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個人レベルのがんばりが 観光地を救う

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個人レベルのがんばりが 観光地を救う
個人レベルのがんばりが
観光地を救う
4“合目”
はらぼじ観光被疑事件
発行
はらぼじ観光 松浦紀之
〒371-0054 群馬県前橋市下細井町635-15
TEL:027-234-3404
はらぼじ観光 松浦紀之著
目 次
前書き ……………………………………………………………………
1
第1章 はらぼじ観光被疑事件 ………………………………………
3
第2章 無罪が当然である理由 ……………………………………… 12
第3章 強制捜査の背後にあるもの ………………………………… 15
コラム1 私の成田事件、強制送還体験談 ………………………… 28
第4章 全国旅行業協会への抗議 …………………………………… 30
第5章 前橋東警察への抗議 ………………………………………… 34
第6章 北村検事への反論 …………………………………………… 39
第7章 著作からはらぼじ観光被疑事件を考える ………………… 45
第8章 はらぼじ観光が多くの取り扱いができた理由 …………… 49
第9章 資格許認可許認可放棄という社会実験 …………………… 53
第10章 関越道ツアーバス事故について …………………………… 57
第11章 小企業の差別化戦略と規制 ………………………………… 63
個人レベルのがんばりが観光地を救う
4“合目”
著者 松浦 紀之
コラム2 業界と業界のはざまで新市場を作る …………………… 67
この冊子はどなたにでもお送り致します。
第12章 資格というきたない言葉 …………………………………… 69
ご意見やご感想をいただければ幸いです。
第13章 災害と観光産業の関係 ……………………………………… 74
第14章 経営者仲間へ伝えたいこと ………………………………… 79
コラム3 会津と富岡、個人商店が観光地を支えている実例 …… 84
第15章 価値観の合う人との社会運動 ……………………………… 86
後ろ書き ………………………………………………………………… 89
前書き
警察による強制捜査から丸1年がたとうとしています。警察による取
り調べの期間が1ヶ月、そのままほっておかれて半年が過ぎ、私が「行
動」をしたところ、検察への書類送検。検察での簡単な取り調べの後、
また半年の間、ほっておかれています。簡単な強制捜査の時に予想した
通り「仕事の妨害をされたただけで、長い間ほっておかれるのではない
か?」そう考えたとおり逮捕も起訴もされず私の容疑が本当に違法なの
かの結論も出さないという状態が続いています。
警察と私を刑事告訴した全国旅行業協会。そして背後にいるかもしれ
ない黒幕。顔を見せない悪意によって営業妨害をされた。今の私は「反
省」どころか、やるせない思いと怒り、そういう感情しか持ち合わせて
いません。
簡単に謝って、簡単な処分を受けて、それで会社を続ければよいでは
ないか。多くの人はそう考えると思います。私が会社を休業状態におい
ている理由は、「私だけしかできないこと」で価値あることは何なのか
を考えた末のことです。
この冊子を広く公開していけば、公開していくことを知った検察官が、
私が違法行為をしたのかしないのかが視点ではなく、「公=オオヤケの
楯を突く罰すべき人間」という理由で、「起訴」となることも予想がつ
きます。起訴されることが私にとってはたいへんな苦労だと考える人の
方が多いことでしょうが、私はそうは考えず、逆に被疑者または被告人
という立場を利用して、私の主張をしていける絶好のチャンスだと考え
ることにします。
強制捜査をされた直後に会社を閉めた理由は、仕事を続けながらでは
「抗議活動」をすることができないと考えたからです。強制捜査までい
かなくても、小企業と自営業者が官による指導を受け、その指導に対し
て納得できないものがあったとしても「言うだけ無駄」だと考えて、そ
の指導に従ったフリだけをする。自分では「悪いことなどしていない」
−1−
と考えていても最低の「処分」を受けて会社と仕事を継続させようとす
る。それが普通の経営者でしょう。
せめて私くらいは、官の指導に対して、正直に対応してみよう。そう
することによって、私と接する人に何かの影響を与えることができるの
ではないか。私個人の損得ではなく、私と接した人たちの行動の変化に
より、少しでも何かを変えていきたい。そういう希望をもって、この文
章を書き始めることにします。
2013年3月
松浦 紀之
−2−
第1章
【はらぼじ観光被疑事件】
強制捜査当日 2012年4月19日(木) 午前10時頃
はらぼじ観光の登記上の本社で松浦の自宅に前橋東警察署による強制
捜査が入りました。〒371-0054
前橋市下細井町635-15。私服警察官約
5名。
容疑は旅行業法違反。旅行業の登録がないのに旅行業をしているとい
う疑い。
約2時間後、会社事務所に移動、新たに捜査令状を取ったらしく、そ
の時点で、警察官の数は約10人に倍増。〒371-0018
前橋市三俣町3-
31-15東洋ビル2階。
最終的には警察官の数は17人までに増えました。
3年前に旅行業の許認可を自ら放棄した後は、旅行業者でないことを
お客さんにも受入にも堂々と伝えて、お客さんから対価を受けとらず契
約先のホテルを限定し「広告代」という名目で対価を受けとる、他には
ない業態に仕事を限定して営業をしていました。
旅行業の資格許認可を放棄したのも県庁職員の「圧力」への抗議です
し、私に敵意を持った役所から指導管理を受けることは精神的に我慢が
できないことだったからです。群馬県庁への抗議を公言していたことも
この強制捜査の背景にあったことだと予想がされます。
「推定無罪」という原則などこの捜査には関係ありませんでした。仕
事ができないように、仕事の心臓部であるパソコンのサーバー機まで押
収されました。
午後4時頃には、「泣き寝入りはできない」と判断し、その場に居合
わせたパート社員4名(母親も含む)、警察官達、業務委託をしている
元社員1名に対して、今日で廃業することを宣言しました。
当日のうちに、松浦と当日に勤務していた3名のパート社員は東警察
者に呼ばれて事情聴取を受けました。
−3−
無力な警察への抗議 4月21日(土)
前橋東警察署と大手町の群馬県警本部へ電話で「強制捜査を受けたは
らぼじ観光です。ホームページにその様子を書いていますので見て下さ
い」と電話で伝えました。強制捜査に来た17人にうちのだれか1人に直
接伝えようとしましたが、だれ1人として電話には出てくれません。
営業妨害を受けただけでほっておかれる状態 4月23日(月)
こちらから前橋東警察署の担当の生方氏を訪ね、「いつ逮捕されるの
か?」と聞いたところ、「期限はない」という答えを受けた。いつまで、
ほっておかれるのかという恐怖を感じました。
全国旅行業協会 4月24日(火)
全国旅行業協会からの告訴状がこの強制捜査をさせた、と疑って、全
国旅行業協会へ(逆に)「全国旅行業協会を訴えます」と電話をしまし
た。
やっとはじまった形式上の取り調べ 4月26日(木)
前橋東警察署にて13時∼18時まで事情聴取。調書の内容は仕事の流れ
についてがほとんど。はらぼじ観光のオリジナルプラン「ホテルのバス
が無料送迎するお得な宿泊、旅行プラン」の内容について。
急ぐことのない警察の取り調べ 5月1日(火)
生方氏より「パソコンのオリジナルシステムを警察官何人かの前で説
明して欲しい」という電話があった。強制ではなければ断りたいことを
伝えたら、簡単にそれでよい、となった。被害者もいない、正々堂々と
隠し立てを何もしていない会社に17人もの警官が突然やってきて一つの
会社の営業をやめさせる。そして、押収物から本当の「捜査」をするの
はずっと後、緊急性がない「事件」へのこの対応は警察による、「脅し」
「恐喝」としか、受けとることができない。
−4−
パート社員の事情聴取
強制捜査当日の他に、パートの3人は1回以上、前橋東警察に呼ばれ
ている。4月29日にMから聞いた話だが、東警察生活安全課の若い警察
官が任意の取り調べを断ったら、今度は同生活安全課のイモト氏が担当
に代わったとのこと。取り調べは私に対しても、別に呼ばれたパート社
員に対しても、1度目は高慢な態度で接したようです。「呼び出しに応
じなければ逮捕するぞ!」と言った警官もいます。それが、2度目から
は、私たちの言い分をそのまま記録するという内容で、2度目以降の取
り調べからは帰ってきたパート社員も独立社員(元社員でその時は独立
事業主としてはらぼじ観光の仕事を請け負う契約で仕事をしていた2
人)も、機嫌が良くなって帰ってくる、という不思議なことになってき
ました。
特別な警官
強制捜査の時、1人だけ威圧的な態度で接する私服警官がいました。
たぶん、この人は強制捜査当日も私、松浦に妙に挑発的な言い方で迫
ってきて、私がそれに言い返すことで結果的に17人まで人数が増えたよ
うに今は思います。
思い過ごしかもしれませんが、こういう人が特別な意志を持って、何
か特別なモノを探しているような気がします。第5章で書きますが本署
の所属でニックネームを「ずんぐり坊主」としました。
廃業 4月30日
事務所の看板をはずした。強制捜査によって、1階の喫茶店も店を閉
めてしまいました。このビルの大家さんで22年間家賃を遅れることなく
支払い続けていました。松浦の自宅に「仕事」を再開させられる最低の
ものは運び入れて、私一人の事務所にしました。株式会社はらぼじ観光
自体を消滅させるかどうかは思案中です。早く結論が出ないと、この先
どうするかの判断ができません。
−5−
1年前、全国旅行業協会からの通知
2011年4月、社団法人全国旅行業協会より弁護士7名の連名で内容証
明付き郵便が届いています。「はらぼじ観光のホームページは明らかに
旅行業をしているというもので、ホームページを2週間以内に閉鎖しな
いと、刑事告訴をします」という内容(ホームページにははっきりと
「旅行業者ではない」と書き込んであります)。その弁護士にすぐ電話を
しても、7人のうちの1人も電話に出ない。手紙だけ送っておいて話を
する気がないのです。応対の女性にこの内容証明郵便を破棄することを
伝えた。その後、全国旅行業協会とその支部である群馬県旅行業協会、
新潟県旅行業協会、埼玉県旅行業協会へ、刑事告訴の御礼というタイト
ルの手紙と冊子「個人レベルのがんばりが観光地を救う」を送っていま
す。
強制捜査8日前のやりとり
はらぼじ観光の取引先である福島県飯坂温泉の紺野社長より電話。前
橋東警察の人が横暴な態度で、昨年12月のはらぼじ観光の業務説明会の
会場となったこと、何社が集まったのか、など聞かれた。すぐに松浦が
前橋東警察署へ抗議の電話をした。すぐには何も答えてくれず、東警察
から電話をしてくれたのは生方氏。生方氏には「今からでも明日でも説
明に行く」と伝えたにもかかわらず、強制捜査となった。最初から強制
捜査で「特別な何かを探す」のか、「見せしめ」が目的だったのではな
いだろうか。
旅行業者の資格許認可を自ら放棄した理由
冊子「個人レベルのがんばりが観光地を救う・3合目」はこの説明が
主な目的です。お客さん数十人、受入数十社、バス協会、旅行業協会、
観光関連の業者、合わせて数百冊をすでに配ってあります。
はらぼじ観光のホームページ
警察に詳しい友人に相談したところ、ホームページで自己主張するの
−6−
はマイナスだ、という意見を聞いて、4月28日(土)以降、ホームペー
ジは閉鎖している状態です。正直、毎日の書き込みは神経を使うので、
楽にはなりました。
ホームページの内容が事件の根っこですし、顔を見せない黒幕への抵
抗の意味も込めて、期日を決めて、そのままの状態でホームページは再
開する予定です。
裏の取引
中小企業家同友会での知り合いから、前橋東警察署に勤務するだれか
から「はらぼじ観光にホームページの閉鎖を頼んでみて下さい」と個人
的に(裏で)伝えてきたのは、ゴールデンウィーク中でした。その時は
「出るところに出て、はっきりさせる」という高ぶった気持ちだったの
で、裏での取引は応じませんでした。今考えると警察に後ろめたいこと
があるから、裏での取引を打診をしたのではないかと考えています。私
の知らない世界では、表では力ずくで営業妨害をしておいて、裏で何か
の依頼をする。こういうことが普通に行われていることなのでしょう
か?
異常な捜査
直接の被害者が存在しない、この手の容疑で、17人もの警察官が、明
日から商売ができないように商売道具を持っていく。それも22年の間、
お客さんと取引先とのトラブルが皆無でやってきた会社です。資格放棄
の後から3年がたっています。逃げも隠れもしません。こんなことは聞
いたことがないと、私を支持してくれる人たちは言います。私は警察に
より「いじめ行為」を受けた、と感じています。資格許認可放棄の後、
地元の広告紙「広告新聞」に「はらぼじ観光の転業宣言」というタイト
ルで旅行業の資格がなくなったことをわざわざ広告代をかけてまで公表
しています。取引先のホテル、旅館などにも、お客さんにも文章でも口
頭でもことあるごとに転業したことを伝え、それでよいという人とだけ
で仕事をしてきました。お客さんから直接、対価(旅行代金)をいただ
−7−
く仕事はやめました。そんなことは強制捜査をしなくてもわかることで
す。それでも「罪」になるとしたら、インターネット上で観光関連の情
報を提供している業者の多くを摘発しなければならないはずです。
半年の間、ほっておかれている状態 10月23日
前橋東警察に出向いて、担当の生方氏に「どうなっているんだ?」と
聞きに行きました。答えは、「前橋地方検察に書類を送ってあるので、
呼び出しが来るはずだ」。いつ呼び出しが来るのかの期限は明確ではな
く、「時効が成立する前まで」が最大の期限だそうです。警察官17人が
圧倒的な力で、営業を停止させて、その答えは、警察としてやることは
やった。あとは他人まかせ、ということです。警察に疑われた時点で仕
事と名誉を失う。さもなければ泣き寝入り。「はらぼじ観光被疑事件」
を伝えて歩くことで、今後、自分がどうするのかを考えていこうと思い
ます。
やっと検察からの呼び出し 10月26日
50人いる県会議員のすべての人に「はらぼじ観光被疑事件」を話して
歩くことで、うやむやにされたり元の取引先や親戚知人にまで圧力をか
けられるかもしれないという恐怖感から逃れたい。そう考えて、県会議
員20人ほどと国会議員1人にこの文章を持って直接尋ねて歩きました。
20人ほどの県議と一人の国会議員を訪ね終えたところで、11月1日に検
察に行くよう、なぜかまた東警察の生方氏から電話がありました。東警
察は検察に送ったのだから、「もう関係ない。検察から連絡が来るはず」
と他人事だったのに、生方氏からの連絡の理由を尋ねたところ、「こっ
ち(生方氏)が、ちょくちょく連絡していたからじゃないの」という答
え。私が議員に働きかけなければ、もっと長い時間ほっておかれたはず
であろうことを抗議したところ。「検察も忙しいでしょうから」という
答え。「忙しい」は生方氏の口癖だが、そんなに忙しいのなら、はらぼ
じ観光への「捜査」を1人か2人でやって、状況を聞くことだけにして
おけばよかったのにと、心底考えます。
−8−
強制捜査は必要なかった!
資格放棄後の3年間、お客さんや取引先との間では問題なく営業して
きました。役所とはもめていたとしても、事故に関係したり、お客さん
の苦情などないはずです。それなのに、営業を停止させるに至った捜査
に対して公に抗議をしなければならない。
前橋地方検察庁 1回目 11月1日
旅行業登録放棄の理由を尋ねられ、1つ目は県庁職員への抗議反発、
2つ目は小企業としての差別化戦略の明確化、と答えた。北村検事は資
格許認可放棄を「もったいないこと」と考えていたようで、やはり価値
観が正反対だと思った。最後は、旅行業協会が賛助会員として受け入れ
ている「予約センター」という業態のこととなった。検事も知らないこ
となので、次回までに調べておくということで次回11月8日を約束した。
予約センターは契約先の宿泊施設の広告や予約業務を行っている。県内
にも数社ある。契約先に限定して広告代行の業務を行うこととお客さん
から直接対価を受けとらない点は、はらぼじ観光のビジネスモデルと同
じモノだ。この事件の発端は全旅協の告訴にある。旅行業協会が、自身
が傘下に置いて認めている業態が無資格なのに、同じ業態を無資格だか
ら違法だ、ということは明らかな矛盾。告訴が無登録の取り締まり以外
の意図があってのこととしか考えようがない。
検察の取り調べの延期 11月7日 前橋地方検察庁の担当である北村氏より電話があって、「明日の取り
調べを延期してほしい。予約センターという業態についてまだ調べてい
ないので・・・」。11月15日の2回目の事情聴衆を11月30日にすると、
連絡があった。予約センターについて調べる時間がそんなにかかるのだ
ろうか?他の事件で忙しいという理由も言っていたが、検事になるよう
な優秀な人がたとえ被疑者との約束だとしても引き伸ばしばかりしてい
てよいのだろうか?
−9−
検察、2回目 11月30日
起訴する!と言われました。起訴されて裁判されることを望んではい
たが、本当に起訴となった。北村検事は起訴の理由を「私の仕事を許し
てしまったら旅行代金をだまし取る人が出てくる」と言っていた。本当
にそうなのだろうか?
そうだとしたら、検事さんはみな思想的には性悪説だということなの
か。
調書を取られた。内容は警察での調書の内容が間違いないということ
をまず確認された。次は私の主張をそのまま文章にしてくれた。役所の
横暴に抗議していること。私を被告人にする前に警察官や検察官は職権
乱用をしている役所とその背後の「黒幕」を調べるべきだということ。
5月上旬の前橋東警察からの「裏での相談」について、「検事さんは正
義感がありますか?」と聞いた上で話してしまった。これだけペラペラ
しゃべる被疑者もいないと感心していることかと思う。12月中に裁判所
から連絡がくるだろう、と北村検事は言っていた
また、ほっておかれる状態 平成25年3月11日
約束の12月一杯が、3月になっても何の連絡もない。前橋地方裁判所
4階刑事部へ出向いて、どうなっているのかを尋ねたところ、検察から
は何もきていない。検察で聞いてみたらどうかと言われたので、「北村
検事が12月中に裁判所から連絡があるはずだ」と言ったのでここに来た
と話したところ、裁判所の男性が北村検事に電話をしてくれた。エレベ
ーター前のいすに座って待っていると、北村検事が慌てた様子でやって
きた。北村検事の言い分、「自分の中で迷っていて何もしていなかった。
待たせたことは謝る。容疑は確かに旅行業違反。10年も裁判をするのは
いかがなものか。もう一度、話がしたい」と言うことで今週の金曜日に
再度、検察に出向くこととなった。やり直しのようだ。
検察3回目 3月15日
調書はとらず私への(はっきりどうしろ、ということは言わないが)
− 10 −
説得に徹した内容。旅行業法では「宿泊の媒介が旅行業にあたり」、そ
れに該当するのは明白で松浦が他の何を言いたくても他のことが裁判で
争われることはない、私が旅行業者として復帰することを望む、と言う。
「役所に抗議することにしろ何にしろ、登録制度の中でするべき」とも
言う。昨年の11月30日には「起訴する」で話が終わり、今回の最初の部
分では「起訴するかしないかの問題ではなく・・・」という話しぶり。
私が考えを変えることはない、と言ったのを受けて、「それなら起訴す
るしかない」と言う。起訴するしないは自分の意思で、が、どこかに検
討してから、と言い方が変わったと思った。
− 11 −
第2章
【無罪が当然である理由】
旅行業者としての供託金1100万円の取り戻し請求をした直後に、地元
の広告誌「広告新聞」に、以下の内容の文章を、わざわざ広告代数万円
を支払って掲載しました。
『情報 Infomation
はらぼじ観光 転業宣言!
