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1. 日本における都市物流施策

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1. 日本における都市物流施策
1. 日本における都市物流施策
平成20年1月8日
国土交通省都市・地域整備局
都市計画課都市交通調査室
徳永 幸久 contents
1.東京都市圏物資流動調査からみた物流の課題と今後の展開
2.都市内物流トータルプラン
3.社会資本整備審議会 道路分科会 基本政策部会 建議
4.社会資本整備審議会 都市計画・歴史的風土分科会 都市計画部会 都市交通・市街地整備小委員会報告について
5.国土交通省における都市内物流支援メニュー
1
1.東京都市圏物資流動調査からみた
物流の課題と今後の展開
2
(1)物流の現状①(物流の発生集中)
‡東京都市圏において、物流の発生集中が多いのは、商業・業務機能が集積する
都心と、物流を中継する施設の集まる臨海部や郊外部。
○市区町村別面積あたり物流発生集中量
物流発生集中量/面積
(t/k㎡)
(未満)
0∼ 20
20∼ 200
200∼1000
1000∼2000
2000∼
資料:第4回東京都市圏物資流動調査(平成15年度)
3
(1)物流の現状②(物流の効率化や高度化)
‡企業においては、物流の効率化や高度化の取組みが進められており、物流施設
からは施設の集約・統廃合、物資輸送からは貨物車両の大型化の動向
◆物流の動向
物 流 へ の 取 り組 み
運送業
物流事業者
特積・
混 載
3PL
SCM
ア ウ トソー シ ンク ゙
共同化
在庫
圧縮
高付
加価
値化
サービス向上
コスト削減
荷
主
小売業
配置再編
と
高度化・
多機能化
低価格
倉庫業
製造業
物資の輸送
宅配の施設増
貸切・
特定荷主
卸売業
物流施設の立地
ア ウ トソー 集 約
シング先
・
で確保 統廃合
賃貸志向
車両の
大型化
海上
コンテナ
新規格車
高速道路
利用
小型車
配送
モーダル
シフト
効率
& 環 境
注:3PL(サードパーティ・ロジスティク)荷主企業に代わって
最も効率的な物流戦略やシステムを提案し受託し実施すること。
注:SCM(サプライチェーン・マネジメント)商品供給のすべての
企業連鎖を統合管理し最適化すること
資料:第4回東京都市圏物資流動調査(企業ヒアリング調査)
4
(1)物流の現状③(物流の流れと物流施設)
‡国内外で生産された物資は、広域的な物流施設と都市内配送用の物流施設を
階層的に利用して輸送。
○生産・輸入から消費までの物流の流れ
海外の
工場
東京都市圏外
の工場
東京都市圏外の
物流施設
船舶・航空
による輸送
一部船舶・航空・
鉄道による輸送
東京都市圏内
の工場
港湾・空港
広域的な物流施設
(広域的な倉庫や流通センター等)
都市内配送用の
物流施設
都市内配送用の
物流施設
都市内配送用の
物流施設
(配送センター等)
(配送センター等)
(配送センター等)
大型貨物
車による
輸送
小型貨物
車による
輸送
店舗等
店舗等
店舗等
店舗等
店舗等
店舗等
東京都市圏内
資料:第4回東京都市圏物資流動調査(平成15年度)
5
(1)物流の現状④(広域的な物流施設の立地)
‡大規模で広域的な物流施設は、高速道路IC周辺や臨海部に立地。
○大規模で広域的な物流施設の立地場所
低 1台当たり輸送量 高
0%
20%
40%
60%
80%
100%
関
磐
自
車道
17
30%
64%
常
自動
道
国
3000㎡以上 6%
号
国 道4 号
道
東北
車
動
動
5t/台∼
車
自
