成面に浸食防止剤散布等の発生源対策を行 生源対策を図るものであり、台風時に施工区 い、 」としているが、広大な面積を改変する当該 域全てに浸食防止剤を散布することは想定し 事業においては浸食防止剤散布に要する日数や ていません。 本事業に係る赤土等流出対策については、 台風接近崎の天候(降雨)から、台風接近前に 発生源対策を行うことの実効性が低いと考えら 施工区域全てを対象として、工事期間より長 れる。現場で出現する裸地の最小化を図る目的 い10年確率の降雨に対応できるよう、調整池 で、工区の分割施工を行い、1つの分割区域の の容量や濁水プラントの性能を確保している 表土保護工を完成させた後、他の工区の施工に ところです。 さらに、10年確率を超える降雨等の災害 着手するのか、明らかにする必要がある。 時においても、浸食防止剤を散布したエリア の排水について、県条例で定められた放流水 質を確認しつつ、調整池を経ずに直接放流し、 調整池のオーバーフローを防ぐよう努めま す。 以上の対策を講ずることから、ご指摘の「工 区の分割施工を行い、1つの分割区域の表土保 護工を完成させた後に他の工区の施工に着手 する」ことは想定していません。 ただし、改変後は、浸食防止剤散布等によ り、すみやかに裸地面を保護し、赤土等流出 を抑制することから、工区の分割と同等の効 果が期待できるものと考えています。 分 類 評価書の内容をより丁寧に説明することで対応するもの 追加的な調査、解析、知見等を増やして対応するもの 環境保全措置を新たに(更に)行うことで対応するもの 事後調査又は環境監視調査を続けて、その結果に応じた措置を講じるもの ① ② ③ ④ 備考 分類 埋立 第3 5(1)ウ ①、④ 埋立 第3 5(1)ク ① 3-(1) 補正評価書(案) 【第 6 章 6.7 土砂による水の濁り 6.7.3 評価】 6.7.3 評価 6.7.3.1 工事の実施(陸域) (1) 環境影響の回避・低減に係る評価 1) 環境保全措置の検討 陸上工事の実施に伴って発生する水の濁り及び堆積が、事業実施区域周辺の水質 及び底質に影響を及ぼす可能性が考えられることから、工事中の濁りの影響を低減 するため、事業者により実行可能な範囲で環境影響を最大限に回避・低減すること を目的として、以下のとおり環境保全措置を検討しました。 ・本事業に係る赤土等流出防止対策の基本は、「赤土等流出防止対策マニュアル (案)」等に基づき適切に実施します。また、新石垣空港整備事業や米軍泡瀬ゴル フ場移設事業 等の県内類似事例における対策(浸食防止剤散布、シート被覆、小 堤工、切回し水路、土砂溜桝、濁水処理プラント等)を参考にしながら実施する とともに、浸食防止剤やシート等については、国土交通省の新技術情報提供シス テム(NETIS)に登録された事例等の最新の知見を取り入れるなど、できる限り効 果高いものを使用します。 ・発生源対策としては、浸食防止剤散布、種子吹付け、砕石敷均し、転圧・締固め、 植生工等の表土保護工、流出防止対策としては、切回し水路、土砂流出防止柵、小 堤工、仮設排水路(側溝)、土砂溜桝等の流出抑制工を講じます。また、濁水の最終 処理対策としては、濁水を調整池に一時貯留し、濁水処理プラントにより SS25mg/L 以下(水質汚濁に係る環境基準の 「河川」 における AA~B 類型値)に処理を行った後、 周辺河川へ放流します。濁水処理施設の規模を設定するための降雨は 10 年確率降雨 を対象としています。 3-(1) 浸食防止剤の散布方法例 シート被覆工 土壌団粒化剤散布(種子入り) 転圧・締固めの施工 表土保護工(濁水発生の抑制)の例 切回し水路(水路・流出抑制工) 土砂流出防止柵(表面流出抑制工) 仮設排水路(水路・流出抑制工) 小堤工(表面流出抑制工) 土砂溜桝(水路・流出抑制工) ハーロー(表面流出抑制工) 流出抑制工(表流水のコントロール)の例 3-(1) 調整池及び濁水処理プラントの設置事例 (米軍泡瀬ゴルフ場移設事業) ・埋立土砂発生区域においては、周囲に土堤を構築する等により発生する濁水が辺 野古ダム湖へ流入するのを回避し、また、改変区域においては、赤土等流出防止 対策を実施し、濁水処理水は切替え後の美謝川等へ放流します。 ・改変区域においては、赤土等流出防止対策「赤土等流出防止対策マニュアル(案)」 に基づいて、発生源対策、流出防止対策、濁水処理プラントの設置等を実施しま す。 ・改変箇所(切盛土に伴う裸地面)は、順次すみやかに転圧・締固めによる表土保護 工を行うよう努めます。 ・改変後は、浸食防止剤散布等により、すみやかに裸地面を保護し、赤土等流出を 抑制します。 ・地表面に降った表流水の措置として、仮設排水路(素掘り側溝等)を施工区域毎 に升目に設置するとともに、側溝の途中に土砂溜桝を設置して、極力濁りを少な くした上で、調整池に集水し、濁水処理するなどの水のコントロールをします。 ・局地気象情報の活用などにより、施工時の天候急変などにも対応できるよう備え ます。 ・台風時や施工場所周辺で降雨に関する注意報・警報が発令されるなど、降雨が予 想される場合は工事を一時中止し、台風接近前に施工中の造成面に浸食防止剤散 布等の発生源対策を行い、降雨による裸地面からの赤土等流出を防止します。ま た、台風時でなくても、施工場所周辺で降雨に関する注意報・警報が発令された 場合には工事を一時中止し、「赤土等流出防止対策マニュアル(案)」等に基づく 3-(1) 現場内の点検パトロールを実施し、赤土等流出防止対策のための施設機能が十分 に発揮されるために施設の状態を整え、必要な緊急措置(転圧、シート被覆等)を 講ずるとともに、降雨中における各施設の状況を確認し、必要に応じて応急対策 (シート被覆、土のう積み、土砂の除去等)を講じます。また、当該注意報・警報 が解除された後に工事再開可能かどうか検討するなど、適正に実施することとし ます。 ・緊急対策として、シート被覆や小堤工、ハーロー等の補強・増設を行います。異 常時の出水に備えた緊急用資材を確保し、現場で速やかに対応できるよう努めま す。 緊急対策資材置場 土のうによるハーローの設置例 図-6.7.3.1.1 赤土等流出防止対策(緊急対策)の例 ・環境保全措置が速やかに講じられる監視体制を構築して環境監視調査を実施し、 当該環境監視調査結果に基づいて環境保全措置の効果に関して検討・見直しを要 するような場合には、必要に応じて専門家等の指導・助言を得て、必要な措置(既 存の措置の見直しや追加の措置等)を講じます。