はらぼじ観光は平成21年4月20日をもって、群馬県観光局観光物産
課から頂いていた旅行業者としての資格を放棄します。今後はお年
寄りのお仲間作りに役立つ新しいジャンルの仕事に変えていきま
す。グループ代表の皆様、引き続きはらぼじ観光をご愛顧の程、よ
ろしくお願い致します。
はらぼじ観光 前橋市三俣町3-31-15
TEL027-234-3404
広告新聞 2009年4月12日号
発行者 (株)広告新聞 〒371-0026
前橋市大手町2-5-10
(移転後の現在の住所・TEL
下大島町24
〒379-2152
前橋市
027-289-5300)』
以降、お客さんから直接旅行代金をいただく仕事はやめました。どう
いう形態の仕事に限定したかといえば、1年ごとに「契約書」を取り交
わした温泉旅館・リゾートホテル・食事場所に限定して、契約先からの
み「広告代」という名目で対価をいただくことだけを仕事にしました。
容疑は旅行業法違反です。
「対価を受けとって宿泊施設の予約を代行する」仕事を、はらぼじ観
− 12 −
光がしていたという容疑です。対価は広告代として契約した宿泊施設か
らのみいただくというのがはらぼじ観光独自の仕事のシステムです。旅
行業法の資格制度は供託金を法務局に預けることで、旅行代金の「取り
逃げ」などの詐欺行為を防ぐという主旨だと解釈しています。対価は
(お客さんがサービスを受けた後)1ヶ月以上も後に、お客さんではな
く契約先からいただくわけですから、旅行業法で防ごうとしている「取
り逃げ」が起こる可能性は全くありません。
今回、はらぼじ観光を刑事告発した全国旅行業界が賛助会員として会
費を徴収している組織に「予約センター」または「総合案内所」という
業態があります。この業態は契約先のホテル旅館と契約し、予約を代行
するという仕事をしていますが、はらぼじ観光のシステムとよく似てい
ます。はらぼじ観光の取引先はこの予約センターまたは総合案内所が公
に認可されているのだから、はらぼじ観光が無登録でもまさか法律に触
れることはないだろう、と考えて、契約していたことでしょう。北村検
事にその話をしたら、「予約センターは旅行業法の先にある取り決めで
特例として認められている」という言い訳をしていました。裁判になれ
ばはらぼじ観光の多くの取引先にこのことへの認識を伝えてもらおうと
思います。よく聞く話で官庁が「通達」と呼ばれる指示命令を業者に伝
えて、それが法的拘束力があるかないかの次元の話です。
また観光地の「広告」に対して対価を受けとるという仕事は、テレ
ビ・雑誌などあらゆるメディアで当たり前のように行われていて、それ
が「違法」だという認識はだれも持っていないはずです。
いつか仕事を縮小しなくてはならなくなったら、一般的な旅行業者が
やっている仕事をやめて、広告代行と温泉旅館リゾートホテルの相談役
的な内容の仕事に限定しようと考えていました。これは常々考えていた
リストラ策でもありました。
私にとっては不利になることかもしれませんが、正直に話します。許
認可放棄後の3年の間に全部で4∼5回だけ旅行代金をいただく仕事を
したことがあります。そのお客さんがどうしても私に頼みたいというの
で、旅行業者ではないことを伝えて「仕事の範囲外」でやりました。利
− 13 −
益がほとんどないどころか、自分で同行した韓国旅行などは他のお客さ
んより私自身がより多くの費用を支払っています。このことは、参加者
の中で証人にもなってくれる人もいるはずです。年1、2回で50人にも
満たない取り扱いでは「仕事」と見なさないということは白バスの摘発
などとかかわったことで認識していたことです。無資格でやる仕事が摘
発できるのはその仕事の絶対量が必要だということだと解釈していま
す。
全国旅行業協会が刑事告発したことで前橋東警察の強制捜査に至った
ということがこの事件の本筋です。全国旅行業協会が問題にしたはらぼ
じ観光のホームページにも、「旅行業者ではない」と明記しています。
証拠として強制捜査後から閉鎖していたホームページを当時のまま公開
するつもりでいます。全国旅行業協会は素人ではないはずです。私を告
発したのであれば、旅行業の登録番号をその都度明示しない、テレビの
旅番組すべてを摘発しなければなりません。全国旅行業協会がはらぼじ
観光を告訴した本当の理由は何だったのでしょうか?
地域のグループ、意識(趣味)のグループ、同窓会の幹事さんが、は
らぼじ観光のお客さんですが、そのお客さんへの契約前の広告物にも、
契約後の説明書きにも旅行業者ではなく「温泉旅館リゾートホテルを紹
介する特別な業態の業者です」と明記しています。旅行業者ではない、
と回りに知らしめたという証拠品はあり余るほどあります。
− 14 −
第3章
【強制捜査の背後にあるもの】
仕事のテーマは「白」ナンバーのバスの有効活用でした。99%の旅行
業者が「触れたらいけないもの」という認識を持っていたものです。そ
れを「認める」ことで急成長しました。よって、業界団体や公の機関か
らの「ご指導」はよくあることでした。現状と私の考えを正直に伝えれ
ばその相手は無言で鉾を収めるか「ご配慮をお願いします」で終わりま
した。それが2006年、選挙の応援をした時から、今までとは様相が違う
役所からの「ご指導」がはじまったのです。
前回「個人レベルのがんばりが観光地を救う・3合目」の主な内容は、
「なぜ旅行業者としての許認可を捨てたのか」でした。その文章をそっ
くりここに載せます。
【はらぼじ観光が旅行業登録を返上した経緯】
旅行業の登録の更新は5年ごとに義務づけられています。5年前、
2004年の10月の更新登録をした時のことです。面倒で無意味な書類だと
思いながらも、自分でこのことをよく考えるために司法書士や部下に頼
むことをしないで、自分で書類を作って、群馬県庁の国際観光課に提出
しました。その後「立ち入り検査をします」と、いかにも経験の少なそ
うな若い男性職員から電話が来ました。
やっていた仕事は白バスを使う前提でのことですし、ハッキリさせた
ら「違法だ」と言われる心配もありました。以前、税務署が調査に入っ
たときも弁護士に言わせれば「拒否できる」ということも聞いていまし
た。県庁職員が素人集団で現実の観光産業のことなど何も考えていない
ことへの不満もありました。白バスだ青バスだ、を言ったところでその
若い職員が何かを理解するようにも思えない。 「拒否します」と答え
ました。簡単に、合わせたふりをして検査を受け入れることではなく、
私の疑問を正面から受け止めてくれる担当者が来て、話を聞いて、納得
− 15 −
すれば何かを変えねばならないかも、とも考えていました。そうしてい
て、旅行業登録の更新の許可がくるかどうかを黙って待っていました。
1ヶ月もたたないで、わら半紙1枚の「更新登録をしました」という通
知書が来ました。
その後は、役所とは何もかかわることもなく、変わらず仕事をしてい
たのですが、事件があったのは2007年2月のことでした。2月9日、前
橋市上細井町にある県庁の出先機関、合同庁舎内の旅行業担当部署から
「立ち入り検査をします。いつが都合が良いですか」という電話が来ま
した。「うちが犯罪をおかしたとか、不払いで訴えられているとか、捜
査令状でもあればしかたがないが、明確な理由がなければ、拒否したい。
役人はみな同じ仕事をしろ!と言う。それに逆らったからこそ今の仕事
がある。以前にも立ち入り検査は拒否している」と言ったら、おとなし
く「前のことは知らなかった、こちらでも検討させてもらう。」という
ことで、それ以来その部署からの連絡はありませんでしたが、かわりに、
同じ月のうちに今度は県庁内の国際観光課から電話が来ました。今度は
わかったようなものの言い方で「立ち入り検査をします」と言ってきま
した。このあたりから何かおかしいな、と思い始めました。以前のよう
に簡単にあきらめる、という感じがないのです。しかし、これも、決め
ていたことですから迷わずに断りました。同じ月のうちに伊勢崎警察署
からも、お巡りさんが自宅を訪ねてきました。息子が乗っていて盗まれ
た自転車が出てきた、というのです。
2年以上忘れていた自転車です。犯人の罪を正したいので書類作成に協
力してほしい、という理由。その若いお巡りさんは書類の不備を理由に
3回夕食時の自宅にやってきました。お巡りさんは立ち入り検査ではな
いので、拒否はしませんでした。
言われるがままに協力しました。最近はお巡りさんも「中途採用」があ
るという話もその場で知りました。
さらに、中学2年の娘の担任から学校への呼び出しがありました。私
と同年代の担任の男の先生と同席した学年主任のこれも私と同年代の女
の先生。呼び出しの理由は娘に彼氏がいて、その彼氏と仲良くしている
− 16 −
ことが他の生徒に悪影響を与えている、ということ。娘の親だけ呼び出
されて、彼氏の方の親の呼び出しがないのもおかしな話。二人の先生と
の話し合いの中で、この呼び出しは先生本人の意志でしている行為でな
いことへの確信を持ちました。
そう考えると、旅行業者への立ち入り検査も、担当者本人の意志でし
ているのではなく思えて来ました。今考えると、若いお巡りさんだけは
忠実に上司の指示を守っていて、裏事情は感じていなかったようです。
行政事務所、国際観光課、担任、学年主任は、圧力の手先となっている
自分にわりきれないものを感じながらも、自分の「居場所」確保のため
に、公務員が職権により政治運動をするという違法行為に手を貸してし
まった、という事です。だれか意志のある上司が私を狙って、木っ端役
人を使って圧力をかけようとしているのです。
なぜ、私のところにいろんなお役人さん達が寄ってきたのかの理由で
す。前年の2006年の10月から、知事選に出馬するという同級生を、派手
に応援をしていました。県議初当選の時に少しのかかわりを持ちました
が、10年近く連絡も途絶えていた「友人」でしたが、今回は自民党も離
党し、4期連続で知事を続けている体制を批判し、既得権益排除を訴え
ていることに共感を持ったからです。おかげさまで、はらぼじ観光はお
客さんの数だけは多いです。10月には伊勢崎を中心とした団体が出発す
る場所に行ってもらって、顔を売るということに協力をしました。同級
生のメーリングリストなどで公開しながらやっていたので、それを、県
庁の中にいた小寺知事の側近が知って、私に圧力をかけたものではない
かと推測をしました。選挙の方は残念ながら負けました。今年になって
県会議員として再当選した山本龍氏がこんなブログを上げました。「『観
光業の立ち入り検査を断っているんだ。』と高校の同級生と話ができた。
彼は観光業。2年前の知事選挙の応援をしてくれた。当時のことを振り
返って彼が言った。『多くのインターネット旅行社が果たして旅行業法
を遵守しているのか?規制緩和の先に小さいものが生き残るビジネスが
ある。』と彼の言葉に少し身勝手さを感じる人もいるだろうが、クロネ
コヤマトの創始者の心意気との共通しているものを感じる。彼らしい現
− 17 −
実への視点に私も、鏡を見るようです。怒っています。相変わらずKY
の政治に・・・」この文章で県庁のその当時の旅行業担当部署は「立ち
入り検査をしないままにしておけない」と考えたのでしょう。今度はい
かにも丁重なネコなで声で「社長からお預かりしていた、宿題の答えが
出ましたのでお持ちしたいのですが」と電話。圧力でなければ、仕事の
情報交換は歓迎ですからOKしました。実際来てみたら、一人ではなく
2人です。「証拠のため」と録音テープにスイッチを入れて、テーブル
に置いた上で、私に3つの紙面を渡そうとします。何が書いてあったの
かは今ではわかりませんが、「はらぼじ観光の仕事は違法ではない」と
言われれば、役所のお墨付きなどという重い、重い「勲章」をいただく
ことになるし、「はらぼじ観光の仕事は違法だ」と書かれてあるとした
ら、堂々と仕事ができなくなってしまう。「受け取りは拒否します。帰
って下さい。」と、きっぱり言っても帰りません。だいたい、自らで違
法行為をしている役所の言うことなんか、だれが信用などするものです
か。怒鳴っても帰らないので、110番をしてパトカーを呼びました。
以前からこの話しがこじれたら、登録自体を返上しよう、と考えていた
ので、その日のうちに今日来たその県庁職員に直接電話をし「おたくた
ちからの許認可を受けているから、いやなかかわりを持たなくてはなら
なくなる。許認可返上、登録放棄をするから、供託金取り戻しの書類を
送ってくれ」と伝えました。 今すぐの「廃業」もわざとらしいので、
1ヶ月後の転業のための供託金取り戻し請求という名目にしました。
何の隠しだてもしません。新聞広告や経営者の会の機関誌に広告代ま
で払って、この会社が転業と廃業をしたこと一般にも知らしめました。
たとえ仕事が半減しても、会社が解散することになったとしても、しか
たがないと思っています。全部で10人しかいない社員達ですが、きちん
と私と議論をする社員は「松浦さんの思うとおりにするべきですよ」と
うれしい意見を言ってくれます。どう解釈して良いのかわからない人は
だまっているだけです。
********************************
− 18 −
以上は、前回の「個人レベルのがんばりが観光地を救う・3合目」で
説明した旅行業者としての資格許認可を返上した経緯です。昨年の11月
1日、検察庁での最初の取り調べで北村幹事に聞かれたことは「なぜ、
許認可を放棄したのですか?」という質問でした。それにはこう答えま
した。「1つ目の理由は県庁職員に対する抗議です。2つ目の理由は小
企業としての差別化戦略を明確にするためです」
。
そして、旅行業の資格がなくなった後は、お客さんから「対価」をい
ただく仕事はやめたわけです。グレーゾーンなのは確かで、どこかの役
所か半分役所的な組織からの「ご指導」「ご質問」はあるだろうとは考
えてはいましたが、まさか警察が大挙してやってきて、商売道具を奪い
去る。仕事ができないような状態にする。そんなことがあるとは夢にも
思いませんでした。
背後に何があるのか、戦前の規制社会にもどったのか、どちらかとし
か考えようがありません。私は大物政治家でもなんでもない、ただの零
細企業の経営者なのです。
私と気の合う人は今回の強制捜査をこんな風に評価しました。「直接
の被害者のいないこの手の容疑で17人も多くの警察官がやってきて、翌
日から営業ができない状態にするなどと言うことは異常なことだ」
。
無料で相談した弁護士先生に捜査について聞いてみたことがありま
す。
松浦の質問
「強制捜査で、逮捕できるようなものが見つからなかったとして、そ
のまま、ほっておかれることはあるのですか?」
弁護士先生の答え
「チンピラが何かで捕まって、警察で取り調べを受ける。そこで知り
合いの暴力団の事務所に危ないモノがあるかもしれないと言ったとす
る。そうすると確証がなくてもその暴力団の事務所に強制捜査が入る。
たとえその捜査で何も見つからなかったとしても捜査は当然のことで、
捜査された側の言い分などに聞く耳を持たない」
。
− 19 −
***暴力団の事務所とはらぼじ観光の事務所といっしょにしないでも
らいたい!***
共産党の無料相談で、弁護士に質問したことです。
松浦の質問
「緊急性のないこの手の容疑でこれだけおおがかりな捜査って、ある
のですか?」
弁護士先生の答え
「最近では、1級建築士の資格がないのに、1級建築士だと公言して
いて、捜査が入ったと聞いている」
。
松浦の今の反論
***私はだれに対しても一言の嘘など言っていません。すべてを公開
しています。隠し立てをしないことはすぐにわかることです。捜査をし
て無理矢理、仕事をできなくすることは、越権行為です。***
まさか、「やめた」と公言している旅行業、その旅行業法の違反の容
疑で摘発されるとは思ってもいませんでした。私が他の何かの「犯罪」
を犯していて、よく聞く「別件捜査」とかで、他のどんな「犯罪」で捕
まるのか?強制捜査の直後には、正直、そんな心配をあれこれしたもの
です。
捜査の真の理由1=スパイ容疑で捕まる
昨年の6月に竹島(韓国名ドクト)に行ってきました。東日本大震災
の後、キャンセルばかりで仕事にならない。仕事は社員にまかせて、前
から行ってみたかった日本海の孤島、欝陵島(ウルルンド)を目指しま
した。行けるものならウルルンドから竹島にも渡ってみるつもりでした。
行ってみれば案外簡単に行くことができました。ウルルンドから竹島へ
は1日3便の観光船が出ています。6月から8月のシーズンには250人
の定員が常に満席のようです。朝、6時出発の便で竹島に向かいました。
となりの席、カメラが趣味の年配男性の話です。「我々は運が良い。風
− 20 −
が強い所なので上陸できるのは3回に1回の確率しかない。今日は雲一
つない晴天で、風もなく、我々は上陸してドクトを見物することができ
るだろう」。風があると着岸はせず、島を一回りしながらながめること
で済ましてしまうそうです。領土問題についての議論は避けよう。日本
にいる時のように議論で応戦ばかりしていたら危ない目に遭うかもしれ