500kg∼5t/台
道
越
国道16号
国
道
16
号
関
東
車
動
自
東
道
環 状8 号線
環状 7 号線
路
道
金
東
葉
千
東
京
号
湾
16
ア
館
クア
道
山
ライ 国
自
ン
動
車
道
7号
35
道
国
道
1号
246号
国道
国
道
14
号
国
東名高速道路
道1
5号
第
三
京
浜
道
国
道 路
16
号
国
国道16号
国道20号
線
7号 線
環 状環状
央
車道
自動
中央
東京外環自動車道
速中
敷地面積 3,000㎡以上
1,000 ∼2,999㎡
∼999㎡
11%
6号
道
国
高
貨物車1台当たりの輸送量が
5t/台以上の広域的な物流施設
54%
16号
国道
号
35%
首
都
圏
中
央
連
絡
自
動
車
道
16
1000㎡未満
16%
66%
18%
国道129号
1000∼2999㎡
道
国
大 敷 地面積 小
∼500kg/台
高速・有料道路
国道・環七・環八
市街化区域・
非線引き都市計画区域
( 用途地域)
富
津
館
山
道
路
資料:第4回東京都市圏物資流動調査(平成15年度)
6
(2)物流の課題①(骨格的な放射環状ネットワークの未整備)
‡大型貨物車に対応した骨格的な放射環状ネットワークが未整備
◆最大積載重量10t以上の貨物車と国際海上コンテナ車の走行ルート
◆国際海上コンテナ車(40ft)
約
3.8m
or
約
4.1m
約16m
◆最大積載重量10tの貨物車の
例
約
3.8
m
約12m
凡例: 大型貨物車の走行状況
5サンプル以上の大型貨物車走行が把握された道路
1∼4サンプルの
〃
資料:第4回東京都市圏物資流動調査(大型貨物車走行ルート調査)
7
(2)物流の課題②(土地利用と交通の混在)
‡大型貨物車の住宅地、中心市街地等への進入に伴い、騒音、振動、大気汚染
等の環境悪化。交通安全上も課題。
○物流施設と住宅の土地利用の混在事例
物流施設
物流施設
住宅
マンション
○住宅地や中心市街地を走行する大型貨物車
(住宅地を走行する貨物車)
(中心市街地を走行する貨物車)
8
(2)物流の課題③(荷捌きの錯綜)
‡路上荷捌きによる自動車交通の阻害と歩行者の影響、歩道の横持ちと歩行者
等の混在による安全上の問題とにぎわいの低下。
○中心市街地(商業地区等)における
人と物の関係
○貨物車の路上駐車による通過交通への影響
なし なし
35%
35%
船橋駅
船橋駅
南口地区
南口地区
中心市街地
《人》
歩行者
自転車
○貨物車の路上駐車による歩行者への影響
駐輪スペース
なし なし
32%
32%
商店・
事務所等
バ ス
バス停
川越市
川越一番街
一番街
周辺地区
周辺地区
乗用車
駐車スペース
《物》
あり
あり
65%
65%
7:00∼19:00
(12時間)
(端末物流)
集配送
駐停車(荷降ろし)
横持ち搬送
(縦持ち搬送)
荷受け
路上
道路
路外(建物内、外) (歩道、車道)
(%) 歩行者との横持ち搬送の錯綜の発生率
50
29
(建物内)
25
8
回遊・移動
( めぐる)
0
7:00∼19:00
(12時間)
歩 道 が混 雑 し
て いな い区 間
たまり
( たまる)
戻り
歩 道 が混 雑 し
て いる 区 間
アクセス
( むすぶ)
○歩行者と横持ち搬送の錯綜
錯綜の発生率
荷捌き駐車スペース
道路
(車道)
あり
あり
68%
68%
7:00∼19:00
(12時間)
9
(3)骨格的な放射環状ネットワークの形成①
‡物流拠点の立地に基づき、大型貨物車の効率的な走行ルートのニーズを分析。
この際、都市構造との整合を図り、大型車の流入を抑制すべき地区も配慮。
◆大型車対応※の整備がされていないため迂回路が発生すると推計される一般道路
(モデルによる推計値、大型貨物車に対応した高速道路の物流ネットワーク形成後)
大型貨物車が大型車対
応の整備がされた道路
を優先的に利用する特
性を勘案した「大型貨
物車走行経路選択モデ
ル」による走行経路
(推計値)と、普通車
が選択する最短経路
(推計値)を比較して、
経路の走行経費が5%
以上増となるものを迂
回と判定
【 重さ指定道路ではないため迂
【大型車対応の整備がされてい
回している大型貨物車交通量
ないため迂回している大型貨物
車交通量(推計値)】(台/日)
( 推計値
)】( 台/日)
20∼ 50
50∼ 100
100∼
大型車対応の
重さ指定道路
整備がされた道路※
※総重量25トン以下の車両が
支障なく通行できる道路
資料:第4回東京都市圏物資流動調査(大型貨物車走行ルート調査)
10
(3)骨格的な放射環状ネットワークの形成②
‡大型貨物車の効率的な走行ルートのニーズに対応して、車両の重さ、長さ、高さ
に対応できない未整備な骨格ネットワークの計画的、集中的な整備が必要。
◆重さについて、大型貨物車に対応した整備が必要と考えられる骨格的ネットワークの方向
大型貨物車に対応して、 重さ指定道路
大型貨物車に対応した整備等の必要
の拡充等の必要性が高い方向
性が高い方向
大型貨物車に対応した整備がされていない
ため大型貨物車の迂回を生じさせる道路
大型車対応の整備がされた道路
土地利用
住宅系用途地域
商業系用途地域
工業系用途地域
特定重要港湾
空港
鉄道コンテナ駅
大型貨物車が発生・集中
する物流施設
(発生集中台数)
1∼9台
10∼19台
20∼49台
50∼99台
100台以上
出所:東京都市圏交通計画協議会「物流からみた東京都市圏の望ましい総合都市交通体系のあり方(平成18年5月)」
11
(4)物流拠点の立地誘導
‡広域物流施設は、都市構造との整合を図りつつ、骨格的ネットワーク沿いに整備
を促進。また、広域物流施設と大型車利用の都市内配送拠点は、都市環境の観
点から、工業系への立地を誘導
○ネットワークと物流施設の関係のイメージ
広域的な物流施設
高速道路
に接続
駅
広 域的な 物流施設 からの 輸送︵通過交 通︶
広域的な物流施設
からの輸送
端末物流
都市内配送用
の物流施設
( 大型貨物車利用なし)
都市内配送用
の物流施設
( 大型貨物車利用あり)
[道路種別]
大型貨物車に対応した
一般道路の物流ネットワーク
主要幹線街路等
[土地利用]
住宅系用途地域
商業系用途地域
工業系用途地域
大型貨物車の流入抑制を
検討すべきエリア
12
(5)物流交通の規制誘導
‡大型貨物車の走行ルート整備を前提に、大型貨物車について、環状道路内の流
入規制や走行ルート指定を検討。また、都心等では、効率的な走行ルートであっ
ても、都市環境の観点から大型車の通過走行の規制を検討。
○パリの事例
・パリでは、環状道路の完成に併せて、貨物車の市内通過を禁止、時間帯と車両の大きさ に応じて路
上駐車を規制
・物流ターミナルは、規制以前から郊外立地が始まったが、規制以後は環状道路外に移転
・環状道路等沿いの物流ターミナルで、大型貨物車から小型車に積替えられて、市内配送
貨物車の通過禁止に加えて、以下の駐車規制
以上の規制は、1971年から導入された。
13
(6)荷捌き対応①
‡地区レベルの物流・貨物車の扱いについて、歩行者、自転車、バス、乗用車の
扱いと一体的な計画の策定が必要
◆地区の交通課題に関連のある端末物流
課題の
種類
主体
地区への
アクセスの低下
地区内の
たまり機能の低下
歩行者
自転車
自転車走行
路の減少
自転車の快適な
アクセスの
阻害
バ ス
車道幅員
の減少
乗用車