ない。そう考えてはいましたが、日本人である私に対して「ドクトは
我々の領土」と言ってくる人は5人にうちの1人でした。
竹島は島というより、大きな岩が二つ海から突き出ているというもの
です。二つの大きな岩に挟まれた部分にコンクリートで桟橋が造られて
います。250人が上陸しても、自由に行き来できるスペース。偉い人は
ここまでヘリコプターで来るそうです。
行ってみてわかったことは、警察官が10人常駐していること。徴兵制
のある韓国で軍隊ではなく警察官ということに意味があるのでしょう。
夏場は海女がこれも10人ほど稼ぎに来ているそうです。おもしろいのは
老夫婦2人が定住していること。旦那さんは60代後半で、奥さんの方は
70代の姉さん女房だそうです。日本のテレビの映像では竹島に多くの観
光客が上陸している様子など一つも出てこない。意図的な映像で真実で
はないイメージを作るということは、25歳で最初にプザンに行ったとき
に知りえたことでした。大手マスコミのほとんどは大本営発表を今でも
続けています。大手マスコミも「許認可」事業なので、真実の報道より
も体制よりの報道をしているということでしょうが、私のような「小者」
でも機会があれば公権力と戦っているのですから、マスコミの職業倫理
をまっとうしてほしいものだと思います。
ウルルン島の2泊目は島で一番大きなホテルに泊まりました。ほとん
どの部屋が独立した一戸建て。台所付き、寝室とリビングとが別々にあ
る部屋に1人で泊まっても10万ウオン(8000円弱)程度でした。そのホ
テルのオーナーが日本人は珍しいということで、ロビーで歓迎してくれ
ました。学者肌のようで「ドクトが韓国領であることを易学的視点から
検証した文章がちょうどできあがったばかり。これは、本にする前の原
稿の一部だがお土産としてもって帰って欲しい」。著作記念として作っ
− 21 −
たという豪華なキーホルダーとコピーされた数十枚の文章を渡されまし
た(申し訳ないことに読むことができないまま、今回、事務所の閉鎖で
どこかにいってしまいました。ごめんなさい)
。
5年前、2007年に長崎県の対馬から韓国プザンに渡るという旅行をし
たことがあります。対馬への観光客は9割以上が韓国人だということも
実際に見てきました。私が対馬に行った後で、竹島問題がマスコミで盛
んになり、その延長線で対馬も韓国領だ、という主張をされるようにも
なったようです。対馬へは韓国南端の港町である釜山から日帰り旅行も
できるという近さ。旅行好きな韓国人の国民性、これから書く「戦略」
もあって、韓国人観光客で対馬はあふれかえっていました。ウルルンド
も観光客であふれかえっています。私が帰ってきた後で自民党の議員が
ウルルンドに行こうとしてソウルの空港で入国拒否をされたというニュ
ースを聞きましたが、小さな島にあれだけ多くの観光客がいるのに、警
備を必要とするような人が行ったらそれこそ迷惑な話でしょう。入国拒
否までされる理由はわかりませんが、それなりの肩書きのある人が堂々
と島に渡ることはやめた方がよいと思います。韓国客のいない冬場に身
分を公表せずに行くことだと思います。水戸黄門や暴れん坊将軍の世界
です。おかげで「日本人はウルルンドには行けない」と韓国政府がいう
はめになってしまいました。でも、私のように1人で行けば、今でも行
くことはできると思いますよ。書類上の手続きといったら乗船名簿を船
員に手渡すだけのことで、どこの国の人かをチェックすることなどない
のです。そして、居合わせる人たちで(古い日本人のように)日本人だ
からいじめてやる、などと考えている人は皆無です。話をもどします。
ホテルのオーナー氏は私と同年代で韓国人には珍しい温厚な性格に見え
たので、タブーを破って言ってみました。「ドクトが韓国のものか日本
のものかをいう気はないですが、そういう事を言っていたら、日本人の
観光客がこのホテルに来ることができなくなる」。オーナー氏は、さっ
きまでの「主張」はやめて、私に言い分にうなずいてくれました。韓国
人は領土問題をも観光資源にしています。危ないモノには近づかない、
近づけさせない日本人、それとは正反対です。リスクを背負ってでも、
− 22 −
自分の権利=領土を主張する韓国国民の一人一人。そういう韓国好きな
私にスパイ容疑がかけられたのかもしれません。韓国への渡航回数は
100回くらいあります。
旅行業法違反は別件捜査で将来、松浦は日本に不利益をもたらすスパ
イで、危ないものも運んでいるかもしれない。危ないものを見つけ出す
ための捜査だったのか。最初はそんな的はずれな心配までをしたもので
した。
捜査の真の理由2=脱税で捕まる
税務署からもちょくちょくご指導の電話がきていたので、本気で税務
調査する代わりに警察が来たのかとも考えました。旅行業の資格許認可
を放棄してからは特に収入については気を付けていました。お客さんか
ら直接対価をいただかないような業態に変えてから99%の収入は契約書
を取り交わした取引先からのもの。現金でいただくことをやめて銀行振
込でいただくことに変えてもきました。警察が押収物の中の通帳を見て、
たくさんの取引先から毎月決まったように送金があり、直接お客さんか
ら対価をいただいていないことはわかったはずです。通帳を見なくても
ホームページにそう書いてありました。「対価をいただいて旅行の案内
をする」という点で法に触れているかどうかが裁判の争点になるとした
ら、「広告代」という名目で契約書を取り交わした取引先に限定して対
価をいただくことは旅行業をしているとは見えないはずです。
記録から落ちている収入があって、脱税で捕まるのなら素直に従う。
今回の事件で私から離れていく人は、きっと自分が脱税みたいなもので
調べられる恐怖感で私を遠ざけることも予想がつきます。だからこの先
も私とつきあってくれる人はみな、嘘偽りのない仕事をしている人ばか
りとなります。これも怪我の功名の一つです。
資格で商売をしている業態で会計事務所というのがありますが、会計
事務所についての考えをいっておきます。2000年のことです。はらぼじ
観光の収入がピークだった時にはじめての税務調査が来ました。会社設
立当初から世話になっていた会計事務所からです。何しろ立ち入り検査
− 23 −
されるのがイヤでイヤでしかたがありません。落としどころで税務署に
会社の資料を持ち込んでの調査となりました。経理を正されることも税
金を支払う請求もなく調査は済んだのですが、会計事務所への手間賃と
して7万円を支払いました。自分をけちだとは思いません。観光産業に
おける資格撤廃運動、既得権者への抗議のために蓄えはなくなることで
しょう。しかし、会計事務所への7万円は本当にイヤでした。この7万
円の意味は警察に賄賂を渡して事件を許してもらうのと変わらないこと
だと思います。既得権者とうまくやってだれのためにもならない仕事で
収入を得る。それが会計事務所「資格」だとしたら、そんな資格は何の
ためにもなりません。税務署も形式上の調査だけをしています。経理の
仕事などパソコンソフトがすればよいのです。これも資格を持った既得
権益者が古い仕事を守ろうとすることの弊害です。
捜査の真の理由3=バクチやヤクザとの関係で捕まるのか
ヤクザとのつきあい自体で処罰される。そういう法律ができたようで
す。
離婚をして3年になります。離婚をする理由を自分の中で10も20も並
べましたが、そのなかでも一番の理由は自分に守るものがあったら既得
権者への抗議活動などはできない、ということでした。県庁職員からの
不当な圧力。立ち入り検査を言ってきた県庁職員の言葉として忘れられ
ないのが、
「社長!社員さんも家族もいるんでしょうから・・・」
。
守るべき者のために自分の主義主張を通さないで立ち入り検査を受け
入れろ、という意味なのでしょう。そうなんだ、守るものがあったら既
得権益者に対して抗議することもできなくなってしまうんだ。あれ以来
そう考えるようになりました。警察から圧力をかけられたまま中途半端
に営業をしていたのでは私の精神は死んでしまう。仕事をやめて抗議活
動をするしかない。そう考えたわけです。
話をもどします。小泉元総理のおじいさんは湾岸労働者を取り仕切る
ヤクザだったそうです。ヤクザの起源は江戸時代の身分制度のどこにも
− 24 −
「所属」することができない百姓の次男坊三男坊だということです。自
分が資格を捨てた意味は自分たちだけ安泰な場所にいて安泰に生きられ
ない人を否定する。そういう既得権者達にすり寄ることがイヤだったと
いうこともあります。
小泉元総理のおじいさんのことは、宮崎学著の「ヤクザと日本」に書
かれてありました。宮崎学氏はグリコ森永事件の指名手配犯のモンター
ジュ写真に酷似した人物として知られています。江戸時代の身分制度の
弊害で生まれるべくして生まれたのがヤクザの起源だということです
が、今の時代も同じ現象が起きているわけです。それが、資格がなくて
仕事ができない人でもあって、白ナンバーのバスでもあるわけですし、
倒産状態になったホテル旅館でもあるわけです。私は資格がなくて生き
るのがたいへんな立場の人の側にいたいのです。私のバクチ好きへの言
い訳ですが、そんなところでよくマージャンもします。
前橋東警察の3度目の取り調べの時ですが、私が通る机の上に私に見
えるように「常習賭博」というファイルが置かれていました。被害妄想
かもしれませんが、公衆トイレのない山奥での立ち小便で摘発されたの
では被害妄想せざるをえません。しかし今は開き直りました。行きつけ
の雀荘に迷惑がかかったとしてもしかたがない。どうせ、被疑者として
どん底に落とされたのだから怖いものはない。そう考えるようにしまし
た。マージャンで捕まったら容疑を認めて、そのことも「公開」してい
くだけのことです。
脇道にそれますが、前橋東警察の生方氏にも北村検事にも聞いてみま
した。
「なぜ、パチンコは堂々と商売できるのですか?」って。そしたら、
「松浦は訴えられたから取り調べた」のだそうです。パチンコは既得権
者とうまくやっていて、私は既得権者とうまくやることを拒否した、そ
れがポイントだともいえますが、既得権者とうまくやることを拒否する
理由も説明するつもりです。
− 25 −
捜査の真の理由4=選挙違反を摘発するため
4番目の妄想です。私よりも選挙運動をいっしょに活動した人の方が
この説を強調します。私が応援した政治家との関係を調べに入ったので
はないか、という説です。政治資金の記録があるのないので秘書や支援
者に容疑がかかるという報道がよくありますが、押収した預金通帳の明
細を調べに入ったのではないか。そういう憶測です。
昨年2012年12月の選挙ではおもしろいことになりました。ここ前橋で
の選挙でいっしょに活動した人たちが何人か他県で立候補した人の支援
者になったそうです。その支援者達が選挙違反の容疑で私以上の強引な
取り調べを受けました。その話を聞いて私は「自分の仲間ができてよか
った」と笑ったものです。未成年者が選挙活動を手伝ったという容疑だ
そうですが、その未成年者に何の面識もない支援者も含めてほとんどの
支援者を警察が取り調べたそうです。そして、取り調べを受けただけで
結局は起訴も逮捕も何にもされない。
私とおんなじです。
私のような経済犯の容疑も選挙違反の容疑も、被害者がいない、とい
う点では一致しています。だれかが「チクった」ことで、その「チクリ」
に警察が「賛同」して取り調べとなるわけでしょうが、被害者がいなく
て緊急性のない容疑に対して、どうしてまあ、あんなに多くの時間と手
間がかけられるのか。もっと犯罪らしい犯罪を摘発することに労力を使
うべきでしょ。この種の取り調べを受けた人は警察が「公務員は全体へ
の奉仕者であって一部への奉仕者であってはならない」という憲法違反
をしているということを実感していることでしょう。そんなことばかり
しているから、警察への不信感は積もるばかりなのです。
被害者がいない、緊急性がない、経済の規制への容疑と選挙違反への
容警察がかかわる時点で「職権乱用」を疑ってかかる。その種の警察内
部の組織やマスコミがやるべき仕事ではないでしょうか。
強制捜査直後は、こんな心配ばかりしていましたよ。ある種の恐怖感
ですが、今はほとんどなくなりました。直接接した警察官や北村検事の
− 26 −
態度が私の恐怖感を取り除いたといえますが、17人が大挙して零細企業
にやってきたら恐怖ですよ。警察の仕事は市民に恐怖を与えることでは
ないはずです。安心感を与えることが使命なはずです。
既得権者がよく使う言葉で「保守義務」というのがありますが、私は
すべてを「公開」することで、活路を見つけていくつもりでいます。
− 27 −
コラム1【私の成田事件、強制送還体験談】
覚悟はしていても離婚をすればやはり寂しいものです。毛色の変わった人
と知り合うのは中年男としては自然なことです。それと「変人」である私は
昔から「場末の女」に興味を持っていました。お嬢さんタイプにはちっとも
興味はないのです。そんな離婚して間もない心境のときに1人の女性を成田
空港まで迎えに行くことになりました。
その女性、最初に日本に来たときオーバーステイしてしまったとかで、ス
ムーズには入国できない心配があったのでしょう。韓国からの電話で頼まれ
て鼻の下を伸ばして成田まで迎えに行ったのです。ところが、到着予定の20
時を2時間過ぎても3時間過ぎても到着ロビーに出てきません。だれもいな
くなったロビーに出てきたのは24時近くになった時でした。大韓航空の職員
だという警備員に付き添われて、大きな荷物を持って、待っていた私になぜ
だか非難の言葉を言いながら、到着ロビーに出てきました。
強制送還が決まれば、乗ってきた航空会社へ身柄?を渡すことなります。
強制送還される人のための専門の警備員が各航空会社にはいるようです。そ
の警備員の監視のもとで本国へ帰る次の出発便までの時間を過ごすことにな
ります。出迎えた者がいて、宿泊代や航空会社職員の日当代を支払うことが
できれば、空港の敷地の中のホテルに泊まることもできます。ホテルの2階
は強制送還者専門のスペース。「ついたて」がエレベータホールと部屋の境
目に置いてありました。大韓航空の警備員は太った女性でとても好意的に接
してくれました。(本当はダメなのでしょうが)空港の敷地との境目のすぐ
向こうにあるコンビニでの買い物も許してくれました。お腹が空いたので警
備員の車で弁当を買いに行ったのですが、彼女はなんと「日本製お菓子」を
7000円分も買いました。買い物籠3かご分です。一人息子へのお土産だそう
です。当然というか、なぜだか、コンビニへの支払いも私がすることになり
ました。他にもホテル代が12000円。大韓航空の警備員の人件費16000円も私
の支払いです。親切?な大韓航空の警備員の「ご配慮」によって、ホテルの
部屋の中で過ごす時間を与えてもらうこともできました。こんなこと聞きた
くもないと思いますが、その日も、彼女と飲み歩いた3ヶ月の間も深い関係
は一度もなかったのですよ。鼻の下を伸ばしていただけの「いいお客さん」
でした。
警察に対して、被疑者たるものが抗議活動などをすれば、被疑者本人の別
件のあら探しだけではなく、取引先や知人友人にも捜査の手が伸びる。そう
− 28 −
いう心配があります。捜査直後には、お客として普通に飲みに行ったとして
も、その店に迷惑がかかるかもしれない。そんな心配までしました。だから
自分が被疑者であることを伝えた上で店の席に座ることもしばしばありまし
た。覚悟を決めたというより、こういう状態に慣れました。何から何まで少
しでも疑われるようなことは、こっちの方から「公開」をしようと思います。
そういう意味で成田でのことを書いています。女性の了解はとってはいない
ので、女性に対しては悪いとは思います。でも、強制送還の時に、お菓子代
とホテル代と警備員代、それに財布の中に残っていたお札全部も渡すような
雰囲気になってしまい、結果、財布の中がカラになりました。高いか安いか
はわかりませんが、その代償として勘弁してほしいと思います。
彼女の場合は私がいたからよかったですが、出迎えの人のいない強制送還
者は、辛いと思いますよ。長イスだけが置かれたような待合室で次の便が数
日後なら数日間も過ごさなければならないのでしょうから。
私は仕事もよくしましたが、遊ぶことでお金もたくさん使ってきました。
一零細企業であれだけの数のお客さんが観光地でお金を使うことへの貢献も
できたと思います。稼いだ分だけは全部使う。自分で言うのもなんですが経
済貢献はしてきたつもりです。これから被疑者として「貧乏」になっていく
ことでしょう。私だけのことではなく、既得権者が正しいと考えることを進
めていけば進めていくほど、経済は死んでいきます。私を稼ぎのない人間に
することも「規制」が経済を殺すことの特徴的な事例です。
領土問題がマスコミでよく取り上げられます。韓国が好きで韓国人とのつ
きあいもありました。いったい「国境」っていうものは、だれのためにある
のでしょうか?国境があることで得をする人ってどんな人なのでしょうか?
国境があって苦労をする人はだれなんでしょう?