交通の
集中
交通渋滞
による
アクセス性
の低下
人
物 物流・
貨物車
荷捌きスペースの不足に
よるうろつき交通の発生
物流・貨物車交通
の集中・ 増大
駐輪スペー
スの不足
地区内の
回遊性・移動性の低下
都市景観の
悪化
歩行者空
間の減少
放置自転車
の発生
搬送動線と
の錯綜
歩行者や
自転車の
快適性・安
全性の阻害
バス停の利用
のしにくさ
駐車スペー
スの不足
路上駐車の
発生
荷捌き駐車スペース
の不足
貨物車の路上駐車
の発生
出所:東京都市圏交通計画協議会「端末物流対策の手引き(平成18年5月)」
不適切な位置での
荷捌き駐車による
横持ち距離の延伸
横持ち搬送
の円滑性の
阻害
横持ち搬送
の発生
14
(6)荷捌き対応②
‡ハードとして、路上の荷捌き帯の整備、路外の荷捌き施設の整備、附置義務の
荷捌き駐車施設の確保を組合せて、一体的に確保。共同施設の公設民営も。
◆路上荷捌き施設
郡山市駅前
◆附置義務荷捌き施設
東京都駐車場条例(H14改正):荷捌き駐車施設関係
路上荷捌き駐
車施設の確保
地区
周辺地
区等
駐車場整備地区等
特定用途
用途
百貨店 事務所
対象
面積
基準
面積
◆路外荷捌き施設
一般用
宅配A社用
倉庫
その他
2,000㎡
2,500
㎡
5,500
㎡
2,000
㎡
特定用
途
3,000㎡
3,500
㎡
7,000㎡
ぽっぽ町田 荷捌き駐車場平面図
宅配B社用
大規模建築物の附置義務
駐車施設(丸ビル)
15
2.都市内物流トータルプラン
16
∼都市内物流対策の必要性と「都市内物流トータルプラン」∼
都市内物流対策を推進する背景
都市内の荷捌きスペースの不足
貨物自動車の路上荷捌きによる
交通渋滞や歩行者の通行阻害
都市内物流対策の加速
化
ボトル・ネックの存在
多様な関係者の合意の困難性
地域特性(ケース・バイ・ケースの対応の必要性)
京都議定書発効にともなう環境負荷低減の要請
道交法改正にともなう荷捌き駐車スペース確保の要請
まちづくり3法改正によるコンパクトシティづくり
大規模都市開発による物流効率化の要請
「都市内物流トータルプラン」の策定(07年3月)
¾ 都市内物流の課題は、地域によって様々だが、戦略的な物流円滑化メニューの体系化を行うことで、各地域が問題を解決するための道標的存在と
なり、これを参考にしながら、地域の実情に応じて地域主導で解決策を導き出す支援を行う。
¾ 利害の不一致により連携した取り組み体制の構築が困難である関係者に対し、行政が窓口となることで問題意識を共有化し役割分担を決める場と
しての協議会を立ち上げることを提案。
"
"
都市計画や物流システムの改善、環境改善などトータルな視点での取り組みが必要。
荷主企業、物流事業者、地域住民、商店街関係者など様々な関係者が連携して取り組むことが重要。
17
3.社会資本整備審議会
道路分科会
基本政策部会 建議
18
社会資本整備審議会 道路分科会 基本政策部会 建議 (H19年6月)
1.国際競争力の強化
(1)国際物流に対応した基幹ネットワークの構築
●国際物流基幹ネットワークのイメージ
主な
物流拠点
渋滞の著しい都市内を通過
○国際標準コンテナに対応した迅速かつ円滑な物流の実現が必要
耐荷重不足
⇒国際コンテナ通行支障区間の早期解消や連続していない高速ネッ
トワークの構築、渋滞対策等による交通の円滑化が必要
幅員狭小
(2)空港・港湾とのアクセス強化
迂回走行を強いられている
○東アジアを含め世界との交流拠点となる空港・港湾との道路ネット
ワークの充実
効率的で環境にやさしい
物流ネットワーク
①都市内の物流システムの改善
○国際コンテナ通行支障区間:約560㎞(47箇所)
※H18.6現在
●拠点的な空港・港湾への道路アクセス率
80%
②情報通信技術を活用した物流効率化の支援
40%
○工事・規制情報や走りやすいルート等に関する情報の提供による
効率的運行計画の支援等が必要
20%
○中長期的な視点から、主要な都市間の新たな幹線物流システムに
ついてニーズ、コスト、実現性等の観点から調査研究が必要
空港及び港湾合計
空港及び港湾合計
空港及び港湾合計
91%
94%
84%
67%
100%
○荷さばき駐車帯等の計画的な配置や集配量の多い建築物への荷
さばき施設の附置などを促進することが必要
③都市間物流システムの改善
港湾
アクセス道路
の整備
現在通行可能な経路
⇒日本海側の港湾の重要性も念頭に、空港・港湾とのアクセス率の
更なる向上を目指し、目標を設定して重点的に実施することが重要
(3)物流システムの改善
国際標準コンテナ車
通行支障区間の解消
88%
2空港
82% 88%
80%
3港湾
62%
60%
0%
1
アメリカ(H13末)
2
3
4
欧州(H13末)
5
6
7
日本(H18末)
8
9
10
注)対象空港:日本/第1種空港および国際定期便が就航している第2種空港 ⇒ 20空港
欧米/国際定期便が就航している空港
対象港湾:日本/総貨物取扱量が年間1,000万t以上又は国際貨物取扱量が年間500万t以上の重要
港湾及び特定重要港湾(国際コンテナ航路、国際フェリー航路及び内貿ユニット
航路のいずれも設定されていないものを除く) ⇒ 47港湾
欧州/総貨物取扱量が年間1,000万t以上の港湾
米国/総貨物取扱量が年間1,000万t以上又は国際貨物取扱量が年間500万t以上の港湾
出典)国土交通省資料
19
4.社会資本整備審議会
都市計画・歴史的風土分科会
都市計画部会 都市交通・市街地整備小委員会
報告について 20
社会資本整備審議会 都市計画・歴史的風土分科会 都市計画部会
都市交通・市街地整備小委員会 報 告 書 構 成
に向けた戦略的取組
拡散型都市構造を放置した場合の問題
歩いて暮らせる
環境の創出
第4章 集約型都市構造への転換
集約型都市構造の実現
第4章 集約型都市構造への転換
第1章 都市を取り巻く社会経済情勢の変化
第2章 都市交通の現状と課題
第3章 市街地の現状と課題
○移動に際し不自由な生活を強いられる高齢者の増大
○中心市街地の一層の衰退、「まち」の質の低下
○一層の車移動の増加に伴う環境負荷の高まり
○都市機能の維持等に係る財政への圧迫
過度な自動車利用の抑制
平成19年6月7日都市計画部会資料
集約型都市構造に基づく都市像の実現
○集約拠点等を結ぶ公共交通を軸としたアクセシビリ ティの確保
○集約拠点内で市街地整備を行い諸機能を集積
○郊外部の空洞化する市街地については、生活環境が極端に悪化す
ることがないよう低密度化を誘導
第5章 都市交通施策のあり方
1.多様な主体及び施策の連携による「総力戦」へ
○土地利用、都市計画、福祉などの多様な分野と連携
○公民を問わない施策がひとつの目標を共有し展開
2.都市交通施策と市街地整備との連携
○集約拠点等を結ぶ公共交通の整備
○集約拠点における市街地の整備
○併せて郊外部における開発を抑制
密接に連携
3.集約型都市構造の実現に向けた公共交通の重要性
○公共交通は都市の装置として、地方公共団体(特に市町)が主体的に計画
し 実現
○公益性は高いが採算確保が困難な公共交通は、公益の範囲で税その他に
よる財政支援や地域支援により整備・運営
第6章 市街地整備施策のあり方
■集約型都市構造を実現するための総合都市交通戦略
■集約型都市構造を目指した戦略的取組
○地方公共団体が中心となった協議会で、都市交通の目標を明確にし