韓国人の飲み屋の、「おねぇちゃん達」には、こんな話をまじめにしてい
ます。
「私と共に国境をなくす社会運動をしていきましょう!」
− 29 −
第4章
【全国旅行業協会への抗議】
強制捜査のちょうど1年前に全国旅行業協会の代理の弁護士から送ら
れてきた内容証明付き郵便の内容はこんなものでした。
「はらぼじ観光のホームページは明らかに旅行業をしているというもの
で、旅行業違反だ。ホームページの閉鎖と営業の停止をしないと刑事告
発する」
弁護士名7人の連記でした。すぐにその弁護士事務所に電話したので
すが7人の名前が書いてあってもだれ1人として電話にも出ません。長
年の既得権者の苦情やご指導に対していて、それが、正義感によるもの
か、正義感に反するものかの区別ができるようになりました。正義感に
よるものは私とのコミュニケーションを持とうとします。正義感や職業
倫理などは無視して黒幕の命令によって自分の意思でない圧力妨害のた
めのものは私と意味のあるコミニーケーションを避けて通ります。この
内容証明付き郵便は正義感や職業倫理に反するもので、よくあった既得
権者からの圧力嫌がらせの類のものと判断し、その郵便も破り捨てて忘
れることにしました。直接、全国旅行業協会に電話したところで、内容
のある話し合いなどできるはずはないことはわかっていました。
当時は東日本大震災の直後でした。日本全体が観光産業はすべて自粛。
地震の被害のない関西より西のイベントも差し控えるという風潮です。
つい最近、中越地震・中越沖地震と2度の大震災を体験し、風評被害が
地震そのものの被害よりも大きいということを知っている新潟の人だけ
は、あえて、「遊び」もやめようとしないのではないか?そう考えて新
潟県内に絞ってダイレクトメール広告をしかけていました。その新潟の
同業者が全国旅行業協会にチクって全国旅行業協会は形式上の文章をは
らぼじ観光に送った。その程度のもの。まさか本当に刑事告発などされ
るとは思ってはいませんでした。告発されたところで、「有罪」などに
なるはずはない、という考えは、2年前も今も変わりがありません。逆
− 30 −
に刑事告発されようものなら、それを逆手にとって、全国旅行業協会が
なぜ悪いのかを主張するチャンスができる。そうなったら私だからこそ
できる「社会貢献」ができる。そんな考えもありました。その証拠に
「刑事告発の御礼」という文章を返事をしない全国旅行業界と3つの県
の支部にこちらから送りつけています。
この1年後に本当に刑事告発されて、強制捜査になったというのがは
らぼじ観光被疑事件の本筋です。このことは私を取り調べた前橋東警察
署の生方氏が直接私に言ったことです。裁判をしたらはじめての判例に
なるはずですからそういう意味でも業界関係者と私はこの事件の「宣伝」
をするべきです。まさか、裁判の傍聴もしない、なんてことはやめてほ
しいものです。
まず、全国旅行業協会に、刑事告発に至った経緯についての質問をし
なければなりません。どうせ、答えてはくれないでしょうから、逆に私
が刑事告発をして、損害賠償の請求ができないものかと考えています。
出る釘は打たれる、といいますが、出過ぎた釘は打ちづらい、という
格言もあるそうです。被疑事件を契機に「出過ぎた釘」となることで、
結果、観光産業全体を元気にすることが私のこれからの活動の目的でも
あります。もちろん目的は私自身の名誉と信用を奪回することですが、
同じくらいの量で、社会全体の利益が目標であることも宣言します。
全国旅行業協会の行為は全体の利益に反しているということの説明を
します。旅行業協会による「規制」が観光産業全体を殺し、そこに所属
する会員自身が強い経営体質を作ることへの弊害にもなっているという
ことです。後の章で、詳しくこのことも説明します。
元々私は全国旅行業協会の会員でした。会社設立後1年がたち、入会
の「資格」を得て、全国旅行業協会に入会しました。全国旅行業協会の
支部である群馬県旅行業協会の所属でした。いっしょに働いていた私の
母親は群馬県旅行業協会の会員の研修(?親睦)旅行にも何度も参加し
ています。全国旅行業協会の会員が「大手」に対抗するためという名目
での全国旅行業協会が共同企画したという募集型旅行にも協力し一番多
くの参加者を集めたこともありました(共同企画はすぐ消滅したようで
− 31 −
す)。
旅行業協会を脱会した理由
1、旅行業協会が規制ばかりして、観光産業全体の発展を阻害している
から。
2、会員でいると、自社の差別化戦略を明確にできないから。旅行業協
会の役員が役所や学校からの仕事をもらうためには、「相見積もり」
に象徴されるように同じ基準同じ土俵での営業戦略となってしまう。
旅行業協会の役員をするような一部の会社が役所や学校から仕事をも
らうためにはなっても、独自の戦略で独自の市場を作るという方向に
いかなくなる。
3、旅行業協会の職員はほとんど仕事をしていない。その上に会員に対
しての態度が悪い。
4、年々上昇する会費がもったいない。
やめたとしても、このような非難をしていたわけではありません。お
となしくやめました。非難をしていたのは職権乱用で圧力をかけてきた
群馬県庁の職員に対してです。全国旅行業協会が私を葬りさろうとした。
ここまでされたのだから、全国旅行業協会の「悪」を表に出し、会員に
対しては脱会することが賢明であること。政治家には全国旅行業協会の
取りつぶしを訴えていこうと思います。
北村検事による2度目の取り調べの調書、その内容は、
「検察官や警察官は、全国旅行業協会と警察を使って、私を葬りさろ
うとした黒幕について調べるべきです」というものです。調書には私の
言いたいことを書いてくれました。当然のことなのでしょうが。全国旅
行業協会の「だれ」が刑事告発を指示したのかを明確にして、取り調べ
をしなければ不公平すぎます。
天下りの組織は「あれがダメ、これがダメ」というだけで、経済が発
展するため、観光産業全体を元気にする、そんな目的意識を持つ人など
− 32 −
皆無。年々会費をかってに値上げをし、それだけでは足りず、税金を使
ってもやることは「規制」。観光産業全体、経済全体の妨げになってい
ること甚だしい。
全国旅行業協会の会員である旅行業者達・以前の同業者達に聞いてみ
たいことです。
「全国旅行業協会の会員の将来はあるのですか?」
もし、私が無実を勝ち取ることができれば、全国旅行業協会と組んで
無責任な告発文を出した弁護士7人に対しても抗議をしなければなりま
せん。内容を調べることもなく安易に告発されて、私は「被害」を被っ
たわけですから。
− 33 −
第5章
【前橋東警察への抗議】
前橋東警察署で私を取り調べた警察官は生活安全課の課長だという生
方氏。強制捜査の当日から私を誘導してきた人です。すらりと体格がよ
く、細おもてな人です。私に接する態度は後で書く横暴な警察官とは違
って好感が持てました。個人的な恨みはありませんが、決めたことです。
あなたが正しい、と考えていること自体が結果的に全体の利益に反して
いる、という訴えをしなければなりません。自分のことを「ペイペイだ」
と言うのが口癖。愛着を込めて「ペイペイ生方氏」と呼んでいきます。
あなたが、強制捜査などせず、1人か2人でやってきて、私と「話し
合い」をしさえすれば、私は今でも仕事を続けていられた。私がもし無
罪になれば、あなたにも責任をとってもらわなければなりません。あな
たのせいで私の人生は変わった。人のせいにしないでほしい。
ペイペイ生方氏の特徴的な発言を取り上げることで、強制捜査が異常
なことだったという証明につなげようと思います。
ペイペイ生方氏の発言
「警察がだれかに利用されたのかもしれない」
前橋東警察での2度目、3度目の取り調べ。私がお客さんや受入に対
して、旅行業をやめたことを説明した上で仕事をすすめてきたことを、
その時点で知ったという自分自身のサボタージュを認識してかどうか、
自分(?自分たち)の意思で強制捜査をしたのではないということを私
に伝えた言葉です。警察を利用した「だれか」が直接、全国旅行業協会
ではない。という意味合いを私に伝えてもいます。強制捜査の前でも後
でも、私が何かの隠し立てをする人間ではないことはわかるはずです。
1人か2人で会社に来て話だけ聞けば強制捜査をして知りえたことと大
− 34 −
差のないことはわかりえたはずです。被害者のいない、私が逃げも隠れ
もしない。捜査の緊急性はなかったはずです。警察官がだれに対しても
迷惑をかけていない市民を「威嚇」
「恐喝」
「おどす」ことをしたらそれ
は犯罪です。私は警察官達からよってたかって、「いじめ」を受けまし
た。そして、仕事ができない状態に置かれています。
ペイペイ生方氏の発言
「黒幕はXさんですか?」
証拠品は十分持っていったのだし、取り調べ自体が形式的なものであ
ることは1度目の取り調べで感じることができました。2度目の取り調
べを拒否していたら、5月30日、なぜだか前橋市役所の廃棄物対策課か
ら呼び出しがきました。私の会社の看板が廃棄を頼んだ業者の敷地内に
放置されていてそれが問題だというのです。廃棄物対策課の諸岡氏にい
わせると、「業者に自社の看板を渡しても、その後の処理についても責
任がある」そうです。諸岡氏も市民の味方ではないことを感じました。
翌日には廃棄物対策課の職員が態度を一変させ、ゴミ業者の所に「騒が
せて済まなかった」と謝りに行ったそうです。取り調べを拒否している
とありとあらゆる関係で私に圧力をかけるという。これも脅しだと感じ
ました。このことをペイペイ生方氏に話したとき、ペイペイ生方氏は
「私は黒幕側の人間ではない」ということを私に告げたかったのかもし
れません。その返答として「黒幕はX氏ですか」と私に言ったわけです。
Xは別のアルファベットで該当する人に迷惑がかかると悪いのでXと書
きました。警察が黒幕や、過去の県庁と私のもめ事をどれだけ調べたの
かは知りませんが、その半年以上後、11月30日での検察での調書では
「黒幕」という言葉を明記することに至りました。
ペイペイ生方氏の発言
「資格がないままで、仕事を続けていけたかどうかはわからない」
何度も書きましたが、「私は旅行業者ではない」と公言して、対価を
お客さんからいただかず、契約した特定の業者から「広告代」という名
− 35 −
目で、実績に基づいて後払いでいただくという他にないシステムで仕事
をしていました。
警察には取り調べる権限はあっても、仕事をやめさせる権限、廃業に
追い込む権限はないはずです。この発言は、警察が仕事をやめさせる権
限を持っている、という内容のものです。
被害者もいない、警察にその仕事の内容についての予備知識もない、
そういう捜査において、被疑者が仕事を失うことような捜査はやっては
いけません。他人に危害を与えたり、他人をだましているわけではない
のです。
まして、私は業界の既得権者にねたまれることはあっても、業界を活
性化させ、多くのお客さんにも支持されてきました。
ペイペイ生方氏の発言
「公務員の不祥事がこれだけ続いている中で・・・・旅行業の廃業届
は3年前。
全国旅行業協会からの告訴を伝える通知は1年前のことだろう」
被疑者の私を非難するどころか、私を陥れた人を逆に非難している象
徴的な言葉でした。まるで私の味方のようなもの言いです。それなら、
なぜ、私を取り調べるのですか?
「行き過ぎの捜査で、違法性はなかった」
と、私に謝罪すべきではないのですか。自分に非があればすぐに謝る。
謝れば自分の地位や出世があぶない。そんな価値観だけで、市民に迷惑
をかけ続ける。それが役人の一番悪いところです。市民の安全を守る警
察が聞いてあきれます。私は私の立場を利用して、公務員の事なかれ主
義によって私が被った事実についてを言い続けるつもりです。
強制捜査の当日、私の自宅に上がり込んだ5人の中の1人に特徴的な
警察官がいました。背が低くて丸刈り。「ズングリ坊主」と命名します。
最初から威圧的なもの言いで私を挑発します。会社の心臓部であるサー
バー機を押収することになったのはこの人の言葉からです。「おとなし
− 36 −
くしないと、持っていっちゃうぞ!」
結局、サーバー機は押収されて、その時、私は「廃業」を決断しまし
た。
前橋東警察署2度目の取り調べのを待つ間の出来事です。2階の通路
で座って待っていると、ズングリ坊主が階段を上がってこっちにやって
きました。私の存在を見るやいなや、なんと、きびすを返して反対に階
段を下りていったのです。直後の取り調べの時にペイペイ生方氏に、
「坊主頭が私を見るやいなや、きびすを返して逃げていきましたよ」と
話したら、ペイペイ生方氏は「逃げることはないのにねえ」と冷めた口
調で返答したのも特徴的でした。ズングリ坊主が警察内部でも特別な存
在、と見られているのか。自分の都合の悪いことがあると、被疑者から
逃げ出す警官がよくいるのか。どちらかを裏付けするような発言です。
実はズングリ坊主が韓国ドラマによく出てくる悪徳警官で、特定の人か
ら特定に指示を受けている、私への強制捜査の「首謀者」であるのかも
しれません。警察内部でよく調べてほしいものです。
ペイペイ生方氏は「強制捜査にいったのは、前橋東警察からよりも、
前橋本署からの警察官の方が数が多かった」と、自分(達)の意思での
強制捜査ではなかったことも何度も言います。他の役所と同じで、「自
分個人は関係ない」という理由で、結論を先延ばしにする。その「被害」
の大きさは計り知れない。そして、結論を先延ばしすることで、警察の
「仕事」を確保できても、被疑者の仕事はなくなる。よって調べられた
業者は(謝る理由がないとしても)、すぐに謝る以外は仕事を継続させ
ることが不可能になる。テレビで社長が謝っている、よく見る場面です。
この現実を是正しなければ、起業することで社会貢献をしようとする人
の数がどんどん減っていってしまいます。まじめに経営することがバカ
らしくなる。私は今そういう心境です。
− 37 −
5月の連休の日、居酒屋に経営者の会の知り合いからの呼び出しがあ
りました。前橋東警察に勤務する知り合いから「依頼」を受けて、私に
「頼み」があると言うのです。頼みとは私のホームページを閉鎖するこ
とでした。ホームページには過去の役所とのやりとり、今回の強制捜査
への抗議を書き込んでいました。警察に後ろめたいことがあるから、裏
で取引しようとした。表では、17人の警察官が大挙してやってきて、会
社をつぶし、裏でどんな取引をしようというのか。小沢事件ではないで
すが、テープレコーダーを隠しもって、話だけでも録音しておいたら、
すぐに仕事を復帰させられたのではないか、そうも考えます。裁判では
捜査自体の異常性を明らかにしていこうと思います。
− 38 −
第6章
【北村検事への反論】
前橋地方検察庁の北村検事も前橋東警察の生方氏と同じように私の処
分をはっきりさせようとはしません。3回目の検察での話し合い(?取
り調べ)で3月中に「起訴して連絡する」と約束をしたのに、その約束
を守ってくれません。最初の話では去年の11月中にははっきりさせると
言っていたのです。
北村氏は好青年です。警察官達とは全く違って、横暴なところが少し
もなく印象はすこぶるよい感じでした。最初と今で変わったところは
「自分で判断する」と言っていたのが「私ごときでは判断できない」と
なったことです。好印象を与えない接し方に変わってきました。裁判に
なれば「敵対関係」になるのですからしかたがないことです。
北村氏が私の処分をはっきりさせようとしない理由はどんなことでし
ょうか?
処分をはっきりさせない理由その1
最初に簡単に事件を調べたところ被害者もいないし問題性も希薄なよ
うなので早く結論が出せると思った。松浦という人間も悪いヤツではな
さそうだ。しかし調べ直したら松浦は危険人物だ。この事件を利用して、
警察や他の役所の悪口を広めようとしている。こういう反体制主義者に
は慎重に対処せねばならない。
処分をはっきりさせない理由その2
事件の背後の黒幕のことを調べるため。
松浦がやっていた仕事は旅行業法に照らせばグレーな業態だが、顧客
も多く社会貢献もしていた。その会社を廃業に追いやる方が悪い。警察
と警察を動かした全国旅行業協会。それにその背後の黒幕について調べ
− 39 −
る時間が必要だから。私としてはこういうことに「期待」したのですが、
期待など無理な話なのでしょうか。
処分をはっきりさせない理由その3
単なる怠慢か、引き延ばし工作か。検事になるような優秀な人が自ら
約束した期日を、自分の怠慢や無知や忙しさを理由に連絡もなしに引き
伸ばしをするものだろうか?ここは時間稼ぎ、松浦から「謝罪」の言葉
を聞くまでは、ほっておくことだ。
昨年の11月30日、北村検事が私を「起訴する」と最初に言いました。
その時起訴する理由として、「松浦を起訴しないと旅行業者を装った詐
欺行為が増えてしまうから」と言いましたが、これに対しての反論をし
ます。
既得権者達のこの考え方が今の時代、逆に詐欺行為を増やしていると
いう現実があります。会社にいたときは毎日のように詐欺の電話がきま
した。年寄を狙った詐欺の電話も一般の家庭に当然のようにかかってき
ます。これは「資格がないと仕事ができない」という既得権者の考え方
がそうさせているのです。この事実が「4合目」のテーマでもあります。
はらぼじ観光の仕事のシステムでは、旅行業の類似行為を行っている
のは、はらぼじ観光と契約をした宿泊施設です。旅行業者達が「旅程管
理」と呼ぶ仕事は移動の過程を決めることですがその旅程管理という仕
事は契約先の宿泊施設が決めています。はらぼじ観光はその内容をその
ままお客さんに伝え、お客さんの要望がそれに合わなければお客さんを
断ることも躊躇しませんでした。はらぼじ観光が旅行業違反で摘発され
るのなら、はらぼじ観光の契約先がみな摘発されなければなりません。
今回ははらぼじ観光を全国旅行業協会が刑事告発したから、はらぼじ観
光が被疑者となった。よって、はらぼじ観光の契約先が摘発されること
はない、と私を「説得」しようとしました。しかし、ここではっきりさ
せなければ、契約先のホテルや旅館も私の元社員達もこの先、堂々と仕
− 40 −
事を続けていくことができなくなります。
私の「仲間達」はみなまじめでよく働く良い人ばかりです。人をだま
すようなことは決してしません。陰でコソコソと私を排除する画策をす
るようなずるい人間達とは違います。私の仲間達が堂々と気持ちよく働
いていける環境を作るためにも私が非を認めるわけにはいきません。
はらぼじ観光被疑事件が生まれた業界の規制、業種間の障「壁」につ
いて説明します。
観光関連産業の業種、1宿泊施設(ホテル、旅館など)、2交通機関
(ここではバスの事)、3旅行業者。この3者の間には高い壁がありまし
た。壁を越えることはタブーでした。逆に壁を壊すことで大きくなった
ホテルグループもありますが、このホテルグループが大きくなる過程で
は、摘発されることはありませんでした。理由はその地域の経済的な環
境です。
宿泊施設はお客さんを泊めること、バス会社はお客さんを運ぶこと、
旅行会社はお客さんに広告をし旅程管理をすること。その壁をかたくな
に守ろうとする既得権者達がいました。旅行業者抜きで自ら広告宣伝を
し旅行業者抜きでの予約獲得をしたホテル。そのホテルを一つの県の旅
行業協会会員が申し合わせて、そのホテルの「悪評」を広めていったそ
うです。ただでさえ経営状態が厳しかったからこうしたのでしょうが、
旅行業協会会員の「いじめ行為」でこのホテルはすぐに倒産したという
話があります。
バブル崩壊後の旅行業者とバス会社の大リストラ。さらに価格破壊と
客数の激減で宿泊施設の経営は瀕死の状態になった時、この壁を壊すこ
とはなくてはならないことでした。インターネットの普及は壁が壊れる
ことを加速させました。全国旅行業協会が黒幕やどこかからの圧力でな
く自らの意思で私を刑事告発したのだとしたら、戦前の統制経済を強要
しているようなものです。
旅行業協会の立場とは真逆に、はらぼじ観光は、宿泊施設の味方にな
りました。十数年前からはバス会社がしていた仕事の領域を宿泊施設自
− 41 −
らが行うこと。旅行業者ではなくなった4年前からは旅行業者がしてい
た仕事の領域を宿泊施設自らが行うことを提案しました。その提案に本
気で取り組んだ宿泊施設が各温泉地で生き残っているという事実もあり
ます。
テレビでの旅番組でも旅程のアドバイスをしています。「対価」は視
聴者ではなく広告を依頼した会社から受けているはずです。はらぼじ観
光は旅番組と同じことをしているという見方もできます。全国旅行業協
会が守ろうとしている「壁」はすでに存在しないのです。現実的な経済
環境などは関係なく、黒幕の意志で埃をかぶった大昔の法律ではらぼじ
観光をつぶしにかかった。それがホントのところでしょうが、そうまで
されて抗議しないのだとしたら私の残された人生は寝たきり老人と同じ
ことになってしまいます。
2回目の取り調べでこっけいな場面がありました。前橋東警察への抗
議の章で書いた、前橋東警察からの裏交渉の誘いの事実を(別に検事に