た戦略を策定し施策・事業をパッケージアプローチにより推進
○国は、総合的・重点的に支援
○多様な機能が集積した歩いて暮らせる拠点的市街地の形成を推進
○基盤整備水準の低い既成市街地等の環境を改善
○都市美空間、安全安心、省エネ・省資源型都市等の内部目的化
■主要な取組テーマ
■主要な取組のテーマ
(1) 「選択と集中」による道路整備の重点化
(2)歩行者空間の復権と積極的整備
(3)都市の装置としてハード・ソフト両面から公共交通を再生
(4)つなぎ施設(交通結節点、駐車場等)の整備
(5)物流交通への対応
(1)「選択と集中」による重点化、民間参画環境の構築
(2)拠点的市街地の形成 (3)安全・安心の確保
(4)郊外市街地の賢い縮退(スマートシュリンク)
(5)地球環境問題等への対応
(6)エリアマネジメントの推進
(7)多様で柔軟な市街地整備
(8)市街地整備の担い手支援
(1)集約型都市構造の実現に向けた関係施策の連携
(2)都市交通施策に関する課題
第7章
【 今後取り組む (①総合交通戦略の推進方策、②駐車場の戦略的整備方策、③中心市街地での歩行者空間確保の方策、④公共交通の公益の評価手法)
べ き 課 題 】 (3)市街地整備施策に関する課題
21
(①既成市街地の再構築を進める制度、②エリアマネージメント方策、③地方都市における民間資金の活用方策、④市街地郊外部の賢い縮退推進方策)
拡散型から集約型都市構造への転換イメージ
‡戦後、各都市における市街化は公共交通沿線に沿い発展、これまでモータリゼーションの進展と
ともに低密度の市街地として拡張
‡今後、少子超高齢社会に対応したコンパクトな集約型都市構造への再編が不可欠
(4)求めるべき市街地像
(1)かつての市街地
基幹的な公共交通沿いに集約拠点の形成を促進
中心部に基幹的市街地、郊外は低密で分散
【各都市に見られる市街地の傾向】
都市構造
改 革
【低密度市街地が拡大した結果】
(3)低密度になった拡散市街地
(2)今の市街地
低密化
を放置
現在の
市街化
の傾向
22
全面的な市街化の進行過程
市街地が全体的に希薄化
「物流交通への対応」
【共同配送用駐車スペース 】
●骨格的な放射環状ネットワークの形成 ●物流交通の規制誘導
●物流拠点への対応 ●荷捌きへの対応
荷捌きへの対応
目的の明確化
協議会等により
協力・調整
・人流、土地利用等と一体的に検討
・交通の円滑化、歩きやすい環境、
にぎわいの形成 他
物流事業者
路上駐車による通過交通への
影響
出荷主
ビル管理者
実施・遵守
合意形成
着荷主
荷捌き施設の整備(ハード)
・路上荷捌き施設、路外荷捌き施設、
附置義務荷捌き施設を組み合わせ
て確保 他 路外荷捌き施設
道路管理者
交通管理者
住民・地権者
地方公共団体
管理・運営等(ソフト)
・荷捌き施設の一体的な管理・運営
・タイムシェアリング
・共同物流の促進(横持ち、縦持ち)
他
23
共同配送用駐車スペース
都市交通戦略 中心市街地等拠点的市街地における都市交通施策の展開
‡ 安全・快適でにぎわいある拠点市街地を形成するため、「つなぎ(結節点改善・アクセス)」「めぐる
(回遊性)」「たまる(滞留、荷捌き)」の3つの機能強化
アクセス
施策例
区 分
ハード ・基幹公共交通(LRT、BRT)
施 策 ・自転車走行空間、駐輪場
・フリンジパーキング
・都心環状道路 等
ソフト ・駐車場有効利用 等
施 策
にぎわいのある面的な歩行者空間
施策例
区 分
自転車走行空間のイメージ
トランジットモールのイメージ
ハード ・トランジットモール
施 策 ・歩行者専用道路
・水と緑のネットワーク
・イベント広場、ポケットパーク 等
ソフト ・自動車流入規制