言うこともないのに何でもペラペラしゃべる私の損なところで)北村検
事に話す前に私がこんな投げかけをしました。
「検事さんは良心を持っていますか?」
ホントに人のよい検事さんで、こういう返答をしました。
「ハイ、私なりの良心を持っています」
良心があるかどうかの質問に答えるべきではないでしょ。私の行為が
法律に違反しているかどうかが問題なのでしょ。そうでないと被疑者と
検事の立場が逆転しているような滑稽な場面になりますよ。
観光立国法という法律があるそうです。外国人観光客の数を年間2000
万人にまでしようという目標だそうです。今は年間数百万人ですか?資
− 42 −
格がなければホテルの予約代行もできない、そんな法律がある限り、観
光客の数を増やすことはできません。インターネットを使って予約をす
る人は自らの意思のある人に限定されます。してもしなくてもどっちで
もよい観光というものは一人一人を勧誘し案内するという作業がなくて
ははじまりません。観光産業従事者一人一人の仕事への意欲をなくす既
得権者の存在が悪なのです。
起訴された事件が有罪になる確率は99%以上だと聞きました(小沢事
件以来、この確率が下がるとしたら良い方向だと思います)。有罪にな
ったとしても再審をして2審で逆転無罪になる確率は逆転してなんと
80%だと聞きました。1審では有罪になることは甘んじて受けるつもり
でいます。
2度目の取り調べで北村検事の机の上の「教科書」が印象的でした。
タイトルが「旅行業法の解釈」とかいうもので、資格をとるための学生
が読むような本に見えました。公務員が、憲法にある条文の通り、「全
体の利益に貢献する」ことを目的にして仕事をするとしたら、上っ面の
文章を楯に取ることなどせずに、「実体経済の将来」という視点でも事
件の本質を考えるべきです。教科書で調べるのでは「資格」は取れても、
全体の利益に貢献することはできませんよ。そして、税金ばかりが増え
て国自体が破綻します。国が破綻しても私はたいして困りませんが、最
初に困るのはあなたたちです。
北村検事が私に主張することはこうです。役人に対する抗議にしろ、
法律を変えるための社会運動にしろ、堂々とすればよい。しかし、松浦
は許認可を資格放棄してやっている。資格許認可を持ったままでも何で
もできたはずだ。同じことを2度ほど聞きました。資格を持っていたら
逆に規制・圧力・いじめを受けることに甘んじなければならなかったの
です。だから、離れて仕事の制限をしてやっていた。法に触れないよう
にです。しかし、既得権者からはそうは見なかった。生意気にホームペ
− 43 −
ージで公言してまでやっている。そう見えたから、被疑者にされたので
しょう。こうなったら、逆手に取って私の主張をしていきます。
資格許認可にしても、納税にしても同じことですが、役所の数が多す
ぎる。税金一つとっても税務署だけではなく市役所と県庁それぞれに支
払わなければならない。その他にも車の税金。個人所得は源泉徴収に。
厚生年金、労働保険。そうです消費税もありました。その上業種事に届
けを出したり上納金を払うわけです。いいかげんにしてほしい。
1年に1回、決算書を作って納税する。
それだけで十分ではないですか!経営者はみなそう思っています。資
格許認可放棄は会社を継続するためのリストラ策という意味合いもあっ
たのです。
− 44 −
第7章
【著作からはらぼじ観光被疑事件を考える】
「国策捜査」 青木理
「検察・警察に狙われた側の視座から」という書き出しで13人の被告
人被疑者の事件の背景について書かれています。検察や警察に狙われる
と、だれかに危害を与えたわけではなくても、ホントに牢屋に押し込め
られてしまうようです。私なんか仕事ができないだけで「自由」はある
のだからまだ良い方だ、と気が楽になりました。
元外交官で1年の間牢屋に入っていた佐藤優さんは「ここが北朝鮮か
イランだと思えば気も楽」と言っています。1年以上の牢屋の生活はた
いへんだったでしょうが、その「代償」として何冊もの著作がたくさん
売れて、作家として有名になりました。違う人生がはじまったという意
味でおもしろいのではないか、とこれからの私の立ち位置を考えながら
比較をしてみたりもします。
著者である青木理(おさむ)さんは共同通信社時代に韓国での仕事を
経験した人。日本の許認可制度に異論を訴えている、というのを見つけ
てこの著作にいき当たりました。許認可制度自体が憲法の自由及び職業
選択の自由という概念に違反している、と訴える社会運動ができたらよ
い、と考えるようになりました。
「法令遵守が日本を滅ぼす」 郷原信郎
元検事で大学教授の著作。
ライブドア事件と村上ファンド事件を取り上げて、これらは元々「事
件」なのかどうかといっています。その後、官とマスコミが弊害を助長
する、と続きます。
まとめ的な言葉として「日本の法律は象徴に過ぎない」となります。
象徴は努力目標ともいえるようです。談合、インサイダー取引、大企業
や有名企業の事例から考えると努力目標でよいのでしょうが、零細企業、
− 45 −
個人自業主が観光産業にかかわる時の法律は「小を排除する規制」でし
かない、という内容がこの著作にはありませんでした。メジャーなもの
しか捉えていないのは、やはり高いところしか見ていないと感じました。
私は現場、底辺から主張しているのだから、もっと意義のあるものに
なるはずだとうぬぼれた気持ちを持っています。
かって格安航空券は違法でした。反官的組織である大手航空会社と大
手旅行会社が価格競争にならないような取り決めがあったようです。海
外では格安航空券は当たり前なので、日本ではグレーな商品である格安
航空券を販売したところあっという間に大きな旅行会社ができあがりま
した。消費者の圧倒的な支持により違法がいつのまにか違法でなくなっ
た事例です。はらぼじ観光は宿泊施設が所有する白ナンバーのバスで
「無料」の送迎サービスをする案内を行い、お客さんの圧倒的な支持を
受けました。いつのまにか、既得権者達の言い分も「あくまでも無料サ
ービスの域を脱しないこと」と変わりました。何かの法律が変わったわ
けではないのです。お米も生産者自らが販売できなかった時代があった
そうですね。法改定を待っていたのでは自分で作った米を自分で売るこ
ともできませんでした。経済に関する法律は象徴というより既得権を守
るための規制でしかない、というのが私の主張です。
「法令遵守したのでは潜在的な社会要請を把握できない」ということ
には納得です。「規制ばかりの法律が新しい仕事や市場創造を阻害して
いる」という私の主張と同じ意味の言葉です。
「噂の女」 神林広恵
「噂の真相」という有名人のスキャンダルを扱った雑誌があった。神
林さんは噂の真相の社長と供に名誉毀損罪で刑事告訴され2005年に有罪
判決が確定した人です。伊勢崎出身だそうです。名誉毀損での有罪判決
は雑誌社ではこの事件だけだということです。
刑事告訴され、厳しい取り調べの後、1年以上たってから、起訴され
ています。
− 46 −
特定の人のスキャンダルを噂の真相の誌上で続けていたから起訴とな
ったようです。私もすぐに「反省」「謝罪」をすれば簡単な処分を受け
るか受けないかで済んだというのはわかっていたことです。強制捜査を
するかしないか、検察へ書類送検をするかしないか、検察が起訴をする
かしないか、その判断基準は公権力の悪口を言うか言わないかだったの
です。
「噂の真相」に名誉毀損された、と刑事告訴した人物はテレビで刑事
物のドラマにかかわる作家先生だそうです。テレビの刑事物の番組が公
権力の「コマーシャル」になっていることも行間に読みとることができ
ました。北朝鮮や中国と同じで日本もまだまだ報道と官との強い「絆」
があるようです。
雑誌「噂の真相」は自らが被告人となることがで売り上げは急上昇し
ました。私が前と同じ仕事をすることができるようになったときに同じ
ように事件が大きな広告ファクターとなったらよいのに、と私なりの戦
略を密かに持てるようになりました。
雑誌「噂の真相」は10年の裁判の後、有罪が確定して廃刊となりまし
た。私も例え10万円の罰金でも有罪なら廃業するし、無罪なら以前と同
じ仕事をするつもりでいます。
「メルトダウンする憲法・進行する排除社会」
9人の共著
暴力団排除条例によって人を排除すれば逆に世の中は悪くなる。この
条例にしても最近の法律にしても憲法の内容に反するものが多い。
憲法第十五条にこういう条文があります。
「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利であ
る。
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
」
公務員は選挙で選ばれる、とあるのに、議員と称される一部の人が選
挙で選ばれるだけ。裁判官も「やめさせたい人には印を」と選挙の時に
いわれても判断すべき情報は何もない。被疑者被告人にされたついでに
− 47 −
「選挙で選ばれていない公務員の判断でしたことなどに従う必要はない」
これも公の場所で言ってみたいと思っています。
「セックスヘルパー 尋常ならざる情熱」
坂爪慎吾
東大を出た人は規制をかける側にいる、という私の固定観念を壊して
くれました。障害者の射精介助というだれもやらない仕事で全国展開し
ているおもしろい人です。売春とはここではいってはいませんが、風俗
への規制がなぜ風俗に関わる女性の不幸につながるのかを説明していま
す。現実に存在するものなのに「お目こぼし」があることで存在するこ
とができる。こういういいかげんなことを解消しようといっています。
法律では存在できない仕事が実際には存在することで、公権力が不当な
「力」を持つための要素になってしまっている。
よって著者や私のように理論武装をし、主義主張をしながら事業を継
続させる。風俗にかかわる経営者達もそういう意味での勉強をし、自信
を持って自分が信じる仕事をするべきだと思います。
ここでは売春とはいってはいませんが、女性への差別虐待防止という
意味で売春を禁止制限した時代は確かにありました。でも今は悪い男の
食い物にされている女性などはよっぽどの後進国から来た一部の人だけ
ではないでしょうか。今は逆に規制そのものが女性への差別虐待を助長
してしまっているということも書かれていて、私もなるほどその通りだ
と思います。
− 48 −
第8章
【はらぼじ観光が多くの取り扱いができた理由】
1994年に経営指針が完成し、同業他社との差別化を明確にしてから取
り扱い数は急伸しました。前もって契約をした宿泊施設に限定し、はら
ぼじ観光の宿泊施設自らが送迎サービスを行うという宿泊プランの広告
代行に業務を絞りました(今思うとこの時から旅行業者の資格など捨て
ればよかったとも考えます)。他社ができること、ましては大手パッケ
ージツアーの代売をしたところで一人の人件費も出ない。そんなことは
すぐにわかりました。今までにある旅行商品は今まで通り簡単に扱える
ものだけにしました。2000年以降には「相見積もりをしない」という方
針も的を得ました。旅行業者の登録放棄は徹底した差別化戦略でもあっ
たのです。
不景気とは従来の商品サービスが飽和状態になり価格競争に陥った時
をいう。量と質で競い、薄利多売を追求することが普通の会社がするこ
とですから、従来の商品サービスを扱って生き残るのは業界No.1の会
社しかないのです。自動車ならトヨタ、電気製品ならパナソニック(ナ
ショナル)のような会社です。銀行が合併をすすめるのはこの原理によ
るものです。トヨタもパナソニックも海外との競争だとこれから負ける
確率は高くなるのは当然のこと。大手銀行が負けるときは日本全体の借
金問題が解決できないことが明らかになった時です。私より若い人はそ
の時に自分がどうするのかを想定して生きるべきでしょう。
強みだけを残してアウトソーシング(自社の仕事を他社にプレゼント
すること)し、会社の小ささを維持することも徹底しました。本来、旅
行会社が行うバスの手配という仕事を宿泊施設に丸投げしたことです。
お客さん対しては「無料送迎」という言葉でポイントをずらして伝えて
いました。こちらからお願いして契約先を増やそうとしなくても、ホテ
ル旅館が向こうからやってきて私がするべき仕事をしてくれたわけで
す。
− 49 −
私と組むホテル旅館が増えた背景です。温泉地観光地の客数、客単価
の激減。今まで広告集客業務を行っていた旅行業者が消えてなくなった
こと。その2つは業界人ならだれでも知っていますが、違う視点での状
況を説明します。当時の小泉内閣の経済政策です。金融機関に対しての
自己資本比率規制です。銀行が取引先に貸したままで塩漬けになってい
るいわゆる不良債権を処理しないとつぶすぞ、と金融機関に迫ったわけ
です。ほとんどのホテル旅館は「借金」で成り立っています。自己資本
比率規制によって、今まではお金を貸してくれていた銀行が逆に急な返
済を迫ってきた。「貸しはがし」という行為です。ホテル旅館は慌てて
日銭を追いかけるようになりますが、今まで送客してくれていた旅行会
社はリストラで消えてなくなってします。ホテル旅館の広告と予約の市
場は従来の旅行業者からインターネット業者に手渡されたわけですが、
インターネット業者との関係が作れるのは、施設にお金をかけてきた
「立派な」ホテル旅館だけでした。そんな理由で倒産、転売がすすみま
した。栃木県の鬼怒川温泉なんか規模の順に上から5つ6つのホテル旅
館の経営者が交代させられました。
ホテル旅館は、他人に頼っていたのでは倒産廃業しかない。送迎バス
でなんとかして自らお客さんを連れてこなければならない、という考え
が主流になりました。はらぼじ観光はその手助けができる唯一の旅行会
社だったのです。
本来、旅行会社が行う仕事は宿泊施設がみんなやってくれるのですか
ら、はらぼじ観光は「広告業務」だけに集中できました。料金の設定は
それぞれの宿泊施設が自分で決めます。日銭がほしいわけですから、他
より安く設定します。下請け業者と親会社によくある「価格交渉」をす
ることもありませんでした。そうやって、たいした労力も使わずに、扱
い高は数年で10倍になりました。
役所や協会のようなところから苦情めいた連絡はたびたびありました
が、現状や「将来」を語れば、「ご配慮をお願いします」「他から問い合
わせ(非難)があったので立場上連絡した」で話は済んだのです。
− 50 −
敵意のある「ご指導」は選挙の応援をして以降のことでした。
小泉内閣の経済指針は、借金をしたままではいけない、というもので
す。借金が財産、という時代から、借金は重荷、という時代に変わった
のです。
織田信長の楽市楽座という経済政策は有名です。織田信長が強かった
のは戦争ではなく、既得権者をなくす、という経済政策があったからだ
というのが本質的なところでしょう。今までの既得権にあぐらをかいて
いた業者から既得権を奪い取る。経営資源を塩漬けさせないということ
です。
各温泉地は新しい資本が、借金まみれの宿泊施設を次々買い取りまし
た。はらぼじ観光の契約先はそういう背景で新しくオーナーとなった人
も数軒はありますが、ほとんどは借金がそれほどなく、感心するくらい
しっかり働く小規模な中堅のホテル旅館です。お客さんを預けっぱなし
で何の指示をしなくても、すべてやってくれました。感謝しています。
私を陥れた既得権者達は宿泊施設に、「ああしろ、こうしろ」「安くし
ろ」だけではあきたらず、「自らお客を取るな」とまで言います。その
現れが「旅行業者の資格がなければ広告、集客、予約という仕事ができ
ない」という規制です。私は既得権者とは反対にホテル旅館の立場に立
ちました。経済環境の厳しさと金融機関の自己資本比率規制が背景にあ
って、はらぼじ観光は急伸しました。
話は飛びます。シャッター通り、前橋市街地の衰退ぶりは全国一の様
相です。シャッターを下ろしたままにしておく店の持ち主。店を開いた
ところでお客さんはいないのだから店を開かないのでしょうが、だれか
に売ったり貸したりするより、そのままにしていた方が金銭的に楽なの
だ、ということを聞きました。そのままにしておけない状態を壊すこと、
経営資源の移動を強要することで市街地が活性化することができる、と
− 51 −
私が政策立案の立場なら考えることです。
小泉規制ではないですが、過去の価値観、過去の財産、既得権という
ものを否定してみる。そのことによって経済は活性化し、指導者として
の人気も高くなる。そういう現象は織田信長の時代も今も変わらない。
織田信長が残酷な人間で力づくで支配したというイメージは歴史の「ね
つ造」に見えます。資格がなければ単純な予約の代行もさせないなどと
いう江戸時代並みの規制。そんな規制がまかり通れば、観光産業の発展
など望みようもありません。
− 52 −
第9章
【資格許認可許認可放棄という社会実験】
県庁職員が私の会社にやってきて、いきなりテープレコーダーを机の
上に置いて私に書類を手渡そうとする。その県庁職員に対しての抗議の
意味で、県庁に届け出をしていた旅行業者としての資格許認可を放棄し
ました。放棄の理由は抗議の意味だけではありません。業種転換をし、
さらなる経営の差別化戦略を推し量る目的もありました。頭に血が上っ
ただけで旅行業をやめたわけではありません。
お客さんに対しても、取引先であるホテル旅館やドライブイン、観光
施設などにしても、今までは私が旅行業者だからという理由があって仕
事の契約をしてくれたので相手にしてくれないのではないか。そういう
心配がありました。相手にしてくれなかったら全く違う仕事をしようと、
韓国語の案内板製造業なる珍商売を試みたりもしています。
結果は資格があってもなくても、取引先が減ることはありませんでし
た。
正直に「はらぼじ観光は旅行業者ではありません。契約先のホテル旅
館とグループ幹事との架け橋になる他にない特別な業態の業者です」と
伝えていきました。それを伝えた場所は、特定の人と業者ではなく世間
一般に知らしめるという意味で「広告新聞」という媒体を利用もしまし
た。はらぼじ観光のホームページにも放棄の経緯と共に大きく伝えてい
ます。
今回、ホームページの内容で全国旅行業協会は刑事告訴したのですが、
全国旅行業協会はプロ集団のはずで、旅行業者の業態ではない、という
ことを無視して刑事告訴しました。直接お客さんから旅行代金を受けと
ることはなく、観光関連の事業者を広告宣伝する業態は他にもたくさん
− 53 −
あります。いきなり内容証明郵便、いきなり告訴、となったのが尋常で
はないのです。警察は旅行業者の摘発など経験がないでしょうから、こ
まかな業態の差別化の内容などの考えはなかったのでしょう。はらぼじ
観光のオリジナルシステムは私にすれば無罪の証明なのですが、強制捜
査で(私からシステムの存在を教えられて)それを発見したときの警察
官達の顔は「証拠を発見した」という喜びを表すものに見えました。そ
して1ヶ月がたったら、取り調べの警察官の態度が変わった。事件性が
ないと判断したなら、素直に謝ればよいのに謝る代わりに「自分では判
断できない」という理由での書類送検です。なくてもよい「犯罪」を自
らが作ることが仕事だなんて嫌な商売ですね。
今までもっていた資格許認可というお墨付きを倒産廃業することもな
く、自ら捨てて、それで仕事を継続することができるのかどうか。私だ
からこそできた社会実験でした。結果、取引先が減ることはほとんどあ
りませんでした。お客さんもほとんど変わりませんでした。強く説明を
してこちらから断ったのは群馬県庁OB会という組織です。前橋には東
西南北4つの支部があります。4つ全部がはらぼじ観光の顧客でした。
資格放棄後も、群馬県庁OB会の幹事さんは私に頼めば前回同様うまく
温泉旅行が企画できると考えたのでしょう。「また頼みたい」と言って
きました。しかし、「お宅の部下の行動が私を苦しめている」という理
由を話しました。県庁職員ともめている業者を県庁のOBが利用するの
もおかしな話でしょ、とこちらから断った経緯もあります。たぶん県庁
OB会は私のノウハウで仕事をしている私の元部下がやっている「旅行
会社」に頼んでいることだと思います。
県庁OB会の他にもう一つの特徴的な役所関係の組織がありました。
自分の身分を隠すように予約から打合せを電話だけで済ませました。無
資格業者だとホームページに明記してある、そのホームページを見ての
予約申込でした。私の実の弟は刑務所勤務の刑務官で、刑務官達の職場
の旅行やイベントは自らの「団体名」を伏せて計画することは聞いてい
ました。私はすぐに察知して、このお客さんのことを深く詮索せず、
− 54 −
「うまく」手配業務を済ませたつもりです。そしてこの「団体」、30数人
が現実サービスを受けています。取り締まるべき組織に関係する人が、
無資格を知っていて利用をしているのです。この仕事が犯罪だといえる
はずがありません。裁判ではこの事例を伝えようと考えています。
消費者も事業者も、役所が認めた業者だから利用しようという意思は