施 策 ・イベント、オープンカフェ 等
荷捌き
施策例
区 分
ハード ・フリンジ荷捌き駐車場
施 策 ・ポケットローディング
・共同集配施設 等
ポケットローディングのイメージ
共同集配のイメージ
ソフト ・タイムシェアリング
施 策 ・自動車流入規制 等
24
5.国土交通省における
都市内物流支援メニュー
25
政策統括官における都市内物流支援メニュー
支援対象
ツール
支援メニュー名
概 要
グリーン物流パートナーシップ
普及事業
(グリーン物流
パートナーシップ会議)
荷主と物流事業者のパートナーシップにより実施さ
れる物流の改善方策を通じて、排出されるCO2削減
(省エネ効果)が明確に見込まれるものについて支
援を行う。
荷主、物流事業者等
補助金
(予算17億円程度、
上限5億円、補助率1/3)
グリーン物流パートナーシップ
ソフト支援事業
(グリーン物流
パートナーシップ会議)
グリーン物流の推進にあたってのボトルネックの抽
出・解決方策の検討等、パートナーシップ構築を含
めプロジェクト創成を支援。
調査機関、荷主、物
流事業者等
調査費
(予算1.5億円程度)
都市内物流効率化
モデル事業
都市内物流の効率化を促進するため、地域の関係
者が対応策の検討を行う場としての協議会等の設
立や課題の抽出、解決策の検討のための調査等に
対する支援。
各地域の関係者
(予算、税制、財投、その他)
補助金
(予算0.12億円)
26
道路局、都市・地域整備局における都市内物流支援メニュー
【道路局】
支援メニュー名
社会実験
(道路空間を有効に
使うための実験)
概 要
多様な主体との協働による道路空間を有効
に使うための実験
平成19年度募集テーマ(例)
・共同荷捌きスペースや共同配送などの実験
支援対象
①地方公共団体
②商工会議所やNPO
法に基づく団体
③まちづくり協議会な
どの公的な任意団体
ツール
(予算、税制、財投、その他)
調査費
(500∼1500万円を上限と
する。独自予算調達も可能)
【都市・地域整備局】
支援メニュー名
概 要
支援対象
まちづくり交付金
市町村が作成した都市再生整備計画に基づき
実施される荷物共同集配施設の整備等に対して
支援を行う。
市町村、市町村が出資
するまちづくり会社等
(間接)
街路事業
都市内交通の円滑化や市街地の形成を図る街
路や関係者と連携した路上荷捌き駐車スペース
等の整備に対して支援を行うもの。
地方公共団体等
都市・地域総合
交通戦略策定調査
地方公共団体が中心となり道路管理者、警察、
公共交通事業者、地元団体などの関係者で構
成する協議会等において総合的な交通のあり方
や必要なハード・ソフトの施策及びそれらの実施
プログラム等を内容とする都市・地域総合交通
戦略の策定を支援。
地方公共団体
都市交通システム整
備事業
総合的な都市交通の戦略や法律に基づく明確
な政策目的を持った計画に基づいて実施される
歩行者通路・広場等の公共的空間、荷捌き駐車
場等の整備に対し支援。
地方公共団体、民間、
第3セクター等
駐車場整備に対する
融資制度
一定の要件を満たす駐車場の整備に対して融
資を行うもの。
第3セクター
民間等
ツール
(予算、税制、財投、その他)
交付金
(予算2,510億円の内数、交
付率は概ね4割)
補助金
(予算3,106億円、補助率
1/2等)
調査費
(予算0.6億円、
補助率1/3)
補助金
(予算23.5億円、補助率1/3)
27
道路開発資金
政策投資銀行等
社会実験(道路局)
荷さばき駐車対策への取り組み(ハード施策)
【社会実験 これまでの取り組み等】
価値観やニーズの多様化、生活環境に対する意識の向上に伴い、地域住民等の幅広い意見を採り入れながら
施策の導入を考えていく必要性の高まり。
社会実験とは、地域が抱えている問題を解決するためみんなで新しい施策を考え、場所と期間を限定して実際に
体験することで、施策を実施するかどうかの判断をするもの。地方自治体などの行政組織や、NPO、民間企業が
主体の協議会が応募 (ただし、施策に関連する地方自治体の関与が必要)。
取り組み状況(H11-H19)
採択件数
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
計
6
9
14
14
20
29
32
41
33
198
テーマ
取り組み例
地域数
①歩行者・自転車優先施策
くらしのみちゾーン,トランジットモール
54
②オープンカフェ等地域主体の道活用
オープンカフェ,イベント等道路空間の多目的利用
41
③公共交通機関の利用促進
パークアンドライド・バス利用の促進,自動車の共同利用
14
④観光地の交通円滑化
観光交通の流入制限,観光情報の総合的な提供
10
⑤自転車利用環境の向上
レンタサイクルの導入,自転車走行空間の創出
18
⑥物流・駐車対策
路上・路外での荷捌き空間の創出
8
⑦通り名による道案内
通り名・位置番号による道案内システム
21
その他
17
合 計
28
183
(注)地域数は、上の実験件数より複数年にまたがる地域の重複を減じたもの
【社会実験 東京都渋谷区の例】
・東京都渋谷区では、地区の道路混雑を改善するために、総合的な社会実験を実施(平成12年10月)
・貨物車の路上駐車対策として、車線幅の変更等によって路上に荷さばき駐車スペースを新設。
・道路交通に与える影響として走行速度の改善がみられ、貨物車の路上駐車を適正化。
29
【社会実験 広島県広島市の例】
・広島市中心部では、荷さばき駐車により、円滑な交通、歩行者の安全が阻害。
・路上や既存駐車場(民間・公共)を利用した共同荷さばき施設を設置し、荷さばき作業の削減効果及び歩行
者等への安全性について検証。
・物流事業者の約7割、ドライバーの約4割が、荷捌きスペース確保により効率化が期待できると回答。
<対象区域>
社会実験の効果
袋町NTTビル東側市道
立 町 の 民 間 駐 車 場
不明
17%
効果は
ない
17%
本通り商店街
非常に
有効
25%
有効
41%
物流事業者(N=12)
袋町公園
約7割、ただし
「不明」を除く
と約8割
不明
20%
非常に
有効
16%
分から
ない
20%
ドライバー(N=25)
市営小町第2駐車場
広島市中心部
有効
24%
効果は
ない
20%
並木 通り
広島市中心部
約4割、ただし
「分からない・
不明」を除くと
約7割
今後の予定
荷さばきスペースの確保のため、
民間・公共駐車場の活用、路上ト
ラックベイ、タイムシェアなど様々
な方法について検討予定。 30
都市交通システム整備事業(都市・地域整備局)
行政界
【LRT整備の場合】
停留所(上屋含む)
架線柱
都市圏
広場・歩行者通路等の公共的空間
変電所
車庫・車両基地
バス
電気設備
(信号保安施設・架線等)
レール
トランジットセンター
P&R
LRT
T
鉄
道
T
★大学
中心市街地
★
C&R
駅
★
基幹病院
市役所
バリアフリー交通施設
バス路線
自転車道
公共交通軸(LRT、BRT等)
バス路線
駐車場
荷捌き駐車場
=凡例=
BRT
LRT
LRT : 次世代型路面電車
BRT: 専用・優先レーン走行による低床連節バスシステム等
P&R
:パークアンドライド
C&R
:サイクルアンドライド
31
:トランジットセンター
T
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