ないのです。それを無理矢理そうさせようとしても無駄なことなのです。
役所が認めた業者を利用させるのは役所自らがお客さんとなる事業しか
ないのです。
百歩譲って許認可がなければ仕事はできない、と仮定しましょう。そ
うだとしても、基準を作る役所が自分たちの狭い視野での基準で決め事
を作っている。それを強要したところで、現実の社会から浮いた存在に
なるだけです。
資格許認可を持っていたのでは、あれがダメ、これがダメ、といわれ
る。その上、あれがダメ、これがダメ、という相手が私に敵意を持って
いるとしたら、私はイジメに合っている子供であって、精神的に自分を
殺さない限り生きてはいけない。さもなければ登校拒否するしか自分の
命を救う方法はない。資格許認可放棄は、一人はセキグチといいました
が、あの偉くもないのに偉そうにしている県庁職員への当然の対抗手段
でした。私が被疑者被告人にされたのだから、あの県庁職員も職権乱用
という処罰を受けさせなければ不公平すぎます。役人は陰で悪いことを
する。零細企業の社長は小さなことでも、テレビに出て謝らなければな
らない。役人のミスで人が死んでも責任者をあいまいにしてマスコミに
顔を見せることもない。零細企業の社長の過失(それも直接自分の手で
した仕事ではなく、管理責任だとしても)で、人が死ねば、後ろ縄を付
けられて市中引き回しの刑です。
20代の前半、代行運転のアルバイトをしていました。当時は代行運転
という新しい業態は規制をする法律も役所もありませんでした。
− 55 −
代行運転業にもある時期を境にして規制がかかりました。警察か役所
のどこかに「登録」をして車のボディーに登録番号を示すプレートを貼
りなさい。運転手は2種免許がなければダメです。条例か何かを取り決
めて、代行車にも規制をかけられるようになりました。
どういう時期から規制がかかるのか。それはそれを利用するお客さん
の絶対数が増え社会的に仕事として認知されるようになった時。ビジネ
スモデルが確立して「ものまね」でもその商売ができるようになった時。
ものまねでもできるから、供給過多になって価格競争に入る。価格競争
以外にもお客さんの取り合いや無理な営業をする者も出て、結果、事故
や苦情が目に見えるようになる。事故や苦情を受けた役所が規制する決
め事を作って、ついでに役所の仕事の確保のためにも管理とご指導をす
るようになるわけです。
飲屋街の衰退と共に代行業も全く稼ぎになりません。タクシーの料金
設定のような規制をかける意味もなく、最低限の規制で済ませているよ
うです。バス料金は役所が取り決めていますが、実際の料金はそんな取
り決めは無視して動いています。
はらぼじ観光の業態は他にはない業態です。指導管理する基準も法律
も存在しないのです。
8章で説明した価値観とニーズの多様化した新しい時代。小さな市場
創造の必要。その観点からも役所が業者を指導管理しようとすること自
体に無理がある。指導管理は上っ面のゼスチャーだけのこと。経営者な
らだれでも知っていて、そんな指導管理とはかかわりたくはない、と思
っています。ただでさえ財政赤字は問題なのですから、意味のない指導
管理ということ仕事自体をなくしてほしいと思います。
− 56 −
第10章
【関越道ツアーバス事故について】
私と私の部下達が前橋東警察署に呼ばれて取り調べを受けている最中
の4月29日、関越道ツアーバス事故は起きました。問題の私のホームペ
ージがあればあの時点で書き込んだことですが、はらぼじ観光被疑事件
での「立ち入り検査拒否」とも関係することなので、書いていくことに
します。
上毛新聞では「業法違反」「名義貸し」が事故の原因のような嘘の報
道をしてしていました。私の事件のことをいっているのかとほくそ笑ん
で眺めていたものです。会社設立前はバス会社からの名義貸し的な立場
で仕事をしていたし、はらぼじ観光の仕事は通常の観光バスではできな
い無料での運行を斡旋することでした。バス会社の現状を知った上での
経営が成功をしていたので私流の「解説」をしようと思います。
おかしいと思う点を3点あげていきます。1点目には1人の能力、適
正がなかった運転手の過失で起きた事故を理由にして、なぜ他のバス会
社や他のドライバー達が規制(束縛)を受けなければならないのか。た
だでさえ「稼ぐ」ことがたいへんなのに、さらに仕事がやりずらい環境
に置かされるのかということです。一つの事故を利用して、全体に支配
力を強めようとする既得権者の意図がみえみえです。事故を起こしてし
まったら、例えそれが自分に過失のないもらい事故であったとしてもた
だでは済まされない。ましてや自分の過失が原因で起きた事故でけが人
が出ようものなら、自分の運転手としての立場はなくなり社会的制裁を
受けることになる。そんなことはプロのドライバーならだれでも真剣に
考えていることです。事故を理由にして「規制」をかけたところで、事
故防止にどれだけ役立つというのでしょう。事故後に役所が多くのバス
会社に立ち入り検査をしたのを聞いて、事故を理由にして役人が民間を
− 57 −
支配しようとする。または支配管理しているということを大衆にPRす
る。バス会社もドライバー達も営業権を取り上げられる恐怖心から、検
査を受け入れてはいますが、本心では役所の検査と事故防止はつながら
ない、とみんな思っているはずです。
そもそも、役人が民間を支配するのではなく、民間(市民)が役人を
選ぶ、と憲法には書いてあります。公務員は選挙で選ばれる、と。
はらぼじ観光は旅行業の資格許認可を持っていたとき、旅行業法にあ
る立ち入り検査を拒否していました。理由は立ち入り検査の内容が古く
て意味がないこと。インターネットで旅行商品を売る時代に、机がどこ
にあるか、カウンターがどこにあるかなどを問い質されるなど、他の項
目も時代に合わない無意味なものがほとんどでした。このことは文章で
県庁に通知しています。もっと重大な理由は私への立ち入り検査が検査
をする役人の圧力・敵意からくるものだったからです。圧力・敵意につ
いては「第3章、強制捜査の背後にあるもの」で書きました。
バス会社への立ち入り検査のやりとりを予測すれば、法律や通達にあ
る管理マニュアルを守らせるよう指示をしているのでしょうが、その法
律や通達自体が現実とはかけはなれているものなので、ほとんどのバス
会社が違法な管理体制をしている、という報道になっているのはしかた
がないことなのです。バブルの前は数十台以上のバスを保有する大きな
一つのバス会社がツアーバスのような旅行会社からの下請的な仕事も受
けていました。今は零細バス会社の安い料金の仕事のほとんどをこなし
ています。大手は例えば補助金で成り立つ路線やツアーバスと対抗して
いる高速定期バスなどの仕事を主流にして利益を確保しています。自ら
旅行業者の「資格」を持って企画し募集している仕事もしています。零
細バス会社は社長が運転手兼管理責任者ですから、点呼や体調の確認な
ど現実的にできるはずがないのです。事故防止は私を含めて関係者全員
が目指さなければなりませんが、温室から見ている既得権者が規制や圧
力をかけたところで結果の伴わないものでしかないのです。
韓国の規制のない経済システムは仕事を作ってきた過程で参考になる
ものでした。韓国は観光先進国です。少人数のグループをバスで案内す
− 58 −
るシステムがあります。韓国の観光バスの6割方は個人営業の社長1人
運転手1人だそうです。だから自己管理、自己責任で多用なニーズに応
え、観光客が増えることの根元的な仕事をしています。日本のように大
手バス会社に有利な取り決めばかりでは、観光客の絶対数を増やすこと
は不可能です。時代がすすめば「団体」の平均人数は減るばかり。はら
ぼじ観光の団体の平均人数は2000年度が約30人、2010年には約18人にま
で少なくなりました。一律の規制をかければ、ニーズの多様化に対応す
ることができなくなるのです。
規制を弱めるか、零細バス会社ができるものに作り替えることは観光
産業全体を元気にするためになくてはならないことです。
おかしいと思うことの2点目は管理責任を問われて、手錠をかけられ
た姿をさらされたバス会社の社長に対してのしうちです。警察が手錠を
はめたのでしょう。そしてマスコミがそれを報道した。あの中国人の運
転手は自分のミスで人が死んだのだから厳しい責任を負わされるのは当
然のことですが、管理責任を追及されるのは1人ではないはずです。
東日本大震災の後の風評被害によって中国人の観光客がいなくなった
ので、あの時あの仕事を受けたのでしょう。あの運転手が中国人のお客
さんを乗せていた頃はどういう経緯で中国人団体をお客さんを扱ったの
か。直接、中国人の団体が運転手に「バス」を頼むことは「法律上」で
きないはずです。なぜ1人の中国人がバスを保有する会社を運営できた
のか。役所が認可した業者が丸投げしていたことは予測できます。役所
が認可をした業者が名義貸しを当たり前のようにしていたのです。管理
責任を問われるのは一つのバス会社の社長だけではありません。あの運
転手がしてきた過去の仕事とそれにかかわった人が何をしてきたのかを
裁判では明かにしていくべきでしょう。
中国人団体客を扱う「資格」を持つ旅行会社。名義貸しとピンハネが
できる旅行業者の「資格」。観光産業全体のためにはそんなものはない
方がよいのです。旅行業の許認可制の弊害の実例として「3合目」で取
り上げた留学旅行専門の旅行会社ゲートウェイ21の倒産があります。こ
− 59 −
の会社は留学生との最初の関係作りのためにNPO法人の認可も受けて
いました。そのことも被害額の増大に拍車をかけました。
事故と言えば、12月2日に中央道のトンネルの天井が落ちて何人もの
人が亡くなったそうです。管理責任を問われて、零細バス会社の社長は
市中引き回しの刑。天井が落ちてきて多くの人が死に、長い間通行止め
になってもああいう組織は管理責任を追及されることもない。こんな不
公平がありますか?この不公平を是正しないと原発事故のような桁違い
の人災が後を絶たなくなります。
おかしいと思うことの3点目は事故の防止策を、時間的労力的な「制
限」においていることです。事故が起きる原因の第一は運転手とお客さ
んとのコミュニケーションの欠如です。昔よくあった話です。突然気を
失ったドライバーを見てお客さんがハンドルに飛びついて大事故を防い
だ。今は、お客さんは運転手とは口を聞かないもの、という間違った認
識を多くのお客さんが持ってしまっています。路線バスの運転手だって
お客さん1人1人に声をかける人は事故は起こしません。お客さんの中
に、「運転手さん、どこから来たんだい?」「運転手さん、疲れたら、少
しでも休みなよ」そういうお客さんが1人でもいれば、この事故は起き
なかったはずです。事故の第二の原因は運転手本人の精神状態です。運
転手の精神状態がおかしな時に事故が起きるということは素人の運転手
でもみな知っていることです。結果責任、自己責任の理屈で世の中動い
ているのですから、結果の伴わない指導管理に費やす税金は他のところ
に使ってほしいものです。
事故防止策は管理指導とは真逆のものだと思います。私は被疑者被告
人で私の意見が反映されることなどないことはわかっています。でも私
は20年以上の間、あれだけたくさんの数を扱っても事故に関係していま
せん。離れた所からできる事故防止策は指示命令では無理です。運転手
とその管理者に
− 60 −
・お客さんとなんでもよいからコミニケーションを取りましょう。
・お客さんに声をかけさえすれば、どこに行っても、どこで休んでも
かまいません。
そう伝えてきました。既得権者達に聞いてみたいです。
・人が人をどこまで管理できるものなのですか?
バスによる死亡事故が起きる確率を私流に算出してみます。日本全国
に青ナンバーのバスが12万台、白ナンバーのバスもほぼ同数の12万台ほ
どあるということを「1合目」を書きました。両方で24万台。24万×
365日×1/2として、1年に動くバスの延べ台数は4380万台。1年でバス
の乗客が死亡する数は4.38回とします。バスが動いて、死亡事故が起き
る確率は1000万分の1となります。0.00001%です。そのうちバスの運
転手の過失が原因となる事故となればさらに確率は低くなるはずです。
日本全国で1年間の交通事故での死亡者数は4000人台。自殺者の数は
3万人。事故を理由にして業者への規制を強めれば、風が吹けば桶屋が
儲かる論で自殺者が増えることになります。事故が起きてもよい、とい
っているのではなく、まれに起きた事件を利用して、規制を強めること
でいったいだれが得をするのかということです。
もう一つ、高速ツアーバスの料金についてです。旅行会社が企画し広
告しお客さんから対価を受けとるツアーバスの料金。それと、バス会社
が自らで広告し対価を直接お客さんから受けとるいわゆる「高速バス」
の料金。旅行会社が企画する方がなぜ安くなるのでしょうか?中間マー
ジンがかからない方が安くなるというのが自然だと思います。格安タク
シーの安い料金が規制によって制限されていてそれが消費者の反発を受
けている、ということを関西の方で聞きましたが、料金の許認可制度の
弊害は重大です。
− 61 −
旅行に連れて行くのも、温泉に泊まるのも、バスやタクシーで移動す
ることもいったいだれのための仕事なのでしょうか?
− 62 −
第11章
【小企業の差別化戦略と規制】
中小企業家同友会という経営者団体で多くのことを勉強することがで
きました。被疑者・被告人の立場でこの会にいられるのかどうかはこれ
から会の主な人に意見を聞いてみなければなりません。一営業マン、個
人事業主であった私が(こうなったとはいえ)金銭的な苦労もなく一つ
のビジネスモデルを構築できたのはこの会での勉強のおかげだと会のみ
なさんには感謝をしています。
オンリーワンを目ざし、他社との違いによって経営戦略を立てる。こ
ういう考え方は同業者の会や既得権者の息のかかった会では勉強できる
ところはないと思います。常に右か左か上か下かの選択を迫られ、それ
を自分だけで決める時には、人がしないことへの方向に行くということ
を常に優先させてきました。私と敵対する既得権者達とは正反対の考え
方です。既得権者の中でエリートと呼ばれる人は、多くの人が向かう方
向を選び、同じフィールドで戦う。そこでの競争に勝ち抜くことができ
た人。総合的な能力、特に学校の勉強のようなものの能力が高いからそ
れで通用した。そのエリートが有利に生きられるためのしくみをこの先
も通していくとすると、多くの人が不幸になっていくと思います。医者
の会が「医者が増えすぎるのは良くない」といっているのを聞くと、医
者の職業倫理って何なのかと疑問を感じてしまいます。そのエリート達
に言ってやりたい。いつかはエリートでなくなるときがくる。エリート
のままで歳をとると、寝たきりかぼけ老人になる。
中小企業家同友会の提唱によって、中小企業憲章という法律ができま
した。群馬同友会でこの憲章の必要性を2年ほどかけて勉強したのでそ
の内容をまとめます。
大企業や役所ではなく、小さな会社の繁栄を優先させることが日本を
良くする。役所優先は過去も未来もあるはずはないことでしょうが(た
− 63 −
っぷりと皮肉を込めて)、大企業優先の時代は長かったようです。戦後
の高度経済成長。終戦後の日本は経済力が世界でも最低ランクだった。
1980年代、例え短い時期でもアメリカを抜いて世界一の経済力になった
時がありました。半世紀もたたない短期間で最低からトップの経済力の
国になった。世界史の上でも例のない特別特異な現象が起きました。日
本のこの経済力ごぼう抜きの理由を並べることから、なぜ中小企業憲章
なのかという勉強をしました。
ごぼう抜きの要因1
仕事でがんばれば、マイカー・マイホーム、自分(達)の欲求を満た
すことができるという目的意識を持って、多くの人がいっしょうけん
めい働いた。
ごぼう抜きの要因2
底辺の学力レベルが元々世界トップクラスだった。学力の内容は軍隊
的な教育によるもので、2次産業、主に製造業の担い手としての能力
の高い労働力が十分にあった。
ごぼう抜きの要因3
人件費が欧米先進国より低く産業製品の価格競争力に反映することが
できた。
ごぼう抜きの要因4
東西関係。日米安保条約。自由主義経済の見本市としての国際的に経
済的繁栄が認められていた。
結果、気楽といわれたサラリーマンでも退職金で家が買えるような、
これも世界に例のない特別な現象も起こりました。今はこの4つの要因
すべてが該当しないのですから日本全体の経済力が上がることもない
し、裕福なサラリーマンという階層もいなくなります。大企業が利益を
求めて多国籍化していくのは自然なことで、一人一人の人間の暮らしを
優先することなどはありません。反面、小企業は社員や取引先の人々が
地域で生活するのと並行して仕事をすすめることが不可欠なので、その
小企業が元気でなければ人々の暮らしは成り立たない、という訳で中小
− 64 −
企業憲章となるわけです。
私の業界の例をとってみても、
・天下りの組織が、観光地経済の活性化に貢献してきた私の仕事を葬り
さろうとしている
・小さなバス会社が営業しずらい取り決め
・役所と大きなバス会社を優遇し、小さな会社と小さな会社のネットワ
ークに対し妨害行為をしたもの
と、はらぼじ観光被疑事件を位置づけることもできます。
経済力が世界で20位になろうと50位になろうと、悪いことばかりでは
ないと思います。要は同じ法律の縛りでやっていこうとすれば無理がく
ると思います。
もう他人が持っているものをほしいとは思わない。一人の子供が祖父
母の家2軒以上を引きつがなくてはならないし、車もテレビも何もかも
物に不足はありません。当然出てくるのがニーズの多様化、価値観の多
様化、という現象です。ニーズの多様化に応えられるのが小企業であり、
市場規模の大きなものしか取り扱えない大企業ではニーズの多様化に応
えることはできません。新しいこういうニーズが生まれるはずだ、新し
く生まれるであろう市場を待ち伏せしてつかまえることが市場創造で
す。市場創造するためには会社は小さければ小さいほど有利なのです。
従来の仕事をお年寄りのグループ作りのためになる商品に変えていく、
という戦略で仕事を変えていきました。「問屋抜き」はどの業界でも当
たり前の現象ですから、お客さんと宿泊施設が直接つながる機会を多く
していきました。違う戦略が功を奏して、お客さんの支持と商品提供先
である宿泊施設の信頼を得たのです。旅行業者の立場を捨てる、そして
新しい仕事をする。そういう意味での資格許認可放棄だったのです。人
の物を奪い取る気もない、だます気もない、ましては人に危害を及ぼす
気など全くないのです。犯罪呼ばわりされる筋合いはありません。
ニーズの多様化に応えるために、古い規制がじゃまなのです。
− 65 −
商品サービスの値段は下がるのが当たり前で価格競争に勝ち抜くため
には会社を大きくするしかない。その競争に勝ち抜ける能力のある経営
者は何人もいません。差別化して新しい市場の芽を育むこと。そういう
ことが小企業の経営者の仕事なのです。
− 66 −
コラム2【業界と業界のはざまで新市場を作る】
私の場合は旅行業界、バス業界の規制に反発して、宿泊施設所有のバスを
有効活用することで一つの市場を作ることができました。業界と業界の壁を
なくすという考え方です。
健康食品ブームですが、健康食品を売ることと「お客さんの心と体のケア」
を並行して行うことで業績を上げている会社があります。電話でお客さんの
心理状態や体調を聞いた上で自社の商品を販売しているのですが、この会社
の仕事も厳密にいえば、クスリを売る時の規制、医療行為云々の規制に触れ
るようです。この会社の業績は上々だと聞きました。
全国のどこにでもあって、海外まで店舗展開しているカラオケ店。店内で
飲食させて利益を取るのが当たり前でしょうに、飲食物の持ち込みもOKな
のだそうです。温泉地の倒産したホテルの廃墟。町中のシャッター通り。社
会問題となっていますが、このカラオケチェーンの価値はお客さんにカラオ
ケを楽しんでもらうことではなく、空き店舗の活用のようです。不動産業と
カラオケ業の間に自らの業態を置くことで急成長しました。
新しい市場創造には、自分の業界はこうあるべき、という業界の常識を否
定することではじまる例は多い。全国旅行業協会が言うことを聞いていたの
では、同じフィールドで戦うことを強要され、市場創造することはできませ
ん。
新しい内閣ができて、経済力が上向くかどうかという話題でもちきりです。
しかし、経済力を上げるための「予算」「お金」はさらにたくさん使うよう
です。相変わらずに国と役所の借金はふくらむばかり。私が国と役所の借金
を意識しはじめたのは、久米ひろしがニュースステーションの司会をしてい
た頃でした。645兆円という数字を覚えています。電光掲示板風のもので借
金の額が刻一刻増えていくのを現していました。今は900兆円とか。この借
金、だれがどうするのでしょう?
予算など使わずに、経済発展させるのには規制緩和しかないのでは。実際、
資金のない私は規制に逆らったから経済的な貢献ができた。お客さんにも取
引先にも喜ばれた。
− 67 −
規制をかける全国旅行業協会のような組織が、なくなることが、観光産業
の発展に直結します。政治家の方、だれか、やってくれませんか!
既得権者は、今のままの方が生きていくには困りません。新しい市場創造。
経済の活性化などどうでもよいことなのでしょう。はらぼじ観光被疑事件の
判断を既得権者ではなく、民衆の多数決で決めてほしいものです。
− 68 −
第12章
【資格というきたない言葉】
他人を観光案内をすることにはたして「資格」など必要あるのでしょ
うか?
差別化を明確にしなかった頃、四国の遍路の旅を企画しました。お遍
路さんが通る街道筋の住民は昔からお遍路さんに対して親切に接したそ
うです。「接待」という言葉はお金で取引先を歓待するという意味でよ
く使われますが、四国ではお遍路さんに親切にするという意味でだれで
もよく使う言葉です。食事や宿泊を提供することと観光案内は密接に関
係しています。私がもし有罪なら食事や宿泊を提供する業者にまで「資
格」を強要することになりかねません。私を陥れた既得権者はそこまで
考えているのでしょうか?
日本は島国で見知らぬ人を「流れ者」呼ばわりし、排除する傾向があ
ります。「資格がなければ仕事ができない」という思想に近いものです。
しかし、それでは観光立国などできるはずもありません。
二十歳でこの仕事に就いたのは「自分が好きな旅行を他人にさせてあ
げられて、それを仕事にできれば、そんな良いことはない」。そういう
考えからでした。今でも銭金抜きで自分の小さな車でもだれでも案内を
してやりたい。それで喜んでもらえればそんなうれしいことはないと、
いつも考えています。あれがダメ、これがダメ。資格がなければ仕事が
できない。資格がなければ他人に喜びを与えることができない。そんな
ことを強要する人は観光産業に就いても、何の役にも立ちません。
私は旅行業法の一文、埃を被った法律で摘発されましたが、こんなこ
とで有罪になった人は今までいなかったことでしょう。海外の特別な地
域への案内や危険を伴う所への案内をしていた業者が、それで「事故」
を起こしたときに制裁や調査の意味で資格云々で拘束するというのが現
実でしょう。宿泊提供者が観光案内するなど、グレーゾーンで仕事をす
− 69 −
ることは零細業者の使命ともいえます。私は契約先のホテル旅館の「代
理」という立場を取っていました。
資格がきれいなものではなく、きたないものになってしまうのは、資
格を持つ既得権者が「他社排除」をした時です。
資格は自分の技術レベル知識レベルを回りに伝えるための手段という
ことが本筋なのに、資格がなければ何々ができない、ということは憲法
で定められた「自由」と「職業選択の自由」に反しています。資格制度
は他人に危害を与える確率の高い業種に例外的に使うべきではないでし
ょうか。
はらぼじ観光は既得権者の他社排除の考えによって消されようとして
います。はらぼじ観光が消えれば済むという問題だけではなく、その弊
害が回りへの迷惑だけではなく自らの首を絞めることになってしまう。
それを伝えることが「4合目」のテーマでもあります。
個人の資格が実際の仕事で役に立つときと、役に立たない時を分けて
考えてみます。その資格が希少価値の時は役に立つ。資格者が過多(必
要とされる量より資格者の数が多いとき)な状態の時には役に立たない
わけです。病院勤務をするレントゲン技師の人が言うに、レントゲン技
師は給料が安く、看護士の給料は高くなっていくとのこと。看護士の数
が患者何人に対して何人以上と決められているからだそうですが、この
場合が現実の需要と供給の関係よりもだれの意思によって需要の量を調
整しようとしているようです。医者の会が「医者の数が増えたら困る」
といって数が増えないシステムにしようとしているようです。看護婦の
数が増えて医者が増えない状態が何を意味するのか。医者達が若いとき
に大事なものを犠牲にして勉強ばかりしていた弊害がこういうところに
出るのかな、と考えてしまいます。私が尊敬する医者は一人きりで黙々
と仕事をしています。
東京で旅行の専門学校に通っていた頃、最初につきあっていた女性が
− 70 −
美容学校を出て美容院に見習いで働いていました。勤めはじめてから1
年たって国家試験を受けるというのですが、試験の内容を聞いたところ、
「現実の仕事の内容とは全く関係ない」のだそうです。後になって「カ
リスマ美容師」と呼ばれてマスコミでも取り上げられた売れっ子の美容
師が「無資格」で摘発されたというニュースを聞きました。「売れっ子」
ですから技術は最高なのでしょうね。若い頃から腕が良い分、国家試験
などは無視して「お客さんに喜ばれる技術」を追求した結果でしょう。
被疑者である私の「うぬぼれた性格」と共通しているようですが、反面、
お客さん受けが良いということも共通しています。「資格を取らねばな
らない」という考えの人は、どうもお客さん受けが悪い、ということは
いえるようです。
旅行業の場合、事業所ごとに旅行業務取扱主任者という個人の資格を
持つ者がいることが義務づけられています。海外の業務を扱える資格を
昔は「一般」今は「総合」旅行業務取扱主任者と呼び、国内に限定され
た資格を「国内」旅行業務取扱主任者と呼びます。私は英語が全くでき
ないので(関係ないけど韓国語での会話はできます)、昔の「一般」を
取得することができず、国内の方を自宅を営業所にした25歳の時に取り
ました。私が就職活動をした頃は、「一般」を持っていれば就職には有
利でした。その時代は海外旅行者の数も右肩上がりに増える時代の話で
す。ほとんどの人が旅行会社頼みで海外へは団体で行くことがほとんど
の時。今のように個人で海外旅行をする人が主流になれば、航空会社と
行き先の国でサービスを提供する者(ホテルや現地の旅行会社)が直接
お客さんと「契約」することになるのですから、旅行会社の仕事がなく
なるのは当然です。30年前と変わり映えのしない勉強を強要されて取る
資格が役には立たず、美容師も旅行業も資格と実務が異次元のものとな
っているのです。資格を取るための勉強の内容は、「既得権者達の意思」
に洗脳させられるもののようです。
インターネットの画面でも海外の予約ができる時代。総合旅行業務取
扱主任者の「技量」がどこに反映されているのでしょうか?
無資格を取り締まったところで、取り締まる人たちを、消費者(大衆)
− 71 −
が敬意を現したり感謝をするはずもないことでしょう。無資格で摘発さ
れた業者を評価する消費者の声は「他社排除という悪意によってチクら
れた」結果だというものです。私のこれからの活動を支援する人が増え
ればこのことの証明になると考えています。
消費者保護のためという理由がまやかしなのは、業界内部にいる人な
らだれでもわかっています。はらぼじ観光の社員にも一般(総合)も含
めて営業所の数にはあり余る資格者はいました。何かに困って放棄した
わけではないのです。資格を持つことの弊害を考え、こういう考えが回
りのためにも役立つと思ったから資格をあえて捨てたのです。
資格を持っていることで逆に差別化できなくなる、許認可を受けてい
るという理由で敵意を持った既得権者が営業妨害にやってくる。悪意を
持った既得権者から逃れるために自ら資格許認可を放棄したのです。
18歳の若さでとび職として最前線で働いている自慢の息子がいます。
中学の時には勉強が苦手で個性的でした(ぐれている、と先生達は見て
いたことでしょうが)。「個人レベルのがんばり・3合目」で書きました
が、その上の娘のことで学校から不当な呼び出しがあって、私もその学
校の先生に対して不信感を持っていました。結果、先生の言うことを素
直に聞くことはできませんでした。息子の登校拒否を私が応援する、と
いう形になりました。息子のことで学校に行ったとき部活動の先生が
「部活動に参加する『資格』がない」と言ったのが印象的でした。どん
な人間にでも社会参加する「資格」はあるのですよ、センセイ達!
私は前橋高校という進学校の落ちこぼれですが、一般的な前高生が小
企業の社長になると会社をつぶすことが多いのです。役人や大企業の役
職には向いていても、小企業の経営には向いていない。先生が正しいと
いう答えを正解とする勉強では、有能な「サラリーマン」や「兵隊」は
作れても、独自の発想で、小さな新しい仕事を作るという起業家は生ま
れてこないからです。今の先生達の考えで子どもたちに接したのでは新
しい時代の「国力」が落ちるのは目に見えています。
登校拒否の息子でも卒業証書は届けられました。息子は学校から解放
− 72 −
されて、自分で職探しをしました。話は飛びますが、息子より年上の高
校3年生の就職活動。高校3年生達は自分の就職口を自分で見つけるこ
ともできないのです。職安と先生を通じてでないと高校生は就職活動が
できない。その時でしかできない貴重な体験をさせてもらえないのです。
息子は失敗しながらでも、自分で自分の仕事を見つけました。レールか
らはずれたことで得ることができたのです。他社排除をする既得権者達
はレールからはずれたことがない人たちかもしれません。
息子が中学を「やめた」後、会社に呼んで、息子が嫌いな「勉強」を
いっしょにしたことがありました。「15歳のワークルール」という本の
読み合わせです。息子に語彙や書かれている法律の内容などをインター
ネットで調べさせるのですが調べることが早くて上手なんです。学校の
勉強が全くできないのに調べることはできるのです。通訳だってパソコ
ンが無料でしてくれる時代です。自分で目的意識さえ持てば何でも調べ
て理解することができる。上の学校に行くための勉強、そんなことが何
の意味のないことだとつくづく思います。要はいかに自分が目的意識を
持てるかどうか。息子の学校の先生にしても、私を陥れた既得権者にし
ても、なぜ、「あれがダメ、これがダメ」と言って、回りのためにがん
ばっている人の「やる気」をそぐようなことばかりするのでしょうか!
− 73 −
第13章
【災害と観光産業の関係】
震災と自分の仕事についての関係について考えてみます。意識しはじ
めたのは1995年の阪神淡路大震災からです。それまでは「自分が一人で
がんばればどうにでもなる」という意識しか持ち合わせていなかのです
が、はらぼじ観光を設立し、環境と自社の関係についての考えはじめて
からだと思います。
阪神淡路大震災の時、震災地を訪れることは「不謹慎な行為」といわ
れました。
2004年の中越地震には直接かかわりを持ちました。震災直後には100
以上の団体のキャンセル。キャンセルへの対応が一段落した後は長岡の
事務所を拠点にして9割の避難所を直接尋ね歩きました。被災者が取引
先のホテルに泊まってもらう、というボランティア活動を試みたのです。
東日本大震災とは様相が違って避難所にいた人は例え自分の家が壊れて
も「自分の家の近くにいたい」という心境がほとんどでした。実際、無
料で宿泊してもらった人は100人にもなりませんでした。車で1時間圏
内のホテル旅館がお風呂に入りにきてもらう、というボランティアは役
立つものだったようです。被災者を泊めることへの対価は1泊5000円が
中越地震でも東日本大震災でも相場のようです。ホテル旅館には役所が
被災者に代わって支払ってくれます。
風評被害が直接的な被害よりも大きい、というのは観光産業にかかわ
る人はみな実感したはずです。新潟県全域が被災地だと間違った認識を
持たれてしまう。物理的被害は皆無だった東は瀬波温泉、西は赤倉温泉、
100キロも離れた観光地にも観光客が寄りつかなくなってしまったので
す。
意外だったことはお客さんが全くなくなっても観光地の経営者はジタ
− 74 −
バタしないのですね。あえて理由をいえばモラトリアムのおかげです。
震災だから銀行は平常時よりも簡単にお金を貸す。借金は返さなくても
よいわけです。よって、8章で書いた小泉施策のような自助努力という
考え方が消えてなくなる。
中越地震の翌春には「新潟キャンペーン」と称して、新潟への送客に
集中しました。新潟県内の取引先にいわせると「募集ものを扱う大手旅
行会社は、やっても集まらないから新潟の企画は避けること」。その話
を聞いて、「はらぼじ観光は他社の逆をやろう」と新潟へ集中送客しま
した。寺泊の海産物店は「はらぼじ観光のお客さんしかいない」とまで
言ってくれました。そこそこの数を送ることはできましたが、結果は空
しいものでした。その後、新潟県内の取引先が減ってしまったのです。
理由は次にあげる3つにあると考えています。
大災害とのかかわりでの1つ目の教訓は風評被害の大きさと風評被害
に対して何の抵抗もしない観光産業のかかわる人達の存在です。中越地
震では生活に支障を来す直接的な被害は中越地方に限定されていまし
た。物理的な被害のなかった下越、魚沼、上越地域。新潟県全域が被災
地なのだという認識を他県の人は持たされることになります。これは
「危ない、危ない」としか言わないマスコミの報道が原因でしょう。大
地震でなくても、台風や大水の報道。河川の決壊や土砂崩れなど、危な
い場面の映像が度重なりテレビに映し出される。直接の被害のない観光
地も地域名が同じだということで、お客さんは心配ばかりします。そし
て旅行を延期や中止をします。お客さんは電話一本で済む問題かもしれ
ませんが、受け入れや私たち業者は、収入が途絶えます。そのことに対
しての不満もあります。
2つ目の教訓は、大震災という非常時には人を遊ばせるような仕事、
娯楽や観光の仕事は、ないがしろにされるということです。確かに人命
や衣食住の確保が緊急の課題なのでしかたがないことかもしれません。
しかし、そのままでは将来的に観光産業従事者はいなくなってしまいま
す。余談ですが、自衛隊の活躍は立派でした。せっぱ詰まった救助活動
− 75 −
だけではなく避難所の食事はみな自衛隊が作ります。避難所と少し距離
をおいた所にテントを張り(目立った活動をする既得権者とは違って)、
目立たなくてもなくてはならない存在でした。自衛隊=戦争という作ら
れたイメージを払拭するため、「緊急時救助隊」のような名称に変えた
らどうでしょう。自衛隊への印象は変わりましたね。
3番目の教訓は、大災害の被害を被った地域は社会主義国化するとい
うことです。金持ちも貧乏人もなく、緊急時の「指導者」の命令一つで
みんなが行動を共にしなければ命がなくなってしまう。だから、これも
しかたがないことかもしれませんが、それで既得権者がますます権力を
強めたら、自由という概念が消えてなくなってしまいます。社会主義化
する地域は限定しなければなりません。
中越地震から3年後の2007年の中越沖地震。そのような理由で長岡に
は無人の事務所、転送電話での仕事となっていました。よって直接的な
痛手はありませんでした。風評被害には敏感だったので、マスコミ各社
に風評被害を起こさないようお願いするメールをを2、3日の間、送り
続けました。私のお願いのせいかどうか、テレビ朝日のニュース番組だ
けが柏崎市を赤く囲んだ地図を示して、「被害地の特定」を伝えてくれ
たことはうれしかったことです。
今回の東日本大震災と観光産業との関係について考えてみます。福島
県、特に会津地方にははらぼじ観光の取引先、ホテル旅館数軒、ドライ
ブイン観光施設も数軒あります。群馬県全体での契約先の数よりも多い
数です。まず、風評被害についてです。会津地方は地域全体が壊される
までの被害はなかったようでした。しかし、風評被害が深刻になること
の予測はつきました。会津の取引先を並べて放射能値が栃木県などより
も低いという内容の広告をしました。しかし、すっかり拍子抜けをしま
した。拍子抜けの理由は中越地震でもあったモラトリアム(支払い猶予)
と補助金助成金の類を取引先が受けとることで、風評被害対策をしなく
ても済む状態になったからです。家族経営の食事の施設でも千万単位の
− 76 −
補償金が支払われました。お客さんと日銭の確保は必要のないことにな
ってしまいました。ここでも考えられることが、風評被害が打撃になる
人はその地域で働き暮らす人です。風評被害が平気な人、強く言えば風
評被害を利用して得をする人は既得権者と既得権者からのおこぼれに飛
びつく人だということができます。中越地震の後のむなしさと同じ理由
です。
阪神淡路大震災、その後の経済状況を研究した学者先生によると、震
災直後の企業の倒産数はそれほどでもなかったそうです。震災から数年
後の企業の倒産数が極端に多くなりました。「震災バブル」という言葉
が示すとおり震災直後は観光産業のような一部の産業を除いて仕事は急
増します。しかし自らが差別化して作りだした仕事ではないので、震災
バブル崩壊と同時に仕事がなくなってしまうのです。
自分でいうのも何ですが、私の予想は当たるのです。一人で仕事をし
ていた頃は老人クラブが主な顧客でした。仕事仲間の営業諸氏は「安く
て儲からない年寄りのお客さんなどをよくやっていられるな」と私に言
ったものです。今では企業団体などのマーケットは消え失せ、営業諸氏
がけなしたお年寄りのマーケットが主流になっています。ホテルの送迎
プランにしても同業者達はグレーな仕事にかかわるのはヤクザな行為、
と私に諭したものでした。これも今では主流です。この先、震災需要が
なくなった時にどうなるのかを考えてほしいものです。
次に観光産業のないがしろの問題です。宮城県は震災バブルが目に見
えている一番の地域のようです。勢いに任せて海岸線全般を高さ10メー
トルの防護壁で囲むとか。地域の景観、観光客が望むものは無視されて
います。将来の観光産業はどうなるのでしょうか。
社会主義国化の傾向なのが一番恐ろしい。観光産業もないがしろにし
てはいない、という意味で被災者をホテル旅館に補助金で泊まってもら
う。その仲介をした旅行業者にもリベートが入る。福島でやっている助
成制度と聞きました。こんなことをしても焼け石に水。「補助」がなく
なった時に補助金をもらった業者が消えてなくなるのは目に見えていま
す。震災下で新しい仕事を作った経験はないので偉そうにはいえません
− 77 −
が、不景気で新しい仕事を作った実績はあります。新しい環境だからこ
そ、新しいビジネスモデルが生まれる。補助や助成、規制ばかりしてい
たのでは、新しいビジネスモデルの芽は出てきません。ピンチはチャン
スという経営者の合言葉がありますが、厳しい経済環境をチャンスと捉
えれば将来の自社の体質は強くなるはずです。東日本大震災がなければ
はらぼじ観光への強制捜査はなかったかもしれません。しかし、私は、
会社を休業している今がチャンスだと捉えています。
阪神淡路大震災の時、被災地を尋ねる人は不謹慎な人でした。東日本
大震災では同じ行動をした人が「勇気ある人」と、評価が正反対に変わ
りました。
− 78 −
第14章
【経営者仲間へ伝えたいこと】
特に中小企業家同友会の活動の中である時期私の態度が変わって、悪
いイメージを持った方がいると思います。度々飲む機会のあった人なら
そうはならなかったでしょうが、中間の距離感の中で接してきた人にそ
ういう態度を意図して作ってきました。
経営者の常識、一般論として「役所との関係を良好にすること」とい
うことがあります。それがいけないと思ったのです。役人のほとんどは
社会主義者で、あらゆる仕事の採算を考えない。私たち経営者は事業の
収支でマイナスになったら自分の存在そのものが否定されるから常に収
支を大事にする。でも、役人にはそういう考えがない。結果、国の借金
と重税です。重税になぜ大手マスコミは反対しないのでしょうか?
経営者が役人とうまくやる。その時点で国の借金の増加と重税を認め
荷担していることになる。
補助金をもらって、それが立派なことのように思っている経営者など
もっての他。他人から見たら「立派な社長さんが」役人にはこびを売っ
て、補助金をもらう、自分の会社や業界を良くするためという名目で役
人の助けを乞う。そういう姿を見ていると、いてもたってもいられなか
ったわけです。それが、悪ぶった冷たい態度となりました。結果、警察
の強制捜査となりましたが、自分の信念でやったこと、後悔など意地で
もしません。
わざわざ出かけていってまで、この事をいうまでしないかわりに、
「かってにやってろ、私は関係のないところで生きるから」。そう考えて
の資格許認可放棄だったのです。決算と納税は人並みにしていたし、な
により、自分の関係する世界では「信用」を大事にし、経済活動全体に
貢献し、お客さんにも喜ばれてきた。地震で8割減でも社員の独立制度
と私自身が全部の仕事をすることで経営を維持させてきた。補助金など
− 79 −
に頼ることはずっとなかった。
ところが、自分と合わない世界と距離を置こうとしても、そうはさせ
てくれない。向こうの方から、こんな形で追っかけてきた。本当に関係
のないところに行くか、表舞台で、堂々と発言をしながら生きていくの
か。これからの私の活動いかんでどちらかが決まると思います。
既得権者と距離を置いても、自分の仕事を自分で作っていくためのノ
ウハウを説明します。
新しい市場を作るために、その1、古い価値観を否定してみる
一家の主婦は旦那や子供のために手作りの料理を作らなければならな
い。古い価値観はそういうものでした。手作り料理をしない悪い主婦を
応援する。古い価値観を否定し新しい価値観に基づくもので、外食産業
は大きな市場になりました。
親や先生のいうことは良く聞くこと。この考え方は、動かない社会で
ある江戸時代に取り入れられた儒教の価値観だそうです。同じ時代、長
くて動かない政権だった隣の国、韓国の李庁朝鮮時代にもこの思想が世
の中を牛耳っていました。儒教の教えは、世の中が動かないことで既得
権者がそのままでいられるための思想です。息子が中学にピアスをして
いって先生に「ピアスをしている生徒は授業を受ける資格がない」と言
われる。それを見ていて、子供でもだれでも入れ墨をすることが常識と
なっている国の子供が生徒になった時、どうするのだろうか、先生はそ
れをやめさせるのだろうか?と考えました。新しいビジネスは古い価値
観と相反するもの、場合によっては「悪」とされる違う価値観を満たす
ものにあります。
よって新しい商品サービスは常に「いかがわしい」ものだともいえま
す。とはいっても、自分が嫌いなもので仕事を作ることなどはできませ
ん。少数派の価値観をいろいろ知って、その中で自分が共感する価値観、
自分と共通する少数派の価値観を見つけ出し、その先にある具体的な商
品サービスを作り出せれば、それが新しい市場となります。
− 80 −
新しい市場を作るために、その2、業界の常識良識を否定してみる
日本酒の需要が激減する中、海外のレストランへの販売を営業戦略と
している造り酒屋の社長の話です。若い人が日本酒を飲まなくなる。商
売敵はビールでもワインでも焼酎でもない。商売敵はケイタイ電話だ。
若い人が酒を買うお金の代わりにケイタイ電話にお金を使っている、と
いうのです。俳句の季語にある「水喧嘩・水争い」などは無意味だとい
うことです。
はらぼじ観光被疑事件でのテーマは資格許認可ですが、その前、はら
ぼじ観光の市場を作ったテーマは白ナンバーのバスの有効活用でした。
旅行業界の常識では、白ナンバーを使うことはタブー。やってはいても
陰にかくれてコソコソやっていたものを堂々とやりました。その時は警
察は来なかったが、今回は来た。やはり選挙がらまりが真実なのでしょ
うか?
それができた理由はお客さんには白だ青だの意識がない、ということ
でした。便利なら営業許可を受けていようがいまいが関係ない。青だ白
だをいくら「広告」しても「本質」を市場は知っているのです。
結果、観光地の経済的疲弊という現実もあって、白ナンバーのバスで
も運送の対価を受けなければ違法ではない、という役所の通達がでるよ
うに変わりました。法律が変わったわけではありません。法律云々での
規制は実体経済を殺すのです。
私が仕事を再開できれば、差別化を加速させ、宿泊施設のアドバイサ
ーという仕事をしていくつもりです。過去の強みは持ったまま、強みを
生かした業種転換によってさらに新しい市場を作り出すつもりです。
はらぼじ観光被疑事件の表向きの発端は全国旅行業協会がはらぼじ観
光を刑事告訴したことにあります。旅行業協会の会員であることでメリ
ットを得ているのは役所からの仕事や学校の修学旅行を扱っている役員
をやるような一部の業者だけでしょう。官からの仕事をしていれば相見
積もりという手法により仕事をとるわけですから古くからの基準だけで
仕事を組み立てるしかありません。差別化などしようもありません。し
− 81 −
かし、それではほとんどの業者はやっていけなくなるのです。
はらぼじ観光が白ナンバーのバスの有効活用をしていたことからバス
業界からにらまれていたのかも。バス会社を束ねるバス協会では「営業
許可を受けない白ナンバーのバスの排除」をしています。排除したって、
なくなりません。バス協会を辞める中小バス会社も増えて当然です。規
制ばかりして、将来の展望など何もないのですから。狭い業界の価値観
で全体の経済の活性化を妨げる業界団体の弊害も言い続けなければなり
ません。
新しい市場を作るために、その3、競争淘汰を受けて立つ
TPPとやらが導入されると農家の仕事がなくなる、と反対している
組織があるそうです。戦争をしない限りは、経済分野での競争はさけて
は通れない。日本がこれから鎖国にもどるというのなら話は別ですが、
人も商品も自由に行き来するのは国際化の自然な流れです。
まじめな農家の人には無縁?な分野での例え話をしましょう。風俗と
いう業界での話です。風俗嬢で高く売れるのは若くて美人で気だてが良
くて・・・こういう常識があって、風俗店は若くて美人で気だてが良い
風俗嬢を好条件を提示しながらそろえていった。そういう企業努力があ
って、風俗産業全体にもお客さんが増え続けていきました。そして、高
級店ならより高い価格も提示できた。そういう時期を好景気と呼びます。
株の値段が上がっているから好景気ではなく、供給量が需要量より少な
い時が好景気で物価も賃金も上がるのです。それでもいつかは必ず風俗
嬢の数(供給量)がお客さんの数(需要量)を上回る時がやってくる。
不景気の到来ですね。それで倒産廃業する店もあって、需要と供給のバ
ランスが保たれるのですが、生き残る店はまじめに若くて美人で気だて
が良い風俗嬢をそろえた店ではなかったのです。なんと、デブ専、年増
専、それにSM専門などという、かっては見えなかった個別のニーズに
対応した店がいつのまにか生き残っていたのです。そしてデブ専、年増
専、SM専門、そういう小さな市場が生まれたのは市場全体が大きくな
ったからなのです。
− 82 −
米のブランド化というのもありました。個人の農家の人だって、自分
独自の何かを仕事で表現したくはないのですか?米だって、価格統制と
いう規制を打ち破ったからこそ、ブランド品ができたのです。貧困ビジ
ネスのお客さんではありません。規制で守られることでは例え守られた
ところで短命なのは見えています。
タクシーの値段を役所が決めているようでは、タクシー業界から新し
いビジネスモデルも新しい市場創造も生まれるはずもありません。価格
競争があった後でこそ、お金の力なしでの経済発展は生まれます。
− 83 −
コラム3【会津と富岡、個人商店が観光地を支えている実例】
福島県内の取引先が増えた頃、福島民報という地方紙を読んでいました。
経済面で群馬の上毛新聞が製造業のことばかり取り上げるのとは正反対で
す。観光関連業種のことばかりを記事にしていて、その違いを考えさせられ
たものでした。最近の上毛新聞の内容はがらりと変わったのですね。福島民
報のように観光関連の記事が極端に多くなったのです。その中でも富岡製糸
場をしつこいほど「宣伝」しています。
NHKの大河ドラマが「群馬」を広告するものになりました。地域全体で群
馬を広告し観光産業を発展させよう、という意思が感じられます。NHKの大
河ドラマの広告効果はたいしたものです。ドラマで取り上げた行き先へのツ
アーの集まりが良いことは多くの旅行業者は知っています。取り上げられた
地域への観光客は増えることは明らか。富岡にも観光客は増えることでしょ
う。
しかし、観光客が増えた原因は「予算」を使って、「広告」をした結果だ
ということです。
20年も前に栃木県足利をテーマにした大河ドラマがありました。足利学校
は小さな祠だけがあるだれも立ち寄ることのない神社のようなものでした
が、近代的な「史跡」が新しく建築されました。オープンセットも公開され、
新しい観光地が生まれました。私の取引先だったドライブイン。バス2台の
収容だったのがバス10台以上を取り扱える大きさに拡張されました。しかし、
今ではそのドライブインは廃業しました。建築された足利学校はバスの車窓
から眺められるだけで観光客が立ち寄ることのない施設になっています。
今回の大河ドラマは会津と群馬、両方を取り上げる内容のようです。会津
の観光地2ヶ所を取り上げることで観光産業の継続について考えてみます。
白虎隊のお墓がある飯盛山。階段の下には食事のできるお土産店10店ほどが
並んでいます。バスが着くと店の従業員が説明をしながら白虎隊の墓への
「ガイド」をしてくれるのです。お客さんが多い時間は店内で剣舞のショー
も見せてくれます。どっちも無料。従業員自らがガイドもショーもするので、
従業員が販売するお土産を買ってくれるお客さんも増えます。
10店の店、みな個人の事業ですから震災後観光客が途絶えても店を閉める
ことはないでしょう。店が生きる場所なのですから。
− 84 −
同じ会津の鶴ヶ城。東日本大震災の数年前に天守閣が金張りの豪華なもの
に改修されました。もちろん市か県かの予算を使った事業のはずです。鶴ヶ
城に行く観光バスのほとんどが立ち寄るドライブインがあります。このドラ
イブイン、鶴ヶ城へのお客さんを独占する大型店なのですが、10年前に多額
の負債を残して倒産しています。震災後も銀行管理で営業は継続してるよう
です。鶴ヶ城のドライブインが保有する観光資源は公の資金で成り立つ観光
施設。競争相手のいない独占企業。そして倒産です。
飯盛山下の小さなお店。みな個人事業主です。そこには店主自らの意志が
あります。これからも「予算」なしでも営業していくことでしょう。そして
鶴ヶ城。公の予算で管理される施設を無料で利用できる大型店がなぜ倒産す
るのか。あれだけバスが集まった足利になぜバスが来なくなったのか。
「予算」を使って集客しようとしている富岡。世界遺産とやらも不発に終
わって、10年先がどうなっているのかがみものです。「税金の無駄使い」な
どと言われないように今から準備しておいた方がよいと思います。
こういう発言も被疑事件の原因の一つかもしれません。
− 85 −
第15章
【価値観の合う人との社会運動】
選挙活動を止めさせようとする「圧力」を受けてから、圧力や敵対心
で私の所にやってくる公務員と、通常の業務でやってくる公務員の違い
がわかるようになりました。はらぼじ観光への強制捜査は明らかに圧
力・敵対心からきたものです。はらぼじ観光があのまま仕事を続けてい
てもだれかに迷惑がかかるわけではなかった。緊急性がないのだから、
一人か二人でやってきて事情を聞けばこの先出されるはずの「結論」と
同じものは出たはずです。実際、前橋東警察の生方氏も北村検事も「そ
うかもしれない。」と、直接、私に話しています。私と直接対峙するこ
とを避けようとする意思の現れかもしれませんが。
逆手にとって、被疑者・被告人という立場を利用して自己主張ができ
ないだろうか、と考えているわけです。
再開したホームページに名前を載せてくれる「仲間」を募ろうと思い
ます。恥ずかしながら強制捜査から1年ですっかり貧乏になってしまい
ました。金銭的なご協力も合わせてお願いしたいと思います。
「仕事もしないで、金をせびるなど、もっての他」と思われる人がほ
とんどでしょうが、100人に1人でも私に賛成してくれる人がいるとし
たら、1万人に伝えれば100人名前を載せてくれるのではないか。20年
以上、現実の仕事でやってきたノウハウです。「がんばらないけどあき
らめない」。長い時間を想定して少しずつでも賛同者を募るつもりです。
私がはらぼじ観光被疑事件を公表していくことで、既得権者へ「不当
な圧力をかけることは無意味なこと」だというメッセージを伝えようと
思います。実際、よくわからない罪で1年牢屋に入った元外交官がベス
トセラー作家になったりもしています。
それから黒幕の意思で動いた木っ端役人にもメッセージを伝えたいと
− 86 −
思います。「そんなことをしてあなたが『特進』したところで、あなた
自身のためにもならない」。よって、上からの命令だと言い逃れする人
すべての人へ抗議するつもりでいます。
私の仕事を引き継いでくれている元部下達にも、この先、堂々と仕事
をしてもらわねばなりません。私の取引先だった人たちには、送迎サー
ビスについても、旅程管理業務についても「無資格で」堂々と仕事をし
てもらわねばなりません。そのためにも自分が有罪と認めるわけにはい
きません。
4月現在、まだホームページの再開はしていませんが、この本が刷り
上がって、主な弁護士事務所や議員さんへ配布し終えた頃には再開する
つもりでいます。
気の合う弁護士さんとも「組みたい」と思っています。私が助かるた
めの活動ではなく社会運動として考えています。着手金と毎月の費用は
最低で、その分、無実を確定させ万が一損害賠償金を得ることができた
時の報酬金の率は高く決めて下さい。弁護士費用は後払い、出世払いで
もいい、と考えてくれる方。私も「お金のため」という考えは捨ててい
ます。お金にならなくても既得権者と戦うこと自体に目的を持っている
方と組みたいと考えています。
多くの弁護士事務所宛にこの冊子を送るつもりですが、考え方が合わ
ない方がほとんどだと思いますので、違和感を少しでも感じたら無視し
て廃棄して下さい。連絡は不要です。ただ、こういう事件があった、と
いうことを頭の隅において欲しい。その希望はあります。
当面の活動
○はらぼじ観光と松浦の無実を主張する
− 87 −
○前橋東警察と全国旅行業協会へ抗議する
きりがつけば活動はやめて以前の仕事か新しい仕事をしているかもし
れません。私の気力が継続し、もし協力者が増えていったとしたら将来
的には観光関連産業の規制緩和のための活動をしていこうと思います。
将来の活動
○観光関連産業の規制緩和により、観光産業を元気にしていくこと
○既得権者の主導ではなく、観光産業の直接の担い手である零細業者
自らの考えと行動によって観光関連産業を元気にしていくこと。い
わゆる民主主義による観光産業の発展です
− 88 −
後ろ書き
4月11日現在、北村検事からも裁判所からも何の連絡もありません。
検事という立場にいる人は被疑者という特別な心理状態にある者との約
束も守らないものなのでしょうか?
これからの活動にしても仕事にしても、どうなっていくのか見当もつ
きません。しかし、私が最低限しなくてはならないことは、私と接した
人一人一人に、私の立場と考え方を伝えることです。何が変わらないと
しても、私がどんな惨めになってもそのことだけは続けていくつもりで
います。
自分の保身などにはこだわることなく、活動していこうと思います。
この冊子の中で著書やお名前を無断で書き入れています。差し障りが
あれば、これから配るものには、但し書きを添えたり配慮するようにし
ます。
私、松浦が非難していることに対しては、公の場で正々堂々と話し合
えることが一番良いことだと思います。
この冊子や文章を送り先のことは考えずに送ることになると思いま
す。考えの合わない方が多いことは承知の上です。合わない方は無視し
ていただくことをお願い致します。それぞれ生きる場所が違うのに、お
互いを「侵略」しようとするからはた迷惑な争いがおきてしまうのでは
ないでしょうか。
私と感性が合いそうだ、という方の連絡に期待しています。
4月11日 松浦 紀之
− 89 −
目 次
前書き ……………………………………………………………………
1
第1章 はらぼじ観光被疑事件 ………………………………………
3
第2章 無罪が当然である理由 ……………………………………… 12
第3章 強制捜査の背後にあるもの ………………………………… 15
コラム1 私の成田事件、強制送還体験談 ………………………… 28
第4章 全国旅行業協会への抗議 …………………………………… 30
第5章 前橋東警察への抗議 ………………………………………… 34
第6章 北村検事への反論 …………………………………………… 39
第7章 著作からはらぼじ観光被疑事件を考える ………………… 45
第8章 はらぼじ観光が多くの取り扱いができた理由 …………… 49
第9章 資格許認可許認可放棄という社会実験 …………………… 53
第10章 関越道ツアーバス事故について …………………………… 57
第11章 小企業の差別化戦略と規制 ………………………………… 63
個人レベルのがんばりが観光地を救う
4“合目”
著者 松浦 紀之
コラム2 業界と業界のはざまで新市場を作る …………………… 67
この冊子はどなたにでもお送り致します。
第12章 資格というきたない言葉 …………………………………… 69
ご意見やご感想をいただければ幸いです。
第13章 災害と観光産業の関係 ……………………………………… 74
第14章 経営者仲間へ伝えたいこと ………………………………… 79
コラム3 会津と富岡、個人商店が観光地を支えている実例 …… 84
第15章 価値観の合う人との社会運動 ……………………………… 86
後ろ書き ………………………………………………………………… 89
個人レベルのがんばりが
観光地を救う
4“合目”
はらぼじ観光被疑事件
発行
はらぼじ観光 松浦紀之
〒371-0054 群馬県前橋市下細井町635-15
TEL:027-234-3404
はらぼじ観光 松浦紀之著
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